説明

計量機能付き容器

【課題】簡単な構成でもって粉状物を所定量排出することができる計量機能付き容器を提供すること。
【解決手段】容器本体4と、この容器本体4の口部8に装着される蓋体18とを備え、蓋体18にて計量された粉状物Pが排出開口34を通して排出される計量機能付き容器。蓋体18は、計量開口42を備えた内蓋20と、排出開口34が設けられた外蓋22とを有し、内蓋20周側壁40は、排出開口34側に向けて径方向外方に拡がるテーパ状に形成されている。容器本体4を下方に向けて一振りすると、容器本体4内の粉状物Pが内蓋20の計量開口42を通して中間空間24に排出され、この計量の際に、粉状物Pが内蓋20の周側壁40の外周面に沿って流れることによって、計量開口42付近の粉状物Pの密度が高められ、これによって、粉状物P間の摩擦抵抗が大きくなって流出が止まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排出の際に粉状物の計量を行って所定量を排出する計量機能付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器に収容された粉状物を排出する際に計量を行って排出する容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この容器は、粉状物が収容される容器本体と、この容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、このキャップ本体に開閉可能に設けられた蓋体とを備え、キャップ本体に第1位置と第2位置との間を移動自在に装着された操作部材とを備えている。この操作部材に関連してコイルばねが設けられ、コイルばねは、操作部材を第1の位置に向けて弾性的に偏倚する。この操作部材には計量空間が設けられ、コイルばねの作用によって操作部材が第1位置にあるときには、この計量空間がキャップ本体の連通孔に整合し、またコイルばねの作用に抗して押圧して操作部材を第2位置に位置付けると、この計量空間がキャップ本体の振出し口に整合する。
【0003】
このような容器においては、容器本体に収容された粉状物を排出する際には、操作部材を第1の位置に保持した状態にて容器本体を逆さの状態にする。かくすると、容器本体内の粉状物が連通孔を通して操作部材の計量室に流入し、このようにして粉状物の計量が行われる。その後、逆さにした状態にて操作部材を押圧して第2位置まで動かすと、操作部材の計量室内の粉状物が振出し口を通して排出され、かくして、計量室にて計量された粉状物が振り出され、所定量の粉状物を振り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−126213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の計量機能付き容器においては、次の通りの解決すべき問題がある。第1に、キャップ本体に操作部材が第1位置と第2位置との間を移動自在に装着される構成であり、それ故に、その構成が複雑となり、容器の製造コストが高くなる問題がある。第2に、キャップ本体と操作部材との間に粉状物が入りやすく、これら両者間に粉状物が入ると、操作部材をスムースに移動させることが難しくなる。第3に、粉状物を振り出す際には、容器本体を逆さにした後、操作部材を第1位置から第2位置に移動させなければならず、粉状物を振出す際の動作が二つの動作となり、その動作が煩雑となる。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成でもって粉状物を所定量排出することができる計量機能付き容器を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、容器本体を下方に一振りするという単純な動作でもって粉状物を所定量排出することができる計量機能付き容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の計量機能付き容器は、粉状物が収容される容器本体と、この容器本体の口部に装着される蓋体とを備え、蓋体は計量機能を有し、前記蓋体にて計量された粉状物が排出開口を通して排出される計量機能付き容器において、
前記蓋体は、計量開口を備えた内蓋と、前記排出開口が設けられた外蓋とを有し、前記内蓋が前記外蓋の内側に配設され、前記内蓋と前記外蓋との間に中間空間が規定されており、
前記内蓋は、前記計量開口が設けられた底壁と、前記底壁から前記排出開口側に延びる周側壁とを有し、前記周側壁が前記排出開口側に向けて径方向外方に拡がるテーパ状に形成されており、
前記容器本体の口部を下側に向けて一振りすると、前記容器本体内の粉状物が前記内蓋の前記計量開口を通して計量されて前記中間空間に排出され、この計量の際に、前記容器本体内の粉状物が前記内蓋の前記周側壁の外周面に沿って流れることによって、前記計量開口付近の粉状物の密度が高められ、これによって、粉状物間の摩擦抵抗が大きくなって前記計量開口からの粉状物の流れが止まり、そして、前記中間空間に排出された粉状物が前記外蓋の前記排出開口を通して排出されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の計量機能付き容器では、前記内蓋の前記周側壁のテーパ角度は、30〜60度の角度でもって径方向外方に拡がっていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の計量機能付き容器では、前記内蓋の前記周側壁は、径方向内方に凹状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の計量機能付き容器では、前記内蓋の前記計量開口は、前記底壁の実質上全域にわたって設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の計量機能付き容器では、前記外蓋は、前記排出開口が設けられた天壁と、前記天壁から前記内蓋に向けて径方向外方に拡がる上側周側壁と、前記周側壁の外周端部に設けられた環状フランジと、前記周側壁の前記外周端部又は前記環状フランジから下方に延びる下側周側壁とを備え、前記下側周側壁が前記容器本体の前記口部に装着され、前記内蓋が前記外蓋の前記下側周側壁の基部に装着されることを特徴とする。
【0013】
更に、本発明の請求項6に記載の計量機能付き容器では、前記容器本体の口部には、前記蓋体を取り外すための取外し具の一部が挿入される挿入切欠きが設けられ、前記挿入切欠きに挿入された前記取外し具の前記一部は、前記外蓋の前記環状フランジに係止されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載の計量機能付き容器によれば、蓋体は、計量開口を備えた内蓋と、排出開口が設けられた外蓋とを有し、この内蓋と外蓋との間に中間空間が規定されているので、内蓋の計量開口を通して計量された粉状物は中間空間に流れ、この中間空間に流れた粉状物が外蓋の排出開口を通して排出され、容器本体を一振りすることによって所定量の粉状物を振り出すことができ、また計量開口を有する内蓋と排出開口を有する外蓋との組合せという簡単な構成でもって所定量計量して排出することができる。更に、内蓋は、計量開口が設けられた底壁から外蓋の排出開口側に延びる周側壁を有し、この周側壁が排出開口側に向けて径方向外方に拡がるテーパ状に形成されているので、容器本体の口部を下側に向けて一振りすると、容器本体内の粉状物が内蓋の周側壁の外周面に沿って流れることによって、計量開口付近の粉状物の密度が高められ、これによって、粉状物間の摩擦抵抗が大きくなって計量開口からの粉状物の流れが止まり、従って、このようにして計量開口が塞がれるまでの間、粉状物が計量開口を通して中間空間に流出し、かく流出する流出量を所定量にすることによって、容器を一振りするときの排出量を所定量とすることができる。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の計量機能付き容器によれば、内蓋の周側壁のテーパ角度が30〜60度の角度でもって径方向外方に拡がっているので、容器を下側に向けて振ったときに、容器本体内の粉状物は、このテーパ状の周側壁に沿って径方向外方に向けて流れ、これによって、縁蓋の計量開口付近の粉状物の密度が所要の通りに高められ、その結果、粉状物間の摩擦抵抗が大きくなって粉状物の流出が止まり、内蓋の計量開口を通して流出する粉状物の流出量を所定量とすることができる。
【0016】
また、本発明の請求項3に記載の計量機能付き容器によれば、内蓋のテーパ状の周側壁は、径方向内方に凹状に形成されているので、容器を下側に向けて振ったときに、容器本体内の粉状物は、このテーパ状周側壁の凹状面に沿って径方向外方に向けてスムースに流れ、これによって、内蓋の計量開口付近の粉状物の密度がより高められ、その結果、粉状物間の摩擦抵抗がより大きくなって粉状物の流出が確実に止まり、これによって、粉状物の流出量をより正確に所定量とすることができる。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の計量機能付き容器によれば、内蓋の計量開口は、底壁の実質上全域にわたって設けられているので、容器本体をテーブルなどに載置して元の状態に戻したときに、内蓋と外蓋との間の中間空間に残った粉状物は、内蓋のテーパ状周側壁の内面に沿って下方に流下して計量開口を通して容器本体内に流下し、この中間空間での粉状物の残留を少なく抑えることができる。
【0018】
また、本発明の請求項5に記載の計量機能付き容器によれば、外蓋の下側周側壁が容器本体の口部内に装着されるので、この外蓋を容器本体に簡単に装着することができる。また、内蓋は外蓋の下側周側壁の基部に装着されるので、この内蓋を外蓋に簡単に装着することができる。
【0019】
更に、本発明の請求項6に記載の計量機能付き容器によれば、容器本体の口部に取外し具の一部を挿入する挿入切欠きが設けられているので、取外し具の一部を容器本体の口部の挿入切欠きに挿入して外蓋の環状フランジに係止することによって、この外蓋(これに装着された内蓋も)を容器本体の口部から容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に従う容器の第1の実施形態を示す正面図。
【図2】図1の容器を示す断面図。
【図3】図1の容器の蓋体及びその近傍を拡大して示す部分拡大断面図。
【図4】図1の容器を下側に向けて振り出した状態を示す部分拡大断面図。
【図5】本発明に従う容器の第2の実施形態の一部を示す部分拡大断面図。
【図6】本発明に従う容器の第3の実施形態の一部を示す部分拡大断面図。
【図7】変形形態の蓋体を示す平面図。
【図8】容器本体から蓋体を取り外すときに用いる取外し具を示す斜視図。
【図9】蓋体を取り外す際の状態を示す部分拡大断面図。
【図10】蓋体を取り外している状態を示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う容器の種々の実施形態について説明する。
【0022】
〔第1の実施形態〕
まず、図1から図4を参照して、第1の実施形態の容器について説明する。図1及び図2において、図示の容器2は、粉状物が収容される容器本体4と、この容器本体4に取り付けられるキャップ体6とを備えている。容器本体2の上端部には外径が小さくなっている口部8が設けられ、この口部8の外周面には雄ねじ部10が設けられている。また、キャップ体6は、略半球状の天壁12と、この天壁12の外周部から垂下する周側壁14とを有し、周側壁14の内周面に雌ねじ部16が設けられている。このように構成されているので、キャップ体6の雌ねじ部14と容器本体4の雄ねじ部10とを螺合して締付け方向に回動することによって、キャップ体6を容器本体4の口部8に装着することができ、またキャップ体6を緩み方向に回動させることによって、このキャップ体6を容器本体4の口部8から取り外すことができる。
【0023】
この容器本体4の口部8に蓋体18が装着されている。図3をも参照して、この形態の蓋体18は、内側に配設された内蓋20と、外側に配設された外蓋22とを有し、この内蓋20と外蓋22との間に中間空間24が規定されている。
【0024】
外蓋22は、天壁26と、この天壁26の外周部から内蓋20に向けて(図3において下方に向けて)径方向外方にテーパ状に拡がって延びる上側周側壁28と、この上側周側壁28の外周下端部から水平方向に径方向外方に延びる環状フランジ30と、この上側周側壁28の外周下端部から垂直下方に延びる下側周側壁32とを有している。また、天壁26には排出開口34が設けられ、この排出開口34は円形状に形成されているが、楕円状などの適宜の形状でよい。尚、環状フランジ部30が径方向内方に延びているときには、この下側周側壁32は環状フランジ30から垂下するようにしてもよい。
【0025】
この外蓋22は、下側周側壁28を容器本体4の口部8内に挿入するようにして容器本体4に装着される。かく装着した状態においては、外蓋22の環状フランジ30が容器本体4の口部8の上端面に当接し、この環状フランジ30の外周面が口部8の外周面と同一の周面を規定し、下側周側壁32は口部8の内周面に沿って下方に延び、上側周側壁28は、口部8から上方に突出する。
【0026】
また、内蓋20は、底壁36と、この底壁36の外周部から外蓋22に向けて(図3において上方に向けて)径方向外方にテーパ状に拡がって延びる周側壁38とを有している。底壁36には計量開口42が設けられ、この計量開口42は円形状に形成されている。
【0027】
この内蓋22は、その周側壁38の外周部が外蓋22の下側周側壁32の基部に圧入の如き手段によって装着され、かく装着した状態では、内蓋22の周側壁40は、容器本体4の口部8内を内側(容器本体4内側)に突出する。このように構成されているので、外蓋22と内蓋20とは一体的となり、外蓋24を容器本体4の口部8に装着することによって、内蓋20も装着することができ、また外蓋22を容器本体4の口部8から取り外すことによって、内蓋20も取り外すことができる。
【0028】
この容器2においては、容器本体4は、例えばポリエチレンから形成され、キャップ体6は、例えばポリプロピレンから形成され、また蓋体(内蓋20及び外蓋22)は、例えばポリエチレンから形成される。
【0029】
このような容器2には、粉状物Pが収容される。粉状物Pとしては粉末茶(粉末煎茶、粉末玄米茶、粉末ほうじ茶など)、山椒、胡椒などであり、その大きさが5〜500μmのもの、好ましくは5〜200μmのものであり、このような大きさの粉末を一振りで所定量振り出すのに用いることができる。
【0030】
例えば、粉末茶を例にして説明すると、お茶をつくるときには、約180ccのお湯に粉末茶を0.2〜0.45g入れる、好ましくは0.3gいれることによっておいしいものをつくることができ、粉末茶の場合、容器本体4を下側に向けて一振りしたときの排出量は、約0.3gが目標値となる。
【0031】
一振りの粉末茶の排出量(換言すると、計量量)の目標値が0.3gとなるようにするには、例えば、内蓋20に関連する構成を次のように構成するのが望ましい。内蓋20の周側壁40のテーパ角度α(図3参照)(底壁36を基準とする周側壁40の傾斜角度)を30〜60度にするのが好ましく、40〜50度にするのが一層好ましく、この実施形態では45度に設定されている。このような角度範囲に設定すると、容器本体4を下側に向けて一振りすると、容器本体4内の粉状物が内蓋20の周側壁40の外周面に沿って径方向外方に流れることによって、容器本体4の底部からの粉状物Pの自重などにより計量開口42付近の粉状物の密度が高められ、これによって、粉状物間の摩擦抵抗が大きくなって計量開口42からの粉状物Pの流出が止まるようになる。従って、このように計量開口42が塞がれるまで粉状物Pが計量開口42を通して流出し、かく流出する粉状物Pの流出量が所定量となり、一振りによって粉状物を所定量(例えば、0.3g)計量することができる。
【0032】
尚、粉状物Pの流出量(計量の量)を多くするには、計量開口42を大きく(例えば、その直径を大きく)すればよく、その流出量を少なくするには、計量開口42を小さく(例えば、その直径を小さく)すればよく、計量開口42の大きさでもってコントロールすることができる。
【0033】
また、この周側壁40は、径方向内方に凹状に形成するのが好ましく、例えば半径が7〜12mm程度となるような円弧状凹部となるようにするのが一層好ましい。このように凹状(一層好ましくは、円弧状凹部)に形成することによって、容器本体4を下側に向けて一振りしたときに、容器本体4内の粉状物Pは、内蓋20の周側壁40の凹状面(円弧状凹状面)に沿って径方向外方にスムースに流れ、これによって、計量開口42付近の粉状物の密度がより高められるようになる。
【0034】
また、上蓋22に関連して、その周側壁28のテーパ角度を、内蓋と同様に、30〜60度にするのが好ましく、40〜50度にするのが一層好ましい。かく構成することによって、後の記載から容易に理解されるように、下側に振って内蓋20の計量開口42から流出した粉状物Pは、この周側壁28の内周面に沿って排出開口34に向けて流れ、計量した粉状物を確実に排出開口34に導いてこの排出開口34を通して排出することができる。
【0035】
外蓋22の周側壁28は、内蓋20の周側壁40と同様に、径方向内方に向けて凹状に形成するのが好ましく、円弧状凹状に形成するのがより好ましい。このように構成することにより、下側に振って内蓋20の計量開口42から流出した粉状物Pは、この周側壁28の凹状内周面(円弧状凹状内周面)に沿って排出開口34に向けてスムースに流れ、計量した粉状物Pをより確実に排出開口34を通して排出することができる。
【0036】
この容器2に収容された粉状物Pは、容器2を下側に向けて一振りすることによって、内蓋20の計量開口42によって所定量(例えば、約0.3g)計量され、計量された粉状物Pは、外蓋22の排出開口36を通して振り出される。図2〜図4を参照して、粉状物を振り出すときには、容器本体4の口部8からキャップ体6を取外す。そして、この状態で容器本体を下側に向けて一振りすればよい。
【0037】
かくすると、収容器本体4内の粉状物Pが内蓋20の計量開口42を通して中間空間24に流出し、この流出の際に、所定量が計量される。即ち、容器本体4を一振りした際に、容器本体4内の粉状物は矢印52(図4参照)で示すように内蓋20の周側壁40に沿って径方向外方に流れ、かく流れることによって、容器本体4の底部からの粉状物Pは矢印54(図4参照)で示すように流れ、このようにして内蓋20の計量開口42付近の粉状物の密度が高められ、これによって、粉状物間の摩擦抵抗が大きくなって計量開口42からの粉状物Pの流出が止まるようになる。この流出が止まるまで計量開口42を通して粉状物Pが流出し、かく流出する流出量が計量開口42を通して計量される量となり、この実施形態の場合に約0.3gとなる。
【0038】
このように計量された粉状物Pは、中間空間24に流出し、かく流出した粉状物Pが外蓋22の排出開口34を通して振り出され、かくして、容器本体4を上述したように一振りすることによって、所定量(例えば、0.3g)の粉状物(例えば、粉末茶)を振り出すことができる。
【0039】
振り出した後に容器本体4をテーブル(図示せず)などの上面に戻すと、中間空間24に残留した粉状物Pが内蓋20の周側壁40の内周面に沿って計量開口42に向けて流れ、この計量開口42を通して容器本体4内に戻され、かくして、中間空間24内に粉状物Pが残るのを少なくすることができる。
【0040】
また、内蓋20の周側壁40は、容器本体4の内方に向けてテーパ状に先細になっており、外蓋22の上側周側壁28は、外側にテーパ状に先細になっており、このような構成によって容器本体4を傾けても粉状物が流れ出ることはなく、その飛散を防止することができる。
【0041】
〔第2の実施形態〕
次に、図5を参照して、第2の実施形態の計量機能付き容器について説明する。この第2の実施形態においては、蓋体(内蓋及び外蓋)に改良が施されている。尚、以下の実施形態において、上述した第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0042】
図5において、この第2の実施形態においては、蓋体18Aの内蓋20Aに関連して、この内蓋20Aの計量開口42は、底壁36Aの実質上全域にわたって設けられ、周側壁40Aの内周面は、この計量開口42の外周縁部に向けて延び、この周側壁40Aの内周縁部と計量開口42の外周縁部との間に平坦な部分が存在していない。このように構成することによって、容器本体4をテーブルなどに戻したときに、中間空間24に残留する粉状物は、周側壁40Aの内周面に沿って計量開口42に確実に導かれ、これによって、残留する粉状物を計量開口42を通して容器本体4内により確実に戻すことができる。
【0043】
また、蓋体18Aの外蓋22Aに関連して、この外蓋22Aの排出開口34は、天壁26Aの実質上全域にわたって設けられ、周側壁28Aの内周面は、この排出開口34の外周縁部に向けて延び、この周側壁28Aの内周縁部と排出開口34の外周縁部との間に平坦な部分が存在していない。このように構成することによって、容器本体4を一振りして粉状物を振り出すときに、中間空間24に流出した粉状物は、外蓋22Aの周側壁28Aの内周面に沿って排出開口34に確実に導かれ、これによって、計量開口42を通して計量された粉状物を排出開口34を通してより確実に振り出すことができる。
【0044】
この第2の実施形態の容器におけるその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一であり、従って、上述したと同様の作用効果を達成することができる。
【0045】
〔第3の実施形態〕
次いで、図6を参照して、第3の実施形態の計量機能付き容器について説明する。この第3の実施形態においては、上述した第2の実施形態のものと比べて蓋体の内蓋に改良が施されている。蓋体18Bの内蓋20Bの底壁36Bには、実質上全域にわたって計量開口42が設けられ、その周側壁40Bは、底壁36の外周部から外蓋22Aに向けて径方向外方に拡がるように形成され、直線状のテーパ形状となっており、このように周側壁40Bを直線状のテーパ形状にしても上述したと同様の効果が達成される。尚、この第3の実施形態の容器におけるその他の構成は、上述の第2の実施形態と実質上同一でよい。
【0046】
この第3の実施形態においては、外蓋22Aの構成を内蓋20Bと略同様の構成にすることもできる。即ち、外蓋22Aの周側壁28Aを、天壁36Aの外周部から内蓋20Bに向けて径方向外方に拡がる直線状テーパ形状とすることができ、このように構成しても上述下同様の効果を達成することができる。
【0047】
〔蓋体の変形形態〕
蓋体の排出開口は、図7に示すように構成することができる。図7において、この変形形態の蓋体18Cにおいては、外蓋22Cの排出開口34Cは、第1〜第3の実施形態のように円形状ではなく、円形状の中央部分62の周囲に略半円状の拡張部64が6つ設けられた形状となっている。この変形形態の蓋体18Cのその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一でよい。
【0048】
この変形形態の蓋体18Cにおいては、排出開口34Cの隣接する拡張部64は径方向内方に突出する突出部66によって規定される。一般的に、粉末茶の如き粉状物は、小さな粒状に固まりやすい傾向にあり、小さな粒状に固まると排出開口を通して排出され難くなり、中間空間に溜まりやすくなるが、排出開口34Cを上述いた形状に形成することによって、粉状物の小さな塊は、突出部66に引っ掛かって回って排出開口34から排出されやすくなる。従って、固まりやすい粉状物を収容するときには、図7に示す形状の排出開口34Cを備えた蓋体18Cを用いるのが望ましい。
【0049】
尚、外蓋22Cの排出開口34Cの形状は、図7に示す形状に限定されず、例えば、円形状の中央部分62の周囲に略半円状の拡張部64を7つ以上設けた形状にするようにしてもよく、或いは星形などの他の形状にするようにしてもよい。
【0050】
〔蓋体の取外し具〕
次に、図8〜図10を参照して、取外し具の一実施形態について説明する。図示の取外し具102は、全体として略U字状の取外し具本体104を備えている。この取外し具本体104は、一対のアーム部、即ち第1及び第2アーム部106,108を有し、第1及び第2アーム部106,108の基部が接続部110を介して開閉自在(相互に近接する方向及び離隔する方向に移動自在に)に接続されている。
【0051】
第1アーム部106の先端部には、第2アーム部108に向けて折曲された第1折曲部110が設けられ、この第1折曲部110の先端部に係止突部112が設けられている。また、第2アーム部108の先端部には、第1アーム部106に向けて折曲された第2折曲部114が設けられ、この第2折曲部114の先端部には、容器本体4の口部8の外形形状に対応した受け凹部116が設けられている。
【0052】
この実施形態では、蓋体18の取外しの際に容器本体4の口部8に傷などが付かないように、第2アーム部108の第2折曲部114の先端部に保護部材118が取り付けられている。この保護部材118は、例えば合成樹脂シートなどから形成され、第2折曲部114の内側から受け凹部116を覆ってその外側まで取り付けられる。
【0053】
容器2(容器本体4及び蓋体18)としては、例えば、図1〜図4に示す形態のものでよく、この取外し具102を利用するときには、図9及び図10に示すように、容器本体4の口部8の上端部に、例えばV字状(矩形状などでもよい)の挿入切欠き120が設けられる。
【0054】
容器本体4に装着された蓋体18を取り外すときには、図9に示すように、第2アーム部108の第2折曲部114の受け凹部116(具体的には、これを覆っている保護部材118)を容器本体4の口部8上端部に当てるとともに、第1アーム部106の第1折曲部110の係止突部112を容器本体4の口部8の挿入切欠き120に挿入する。かく挿入すると、第1折曲部110の係止突部112の先端は、この口部8の内側に位置する蓋体18の外蓋22における下側周側壁32に当接し、これによって、係止突部112の更なる挿入が阻止される。
【0055】
そして、このような状態において、図10で示すように、取外し具102を矢印122で示すように回動させればよい。かくすると、第1アーム部106の係止突部112が外蓋22の環状フランジ30に係止して蓋体18が矢印122で示す方向に回動され、この回動によって蓋体18が容器本体4の口部8から幾分外れると、第2アーム部108の第2折曲部114の受け凹部116が容器本体4の口部8から外れて蓋体18における外蓋22の下側周側壁32に当接し、このようにして第1及び第2アーム部106,108の第1及び第2折曲部110,114の先端部が外蓋22の環状フランジ30に係止した状態でもって、この外蓋22の下側周側壁32が第1及び第2折曲部110,114の先端部間に挟持され、かく挟持した状態で更に取外し具102を上方に持ち上げればよく、かく持ち上げることによって、容器本体4の口部8から蓋体18を容易に取り外すことができる。
【0056】
以上、本発明に従う計量機能付き容器の各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の修正乃至変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
2,2A,2B,2C 計量機能付き容器
4 容器本体
6 キャップ体
18,18A.18B,18C 蓋体
20,20A,20B 内蓋
22,22A 外蓋
34,34C 排出開口
42 計量開口
102 取外し具
P 粉状物







【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉状物が収容される容器本体と、この容器本体の口部に装着される蓋体とを備え、蓋体は計量機能を有し、前記蓋体にて計量された粉状物が排出開口を通して排出される計量機能付き容器において、
前記蓋体は、計量開口を備えた内蓋と、前記排出開口が設けられた外蓋とを有し、前記内蓋が前記外蓋の内側に配設され、前記内蓋と前記外蓋との間に中間空間が規定されており、
前記内蓋は、前記計量開口が設けられた底壁と、前記底壁から前記排出開口側に延びる周側壁とを有し、前記周側壁が前記排出開口側に向けて径方向外方に拡がるテーパ状に形成されており、
前記容器本体の口部を下側に向けて一振りすると、前記容器本体内の粉状物が前記内蓋の前記計量開口を通して計量されて前記中間空間に排出され、この計量の際に、前記容器本体内の粉状物が前記内蓋の前記周側壁の外周面に沿って流れることによって、前記計量開口付近の粉状物の密度が高められ、これによって、粉状物間の摩擦抵抗が大きくなって前記計量開口からの粉状物の流れが止まり、そして、前記中間空間に排出された粉状物が前記外蓋の前記排出開口を通して排出されることを特徴とする計量機能付き容器。
【請求項2】
前記内蓋の前記周側壁のテーパ角度は、30〜60度の角度でもって径方向外方に拡がっていることを特徴とする請求項1に記載の計量機能付き容器。
【請求項3】
前記内蓋の前記周側壁は、径方向内方に凹状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の計量機能付き容器。
【請求項4】
前記内蓋の前記計量開口は、前記底壁の実質上全域にわたって設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の計量機能付き容器。
【請求項5】
前記外蓋は、前記排出開口が設けられた天壁と、前記天壁から前記内蓋に向けて径方向外方に拡がる上側周側壁と、前記周側壁の外周端部に設けられた環状フランジと、前記周側壁の前記外周端部又は前記環状フランジから下方に延びる下側周側壁とを備え、前記下側周側壁が前記容器本体の前記口部に装着され、前記内蓋が前記外蓋の前記下側周側壁の基部に装着されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の計量機能付き容器。
【請求項6】
前記容器本体の口部には、前記蓋体を取り外すための取外し具の一部が挿入される挿入切欠きが設けられ、前記挿入切欠きに挿入された前記取外し具の前記一部は、前記外蓋の前記環状フランジに係止されることを特徴とする請求項5に記載の計量機能付き容器。















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−10515(P2013−10515A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142733(P2011−142733)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(511157631)
【出願人】(511157664)
【Fターム(参考)】