説明

記録装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】内蔵の記録媒体の残記録容量が無くなったとしても撮影データを途切れなく記録できるようにする。
【解決手段】DVCと通信可能なHDDレコーダは、DVC内の磁気テープの残記録容量をポーリングにより取得し、磁気テープに記録中の撮影データの後続の撮影データをHDDレコーダ内のハードディスクに記録するべきか否かを判定する。そして、HDDレコーダは、後続の撮影データを記録するべきだと判定した場合は、DVCから外部に出力されている撮影データを取り込んで、ハードディスクに記録し始める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影データを記録媒体に記録する技術に関し、特に、一連の撮影データを途切れなく記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、デジタルビデオカメラ等の撮影記録装置では、撮影データ、すなわち映像データと音声データを磁気テープなどの内蔵の記録媒体に記録している。また、この種の撮影記録装置では、内蔵の記録媒体に対して記録可能な残りの記録容量(以下、残記録容量という)等が撮影中に表示されるので、ユーザは内蔵の記録媒体の交換時期を知ることができる。
【0003】
しかしながら、従来の撮影記録装置では、内蔵の記録媒体の残記録容量が無くなって内蔵の記録媒体を交換する場合には、その交換中には撮影処理が中断されていた。このため
、記録媒体を交換した後に撮影処理を再開した場合には、撮影データが途切れた状態で記録されてしまい、記録漏れが生じていた。
【0004】
この問題を内蔵の記録媒体を複数備えることで解決する発明もなされているが(特許文献1参照)、この発明では、常に必要でなくとも、特殊な内蔵機構を備えることになってしまう。
【特許文献1】特開平11−339447
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、その目的は、特殊な内蔵機構を備えることなく、内蔵の記録媒体の残記録容量が無くなったとしても撮影データを途切れなく記録できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、撮影データを記録する内蔵の記録媒体を有する撮影記録装置と通信可能な記録装置であって、前記内蔵の記録媒体の残りの記録可能性に関する情報を前記撮影記録装置から取得する取得手段と、前記取得手段により取得した情報に基づいて、前記内蔵の記録媒体に記録中の撮影データの後続の撮影データを前記記録装置により記録するべきか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記後続の撮影データを記録するべきだと判定された場合に、該後続の撮影データを当該記録装置内の記録媒体に記録する記録処理を開始する記録制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特殊な内蔵機構を備えることなく、内蔵の記録媒体の残記録容量が無くなったとしても撮影データを途切れなく記録できるようにすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る記録システムを示すシステム構成図である。
【0009】
図1に示したように、デジタルビデオカメラ(以下、DVCという)101は、デジタル通信が可能な通信ケーブル102を介してHDD(ハードディスクドライブ)レコーダ104と接続されている。DVC101は、内蔵の記録媒体として磁気テープ103を有している。
【0010】
なお、通信ケーブル102としては、本実施の形態では、IEEE1394ケーブルを想定しているが、無線LAN規格に係る無線通信アンテナをIEEE1394ケーブルの代わりに使用することも可能である。また、DVC101とHDDレコーダ104との間の通信は、USB規格に係る有線或いは無線の通信等、他の規格に準拠した通信を行なうようにしてもよい。
【0011】
また、図1では、DVC101に接続する外部記録機器としては、HDDレコーダ104だけを示しているが、他の外部記録機器をLAN等のネットワークを介して同時に接続してもよい。なお、外部記録機器としては、HDDレコーダ104に限定されることなく、例えばDVDレコーダ等を用いてもよい。
【0012】
次に、DVC101の概略構成を図2に基づいて説明する。DVC101は、撮像部201、信号処理回路202、表示部203、テープ制御回路204、ネットワークI/F(インタフェース)部205、システムコントローラ206、テープ残量検出部207、及びユーザI/F部208を有している。
【0013】
撮像部201は、各種のレンズ、光電変換素子等を有し、被写体の光学像を電子的な画像(映像)信号に変換して信号処理回路202に出力する。信号処理回路202は、撮像部201から入力された映像信号に対してガンマ補正処理等の信号処理(画像処理)を施し、例えばDV(Digital Video)フォーマット等の記録用フォーマットに変換してテープ制御回路204に出力する。また、信号処理回路202は、画像処理された映像データを表示部203に表示可能なフォーマットに変換して、表示部203に表示する。さらに、信号処理回路202は、画像処理された映像データをHDDレコーダ104に記録できるように、MPEG等の圧縮処理を施してネットワークI/F部205に出力する。
【0014】
なお、信号処理回路202は、音声信号に対する圧縮処理等も行なっており、この処理された音声データも映像データと共に磁気テープ103に記録される。以下、映像データと音声データを総称して撮影データと称する。なお、本実施の形態では、撮影処理が開始され、撮影データが磁気テープ103に記録され始めるのと同時に、その撮影データをネットワークI/F部205を介してネットワークに出力するようにしている。
【0015】
テープ制御回路204は、撮影データを磁気テープ103に正しく記録するためのサーボ制御を行なう。また、テープ制御回路204は、録画モード(後述する継続記録モードを含む)で撮影を行なう場合は、磁気テープ103に対して例えばフレーム毎にタイムコードを記録する。テープ残量検出部207は、磁気テープ103の残記録容量を検出する。
【0016】
すなわち、テープ残量検出部207は、録画モードで撮影を行なう場合は、テープ制御回路204により磁気テープ103に記録されるタイムコードに基づいて磁気テープ103上の現在の記録位置を認識する。そして、テープ残量検出部207は、現在の記録位置と磁気テープ103の全体の記録容量とに基づいて、磁気テープ103の残記録容量を算出し、表示部203に出力する。
【0017】
なお、テープ残量検出部207は、磁気テープ103の現在の記録位置、全体の記録容量量、テープ速度に基づいて、磁気テープ103の残記録時間を算出し、表示部203に出力するように構成してもよい。また、テープ残量検出部207は、システムコントローラ206の制御の下に、磁気テープ103の残記録容量をネットワークI/F部205を介して外部に出力する。
【0018】
システムコントローラ206は、上記の各デバイスの動作を全体的に制御する。システムコントローラ206は、上記の継続記録モードの下で撮影開始が指示されると、信号処理回路202で処理された撮影データを磁気テープ103に記録すると共に、ネットワークI/F部205を介して外部に出力する。
【0019】
なお、システムコントローラ206は、マイクロコンピュータにより構成され、CPU206a,ROM206b、RAM206cを有している。CPU206aは、RAM206cをワークエリアとして利用しながらROM206bに格納されたプログラムを実行することにより、上記の各種制御を行なう。なお、ROM206bには、後述する図4のフローチャートに対応するプログラムも格納されている。
【0020】
ユーザI/F部208は、撮影の開始や停止を指示するスイッチボタン等の各種の機械的な操作子を有している。また、ユーザI/F部208の一部は、表示部203と一体に形成された液晶タッチパネルにより構成されている。この液晶タッチパネルには、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)としてのメニュー画面が表示され、このメニュー画面上で継続記録モード等の各種モードを設定することができる。
【0021】
次に、HDDレコーダ104の概略構成を、図3に基づいて説明する。HDDレコーダ104は、ネットワークI/F部301、システムコントローラ302、ユーザI/F部303、及び記録部304を有している。ネットワークI/F部301は、DCV101と通信するために設けられている。
【0022】
システムコントローラ302は、ネットワークI/F部301、ユーザI/F部303、記録部304を制御する。システムコントローラ302は、DVC101から継続記録モードに移行する旨の通知を受けた場合は、磁気テープ103の残記録容量をDVC101に問い合わせる。そして、システムコントローラ302は、その残記録容量が所定の閾値以下になった時点から、DVC101からネットワーク上に出力されている撮影データを取り込んで、記録部304のハードディスク304aに記録し始めるように制御する。
【0023】
すなわち、本実施の形態では、磁気テープ103の残記録容量が無くなるような場合でも、撮影を一旦中止して磁気テープ103を交換することなく、撮影データを継続して記録するようにしている。そこで、以後、DVC101に接続されたHDDレコーダ104等の記録機器を継続記録機器と呼ぶこととする。
【0024】
なお、システムコントローラ302は、マイクロコンピュータにより構成され、CPU302a,ROM302b、RAM302cを有している。CPU302aは、RAM302cをワークエリアとして利用しながらROM302bに格納されたプログラムを実行することにより、上記の各種制御を行なう。なお、ROM302bには、後述する図5のフローチャートに対応するプログラムも格納されている。
【0025】
次に、DVC101による継続記録モードでの撮影記録処理を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0026】
DVC101のシステムコントローラ206は、まず、前述のメニュー画面上で継続記録モードが設定されたか否かを判別する(ステップS1)。その結果、継続記録モードが設定されなかった場合は、本継続記録モードでの撮影記録処理を行なうことなく終了する。
【0027】
一方、継続記録モードが設定された場合は、システムコントローラ206は、当該DVC101が接続されているネットワーク上に継続記録可能な機器が存在するか否かを判別する(ステップS2)。なお、ステップS2では、ジョブ待ち状態の継続記録機器を探索している。
【0028】
また、ジョブ待ち状態の複数の継続記録機器が存在している場合は、その中からシステムコントローラ206が所定の基準で1台を選択して、その機器名等を表示部203に表示することも可能である。或いは、システムコントローラ206は、ジョブ待ち状態の複数の継続記録機器の機器名等を、選択可能な状態で表示部203に表示するようにしてもよい。
【0029】
ステップS2にて、継続記録可能な機器が存在していると判別された場合は、システムコントローラ206は、磁気テープ103の残記録容量が無くなったとしても、撮影動作を一旦中止して磁気テープ103を交換することなく、撮影動作の継続、及び撮影データの継続記録が可能である旨を表示部203に表示する(ステップS3)。
【0030】
この場合、システムコントローラ206は、ジョブ待ち状態の複数の継続記録機器の中から選択した機器の機器名、或いはジョブ待ち状態の継続記録機器が1台しか存在しなかった場合はその機器の機器名も表示することにより、継続記録を行なう機器をユーザに報知する。以下、継続記録を行なう機器のことを、継続記録実行機器と称する。
【0031】
次に、システムコントローラ206は、ユーザI/F部208を介して撮影開始の操作がなされたか否かを判別し(ステップS4)、撮影開始の操作がなされなかった場合は、ステップS1に戻る。
【0032】
一方、撮影開始の操作がなされた場合は、システムコントローラ206は、継続記録実行機器に対して、継続記録モードに移行する旨を通知すると共に、撮影処理を開始する(ステップS5)。なお、この撮影処理においては、システムコントローラ206は、撮影データを磁気テープ103に記録すると共にネットワークI/F部205を介して外部に出力するように制御する。また、ステップS5の撮影処理では、磁気テープ103に対する記録処理は、撮影の終了が指示されない限りその残記録容量が無くなるまで行ない、残記録容量が無くなった時点で、磁気テープ103に対する記録処理を停止する。
【0033】
次に、システムコントローラ206は、磁気テープ103の残記録容量の問合わせが継続記録実行機器から有ったか否かを判別する(ステップS6)。その結果、磁気テープ103の残記録容量の問合わせが有った場合は、システムコントローラ206は、現時点での磁気テープ103の残記録容量を継続記録実行機器に通知するように、テープ残量検出部207、ネットワークI/F部205を制御して(ステップS7)、ステップS8に進む。磁気テープ103の残記録容量の問合わせが無かった場合は、システムコントローラ206は、ステップS7をスキップして、ステップS8に進む。
【0034】
なお、前述のように、録画モード、すなわち継続記録モードで撮影を行なう場合は、テープ残量検出部207は、常時、磁気テープ103に記録されるタイムコードと磁気テープ103の全体の記録容量量とに基づいて磁気テープ103の残記録容量を算出し、表示部203に表示している。従って、テープ残量検出部207は、システムコントローラ206の要求に応じて改めて磁気テープ103の残記録容量を算出することなく、表示のために常時算出している残記録容量をネットワークI/F部205に出力するだけでよい。
【0035】
ステップS8では、システムコントローラ206は、撮影終了指示の操作の有無を判別する。その結果、撮影終了指示の操作が無ければ、システムコントローラ206は、ステップS6に戻り、再度、磁気テープ103の残記録容量の問合せの有無を判別する。一方、撮影終了指示の操作が有れば、システムコントローラ206は、撮影を終了する旨を継続記録実行機器に通知して(ステップS9)、本継続記録モードでの撮影記録処理を終了する。
【0036】
ステップS2にて、ジョブ待ち状態の継続記録機器が存在しないと判別された場合は、システムコントローラ206は、継続記録ができない旨を表示部203に表示する(ステップS10)。そして、システムコントローラ206は、撮影開始の操作がなされるのを待って(ステップS11)、通常の撮影処理を開始する(ステップS12)。次に、システムコントローラ206は、前述のステップS8に進む。
【0037】
なお、システムコントローラ206は、ステップS12の通常の撮影処理においては、撮影データを磁気テープ103に記録すると共にネットワークI/F部205を介して外部に出力するように制御する。このように、通常の撮影処理、すなわち、ジョブ待ち状態の継続記録機器が存在しない場合にも、撮影データを外部に出力する意義は、次のような点にある。
【0038】
すなわち、ステップS12での撮影データの外部出力は、ステップS2の判別処理の時点でジョブ待ち状態であっても、そのジョブの実行が撮影中に完了した継続記録機器が有った場合に、この機器により継続記録を行なうことを考慮したものである。ただし、この場合は、ステップS8にて撮影終了の操作が無いと判別された場合に、ステップS2と同様の判別処理を行い、ジョブ実行状態からジョブ待ち状態に変化した継続記録機器が有れば、その機器に対してDVC101が継続記録モードで撮影を行なっている旨を通知する必要がある。また、当該機器の機器名を表示部203に表示して継続記録が可能になった旨をユーザに報知する必要がある。
【0039】
この場合、後述の閾値等の関係で、磁気テープ103と当該機器の記録媒体との間で撮影データが途切れてしまうことも想定される。そこで、撮影データが途切れて記録される場合には、その旨を表示部203に表示し、この途切れた状態が発生してもユーザが継続記録を希望する場合に限り継続記録モードで撮影を行なっている旨を当該継続記録機器に通知して、継続記録を実行させるようにするのが望ましい。
【0040】
次に、図1に示したHDDレコーダ104の処理、すなわち、継続記録機器での継続記録処理を、図5のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、継続記録機器がHDDレコーダ104であるものとして説明する。
【0041】
HDDレコーダ104のシステムコントローラ302は、継続記録モードへの移行の通知がDVC101から有ったか否かを判別する(ステップS21)。その結果、継続記録モードへの移行の通知が無ければ、システムコントローラ302は、本継続記録処理を終了する。なお、システムコントローラ302は、HDDレコーダ104がジョブ待ち状態の場合は、ステップS21での継続記録モードへの移行の通知を常時監視している。
【0042】
ステップS21にて、継続記録モードへの移行の通知が有ったと判別された場合は、システムコントローラ302は、ポーリングの時期が到来するのを待つ(ステップS22)。そして、ポーリングの時期が到来すると、システムコントローラ302は、DVC101との間でポーリングを行なうことにより、磁気テープ103の残記録容量を問合せて取得する(ステップS23)。
【0043】
そして、システムコントローラ302は、取得した磁気テープ103の残記録容量が、当該HDDレコーダ104に予め設定された継続記録開始用の閾値以下であるか否かを判別する(ステップS24)。その結果、残記録容量が継続記録開始用の閾値より多ければ、ポーリング間隔を所定量だけ短縮して(ステップS25)、ステップS22に戻る。
【0044】
すなわち、システムコントローラ302は、磁気テープ103の残記録容量が継続記録開始用の閾値に達するまでの間は、ポーリング間隔を徐々に短縮していく。これにより、DVC101のシステムコントローラ206とHDDレコーダ104のシステムコントローラ302の処理負担を軽減しつつ、撮影データの記録漏れを確実に防止することが可能になる。
【0045】
なお、ステップS25では所定量だけ短縮している、すなわちポーリングを行なう毎にポーリング間隔を一定量がけ短縮しているが、この短縮量は、取得した磁気テープ103の残記録容量に応じて決定することも可能である。この場合は、残記録容量が非常に大きい場合はポーリング間隔を非常に長くし、残記録容量が非常に小さい場合はポーリング間隔を非常に短くすることにより、システムコントローラ206,302の処理負担をより一層軽減しつつ、撮影データの記録漏れをより一層確実に防止することが可能になる。
【0046】
ステップS24にて、磁気テープ103の残記録容量が継続記録開始用の閾値以下であると判別された場合は、システムコントローラ302は、撮影データを記録部304にて継続記録する継続記録処理を開始する(ステップS26)。この場合、システムコントローラ302は、システムコントローラ302は、ネットワーク上に出力されている撮影データをネットワークI/F部301を介して取り込み、記録部304にてハードディスク304aに記録するように制御する。
【0047】
次に、システムコントローラ302は、DVC101から撮影終了の通知が有ったか否かを判別し(ステップS27)、撮影終了の通知が有った場合は、本継続記録処理を終了する。一方、撮影終了の通知が無かった場合は、システムコントローラ302は、さらに当該HDDレコーダ104のユーザI/F部303の操作により記録処理の停止が指示されたか否かを判別する(ステップS28)。
【0048】
その結果、記録処理の停止が指示されていなければ、システムコントローラ302は、ステップS26に戻り、撮影データのハードディスク304aへの継続記録処理を続行する。一方、記録処理の停止が指示されている場合は、システムコントローラ302は、本継続記録処理を終了する。
【0049】
[その他の実施の形態]
第1の実施の形態では、内蔵の磁気テープ103の残記録容量が無くなるまで磁気テープ103に撮影データを記録していたが、磁気テープ103の残記録容量が無くなる前に磁気テープ103に対する記録を終了することも可能である。すなわち、磁気テープ103の最終端まで撮影データを記録せずに、磁気テープ103の記録可能容量が残っている段階で継続記録機器での撮影データの継続記録処理を開始させることが可能である。
【0050】
また、継続記録機器での撮影データの継続記録処理が開始された後は、磁気テープ103に対する撮影データの記録処理を停止することにより、磁気テープ103を他の映像データのために有効利用することも可能である。ただし、継続記録機器による撮影データの継続記録処理が開始された直後の数フレーム(例えば2〜3フレーム)の撮影データを磁気テープ103に記録することは、撮影データの記録漏れを確実に防止するために有効である。さらに、磁気テープ103に対する記録終了のタイミングを、ユーザI/F部208の操作により、撮影中に変更できるように構成してもよい。
【0051】
なお、以上のように磁気テープ103の残記録容量が無くなる前に磁気テープ103に対する記録を終了する場合は、その終了タイミングを継続記録機器に通知し、継続記録機器側では、その終了タイミングに応じて継続記録を開始するための閾値を変更するのが望ましい。また、DVC101におけるメニュー画面上で、磁気テープ103に対する記録処理の停止タイミング、継続記録機器での記録開始のタイミング、DVC101と継続記録機器での撮影データの合計の記録時間を設定できるように構成してもよい。
【0052】
さらに、DVC101では、磁気テープ103に撮影データを記録し始めた当初から撮影データを外部に出力することなく、継続記録機器から撮影データの送信要求があった時点から撮影データを当該継続記録機器に送信することも可能である。
【0053】
また、DVC側では、磁気テープ103の残記録容量、残記録時間等の記録可能性に関する情報を送信することなく、タイムコードを送信することにより、DVC側でテープ残量検出部207を配備しなくても済むようにしてもよい。
【0054】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0055】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0056】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0057】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0058】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録システムを示すシステム構成図である。
【図2】図1におけるDVCの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1におけるHDDレコーダの概略構成を示すブロック図である。
【図4】DVCにおける継続記録モードでの撮影記録処理を示すフローチャートである。
【図5】HDDレコーダにおける継続記録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
101…DVC(デジタルビデオカメラ)、102…通信ケーブル、103…内蔵の磁気テープ、104…HDDレコーダ、202…信号処理回路、203…表示部、206,302…システムコントローラ、205,301…ネットワークI/F部、207…テープ残量検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影データを記録する内蔵の記録媒体を有する撮影記録装置と通信可能な記録装置であって、
前記内蔵の記録媒体の残りの記録可能性に関する情報を前記撮影記録装置から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した情報に基づいて、前記内蔵の記録媒体に記録中の撮影データの後続の撮影データを前記記録装置により記録するべきか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記後続の撮影データを記録するべきだと判定された場合に、該後続の撮影データを当該記録装置内の記録媒体に記録する記録処理を開始する記録制御手段と、
を有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記内蔵の記録媒体の残りの記録可能性に関する情報は、該内蔵の記録媒体に対して記録可能な残りの記録容量であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記内蔵の記録媒体の残りの記録可能性に関する情報は、該内蔵の記録媒体に対して記録可能な残りの記録時間であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記内蔵の記録可能性に関する情報を取得する時間間隔を短縮していく短縮手段を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の記録装置。
【請求項5】
前記撮影データは、前記内蔵の記録媒体への記録開始の時点からネットワーク上に出力され始めていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の記録装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記記録中の一連の撮影データの記録漏れを起こさないことを条件として、前記後続の撮影データを前記記録装置により記録するべきか否かを判定することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の記録装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記内蔵の記録媒体の残りの記録可能性が無くなる前の段階で前記後続の撮影データを前記記録装置により記録するべきであると判定することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の記録装置。
【請求項8】
撮影データを記録する内蔵の記録媒体を有する撮影記録装置と通信可能な記録装置の制御方法であって、
前記内蔵の記録媒体の残りの記録可能性に関する情報を前記撮影記録装置から取得する取得工程と、
前記取得工程により取得した情報に基づいて、前記内蔵の記録媒体に記録中の撮影データの後続の撮影データを前記記録装置により記録するべきか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記後続の撮影データを記録するべきだと判定された場合に、該後続の撮影データを当該記録装置内の記録媒体に記録する記録処理を開始する記録制御工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の制御方法を実行するプログラム。
【請求項10】
撮影データを記録する内蔵の記録媒体を有する撮影記録装置であって、
当該撮像記録装置と通信可能な記録装置に対して、前記内蔵の記録媒体に記録する撮影データに係る記録処理を引き継ぐように指示する指示手段と、
前記記録装置からの要求に応じて、撮影データを記録している最中の前記内蔵の記録媒体の残りの記録可能性に関するデータを送信する送信手段と、
を有することを特徴とする撮影記録装置。
【請求項11】
更に、前記内蔵の記録媒体に撮影データを記録し始めた時点から当該撮影データに係る一連の撮影データをネットワーク上に出力し始める出力制御手段を有することを特徴とする請求項10に記載の撮影記録装置。
【請求項12】
撮影データを記録する内蔵の記録媒体を有する撮影記録装置と、該撮影記録装置と通信可能な記録装置とを有する記録システムであって、
前記撮影記録装置は、前記内蔵の記録媒体に記録する撮影データに係る記録処理を引き継ぐように前記記録装置に指示する指示手段と、前記記録装置からの要求に応じて、撮影データを記録している最中の前記内蔵の記録媒体の残りの記録可能性に関する情報を送信する送信手段とを有し、
前記記録装置は、前記内蔵の記録媒体の残りの記録可能性に関する情報を前記撮影記録装置から取得する取得手段と、前記取得手段により取得した情報に基づいて、前記内蔵の記録媒体に記録中の撮影データの後続の撮影データを当該記録装置により記録するべきか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記後続の撮影データを記録するべきだと判定された場合に、該後続の撮影データを当該記録装置内の記録媒体に記録する記録処理を開始する記録制御手段とを有することを特徴とする記録システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−250069(P2007−250069A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−70957(P2006−70957)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】