説明

記憶媒体に記憶される情報の管理方法及びプログラム

【課題】記憶媒体に記憶されている情報が読み取り不能になることを抑制できる記憶媒体に記憶される情報の管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、地図情報がメモリカードに記憶されてから又はメモリカードに記憶される地図情報が最後に更新されてからの経過時間T1が、地図情報の読み取りが可能な期間として設定された経過時間閾値KT以上であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が肯定判定(T≧KT)である場合、情報処理装置は、メモリカードの地図情報を再書き込みさせる(ステップS14)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NAND型の記憶媒体に記憶される情報の管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、NAND型の記憶媒体(「NAND型フラッシュメモリ」ともいう。)は、NOR型の記憶媒体(「NOR型フラッシュメモリ」ともいう。)に比して回路規模が小さく、安価に大容量化することが可能である。そのため、NAND型の記憶媒体は、携帯型音楽プレーヤー及びデジタルカメラなどの各種電子機器の記憶装置として広く用いられている。
【0003】
ところで、近年では、車両に搭載されるカーナビゲーション装置について、その小型化及び低コスト化が強く望まれている。そこで、地図情報などの各種情報を記憶させる記憶装置として、NAND型の記憶媒体を用いることが考えられている(特許文献1参照)。すなわち、特許文献1に記載のカーナビゲーション装置には、地図情報などの各種情報を記憶するNAND型の記憶媒体が着脱可能な状態で接続される接続部が設けられている。そして、カーナビゲーション装置は、NAND型の記憶媒体から接続部を介して地図情報を読み取り、該地図情報に応じた地図をディスプレイに表示させていた。
【0004】
また、新しい道などが整備された場合には、該新しい道をディスプレイで表示させることができるように、NAND型の記憶媒体に記憶される地図情報のうち一部の地図情報を更新する必要がある。そこで、特許文献1では、最新の地図情報をサーバからネットワークを介してダウンロードし、NAND型の記憶媒体に記憶される上記一部の地図情報を、上記ダウンロードした新たな地図情報に書き換えていた、即ち更新していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−49624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、NAND型の記憶媒体に記憶された情報は、NAND型の記憶媒体の構成の特徴上、該情報の書き換えなどが長期に亘って行われない場合には正常に読みとれなくなるおそれがある。例えばカーナビゲーション装置に搭載されるNAND型の記憶媒体において、新しい道などが全く作られない地域に対応する地図情報は、書き換えられない。このように全く書き換えられない地図情報は、長時間が経過すると、正確に読み取られなくなり、ひいてはディスプレイに地図を正確に表示できなくなるおそれがある。
【0007】
その一方で、NAND型の記憶媒体に記憶された情報の更新回数、即ち書き換え回数が多くなると、記憶媒体において情報が記憶される記憶領域を構成するデバイスの劣化が進み、該記憶領域に記憶されている情報を正常に読み取らせることができる期間が短くなるおそれもあった。そのため、NAND型の記憶媒体に記憶された情報を必要以上に更新させ、記憶媒体での情報の更新回数を増やすことは、NAND型の記憶媒体の構成の特徴上、望ましくない。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、記憶媒体に記憶されている情報が読み取り不能になることを抑制できる記憶媒体に記憶される情報の管理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、記憶媒体に記憶される情報の管理方法にかかる請求項1に記載の発明は、情報が記憶媒体に記憶されてから又は該記憶媒体に記憶される情報が最後に更新されてからの経過時間が、前記情報の読み取りが可能な期間として設定された経過時間閾値以上であるか否かを判定させる判定ステップと、前記判定ステップで前記経過時間が前記経過時間閾値以上であると判定した場合に、前記記憶媒体の前記情報を再書き込みさせる、又は前記記憶媒体の前記情報の再書き込みを促させる再書き込みステップと、を有することを要旨とする。
【0010】
情報が記憶媒体に記憶されてから、又は情報が最後に更新されてからの経過時間が経過時間閾値以上となると、記憶媒体が搭載された電子機器では、情報を正確に読み取れなくなるおそれがある。そこで、本発明では、経過時間が経過時間閾値以上となった情報は再書き込みされる、又は経過時間が経過時間閾値以上となった情報の再書き込みがユーザに促される。そのため、記憶媒体に記憶されている情報が読み取り不能になることを抑制できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の記憶媒体に記憶される情報の管理方法において、前記記憶媒体から前記情報を取得して該情報に基づくデータを再生する電子機器に前記記憶媒体が搭載される際の環境温度が高いほど、前記経過時間閾値を小さい値に設定する温度閾値設定ステップをさらに有し、前記判定ステップでは、前記情報が前記記憶媒体に記憶されてから又は前記記憶媒体に記憶される情報が最後に更新されてからの経過時間が、前記温度閾値設定ステップで設定した経過時間閾値以上であるか否かを判定させることを要旨とする。
【0012】
一般に、記憶媒体から情報を正確に読み取ることが可能な期間は、記憶媒体の配置される環境温度が高いほど短くなる。そこで、本発明では、経過時間閾値は、記憶媒体の配置される環境温度に応じた値に設定される。そのため、記憶媒体に記憶されている情報が読み取り不能になることの抑制にさらに貢献できる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の記憶媒体に記憶される情報の管理方法において、前記経過時間閾値を、前記情報の更新回数が多いほど小さい値に設定する回数閾値設定ステップをさらに有し、前記判定ステップでは、前記情報が前記記憶媒体に記憶されてから又は前記記憶媒体に記憶される情報が最後に更新されてからの経過時間が、前記回数閾値設定ステップで設定した経過時間閾値以上であるか否かを判定させることを要旨とする。
【0014】
一般に、記憶媒体から情報を正確に読み取ることが可能な期間は、記憶媒体に記憶されている情報の更新回数が多いほど、該記憶媒体を構成するデバイスの少なくとも一部の劣化が進み、結果として、短くなる。そこで、本発明では、経過時間閾値は、情報の更新回数に応じた値に設定される。そのため、記憶媒体に記憶されている情報が読み取り不能になることの抑制にさらに貢献できる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の記憶媒体に記憶される情報の管理方法において、前記判定ステップでは、前記記憶媒体に記憶された複数の情報の何れか一つの情報が新しい情報に書き換えられる際に、該一つの情報以外の他の情報が前記記憶媒体に記憶されてから又は前記他の情報が最後に更新されてからの経過時間が、前記経過時間閾値以上であるか否かが判定され、前記再書き込みステップでは、前記判定ステップで前記他の情報が前記記憶媒体に記憶されてから又は前記他の情報が最後に更新されてからの経過時間が前記経過時間閾値以上であると判定した場合に、前記記憶媒体の前記他の情報を再書き込みさせることを要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、記憶媒体に記憶される一部の情報が新しい情報に書き換えられる際において、経過時間が経過時間閾値以上となる他の情報が存在するときには、一部の情報の更新と共に他の情報が再書き込みされる。この際、経過時間が経過時間閾値未満となる他の情報の再書き込みは行なわれない。そのため、記憶媒体に記憶されている情報が読み取り不能になることを抑制できると共に、情報の更新回数の必要以上の増加を抑制できる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の記憶媒体に記憶される情報の管理方法において、前記記憶媒体に記憶される情報が更新された場合、又は前記記憶媒体に新たな情報が記憶された場合に、その時点の時刻情報を、前記情報に関連付けて取得させる時刻取得ステップをさらに有することを要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、記憶媒体に新たな情報が記憶される場合や記憶媒体内の情報が更新される場合には、その時点の時刻情報が前記情報に関連付けて取得される。そのため、情報毎に経過時間を適切に取得することが可能となる。
【0019】
一方、プログラムにかかる請求項6に記載の発明は、記憶媒体に記憶された情報を情報処理装置で管理させるためのプログラムであって、前記情報処理装置を、前記記憶媒体に記憶される情報が該記憶媒体に記憶されてから又は最後に更新されてからの経過時間が、前記情報の読み取りが可能な期間として設定された経過時間閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記経過時間が前記経過時間閾値以上であると判定された場合に、前記記憶媒体の情報を再書き込みさせる、又は前記記憶媒体の情報の再書き込みを促す再書き込み手段として機能させることを要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、請求項1に記載の発明と同等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施形態のナビゲーションシステムを模式的に示すブロック図。
【図2】メモリカード内の各記憶領域を模式的に示すブロック図。
【図3】第1の実施形態の地図情報更新システムを模式的に示すブロック図。
【図4】第1の実施形態の地図情報更新処理ルーチンを説明するフローチャート。
【図5】第2の実施形態の地図情報更新システムを模式的に示すブロック図。
【図6】第2の実施形態の地図情報更新処理ルーチンを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について、図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のナビゲーションシステム11は、電子機器としてのナビゲーション装置12と、位置情報検出装置13と、画像表示装置14と、カードスロットル15とを備えている。
【0023】
位置情報検出装置13は、GPS(Global Positioning System )受信部16、車速センサ17及びジャイロセンサ18などを有している。GPS受信部16は、緯度・経度情報などの自車の絶対位置に関する情報を図示しない人工衛星から受信するものである。また、車速センサ17は、自車の車体速度を取得するためのセンサであると共に、ジャイロセンサ18は、自車の角速度(レートジャイロ)や角度(姿勢ジャイロ)を計測するためのセンサである。
【0024】
画像表示装置14は、液晶ディスプレイなどのタッチパネルディスプレイ19を備えており、該タッチパネルディスプレイ19には、自車が走行する地域の地図及び該地図上での自車の位置などが表示される。このタッチパネルディスプレイ19は、画面表示機能、指の接触位置を検知する接触位置検知機能を備える装置である。
【0025】
カードスロットル15には、NAND型の記憶媒体としてのメモリカード20が着脱可能とされている。このメモリカード20には、図2に示すように、地図情報記憶部21と、更新情報記憶部22とが形成されている。地図情報記憶部21には、複数(図2では3つのみ図示)の地図情報23(23a,23b,23c)が書き換え可能な状態で記憶されている。これら各地図情報23は、互いに異なる地域に関する地図データと、該地図データの版番号に関するバージョン(version )情報とをそれぞれ含んでいる。更新情報記憶部22には、各地図情報23がメモリカード20に記憶された日時、又は各地図情報23が最後に更新された時点の日時に関する情報(以下、「日時情報」ともいう。)が、地図情報23毎に関連付けられた状態で記憶されると共に、各地図情報23の更新回数に関する情報(以下、「更新回数情報」ともいう。)が、地図情報23毎に関連付けられた状態で記憶されている。すなわち、各地図情報23のうち一部の地図情報(例えば、第1地図情報23a)が新しい地図情報に書き換えられた場合には、該一部の地図情報(第1地図情報23a)に対応する日時情報が書き換えられると共に、一部の地図情報(第1地図情報23a)に対応する更新回数情報が更新される。
【0026】
なお、この明細書において、「地図情報の更新」とは、「古い地図情報から新しい地図情報への書き換え」及び「地図情報の再書き込み」を含んだ概念である。
ナビゲーション装置12には、図1に示すように、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを有する制御部25と、図示しないハードディスクなどを有する内部メモリ26と、カードスロットル15に装着されたメモリカード20に記憶された各種情報(例えば、地図情報)を読み取るカード読取り部27とが設けられている。また、ナビゲーション装置12には、位置情報検出装置13から各種情報を入力させるためのインターフェース28と、画像表示装置14の表示態様を制御するための画像処理部29とが設けられている。
【0027】
制御部25は、GPS受信部16の受信結果に基づき、電波航法により、自車の緯度・経度等の絶対位置を検出する。また、制御部25は、自律航法により、車速センサ17及びジャイロセンサ18からの各種検出信号に基づき、基準位置からの相対位置を算出する。そして、制御部25は、緯度・経度で表される絶対位置及び相対位置を組み合わせて自車位置を特定し、該自車位置に関する情報(以下、「自車位置情報」ともいう。)をカード読取り部27及び画像処理部29に出力する。
【0028】
内部メモリ26には、図示しないスピーカから各種案内音声出力させるための音声情報が記憶される図示しない音声記憶部などが設けられている。
カード読取り部27は、制御部25から自車位置情報が入力された場合、自車の現在位置周辺の地域に対応する地図データを含む地図情報23を、メモリカード20から読み出す。このとき、カード読取り部27は、1つの地図情報(例えば、第3地図情報23c)のみを読み出す場合もあれば、複数(例えば2つ)の地図情報(例えば、第2及び第3地図情報23b,23c)を読み出すこともある。そして、カード読取り部27は、読み出した地図情報23を画像処理部29に出力する。
【0029】
画像処理部29は、制御部25からの自車位置情報及びカード読取り部27からの地図情報23に基づき、画像表示装置14のタッチパネルディスプレイ19での表示態様を、該タッチパネルディスプレイ19に表示される地図上での自車の位置を車両の乗員が視認できるように制御する。また、画像処理部29は、タッチパネルディスプレイ19が操作された場合、該タッチパネルディスプレイ19で表示する地域を変更したり、操作された内容に関する情報を制御部25に出力したりする。
【0030】
次に、ナビゲーションシステム11から取り外されたメモリカード20に記憶される各地図情報23を必要に応じて更新するための地図情報更新システムについて、図3に基づき説明する。
【0031】
図3に示すように、本実施形態の地図情報更新システム30は、地図情報管理サーバ31と、該地図情報管理サーバ31とネットワーク32などを介して各種情報を送受信可能な情報処理装置33とを備えている。地図情報管理サーバ31には、各種情報を送信した情報処理装置33を特定したり、受信した各種情報に対応した処理を実行したりためのサーバ制御装置34と、メモリカード20に記憶すべき全地図情報23(23a,23b,23c)の最新版を記憶する記憶装置35とが設けられている。例えば、地図情報管理サーバ31に記憶される各地図情報23のうち、区画整理などで新たに道路が設けられた地域に対応する地図情報(例えば、第2地図情報23b)は、最新の地図データを含んでいる。なお、記憶装置35に記憶される各地図情報23は、最新の地図データとバージョン情報(以下、「最新バージョン情報」ともいう。)とをそれぞれ含んでいる。
【0032】
情報処理装置33は、ディーラや家庭などに設けられたコンピュータであって、処理装置本体36と、表示画面37と、操作部38とを備えている。こうした情報処理装置33では、処理装置本体36にメモリカード20が装着された状態で、後述する地図情報更新プログラムが実行されると、メモリカード20に記憶される各地図情報23は、必要に応じて個別に書き換えられたり、再書き込みされたりする。すなわち、情報処理装置33は、メモリカード20に記憶される各地図情報23の更新を行なうための装置である。
【0033】
次に、本実施形態の地図情報更新システム30が実行する地図情報更新処理ルーチン(地図情報更新プログラム)について、図4に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、地図情報更新処理ルーチンは、情報処理装置33側でメモリカード20に記憶される地図情報23の更新を促すようにユーザが操作部38を操作した場合に実行される。そして、ステップS10において、情報処理装置33は、メモリカード20に記憶される各地図情報23の中に書き換えの必要な地図情報23が有るか否かを判定する。具体的には、情報処理装置33は、各地図情報23の最新版のバージョン情報(以下、「最新バージョン情報」ともいう。)を取得したい旨を地図情報管理サーバ31に対して送信する。すると、地図情報管理サーバ31のサーバ制御装置34は、記憶装置35から各地図情報23の最新バージョン情報を読み出し、該各地図情報23の最新バージョン情報を情報処理装置33に送信する。
【0034】
そして、情報処理装置33は、地図情報管理サーバ31から受信した各地図情報23の最新バージョン情報と、メモリカード20に記憶される各地図情報23のバージョン情報とを地図情報毎に照合する。一例として、メモリカード20に記憶される第1地図情報23aのバージョン情報と、地図情報管理サーバ31から取得された最新の第1地図情報23aの最新バージョン情報とが一致する場合、情報処理装置33は、メモリカード20には最新版の第1地図情報23aが記憶されていると判定する。また、メモリカード20に記憶される第2地図情報23bのバージョン情報と、地図情報管理サーバ31から取得された最新の第2地図情報23bの最新バージョン情報とが一致しない場合、情報処理装置33は、メモリカード20に記憶される第2地図情報23bが古い情報であると判定する。
【0035】
そして、情報処理装置33は、メモリカード20に記憶される各地図情報23のバージョン情報と各地図情報23の最新バージョン情報とが全て一致する場合には、メモリカード20に記憶される各地図情報23が全て最新版であるため、その処理をステップS12に移行する。一方、情報処理装置33は、最新バージョン情報と一致しないバージョン情報を含む地図情報23が存在する場合には、書き換えの必要な地図情報(例えば、第2地図情報23b)が有るため、その処理をステップS11に移行する。
【0036】
ステップS11において、情報処理装置33は、最新バージョン情報と一致しないバージョン情報を含む地図情報(例えば、第2地図情報23b)を抽出し、該地図情報(第2地図情報23b)の最新版を取得したい旨を地図情報管理サーバ31に送信する。すると、地図情報管理サーバ31は、情報処理装置33が所望する地図情報(第2地図情報23b)の最新版を記憶装置35から読み出し、該最新の地図情報(第2地図情報23b)を該情報処理装置33に送信する。そして、情報処理装置33は、地図情報管理サーバ31から送信された最新の地図情報(第2地図情報23b)を、その図示しない記憶部に一旦記憶し、該記憶部に記憶した最新の地図情報(第2地図情報23b)を、メモリカード20にコピーする。すなわち、情報処理装置33は、書き換えの必要な地図情報(第2地図情報23b)を最新版に書き換える。一例として、情報処理装置33は、古い地図情報の記憶される記憶領域に対して新しい地図情報を上書き記憶させる。また、情報処理装置33は、更新情報記憶部22に記憶される、書き換えた地図情報(第2地図情報23b)に対応する更新日時情報を現時点の日時情報(時刻情報)に変更すると共に、更新回数を「1」だけインクリメントして更新回数情報を変更する。したがって、本実施形態では、ステップS11が、時刻取得ステップに相当する。その後、情報処理装置33は、その処理をステップS12に移行する。
【0037】
ステップS12において、情報処理装置33は、経過時間閾値KTを地図情報23毎に設定する。ここで、本実施形態のメモリカード20は、NAND型の記憶媒体であるため、該メモリカード20に記憶されている各地図情報23のうち、全く更新されない地図情報(例えば、第3地図情報23c)は、長時間が経過すると、読み取りにくく、又は読み取り不能となることがある。また、こうしたメモリカード20においては、その構成の特徴上、情報の更新回数が多くなるほど、情報を正確に読み取ることの可能な期間が短くなる。具体的には、メモリカード20において情報が更新された記憶領域を構成するデバイスは、情報の更新に伴う電子の移動によって少しずつ劣化し、更新回数が多くなった場合には、上記記憶領域を構成するデバイスの劣化によって該記憶領域に記憶される情報を正確に読み取ることが可能な期間が短くなる。
【0038】
そこで、本実施形態では、情報処理装置33は、各地図情報23の更新回数情報をメモリカード20から読み出す。そして、情報処理装置33は、更新回数が「0(零)」からn(正の整数であって、例えば5)となる地図情報(例えば、第1地図情報23a)の経過時間閾値KTを、予め設定される基準閾値(例えば、10年)とする。一方、情報処理装置33は、更新回数がn以上となる地図情報(例えば、第3地図情報23c)の経過時間閾値KTを、基準閾値未満の値であって且つ更新回数が多いほど小さい値に設定する。したがって、本実施形態では、ステップS12が、回数閾値設定ステップに相当する。
【0039】
ステップS13において、情報処理装置33は、各地図情報23の更新日時情報をメモリカード20から読み出し、各地図情報23の最後に更新されてからの経過時間T1を算出する。そして、情報処理装置33は、各地図情報23の経過時間T1と、該各地図情報23に個別対応する経過時間閾値KTとを比較する。すなわち、ステップS13では、経過時間閾値KT以上となる経過時間T1を有する地図情報23が有るか否かが判定される。したがって、本実施形態では、ステップS13が、判定ステップに相当する。また、情報処理装置33が、判定手段としても機能する。
【0040】
そして、情報処理装置33は、経過時間閾値KT以上となる経過時間T1を有する地図情報23がない場合には、再書き込みの必要な地図情報23はないため、地図情報更新処理ルーチンを終了する。一方、情報処理装置33は、経過時間閾値KT以上となる経過時間T1を有する地図情報(例えば、第3地図情報23c)が有る場合には、その処理をステップS14に移行する。
【0041】
ステップS14において、情報処理装置33は、経過時間閾値KT以上となる経過時間T1を有する地図情報(例えば、第3地図情報23c)を再書き込みの必要な地図情報として特定し、該地図情報(第3地図情報23c)を取得したい旨を地図情報管理サーバ31に送信する。すると、地図情報管理サーバ31は、情報処理装置33が所望する地図情報(第3地図情報23c)を記憶装置35から読み出し、該地図情報(第3地図情報23c)を該情報処理装置33に送信する。そして、情報処理装置33は、地図情報管理サーバ31から送信された地図情報(第3地図情報23c)を、その上記記憶部に一旦記憶し、該記憶部に記憶した地図情報(第3地図情報23c)を、メモリカード20にコピーする。すなわち、情報処理装置33は、再書き込みの必要な地図情報(第3地図情報23c)の再書き込みを行なう。一例として、情報処理装置33は、第3地図情報23cの記憶される記憶領域に対して、同一の第3地図情報23cを上書き記憶させる。また、情報処理装置33は、更新情報記憶部22に記憶される、再書き込みされた地図情報23(第3地図情報23c)に対応する更新日時情報を現時点の日時(時刻情報)に変更すると共に、更新回数を「1」だけインクリメントして更新回数情報を更新する。したがって、本実施形態では、ステップS14が、再書き込みステップ及び時刻取得ステップに相当する。また、情報処理装置33が、再書き込み手段としても機能する。その後、情報処理装置33は、地図情報更新処理ルーチンを終了する。
【0042】
すなわち、本実施形態では、メモリカード20に記憶される各地図情報23a,23b,23cのうち、第1地図情報23aの書き換えが必要な場合、該第1地図情報23aの最新版は、地図情報管理サーバ31から取得、即ちダウンロードされる。そして、メモリカード20に記憶される第1地図情報23aは、最新版に書き換え、即ち更新される。このとき、各地図情報23a,23b,23cのうち第3地図情報23cが最後に更新されてからの経過時間T1が経過時間閾値KT以上である場合、第3地図情報23cの更新が行なわれないと、第3地図情報23cは、メモリカード20内において劣化度合いが大きくなり、読み取りにくく又は読取り不能になる。このような状態でメモリカード20をナビゲーションシステム11で用いた場合、タッチパネルディスプレイ19には、第3地図情報23cに対応する地域が正確に表示されないおそれがある。
【0043】
そこで、本実施形態では、第1地図情報23aの書き換え時に、メモリカード20に記憶される第3地図情報23cの再書き込みが行なわれる。すると、メモリカード20内において、第3地図情報23cが修復されたと略同等の状態となり、該第3地図情報23cは、正確に読み取り可能となる。その結果、メモリカード20をナビゲーションシステム11で用いた場合には、第3地図情報23cに対応する地域の地図がタッチパネルディスプレイ19に正確に表示される。
【0044】
しかも、本実施形態では、書き換えの必要がない第2地図情報23bは、メモリカード20で最後に更新されてからの経過時間T1が経過時間閾値KT未満であるため、正確に読み取り可能である。そのため、第2地図情報23bは、第3地図情報23cの場合とは異なり、この時点で再書き込みが行なわれない。したがって、第2地図情報23bの更新回数の不必要な増加が抑制される。
【0045】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)地図情報23がメモリカード20に記憶されてから、又は地図情報23が最後に更新されてからの経過時間T1が経過時間閾値KT以上となると、メモリカード20が装着されたナビゲーション装置12では、地図情報23を読み取りにくく、又は正確に読み取れなくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、経過時間T1が経過時間閾値KT以上となった地図情報(例えば、第3地図情報23c)は、再書き込みされる。そのため、メモリカード20に記憶されている地図情報23がナビゲーション装置12で読み取り不能になることを抑制できる。
【0046】
(2)一般に、メモリカード20から地図情報23を正確に読み取ることが可能な期間は、メモリカード20の構成の特徴上、地図情報23の更新回数が多いほど短くなる。それは、メモリカード20で地図情報23が更新される際には、該地図情報23の記憶される記憶領域を構成するデバイスが少しずつ劣化する可能性があるためである。そして、劣化度合いが大きいデバイスによって構成される記憶領域からは、情報(地図情報23)を正確に読み取りにくくなったり、読み取れなくなったりする期間が短くなる。そこで、本実施形態では、経過時間閾値KTは、地図情報23の更新回数に応じた値に設定される。そのため、メモリカード20に記憶されている地図情報23がナビゲーション装置12で読み取り不能になることの抑制にさらに貢献できる。
【0047】
(3)本実施形態では、経過時間閾値KTは、地図情報23毎に個別に設定されると共に、各経過時間閾値KTは、対応する地図情報23の更新回数に応じた値にそれぞれ設定される。そのため、再書き込みの必要のない、即ち経過時間閾値KT以上の経過時間T1を有する地図情報(例えば、第2地図情報23b)が不必要に再書き込みされることを抑制できる。したがって、各地図情報23の更新回数が不必要に増加することを個別に抑制でき、ひいてはメモリカード20において各地図情報23が記憶される記憶領域を構成するデバイスの劣化速度が速くなることを抑制できる。
【0048】
(4)本実施形態では、メモリカード20に記憶される一部の地図情報(例えば、第1地図情報23a)が最新の地図情報に書き換えられる際において、経過時間T1が経過時間閾値KT以上となる他の地図情報(例えば、第3地図情報23c)が存在するときには、一部の地図情報の書き換えと共に他の地図情報の再書き込みが行なわれる。したがって、一部の地図情報の書き換えとは別の機会に、他の地図情報の再書き換えを行なう場合に比して、一部の地図情報の書き換えと他の地図情報の再書き換えを同一機会で行なう分、ユーザの負担を低減できる。
【0049】
(5)また、本実施形態では、メモリカード20内の地図情報23が更新された場合には、該更新された地図情報23に対応する更新日時情報もまた、更新された時点の日時情報に書き換えられる。しかも、各地図情報23の更新日時情報は、メモリカード20の更新情報記憶部22に、各地図情報23と関連付けられた状態で記憶される。したがって、ナビゲーション装置12から取り外されたメモリカード20を情報処理装置33に装着された際に、該情報処理装置33では、メモリカード20の各地図情報23が最後に更新されてからの経過時間T1を、確実に取得することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図5及び図6に従って説明する。なお、第2の実施形態は、メモリカード20に記憶される各地図情報23をナビゲーション装置12に装着させたままで更新させる点が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0051】
図5に示すように、本実施形態のナビゲーションシステム11Aは、ナビゲーション装置12、位置情報検出装置13、画像表示装置14及びカードスロットル15に加え、地図情報送受信部40をさらに備えている。ナビゲーション装置12は、インターフェース28を介して地図情報送受信部40と情報伝達可能な状態で接続されている。こうした地図情報送受信部40は、自車外に設けられる地図情報管理サーバ31との間で各種情報を無線で伝達可能とされている。すなわち、本実施形態では、ナビゲーションシステム11A及び地図情報管理サーバ31によって、地図情報更新システムが構成される。
【0052】
また、ナビゲーション装置12には、該ナビゲーション装置12内の温度、即ちメモリカード20の設置される環境温度を検出するための図示しない温度検出部が設けられている。この温度検出部は、温度センサ(一例として、サーミスタ)と、該温度センサからの検出信号に基づき温度を算出する温度算出部とを有している。
【0053】
次に、本実施形態の地図情報更新システムが実行する地図情報更新処理ルーチン(地図情報更新プログラム)について、図6に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、地図情報更新処理ルーチンは、自車の図示しないイグニッションスイッチがオンであると共に、自車の図示しないパーキングブレーキによって車輪に制動力が付与されて自車が停止している場合に実行される。そして、ステップS20において、ナビゲーションシステム11Aの制御部25は、自車の図示しないバッテリーに蓄電される電力量Dを取得する。続いて、ステップS21において、制御部25は、ステップS10で取得した電力量Dが予め設定された電力量閾値KD以上であるか否かを判定する。この電力量閾値KDは、メモリカード20に記憶される全ての地図情報23を更新する際に要する電力量に相当する値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
【0054】
そして、ステップS20の判定結果が否定判定(D<KD)である場合、制御部25は、その処理をステップS22に移行して、上記イグニッションスイッチをオフにしないような報知指令を画像処理部29に出力する。すると、画像処理部29は、画像表示装置14のタッチパネルディスプレイ19に、「地図情報の更新を行なうので、イグニッションスイッチをオフにしないで下さい」という内容を表示させる。その後、制御部25は、その処理をステップS23に移行する。一方、ステップS20の判定結果が肯定判定(D≧KD)である場合、制御部25は、地図情報23の更新に必要な電力量をバッテリーが十分に蓄電していると判断し、その処理をステップS23に移行する。
【0055】
ステップS23において、制御部25は、メモリカード20に記憶される各地図情報23の中に書き換えの必要な地図情報が有るか否かを判定する。具体的には、制御部25は、地図情報送受信部40に、各地図情報23の最新バージョン情報を取得したい旨を地図情報管理サーバ31に対して送信させる。すると、地図情報管理サーバ31のサーバ制御装置34は、最新の地図データを含む各地図情報23の最新バージョン情報を地図情報送受信部40に送信する。そして、ナビゲーション装置12において、制御部25は、地図情報送受信部40によって受信された各地図情報23の最新バージョン情報と、メモリカード20に記憶される各地図情報23のバージョン情報とを地図情報毎に照合し、該照合結果に基づき判定する。この判定方法は、上記ステップS10と同一の判定方法である。そして、制御部25は、メモリカード20に記憶される各地図情報23のバージョン情報と各地図情報23の最新バージョン情報とが全て一致する場合には、その処理をステップS25に移行する。一方、制御部25は、最新バージョン情報と一致しないバージョン情報を含む地図情報23が存在する場合には、その処理をステップS24に移行する。
【0056】
ステップS24において、制御部25は、最新バージョン情報と一致しないバージョン情報を含む地図情報(例えば、第2地図情報23b)を書き換えの必要な地図情報として特定し、該地図情報(第2地図情報23b)の最新版を取得したい旨を地図情報送受信部40に地図情報管理サーバ31へ送信させる。すると、地図情報管理サーバ31は、ナビゲーション装置12が所望する地図情報(第2地図情報23b)の最新版を該ナビゲーション装置12に送信する。そして、ナビゲーション装置12において、制御部25は、地図情報送受信部40によって受信された最新の地図情報(第2地図情報23b)を内部メモリ26の所定の領域に一旦記憶させ、該内部メモリ26に記憶された最新の地図情報(第2地図情報23b)をメモリカード20にコピーする。このとき、制御部25は、更新情報記憶部22に記憶される、書き換えた地図情報(第2地図情報23b)に対応する更新日時情報を現時点の日時情報に変更すると共に、更新回数を「1」だけインクリメントして更新回数情報を変更する。したがって、本実施形態では、ステップS24が、時刻取得ステップに相当する。その後、制御部25は、その処理をステップS25に移行する。
【0057】
ステップS25において、制御部25は、経過時間閾値KTを地図情報23毎に設定する。本実施形態のメモリカード20は、NAND型の記憶媒体であるため、その環境温度が高いほど、情報を正確に読み取ることの可能な期間が短くなる傾向を有する。そこで、本実施形態では、制御部25は、上記温度検出部によって検出されたナビゲーション装置12内の温度が所定温度(例えば、40℃)未満である場合には、経過時間閾値KTを予め設定した基準閾値(例えば、10年)と設定する。一方、制御部25は、上記温度検出部によって検出されたナビゲーション装置12内の温度が所定温度以上である場合には、該温度が高いほど経過時間閾値KTを小さな値に設定する。したがって、本実施形態では、ステップS25が、温度閾値設定ステップに相当する。
【0058】
ステップS26において、制御部25は、各地図情報23の更新日時情報をメモリカード20から読み出し、各地図情報23の最後に更新されてからの経過時間T1を算出する。そして、制御部25は、経過時間閾値KT以上となる経過時間T1を有する地図情報23がない場合には、その処理をステップS28に移行する。一方、制御部25は、経過時間閾値KT以上となる経過時間T1を有する地図情報(例えば、第3地図情報23c)が有る場合には、その処理をステップS27に移行する。したがって、本実施形態では、ステップS26が、判定ステップに相当する。また、制御部25が、判定手段としても機能する。
【0059】
ステップS27において、制御部25は、経過時間閾値KT以上となる経過時間T1を有する地図情報(例えば、第3地図情報23c)を再書き込みの必要な地図情報として特定し、該地図情報(第3地図情報23c)を取得したい旨を地図情報送受信部40に地図情報管理サーバ31へ送信させる。すると、地図情報管理サーバ31は、ナビゲーション装置12が所望する地図情報(第3地図情報23c)を該ナビゲーション装置12に送信する。そして、ナビゲーション装置12において、制御部25は、地図情報送受信部40で受信された地図情報(第3地図情報23c)を内部メモリ26に一旦記憶させ、該内部メモリ26に記憶された地図情報(第3地図情報23c)をメモリカード20にコピーする。このとき、制御部25は、更新情報記憶部22に記憶される、再書き込みされた地図情報(第3地図情報23c)に対応する更新日時情報を現時点の日時情報に変更すると共に、更新回数を「1」だけインクリメントして更新回数情報を変更する。したがって、本実施形態では、ステップS26が、再書き込みステップ及び時刻取得ステップに相当する。また、制御部25が、再書き込み手段としても機能する。
【0060】
ステップS28において、制御部25は、上記イグニッションスイッチをオフにしてもよい旨の報知指令を画像処理部29に出力する。すると、画像処理部29は、画像表示装置14のタッチパネルディスプレイ19に、イグニッションスイッチをオフにしてもよい旨を表示させる。その後、制御部25は、地図情報更新処理ルーチンを終了する。なお、制御部25は、ステップS21の判定結果が肯定判定(D≧KD)以上であった場合には、ステップS28を実行させることなく、地図情報更新処理ルーチンを終了してもよい。
【0061】
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)、(3)〜(5)の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(6)一般に、メモリカード20から地図情報23を正確に読み取ることが可能な期間は、メモリカード20の構成の特徴上、メモリカード20の設置環境の温度が高いほど短くなる。そこで、本実施形態では、経過時間閾値KTは、メモリカード20の環境温度に応じた値に設定される。そのため、メモリカード20に記憶されている地図情報23がナビゲーション装置12で読み取り不能になることの抑制にさらに貢献できる。
【0062】
なお、上記各実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第2の実施形態において、メモリカード20に記憶される各地図情報23の更新日時情報及び更新回数情報は、ナビゲーション装置12の内部メモリ26に記憶させてもよい。この場合、内部メモリ26に、更新情報記憶部22に相当する記憶領域を設けることが望ましい。このように構成すると、メモリカード20に更新情報記憶部22を設ける必要がない分、該メモリカード20の大容量化を抑制できる。
【0063】
・各実施形態において、地図情報23毎に設定される経過時間閾値KTを、地図情報23の更新回数及び温度検出部によって検出される温度に応じた値にそれぞれ設定してもよい。この場合、第1の実施形態では、メモリカード20には、該メモリカード20が使用される環境温度に関する温度情報を記憶させる記憶領域を新たに設けることが望ましい。
【0064】
・各実施形態において、経過時間閾値KTは、予め設定された所定値であってもよい。
・第2の実施形態において、ステップS27では、経過時間閾値KT以上の経過時間T1を有する地図情報23の再書き換えを車両の乗員に促すべく報知処理を行なってもよい。同様に、ステップS28では、書き換えの必要な地図情報23がメモリカード20に有る場合に、地図情報23の書き換えを車両の乗員に促すべく報知処理を行なってもよい。
【0065】
このように構成すると、報知された車両の乗員は、メモリカード20に記憶される地図情報23を更新する必要があると認識し、メモリカード20をナビゲーションシステム11Aから取り外す。そして、取り外されたメモリカード20は、第1の実施形態のような情報処理装置33に装着される。その結果、更新(書き換え又は再書き込み)の必要な地図情報23が更新される。したがって、上記(1)と同等の効果を得ることができる。
【0066】
・第2の実施形態において、メモリカード20は、ナビゲーションシステム11Aから取り外し不能な記憶媒体であってもよい。
・第2の実施形態において、地図情報更新処理ルーチンを実行する際には、タッチパネルディスプレイ19に、地図情報23の更新を行なってもよいか否かの決定を車両の乗員に促す旨の報知を行なってもよい。そして、車両の乗員によるタッチパネルディスプレイ19の操作によって、該乗員が地図情報23の更新を行なってもよい旨の情報を制御部25が入力した場合に、地図情報更新処理ルーチンを実行させるようにしてもよい。
【0067】
・第2の実施形態において、自車がエンジンを駆動源とする車両の場合には、ステップS20,S21の各処理を省略してもよい。この場合、地図情報更新処理ルーチンを実行する際には、自車の乗員に対して、エンジンの駆動の停止を禁止させる旨を報知することが望ましい。
【0068】
・第2の実施形態において、自車が太陽光発電などのように自立発電機能を有する場合、メモリカード20に記憶される地図情報23の更新は、イグニッションスイッチのオン・オフに関係なく実行してもよい。ただし、イグニッションスイッチがオフである場合、太陽光発電による発電量が少なすぎる場合(例えば、夜間の場合)には、メモリカード20に記憶される地図情報23の更新を行なわない方が望ましい。
【0069】
・各実施形態では、ナビゲーション装置12に装着されるメモリカード20に記憶される情報の管理方法に具体化したが、これに限らず、任意の電子機器に装着されるメモリカード20に記憶される情報の管理方法に具体化してもよい。例えば、携帯電話、携帯型の音楽再生装置、パーソナルコンピュータ、PDA(パーソナルディジタルアシスタント)端末などの電子機器に装着されるメモリカードに記憶される情報の管理方法に具体化してもよい。
【0070】
また、情報は、地図情報に限らず任意の情報(例えば、音楽情報)であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
12…電子機器としてのナビゲーション装置、20…記憶媒体としてのメモリカード、25…情報処理装置としての制御部、33…情報処理装置、KT…経過時間閾値、T1…経過時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が記憶媒体に記憶されてから又は該記憶媒体に記憶される情報が最後に更新されてからの経過時間が、前記情報の読み取りが可能な期間として設定された経過時間閾値以上であるか否かを判定させる判定ステップと、
前記判定ステップで前記経過時間が前記経過時間閾値以上であると判定した場合に、前記記憶媒体の前記情報を再書き込みさせる、又は前記記憶媒体の前記情報の再書き込みを促させる再書き込みステップと、を有することを特徴とする記憶媒体に記憶される情報の管理方法。
【請求項2】
前記記憶媒体から前記情報を取得して該情報に基づくデータを再生する電子機器に前記記憶媒体が搭載される際の環境温度が高いほど、前記経過時間閾値を小さい値に設定する温度閾値設定ステップをさらに有し、
前記判定ステップでは、前記情報が前記記憶媒体に記憶されてから又は前記記憶媒体に記憶される情報が最後に更新されてからの経過時間が、前記温度閾値設定ステップで設定した経過時間閾値以上であるか否かを判定させることを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体に記憶される情報の管理方法。
【請求項3】
前記経過時間閾値を、前記情報の更新回数が多いほど小さい値に設定する回数閾値設定ステップをさらに有し、
前記判定ステップでは、前記情報が前記記憶媒体に記憶されてから又は前記記憶媒体に記憶される情報が最後に更新されてからの経過時間が、前記回数閾値設定ステップで設定した経過時間閾値以上であるか否かを判定させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記憶媒体に記憶される情報の管理方法。
【請求項4】
前記判定ステップでは、前記記憶媒体に記憶された複数の情報の何れか一つの情報が新しい情報に書き換えられる際に、該一つの情報以外の他の情報が前記記憶媒体に記憶されてから又は前記他の情報が最後に更新されてからの経過時間が、前記経過時間閾値以上であるか否かが判定され、
前記再書き込みステップでは、前記判定ステップで前記他の情報が前記記憶媒体に記憶されてから又は前記他の情報が最後に更新されてからの経過時間が前記経過時間閾値以上であると判定した場合に、前記記憶媒体の前記他の情報を再書き込みさせることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の記憶媒体に記憶される情報の管理方法。
【請求項5】
前記記憶媒体に記憶される情報が更新された場合、又は前記記憶媒体に新たな情報が記憶された場合に、その時点の時刻情報を、前記情報に関連付けて取得させる時刻取得ステップをさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の記憶媒体に記憶される情報の管理方法。
【請求項6】
記憶媒体に記憶された情報の更新を情報処理装置で管理させるためのプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記記憶媒体に記憶される情報が該記憶媒体に記憶されてから又は最後に更新されてからの経過時間が、前記情報の読み取りが可能な期間として設定された経過時間閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記経過時間が前記経過時間閾値以上であると判定された場合に、前記記憶媒体の情報を再書き込みさせる、又は前記記憶媒体の情報の再書き込みを促す再書き込み手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−96008(P2011−96008A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249304(P2009−249304)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】