説明

記録媒体再生装置

【課題】 記録媒体再生装置において、記録媒体の再生中に携帯電話機の着信があったとき、再生動作を一時停止させる。
【解決手段】 記録媒体再生装置において、記録媒体を再生する記録媒体再生部と、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し当該着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する検出部と、予め携帯電話機の着信情報を記憶する記憶部と、検出部が検出した着信情報を記憶部が記憶した着信情報と比較して一致したとき着信であると判別する判別部と、記録媒体再生部が記録媒体を再生しているとき判別部が着信であると判別した場合、記録媒体再生部の再生動作を一時停止させる制御部を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ信号又はオーディオ信号が記録されたDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体を再生する記録媒体再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDプレーヤ等の記録媒体再生装置の使用者が、ビデオ信号又はオーディオ信号が記録されたDVD等の記録媒体を再生して視聴しているときに電話の着信があった場合、通話するために、記録媒体再生装置を手動操作してDVD等の再生動作を一時停止させることがあった。
このような手動操作を自動的に行うため、電話の呼び出し中及び通話期間中に、自動的にハードディスク等の記録再生を一時停止させる記録再生装置があった(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−335479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置は、携帯電話機又はPHS(Personal Handyphone System)通話端末機の着信を知らせるために使用される着信メロディー等の着信音、又は着信振動を検出する機能を備えていなかったため、携帯電話機又はPHS通話端末機の着信に対応して自動的に記録再生を一時停止させることができなかった。
本発明の目的は、記録媒体再生装置において、携帯電話機又はPHS通話端末機の着信メロディー等の着信音、又は着信振動を検出することによって着信を判別し、再生動作を一時停止できるようにした装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の記録媒体再生装置は、記録媒体を再生する記録媒体再生部と、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し当該着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する検出部と、予め携帯電話機の着信情報を記憶する記憶部と、前記検出部が検出した着信情報を前記記憶部が記憶した着信情報と比較して一致したとき着信であると判別する判別部と、前記記録媒体再生部が記録媒体を再生しているとき前記判別部が着信であると判別した場合、前記記録媒体再生部の再生動作を一時停止させる制御部とを備えたものである。
【0006】
本発明の請求項2に記載の記録媒体再生装置は、記録媒体を再生する記録媒体再生部と、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し当該着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する検出部と、予め携帯電話機の着信情報を記憶する記憶部と、前記検出部が検出した着信情報を前記記憶部が記憶した着信情報と比較して一致し予め定められた以上の時間継続したとき着信であると判別する判別部と、前記記録媒体再生部が記録媒体を再生しているとき前記判別部が着信であると判別した場合、前記記録媒体再生部の再生動作を一時停止させる制御部とを備えたものである。
【0007】
本発明の請求項3に記載の記録媒体再生装置は、記録媒体を再生する記録媒体再生部と、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し当該着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する検出部と、予め携帯電話機の複数種類の着信音又は着信振動に対応する着信情報を記憶し着信情報の種類毎に着信したとき前記記録媒体再生部を一時停止させるか否かを示す指示値を記憶する記憶部と、前記検出部が検出した着信情報を前記記憶部が記憶した着情報と比較して一致する着信情報があったとき着信であると判別する判別部と、前記記録媒体再生部が記録媒体を再生しているとき前記判別部が着信であると判別したとき前記検出部が出力した着信情報の種類に対応付けて前記記憶部に記録媒体再生部を一時停止させることを示す指示値が記憶されていた場合、前記記録媒体再生部の再生動作を一時停止させる制御部とを備えたものである。
【0008】
本発明の請求項4に記載の記録媒体再生装置は、記録媒体を再生する記録媒体再生部と、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し当該着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する検出部と、予め携帯電話機の複数種類の着信音又は着信振動に対応する着信情報を記憶し着信情報の種類毎に着信したとき前記記録媒体再生部を一時停止させるか否かを示す指示値を記憶する記憶部と、前記検出部が検出した着信情報を前記記憶部が記憶した着信情報と比較して一致し予め定められた以上の時間継続したとき着信であると判別する判別部と、前記記録媒体再生部が記録媒体を再生しているとき前記判別部が着信であると判別したとき前記検出部が検出した着信情報の種類に対応付けて前記記憶部に記録媒体再生部を一時停止させることを示す指示値が記憶されていた場合、前記記録媒体再生部の再生動作を一時停止させる制御部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の記録媒体再生装置によれば、記録媒体を再生しているときに携帯電話機又はPHS通話端末機の着信メロディー等の着信音、又は着信振動を検出し、再生動作を一時停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の記録媒体再生装置の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
ディスク再生部1は、ビデオ信号、オーディオ信号が記録されたDVDを再生する。メモリ部2は、ディスク再生部1が再生したビデオ信号、オーディオ信号を記憶する。オーディオ復調部3は、メモリ部2が記憶したオーディオ信号を読み出し、DVDに記録されるとき変調されていたオーディオ信号を復調して、オーディオ出力端子3aを介して、オーディオ出力端子3aに接続された図示しない外部のアンプ、スピーカ等に出力する。ビデオ復調部4は、メモリ部2が記憶したビデオ信号を読み出し、DVDに記録されるとき変調されていたビデオ信号を復調して、ビデオ出力端子4aを介して、ビデオ出力端子4aに接続された図示しない外部の表示装置等に出力する。
【0011】
着信音・着信振動検出部5は、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し、検出した着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する。A/D(Analog/Digital)変換部6は、着信音・着信振動検出部5が出力した着信情報をアナログ信号からディジタル信号に変換し、メモリ部7又は比較部8に出力先を切り換えて出力する。メモリ部7は、A/D変換部6がディジタル信号として出力した着信情報を記憶する。比較部8は、A/D変換部6がディジタル信号として出力した着信情報とメモリ部7が予め記憶した着信情報とを比較する。
【0012】
CPU9は、ディスク再生部1を制御する。CPU9は、判別部9a、継続時間設定部9bを備える。継続時間設定部9bは、判別部9aが携帯電話機の着信ありと判別するための着信継続時間を設定する。判別部9aは、比較部8が比較した結果、メモリ部7に記憶された着信情報とA/D変換部6が比較部8に直接出力した着信情報とが一致し、着信情報が継続時間設定部9bに予め設定された継続時間(例えば5秒)以上継続したとき、携帯電話機に着信があったと判別する。操作部10は、ディスク再生部1の操作信号、及び継続時間設定部9bの設定値を、CPU9に入力する。
【0013】
間違い電話が着信したときには、発信者が間違い電話をかけたことに気づき短時間で切られ終了する場合が多い。記録媒体再生装置の使用者が、記録媒体からビデオ信号及びオーディオ信号を再生して視聴しているときに、短時間で着信が終了される間違い電話等によって当該視聴が中断されることは、記録媒体再生装置の使用者にとって迷惑となる場合がある。そこで、着信の継続時間が、予め設定された継続時間未満である場合、着信なしと判別することにより、短時間で終了される間違い電話等のために、記録媒体再生装置の使用者が視聴を中断されることを抑止することができる。
【0014】
ディスク再生部1がディスクを再生しているとき、判別部9aが携帯電話機の着信ありと判別すると、CPU9は、ディスク再生部1の再生動作を一時停止させる。
携帯電話機の着信情報をメモリ部7に記憶させるには、操作部10を操作しCPU9の制御によってメモリ部7に着信情報を記憶する動作状態に切り換え、携帯電話機を操作して着信音又は着信振動を出力させ着信音・着信振動検出部5に着信音又は着信振動を入力する。着信音・着信振動検出部5から出力される着信情報は、A/D変換部6を介して、メモリ部7に入力され、メモリ部7は当該着信情報を記憶する。
【0015】
着信音・着信振動検出部5は、着信情報として、着信音又は着信振動の共振周波数を出力する。メモリ部7は、着信情報として、着信音又は着信振動の共振周波数を記憶する。そして、比較部8は、着信音・着信振動検出部5が出力しA/D変換部6がディジタル信号として出力した着信音又は着信振動の共振周波数と、メモリ部7に記憶した着信音又は着信振動の共振周波数とを比較する。
上述の、携帯電話機の着信メロディー等の着信音又はマナーモードで用いられるバイブレーション等の着信振動をメモリ部7に記憶させる操作において、ビデオ出力端子4aに接続された外部の表示装置に表示されるOSD(On Screen Display)画面の初期設定項目として表示し入力操作を可能とするメニュー機能を持たせて実施することもできる。
【0016】
図2は、本発明の着信音・着信振動検出部を構成する携帯電話機ホルダの一実施例を示す図である。
携帯電話機ホルダ12は上部から携帯電話機11を収納し携帯電話機11を立てた状態で保持する。携帯電話機ホルダ12は、その内側に、携帯電話機11の着信音又は着信振動を発する場所に接触するコンタクトマイク13を備える。コンタクトマイク13は、携帯電話機11の着信音又は着信振動を検出する。コンタクトマイク13が検出することができる周波数特性は、50Hz〜5kHz程度であるので、通常の着信音又は着信振動を検出することができる。コンタクトマイク13は、携帯電話機11に直接接触するので、周囲の騒音が大きい場合でも、確実に着信音又は着信振動を検出することができる。
【0017】
携帯電話機ホルダ12は、その内側に、スペーサ14、15、16を備える。スペーサ14、15、16は、携帯電話機11の収納位置を規制し、コンタクトマイク13の取付位置を確保する。コンタクトマイク13が検出した着信音又は着信振動の共振周波数が、図示しない共振周波数検出回路によって検出される。ケーブル17は、共振周波数検出回路が検出した共振周波数を示す情報信号を、着信情報としてA/D変換部6に伝送する。
【0018】
図3は、本発明の記録媒体再生装置の第2の実施例の構成を示すブロック図である。図3の記録媒体再生装置は、図1の記録媒体再生装置のメモリ部7に着信情報及び指示値記憶部7aを設けた構成である。図3の記録媒体再生装置において、図1の記録媒体再生装置と共通の構成部には同符号を付して説明を省略する。
【0019】
着信情報及び指示値記憶部7aは、着信音・着信振動検出部5が出力しA/D変換部6を介して入力される着信情報の種類毎に、前記記録媒体再生部1を一時停止させるか否かを示す指示値を対応付けて、記憶する。記録媒体再生部1を一時停止させるか否かを示す指示値は、例えば、一時停止させる場合は、指示値=1とし、一時停止させない場合は、指示値=0とする。
判別部9aは、ディスク再生部1がディスクを再生しているとき、携帯電話機の着信ありと判別すると、着信情報及び指示値記憶部7aから着信情報の種類及び指示値を読み出し、当該指示値に応じて、指示値=1であれば、ディスク再生部1の再生動作を一時停止させ、指示値=0であれば、ディスク再生部1の再生動作をそのまま続行させる。
このようにして、携帯電話機の着信があったとき、着信メロディーの種類、着信振動の断続パターン等によって、ディスク再生部1の再生動作を制御することができる。
【0020】
本実施例において、DVDを再生する構成として説明したが、本発明は、DVDに限ることなく、他の記録媒体、例えば、CD(Compact Disc)、ビデオテープ等を再生する構成として実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の記録媒体再生装置の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の着信音・着信振動検出部を構成する携帯電話機ホルダの一実施例を示す図である。
【図3】本発明の記録媒体再生装置の第2の実施例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0022】
1 ディスク再生部
2、7 メモリ部
3 オーディオ復調部
3a オーディオ出力端子
4 ビデオ復調部
4a ビデオ出力端子
5 着信音検出部
6 A/D変換部
8 比較部
9 CPU
9a 判別部
9b 継続時間設定部
10 操作部
11 携帯電話機
12 携帯電話機ホルダ
13 コンタクトマイク
14、15,16 スペーサ
17 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を再生する記録媒体再生部と、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し当該着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する検出部と、予め携帯電話機の着信情報を記憶する記憶部と、前記検出部が検出した着信情報を前記記憶部が記憶した着信情報と比較して一致したとき着信であると判別する判別部と、前記記録媒体再生部が記録媒体を再生しているとき前記判別部が着信であると判別した場合、前記記録媒体再生部の再生動作を一時停止させる制御部とを備えたことを特徴とする記録媒体再生装置。
【請求項2】
記録媒体を再生する記録媒体再生部と、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し当該着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する検出部と、予め携帯電話機の着信情報を記憶する記憶部と、前記検出部が検出した着信情報を前記記憶部が記憶した着信情報と比較して一致し予め定められた以上の時間継続したとき着信であると判別する判別部と、前記記録媒体再生部が記録媒体を再生しているとき前記判別部が着信であると判別した場合、前記記録媒体再生部の再生動作を一時停止させる制御部とを備えたことを特徴とする記録媒体再生装置。
【請求項3】
記録媒体を再生する記録媒体再生部と、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し当該着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する検出部と、予め携帯電話機の複数種類の着信音又は着信振動に対応する着信情報を記憶し着信情報の種類毎に着信したとき前記記録媒体再生部を一時停止させるか否かを示す指示値を記憶する記憶部と、前記検出部が検出した着信情報を前記記憶部が記憶した着情報と比較して一致する着信情報があったとき着信であると判別する判別部と、前記記録媒体再生部が記録媒体を再生しているとき前記判別部が着信であると判別したとき前記検出部が出力した着信情報の種類に対応付けて前記記憶部に記録媒体再生部を一時停止させることを示す指示値が記憶されていた場合、前記記録媒体再生部の再生動作を一時停止させる制御部とを備えたことを特徴とする記録媒体再生装置。
【請求項4】
記録媒体を再生する記録媒体再生部と、携帯電話機の着信音又は着信振動を検出し当該着信音又は着信振動に対応する着信情報を出力する検出部と、予め携帯電話機の複数種類の着信音又は着信振動に対応する着信情報を記憶し着信情報の種類毎に着信したとき前記記録媒体再生部を一時停止させるか否かを示す指示値を記憶する記憶部と、前記検出部が検出した着信情報を前記記憶部が記憶した着信情報と比較して一致し予め定められた以上の時間継続したとき着信であると判別する判別部と、前記記録媒体再生部が記録媒体を再生しているとき前記判別部が着信であると判別したとき前記検出部が検出した着信情報の種類に対応付けて前記記憶部に記録媒体再生部を一時停止させることを示す指示値が記憶されていた場合、前記記録媒体再生部の再生動作を一時停止させる制御部とを備えたことを特徴とする記録媒体再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−77776(P2008−77776A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256548(P2006−256548)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】