説明

設定装置、表示プログラム及び表示方法

【課題】他の表示の邪魔をすることなく禁則仕様の適用の原因となる設定の設定値をユーザに通知することを目的とする。
【解決手段】設定装置が、画面上が操作されることで各種操作指示を受け付ける操作表示手段を具備し、前記操作表示手段は、設定操作のための設定操作領域画面(第1の画面)とともに前記第1の画面とは別の領域画面(第2の画面)を表示する設定装置であって、禁則原因である第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて第2の設定の設定値が無効になる場合に、前記第1の設定の設定値を前記第2の画面に表示させる制御手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 設定装置、表示プログラム及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機、複写機及びプリンタなどの画像形成装置、携帯電話等の設定装置では、多種多様な設定をすることができる。しかしながら、画像形成装置の設定において、ある設定(第1の設定)が所定の設定値にされると当該第1の設定との関係から他の設定(第2の設定)がユーザの所望の設定値にできない、すなわち第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて第2の設定がユーザの所望の設定値にできないことがある。そして、ユーザは、第2の設定を所望の設定値にするために第1の設定の設定値を変更したくても、設定の数が多いと、どの設定が第1の設定であるのかを見つけ出すことが難しい。このような場合に、ユーザは、リセットですべての設定をデフォルトの設定値に戻すしか方法がなかった。しかし、リセットしてしまうと、関係のない設定までデフォルトに戻ってしまうので、これらの設定も含めて再設定するという余分な手間が発生していた。
そのため、このような問題を解消する発明として下記特許文献1に、表示部を具備し、禁則仕様に該当するプリント設定が付随されたプリントデータが与えられると、当該プリント設定が禁則仕様に該当する趣旨のメッセージを表示部に表示するデジタル複写機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−163954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術では、禁則仕様に該当するプリント設定を表示部に表示することで、禁則仕様に該当するプリント設定をユーザに通知している。しかしながら、コピー機能を有する複合機などに上記機能を適用すると、コピー機能の設定時に上記表示内容が表示されることが考えられるが、上記表示内容の位置が配慮されずにタッチパネル上に表示されると、タッチパネルに表示される各操作ボタンが覆い隠されてしまって設定操作の妨げになる可能性がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、他の表示の邪魔をすることなく禁則仕様の適用の原因となる設定の設定値をユーザに通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、設定装置に係る第1の解決手段として、画面上が操作されることで各種操作指示を受け付ける操作表示手段を具備し、前記操作表示手段は、設定操作のための設定操作領域画面(第1の画面)とともに前記第1の画面とは別の領域画面(第2の画面)を表示する設定装置であって、禁則原因である第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて第2の設定の設定値が無効になる場合に、前記第1の設定の設定値を前記第2の画面に表示させる制御手段を具備するこという手段を採用する。
【0007】
本発明では、設定装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記第2の画面は、前記第1の画面と異なる位置に配置されているという手段を採用する。
【0008】
本発明では、設定装置に係る第3の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記第2の画面は、前記第1の画面と重なる位置に配置され、重なった場所は透過されているという手段を採用する。
【0009】
本発明では、設定装置に係る第4の解決手段として、上記第1〜第3の解決手段において、前記制御手段は、前記第1の画面上の前記第2の設定に関する操作ボタン(第2の設定ボタン)を前記操作表示手段にグレイアウト表示させ、当該第2の設定ボタンが操作されると、前記第1の設定の設定値を前記第2の画面に表示させるという手段を採用する。
【0010】
本発明では、設定装置に係る第5の解決手段として、上記第1〜第4のいずれかの解決手段において、前記制御手段は、前記第1の設定の設定値とともに前記第2の設定の設定値を前記操作表示手段に表示させ、さらに前記第1の設定及び第2の設定以外の第3の設定の設定値が設定操作されると前記第3の設定の設定値を前記操作表示手段に表示させ、前記第1の設定及び前記第2の設定の設定値の表示態様を前記第3の設定の設定値と異ならせるという手段を採用する。
【0011】
本発明では、設定装置に係る第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、前記第1の設定及び前記第2の設定の設定値の表示色が第3の設定の設定値と異なるという手段を採用する。
【0012】
本発明では、設定装置に係る第7の解決手段として、上記第5または6の解決手段において、前記制御手段は、前記第2の画面上において前記第1の設定または前記第2の設定の設定値を前記第1の設定と前記第2の設定との禁則関係を解除する設定値に変更する操作を有効にするという手段を採用する。
【0013】
本発明では、設定装置に係る第8の解決手段として、上記第4〜7のいずれかの解決手段において、前記制御手段は、前記第2の画面上の第1の設定の設定値または第2の設定の設定値の表示箇所がドラッグされた後に第1の場所上でドロップされると、前記第1の設定の設定値を解除するという手段を採用する。
【0014】
また、本発明では、表示プログラムに係る第1の解決手段として、コンピュータの表示部に表示させた画面が操作されることで各種操作指示を受け付ける操作表示処理を具備し、前記操作表示処理は、設定操作のための設定操作領域画面(第1の画面)とともに前記第1の画面とは別の領域画面(第2の画面)を前記表示部に表示させる表示プログラムであって、禁則原因である第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて第2の設定の設定値が無効になる場合に、前記第1の設定の設定値を前記第2の画面に表示させる制御処理を前記コンピュータに実行させるという手段を採用する。
【0015】
さらに、本発明では、表示方法に係る第1の解決手段として、画面が操作されることで各種操作指示を受け付ける操作表示工程を具備し、前記操作表示工程は、設定操作のための設定操作領域画面(第1の画面)とともに前記第1の画面とは別の領域画面(第2の画面)を表示する表示方法であって、禁則原因である第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて第2の設定の設定値が無効になる場合に、前記第1の設定の設定値を前記第2の画面に表示させる制御工程を具備するという手段を採用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、操作表示手段の画面上の設定操作領域とは別の第2の画面上に第1の設定の設定値を表示する。このように、本発明は、第2の設定に禁則仕様が適用される原因となる第1の設定の設定値を第2の画面上に表示するので、他の表示、すなわち設定操作領域の表示を邪魔をすることなく禁則仕様の適用の原因となる第1の設定の設定値をユーザに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機Aの機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る複合機Aの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る複合機Aのコピー基本画面を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る複合機Aの「片面/両面」設定の設定値が「片面→両面」である場合のコピー基本画面を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る複合機Aのプレビュー領域上に禁則仕様の適用の原因である「片面/両面」設定の設定値「片面→両面」を表示させたコピー基本画面を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る複合機Aの禁則仕様の適用の原因である「片面/両面」設定の「片面→両面」の表示部分のドラッグアンドドロップを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る複合機Aの動作の変形例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る複合機Aの動作の変形例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る複合機Aの動作の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る複合機(設定装置)Aは、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ送信/受信機能及び電子メール送信機能を併せ持つ。そして、複合機Aは、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、各種センサ群4、画像読取部5、画像データ記憶部6、用紙搬送/画像形成部7、通信I/F部8及び操作表示部9を備えている。なお、上記CPU1、ROM2、RAM3は、本実施形態における制御手段を構成する。
【0019】
CPU1は、ROM2に記憶されている制御プログラム、各種センサ群4から受信する各種検出信号、画像データ記憶部6に記憶されている原稿画像データ、プリント画像データ及びファクシミリ画像データ、通信I/F部8を介して外部(クライアントコンピュータ及び公衆網など)から入力される各種指示並びに操作表示部9から入力される操作指示に基づいて複合機Aの全体動作を制御する。なお、このCPU1の制御処理の詳細については、複合機Aの動作として後述する。
ROM2は、CPU1で実行される制御プログラム及びその他のデータを記憶する不揮発性メモリである。
【0020】
RAM3は、CPU1が制御プログラムを実行して各種動作を行う際に、データの一時保存先となるワーキングエリアとして用いられる揮発性メモリである。
各種センサ群4は、例えば、原稿セット検出センサ、用紙切れ検出センサ、用紙詰まり検出センサ、用紙位置検出センサ、温度センサ及び筐体(図示略)のカバー開閉検出センサなどの画像形成動作に必要な各種センサであり、それぞれのセンサで検出した各種の情報を検出信号としてCPU1に出力する。
【0021】
画像読取部5は、ADF(自動原稿送り装置)とCCD(Charge Coupled Device)センサなどを備え、CPU1の制御指令の下でADFによって順次給紙される原稿の画像をCCDセンサに読み取らせ、原稿画像に基づく原稿画像データをCPU1に出力する。一方、CPU1は、原稿画像データを画像データ記憶部6に記憶させる。
【0022】
画像データ記憶部6は、例えばフラッシュメモリまたはハードディスクであり、CPU1の制御指令の下で原稿画像データ、通信I/F部8が外部(クライアントコンピュータ及び公衆網など)から受信するプリント画像データ及びファクシミリ画像データを記憶する。なお、画像データ記憶部6は、原稿画像データ、プリント画像データ及びファクシミリ画像データをビットマップデータで記憶する。
【0023】
用紙搬送/画像形成部7は、プリントエンジン(感光ドラム、帯電器、現像装置及び定着ローラなど)、給紙ローラ及び排紙ローラなどを備える。この用紙搬送/画像形成部7は、CPU1の制御指令の下で給紙トレイ(図示略)から印刷用紙を給紙ローラで搬送し、画像データ記憶部6の画像データに基づく画像(トナーからなる画像)を印刷用紙に転写し、当該印刷用紙を排紙ローラで排紙トレイ(図示略)に搬送する。
【0024】
通信I/F部8は、外部のクライアントコンピュータ及び公衆網に接続し、このクライアントコンピュータ及び公衆網との間で各種信号の送受信を行う。そして、通信I/F部8は、クライアントコンピュータから入力されるプリント画像データと、公衆網から入力されるファクシミリ画像データとをCPU1に出力する。一方、CPU1は、プリント画像データ及びファクシミリ画像データを画像データ記憶部6に記憶させる。
【0025】
操作表示部9は、コピー機能キー、プリント機能キー、スキャン機能キー、ファクシミリ機能キー、スタートキー、ストップ/クリアキー、電源キー、テンキー(数値入力キー)などのハードウェアキーと、タッチパネル9aとを備えており、それぞれのキーの操作指示をCPU1に出力するとともにCPU1の制御指令の下でタッチパネル9aに種々の画面を表示する。上記コピー機能キー、プリント機能キー、スキャン機能キー及びファクシミリ機能キーは、各機能を起動するためのキーである。なお、タッチパネル9aは、本実施形態における操作表示手段である。
【0026】
次に、上記構成の本実施形態に係る複合機Aの動作について、図2を参照して説明する。
まず、複合機Aで原稿を複写しようとするユーザは、操作表示部9のコピー機能キーを押下することで複合機Aをコピー機能の動作モードに切り替える。すると、複合機Aは、タッチパネル9aにコピー基本画面を表示する
【0027】
上記コピー基本画面とは、複合機Aのコピー機能におけるトップ画面であり、コピー機能の各設定の設定画面(設定の設定値をユーザに選択させる画面)を表示させるための設定画面表示ボタンなどを表示する画面である。そして、コピー基本画面では、図3に示すように「レイアウト/編集」グループに属する「拡大/縮小」ボタン及び「集約」ボタンなどの設定画面表示ボタンが表示されるとともに選択中のグループを示すタブボタン(「レイアウト/編集」ボタン)と他のグループのタブボタン(「簡単設定」、「原稿/用紙/仕上げ」、「カラー/画質」及び「応用/その他」ボタン)とが表示される。また、コピー基本画面には、上記設定画面表示ボタンなどの操作ボタンが表示される設定操作領域(第1の画面)のほかに、コピー結果のプレビュー画像が表示されるプレビュー領域(第2の画面)がある。
【0028】
CPU1は、コピー基本画面の所定の設定(第1の設定)の設定画面表示ボタンが押下されると、タッチパネル9aに第1の設定の設定画面を表示させ、当該設定画面の中で設定値が変更されると、第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて他の設定(第2の設定)の設定値が設定できない場合に、当該第2の設定の設定画面表示ボタンをタッチパネル9aにグレイアウト表示させる(ステップS1)。
【0029】
例えば、ステップS1においてコピー基本画面(図3参照)上の「両面/分割」ボタンの押下によりタッチパネル9aに表示された「両面/分割」設定画面の中で、「両面/分割」設定の設定値が「片面→両面」に設定されると、図4に示すように「両面/分割」ボタンの上方に現在の設定値である「片面→両面」が表示される。そして、「拡大連写」ボタンは、グレイアウト表示になる。なお、図4の「拡大連写」ボタンの点線は、グレイアウト表示になっていることを示している。
【0030】
このように「拡大連写」ボタンがグレイアウト表示になるのは、「両面/分割」設定の設定値「片面→両面」の禁則仕様が「拡大連写」設定に適用されるからである。これにより「両面/分割」設定の設定値「片面→両面」の禁則仕様に基づいて「拡大連写」設定を「ON」できない。なお、上記「拡大連写」設定とは、1枚の原稿の画像を複数に分割した上で各分割画像を拡大コピーするための設定であり、デフォルト設定値は「OFF」になっている。例えば、複合機Aは、「拡大連写」設定が「ON」になると、1枚の原稿の画像を縦及び横方向に3分割した画像、すなわち原稿の画像を9分割した画像それぞれを拡大コピーする。
【0031】
図2に戻り、CPU1は、ステップS1の後に、グレイアウト表示された第2の設定の設定画面表示ボタンが押下されたか否か判定する(ステップS2)。CPU1は、ステップS2において『NO』と判定した場合には、すなわちグ第2の設定の設定画面表示ボタンが押下されていない場合には、ステップS2で待機する。CPU1は、ステップS2において『YES』と判定した場合には、すなわち第2の設定の設定画面表示ボタンが押下された場合には、プレビュー領域上に禁則仕様の適用の原因になった第1の設定の設定値をタッチパネル9aに表示させる(ステップS3)。
【0032】
例えば、ステップS2において図4に示すコピー基本画面上のグレイアウト表示された「拡大連写」ボタンが押されると、図5に示すようにプレビュー領域上に「両面/分割」設定の設定値である「片面→両面」が表示される。この際、このコピー基本画面には、ごみ箱アイコンも表示される。なお、ごみ箱アイコンの詳細については、後述する。
【0033】
図2に戻り、CPU1は、ステップS2の後に、プレビュー領域上の第1の設定の設定値の表示部分がドラッグされた後にごみ箱アイコン(第1の場所)上でドロップされたか否か判定する(ステップS4)。CPU1は、ステップ3において『NO』と判定された場合には、すなわちプレビュー領域上の第1の設定の設定値の表示部分がドラッグされた後にごみ箱アイコン上でドロップされなかった場合に、ステップS4で待機する。CPU1は、ステップ3において『YES』と判定された場合には、すなわちプレビュー領域上の第1の設定の設定値の表示部分がドラッグされた後にごみ箱アイコン上でドロップされた場合に、禁則仕様の適用の原因の第1の設定の設定値を解除し、当該設定をデフォルト設定値に戻す。
【0034】
例えば、ステップS4において図6に示すようにプレビュー領域上の「両面/分割」設定の「片面→両面」の表示部分が太矢印方向にドラッグされた後にごみ箱アイコン上でドロップされると、「両面/分割」設定の「片面→両面」が解除されて、デフォルト設定値である「片面→片面」に戻る。
【0035】
以上のように、本実施形態に係る複合機Aは、第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて第2の設定の設定値が設定できない場合に、第2の設定の設定画面表示ボタンをグレイアウト表示する。そして、複合機Aは、第2の設定の設定画面表示ボタンが押下されると、タッチパネル9a上の設定操作領域とは別の領域、すなわちプレビュー領域上に禁則仕様の適用の原因となる第1の設定の設定値を表示する。さらに、複合機Aは、プレビュー領域上の第1の設定の設定値の表示部分がドラッグされた後にごみ箱アイコン上でドラッグされると、第1の設定の設定値を解除する。このように、複合機Aは、第2の設定に禁則仕様が適用される原因となる第1の設定の設定値を第2の画面上に表示するので、他の表示、すなわち設定操作領域の表示を邪魔をすることなく禁則仕様の適用の原因となる第1の設定の設定値をユーザに通知することができる。
【0036】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態は、画像形成装置の1つである複合機Aに本発明を適用したものであるが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、携帯端末などのあらゆる機器に、本発明に係る設定装置を適用することができる。
【0037】
(2)上記実施形態では、設定操作領域(第1の画面)とプレビュー領域(第2の画面)とが異なる位置に配置されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、CPU1は、グレイアウト表示された第2の設定の設定画面表示ボタンが押下されると、図7に示すように当該設定画面表示ボタンに重なるように第1の設定の設定値を表示した吹き出し画面(第2の画面)をタッチパネル9aに表示させるようにしてもよい。その際、吹き出し画面は、設定操作領域が見えるように透過にする。
【0038】
(3)上記実施形態では、プレビュー領域(第2の画面)に禁則原因である第1の設定を表示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第1の設定の設定とともに第2の設定をプレビュー領域に表示するようにしてもよい。第1の例として、ユーザが、第1の設定として「ページ集約」設定に設定値「2in1」を設定し、第2の設定として「原稿サイズ混載」設定の設定値「サイズ混載」を設定したとする。そして、CPU1は、「ページ集約」設定の設定値「2in1」と「原稿サイズ混載」設定の設定値「サイズ混載」とは禁則関係であるが、「ページ集約」設定に「2in1」が設定されていた場合でも、「原稿サイズ混載」設定に「サイズ混載」の設定することを可能にする。しかし、CPU1は、この両設定が上記設定値である状態では、操作表示部9のスタートキーが押下されてもコピーを実行させない。
【0039】
そして、CPU1は、上述したように第1の設定及び第2の設定が設定されると、図8の(a)に示すようにプレビュー領域に第1の設定の設定値として「ページ集約」設定の「2in1」をアイコンで表示させ、第2の設定の設定値として「原稿サイズ混載」設定の設定値「サイズ混載」をアイコンで表示させる。さらに、CPU1は、その他の設定(第3の設定)として「濃度」設定が「濃い」に変更されると、当該「濃度」設定の設定値「濃い」もプレビュー領域にアイコンで表示させる。そして、CPU1は、禁則関係である「ページ集約」設定の設定値「2in1」と「原稿サイズ混載」設定の設定値「サイズ混載」とのアイコンの表示色を赤色にすることで、「濃度」設定の設定値のアイコンの表示色(黒色)と異ならせる。
【0040】
ここで、プレビュー領域において禁則結果を示している図8(a)の表示(→禁則(×))と図8(b)の表示(→禁則(○))とを禁則関連表示と言う。禁則関連表示は、禁則である場合には、図8(a)に示す表示(→禁則(×))になり、禁則でない場合には、図8(b)の表示(→禁則(○))になる。さらに、禁則である場合には、禁則関連表示を赤色にして、禁則でない場合には、禁則関連表示を黒色にする。そうすることで、色と禁則か否かとが関連付けられて、よりユーザに理解しやすいものになる。
【0041】
このような状態において、CPU1は、プレビュー領域上において第1の設定(「ページ集約」設定)または第2の設定(「原稿サイズ混載」設定)の設定値を第1の設定と第2の設定との禁則関係を解除する設定値に変更する操作を有効にする。
例えば、プレビュー領域の「原稿サイズ混載」設定の設定値「サイズ混載」のアイコンがドラッグされた後にごみ箱アイコン上でドロップされる。すると、CPU1は、「原稿サイズ混載」設定の設定値「サイズ混載」を解除して、デフォルト設定値である「設定しない」に戻し、図8の(b)に示すように第2の設定の設定値のアイコンを消去し、残った第1の設定(「ページ集約」設定)の設定値のアイコンの表示色を黒色にする。そして、CPU1は、このように禁則関係が解除されると、操作表示部9のスタートキーの押下を有効にする。
【0042】
また、プレビュー領域の「ページ集約」設定の設定値「2in1」のアイコンがドラッグされた後にごみ箱アイコン上でドロップされる。すると、CPU1は、「ページ集約」設定の設定値「2in1」を解除して、デフォルト設定値である「設定しない」に戻し、第1の設定(「ページ集約」設定)の設定値のアイコンを消去し、残った第2の設定(「原稿サイズ混載」設定)の設定値のアイコンの表示色を黒色にする。そして、CPU1は、このように禁則関係が解除されると、操作表示部9のスタートキーの押下を有効にする。
また、CPU1は、「濃度」設定(第3の設定)の設定値「濃い」のアイコンがドラッグされた後にごみ箱アイコン上でドロップされた場合に、「濃度」設定の設定値「濃い」を解除しない。
【0043】
また、第2の例として、ユーザが、第1の設定として「保存ファイル形式」設定に設定値「JBIG」を設定し、第2の設定として「保存カラー/白黒」設定の設定値「白黒」を設定したとする。そして、CPU1は、「保存ファイル形式」設定の設定値「JBIG」と「保存カラー/白黒」設定の設定値「白黒」とは禁則関係であるが、「保存ファイル形式」設定に「JBIG」が設定されていた場合でも、「保存カラー/白黒」設定に「白黒」の設定することを可能にする。しかし、CPU1は、この両設定が上記設定値である状態では、操作表示部9のスタートキーが押下されてもコピーを実行させない。
【0044】
そして、CPU1は、上述したように第1の設定及び第2の設定が設定されると、図9の(a)に示すようにプレビュー領域に第1の設定の設定値として「保存ファイル形式」設定の「JBIG」をアイコンで表示させ、第2の設定の設定値として「保存カラー/白黒」設定の設定値「白黒」をアイコンで表示させる。さらに、CPU1は、その他の設定(第3の設定)として「濃度」設定が「濃い」に変更されると、当該「濃度」設定の設定値「濃い」もプレビュー領域にアイコンで表示させる。そして、CPU1は、禁則関係である「保存ファイル形式」設定の「JBIG」と「保存カラー/白黒」設定の設定値「白黒」とのアイコンの表示色を赤色にすることで、「濃度」設定の設定値のアイコンの表示色(黒色)と異ならせる。
【0045】
このような状態において、CPU1は、プレビュー領域上において第1の設定(「保存ファイル形式」設定)または第2の設定(「保存カラー/白黒」設定)の設定値を第1の設定と第2の設定との禁則関係を解除する設定値に変更する操作を有効にする。
CPU1は、例えば、図9の(b)に示すようにプレビュー領域が操作されて「保存カラー/白黒」設定の設定値が「カラー」に変更されると、「保存ファイル形式」設定及び「保存カラー/白黒」設定の設定値を有効にし、「保存ファイル形式」設定及び「保存カラー/白黒」設定の設定値のアイコンの表示色を黒色に戻す。そして、CPU1は、このように禁則関係が解除されると、操作表示部9のスタートキーの押下を有効にする。
【0046】
(4)上記実施形態では、タッチパネル9a上のプレビュー領域(第2の画面に)に第1の設定を表示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、プリンタドライバ(表示プログラム)がインストールされたコンピュータは、上記プリンタドライバに基づいてディスプレイ上の第2の画面に第1の設定の設定値を表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
A…複合機、1…CPU(制御手段)、2…ROM(制御手段)、3…RAM(制御手段)、4…各種センサ群、5…画像読取部、6…画像データ記憶部、7…用紙搬送/画像形成部、8…通信I/F部、9…操作表示部、9a…タッチパネル(操作表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上が操作されることで各種操作指示を受け付ける操作表示手段を具備し、前記操作表示手段は、設定操作のための設定操作領域画面(第1の画面)とともに前記第1の画面とは別の領域画面(第2の画面)を表示する設定装置であって、
禁則原因である第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて第2の設定の設定値が無効になる場合に、前記第1の設定の設定値を前記第2の画面に表示させる制御手段を具備することを特徴とする設定装置。
【請求項2】
前記第2の画面は、前記第1の画面と異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の設定装置。
【請求項3】
前記第2の画面は、前記第1の画面と重なる位置に配置され、重なった場所は透過されていることを特徴とする請求項1に記載の設定装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の画面上の前記第2の設定に関する操作ボタン(第2の設定ボタン)を前記操作表示手段にグレイアウト表示させ、当該第2の設定ボタンが操作されると、前記第1の設定の設定値を前記第2の画面に表示させる請求項1〜3のいずれかに記載の設定装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の設定の設定値とともに前記第2の設定の設定値を前記操作表示手段に表示させ、さらに前記第1の設定及び第2の設定以外の第3の設定の設定値が設定操作されると前記第3の設定の設定値を前記操作表示手段に表示させ、前記第1の設定及び前記第2の設定の設定値の表示態様を前記第3の設定の設定値と異ならせることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の設定装置。
【請求項6】
前記第1の設定及び前記第2の設定の設定値の表示色が第3の設定の設定値と異なることを特徴とする請求項5に記載の設定装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第2の画面上において前記第1の設定または前記第2の設定の設定値を前記第1の設定と前記第2の設定との禁則関係を解除する設定値に変更する操作を有効にすることを特徴とする請求項5または6に記載の設定装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第2の画面上の第1の設定の設定値または第2の設定の設定値の表示箇所がドラッグされた後に第1の場所上でドロップされると、前記第1の設定の設定値を解除することを特徴とする請求項4〜7に記載の設定装置。
【請求項9】
コンピュータの表示部に表示させた画面が操作されることで各種操作指示を受け付ける操作表示処理を具備し、前記操作表示処理は、設定操作のための設定操作領域画面(第1の画面)とともに前記第1の画面とは別の領域画面(第2の画面)を前記表示部に表示させる表示プログラムであって、
禁則原因である第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて第2の設定の設定値が無効になる場合に、前記第1の設定の設定値を前記第2の画面に表示させる制御処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
【請求項10】
画面が操作されることで各種操作指示を受け付ける操作表示工程を具備し、前記操作表示工程は、設定操作のための設定操作領域画面(第1の画面)とともに前記第1の画面とは別の領域画面(第2の画面)を表示する表示方法であって、
禁則原因である第1の設定の設定値の禁則仕様に基づいて第2の設定の設定値が無効になる場合に、前記第1の設定の設定値を前記第2の画面に表示させる制御工程を具備することを特徴とする表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−154640(P2011−154640A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17044(P2010−17044)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】