説明

記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】インクジェット式の記録装置において、手作業による頻回の設定を伴わずに、ノズルチェックにより不良ノズルが検出された場合に適切に対処できるようにする。
【解決手段】記録ヘッドにより記録すべき記録対象のデータを取得するデータ取得部52と、データ取得部52により取得された記録対象のデータに応じた信頼性モードを設定する信頼性モード設定部53と、記録ヘッドが備えるノズルのインク吐出状態を検出するヘッドクリーニング機構とを備え、ノズルチェックを実行し、不良ノズルが検出された場合には信頼性モード設定部53により設定された信頼性モードに基づいて不良ノズルへの対処動作を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、この記録装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを吐出する記録ヘッドを備えたインクジェット式の記録装置において、記録ヘッドのノズルからのインク吐出状態を検出するノズルチェック機能を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の記録装置は、ノズルチェック機能により不良ノズルが検出された場合には、記録ヘッドのクリーニングを行い、記録品質の低下を防止する。特許文献1記載の記録装置は、不良ノズルを許容する程度を示す信頼性モードを変更可能であり、高い信頼性を要求する信頼性モードに設定されている場合は、不良ノズルが検出された場合にクリーニングを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−248547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の記録装置は、外部の装置から入力されるコマンドに従って信頼性モードを設定するものであった。このため、オペレーターは、不良ノズルが検出された場合の動作としてクリーニングを行うべきか否かを考慮しながら、記録装置の信頼性モードを設定する必要があった。このため、オペレーターには適切な信頼性モードを判断し、設定作業をすることが求められていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、インクジェット式の記録装置において、手作業による頻回の設定を伴わずに、ノズルチェックにより不良ノズルが検出された場合に適切に対処できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、インクを吐出するノズルを備えた記録ヘッドと、前記記録ヘッドにより記録すべき記録対象のデータを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得された前記記録対象のデータの種類(属性)に応じた信頼性モードを設定する信頼性モード設定手段と、前記記録ヘッドが備えるノズルのインク吐出状態を検出するノズルチェック手段と、前記ノズルチェック手段によりノズルチェックを実行し、不良ノズルが検出された場合には前記信頼性モード設定手段により設定された信頼性モードに基づいて前記不良ノズルへの対処動作を判別する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録対象のデータの種類に応じた信頼性モードを設定し、記録ヘッドのノズルチェックにより不良ノズルが検出された場合に、信頼性モードに基づいて不良ノズルに対処する動作を判別するので、記録対象のデータに関して要求される信頼性を反映して、手作業による設定を必要とすることなく、不良ノズルに対して的確な対処を行うことができる。
【0006】
また、本発明は、上記記録装置において、前記記録ヘッドのクリーニングを行うクリーニング手段を備え、前記制御手段は、前記ノズルチェック手段によるノズルチェックで不良ノズルが検出された場合に、前記信頼性モード設定手段により設定された信頼性モードに基づいて、前記記録ヘッドのクリーニングの要否を判定することを特徴とする。
本発明によれば、記録対象のデータに関して要求される信頼性を反映して、記録ヘッドのクリーニングの要否を的確に判定できる。
【0007】
また、本発明は、上記記録装置において、要求される記録品質が異なる複数種類のデータを前記記録ヘッドにより記録可能に構成され、前記信頼性モード設定手段は、前記データ取得手段により取得された前記記録対象のデータの種類に対応して、複数段階の前記信頼性モードのいずれかを設定することを特徴とする。
本発明によれば、記録対象のデータの種類に適合する信頼性モードを、的確かつ速やかに設定できる。
【0008】
また、本発明は、上記記録装置において、前記制御手段は、前記記録ヘッドのフラッシングを実行した後で前記ノズルチェック手段によるノズルチェックを実行することを特徴とする。
本発明によれば、フラッシングによりノズルの状態を整えた後にノズルチェックを行うことで、不良ノズルを的確に検出できる。
また、本発明は、上記記録装置において、前記制御手段は、前記信頼性モード設定手段により設定された信頼性モードに基づいて、前記ノズルチェック手段によりノズルチェックを実行することを特徴とする。
本発明によれば、バーコードなど信頼性の要求が高い種類のデータは、記録を開始する前や1行ごとなど頻繁にノズルチェックを行い、単に色分けの目的で着色したパターンを記録する場合は、記録開始前のみなど頻度を少なくしたノズルチェックを行うことで、データの属性に基づき適切な頻度でチェックができる。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、インクを吐出するノズルを備えた記録ヘッドを有する記録装置の制御方法であって、前記記録ヘッドにより記録すべき記録対象のデータを取得し、取得した前記記録対象のデータの種類に応じた信頼性モードを設定し、前記記録ヘッドのノズルチェックを実行し、不良ノズルが検出された場合には前記信頼性モードに基づいて前記不良ノズルへの対処動作を判別することを特徴とする。
本発明によれば、記録対象のデータに応じた信頼性モードを設定し、記録ヘッドのノズルチェックにより不良ノズルが検出された場合に、信頼性モードに基づいて不良ノズルに対処する動作を判別するので、記録対象のデータに関して要求される信頼性を反映して、手作業による設定を必要とすることなく、不良ノズルに対して的確な対処を行うことができる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、インクを吐出するノズルを備えた記録ヘッドを有する記録装置を制御する制御部によって実行可能なプログラムであって、前記制御部を、前記記録ヘッドにより記録すべき記録対象のデータを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得された前記記録対象のデータの種類に応じた信頼性モードを設定する信頼性モード設定手段と、前記記録ヘッドのノズルチェックを実行し、不良ノズルが検出された場合には前記信頼性モード設定手段により設定された信頼性モードに基づいて前記不良ノズルへの対処動作を判別する制御手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、記録対象のデータに応じた信頼性モードを設定し、記録ヘッドのノズルチェックにより不良ノズルが検出された場合に、信頼性モードに基づいて不良ノズルに対処する動作を判別するので、記録対象のデータに関して要求される信頼性を反映して、手作業による設定を必要とすることなく、不良ノズルに対して的確な対処を行うことができる。
【0011】
また、本発明は、上記のプログラムをコンピューターにより読み取り可能に記録した情報記録媒体として実現することも可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、記録対象のデータに関して要求される信頼性を反映して、手作業による設定を必要とすることなく、不良ノズルに対して的確な対処を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態のラインインクジェットプリンターの構成を示す図である。
【図2】ヘッドクリーニング機構の斜視図である。
【図3】記録ヘッド及びヘッドキャップの要部断面図である。
【図4】ラインインクジェットプリンターの機能ブロック図である。
【図5】記録とフラッシングを含む一連の動作の様子を示す説明図である。
【図6】ラインインクジェットプリンターが記録するデータの例を示す図である。
【図7】信頼性モードの設定例を示す図である。
【図8】ラインインクジェットプリンターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1の構成を平面視で模式的に示す図である。
記録装置としてのラインインクジェットプリンター1は、搬送ローラー10によって記録媒体11を搬送方向(図1中、矢印YJ1で示す方向)に搬送しつつ、記録ヘッド12から記録媒体11に対してインクを吐出して、記録媒体11に文字、記号、画像等を記録(印刷)するライン型のインクジェットプリンターである。
記録媒体11としては、所定長さに切断されたカットシートやロール紙等の連続シートを用いることができ、ロール状に巻かれた剥離シートにラベルが並べて配置されたラベルシートを用いることもできる。本実施形態では記録媒体11としてロール紙を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0015】
記録ヘッド12は、記録媒体11の搬送方向に対して上流側に位置する上流ヘッドユニット17と、下流側に位置する下流ヘッドユニット18とにより構成される。上流ヘッドユニット17は、上流側トップ記録ヘッド17T、上流側左記録ヘッド17L、及び、上流側右記録ヘッド17Rの3つの記録ヘッドが千鳥状に配置されて構成される。下流ヘッドユニット18は、下流側トップ記録ヘッド18T、下流側左記録ヘッド18L、及び、下流側右記録ヘッド18Rの3つの記録ヘッドが千鳥状に配置されて構成される。各記録ヘッド17T、17L、17R、18T、18L、18Rは、それぞれ複数のノズル列を備えている。各ノズル列は、複数のノズル孔(ノズル)が直線状に並べて配列されて構成される。
【0016】
上流側トップ記録ヘッド17Tには、ブラック(K)のインクを吐出するブラックノズル列20と、このブラックノズル列20の下流に配置され、シアン(C)のインクを吐出するシアンノズル列21とが設けられている。
ブラックノズル列20は、インクを微細なインク粒として吐出するノズル孔(図示略)が、搬送方向と直交する方向であるノズル列方向(図1中、矢印YJ2で示す方向)に延在して形成されたノズル列である。ブラックノズル列20は、ブラック(K)のインクカートリッジ(図示略)からインクを供給するインク供給機構(図示略)に接続されている。上流側トップ記録ヘッド17Tは、例えばピエゾ素子を用いて構成されるアクチュエーターによって、ブラック(K)のインクカートリッジから供給されるインクを記録媒体11へ向かって押し出して、所定のノズル孔から微細なインク粒を吐出する。
同様に、シアンノズル列21は、ブラックノズル列20と同様、ノズル孔がノズル列方向に延在して形成されたノズル列であり、シアン(C)のインクカートリッジ(図示略)からインクが供給される構成となっている。
上流側右記録ヘッド17R、及び、上流側左記録ヘッド17Lは、上流側トップ記録ヘッド17Tと同様に構成され、それぞれ、ブラックノズル列20、及び、このブラックノズル列20の下流に配置されたシアンノズル列21を備えている。
【0017】
下流側トップ記録ヘッド18Tには、マゼンタ(M)のインクを吐出するマゼンタノズル列22と、このマゼンタノズル列22の下流に配置され、イエロー(Y)のインクを吐出するイエローノズル列23とが設けられている。
マゼンタノズル列22は、ブラックノズル列20と同様、ノズル孔がノズル列方向に延在して形成されたノズル列であり、マゼンタ(M)のインクカートリッジ(図示略)からインクが供給される構成となっている。
イエローノズル列23は、ブラックノズル列20と同様、ノズル孔がノズル列方向に延在して形成されたノズル列であり、イエロー(Y)のインクカートリッジ(図示略)からインクが供給される構成となっている。
下流側右記録ヘッド18R、及び、下流側左記録ヘッド18Lは、下流側トップ記録ヘッド18Tと同様の構成であり、それぞれ、マゼンタノズル列22、及び、このマゼンタノズル列22の下流に配置されたイエローノズル列23を備えている。
なお、図1では、説明の便宜のため、各記録ヘッド、及び、記録ヘッドが備えるノズル列を平面視した様子を直線で示しているが、実際は、ノズル列を構成するノズル孔から鉛直下方へ向かってインクが吐出される構成となっており、当該構成を実現するように各部材が配置されている。
【0018】
ラインインクジェットプリンター1は、記録媒体11にインクを吐出してドットを形成し、このドットの組み合わせにより、画像(文字、記号、イメージを含む)を記録する。以下、記録媒体11に、ドットを形成する場合の基本的な動作について、図1を用いて簡単に説明する。
記録媒体11が図1に示す位置に存在しており、この記録媒体11上の位置P1に所定の色のドットを形成する場合を例にして説明する。所定の色は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及び、イエロー(Y)のインクがそれぞれ所定量ずつ吐出されることによって表現される色であるものとする。また、図1中、位置P2は、上流側トップ記録ヘッド17Tに形成されたブラックノズル列20において、搬送される記録媒体11の位置P1が通過する位置である。位置P3、位置P4、及び、位置P5についてもそれぞれ同様である。
【0019】
ラインインクジェットプリンター1は、記録媒体11にドットを形成している間、記録媒体11を、予め指定された一定の速さで所定方向へ向かって搬送する。そして、図1に示す状態から記録媒体11の搬送方向への搬送が進行し、記録媒体11上の位置P1が位置P2に対応する位置に至ったタイミングで、所定量のブラック(K)のインクを吐出する。同様にして、記録媒体11上の位置P1が位置P3に至ったタイミングで、所定量のシアン(C)のインクを吐出し、記録媒体11上の位置P1が位置P4に至ったタイミングで、所定量のマゼンタ(M)のインクを吐出し、記録媒体11上の位置P1が位置P5に至ったタイミングで、所定量のイエロー(Y)のインクを吐出する。このようにして、記録媒体11上の位置P1に、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及び、イエロー(Y)のインクがそれぞれ所定量ずつ吐出され、位置P1に所定の色のドットが形成される。つまり、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1では、画像の記録に係る処理中は、各記録ヘッドはその位置が固定された状態であり、この固定された記録ヘッドに対して記録媒体11が相対的に移動しつつ、各記録ヘッドから適宜インクが吐出されてドットが形成され、画像が記録される。
【0020】
上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18は、それぞれキャリッジ(図示略)に搭載されている。このキャリッジは、後述するキャリッジ駆動モーター35(図4)の駆動力によって、上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18を、記録媒体11の真上の記録位置と、記録媒体11から外れた位置に設けられたホームポジションHP1、HP2との間で移動させる。
図1に示すホームポジションHP1は上流ヘッドユニット17用に設けられ、ホームポジションHP2は下流ヘッドユニット18用に設けられたものである。上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18は、キャリッジ(図示略)とともに、図中の曲線矢印で示すようにホームポジションHP1、HP2と記録位置との間を移動し、記録媒体11への記録中以外、すなわち待機中にはホームポジションHP1、HP2に位置している。
【0021】
ホームポジションHP1、HP2には、ラインインクジェットプリンター1のフラッシング、クリーニング、及びノズルチェックを行うヘッドクリーニング機構60が設けられている。
図2は、ヘッドクリーニング機構60を取り出して示す斜視図である。ヘッドクリーニング機構60は、ホームポジションHP1、HP2の各々に設けられているので、一つのヘッドクリーニング機構60について説明する。ヘッドクリーニング機構60に関してはホームポジションHP1、HP2は同様の構成となっている。また、上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18を総称する場合には記録ヘッド12と称する。
【0022】
ホームポジションHP1に設けられたヘッドクリーニング機構60は、記録ヘッド12のノズル面12aを封止するヘッドキャップ61と、ノズル面12aに付着しているインクや異物などを払拭するためのワイパー62と、記録ヘッド12のノズル内に残留あるいは目詰まり等しているインクを吸引するためのインク吸引部63とを備えている。ヘッドキャップ61、ワイパー62、およびインク吸引部63は、ヘッドクリーニング機構60のフレーム64に取り付けられている。
【0023】
ヘッドキャップ61は、ホームポジションHP1、HP2の各々において、ノズル面12aの真下に配置されており、ノズル面12aに正対する上向きの封止面61aを有している。ヘッドキャップ61は、図示しない駆動機構を作動させることにより、ノズル面12aに対して垂直な方向、すなわち、キャリッジの軌道を含む面に対して直交する方向に、上下にスライド可能に構成されている。これにより、封止面61aがノズル面12aに対して近づく方向または遠ざかる方向にヘッドキャップ61が移動する。ヘッドキャップ61の駆動源である駆動機構は、プリンター側制御部27からの制御信号に基づいて、駆動源である昇降モーター(図示略)を作動させることで、ヘッドキャップ61を上昇または下降させる。
【0024】
図3は記録ヘッド12およびヘッドキャップ61が正対している状態を示す部分断面図である。この図に示すように、ヘッドキャップ61は、封止面61aの縁部61bが垂直に立ち上がっている箱型状であり、ゴムなどの弾力性のある素材で形成されている。
ヘッドキャップ61は、ノズル面12aのノズル形成部分を縁部61bで囲むように覆いながら、ノズル面12aに密着させることが可能な大きさおよび形状である。封止面61aおよび縁部61bで囲まれる凹部61c内には、吐出された廃インクを吸収するための吸収材61dが配置されている。
記録ヘッド12による記録が終了して、記録ヘッド12を待機位置で待機させる場合、プリンター側制御部27は、ヘッドキャップ61の縁部61bがノズル面12aの周囲に密着する位置までヘッドキャップ61を移動させて、ノズル孔を封鎖する。これにより、待機時におけるノズル内のインクを増粘しにくくして目詰まり等の発生を抑止できる。
【0025】
また、インク吸引部63は、後述するポンプモーター68(図4)を備え、このポンプモーター68から延びる吸引用チューブが凹部61cに接続されている。縁部61bをノズル面12aに密着させた状態でポンプモーター68が作動すると、ポンプモーター68の吸引力により凹部61cとノズル面12aで囲まれた密閉空間が減圧され、吸収材61dが吸収した廃インクをインク吸引部63に吸引するとともに、記録ヘッド12の各ノズルに残留しているインクが吸引されて凹部61c内に吐出される。ポンプモーター68により吸引された廃インクは、図示しない廃インクタンクに貯留される。
【0026】
ラインインクジェットプリンター1は、ヘッドクリーニング機構60によって、記録ヘッド12のメンテナンス機能であるフラッシング、ワイピング、インク吸引、及びノズルチェックの各動作を実行する。
フラッシングは、記録ヘッド12の各ノズル孔のうち、使用頻度が低いノズル孔や、所定時間使用されなかったノズル孔において、乾燥等により増粘したインクが吐出不良の原因とならないよう、この増粘したインクを除去する動作である。
一例として上流ヘッドユニット17のフラッシング動作を説明する。上流ヘッドユニット17に搭載された各記録ヘッドのフラッシングの際、まず、上流ヘッドユニット17が、キャリッジによってホームポジションHP1に移動される。
ここで、ヘッドキャップ61の封止面61aがノズル面12aから離隔した状態で、プリンター側制御部27の制御により、上流ヘッドユニット17に搭載された各記録ヘッド17L、17R、17Tが駆動され、各記録ヘッド17L、17R、17Tのノズル孔(全てのノズル孔であってもよく、使用頻度等を考慮した所定のノズル孔であってもよい)から所定量だけインクが吐出される。ここで吐出されたインクは吸収材61dにより吸収される。これにより、増粘したインクがノズルから排出され、噴射不良が防止される。また、比較的軽微なノズルの目詰まりであれば、このフラッシング動作で解消できる。フラッシングが終了すると、上流ヘッドユニット17は、ホームポジションHP1から再び、所定の位置に戻され、画像の記録に係る処理を実行可能な状態となる。下流ヘッドユニット18も同様にしてフラッシングが実行される。
【0027】
また、ヘッドキャップ61は、ノズル面12aを払拭するワイパー62を備えている。ワイパー62はゴムなどの弾性材からなる板状の部材であり、ヘッドクリーニング機構60のフレーム64に固定された図示しないガイド部材によって上下にスライド可能に保持されている。ワイパー62は、図示しない駆動機構を作動させることにより、ヘッドキャップ61と同様に、ノズル面12aに対して垂直な方向に移動可能に構成されている。ワイパー62でノズル面12aを払拭する際には、ノズル面12aをワイパー62の真上から横方にずらした状態でワイパー62を上昇させ、ワイパー62の先端をノズル面12aの高さよりもわずかに上に突出させ、この状態で記録ヘッド12をキャリッジによって移動させ、ワイパー62の先端をノズル面12aに摺接させる。これにより、ノズル面12aに付着した異物やインクがワイパー62の先端によって掻きとられ、ノズル孔のメニスカスが整えられる。ワイピングは、プリンター側制御部27の制御により、記録ヘッド12を待機位置側あるいは記録位置側に移動させるタイミングに同期して上記ワイパー62を上昇させることで、記録ヘッド12の移動時に合わせて実行できる。このため、ワイピングだけのために記録ヘッド12を移動させる時間がかからないため、ワイピングを行うことによるスループットの低下を避けることができる。
【0028】
さらに、ノズルの目詰まり等によりヘッドクリーニングが必要になった場合には、プリンター側制御部27は、ノズル面12aのノズル孔を封鎖する位置にヘッドキャップ61を移動させた状態でポンプモーター68を作動させて凹部61cとノズル面12aで囲まれた密閉空間内を吸引し、各ノズルからインクを吐出させる。これにより、ポンプモーター68の吸引力によりノズル面12aの全ノズル内を強制的にインクが流れるので、ノズルの目詰まりを解消できる。
【0029】
また、ヘッドクリーニング機構60は、ノズル面12aのノズルのうち目詰まり等により吐出不良となった不良ノズルを検出するためのノズルチェック機構が備わっている。すなわち、凹部61c内には、吸収材61dとともに、吸収材61dと電気的に導通する導電材61eが取り付けられている。導電材61eを流れた電気信号は、後述する検出回路37(図4)によって検出され、プリンター側制御部27に入力される。この構成により、記録ヘッド12の各ノズルから帯電したインク液滴を吐出し、帯電したインク液滴が吸収材61dに着弾する際に生じる電流変化の信号を取り出すことができる。
【0030】
このノズルチェック動作の際には、ノズル面12aとヘッドキャップ61における縁部61bの上端との隙間L1、および、ノズル面12aと吸収材61dの表面との隙間L2が所定寸法になるようにヘッドキャップ61を位置決めし、この状態で、記録ヘッド12とヘッドキャップ61が所定の電位差になるように、記録ヘッド12側を接地し、ヘッドキャップ61側に電圧を印加し所定の電界状態にする。記録ヘッド12から吐出したインクは、この電界により着弾するまでに所定量の電荷を帯電する。インクが着弾すると帯電した電荷が導電材61eに流れる。このようにすると、インク液滴の吐出状態を精度良く検査することができる。
そして、記録ヘッド12が備える個々のノズルのうち、インク液滴を吐出したにも関わらず検出回路37が検出した信号が所定の閾値以下の場合には、当該ノズルの吐出不良と判断することができる。
なお、凹部61cにステンレス等の金属板を配置し、この金属板に導電材61eを接続して、当該金属板へのインクの着弾を検出する構成としても良い。さらに、この金属板が、フラッシング動作やインク吸引動作の際には吸収材61dの中に埋没しており、ノズルチェック動作時のみ上昇して、吐出されるインクを受ける構成としても良い。この構成は、例えば、ポンプモーター68の他に、金属板を移動させるモーター或いはアクチュエーターを設けることで実現できる。
また、不良ノズルの検出方法としては、ノズルから吐出されたインク滴をレーザーなど光学的な手段で検出する方法を採用することができる。この構成では、上述した導電材61eや金属板に代えて、光学的にインクを検出する検出部をヘッドキャップ61に設ければ良い。
上記のフラッシング動作において、ヘッドクリーニング機構60は、プリンター側制御部27と協働してフラッシング手段として機能する。また、ノズルチェック動作において、ヘッドクリーニング機構60(特に、導電材61e)は、プリンター側制御部27と協働してノズルチェック手段として機能する。
【0031】
ラインインクジェットプリンター1は、記録ヘッド12のメンテナンスのため、上記ワイピング動作、インク吸引動作、及びフラッシング動作のいずれか、或いは2以上の動作を適宜組み合わせて実行する。これらの動作を実行するタイミングは、予め設定された条件(記録動作の連続実行時間、前回のクリーニング動作からの経過時間、電源オンからの経過時間、累積記録行数など)に基づいて決定することもできるし、上記のノズルチェック動作を実行し、その結果に応じて決定してもよい。例えば、ノズルチェック動作で検出された不良ノズルの数や割合がしきい値に達しない場合はワイピングのみを実行し、しきい値以上であった場合はインク吸引動作を行うといった動作が可能である。
【0032】
図4は、本実施形態に係るラインインクジェットプリンター1の機能ブロック図であり、ラインインクジェットプリンター1に接続されるホストコンピューター25の構成を合わせて図示する。
プリンター側制御部27(制御手段)は、ラインインクジェットプリンター1の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPU、このCPUによって実行可能な基本制御プログラムや当該基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶する不揮発性メモリー26、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM28、及び、その他の周辺回路等を備えている。プリンター側制御部27は、図示せぬ発振器が生成した基準クロックに基づいて計時動作を実行可能である。
また、プリンター側制御部27は、ホストコンピューター25から入力されるコマンド及びデータを取得するデータ取得部52(データ取得手段)と、データ取得部52が取得したコマンド及びデータに基づいて信頼性モードを設定する信頼性モード設定部53(信頼性モード設定手段)と、データ取得部52が取得したコマンド及びデータに基づいて記録ヘッドドライバー31、モータードライバー32、33、34を制御して記録動作を実行する実行ジョブ制御部29とを備えている。
プリンター側制御部27には、各記録ヘッドを駆動する記録ヘッドドライバー31、キャリッジ駆動モーター35を駆動するモータードライバー32、搬送モーター36を駆動するモータードライバー33、及び、ポンプモーター68を駆動するモータードライバー34の各ドライバー回路が接続されている。
【0033】
記録ヘッドドライバー31は、各記録ヘッドに接続され、プリンター側制御部27の制御の下、各記録ヘッドが備えるアクチュエーターを駆動し、各ノズル孔から必要量のインクを吐出する。
モータードライバー32は、キャリッジ駆動モーター35に接続され、プリンター側制御部27の制御の下、上流ヘッドユニット17、及び/又は、下流ヘッドユニット18を、記録に係る動作を実行可能な位置からホームポジションHP1、HP2に移動させ、また、ホームポジションHP1、HP2から記録に係る動作を実行可能な位置に移動させる。
モータードライバー33は、搬送モーター36に接続され、搬送モーター36に駆動信号を出力して、搬送モーター36をプリンター側制御部27により指示された量だけ動作させる。搬送モーター36の動作に応じて、搬送ローラー10が回転し、記録媒体11が搬送方向、又は、搬送方向と逆方向に所定量だけ搬送される。
【0034】
また、プリンター側制御部27には、検出回路37、表示部39及び入力部40が接続されている。
検出回路37は、記録ヘッド温度センサー38に接続されている。記録ヘッド温度センサー38は、いずれかの記録ヘッドの近傍に設けられ、記録ヘッドの温度を検出して、プリンター側制御部27に出力する。プリンター側制御部27は、記録ヘッド温度センサー38の検出値に基づいて、記録ヘッドの温度を検出する。
また、検出回路37は、ヘッドクリーニング機構60の導電材61eに接続され、導電材61eに流れる電流に基づき、帯電したインクの着弾を検出する。
【0035】
表示部39はプリンター側制御部27の制御のもと、表示部39が備える複数のLEDの点灯状態を制御する。入力部40は、入力部40が備えるスイッチに対するオペレーターの操作により、プリンター側制御部27に操作信号を出力する。
通信インターフェイス41(I/F)は、ホストコンピューター25に接続されるコネクターと、このコネクターを介して所定の通信プロトコルを実行するインターフェイス回路等を備えている。通信インターフェイス41とホストコンピューター25との間は、例えば、IEEE1284、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394等の規格に準じた形式で接続される。なお、通信インターフェイス41は、有線または無線通信回線により構成されるLAN(Local Area Network)を介してホストコンピューター25に接続される構成としてもよい。この場合、ラインインクジェットプリンター1に対して複数のホストコンピューター25が接続されていてもよい。
【0036】
一方、ホストコンピューター25は、ホスト側制御部45と、表示部46と、入力部47と、記憶部48と、通信インターフェイス49とを備えている。
ホスト側制御部45は、ホストコンピューター25の各部を中枢的に制御するものであり、プリンター側制御部27と同様、CPUや、ROM、RAM、周辺回路等を備えている。
表示部46は、液晶ディスプレイパネルや、有機ELパネル等の表示パネルを備え、ホスト側制御部45の制御の下、表示パネルに各種情報を表示する。
入力部47は、各種入力デバイスに接続され、入力デバイスの出力信号をホスト側制御部45に出力する。
記憶部48は、ハードディスクや、EEPROM等を備え、各種データを書き換え可能に記憶する。
通信インターフェイス49(I/F)は、上述した通信インターフェイス41と同様、ホスト側制御部45の制御の下、ラインインクジェットプリンター1との間で各種信号を送受信する。
【0037】
ホストコンピューター25は、ホスト側制御部45によってラインインクジェットプリンター1を制御するためのプリンタードライバーを記憶部48から読み出して実行することにより、ラインインクジェットプリンター1に対して、適宜、制御コマンドを出力する。
【0038】
このように構成されるラインインクジェットプリンター1に対しては、ホストコンピューター25から、記録実行を指示するコマンド、記録媒体11を搬送させる制御コマンド、記録媒体11に記録させる文字、記号、画像等の記録データ、RAM28上の所定の領域に画像バッファー50を形成させ、形成させた画像バッファー50に画像データを展開させる制御コマンド、画像バッファー50に展開された画像データに基づいて記録を行わせる制御コマンド等の一連のコマンドが入力される。
プリンター側制御部27は、ホストコンピューター25から入力された一群の制御コマンドをデータ取得部52によって取得し、1つのジョブとして管理し、当該一群の制御コマンドを実行ジョブ制御部29によって順次実行することにより、記録媒体11への記録に係る一連の処理を実行する。実行ジョブ制御部29は、制御コマンドに基づいて、記録ヘッドドライバー31、モータードライバー32、33、34の各部を制御し、記録媒体11に画像を記録する動作を実行する。
【0039】
図5は、ラインインクジェットプリンター1による記録とフラッシングを含む一連の動作の様子を示す説明図である。図5(A)は記録開始前の待機状態を示し、(B)は記録開始に伴いヘッドキャップ61を開いた状態を示し、(C)は記録中の状態を示し、(D)はフラッシング動作及びノズルチェック動作の実行状態を示す。なお、この図5及び以下の説明では例として上流ヘッドユニット17の動作を示すが、下流ヘッドユニット18の動作についても同様である。図中の符号PPは、記録媒体11の真上の記録位置を示す。
【0040】
ラインインクジェットプリンター1の待機状態においては、図5(A)に示すように上流ヘッドユニット17はホームポジションHP1に位置しており、ノズル面12aがヘッドキャップ61により封止されている。
ここで、実行ジョブ制御部29が記録を開始すると、実行ジョブ制御部29の制御により図5(B)に示すようにヘッドキャップ61が下降する。ヘッドキャップ61が外れた上流ヘッドユニット17は、キャリッジ駆動モーター35の動作によって、図5(C)に示すように記録位置PPへ移動する。この記録位置PPで、プリンター側制御部27の制御により、上流ヘッドユニット17から記録媒体11の記録面にインクが吐出され、記録が行われる。
【0041】
また、プリンター側制御部27は、記録開始に伴いヘッドキャップ61が記録ヘッド12から離脱したタイミングから計時を開始する。そして、プリンター側制御部27は、記録開始からの時間が所定時間に達する毎に、プリンター側制御部27はいったんインクの吐出を終了させ、キャリッジ駆動モーター35を動作させて、図5(D)に示すように上流ヘッドユニット17をホームポジションHP1に移動させる。ここで、プリンター側制御部27は、上述したフラッシング動作と、ノズルチェック動作とを実行する。記録動作からフラッシング動作に移行するタイミングは、記録品質への影響を回避するため、例えば、複数のジョブを連続して実行する場合は、ジョブが終了して次のジョブを記録する前のタイミングとなる。また、一つのジョブの実行中にフラッシング動作を行う場合は、記録媒体11に記録するデータの空白部分や、搬送方向における異なるデータの切れ目がフラッシング開始のタイミングとなる。記録するデータに、ノズル列方向YJ2の空白がある場合、上流ヘッドユニット17からのインクの吐出が停止し、搬送ローラー10による搬送だけが行われる。このタイミングでフラッシング動作を行えば、フラッシング動作の実施による記録品質への影響は生じない。また、例えば文字と画像など異なるデータを含むジョブの実行中に、異なるデータの境界でノズル列方向YJ2に伸びる境目がある場合には、この境目の前まで記録を行った後でいったんインクの吐出を止め、フラッシング動作を行うことができる。この場合も、インクの吐出を停止し、再開することによる記録品質への影響が極めて小さいか、ほとんど無い。
【0042】
ここで、本実施形態のラインインクジェットプリンター1は、フラッシング動作とともにノズルチェック動作を実行する。より詳細には、フラッシング動作の後にノズルチェック動作を行う。
上述のように、フラッシング動作が行われる位置(フラッシング位置)であるホームポジションHP1、HP2には、ノズルチェック動作を行うための構成として、導電材61eが配置されている。このため、フラッシング動作の前後に、記録ヘッドドライバー31の制御によって、記録ヘッド12の各ノズルから順にインクを吐出し、各ノズルからのインクの着弾を、検出回路37を介してプリンター側制御部27が検出すれば、ノズルチェック動作を実行できる。
【0043】
ノズルチェック動作の結果が予め設定されたクリーニング実行条件を満たす場合、ラインインクジェットプリンター1は、クリーニング動作を実行する。このクリーニング動作は、インク吸引動作及び/またはワイピング動作を含み、フラッシング動作を含むこともある。
クリーニング実行条件は、プリンター側制御部27がクリーニングを実行するか否かを判断する基準となる条件であり、例えば、ノズルチェック動作により検出された不良ノズルの数が所定数以上である等の条件である。
【0044】
図6は、ラインインクジェットプリンター1が記録媒体11に記録するデータの例を示す図であり、(A)は表の例を、(B)はバーコードの例を、(C)は色判別用ラベルの例を示す。
ラインインクジェットプリンター1は、様々なデータを記録媒体11に記録することが可能であり、通常の文字列や画像の他、表、バーコード、色判別用ラベル等を記録することもできる。図6(A)に例示するように、罫線を有する表を記録する場合には、文字等を構成する線に比べて非常に細い線を記録する必要があるので、少数でも不良ノズルが存在すると罫線の欠けとなり、目立ってしまう。このため、欠けや擦れのない、高い記録品質が要求される。図6(B)に例示するバーコードは、バーコード読み取り機の誤検出を防止するため、バーコードを構成する有色(通常は黒色)部分の幅等が細かく規定されている。バーコードを記録する際に不良ノズルがあると、バーコードの最も細い線であれば欠けを生じる可能性も否定できないので、表と同様に高い記録品質が厳しく要求される。
これに対し、色判別用ラベルは、ロジスティクス業務において荷分け・選別のために荷に貼付するラベルであって、所定サイズの領域が有色に着色されたものである。この領域の色は荷分け先や荷の種別に対応して決められており、作業者または作業ライン上の選別機が色判別用ラベルの色を判別して、荷分け・選別を行う。この色判別用ラベルは人または選別機が色を判別できれば良いので、記録品質への要求は低い。図6(C)に例示する色判別用ラベル7には、赤や緑の一色に塗られる着色領域7Aが配置されている。着色領域7Aは単純な形状であり、一色で塗りつぶされる。このため、少数の不良ノズルが発生した記録ヘッド12で色判別用ラベル7を作成しても、視認性への影響はほとんど無く、荷分け等の目的において色判別用ラベル7としての機能は影響されない。このため、色判別用ラベルを記録する際には不良ノズルの存在は問題になりにくい。
【0045】
そこで、プリンター側制御部27の信頼性モード設定部53は、データ取得部52により取得した記録対象のデータ、すなわち記録ヘッド12により記録するデータの種類(属性)に対応して、信頼性モードを設定する。信頼性モードは、記録ヘッド12が備える各ノズルの動作の信頼性、すなわち記録ヘッド12の不良ノズルの少なさが要求されるレベルを示し、本実施形態では、「低」、「中」、「高」の3段階に設定可能である。上述のように、データの種類によって要求される記録品質が異なるので、信頼性モード設定部53は要求される記録品質に応じて信頼性モードを設定/変更する。上記の例では、バーコードや表を記録する場合には、記録品質に対して高い信頼性が要求されるので、信頼性モード設定部53は信頼性モードを「高」に設定する。また、文字等の通常の記録対象のデータについては信頼性モードを「中」に設定し、色判別用ラベル7は信頼性モードを「低」に設定する。通常の文字列、画像、表、バーコード、色判別用パターンは、それぞれ固有のコマンドによって命令されるので、コマンドを解析することにより、その種類(属性)を判別することができる。
【0046】
図7は、信頼性モード設定部53による信頼性モードの設定例を示す図である。信頼性モード設定部53は、記録するジョブが通常の文字や画像なのか、表或いはバーコードなのか、色判別用ラベルなのかによって信頼性モードを設定する。本実施形態において、各信頼性モードは、不良ノズルの数と、クリーニング動作の実行の要否にかかる設定に影響する。図7の例では、信頼性モード毎に、クリーニング動作を実行するか否かの判定基準が「クリーニング実行条件」として設定される。
【0047】
例えば、信頼性モード「中」では、1つのノズル列につき不良ノズルが3個以上である場合にクリーニング動作(インク吸引動作、ワイピング動作)が実行される。表やバーコードを記録する場合などに設定される信頼性モード「高」では、より厳しい条件が設定される。図7の例では、1つのノズル列につき不良ノズルが1個以上である場合にクリーニングが実行される。この条件をより厳しくして、1つの記録ヘッド12につき不良ノズルが1個以上である場合にクリーニングを実行するよう設定してもよい。さらにまた、信頼性モード「高」について、クリーニング動作の後に再度ノズルチェック動作を行うよう設定してもよい。
また、色判別用ラベルを記録する場合には、図7に例示するように、不良ノズルの数に関わらずクリーニング動作を実行しない設定としてもよい。この場合、さらに条件を緩和して、色判別用ラベルを記録する場合にはフラッシング動作のみを行い、ノズルチェック動作を行わない設定とすることも可能である。
図7に例示した記録対象データの種類毎の信頼性モードと、各信頼性モードに対応するクリーニング実行条件は、例えば図7と同様のテーブルの形態で、不揮発性メモリー26に記憶している。
【0048】
信頼性モード設定部53は、データ取得部52がホストコンピューター25から取得したジョブのコマンド及びデータがどのようなデータを記録するジョブなのかを判定できる。具体的には、ホストコンピューター25から入力されたジョブのデータがバーコードフォントを含んでいる場合には、バーコードを記録するジョブであると判定できる。また、入力されたジョブのデータに文字と罫線とが含まれている場合は表を記録するジョブであると判定でき、所定以上の面積を有する単一色の領域が含まれている場合は色判別用ラベルであると判定できる。信頼性モード設定部53は、この判定結果に基づいて信頼性モードを設定する。
【0049】
図8は、ラインインクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。
ラインインクジェットプリンター1のプリンター側制御部27は、ホストコンピューター25によって、ホストコンピューター25から実行するジョブのコマンド及びデータを取得し(ステップS11)、信頼性モード設定部53により、取得したデータの種類を判別する(ステップS12)。
ここで、信頼性モード設定部53は、判別したデータの種類に応じて信頼性モードを設定し(ステップS13)、実行ジョブ制御部29が記録動作を開始する(ステップS14)。このステップS14では、ホームポジションHP1、HP2で待機していた上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18の各記録ヘッドから、ヘッドキャップ61を離脱させ、続いて記録媒体11の搬送路の真上の位置まで、キャリッジ駆動モーター35によって移動させる。実行ジョブ制御部29は、モータードライバー33により搬送モーター36を動作させて、記録媒体11の搬送を開始するとともに、記録ヘッドドライバー31を介して上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18を駆動し、インクを吐出させ、記録を開始する。また、上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18からヘッドキャップ61を離脱させる際に、プリンター側制御部27は、内蔵するタイマーによる計時を開始する(ステップS15)。
【0050】
プリンター側制御部27は、上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18による記録を実行しながら、計時する時間を監視し、設定時間に達したか否かを所定時間毎に判別する(ステップS16)。設定時間に達するまでは(ステップS16;No)上記動作を繰り返し行い、設定された時間(例えば、5〜9秒程度)が経過した場合には(ステップS16;Yes)、モータードライバー32によりキャリッジ駆動モーター35を動作させて、上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18を、ホームポジションHP1、HP2にそれぞれ移動させる(ステップS17)。
【0051】
そして、プリンター側制御部27は記録ヘッドドライバー31により記録ヘッド12を制御し、フラッシング動作を実行させる(ステップS18)。さらにプリンター側制御部27は、上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18が備える各記録ヘッド、或いは、各記録ヘッドが備えるノズル列の中から、ノズルチェックの対象を選択する(ステップS19)。上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18の全てのノズルについてノズルチェックを行うと、ノズルが多数であるために時間がかかる。このため、プリンター側制御部27は、1回のフラッシング動作につき、一部のノズルのみを対象としてノズルチェック動作を行う。
【0052】
ノズルチェック動作の対象は、上流ヘッドユニット17と下流ヘッドユニット18のぞれぞれで選択される。ホームポジションHP1とホームポジションHP2で同時にノズルチェック動作を行えるからである。
一つの例としては、上流ヘッドユニット17が備える上流側左記録ヘッド17L、上流側右記録ヘッド17R、及び上流側トップ記録ヘッド17Tの中から対象の記録ヘッドを一つ選択して、記録ヘッド単位で、すなわち選択した記録ヘッドが有するブラックノズル列20及びシアンノズル列21のノズルチェックを行う方法がある。この場合、下流ヘッドユニット18では、下流側左記録ヘッド18L、下流側右記録ヘッド18R、及び下流側トップ記録ヘッド18Tの中からノズルチェックの対象として一つの記録ヘッドが選択される。
また、より多くの回数に分けてノズルチェック動作を行う場合には、上流ヘッドユニット17から一つの記録ヘッドを選択し、その記録ヘッドのブラックノズル列20とシアンノズル列21のうち対象を一つ選択して、ノズル列単位でノズルチェック動作を行う方法もある。この場合、下流ヘッドユニット18では、下流側左記録ヘッド18L、下流側右記録ヘッド18R、及び下流側トップ記録ヘッド18Tの中からノズルチェックの対象として一つの記録ヘッドが選択され、さらにマゼンタノズル列22またはイエローノズル列23のいずれかが対象として選択される。
【0053】
上記のいずれかの方法によりノズルチェック動作の対象を選択すると、プリンター側制御部27は、選択した対象が備える各ノズルからインクを吐出させ、吐出されたインクの着弾を検出回路37により検出して、ノズルチェック動作を行う(ステップS20)。対象の全てのノズルについてノズルチェック動作が終了すると、プリンター側制御部27は、ノズルチェックが完了した記録ヘッドの有無を判別する(ステップS21)。つまり、上流ヘッドユニット17では上流側左記録ヘッド17L、上流側右記録ヘッド17R、及び上流側トップ記録ヘッド17Tのいずれか一つについて、全ノズルのノズルチェックが完了した記録ヘッドがあるか否かを判別する。プリンター側制御部27は、下流ヘッドユニット18についても同様の判別を行う。ここで、上流ヘッドユニット17と下流ヘッドユニット18で、それぞれ個別に、ノズルチェックが完了した記録ヘッドを判別(検出)してもよい。
【0054】
いずれの記録ヘッドもノズルチェックが完了していない場合(ステップS21;No)、プリンター側制御部27はステップS15に戻ってタイマーをリセットし、計時を開始する。これに対し、いずれかの記録ヘッドでノズルチェックが完了した場合(ステップS21;Yes)、プリンター側制御部27は、当該記録ヘッドの不良ノズル数を集計し(ステップS22)、信頼性モード設定部53により設定された信頼性モード(本実施形態では「高」、「中」、「低」のいずれか)を判別する。プリンター側制御部27は、検出された不良ノズル数が、設定された信頼性モードに対応するクリーニング実行条件に該当するか否かをもとに、クリーニング動作を実行すべきか否かを判定する(ステップS23)。クリーニング動作を実行しないと判定した場合(ステップS23;No)、プリンター側制御部27はステップS15に戻る。一方、クリーニング動作を実行すると判定した場合(ステップS23;Yes)、プリンター側制御部27は、クリーニング動作を実行する(ステップS24)。すなわち、インク吸引部63によりインク吸引動作を行い、ワイピング動作を行う。ここで、クリーニング実行条件の設定に従って、再びノズルチェック動作を行ってもよい。
【0055】
記録ヘッド単位で不良ノズル数を集計してクリーニング実行条件と比較するのは、ヘッドクリーニング機構60がクリーニング動作(インク吸引動作、或いはワイピング動作)を記録ヘッド単位で行うためである。記録ヘッドの一方のノズル列のノズルチェックが完了していないうちにクリーニング動作を行うと、ノズルチェックされていないノズル列において不良ノズルの有無が判定できない。このため、クリーニング動作の実行単位と同じ部分のノズルチェックが完了してから、クリーニング実行条件に基づく判定を行う方が、クリーニング動作の実行回数の増加を抑えるという観点から、また、不良ノズル数に基づく装置寿命の判断等を行う観点から、好ましいといえる。仮に、ヘッドクリーニング機構60が上流側左記録ヘッド17L、上流側右記録ヘッド17R及び上流側トップ記録ヘッド17Tの全てに対して同時にクリーニング動作を実行する構成であった場合には、これら全ての記録ヘッドのノズルチェックが完了してから、クリーニング実行条件との対比判定を行ってもよい。
その後、プリンター側制御部27は、ステップS11で取得した一つのジョブの記録が完了したか否かを判別し(ステップS25)、ジョブが完了していなければ(ステップS25;No)、ステップS15に戻ってタイマーをリセットし、計時を開始し、記録を続行する。
また、ステップS11で取得したジョブの記録が完了した場合(ステップS25;Yes)、プリンター側制御部27は、本処理を終了する。
【0056】
以上説明したように、本発明を適用した実施形態に係るラインインクジェットプリンター1によれば、インクを吐出するノズルを備えた上流ヘッドユニット17及び下流ヘッドユニット18からなる記録ヘッド12と、記録ヘッド12により記録すべき記録対象のデータを取得するデータ取得部52と、データ取得部52により取得された記録対象のデータに応じた信頼性モードを設定する信頼性モード設定部53と、記録ヘッド12が備えるノズルのインク吐出状態を検出するヘッドクリーニング機構60とを備え、プリンター側制御部27により、ヘッドクリーニング機構60によりノズルチェックを実行し、不良ノズルが検出された場合には信頼性モード設定部53により設定された信頼性モードに基づいて不良ノズルへの対処動作を判別するので、記録対象のデータに応じた信頼性モードを設定し、記録ヘッド12のノズルチェックにより不良ノズルが検出された場合に、信頼性モードに基づいて不良ノズルに対処する動作を判別するので、記録対象のデータに関して要求される信頼性を反映して、手作業による設定を必要とすることなく、不良ノズルに対して的確な対処を行うことができる。
【0057】
また、ラインインクジェットプリンター1は、ヘッドクリーニング機構60により記録ヘッド12のクリーニングを実行する機能を備え、プリンター側制御部27は、ヘッドクリーニング機構60によるノズルチェックで不良ノズルが検出された場合に、信頼性モード設定部53により設定された信頼性モードに基づいて、記録ヘッド12のクリーニングの要否を判定するので、記録対象のデータに関して要求される信頼性を反映して、記録ヘッド12のクリーニングの要否を的確に判定できる。
さらに、ラインインクジェットプリンター1は、要求される記録品質が異なる複数種類のデータを記録ヘッド12により記録可能に構成され、信頼性モード設定部53は、データ取得部52により取得された記録対象のデータの種類に対応して、複数段階の信頼性モードのいずれかを設定するので、記録対象のデータに適合する信頼性モードを、的確かつ速やかに設定できる。
さらにまた、プリンター側制御部27は、記録ヘッド12のフラッシングを実行した後でヘッドクリーニング機構60によるノズルチェックを実行するので、フラッシングによりノズルの状態を整えた後にノズルチェックを行うことで、不良ノズルを的確に検出できる。
また、プリンター側制御部27は、信頼性モード設定部53により設定された信頼性モードに基づいて、ヘッドクリーニング機構60によりノズルチェックを実行するので、バーコードなど信頼性の要求が高い種類のデータは、記録を開始する前や1行ごとなど頻繁にノズルチェックを行い、単に色分けの目的で着色したパターンを記録する場合は、記録開始前のみなど頻度を少なくしたノズルチェックを行うことで、データの属性に基づき適切な頻度でチェックができる。
【0058】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。例えば、上記実施形態では、信頼性モードを3段階に設定可能であり、各信頼性モードに対応してクリーニング実行条件が異なるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、より多段階に信頼性モードを設定することも可能であるし、信頼性モードに対応する不良ノズルへの対処方法は、クリーニング実行条件に限定されない。例えば、インク吸引動作とワイピング動作との実行順序や実行回数、インク吸引動作における吸引時間、クリーニング実行後の再度のノズルチェック等の複数の要素が、信頼性モードに対応づけられていてもよい。
さらに、各記録ヘッドの配置の態様や、記録の実行に係る各種機構の態様、フラッシングの態様、フラッシングの実行に係る各種機構の態様等は、上述した実施形態におけるものに限らないことは、言うまでもない。すなわち、搬送方向に搬送される記録媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出して記録を行う記録装置に広く本発明を適用可能である。
【0059】
また、上述した実施形態において、記録対象のデータに基づく信頼性モードの設定を信頼性モード設定部53が実行し、信頼性モードに対応するクリーニング実行条件に基づいてクリーニング動作の要否を判定する処理等をプリンター側制御部27が実行する構成として説明したが、これらの処理をホストコンピューター25が実行してもよいし、他の制御装置が実行してもよい。さらに、図4に示したラインインクジェットプリンター1及びホストコンピューター25の一部の機能ブロックはハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されるものであり、各機能ブロックはハードウェアの実装形態を限定するものではないし、複数の機能ブロックの機能を一つの機能部が具備する構成とすることも勿論可能である。さらに、上記実施形態において不揮発性メモリーや記憶部が記憶していたプログラムを図示しない不揮発性メモリーが記憶する構成であってもよいし、可搬型の記録媒体に記憶されている構成であってもよいし、或いは、通信回線を介して接続された他の装置にダウンロード可能に記憶され、これらの装置からラインインクジェットプリンター1やホストコンピューター25が上記プログラムをダウンロードして実行してもよく、その他の構成についても任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…ラインインクジェットプリンター(記録装置)、11…記録媒体、12…記録ヘッド、12a…ノズル面、17…上流ヘッドユニット、17L…上流側左記録ヘッド(記録ヘッド)、17R…上流側右記録ヘッド(記録ヘッド)、17T…上流側トップ記録ヘッド(記録ヘッド)、18…下流ヘッドユニット、18L…下流側左記録ヘッド(記録ヘッド)、18R…下流側右記録ヘッド(記録ヘッド)、18T…下流側トップ記録ヘッド(記録ヘッド)、20…ブラックノズル列、21…シアンノズル列、22…マゼンタノズル列、23…イエローノズル列、25…ホストコンピューター、27…プリンター側制御部(制御手段)、35…キャリッジ駆動モーター、36…搬送モーター、37…検出回路、52…データ取得部(データ取得手段)、53…信頼性モード設定部(信頼性モード設定手段)、60…ヘッドクリーニング機構(クリーニング手段、ノズルチェック手段)、61…ヘッドキャップ、63…インク吸引部、68…ポンプモーター、HP1、HP2…ホームポジション。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するノズルを備えた記録ヘッドと、
前記記録ヘッドにより記録すべき記録対象のデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段により取得された前記記録対象のデータの種類に応じた信頼性モードを設定する信頼性モード設定手段と、
前記記録ヘッドが備えるノズルのインク吐出状態を検出するノズルチェック手段と、
前記ノズルチェック手段によりノズルチェックを実行し、不良ノズルが検出された場合には前記信頼性モード設定手段により設定された信頼性モードに基づいて前記不良ノズルへの対処動作を判別する制御手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録ヘッドのクリーニングを行うクリーニング手段を備え、
前記制御手段は、前記ノズルチェック手段によるノズルチェックで不良ノズルが検出された場合に、前記信頼性モード設定手段により設定された信頼性モードに基づいて、前記記録ヘッドのクリーニングの要否を判定すること、
を特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
要求される記録品質が異なる複数種類のデータを前記記録ヘッドにより記録可能に構成され、
前記信頼性モード設定手段は、前記データ取得手段により取得された前記記録対象のデータの種類に対応して、複数段階の前記信頼性モードのいずれかを設定することを特徴とする請求項1または2記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記記録ヘッドのフラッシングを実行した後で前記ノズルチェック手段によるノズルチェックを実行することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記信頼性モード設定手段により設定された信頼性モードに基づいて、前記ノズルチェック手段によりノズルチェックを実行することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
インクを吐出するノズルを備えた記録ヘッドを有する記録装置の制御方法であって、
前記記録ヘッドにより記録すべき記録対象のデータを取得し、
取得した前記記録対象のデータの種類に応じた信頼性モードを設定し、
前記記録ヘッドのノズルチェックを実行し、不良ノズルが検出された場合には前記信頼性モードに基づいて前記不良ノズルへの対処動作を判別すること、
を特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項7】
インクを吐出するノズルを備えた記録ヘッドを有する記録装置を制御する制御部によって実行可能なプログラムであって、
前記制御部を、
前記記録ヘッドにより記録すべき記録対象のデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段により取得された前記記録対象のデータの種類に応じた信頼性モードを設定する信頼性モード設定手段と、
前記記録ヘッドのノズルチェックを実行し、不良ノズルが検出された場合には前記信頼性モード設定手段により設定された信頼性モードに基づいて前記不良ノズルへの対処動作を判別する制御手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−223898(P2012−223898A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90759(P2011−90759)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】