説明

記録装置

【課題】内蔵マイクロホンを備えて音声を収録可能な記録装置にアクセサリが装着された場合、されない場合、あるいは装着されるアクセサリの種類によらず、良好に音声を収録可能とする。
【解決手段】検出部144は、カメラ100にアクセサリが装着されたことを検出する。アクセサリ別制御部142は、装着されたアクセサリの種類を判別する。内蔵マイクロホン102、104は音声を集音して音声信号に変換する。オーディオ制御部150は、内蔵マイクロホン102、104からの記音声信号を処理して音声データを生成する。このとき、オーディオ制御部150は、予め記憶される複数種類の音声信号補正データの中から、アクセサリ別制御部142で判別されたアクセサリの種類に応じ、音声信号に処理を行う際に参照すべき音声信号補正データを決定する。オーディオ制御部150は、決定された音声信号補正データを参照して音声信号を処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声を集音して音声信号を生成する集音装置によって得られた音声信号を処理して記録する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集音装置、例えばマイクロホンによって得られた音声信号を記録する記録装置としては、音だけを記録する録音装置だけでなく、スチルカメラやムービーカメラ等、映像と音とを記録可能なものもある。最近では、これらの記録装置の高機能化が進み、ユーザのニーズに応じて様々な機能拡張が可能となってきている。
【0003】
機能拡張をする方法として、様々な種類のアクセサリを使用目的に応じて取り付けることが行われる。ところで、機能拡張の一つとして外部マイクロホンを記録装置に取り付け可能に構成されるものがある。内蔵マイクロホンと外部マイクロホンとでは音響特性が異なるので、内蔵マイクロホン、外付けマイクロホンのそれぞれに対応した音声信号の処理をすることが望ましい。
【0004】
特許文献1には、複数のマイクロホンを備えていて、このマイクロホンにより音声信号を取得して記録媒体に記録する録音装置において、外部マイクロホンが接続されたときには入力を外部マイクロホンに切り替え、接続された外部マイクロホンから取得された補正用パラメータを用いて音声信号の特性を補正するものが開示される。
【0005】
また、マイクロホンは、風や息が当たると、いわゆる吹かれと称されるノイズを生じる。このノイズを軽減するために、ウィンドスクリーンが用いられる。しかし、このウィンドスクリーンを用いると、低域の音が減衰して収録されてしまう。
【0006】
特許文献2には、マイクロホンにウィンドスクリーンが装着されたことを検出する検出手段を備え、この検出手段の検出結果に応じて、マイクロホンで収音して得られた音声信号にイコライジングの処理を有効/無効に切り替えるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−340247号公報
【特許文献2】特開2005−184315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、アクセサリの種類は複数あり、また、その形状や大きさはアクセサリの種類によって様々である。内蔵マイクロホンを備える記録装置にアクセサリが装着された場合、装着されるアクセサリの形状や大きさによっては内蔵マイクロホン用の開口を覆ってしまって、音響特性に影響を及ぼす場合がある。また、装着されるアクセサリが変わると、記録装置の使用形態も変わることがある。
【0009】
また、ユーザの利便や開発コストの低減を考慮すると、アクセサリは複数種類の記録装置に対して装着可能、すなわち共用可能であることが望ましい。その一方で、記録装置はその形状や大きさに加えて内蔵マイクロホンの配設位置も様々である。そのため、異なる種類の記録装置に同じアクセサリが装着されていたとしても、内蔵マイクロホンを用いての録音に際して、装着されたアクセサリが音響特性に及ぼす影響は記録装置の種類によって異なることがある。
【0010】
特許文献1に開示されるものでは、装着されるアクセサリが外部マイクロホンであり、外部マイクロホンが装着されたときには内蔵マイクロホンは用いられない。つまり、アクセサリが装着された状態で内蔵マイクロホンを用いること自体が考慮されていない。したがって、装着されているアクセサリが内蔵マイクロホンを用いての録音に影響を及ぼすことについては考慮されていない。
【0011】
特許文献2に開示されるのは、マイクロホンにウィンドスクリーンが装着されたか否かのみが判定される。つまり、ウィンドスクリーンをアクセサリと考えたとき、アクセサリの存否が判断されるものの、装着されたアクセサリの種類を判定する事に関しては開示されない。
【0012】
本発明は上記の課題に鑑みなされたもので、内蔵マイクロホンを備えて音声を収録可能な記録装置において、アクセサリ装着の有無や、装着されるアクセサリの種類によらず、音声を良好に収録可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1) 本発明は、アクセサリを装着するためのアクセサリ取付部を有し、前記アクセサリを装着することによって機能拡張が可能な記録装置に適用される。この記録装置が、
前記アクセサリが装着されたことを検出する検出部と、
装着された前記アクセサリの種類を判別するアクセサリ判別部と、
音声を集音して音声信号に変換する集音部と、
前記音声信号を処理して音声データを生成する信号処理部と、
予め記憶される複数種類の音声信号補正データの中から、前記アクセサリ判別部で判別されたアクセサリの種類に応じ、前記信号処理部で前記音声信号に処理を行う際に参照すべき音声信号補正データを決定する、補正データ決定部と、
前記信号処理部で生成された前記音声データを記録する記録部と
を備えることにより上述した課題を解決する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内蔵マイクロホンによって集音されて生成された音声信号を処理し、音声データを生成して記録する記録装置で音が収録される際に、アクセサリ装着の有無や、装着されるアクセサリの種類によらず、良好な音で収録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】記録装置としてのカメラと、このカメラに装着されるアクセサリの例を示す図であり、(a)はカメラにアクセサリとしてOVF(光学的ビューファインダ)が装着される様子を、(b)はカメラの要部外観を示す斜視図である。
【図2】カメラに装着可能なEVF(電子ビューファインダ)の外観を示す斜視図である。
【図3】カメラに装着可能なリングフラッシュの外観を示す斜視図である。
【図4】カメラに装着可能な外付けフラッシュの外観を示す図であり、(a)は全体を、(b)は切り欠き部を拡大して部分的に示す斜視図である。
【図5】カメラおよびカメラに装着されるアクセサリの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図6】カメラ内で実行されるオーディオ制御データ生成処理手順を概略的に示すフローチャートである。
【図7】カメラからアクセサリに送信されるカメラIDをもとにアクセサリ内で対応する内蔵マイクロホン補正データを導出し、それをカメラに送信する際の処理手順を概略的に示すフローチャートであり、(a)はカメラ側での、(b)はアクセサリ側での処理手順を、それぞれ示すフローチャートである。
【図8】内蔵マイク補正データを収容したデータテーブルを概念的に示す図であり、カメラ内に記憶されるデータテーブルの例を示す図である。
【図9】図8に示されるのとは異なる種類(機種)のカメラ内に記憶されるデータテーブルの例を示す図である。
【図10】内蔵マイク補正データを収容したデータテーブルを概念的に示す図であり、アクセサリ内に記憶されるデータテーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、記録装置としてのカメラ100にアクセサリとしての光学的ビューファインダ(以下、英語訳のOptical Viewfinderの頭文字をとり、OVFと称する)が装着される例を示す図である。図1(a)にはカメラ100にOVF200が装着された状態を示し、図1(b)にはOVF200を取り外したカメラ100の要部を部分的に示す。
【0017】
撮影レンズ600は、カメラ100に対して着脱可能に装着されるものであっても、取り外し不能に固定されていてもよいが、本明細書中で撮影レンズ600は着脱可能であるものとする。カメラ100の上面には、図1(b)に示されるようにアクセサリシュー110が備えられる。このアクセサリシュー110を介してカメラ100に様々な種類のアクセサリを装着することができる。アクセサリシュー110には、カメラ100と、カメラ100に装着されたアクセサリとの間で電気的な接続を可能とする接点112が設けられる。接点112を介してカメラ100とアクセサリとの間で信号や情報の授受が可能に構成される。
【0018】
本明細書中ではアクセサリを装着するための手段としてアクセサリシュー110をカメラ100が備える例について説明するが、ねじ穴、スロット、コネクタ、クランプ装置、あるいは三脚穴にねじ止めされるブラケット等、他の形式のアクセサリ装着手段を備えていてもよい。また、装着されるアクセサリの種類に対応して複数のアクセサリ装着手段を備えていてもよい。また、カメラ100とアクセサリとの間の通信手段は有線であっても無線であってもよい。
【0019】
カメラ100の内部には、ステレオの内蔵マイクロホンが備えられる。内蔵マイクロホンの設置位置は、被写体の存在する側からの音を良好に集音可能とするため、カメラの前面(撮影時に被写体と正対する面)や上面に設けられる。図1においては、カメラ100の前面および上面に設けられる例が示されている。すなわち、内蔵マイクロホン106および108はカメラ100の前面に設けられる例を示しており、内蔵マイクロホン102および104はカメラ100の上面に設けられる例を示している。
【0020】
図1には説明のために上述した二組の内蔵マイクロホン106および108ならびに102および104を示してあるが、いずれかの組の内蔵マイクロホン106および108または102および104がカメラ100に備えられていればよい。無論、二組、またはそれ以上の組の内蔵マイクロホンがカメラ100に備えられていてもよいし、奇数個の内蔵マイクロホンが備えられていてもよい。
【0021】
以下の説明で、内蔵マイクロホン102および104と内蔵マイクロホン106および108とを区別する必要があるときにはいずれかの符号を付して説明する。一方、内蔵マイクロホン102および104と内蔵マイクロホン106および108との間で区別が必要無いときには符号を付さず、単に内蔵マイクロホンと称する。
【0022】
内蔵マイクロホンによって集音されて生成された音声信号は、後で詳しく説明するように処理されて音声データが生成され、動画とともに記録される。音声データはまた、静止画の画像データと関連付けて記録することも可能である。例えば、静止画を撮影した直後の数秒間にわたって音声を収録したり、撮影して得られた画像を再生表示させたときにユーザがメニュー操作をすることにより、撮影の後で音声を収録したりすることも可能である。
【0023】
カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備えるものである場合、OVF200をカメラ100に装着すると、図1(a)に例示されるように内蔵マイクロホン102および104の開口部分がOVF200によって覆われてしまう。その結果、OVF200が装着された状態で音声が集音されると、内蔵マイクロホン102および104で集音される際の音響特性が変化する。理由は、内蔵マイクロホン102および104に到達する音の音圧が低下するからである。
【0024】
また、特に動画を撮影するような状況で、撮影者がOVF200の接眼部分に眼をあてながら撮影をすると、ユーザの呼吸音(鼻息の音)が比較的大きく集音されてしまうことがある。
【0025】
図2は、アクセサリシュー110に装着されるアクセサリの一例である電子ビューファインダ(以下、英語訳のElectronic Viewfinderの頭文字をとり、EVFと称する)の外観を示す図である。EVF210は、大きく分けてベース部216と本体部214とを備える。
【0026】
ベース部216は、カメラ100の後面(上述した前面と対向する面を「後面」と称する)に設けられるコネクタと電気的に接続するためのコネクタ218と、アクセサリシュー110を介してカメラ100と機械的、電気的に接続するための接続部220とを備える。
【0027】
本体部214は接眼部212を備える。本体部214の内部には、カラーの液晶表示素子、バックライト装置、これらの液晶表示素子やバックライト装置を駆動するための回路、液晶表示素子に表示される画像を拡大して接眼部212に導くための観察光学系等を備える。
【0028】
本体部214とベース部216とは、図2に示される軸O−O’を中心として回動可能に構成されており、EVF210がカメラ100に装着された状態で本体部214をティルトさせることが可能である。これによりローアングルでの撮影等が容易に行えるようになっている。液晶表示素子、バックライト装置を駆動するための電力は、コネクタ218を介してカメラ100から供給されるものとする。
【0029】
EVF210は、カメラ100の電源のオン/オフに連動して動作/動作停止状態に切り替えられる。動作状態とは、バックライトを点灯させた状態で液晶表示素子を駆動し、カメラ100からコネクタ218を介して出力される画像データをもとに液晶表示素子上に画像を表示させる状態である。動作停止状態とは、バックライトを消灯させるとともに液晶表示素子の駆動も停止した状態である。
【0030】
EVF210はまた、カメラ100の電源がオンとなっている状態で動作を停止させることもできる。この場合、カメラ100の背面に備えられるモニタ表示装置がビューファインダの代わりに用いられる。ユーザはこのとき、モニタ表示装置に表示される画像が肉眼で明瞭に見える程度に眼とモニタ表示装置との間の距離を調節し、モニタ表示装置に表示されるライブビュー画像を見ながら撮影を行う。
【0031】
カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備えるタイプのものである場合、EVF210をカメラ100に装着すると、OVF200を装着したときと同様に内蔵マイクロホン102および104の開口部分がEVF210によって覆われてしまう。その結果、EVF210が装着された状態では、内蔵マイクロホン102および104に到達する音の音圧レベルが低下してしまう。その結果、内蔵マイクロホン102および104によって集音される際の音響特性が変化する。
【0032】
また、特に動画を撮影するような状況で、撮影者がEVF210の接眼部分に眼をあてながら撮影をすると、ユーザの呼吸音が比較的大きく集音されてしまうことがある。加えて、EVF210が動作状態にあると、可聴帯域のノイズを発生する場合がある。このノイズは、主にEVF210中のバックライト駆動部に備えられる昇圧回路の動作等に起因するものである。
【0033】
図3は、リングフラッシュ300の外観を示す図である。リングフラッシュ300は、本体部302と、発光部308と、ケーブル306とを備える。本体部302は、電池収納部、発光エネルギを一時的に蓄えるメインコンデンサ、電源電圧(一次電圧)を、メインコンデンサに充電する際の二次電圧に昇圧するための昇圧回路、キセノン管での発光光量を制御する光量制御回路等を収容する。本体部302はまた、アクセサリシュー110を介してカメラ100と機械的、電気的に接続するための接続部304を備える。発光部308は、円弧型に形成されたキセノン管や、キセノン管から発せられる光を被写体に向けて反射する反射傘、光を拡散するためのディフューザ等を備える。
【0034】
本体部302と発光部308とはケーブル306によって電気的に接続される。本体部302は上述のようにカメラ100のアクセサリシューに取り付けられる一方、発光部308は撮影レンズ600の先端部分に装着される。
【0035】
発光部308は撮影レンズ600に入射する光を遮らないようにするため、撮影レンズ600の最前面に位置するレンズの直径よりも大きな開口を有し、その開口を囲うように円環部(ドーナツ状の部分)が形成される。そのため、発光部308が撮影レンズ600に装着されると、カメラ100が内蔵マイクロホン106および108を備えるタイプのものである場合、内蔵マイクロホン106および108に到達する音の音圧レベルが低下する。その結果、内蔵マイクロホン106および108によって集音される際の音響特性が変化する。
【0036】
また、カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備えるタイプのものである場合も、撮影レンズ600の長さが比較的短く、発光部308の外形が比較的大きいと、内蔵マイクロホン102および104に到達する音の音圧レベルが低下し、内蔵マイクロホン102および104によって集音される際の音響特性も変化する場合がある。
【0037】
さらに、リングフラッシュ300で上記一次電圧から二次電圧への昇圧動作が行われているときには発振音を生じ、それが内蔵マイクロホンによって集音されてノイズとなる可能性がある。
【0038】
リングフラッシュ300は、主としてクローズアップ撮影時に用いられることを想定しているため、発光量(ガイドナンバ)は小さめに設定される。これはすなわち、リングフラッシュ300が装着され、かつリングフラッシュ300の電源がオンされた場合、カメラ100の使用条件は近接撮影であると想定することができる。
【0039】
図4は、外付けフラッシュ400の外観を示す図であり、図4(a)はその全体を、図4(b)はその下部付近を拡大して部分的に示す図である。外付けフラッシュ400は、本体部406と、発光部408とを備える。本体部406は、リングフラッシュ300について説明したのと同様、電池収納部、メインコンデンサ、昇圧回路、光量制御回路等を収容する。本体部406はまた、カメラ100で焦点調節動作が行われる際にAF補助光を照射するAFイルミネータや、アクセサリシュー110を介してカメラ100と機械的、電気的に接続するための接続部402等を備える。本体部406の下部、接続部402の上方には凹部404が形成される。
【0040】
凹部404は、カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備える場合に対応して備えられており、被写界からカメラ100に向かって伝播してくる音を反射し、反射された音が内蔵マイクロホン102および104に向かって進むように表面形状が定められている。これにより、内蔵マイクロホン102および104による集音作用を高めることが可能となっている。
【0041】
発光部408は、キセノン管や、キセノン管から発せられる光を被写体に向けて反射する反射傘、撮影レンズ600の焦点距離(撮影画角)に応じて照射角度を変化させるための照射角度調節機構、バウンス照明を行うために発光部408の向きを可変とする機構等を備える。
【0042】
外付けフラッシュ400がカメラ100に装着されると、カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備えるタイプのものである場合、上述した凹部404での反射効果によって集音性が高められる。すなわち、内蔵マイクロホン102および104に到達する音の音圧レベルが高められる。また、凹部404の形状や材質等の影響により、内蔵マイクロホン102および104によって集音される際の音響特性に影響を受ける場合がある。
【0043】
一方、カメラ100が内蔵マイクロホン106および108を備えるタイプのものである場合、外付けフラッシュ400が装着されても内蔵マイクロホン106および108によって集音される際の音響特性に影響は受けない。
【0044】
外付けフラッシュ400はまた、リングフラッシュ300と同様に、一次電圧から二次電圧への昇圧動作中には発振音を生じるので、それが内蔵マイクロホンによって集音されてノイズとなる可能性がある。
【0045】
外付けフラッシュ400は、比較的大きな発光光量を有する。これはすなわち、外付けフラッシュ400が装着され、かつ外付けフラッシュ400の電源がオンされた場合、カメラ100の使用条件は、近距離から比較的遠距離、すなわち撮影するのに十分な光量のフラッシュ光が到達可能な距離にかけての距離範囲内での撮影であると想定される。
【0046】
なお、カメラ100の設定感度が低かったり、撮影レンズ600の焦点距離が短めであったり、バウンス照明をするために発光部408が被写体の存在する方向とは異なる方向に向けられたりする場合、フラッシュ光の到達可能な距離が短くなる場合がある。その場合、撮影レンズ600や外付けフラッシュ400と通信をして得られる情報に基づき、想定される撮影距離を短く設定することも可能である。以下では、説明を単純化するため、撮影レンズ600の焦点距離が長めで、カメラ100の設定感度は低くはなく、発光部408は被写体と正対しており、したがって比較的遠距離での撮影が可能であると想定されるものとする。
【0047】
以上に例示したように、カメラ100に装着されるアクセサリの種類に応じ、カメラ100の内蔵マイクロホンによって集音される際の音響特性の変化は様々であり、また、想定される使用条件も異なったものとなる。また、カメラ100に備えられる内蔵マイクロホンの位置によっても、集音される際の音響特性に及ぼす影響は装着されるアクセサリによって異なる。以下の説明において、アクセサリの種別を特定する必要のない場合には符号を付さず、単に「アクセサリ」と称する。
【0048】
本発明においては、以下の説明で明らかになるように、カメラにアクセサリが装着されることにより内蔵マイクロホンで集音される際の音響特性に変化を生じることに対応して、この音響特性の変化を補償するように音声信号の処理方法が変えられる。また、装着されるアクセサリの種類に応じて想定される撮影条件に適したものとなるように音声信号の処理方法が変えられる。
【0049】
図5は、カメラ100の内部構成を概略的に説明するブロック図である。カメラ100はデジタルカメラであり、静止画および動画を記録可能に構成されるものとする。無論、カメラ100は静止画および動画のうち、いずれかのみを記録可能なカメラであってもよい。静止画が記録される場合、撮影動作に引き続いて所定の時間、例えば5秒、10秒といった時間にわたり、音声の収録が行われるものとする。
【0050】
カメラ100は、撮像部120と、画像処理部122と、表示部124と、操作部126と、CPU128と、記憶媒体130と、アクセサリ制御部140と、オーディオ制御部150と、内蔵マイクロホン102および104または106および108と、内蔵スピーカ158と、ROM166と、RAM168とを備える。アクセサリ制御部140は、アクセサリ別制御部142と、検出部144と、通信制御部146とを備える。オーディオ制御部150は、信号処理部152と、A/Dコンバータ156と、D/Aコンバータ154とを備える。図5において、A/Dコンバータは「A/D」と表記され、D/Aコンバータは「D/A」と表記される。
【0051】
表示部124は、カラー液晶表示素子とバックライト装置、あるいは有機EL等の自発光表示素子で構成され、カメラ100の後面等に設けられる。操作部126は、電源スイッチ、モード切替スイッチ、レリーズスイッチ等を備える。
【0052】
ROM166は、フラッシュメモリ等で構成される不揮発性の記憶装置であり、CPU128で実行されるプログラム(ファームウェア)や、カメラ100内で用いられる制御パラメータ、そして後述する内蔵マイク補正データ等が記憶される。RAM168は、画像処理部122、CPU128、オーディオ制御部150のそれぞれにおいて後述する処理が行われる際のワークエリアとして共用される。
【0053】
撮像部120は、CCDまたはC−MOSの撮像素子、撮像素子からの画像信号読み出しのタイミングを制御するタイミングジェネレータ、撮像素子から読み出される画像信号を増幅するアンプ、アンプによって増幅されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/Dコンバータ等を備えて構成される。撮像部120から出力されるデジタル画像信号はRAM168に一時的に記憶される。
【0054】
画像処理部122は、撮像部120から上述のように出力されたデジタル画像信号にデモザイキング、階調補正、色バランス補正、フィルタリング等の処理をして画像データを生成する。生成された画像データは、必要に応じて画像処理部122で圧縮処理されて記憶媒体130に記憶される。この記憶媒体130は、不揮発性のフラッシュメモリや磁気記憶装置等で構成される。記憶媒体130は、カメラ100に対して着脱可能に構成されるものであっても、カメラ100に内蔵されるものであってもよい。記憶媒体130がカメラ100に内蔵される場合には、記憶媒体130中にROM166としての領域を確保することもできる。
【0055】
画像処理部122はまた、カメラ100が撮影準備動作中(カメラ100の電源が投入されて撮影モードに設定され、ユーザがフレーミング操作をしているとき)に、表示部124にライブビュー画像を表示するための処理も行う。また、カメラ100にEVF210がアクセサリとして装着され、かつEVF210が動作状態に切り替えられているときには、画像処理部122はEVF210の表示解像度に対応したライブビュー画像データを生成してEVF210に出力する。
【0056】
カメラ100が再生モードに設定されている場合、画像処理部122は記憶媒体130から画像データを読み出して表示用画像データを生成し、表示部124に表示する処理を行う。この画像処理部122は、専用のデジタルシグナルプロセッサ等によって構成可能である。
【0057】
CPU128は、カメラ100の動作を全体的に統括する処理を行う。CPU128により実行されるプログラムは、上述のようにROM166にファームウェアとして記憶されており、そのプログラムがRAM168にコピーされてCPU128により逐次読み出されて解釈・実行される。
【0058】
アクセサリ制御部140は、カメラ100に何らかのアクセサリが装着されたことを検出し、装着されたアクセサリと通信を行い、カメラ100とアクセサリとの間で後述する情報を授受する。
【0059】
検出部144は、アクセサリシュー110に設けられた機械的または電子的スイッチ等を含むものとすることができる。このスイッチは、カメラ100に対してアクセサリが着脱されるのに連動してオン/オフ状態が変化する。検出部144はスイッチのオン/オフ状態を監視することにより、アクセサリシュー110にアクセサリが着脱されたことを検出することができる。このようにスイッチをアクセサリシュー110に設けることにより、OVF等の電気的な構成を備えていないアクセサリが装着された場合であってもその検出をすることが可能となる。
【0060】
一方、装着可能なものとして想定されるアクセサリの全てが電気的な構成を備えている(何らかのかたちでカメラ100の側と信号の授受等が可能に構成される)場合には、上述したスイッチを省き、検出部144は接点112の状態(インピーダンス、信号変化の有無等)を検出することにより、アクセサリシュー110にアクセサリが着脱されたことを検出することが可能に構成されていてもよい。
【0061】
通信制御部146は、カメラ100に装着されたアクセサリとの間で通信を行う。例えば、通信制御部146はカメラ100に装着されたアクセサリからアクセサリIDを受信する。アクセサリIDは、カメラ100に装着されたアクセサリの種類を特定可能とする情報を含む。
【0062】
通信制御部146はまた、カメラ100に装着されたアクセサリに対してカメラIDを送信することもできる。カメラIDは、アクセサリの装着されたカメラの種類をアクセサリの側で特定可能とする情報である。
【0063】
ここでアクセサリの側の説明をすると、アクセサリは上記アクセサリIDだけではなく、内蔵マイクロホン音声信号補正データも記憶しておくことが可能である。この内蔵マイクロホン音声信号補正データとは、カメラ100にアクセサリが装着されたことにより内蔵マイクロホンで集音する際の音響特性に変化を生じることに対応し、音響特性の変化を補償するためにカメラ100の信号処理部152で参照されるデータである。以下では内蔵マイクロホン音声信号補正データを単に「内蔵マイク補正データ」と称する。
【0064】
この内蔵マイク補正データは、アクセサリを使用可能な複数種類のカメラに対応するものがアクセサリ内に記憶される。例えば、カメラ100が発売された時点よりも後に開発されて発売されたアクセサリにカメラ100の側で対応するためには、カメラ100のファームウェア更新等が必要になる。これに対して、アクセサリの側からカメラに内蔵マイク補正データを出力可能に構成されれば上述したファームウェアの更新は必ずしも行う必要はなくなる。
【0065】
再び図5を参照してカメラ100の説明をする。上述のようにアクセサリの側から内蔵マイク補正データが出力可能に構成される場合、通信制御部146はカメラIDをアクセサリに対して送信し、このカメラIDに対応してアクセサリから送信される内蔵マイク補正データを受信する。
【0066】
アクセサリ別制御部142は、カメラ100に装着されるアクセサリの種類を、アクセサリIDに基づいて特定し、特定したアクセサリに対応した制御を行う。例えば、装着されるアクセサリがEVFである場合、EVFに画像を表示させる際の映像信号同期処理を行う。装着されるアクセサリがフラッシュである場合には、フラッシュの発光制御等の処理を行う。また、装着されるアクセサリが外部マイクロホンである場合、外部マイクロホン内部に備えられるオペアンプ(ヘッドアンプ)の電源制御を行い、不使用時には無効化(オペアンプへの給電を停止)して消費電力の低減を図る処理を行う。
【0067】
上述したアクセサリ制御部140の各構成要素は、専用の回路で構成してもよいが、CPU128上で実行されるプログラムによって実施することも可能である。
【0068】
オーディオ制御部150は、内蔵マイクロホン102および104、または106および108、もしくは外部マイクロホンで集音されて生成された音声信号を処理して音声データを生成し、記憶媒体130に画像データとともに記憶する。オーディオ制御部150はまた、記憶媒体130から読み出した音声データを処理してD/Aコンバータ154に出力する。
【0069】
A/Dコンバータ156は、内蔵マイクロホン102および104、または106および108、もしくは外部マイクロホンで集音されて生成されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。なお、内蔵マイクロホン、外部マイクロホンともにヘッドアンプが内蔵されていて、増幅されたアナログ音声信号がA/Dコンバータ156に入力されるものとする。
【0070】
信号処理部152は、A/Dコンバータ156から入力されたデジタル音声信号を処理し、可聴帯域を複数の帯域に分割した周波数帯域それぞれに対応するゲイン調整(イコライジング)、ノイズ抑圧、指向性調節等の処理を行い、生成されたデジタル音声データを圧縮処理して記憶媒体130へ画像データとともに記憶する。なお、近接配置された複数のマイクロホンから得られる音声信号を処理してこれら複数のマイクロホンの指向性を等価的に制御する技術については特開2007−158731に開示されているので、本明細書中では説明を省略する。
【0071】
オーディオ制御部150はまた、カメラ100が再生モードに設定されているときに、記憶媒体130中に記憶される画像データを読み出し、伸張、ゲイン調節(再生音量調節)等の処理をしてD/Aコンバータ154に出力する。オーディオ制御部150は、専用のデジタルシグナルプロセッサによって構成可能である。オーディオ制御部150での音声信号処理と画像処理部122での画像信号処理とは一つのデジタルシグナルプロセッサによって行われてもよい。
【0072】
D/Aコンバータ154は、信号処理部152から出力されたデジタル音声データをアナログの音声信号に変換し、内蔵スピーカ158に出力する。なお、内蔵スピーカ158にはD/Aコンバータ154から出力された音声信号を増幅するためのアンプが内蔵されているものとする。
【0073】
ところで、図5中には、アクセサリがカメラ100との間で通信可能に構成されるものである場合に、これらのアクセサリが共通して備える、通信のための構成要素が示されている。本実施の形態において、アクセサリ200(OVF)を除くアクセサリ210、300、400などが通信制御部500、CPU502、ROM504、RAM506を備えるものとする。
【0074】
通信制御部500は、専用のハードウェアによって構成されていてもよいが、ROM504内に記憶されるプログラムをCPU502が実行することによっても実施可能である。RAM506は、CPUがROM504内に記憶されるプログラムを解釈・実行する際のワークエリアとして用いられる。これらのCPU502、ROM504、RAM506についてはワンチップで構成されていても、互いに独立して構成されていてもよい。通信制御部500は、カメラ100との間で通信を行う。例えば、カメラ100からアクセサリIDの送信を要求する信号が出力されるのに対応してアクセサリIDをカメラ100に出力する。
【0075】
また、上述のように、アクセサリが内蔵マイク補正データを記憶するものである場合、その内蔵マイク補正データはROM504内に記憶される。この場合、通信制御部500はカメラ100からカメラIDを受信し、このカメラIDに対応する内蔵マイク補正データをROM504から読み出してカメラ100に送信する。
【0076】
図6は、カメラ100の内蔵マイクロホンで生成される音声信号を処理する際の処理方法を規定するオーディオ制御データ生成するための処理手順を説明するフローチャートである。この処理手順は、CPU128により実行される。
【0077】
S600においてCPU128は、アクセサリシュー110にアクセサリが装着されたことを検出する。なお、S600の処理は、CPU128がカメラ100の動作制御の処理を行いながら適宜の時間間隔で繰り返し行うか、カメラ100の電源投入時に行うようにしてもよい。そして、アクセサリ装着が検出されたときにS602以降の処理が行われるようにしてもよい。あるいは、アクセサリシュー110にアクセサリが装着されたときに割り込み信号が発生し、それによって図6のフローチャート中、S602以降の処理の実行が開始されるようにしてもよい。
【0078】
S602においてCPU128は、アクセサリシュー110に装着されたアクセサリの種別を判定する。このアクセサリ種別の判定処理においては、アクセサリが通信機能を有する場合、アクセサリと交信を行って、このアクセサリからアクセサリIDを受信することが行われる。ところで、カメラ100に装着されたアクセサリが通信機能を有していない場合であっても、カメラ100に装着されることが想定されるアクセサリの中で通信機能を有していないアクセサリが1種類しか無く、他のアクセサリが通信機能を有していればアクセサリ種別判別が可能である。例えば図1に示したOVF200を通信機能を有していない唯一のアクセサリとすることが可能である。
【0079】
あるいは、通信機能を有していないアクセサリであっても、アクセサリ側の接続部にアクセサリごとに異なる位置や形状のノッチや凸部等を設け、それらのノッチや凸部の位置に応じて状態が変わるスイッチやセンサをカメラ100の側に設けることにより、アクセサリ種別判別が可能である。あるいは、アクセサリ側に設けた複数の端子間にアクセサリごとに異なる抵抗値やオン・オフの信号パターンを設定し、カメラ100の側で抵抗値やオン・オフの信号パターンを検出することにより、アクセサリ種別判別が可能である。
【0080】
CPU128はS604において、アクセサリ種別判別が可能であるか否かの判定を行う。この判定が肯定されるとS606に進む一方、否定されるとS612に分岐する。CPU128はS606において、アクセサリ内に内蔵マイク補正データがあるか否かの判定を行う。この判定は、例えばアクセサリの種別とアクセサリ内における内蔵マイク補正データの有無とを関連付けるテーブルがカメラ100内に備えられていて、このテーブル内をサーチし、S602で判別したアクセサリが内部に内蔵マイク補正データを記憶しているか否かをCPU128が判定することが可能である。
【0081】
S606での判定が肯定されると処理はS608に進む一方、否定されるとS612に分岐する。S608においてCPU128は、アクセサリから内蔵マイク補正データを受信する。
【0082】
S610においてCPU128は、S608でアクセサリから受信したマイク補正データに基づいてオーディオ制御データを生成する。このオーディオ制御データは、オーディオ制御部150で音声信号を処理する際の処理方法(イコライザ特性、ノイズ抑圧のためのフィルタ特性、ゲイン、マイク指向性等)を規定したものである。
【0083】
S612においてCPU128は、カメラ内に内蔵マイク補正データがあるか否かを判定する。この判定は、例えばアクセサリの種別とカメラ100内における内蔵マイク補正データの有無とを関連付けるテーブルがカメラ100内に備えられていて、このテーブル内をサーチし、S602で判別したアクセサリに対応する内蔵マイク補正データがカメラ100内に記憶されているか否かをCPU128が判定することが可能である。S612での判定が肯定されるとS614に進む一方、否定されるとS616に進む。
【0084】
S614においてCPU128は、カメラ100内に記憶されている内蔵マイク補正データ中から、装着されたアクセサリに対応するものにしたがい、オーディオ制御データを生成する。なお、アクセサリ内およびカメラ100内の双方に内蔵マイク補正データがある場合、S610およびS614双方の処理をCPU128が行うことになる。その場合、S614では、アクセサリから受信した内蔵マイク補正データとカメラ100内に記憶されている内蔵マイク補正データの双方を参照したオーディオ制御データが生成される。
【0085】
S616でCPU128は、S610、S614、または両方のステップを経て生成されたオーディオ制御データをオーディオ制御部150に設定し、一連の処理を完了する。
【0086】
図6のフローチャートを参照しての上記説明においては、カメラ100に装着されたアクセサリ内に内蔵マイク補正データが有るか否かについてカメラ100の側で判定している。そして、内蔵マイク補正データが有ると判定された場合に、この内蔵マイク補正データをアクセサリから受信する。これに対して、以下で説明するようにして内蔵マイク補正データの有無判定の処理を省くことも可能である。
【0087】
図7は、カメラ100からアクセサリに対してカメラIDが送信され、このカメラIDに対応する内蔵マイク補正データがアクセサリ内で導出されて、カメラ100に送信される際の手順を示すフローチャートである。図7(a)がカメラ100のCPU128で、図7(b)がアクセサリのCPU502で、それぞれ実行される処理手順を示している。
【0088】
最初に図7(a)を参照してカメラ100内のCPU128により実行される処理について説明する。S700およびS702の処理は、図6のフローチャート中のS602、S604、S606およびS608での処理に代えて行われるものとすることが可能である。つまり、図7(a)の処理は、図6のフローチャート中、S600でアクセサリの装着が検出されたときに実行が開始されるものとすることが可能である。
【0089】
S700においてCPU128は、カメラIDをカメラ100に装着されたアクセサリに送信する。このカメラIDは、先にも説明したようにアクセサリの側でカメラの種類を特定可能とする情報である。S702においてCPU128は、S700で送信したカメラIDに対応してアクセサリから送信された内蔵マイク補正データを受信し、処理を完了する。
【0090】
図7(b)を参照し、アクセサリのCPU504により実行される内蔵マイク補正データ送信処理手順について説明する。図7(b)のフローチャートに示される処理は、カメラ100よりカメラIDが送信されたときに実行が開始されるものとする。
【0091】
S750においてCPU504は、カメラ100からカメラID情報を受信する。CPU504はS752において、内蔵マイク補正データ導出の処理を行う。この内蔵マイク補正データ導出処理は、様々な形態で実施することができる。例えば、アクセサリのROM504内にカメラIDとそのカメラIDに対応する内蔵マイク補正データを収容したデータテーブルが記憶される場合、CPU504はそのデータテーブル中から該当する内蔵マイク補正データを抽出する処理を行う。あるいは、アクセサリのROM504内にカメラIDとそのカメラIDに対応する内蔵マイク補正データ生成用パラメータを収容したデータテーブルが記憶される場合、CPU504はそのデータテーブル中から該当するパラメータを抽出し、抽出されたパラメータをもとに内蔵マイク補正データを生成することも可能である。
【0092】
S754においてCPU504は、内蔵マイク補正データをカメラ100に送信し、一連の処理を完了する。
【0093】
図8、図9は、カメラ100のROM166に記憶される、アクセサリIDとそのアクセサリIDに対応する内蔵マイク補正データを収容したデータテーブルを概念的に示す図である。図8はカメラ100が内蔵マイクロホン102および104を有するタイプのものである場合の例を、図9はカメラ100が内蔵マイクロホン106および108を有するタイプのものである場合の例を、それぞれ示す。
【0094】
図8、図9に示される各表において、一番左に示されるアクセサリの種類(名称)と、一番右に示される備考とは、説明のために記載したもので、データテーブル中に必ずしも含まれている必要はない。これらの図8、図9に示される例においては、リングフラッシュ、外付けフラッシュ、EVF、外部マイクロホン(図8、図9中では「外部マイク」と表記される)、水中ハウジング、無線通信機能付きストレージといったアクセサリのそれぞれに対応してアクセサリIDとして1から6の符号が付与されている。例えば、カメラ100に装着されたアクセサリからアクセサリIDとして1が送信されたとき、装着されたアクセサリはリングフラッシュであるとカメラ100内において特定される。
【0095】
以下、図8、図9のデータテーブル中の各項目について説明する。「補正」の項目中、「有効」と表記されているのは、カメラ100内でデフォルト値として記憶される内蔵マイク補正データに対して補正をすることを意味している。「ゲイン」は、カメラ100内でデフォルト値として設定されるゲイン(音声信号の増幅率)に乗じる係数を意味している。図8、図9に示される例ではデシベル等の対数表現ではなく、真数での表現となっている。つまり、ゲインが0のとき、音声信号はミュートされることを意味し、0よりも大きく1よりも小さいときにはカメラ100内でデフォルト値として設定されるゲインを下げる(小さくする)ことを意味し、1以上のときにはゲインを上げる(大きくする)ことを意味する。
【0096】
「イコライジング」の項目中、「ノーマル」は、カメラ100内でデフォルト値として設定されるイコライジング特性に従うことを意味する。「特性1(高域向上)」は、カメラ100内でデフォルト値として設定されるイコライジング特性中、高域におけるゲインを増すことを意味する。「特性2(中高域向上)」は、同じく中域、高域におけるゲインを増すことを意味する。「無効」は、「ゲイン」が0のときに対応して設定される。
【0097】
「NR」は、ノイズ抑制の処理に関する設定を意味する。ノイズ抑制の処理は、オーディオ制御部150で音声信号を処理する際に特定の帯域の音を減衰させるために例えばノッチフィルタ特性を付与する処理である。このようにノイズ抑制の処理を行うと、カメラ100に装着されるアクセサリの種類に特有のノイズを抑制することが可能となる。図8、図9に示される例では、リングフラッシュ、外付けフラッシュ、そしてEVFが装着される場合に「NR」が「オン」となり、それ以外のアクセサリが装着される場合には「オフ」となる。なお、必要とするノッチフィルタ特性が、装着されるアクセサリによって異なる場合、「オン」の設定に代えてフィルタ特性を規定する情報を設定してもよい。
【0098】
「指向性」は、カメラ100内でデフォルト値として設定される内蔵マイクの指向性特性を変更するかしないかの設定を意味する。「変更せず」は、カメラ100内でデフォルト設定されている内容を変更しないことを意味する。「変更」は、カメラ100内での設定内容に対して変更することを意味する。また、指向性特性を変更する場合にどのような指向性にするかが備考の欄に記載されている。図8、図9に示す例では、外付けフラッシュまたはEVFがカメラ100に装着される場合に指向性が変更され、変更後の指向性は「前方指向性」である例が示されている。
【0099】
「無効」は、「ゲイン」が0に設定された場合に対応して設定される。図8、図9において、外部マイクロホンがカメラ100に装着される場合に対応して、カメラ100の内蔵マイクロホンに対する設定と、外部マイクロホンに対する設定とがデータテーブル内に収容されている。すなわち、図8、図9において、外部マイクロホンが装着される場合に対応して上下2段にわたって補正データが示されているが、上段が内蔵マイクロホン用のものであり、下段が外部マイクロホン用のものである。「指向性」に関しては、内蔵マイクロホンに対応して「無効」に設定するように規定され、外部マイクロホンに対応して「マイク側設定」と設定するように規定されている。「マイク側設定」とは、外部マイクロホンの側で設定された指向性に従う、という意味である。
【0100】
アクセサリIDが1であるリングフラッシュは、撮影レンズ600の先端に装着する発光部(図3の発光部308)を備える。この発光部により、内蔵マイクロホンに到達する音が減衰する。その減衰の度合いは、カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備える場合と内蔵マイクロホン106および108を備える場合とで異なり、カメラ100の前面側に備えられる内蔵マイクロホン106および108で集音する場合の方が減衰の度合いが大きいものとする。また、リングフラッシュがチャージ動作をしているときに発生する発振音は、カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備える場合も内蔵マイクロホン106および108を備える場合も集音される可能性があるものとする。
【0101】
これらに対応して、図8、図9の双方において「補正」は「有効」に設定される。「ゲイン」は、図8では1.5に設定されるのに対して図9では2.5に設定される。また、リングフラッシュがチャージ動作をしているときの発振音の影響を抑制するために、図8、図9の双方において「NR」が「オン」に設定される。発振音はチャージ動作中にのみ発生するので、カメラ100とアクセサリとの間で随時通信を行い、チャージ動作停止中やリングフラッシュの電源がオフになっているときに対応して「NR」が「オフ」に設定されるようにしてもよい。
【0102】
アクセサリIDが2である外付けフラッシュは、比較的大きなガイドナンバを有していて、比較的遠距離でのフラッシュ撮影が可能であるものとする。また、外付けフラッシュには図4に示されるように音を集音しやすくするための凹部404が形成されているものとする。カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備えている場合に、集音性能が向上するものとする。カメラ100が内蔵マイクロホン106および108を備えている場合には、集音性能に対する影響は無いものとする。また、カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備えるものであっても、内蔵マイクロホン106および108を備えるものであっても、外付けフラッシュがチャージ動作をしているときに生じる発振音が集音される可能性があるものとする。
【0103】
これらに対応して、図8、図9の双方において「補正」は「有効」に設定される。「ゲイン」は、図8においては若干低下させるべく0.8に設定される一方、図9においては1に設定される。また、外付けフラッシュがチャージ動作をしているときに発する発振音の影響を抑制するために、図8、図9の双方において「NR」が「オン」に設定される。また、「指向性」は「変更」に設定されて「前方指向性」に設定される。その結果、撮影距離が比較的遠い場合であっても十分なレベルで音の収録が可能となる。「NR」に関しては、リングフラッシュと同様、チャージ動作停止中や外付けフラッシュの電源がオフになっているときに対応して「NR」が「オフ」に設定されるようにしてもよい。
【0104】
アクセサリIDが3であるEVFが装着されると、カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備える場合に集音性能が低下するものとする。一方、カメラ100が内蔵マイクロホン106および108を有する場合には集音性能に対する影響は無いものとする。また、EVFを用いて撮影が行われる場合、ユーザの呼吸音が集音されやすくなる。さらに、EVFが作動しているときにノイズを生じ、このノイズは内蔵マイクロホン102および104によっても、106および108によっても集音されるものとする。
【0105】
これらのことに対応して、図8、図9の双方において「補正」は「有効」に設定される。「ゲイン」は、図8においては2.5に設定される一方、図9においては1に設定される。「イコライジング」は、図8においては「特性1」に設定される一方、図9においては「ノーマル」に設定される。また、EVFが作動しているときに生じるノイズの影響を抑制するために、図8、図9の双方において「NR」が「オン」に設定される。さらに、図8、図9の双方において、ユーザの呼吸音が集音されにくいようにするため、「指向性」が「変更」に設定されて「前方指向性」に設定される。
【0106】
カメラ100は、EVFが動作状態/動作停止状態にあることを検知可能であるので、EVFが動作停止状態にある場合(カメラ後面にあるモニタ表示装置を用いて撮影が行われている場合)には、「NR」が「オフ」に、「指向性」が「変更せず」に設定されてもよい。
【0107】
アクセサリIDが4である外部マイクロホンが装着されると、カメラ100の内蔵マイクロホンで生成される音声信号は処理されず、代わりに外部マイクロホンで生成される音声信号が生成されるものとする。
【0108】
上記に対応して、図8、図9の双方において、「補正」は「有効」に、「ゲイン」は0に、「イコライジング」は「無効」に、「NR」は「オフ」に、「指向性」は「無効」に設定される。また、外部マイクロホン用の設定として、図8、図9の双方において、「補正」は「有効」に、「ゲイン」は1に、「イコライジング」は「特性2」に、「NR」は「オフ」に、「指向性」は「マイク側設定」に設定される。
【0109】
アクセサリIDが5である水中ハウジングにカメラ100が収納されると、水中ハウジング内に形成された突起がアクセサリシュー110の部分に挿入され、カメラ100はアクセサリとして水中ハウジングが装着されたことを検出可能に構成されるものとする。水中ハウジングにカメラ100が収納されると、水中ハウジングによって遮音されるので外部からの音の集音は難しい。また、カメラ100の撮影レンズ600で変倍動作や焦点調節動作が行われるときに、鏡枠作動音が水中ハウジング内で響いてしまうことがある。
【0110】
上記に対応して、図8、図9の双方において、「補正」は「有効」に、「ゲイン」は0に、「イコライジング」は「無効」に、「NR」は「オフ」に、「指向性」は「無効」に設定される。
【0111】
アクセサリIDが6である無線通信機能付きストレージが装着されると、カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備える場合に、無線通信機能付きストレージによってマイク開口が覆われ、集音性能が低下するものとする。一方、カメラ100が内蔵マイクロホン106および108を有する場合には集音性能に対する影響は無いものとする。
【0112】
上記に対応して、「補正」は図8では「有効」に設定される一方、図9では「無効」に設定される。「ゲイン」は、図8においては2に設定される一方、図9においては1に設定される。「イコライジング」は、図8においては「特性1」に設定される一方、図9においては「ノーマル」に設定される。「NR」は、図8、図9の双方において「オフ」に、「指向性」は「変更せず」に設定される。
【0113】
カメラ100のCPU128は、装着されたアクセサリからアクセサリIDを受信し、図8または図9に示されるデータテーブルを探索して、アクセサリから受信したアクセサリIDに対応するデータを読み出す。そして、「補正」が「有効」に設定されている場合にはデータテーブルから読み出した内蔵マイク補正データに基づいてオーディオ制御データを生成する。
【0114】
図8、図9を参照して以上に説明したデータテーブルは、カメラ100のROM166内に記憶されるものであるが、同様のデータテーブルがアクセサリ内に記憶されてもよいことは図7のフローチャートを参照して説明したとおりである。データテーブルがカメラ100のROM166に記憶されるものである場合には、以上に説明したように、カメラ100に装着されるアクセサリの種別を特定可能なアクセサリIDと、そのアクセサリIDに対応する内蔵マイク補正データがデータテーブル中に収容される。一方、アクセサリのROM504内にデータテーブルが記憶される場合には、図10に示されるような構成のデータテーブルが記憶される。
【0115】
図10は、アクセサリのROM504に記憶される、カメラIDとそのカメラIDに対応する内蔵マイク補正データを収容したデータテーブルを概念的に示す図である。図10に示される表において、一番左に示されるカメラの種類と、一番右に示される備考とは、説明のために記載したものでデータテーブル中に、必ずしも含まれている必要はない。図10に示される例においては、2種類のカメラ(カメラ1、カメラ2)に対応するデータテーブルの例が示されているが、これは一例であり、任意の種類数のカメラに対応するデータテーブルが記憶されていてもよい。
【0116】
図10のデータテーブル中の各項目については図8、図9を参照して説明したのと同様であるのでその説明を省略する。また、図10に例示されるデータテーブルは、無線通信機能付きストレージ内に記憶されるものとし、カメラIDがC1のカメラは、内蔵マイクロホン102および104を備えるタイプのカメラであるものとし、カメラIDがC2のカメラは、内蔵マイクロホン106および108を備えるタイプのカメラであるものとして説明をする。
【0117】
無線通信機能付きストレージが装着されると、カメラ100が内蔵マイクロホン102および104を備える場合に、無線通信機能付きストレージによってマイク開口が覆われ、集音性能が低下するものとする。一方、カメラ100が内蔵マイクロホン106および108を有する場合には集音性能に対する影響は無いものとする。
【0118】
上記に対応して、図10のデータテーブルにおいて、カメラIDがC1のカメラに対しては、「補正」は「有効」に、「ゲイン」は2に、「イコライジング」は「特性1」に、「NR」は「オフ」に、「指向性」は「変更せず」に設定される。一方、カメラIDがC2のカメラに対しては「補正」が「無効」に設定される。この場合、カメラ100はカメラ内のデフォルト設定に基づいてオーディオ制御データを生成するので、図10のデータテーブル内には内蔵マイク補正データを記憶する必要がない。
【0119】
アクセサリのCPU502は、カメラ100からカメラIDを受信し、図10に示されるデータテーブルを探索して、カメラ100から受信したカメラIDに対応するデータを読み出す。そして、「補正」が「有効」に設定されている場合には内蔵マイク補正データをカメラ100に送信する。一方、「補正」が「無効」に設定されている場合には、「補正」が「無効」(補正不要)に設定されている旨を伝える情報をカメラ100に送信する。
【0120】
以上に説明したように、組み合わせられるカメラおよびアクセサリの種類に応じてカメラの内蔵マイクロホンで集音される音の音響特性に変化を生じることがあっても、その変化に対応する内蔵マイクロホン音声信号補正データ(内蔵マイク補正データ)を参照して音声信号処理が行われるので、音響特性の変化の影響を抑制することが可能となる。
【0121】
また、カメラ100に装着されるアクセサリの種類に応じて、カメラ100の想定される使用条件に対応して音声信号の処理が行われるので、より良い音を収録することが可能となる。
【0122】
以上では音声を記録可能な記録装置として、カメラに本発明を適用する例について説明したが、音声のみを記録可能なレコーダ等に本発明を適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、電子式のスチルカメラ、ムービーカメラ、撮影機能付きの携帯電話、録音装置等、音声を収録可能な機器に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0124】
100 … カメラ
102、104、106、108 … 内蔵マイクロホン
110 … アクセサリシュー
112 … 接点
114 … 内蔵メモリ
128 … CPU
130 … 記憶媒体
140 … アクセサリ制御部
142 … アクセサリ別制御部
144 … 検出部
146 … 通信制御部
150 … オーディオ制御部
154 … D/Aコンバータ
156 … A/Dコンバータ
158 … 内蔵スピーカ
200 … 光学的ビューファインダ(OVF)
210 … 電子ビューファインダ(EVF)
212 … 接眼部
216 … ベース部
218 … コネクタ
220 … 接続部
300 … リングフラッシュ
302 … 本体部
304 … 接続部
306 … ケーブル
308 … 発光部
400 … 外付けフラッシュ
402 … 接続部
404 … 凹部
406 … 本体部
408 … 発光部
500 … 通信制御部
502 … CPU
504 … ROM
506 … RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセサリを装着するためのアクセサリ取付部を有し、前記アクセサリを装着することによって機能拡張が可能な記録装置であって、
前記アクセサリが装着されたことを検出する検出部と、
装着された前記アクセサリの種類を判別するアクセサリ判別部と、
音声を集音して音声信号に変換する集音部と、
前記音声信号を処理して音声データを生成する信号処理部と、
予め記憶される複数種類の音声信号補正データの中から、前記アクセサリ判別部で判別されたアクセサリの種類に応じ、前記信号処理部で前記音声信号に処理を行う際に参照すべき音声信号補正データを決定する、補正データ決定部と、
前記信号処理部で生成された前記音声データを記録する記録部と
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記補正データ決定部は、前記記録装置に前記アクセサリが装着されることにより前記集音部で音声を集音する際の音響特性に変化を生じることに対応し、前記音響特性の変化が減じられるように前記音声信号補正データを決定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記補正データ決定部は、前記アクセサリ判別部で判別されたアクセサリの種類に応じて想定される前記記録装置の使用条件に対応して前記音声信号補正データを決定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記複数種類の音声信号補正データを記憶する補正データ記憶部と、
装着された前記アクセサリと通信を行う通信部と、
前記通信部を介し、装着された前記アクセサリの種類を特定可能な情報であるアクセサリ種類情報を前記アクセサリから受信するアクセサリ種類情報受信部と
をさらに備え、
前記補正データ決定部は、前記補正データ記憶部に記憶される前記複数種類の音声信号補正データの中から、前記アクセサリ種類情報に基づき、前記信号処理部で前記音声信号に処理を行う際に参照すべき音声信号補正データを決定する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の記録装置。
【請求項5】
前記通信部を介して、前記記録装置の種類を特定可能な情報である装置種類情報を前記アクセサリに送信する装置種類情報送信部と、
前記装置種類情報に対応して前記アクセサリから送信される音声信号補正データを受信する音声信号補正データ受信部とをさらに備え、
前記信号処理部は、前記音声信号補正データ受信部で受信した前記音声信号補正データを参照して前記音声信号に処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記音声信号補正データは、前記音声信号を増幅する際のアンプゲイン、前記音声信号中のノイズを抑圧する際のノイズ抑圧方法、前記音声信号にイコライジング処理をする際のイコライジング特性のうち、少なくともいずれかを規定するデータであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の記録装置。
【請求項7】
前記集音部は複数のマイクロホンを具備し、
前記信号処理部は、前記複数のマイクロホンそれぞれから得られる音声信号に前記信号処理を行うことにより、前記集音部の指向性を等価的に変化させることを可能に構成され、
前記音声信号補正データは、前記指向性を規定するデータであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−223491(P2011−223491A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92940(P2010−92940)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】