説明

記録装置

【課題】モータの駆動間の停止期間にモータへの通電を継続しても、ウォッチドッグタイマの計時時間が閾値を超えてモータへの電力供給が強制停止されることを回避できるモータ制御装置、記録装置及びモータ制御方法を提供する。
【解決手段】PFモータに停止トルクを付与すべくHold電流を供給するHold制御が終わり、次駆動要求があると、割込処理によるHold指令値のセットは行われないもののHold指令値の出力が継続されるとともに、WDT(ウォッチドッグタイマ)の閾値が、第1閾値SH1から第2閾値SH2(>SH1)へ変更される。よって、PFタスク実行期間において割込処理によるデューティ指令値のセットが行われずWDTのリセットが行われなくなり、かつ優先順位の高いXタスクが優先的に起動されてPFタスクの終了時期が先延ばしされても、WDTの計時時間が閾値を超えることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータを停止状態に維持するための停止トルクをモータに付与すべく、モータに駆動しない程度の電流を供給するモータ制御装置、記録装置及びモータ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の記録装置としてのシリアル式のプリンタでは、印刷対象である用紙を搬送する紙送り動作と、記録ヘッドを移動させて用紙に印字(記録)を行う印字動作とが交互に実施され、用紙への画像やテキストの印刷が進められる。プリンタは、紙送り動作を行わせるために駆動される紙送りモータ(PFモータ)と、記録ヘッドを有したキャリッジを主走査方向に移動させるために駆動されるキャリッジモータ(CRモータ)とを備えている。
【0003】
ところで、紙送りモータは、紙送り動作の度に1回駆動され、次回の紙送り動作が開始されるまでの停止中においてモータの通電を完全に止めてしまうと、モータが自由回転可能な状態となって、用紙が自重や弱い外力等で比較的簡単に動いてしまい、印刷位置精度が低下する問題が発生する。そのため、特許文献1、2に記載された記録装置では、モータが停止状態にあるときにも、停止状態に維持するための停止トルクを付与すべくモータに電流(ホールド電流)を供給するホールド制御を行うようにしていた。
【0004】
また、特許文献3、4には、モータの制御周期を計時するウォッチドッグタイマを備え、ソフトウェアからなる制御手段が演算を行って取得したモータの指令値を出力する度にウォッチドッグタイマをリセットし、ウォッチドッグタイマの計時時間が閾値を超えると、モータへの電力供給を強制停止させる記録装置が開示されている。この構成によれば、ソフトウェアからなる制御手段の暴走等に起因する制御異常時にモータを強制的に停止させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−1812号公報
【特許文献2】特開平1−243893号公報
【特許文献3】特開2007−111915号公報
【特許文献4】特開2007−215288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、紙送りモータの制御処理、キャリッジモータの制御処理及び印字のための画像処理等は、CPU等の制御手段が、タスクを実行することで行われる場合がある。この場合、紙送りモータの駆動の合間に、制御手段は、次回の紙送り動作の準備処理としてモータの制御に用いる駆動情報を構築する処理を含む紙送りタスクを実行する。
【0007】
特許文献1、2のように、紙送り動作の停止後に、紙送りモータにホールド電流が供給される構成では、次回の紙送り要求があると、ホールド電流の供給は一旦停止され、次の紙送り動作の処理に移行する。このとき、紙送りタスクを起動してから、次回のモータの駆動が開始されるまでの期間において、モータが停止状態にあるにも関わらずホールド電流が供給されていない。この期間が長くなると、用紙が自重又は弱い外力により比較的簡単に動いてしまい、印字位置精度が低下する虞があるという問題があった。このため、紙送り動作終了後の次回の紙送り動作の準備処理である紙送りタスク実行期間においても、モータにホールド電流を供給し続けるとよい。
【0008】
ここで、紙送り動作中は、割込要求を受け付けた制御手段がウォッチドッグタイマに対してリセット信号を出力することで割込処理の度にウォッチドッグタイマのリセットが行われる。しかし、紙送り動作終了後の割込処理が行われない期間では、ウォッチドッグタイマがリセットされないので、紙送りタスクの実行期間が長くなった場合には、制御手段が正常に動作しているにも関わらず、ウォッチドッグタイマの計時時間が閾値を超えてしまい、紙送りモータへの電力供給が強制停止されることが心配される。なお、例えば紙送りタスクよりも優先順位の高いタスクが起動されてしまうと、紙送りタスクの終了時期が先延ばしされ、ウォッチドッグタイマの計時時間が閾値を超える可能性が一層高くなるという問題もある。
【0009】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、モータの駆動間の停止期間にモータへの通電を継続しても、ウォッチドッグタイマの計時時間が閾値を超えてモータへの電力供給が強制停止されることを回避できるモータ制御装置、記録装置及びモータ制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、モータを駆動制御するとともに駆動が停止されているときにも前記モータを停止状態に維持すべく該モータにホールド電流を供給するモータ制御装置であって、所定時間計時する度に割込要求を出力するモータ制御手段と、前記割込要求を受け付ける度に、モータの指令値を演算して該指令値を前記モータ制御手段に出力することで前記モータ制御手段を介して前記モータの駆動を制御し、前記モータが一駆動終えた後に、前記モータの次回の駆動のための準備処理としてモータタスクを実行する制御手段と、前記制御手段による前記モータの制御周期毎に計時を行って、その計時時間が閾値を超えた場合には、前記モータへの電力供給を強制停止させる停止信号を出力するウォッチドッグタイマと、前記モータタスクの実行期間における少なくとも前記ホールド電流の供給期間においては、前記ウォッチドッグタイマの閾値を、前記モータの駆動中の閾値より大きな値の閾値に変更する閾値変更手段とを備えたことを要旨とする。なお、ウォッチドッグタイマの計時時間は、例えばクロックパルス等の基準パルスの計数値などであって、経過時間そのものではなく経過時間に比例する値であるものも含む。また、閾値は、閾値を超えるためにウォッチドッグタイマの計時時間が長く必要であるものほど大きいと定義する。
【0011】
この発明によれば、モータ制御手段から割込要求を受け付ける度に、制御手段は指令値を演算してモータ制御手段に出力する。これにより、モータは制御周期毎に指令値に基づき駆動制御される。モータの制御周期毎にウォッチドッグタイマが制御周期を計時する。モータが一駆動を終えた後も、モータの通電は継続され、その間、ウォッチドッグタイマの計時は続けられる。また、モータの一駆動の終了後、次回の駆動のための準備処理としてモータタスクを実行する。このとき、モータタスクの終了時期が、モータ駆動中の閾値より長く延びても、閾値がモータ駆動中の閾値より大きな値に変更されているので、ウォッチドッグタイマが閾値を超えて、モータへの電力供給が強制停止されることを回避できる。
【0012】
また、本発明のモータ制御装置では、前記制御手段は、前記モータタスクを含む複数のタスクを実行するように構成されており、前記モータの一駆動を終えた後かつ次回の駆動が開始されるまでの期間において、前記モータタスクより優先順位の高いタスクを行う場合があり、前記閾値変更手段は、前記期間において前記制御手段が前記モータタスクよりも優先順位の高いタスクを実行して前記モータタスクの終了時期が延長された場合にも、前記ウォッチドッグタイマの計時時間が前記閾値を超えない値に変更することが好ましい。
【0013】
この発明によれば、優先順位の高いタスクが実行されて、モータタスクの終了時期が延長された場合でも、閾値がモータの駆動中の閾値より大きな値に変更されることにより、制御手段が正常動作している限り、ウォッチドッグタイマの計時時間が閾値を超えて、モータへの電力供給が強制停止されることを回避できる。
【0014】
さらに本発明のモータ制御装置では、前記モータは、媒体を搬送する搬送手段を駆動するための搬送モータであることが好ましい。
本発明は、記録装置であって、上記発明のモータ制御装置を備えていることを要旨とする。
【0015】
また、本発明は、モータ制御方法であって、モータ制御手段から割込要求を受け付ける度に指令値を演算して前記モータ制御手段に指令するステップと、次回のモータの駆動の制御を停止した後においては、モータを停止状態に維持すべくホールド制御用の指令値の出力を継続する停止維持ステップと、モータ制御手段から次回の駆動要求を受け付けると、次回のモータの駆動のための準備処理としてタスクを実行するとともに、ウォッチドッグタイマの閾値をより長い値に変更する閾値変更ステップと、を備えたことを要旨とする。この発明によれば、前記モータ制御装置の発明と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態におけるプリンタの斜視図。
【図2】記録ヘッド及び搬送機構を示す模式側面図。
【図3】PF駆動系のモータ制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】(a)PF速度プロファイルを示すグラフ、(b)指令値を示すグラフ。
【図5】モータ制御装置の処理を示すタイミングチャート。
【図6】次駆動要求処理を示すフローチャート。
【図7】割込処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明をインクジェット式記録装置に適用した一実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。図1は、外装ケースを取り外した状態のインクジェット式記録装置の斜視図を示す。図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式記録装置(以下、プリンタ11と称す)は、上側が開口する略四角箱状の本体ケース12を備え、この本体ケース12内に架設されたガイド軸13にはキャリッジ14が主走査方向(図1におけるX方向)に案内されて往復動可能な状態で設けられている。キャリッジ14が背面側で固定された無端状のタイミングベルト15は、本体ケース12の背板内面上に配設された一対のプーリ16,17に巻き掛けられ、一方のプーリ16と駆動軸が連結されたキャリッジモータ(以下、「CRモータ18」という)が正逆転駆動されることにより、キャリッジ14は主走査方向Xに往復動する構成となっている。
【0018】
キャリッジ14の下部には、インクを噴射する記録ヘッド19(記録手段)が設けられ、さらに本体ケース12内において記録ヘッド19と対向する下方位置には、記録ヘッド19と記録媒体としての用紙Pとの間隔を規定するプラテン20がX方向に延びる状態で配置されている。また、キャリッジ14の上部には、ブラック用およびカラー用の各インクカートリッジ21,22が着脱可能に装填されている。記録ヘッド19は、各インクカートリッジ21,22から供給された各色のインクを、色ごとのノズルから噴射(吐出)する。
【0019】
プリンタ11の背面側には、給紙トレイ23と、給紙トレイ23上に積重された多数枚の用紙Pのうち最上位の1枚のみを分離して副走査方向Y下流側に供給する自動給紙装置(Auto Sheet Feeder)24とが設けられている。
【0020】
また、本体ケース12の図1における右側下部に配設されたモータ(搬送モータ)としての紙送りモータ(以下、「PFモータ25」という)が駆動されることにより、搬送ローラ31(紙送りローラ)及び排紙ローラ32(いずれも図2を参照)が回転駆動されて、用紙Pが副走査方向Yへ搬送される。そして、キャリッジ14を主走査方向Xに往復動させながら記録ヘッド19のノズルから用紙Pに向けてインクを噴射する印刷動作と、用紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する紙送り動作とを略交互(但し、各動作タイミングは一部重複)に繰り返すことで、用紙Pに文字や画像等の印刷が施される。なお、PFモータ25は、例えばDCモータにより構成されるが、ステップモータを用いてもよい。
【0021】
また、プリンタ11には、キャリッジ14の移動距離に比例する数のパルスを出力するリニアエンコーダ26がガイド軸13に沿って延びるように架設されており、リニアエンコーダ26の出力パルスを用いて求められるキャリッジ14の移動位置、移動方向及び移動速度に基づいて、キャリッジ14の速度制御及び位置制御は行われる。なお、プリンタ11においてホームポジション(キャリッジ移動経路上の印刷領域外の一端部(図1における右端位置))に位置した際のキャリッジ14の直下には、記録ヘッド19のノズル目詰まり等を予防・解消するためのクリーニング等を行うメンテナンス装置28が配設されている。また、プラテン20の下側には、メンテナンス装置28が記録ヘッド19のノズルから吸引したインクが廃棄される廃液タンク29が設けられている。
【0022】
図2は、記録ヘッド及び搬送機構を示す模式側面図である。図2に示すように、用紙Pの搬送経路上において記録ヘッド19の記録位置(つまりプラテン20)を搬送方向に挟んだ前後の位置には、搬送手段を構成する搬送ローラ31及び排紙ローラ32がそれぞれ回転可能な状態に配設されている。搬送ローラ31は駆動ローラ31Aと従動ローラ31Bとの一対からなり、排紙ローラ32は駆動ローラ32Aと従動ローラ32Bとの一対からなる。用紙Pは、PFモータ25(図1参照)の駆動力が伝達されて両駆動ローラ31A,32Aが回転駆動されることにより、図2における左方向(副走査方向Y)へ搬送される。なお、搬送ローラ31の用紙搬送方向上流側に設けられた給紙ローラ33が、PFモータ25から不図示のクラッチ手段を介して伝達される動力により回転することで用紙Pは給送される。
【0023】
搬送ローラ31のやや搬送方向上流側の位置には紙検出センサ35が設けられている。紙検出センサ35は、例えば接触式センサ(スイッチ式センサ)からなり、給紙された用紙Pの先端が検知レバーに当たってこれを変位させることでオンし、用紙Pの後端が通過して検知レバーがバネ力で元の待機位置に復帰したときにオフする。なお、紙検出センサ35は、用紙Pの紙端を検知可能であればよく、光学式センサ等の非接触式センサも採用できる。
【0024】
図2に示すように、本実施形態では、記録ヘッド19の搬送方向最上流のノズル位置(最上流ノズル位置)に対応する位置に到達した図2に示す用紙Pの位置が、用紙の搬送方向の位置を管理するときの原点として設定されている。用紙Pの先端が紙検出センサ35に検知されてから、用紙Pが所定量搬送されてその先端が最上流ノズル位置に対応する原点位置に到達したときに後述するPFカウンタ57(図3参照)がリセットされる。PFカウンタ57には、用紙の先端から原点までの長さに相当するカウント値が計数され、このカウント値から用紙Pの搬送方向における位置(用紙位置)を把握することが可能となっている。
【0025】
図3は、PFモータ制御系のモータ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、PFモータ制御系のモータ制御装置は、制御手段としての制御部41、モータ制御手段としてのモータ制御部42、RAM43、不揮発性メモリ44、紙検出センサ35、エンコーダ45、モータドライバ46及びPFモータ25を備えている。なお、制御部41は、例えば不揮発性メモリ44に記憶されたファームウェア用のプログラムを実行するCPUにより構成され、ソフトウェアよりなる。また、モータ制御部42は、例えばASIC等の集積回路などにより構成され、ハードウェアよりなる。
【0026】
また、制御部41は、タスク管理部47及びタスク実行部48を備えている。タスク管理部47は、ファームウェアのプログラムを構成する複数のタスクの状態及び優先順位を管理しており、タスクの起動要求があると、タスクの優先順位に基づいて起動すべき1つのタスクを選択する。タスク実行部48は、タスク管理部47により選択された1つのタスクを実行(起動)する。なお、本実施形態のプリンタ11では、複数のタスクとして、PFモータ25の駆動開始前にその制御に必要な処理を行うための紙送りタスク(PFタスク)、CRモータ18の駆動開始前にその制御に必要な処理を行うためのキャリッジ駆動タスク(CRタスク)、画像データに基づき印字データを生成するための画像処理等を行う画像処理タスク、記録ヘッド19の吐出制御に必要な処理を行う印字タスク等が用意されている。
【0027】
モータ制御部42は、PFドライバコントロールユニット(以下、「PFDCU51」という)及びウォッチドッグタイマ(以下、「WDT52」という)を備える。PFDCU51は、モータドライバ46に対して指令値を出力するなどのPFモータ25に関する各種処理を行う。このPFDCU51は、PFタイマ54と、PWMタイマ55と、デューティセット部56と、PFカウンタ57とを備えている。
【0028】
PFDCU51は、次回の紙送り動作を開始する際には制御部41に対して次駆動要求を行う。制御部41は次駆動要求を受け付けると、そのとき他の優先順位のより高いタスクの起動中あるいは起動待ち状態(Wait状態)でなければ、PFタスクを起動させる。なお、制御部41は、最初の紙送り動作を開始する際に駆動要求を受け付けると、WDT52を起動させ、その計時を開始させる。
【0029】
WDT52は、PFモータ25の駆動中に図示しないクロック回路から入力するクロック信号のパルスを計数することで計時を行う計時機能を有し、その計時時間(計数値)の閾値を設定する閾値設定部58を備えている。WDT52は、その計時時間が閾値設定部58に設定されている閾値を超えると、PFDCU51に対してPFモータ25の駆動を強制停止させる停止信号を出力するように構成されている。
【0030】
PFタイマ54は例えば100〜200μsec.の範囲内の所定時間(例えば150μsec.)を計時し、PFDCU51はPFタイマ54が所定時間を計時する度に、制御部41に対して割込要求を出力する。
【0031】
制御部41は、PFDCU51から割込要求を受け付ける度に、PFモータ25の速度制御をPWM制御で行うための指令値(デューティ指令値)を演算するPID制御演算を割込処理で実行する。そして、そのPID制御演算により、1回の紙送り過程における用紙Pの現在位置(PF位置)に応じた指令値を取得すると、制御部41はその指令値をモータ制御部42に出力する。モータ制御部42は、制御部41から取得した指令値をデューティセット部56にセットする。制御部41は、指令値をPFDCU51内のデューティセット部56にセットする度に、これとほぼ同時にWDT52に対してリセット信号を出力するようになっている。WDT52は制御部41からリセット信号を入力する度にその計時時間をリセットする。よって、制御部41が正常に動作している間は、前回のリセット時から所定時間経過以内に次のリセット信号が入力されるため、その計時時間が閾値を超えることがない。
【0032】
デューティセット部56は、セットされた指令値をモータドライバ46に出力する回路により構成される。デューティセット部56は、PWMタイマ55が計時を行っている間、そのセットされた指令値をモータドライバ46に出力し続ける構成となっている。制御部41がPWMタイマ55の停止処理又は開始処理を行うことで、PWMタイマ55の計時が停止/開始され、これによりPFDCU51からモータドライバ46への指令値の出力・非出力の切り換えが行われる。
【0033】
ここで、制御部41が速度制御を行うPFモータ25の速度プロファイル(「PF速度プロファイル」という)とその指令値について説明する。図4(a)は、PFモータ25を速度制御するときの速度プロファイルを示すグラフである。また、図4(b)は、速度プロファイルにおける指令値を示す。
【0034】
図4(a)に示すように、PF速度プロファイルは、加速領域、定速領域、減速領域、Hold領域が設定されている。本実施形態では、加速領域、定速領域、及び減速領域の途中までの減速前期領域の区間においては、現在速度を目標速度に一致させるべく速度制御を行う速度制御が採用される。また、減速領域の途中からの減速後期領域と、Hold領域との区間では、PFモータ25の停止位置を目標停止位置に精度よく一致させるために位置決め制御が採用される。
【0035】
速度制御の区間では、PFモータ25の駆動開始位置を原点(「0」)とする現在位置yを取得し、速度テーブルデータ(図4(a)に示すグラフのテーブルデータ)を参照して現在位置yに対応する目標速度を取得する。そして、現在速度を目標速度に近づけるためのフィードバック演算(PID制御演算)を行って指令値を取得する。この速度制御では、位置毎に決められた目標速度と現在速度の差を偏差としてPID制御を行う。
【0036】
また、位置決め制御の区間では、現在位置yと目標停止位置との差分で示される残り距離を求め、その残り距離に応じた速度となるようにPFモータ25のフィードバック制御演算(PID制御演算)を行って指令値を取得する。この位置決め制御では、位置毎に決められた目標速度と現在速度の差と、現在速度とを加算し、それを偏差としてPID制御を行う。
【0037】
このPID制御演算により、図4(b)に示すような現在位置yに応じたデューティ指令値が取得される。図4(b)に示すように、Hold領域においては、PFモータ25を停止状態に維持する停止トルクを付与すべくPFモータ25にホールド電流(Hold電流)を供給するためのHold指令値が、制御部41からモータ制御部42に出力される。
【0038】
なお、本実施形態では、図4(a)のPF速度プロファイルの他に、Hold領域がなく、全領域において速度制御が行われる第2PF速度プロファイルも用意されており、位置精度がさほど要求されない用紙Pの搬送には、第2PF速度プロファイルが使用される。また図4(a)では、実際より簡略して台形波形の速度プロファイルとしているが、加速過程や減速過程における速度プロファイルのラインが曲線状になっていたり、途中で1回又は複数回に亘り速度勾配が変化したりするものであってもよい。
【0039】
このとき使用する現在位置yは、図3に示すPFカウンタ57の計数値から取得される。すなわち、PFカウンタ57は、図2に示す原点Yoを起点とする用紙搬送量に相当する搬送位置と、紙送り動作毎の開始位置を起点とする現在位置yとをそれぞれ計時する第1及び第2カウンタ部を備え、第2カウンタ部の計数値から現在位置yを取得する。
【0040】
なお、本実施形態では、図4(a)のPF速度プロファイルの他に、Hold領域がなく、全領域において速度制御が行われる第2PF速度プロファイルも用意されており、位置精度がさほど要求されない用紙Pの搬送には、第2PF速度プロファイルが使用される。
【0041】
1回の紙送り動作が終了してPFモータ25に停止トルクを与える図4(a)に示すHold制御を終了すると、図3に示すPFDCU51は制御部41に対して次回の紙送り動作のためにPFモータ25の次回の駆動を要求する次駆動要求を出力する。
【0042】
図3に示す制御部41は、次駆動要求を受け付けると、PFタイマ54の計時を停止させる。なお、従来においては、紙送り動作(Hold制御)を終了して次駆動要求を受け付けた場合には、PFタイマの計時の停止処理と、PWMタイマの計時の停止処理を行っていた。そのため、次駆動要求を受け付けてから、次回の紙送り動作のためにPFモータ25の駆動が開始されるまでの区間において、PFモータ25に停止トルクを付与するHold電流の供給が行われず、例えば紙送り動作終了後に次回の紙送り動作開始まで待機中の用紙Pが自重や弱い外力で動くなどし、印刷位置精度が低下するなどの不都合が発生する。
【0043】
これに対し、本実施形態では、制御部41は、次駆動要求を受け付けると、PFタイマ54の計時の停止処理は行うが、PWMタイマ55の計時の停止は行わない。そのため、今回の紙送り動作における最後の割込処理でセットされたHold制御用の指令値がデューティセット部56にセットされた状態になり、かつPWMタイマ55の計時が継続されているので、モータ制御部42からモータドライバ46に対して引き続きHold指令値が出力される。
【0044】
ここで、制御部41は、PFタスクを実行することで、次回の紙送り動作のためにPFモータ25を駆動制御するために用いる駆動情報(例えば図4(a)のPF速度プロファイルを示す制御用テーブルデータ等)を構築する。その他、駆動情報の構築処理の他、PFタスクを構成する複数の処理をシーケンシャルに実行し、これらの処理の1つとして、駆動情報構築処理の後に、PWMタイマ55の停止処理及び開始処理を順番に行う。
【0045】
次駆動要求を受け付けてから、PFタスクが実行されて次回の駆動情報が構築されてから、次回の紙送り動作のためにPFモータ25の駆動が開始されるため、今回の紙送り動作終了から次回の紙送り動作開始までに、10〜100ミリ秒程度の待ち時間ができる。本実施形態では、この待ち時間の間も、モータ制御部42からモータドライバ46に対してHold指令値を出力することで、PFモータ25に停止トルクを与えている。
【0046】
図5は、今回の紙送り動作終了から次回の紙送り動作開始までの区間において行われるPF制御及びWDT処理を示すタイミングチャートである。図5に示すように、今回の紙送り動作のHold領域では、制御部41は用紙Pが目標停止位置に到達して紙送りを終了すると、PFタイマ54が所定時間計時する度にモータ制御部42から入力する割込要求に応答して、Hold指令値をモータ制御部42に出力し、そのHold指令値がデューティセット部56にセットされる(SetDuty参照)。その結果、このHold制御中は、PFモータ25はHold電流が通電された状態に保持され、PFモータ25に停止トルクが付与される。また、Hold制御中においては、指令値を出力する度に、制御部41からWDT52にリセット信号が出力されるので、WDT52の計時時間は、紙送り動作中に閾値設定部58に設定されている第1閾値SH1に達することなくリセットされる。
【0047】
こうして今回の紙送り動作が終了すると、モータ制御部42は制御部41に対して次駆動要求を行う。次駆動要求を受け付けると、制御部41は、今回の紙送り動作を終了させるべく、モータ制御部42に指令してPFタイマ54を停止させるとともに、WDT52に第2閾値SH2(>SH1)のデータを出力してその閾値設定部58の設定変更を行ったうえ、PFタスクを実行する。その結果、次駆動要求から開始されるPFタスク実行期間において、PWMタイマ55の計時が継続され、デューティセット部56にセットされているHold指令値のモータドライバ46への出力が継続される。すなわち、PFタスク実行期間中において、PFモータ25はHold電流が通電された状態に保持される。なお、従来であれば、図5において、次駆動要求があると、PWMタイマが停止されていたので、SetDutyにおける破線で示すように、PWMタイマの計時停止時点から指令値の出力が行われない。
【0048】
制御部41は、PFタスクを実行することで、次回分の駆動情報の構築を行う。例えば、紙送りコマンドで指示された次回の紙送り量に応じた目標速度(定速度)となるようなPF速度プロファイルを有する速度テーブルを複数の中から選択して不揮発性メモリ44から読み込むとともに、RAM43の所定記録領域上にその読み込んだ速度テーブルを展開する処理などを行う。
【0049】
ここで、PFタスク実行中に、PFタスクより優先順位の高いタスク(図5では「Xタスク」)の起動要求があると、制御部41はその優先順位のより高いXタスク(例えば画像処理タスク)を優先的に起動させる。Xタスクの実行期間の間、PFタスクは中断され、待ち時間が発生する。このようなより優先順位の高いタスクが起動されて、PFタスク終了時期が延長しても、その分を見込んで第2閾値SH2が設定されているので、WDT52の計時時間が閾値を超えることがない。よって、PFタスク実行中において、割込処理が停止されていて指令値のセットが行われず、WDT52のリセットが行われなくても、その計時時間が閾値を超えることがないので、PFモータ25への電流供給が強制的に停止される事態は発生しない。
【0050】
そして、制御部41はPFタスクにおいて駆動情報の構築処理を終了すると、PFタスクの中の処理として、PWMタイマ55の停止処理を行う。その結果、モータ制御部42のPWMタイマ55の計時が停止され、デューティセット部56からの指令値の出力が停止される。この停止処理により、PWMタイマ55はリセットされる。その後、制御部41は、PFタスクの中の最後近くの処理としてPWMタイマ55の開始処理を行う。この開始処理によってPFタイマ54の計時も開始される。その後、PFタイマ54が最初に所定時間(150μsec.)を計時し終わると、次回の紙送り動作における最初の割込要求が行われ、制御部41が割込処理で演算した指令値が、モータ制御部42のデューティセット部56にセットされる。この次回の紙送り動作の最初の割込処理において、制御部41はWDT52に対して第1閾値SH1のデータを出力し、その閾値設定部58の設定内容を第2閾値SH2から第1閾値SH1へ設定変更する。こうして例えば150μsec.毎の割込処理で指令値が更新され、PF速度プロファイルに沿ってPFモータ25が駆動制御されることで、次回の紙送り動作が行われる。なお、PWMタイマ55の停止処理により、WDT52の閾値を、第2閾値SH2から第1閾値SH1へ戻す設定変更を行ってもよい。
【0051】
制御部41は、次駆動要求時に図6にフローチャートで示す次駆動要求処理を実行し、150μsec.毎の割込要求時にPID制御演算と共に、図7にフローチャートで示す割込処理を実行する。これらの処理を実行することにより、閾値変更処理などを行う。
【0052】
以下、図6及び図7に示すフローチャートに従って、今回の紙送り動作終了から次回の紙送り動作開始までの間で実施される処理を説明する。なお、制御部41は、図6及び図7の各処理を実行するために、次駆動要求フラグ及びWDT変更済みイベントフラグ(図示せず)を備えている。
【0053】
次駆動要求を受け付けると、制御部41は図6に示す次駆動要求処理を実行する。
まずステップS10では、次駆動要求フラグをセットする(TRUEにする)。次のステップS20では、WDT変更済みイベントフラグのクリア待ちを行う。そして、ステップS30では、次駆動要求フラグをリセットする(FALSEにする)。WDT変更済みイベントフラグは、図7の処理の中でWDT52の設定変更が行われた際にクリアされる。そのため、ステップS20では、図7の処理の中でこのWDT変更済みイベントフラグがクリアされるまで待機することになる。
【0054】
制御部41は、割込要求を受け付ける度にPID演算処理を実行すると共に図7の処理も実行する。
まずステップS110では、次駆動要求フラグがセットされている(TRUEである)か否かを判断する。次駆動要求があって、次駆動要求フラグがTRUEであれば、ステップS120に進み、一方、次駆動要求フラグがTRUEでなければ、当該処理を終了する。
【0055】
ステップS120では、WDTの閾値を変更する。すなわち、次駆動要求があった場合、制御部41は、紙送り動作中に用いられていた第1閾値SH1を、第2閾値SH2(>SH1)に変更する。なお、このステップでの閾値の変更は、制御部41における変更であり、この段階では、WDT52の閾値設定部58への設定変更はまだ行われていない。
【0056】
次のステップS130では、PWMタイマ55の開始処理を行ってPWMタイマ55をスタートさせるとともに、WDT52の閾値設定部58に第2閾値SH2をセットする閾値の設定変更を行う。なお、このときPWMタイマ55は計時を継続しているが、WDT52の閾値の設定変更を行うために、この設定変更と対の処理であるPWMタイマ55の開始処理を行う。
【0057】
次のステップS140では、WDT変更済みイベントフラグをクリアする。WDT変更済みイベントフラグがクリアわれることで、図6におけるステップS20におけるWDT変更済みイベントフラグのクリア待ちを終了し、次駆動要求フラグをFALSEにする(S30)。
【0058】
こうして図5に示すように、次駆動要求があった場合、PFタスクの実行を開始するとともに、PWMタイマ55の開始処理が行われることにより、WDT52の設定値が、第1閾値SH1から第2閾値SH2へ変更される。その結果、次回の駆動情報が構築されるまでの待ち時間(つまりPFタスク実行期間)の間(但し次回の紙送り動作開始直前の一瞬の期間を除く)も、PFモータ25にHold電流が供給されることでPFモータ25に停止トルクが付与される。
【0059】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)紙送り動作終了後に次回の紙送り動作の開始準備の処理として実行されるPFタスクの終了までの待ち時間の間、PFタイマ54の停止により割込処理を中止させた状態下で、Hold指令値の出力を継続するとともに、WDT52の閾値を紙送り動作中の第1閾値SH1より値の大きな第2閾値SH2に変更する構成とした。よって、PFタスク実行期間において、割込処理を停止した状態でHold指令値の出力を継続させることとし、このHold指令値の出力中にWDT52のリセットが行われることなくその計時が継続されることになっても、その計時時間が閾値(第2閾値SH2)を超えることを回避できるので、PFモータ25への電力供給が強制停止されることを回避できる。
【0060】
(2)PFタスク実行中に優先順位のより高いタスクが割り込みで優先実行され、PFタスクの終了時期が先延ばしされても、想定される優先タスクの割り込み時間を想定して、第2閾値SH2が設定されているので、より確実にPFモータ25への電力供給の強制停止を回避できる。
【0061】
(3)PFタスク実行期間(待ち時間)においても、PFモータ25にHold電流が供給されるので、PFモータ25に停止トルクが付与されて、用紙Pの自重や弱い外力による位置ずれを回避することができる。その結果、プリンタ11により印刷位置精度の高い印刷を行うことができる。
【0062】
前記実施形態は上記に限定されず、以下の態様に変更することもできる。
(変形例1)前記実施形態では、第1閾値SH1と第2閾値SH2との2つの閾値を設定したが、3つ以上の閾値を用意してもよい。
【0063】
(変形例2)WDT52の計時時間が閾値を超えた場合は、WDT52からモータドライバ46へ強制停止用の停止信号を出力する構成としてもよい。
(変形例3)モータは、媒体搬送用のPFモータ25に限定されない。CRモータ18のモータ制御装置に本発明を適用してもよい。
【0064】
(変形例4)記録装置はシリアルプリンタに限定されず、ラインプリンタあるいはページプリンタに適用してもよい。これらのプリンタにおいても、印刷途中で用紙が停止させるモータ制御を行う場合、印刷位置精度の高い印刷を実現できる。また、記録方式についても、インクジェット方式に限定されず、ドットインパクト方式や感熱方式、レーザー方式なども採用できる。
【0065】
(変形例5)プリンタ以外の電子機器に適用してもよい。例えば用紙やウェブ等の媒体を搬送する搬送装置のモータ制御装置に適用してもよい。この場合、搬送装置により、搬送される媒体の停止位置精度を高く維持できる。
【符号の説明】
【0066】
11…記録装置としてのプリンタ、14…記録手段を構成するキャリッジ、18…モータとしてのCRモータ、19…記録手段を構成する記録ヘッド、25…モータ(電動機)及び搬送モータとしてのPFモータ、31…搬送手段を構成する紙送りローラ、32…搬送手段を構成する排紙ローラ、35…紙検出センサ、41…閾値変更手段を構成するとともに制御手段としての制御部、42…モータ制御手段としてのモータ制御部、43…RAM、44…不揮発性メモリ、45…エンコーダ、46…モータドライバ、47…タスク管理部、48…タスク実行部、51…PFドライバコントロールユニット(PFDCU)、52…ウォッチドッグタイマ(WDT)、54…PFタイマ、55…PWMタイマ、56…デューティセット部、57…PFカウンタ、58…閾値変更手段を構成する閾値設定部、SH1…第1閾値、SH2…第2閾値、P…媒体としての用紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを駆動制御するとともに駆動が停止されているときにも前記モータを停止状態に維持すべく該モータにホールド電流を供給するモータ制御装置であって、
所定時間計時する度に割込要求を出力するモータ制御手段と、
前記割込要求を受け付ける度に、モータの指令値を演算して該指令値を前記モータ制御手段に出力することで前記モータ制御手段を介して前記モータの駆動を制御し、前記モータが一駆動終えた後に、前記モータの次回の駆動のための準備処理としてモータタスクを実行する制御手段と、
前記制御手段による前記モータの制御周期毎に計時を行って、その計時時間が閾値を超えた場合には、前記モータへの電力供給を強制停止させる停止信号を出力するウォッチドッグタイマと、
前記モータタスクの実行期間における少なくとも前記ホールド電流の供給期間においては、前記ウォッチドッグタイマの閾値を、前記モータの駆動中の閾値より大きな値の閾値に変更する閾値変更手段と
を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記モータタスクを含む複数のタスクを実行するように構成されており、前記モータの一駆動を終えた後かつ次回の駆動が開始されるまでの期間において、前記モータタスクより優先順位の高いタスクを行う場合があり、
前記閾値変更手段は、前記期間において前記制御手段が前記モータタスクよりも優先順位の高いタスクを実行して前記モータタスクの終了時期が延長された場合にも、前記ウォッチドッグタイマの計時時間が前記閾値を超えない値に変更することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記モータは、媒体を搬送する搬送手段を駆動するための搬送モータであることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のモータ制御装置を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
モータ制御手段から割込要求を受け付ける度にモータの指令値を演算して該指令値を前記モータ制御手段に出力する指令ステップと、
前記モータの一駆動の終了後に該モータを停止状態に維持すべくホールド制御用の指令値の出力を継続する停止維持ステップと、
モータ制御手段から次回の駆動要求を受け付けると、前記モータの次回の駆動のための準備処理としてモータタスクを実行するとともに、ウォッチドッグタイマの閾値を前記モータの駆動中の閾値よりも大きな値の閾値に変更する閾値変更ステップと、
を備えたモータ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−99960(P2013−99960A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−22503(P2013−22503)
【出願日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【分割の表示】特願2008−286743(P2008−286743)の分割
【原出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】