説明

設置位置移動検出システムおよび通信装置

【課題】ネットワークとサーバ装置の負荷を低減し、通信装置の設置についての制限を緩和する。
【解決手段】通信装置1は、GPSによって現在位置情報を取得する位置情報取得部22と、電源が再投入されたとき又は自装置の移動を検知したときに情報取得装置4からオリジナル位置情報を取得するオリジナル位置情報取得部24と、自装置の移動が許容範囲内かどうかを判定する移動範囲判定部28と、移動が許容範囲外と判定された場合又は電源が再投入されたときに現在位置情報を取得できなかった場合は、通信サービスを停止し、移動が許容範囲内と判定された場合又は自装置の移動を検知したときに現在位置情報を取得できなかった場合は、通信サービスを継続させる通信サービス制御部29と、移動が許容範囲外と判定された場合に情報取得装置4に通知する通知部26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の場所に設置された通信装置が、その特定の場所から一定の許容範囲を越えて動かされたときにその移動を検出して通知する設置位置移動検出システムおよび通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機器の移動を遠隔地で検出するには、対象機器にGPS(Global Positioning System)などを搭載し、GPSによって機器の位置情報を取得することで、当初の設置場所からの移動を判定することが行われている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなシステムでは、個々の対象機器の当初の設置位置情報を、ネットワーク上のサーバ装置で個別に管理した上で、サーバ装置が対象機器から現在の位置情報を取得し、当初の設置位置と現在位置とを比較することにより、対象機器の移動を常に判定する必要があった。また、サーバ装置は、このような対象機器の位置情報の取得と移動判定に加えて、対象機器の移動が一定の許容範囲内かどうかを判定する必要があった。
【0004】
さらに、GPSを用いて機器の位置情報を取得するためには、常にGPS衛星からの電波を受信できる場所に対象機器を設置し、対象機器が移動していないかどうかをサーバ装置で定期的に判定する必要があった。
【0005】
携帯電話機を家庭内でより便利に使えるようにするフェムトセルサービス等では、窓側や玄関といった建物の周辺部よりも、GPS衛星からの電波が入りくにい建物の中心部で携帯電話機が使われることが多いと想定される。このため、常にGPS衛星からの電波を受信できていないとサービスを提供できないシステムの仕組みでは、サービスの効果は半減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−310499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術において、個々の対象機器の当初の設置位置情報をサーバ装置等で管理し、全ての対象機器から現在の位置情報を取得して対象機器の移動判定を行う場合、ほとんど移動のない対象機器に関しては移動判定にかかる処理の多くが無駄となるという問題点があった。
また、一定の範囲内での機器の移動が許容されている場合でも、サーバ装置側で移動判定を行う必要があり、ほとんど移動のない対象機器に関しては移動判定にかかる処理が無駄となるという問題点があった。
また、従来技術では、サーバ装置が常に定期的に対象機器の位置情報を取得する必要があるので、ネットワークとサーバ装置の負荷が大きくなるという問題点があった。
【0008】
さらに、従来技術では、対象機器の位置情報の取得にGPSを用いる場合、GPS衛星からの電波が届かない場所においては位置情報の取得ができないので、建物内での機器の移動が許容されている場合でも、移動判定のための情報が得られないという問題点があった。対象機器がフェムトセルサービス等の通信装置である場合、現在の位置情報が取得できないときには、ネットワーク上のサーバ装置側でサービスを停止しようとするので、一時的にGPS衛星からの電波の受信状態が悪くなったときにサービスが停止してしまう可能性があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ネットワークとサーバ装置の負荷を低減することができ、位置情報の取得にGPSを用いる場合に通信装置の設置についての制限を緩和することができる設置位置移動検出システムおよび通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の設置位置移動検出システムは、通信装置と、この通信装置の移動を監視する、ネットワーク上のサーバ装置とから構成され、前記通信装置は、GPSによって自装置の現在の位置情報を取得する位置情報取得手段と、自装置の移動を検知する移動検知手段と、通信サービス利用開始前に前記位置情報取得手段で取得した位置情報をオリジナル位置情報として前記サーバ装置に登録するオリジナル位置情報登録手段と、電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記位置情報取得手段で取得した位置情報を現在位置情報として記憶する現在位置情報記憶手段と、電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記サーバ装置から前記オリジナル位置情報を取得するオリジナル位置情報取得手段と、電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記オリジナル位置情報と前記現在位置情報に基づいて、自装置の移動が所定の許容範囲内かどうかを判定する判定手段と、この判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合又は電源が再投入されたときに前記位置情報取得手段で位置情報を取得できなかった場合には、提供中の通信サービスを停止し、自装置の移動が許容範囲内と判定された場合又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに前記位置情報取得手段で位置情報を取得できなかった場合には、前記通信サービスを継続させる通信サービス制御手段と、前記判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合に、自装置の移動が許容範囲外であることを前記サーバ装置に通知する通知手段とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の設置位置移動検出システムの1構成例において、前記位置情報取得手段は、一定時間毎に自装置の現在の位置情報を取得し、前記オリジナル位置情報取得手段は、一定時間毎に前記オリジナル位置情報を取得し、前記判定手段は、一定時間毎に自装置の移動が所定の許容範囲内かどうかを判定し、前記通信サービス制御手段は、前記判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合には、前記通信サービスを停止し、自装置の移動が許容範囲内と判定された場合又は一定時間毎の取得時において現在の位置情報を取得できなかった場合には、前記通信サービスを継続させることを特徴とするものである。
また、本発明の設置位置移動検出システムの1構成例は、さらに、前記通信装置は、前記オリジナル位置情報を記憶するオリジナル位置情報記憶手段を備え、前記オリジナル位置情報取得手段は、前記オリジナル位置情報記憶手段に前記オリジナル位置情報が記憶されている場合には、前記サーバ装置の代わりに、前記オリジナル位置情報記憶手段から前記オリジナル位置情報を取得することを特徴とするものである。
また、本発明の設置位置移動検出システムの1構成例において、前記通信サービス制御手段は、前記通信サービスを停止させるときに、ネットワーク装置に通知することにより、前記通信サービスを停止させることを特徴とするものである。
また、本発明の設置位置移動検出システムの1構成例において、前記通知手段は、前記オリジナル位置情報を取得したときに、前記判定手段の判定結果を少なくとも一度は前記ネットワーク装置に通知することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の通信装置は、GPSによって自装置の現在の位置情報を取得する位置情報取得手段と、自装置の移動を検知する移動検知手段と、通信サービス利用開始前に前記位置情報取得手段で取得した位置情報をオリジナル位置情報としてネットワーク上のサーバ装置に登録するオリジナル位置情報登録手段と、電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記位置情報取得手段で取得した位置情報を現在位置情報として記憶する現在位置情報記憶手段と、電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記サーバ装置から前記オリジナル位置情報を取得するオリジナル位置情報取得手段と、電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記オリジナル位置情報と前記現在位置情報に基づいて、自装置の移動が所定の許容範囲内かどうかを判定する判定手段と、この判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合又は電源が再投入されたときに前記位置情報取得手段で位置情報を取得できなかった場合には、提供中の通信サービスを停止し、自装置の移動が許容範囲内と判定された場合又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに前記位置情報取得手段で位置情報を取得できなかった場合には、前記通信サービスを継続させる通信サービス制御手段と、前記判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合に、自装置の移動が許容範囲外であることを前記サーバ装置に通知する通知手段とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電源が再投入されたとき又は通信装置の移動を検知したときに、通信装置の移動が所定の許容範囲内かどうかを判定し、通信装置の移動が許容範囲外と判定された場合又は電源が再投入されたときに現在位置情報を取得できなかった場合には、通信サービスを停止し、通信装置の移動が許容範囲内と判定された場合又は通信装置の移動を検知したときに現在位置情報を取得できなかった場合には、通信サービスを継続させ、通信装置の移動が許容範囲外と判定された場合に、通信装置の移動が許容範囲外であることをサーバ装置に通知することにより、通信装置とサーバ装置との間で無駄なトラヒックが頻繁にやり取りされることがなくなり、また通信装置又はサーバ装置で頻繁に移動判定を行う必要がなくなる。その結果、本発明では、ネットワークとサーバ装置の負荷を低減することができる。また、本発明では、電源オン時に通信装置が移動の許容範囲内に入っていて、その後電源が入ったままの状態で通信装置が動かされ、現在位置情報を取得できなくなった場合には、通信サービスを継続するので、GPS衛星からの電波を受信できない場所に通信装置を一時的に設置することが可能となり、通信装置の設置についての制限を緩和することができる。
【0014】
また、本発明では、一定時間毎に現在位置情報を取得することにより、通信装置が許容範囲を越えて動かされた場合に、その移動途中においてGPS衛星からの電波を受信できたタイミングで通信装置の移動が許容範囲内かどうかを判定することができ、サービス提供の是非を判定することができる。
【0015】
また、本発明では、オリジナル位置情報記憶手段にオリジナル位置情報が記憶されている場合には、サーバ装置の代わりに、オリジナル位置情報記憶手段からオリジナル位置情報を取得するようにしたので、ネットワークとサーバ装置の負荷を更に低減することができる。
【0016】
また、本発明では、通信サービスを停止させるときに、ネットワーク装置に通知することにより、ネットワーク装置側で通信サービスを停止させることができる。
【0017】
また、本発明では、オリジナル位置情報を取得したときに、判定手段の判定結果を少なくとも一度はネットワーク装置に通知することにより、ネットワーク装置側で通信サービス提供の是非を判断することができ、通信装置に何らかの異常があった場合に通信サービスを停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る設置位置移動検出システムの通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る設置位置移動検出システムの情報取得装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る通信装置の初期設定時の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る通信装置の初期設定時の動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る通信装置の電源再投入時の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る通信装置の電源再投入時の動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る通信装置の移動検知時の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る通信装置の移動検知時の動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る通信装置の移動検知時の動作を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る通信装置の定期チェック動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る通信装置の定期チェック動作を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る設置位置移動検出システムの適用例を示すネットワーク構成図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る設置位置移動検出システムのサービス継続性について説明する図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る設置位置移動検出システムの通信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る設置位置移動検出システムの通信装置の構成を示すブロック図である。通信装置1は、通信装置1の移動を監視するサーバ装置である情報取得装置4とネットワークを介して接続されている。本実施の形態の設置位置移動検出システムでは、通信装置1が許容範囲を越えて移動したことを通信装置自らが検出したときに情報取得装置4に通知するようになっている。これにより、情報取得装置4は、通信装置1の移動を認識することができる。
【0020】
通信装置1は、移動検出装置2と、GPSアンテナ3とを有する。移動検出装置2は、通信装置1の移動を振動センサや地磁気センサ、加速度センサ等により検知する移動検知部20と、時間を計測する時間計測部21と、GPSによって通信装置1の現在の位置情報を取得する位置情報取得部22と、位置情報取得部22が取得した現在位置情報を記憶する位置情報記憶部23と、後述するオリジナル位置情報記憶部または情報取得装置4から通信装置1の初期設定時のオリジナル位置情報を取得するオリジナル位置情報取得部24と、オリジナル位置情報を記憶するオリジナル位置情報記憶部25と、情報取得装置4に対してオリジナル位置情報を通知したり、通信装置1が移動の許容範囲外に移動したことを通知したりする通知部26と、オリジナル位置情報記憶部25に記憶されたオリジナル位置情報と位置情報記憶部23に記憶された現在位置情報に基づいて通信装置1のオリジナル位置と現在位置との距離を計算する移動距離計算部27と、移動距離計算部27の計算結果に基づいて通信装置1の移動が許容範囲内かどうかを判定する移動範囲判定部28と、移動範囲判定部28の判定結果および位置情報取得部22による現在位置情報の取得の可否に基づいて通信サービス提供の是非を判断する通信サービス制御部29とを有する。
【0021】
通知部26は、オリジナル位置情報を情報取得装置4に登録するオリジナル位置情報登録手段を構成している。移動距離計算部27と移動範囲判定部28とは、通信装置1の移動が所定の許容範囲内かどうかを判定する判定手段を構成している。
【0022】
図2は情報取得装置4の構成を示すブロック図である。情報取得装置4は、通信装置1から送られる位置情報等を受信する受信部40と、通信装置1に情報を送信する送信部41と、通信装置1の位置情報等を記憶する記憶部42と、情報取得装置全体を制御する制御部43とを有する。
【0023】
次に、通信装置1の初期設定を行うときの設置位置移動検出システムの動作を図3、図4を参照して説明する。最初に、通信装置1の電源がオンとなり(図4ステップS200)、通信装置本体から初期登録指示があると(ステップS201)、移動検出装置2の位置情報取得部22は、GPSによって自装置の位置情報を取得する(図3ステップS100、図4ステップS202)。位置情報取得部22は、取得した位置情報をオリジナル位置情報としてオリジナル位置情報記憶部25に記憶させる(ステップS101,S203)。
【0024】
続いて、移動検出装置2の通知部26は、位置情報取得部22が取得した位置情報をオリジナル位置情報として情報取得装置4に通知する(ステップS102,S204)。このとき、通知部26は、通信装置1に固有の機器固有情報をオリジナル位置情報に付加して送信する。機器固有情報としては、例えばMAC(Media Access Control)アドレスや通信装置1のシリアル番号がある。
【0025】
情報取得装置4の受信部40は、移動検出装置2から受信したオリジナル位置情報と機器固有情報とを制御部43に渡す。制御部43は、オリジナル位置情報と機器固有情報とを対応付けて記憶部42に登録する(図4ステップS205)。そして、情報取得装置4の送信部42は、オリジナル位置情報の登録完了後に、登録完了を示す応答を移動検出装置2に送信する(ステップS206)。
【0026】
移動検出装置2の通知部26は、情報取得装置4からの応答を受信して、オリジナル位置情報の登録が完了したことを認識すると(図3ステップS103においてYES)、登録完了を通信サービス制御部29に通知する。この通知に応じて、通信サービス制御部29は、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを開始させる(ステップS104,S207)。
【0027】
以上で、通信装置1の初期設定時の動作が終了する。なお、ステップS100,S202において位置情報を取得できない場合には、通信サービスを開始することはできない。したがって、通信装置1の初期位置は、GPS衛星からの電波を受信可能な位置である必要がある。
【0028】
次に、通信装置1の電源がいったん落とされて再投入されたときの設置位置移動検出システムの動作を図5、図6を参照して説明する。通信装置1の電源が再投入され(図6ステップS400)、通信装置本体からサービス開始の可否問い合わせがあると(ステップS401)、移動検出装置2の位置情報取得部22は、自装置の位置情報を取得する(図5ステップS300、図6ステップS402)。位置情報取得部22は、取得した位置情報を位置情報記憶部23に記憶させる(ステップS301,S403)。
【0029】
移動検出装置2の通信サービス制御部29は、位置情報取得部22で位置情報を取得できなかった場合(図5ステップS302においてNO)、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを不可と判断し、提供中の通信サービスを停止させる(ステップS309)。したがって、初期設定の場合と同様に、電源再投入時の通信装置1の位置は、GPS衛星からの電波を受信可能な位置である必要がある。
【0030】
一方、移動検出装置2のオリジナル位置情報取得部24は、オリジナル位置情報記憶部25にオリジナル位置情報が記憶されているかどうかを確認し(図6ステップS404)、オリジナル位置情報が記憶されていない場合には、情報取得装置4に対して通信装置1の機器固有情報を送信し、オリジナル位置情報を問い合わせる(ステップS405)。オリジナル位置情報記憶部25が揮発性メモリの場合、電源の再投入時にはオリジナル位置情報記憶部25にオリジナル位置情報が登録されていないので、情報取得装置4に問い合わせることになる。
【0031】
情報取得装置4の受信部40は、移動検出装置2から受信した機器固有情報を制御部43に渡す。制御部43は、記憶部42を参照して、機器固有情報に対応するオリジナル位置情報を記憶部42から取得し、このオリジナル位置情報を送信部41に渡す(図6ステップS406)。送信部41は、制御部43から受け取ったオリジナル位置情報を移動検出装置2に送信する(ステップS407)。
【0032】
移動検出装置2のオリジナル位置情報取得部24は、情報取得装置4からオリジナル位置情報を受信すると(図5ステップS303)、このオリジナル位置情報をオリジナル位置情報記憶部25に記憶させる(ステップS304,S408)。
次に、移動検出装置2の移動距離計算部27は、位置情報取得部22によって現在の位置情報を取得することができ、かつオリジナル位置情報取得部24によってオリジナル位置情報を取得することができた場合、自装置のオリジナル位置と現在の位置との距離を計算する(ステップS305)。
【0033】
移動検出装置2の移動範囲判定部28は、移動距離計算部27が計算した移動距離と所定の許容値とを比較し、自装置の移動が許容範囲内かどうかを判定する(ステップS306,S409)。移動範囲判定部28は、移動距離が許容値以下の場合、自装置の移動が許容範囲内と判定する。
移動検出装置2の通信サービス制御部29は、移動範囲判定部28によって自装置の移動が許容範囲内と判定された場合、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを開始させる(ステップS307,S410)。
【0034】
また、移動範囲判定部28は、移動距離が許容値を超えた場合、自装置の移動が許容範囲外と判定する。この場合、移動検出装置2の通知部26は、自装置の移動が許容範囲外であることを情報取得装置4に通知する(ステップS308)。
そして、通信サービス制御部29は、移動範囲判定部28によって自装置の移動が許容範囲外と判定された場合、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを停止させる(ステップS309,S410)。
以上で、通信装置1の電源再投入時の動作が終了する。
【0035】
次に、通信装置1の移動を検知したときの設置位置移動検出システムの動作を図7、図8、図9を参照して説明する。なお、図8は位置情報取得部22で位置情報を取得できた場合の動作を示し、図9は位置情報取得部22で位置情報を取得できなかった場合の動作を示している。
【0036】
移動検知部20によって自装置の移動が検知されると(図8ステップS600)、移動検出装置2の位置情報取得部22は、自装置の位置情報を取得する(図7ステップS500、図8ステップS601)。位置情報取得部22は、取得した位置情報を位置情報記憶部23に記憶させる(ステップS501,S602)。
【0037】
また、移動検出装置2は、位置情報取得部22で位置情報を取得できなかった場合(図7ステップS502においてNO)、図9に示すように何らの処理も実施せずに移動検知シーケンスを終了する。この場合、移動検出装置2の通信サービス制御部29は、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを継続させる(ステップS507)。
【0038】
図8のステップS603,S604,S605,S606の処理は、それぞれ図6のステップS404,S405,S406,S407と同じである。
移動検出装置2のオリジナル位置情報取得部24は、情報取得装置4からオリジナル位置情報を受信すると(ステップS503)、このオリジナル位置情報をオリジナル位置情報記憶部25に記憶させる(ステップS504,S607)。なお、ステップS603においてオリジナル位置情報を確認した際に、オリジナル位置情報記憶部25にオリジナル位置情報が登録されている場合には、オリジナル位置情報記憶部25からオリジナル位置情報を取得すればよく、情報取得装置4からオリジナル位置情報を新たに取得する必要はない。
【0039】
図7のステップS505の処理は、図5のステップS305と同じである。移動検出装置2の移動範囲判定部28は、移動距離計算部27が計算した移動距離と所定の許容値とを比較し、自装置の移動が許容範囲内かどうかを判定する(ステップS506,S608)。
移動検出装置2の通信サービス制御部29は、移動範囲判定部28によって自装置の移動が許容範囲内と判定された場合、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを継続させる(ステップS507,S609)。
【0040】
また、移動検出装置2の通知部26は、移動範囲判定部28によって自装置の移動が許容範囲外と判定された場合、自装置の移動が許容範囲外であることを情報取得装置4に通知する(ステップS508)。そして、通信サービス制御部29は、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを停止させる(ステップS509,S609)。
以上で、通信装置1の移動検知時の動作が終了する。
【0041】
次に、通信装置1の一定時間毎の定期チェック動作を図10、図11を参照して説明する。移動検出装置2の時間計測部21は、時間計測を行っている。移動検出装置2の位置情報取得部22は、一定時間が経過する度に(図11ステップS800)、自装置の位置情報を取得する(図10ステップS700、図11ステップS801)。位置情報取得部22は、取得した位置情報を位置情報記憶部23に記憶させる(ステップS701,S802)。
【0042】
移動検出装置2の通信サービス制御部29は、位置情報取得部22で位置情報を取得できなかった場合(図10ステップS702においてNO)、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを継続させる(ステップS707)。
【0043】
図11のステップS803,S804,S805,S806の処理は、それぞれ図6のステップS404,S405,S406,S407と同じである。
移動検出装置2のオリジナル位置情報取得部24は、情報取得装置4からオリジナル位置情報を受信すると(ステップS703)、このオリジナル位置情報をオリジナル位置情報記憶部25に記憶させる(ステップS704,S807)。
【0044】
図10のステップS705の処理は、図5のステップS305と同じである。移動検出装置2の移動範囲判定部28は、自装置の移動が許容範囲内かどうかを判定する(ステップS706,S808)。
移動検出装置2の通信サービス制御部29は、移動範囲判定部28によって自装置の移動が許容範囲内と判定された場合、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを継続させる(ステップS707,S809)。
【0045】
また、移動検出装置2の通知部26は、移動範囲判定部28によって自装置の移動が許容範囲外と判定された場合、自装置の移動が許容範囲外であることを情報取得装置4に通知する(ステップS708)。そして、通信サービス制御部29は、通信装置本体とネットワークとの通信サービスを停止させる(ステップS709,S809)。
以上のような定期チェック動作が一定時間毎に行われる。なお、本実施の形態では、初期設定時、電源再投入時、移動検知時の動作が主たる動作であって、これらの動作によりネットワークの負荷、サーバ装置の負荷を軽減することを目的としている。定期チェック動作は、何らかの理由で移動検出装置2内のオリジナル位置情報が失われてしまった場合に対処するための動作である。
【0046】
図12は本実施の形態の具体的な適用例を示すネットワーク構成図である。ここでは、通信装置1をフェムトセル基地局とした場合について示している。通信装置1は、加入者宅5に設置され、ブロードバンドルータ7を介してIP網8と接続されている。IP網8内には、情報取得装置(構内サーバ装置)4が設置されている。携帯電話網9内には、基地局制御装置(RNC:Radio Network Controller)10と、基地局11とが設置されている。通信装置1は、加入者の携帯電話機6と通話相手の携帯電話機12とをブロードバンドルータ7、IP網8および携帯電話網9を介して接続する通信サービスを提供する。あるいは、通信装置1は、携帯電話機6と電話機14とをブロードバンドルータ7、IP網8および固定電話網13を介して接続する通信サービスを提供する。
【0047】
このような通信サービスを提供するシステムにおいて、通信装置1の初期設定時および電源再投入時には、上記のとおりGPS衛星からの電波を受信できる位置に通信装置1を設置する必要がある。通信装置1が電源が入ったままの状態で例えば加入者によって移動の許容範囲外に動かされた場合、通信サービスは停止される。一方、通信装置1が電源が入ったままの状態でGPS衛星からの電波を受信できない場所に動かされた場合、本実施の形態では通信サービスを継続させるので、加入者は通信サービスを継続して受けることができる。
【0048】
図13は本実施の形態のサービス継続性について説明する図である。図13において、100は通信装置1の移動の許容範囲、101はGPS衛星からの電波を受信できない衛星電波受信不可エリアである。102は電源がオフのまま通信装置1が衛星電波受信不可エリア101に移動した場合を示している。この102の場合、衛星電波受信不可エリア101に移動後に、通信装置1の電源が投入されたとしても通信サービスを開始することはできない。図13では、この状態を「×」印で表している。103は電源がオフのまま通信装置1が許容範囲100外に移動した場合を示している。この103の場合も通信サービスを開始することはできない。104,105は電源がオフのまま通信装置1が加入者宅5から別の加入者宅5aに移動した場合を示しているが、加入者宅5aは許容範囲100の外にあるので、これら104,105の場合も通信サービスを開始することはできない。
【0049】
106は電源がオンのまま通信装置1が許容範囲100外に移動した場合を示している。この106の場合は、通信サービスが停止される。107は電源がオンのまま通信装置1が加入者宅5外に移動した場合を示し、108は電源がオンのまま通信装置1が加入者宅5内で移動した場合を示している。これら107,108のいずれも場合も通信装置1は許容範囲100内で移動しているので、通信サービスは継続される。図13では、この状態を「○」印で表している。109は電源がオンのまま通信装置1が衛星電波受信不可エリア101に移動した場合を示している。この109の場合も通信サービスは継続される。
【0050】
以上のように、本実施の形態では、常に定期的に位置情報を取得して移動を検知する従来技術とは異なり、通信装置1の電源が再投入されたときと通信装置1が動かされたときに情報取得装置4と通信し、情報取得装置4からオリジナル位置情報を取得して、通信装置1が許容範囲を越えて移動したかどうかを判定するようにしたので、通信装置1と情報取得装置4との間で無駄なトラヒックが頻繁にやり取りされることがなくなり、また通信装置1または情報取得装置4で頻繁に移動判定を行う必要がなくなる。その結果、本実施の形態では、情報取得装置4が通信装置1の移動を監視する場合に、ネットワークと情報取得装置4の負荷を低減することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、通信装置1が電源オン時に移動の許容範囲内に入っていて、その後電源が入ったままの状態で通信装置1が動かされ、現在の位置情報を取得できなくなった場合には、通信装置1が許容範囲内にいるものと見なして提供中の通信サービスを継続する。これにより、本実施の形態では、現在の位置情報の取得に衛星からの電波を用いるGPSを使用する場合に、GPS衛星からの電波を受信できない場所に通信装置1を一時的に設置することが可能となり、通信装置1の設置についての制限を緩和することができる。
【0052】
さらに、本実施の形態では、通信装置1が一定時間毎に現在の位置情報を取得することにより、通信装置1が許容範囲を越えて動かされた場合に、その移動途中においてGPS衛星からの電波を受信できたタイミングで通信装置1の移動が許容範囲内かどうかを判定することができ、サービス提供の是非を判定することができるようになる。本実施の形態では、通信装置1の移動途中に現在の位置情報を取得できなくなった場合に通信サービスを継続する方式と、一定時間毎に現在の位置情報を取得する方式とを併用することで、例えば通信装置1が移動用電源に接続され、広範囲に動かされる場合にも対処することができる。
【0053】
本実施の形態では、通信装置1の僅かな移動時にネットワークと情報取得装置4に負荷をかけることがなくなると共に、通信装置1の移動が許容範囲内であれば、GPS衛星からの電波が届かない居室の奥等にも通信装置1を設置することができ、GPS衛星からの電波の受信状態が一時的に悪くなったときに通信サービスを停止してしまうことがなくなる。
【0054】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図14は本発明の第2の実施の形態に係る設置位置移動検出システムの通信装置の構成を示すブロック図である。第1の実施の形態では、オリジナル位置情報取得部24と通知部26とが情報取得装置4と情報をやり取りしていたが、通信装置1が備える送受信部を介して情報取得装置4との情報のやり取りを行うようにしてもよい。図14において、15は通信装置1の送受信部、16は送受信部15の通信を制御する通信制御部である。加入者が利用する通信サービスも含めて、ネットワークとの全ての通信は送受信部15を介して行われる。したがって、オリジナル位置情報取得部24と通知部26とは、送受信部15を介して情報取得装置4と通信を行うことになる。また、通信サービス制御部29は、送受信部15に対して指示を与えることにより、通信サービスの停止を制御することになる。その他の動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。
【0055】
[第3の実施の形態]
第1、第2の実施の形態では、通信サービスの停止を通信装置側で制御するようにしていたが、IP網上の通信を司るネットワーク装置で通信サービスの停止を行うようにしてもよい。この場合、通信サービス制御部29は、図5のステップS309、図7のステップS509、図10のステップS709において通信サービスを停止させるときに、ネットワーク装置に通信サービスの停止を通知することにより、ネットワーク装置が提供中の通信サービスを停止させる。
【0056】
また、第1、第2の実施の形態では、自装置の移動が許容範囲外である場合のみ情報取得装置4に通知を行うようにしているが、通知部26は、オリジナル位置情報を取得したときに、移動範囲判定部28の判定結果を少なくとも一度はネットワーク装置に通知するようにしてもよい。ネットワーク装置は、通信装置1からオリジナル位置情報の取得要求があった後の特定時間内に通信装置1から移動範囲判定部28の判定結果の通知がなかった場合には、通信サービスの提供を停止するようにしてもよい。これにより、ネットワーク装置は、通信装置1に何らかの異常があった場合に通信サービスを停止させることができる。
【0057】
なお、第1〜第3の実施の形態で説明した通信装置1と情報取得装置4の各々は、それぞれCPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。通信装置1と情報取得装置4の各々のCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
また、第1〜第3の実施の形態では、GPSを通信装置1の内部に実装する例について示したが、GPSを通信装置1の外部に設けて通信装置1と接続し、通信装置1の位置情報を取得できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、特定の場所に設置された通信装置が、その特定の場所から一定の許容範囲を越えて動かされたときにその移動を検出してサーバ装置に通知する技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…通信装置、2…移動検出装置、3…GPSアンテナ、4…情報取得装置、5…加入者宅、6,12…携帯電話機、7…ブロードバンドルータ、8…IP網、9…携帯電話網、10…基地局制御装置、11…基地局、13…固定電話網、14…電話機、20…移動検知部、21…時間計測部、22…位置情報取得部、23…位置情報記憶部、24…オリジナル位置情報取得部、25…オリジナル位置情報記憶部、26…通知部、27…移動距離計算部、28…移動範囲判定部、29…通信サービス制御部、40…受信部、41…送信部、42…記憶部、43…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と、
この通信装置の移動を監視する、ネットワーク上のサーバ装置とから構成され、
前記通信装置は、
GPSによって自装置の現在の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
自装置の移動を検知する移動検知手段と、
通信サービス利用開始前に前記位置情報取得手段で取得した位置情報をオリジナル位置情報として前記サーバ装置に登録するオリジナル位置情報登録手段と、
電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記位置情報取得手段で取得した位置情報を現在位置情報として記憶する現在位置情報記憶手段と、
電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記サーバ装置から前記オリジナル位置情報を取得するオリジナル位置情報取得手段と、
電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記オリジナル位置情報と前記現在位置情報に基づいて、自装置の移動が所定の許容範囲内かどうかを判定する判定手段と、
この判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合又は電源が再投入されたときに前記位置情報取得手段で位置情報を取得できなかった場合には、提供中の通信サービスを停止し、自装置の移動が許容範囲内と判定された場合又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに前記位置情報取得手段で位置情報を取得できなかった場合には、前記通信サービスを継続させる通信サービス制御手段と、
前記判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合に、自装置の移動が許容範囲外であることを前記サーバ装置に通知する通知手段とを備えることを特徴とする設置位置移動検出システム。
【請求項2】
請求項1記載の設置位置移動検出システムにおいて、
前記位置情報取得手段は、一定時間毎に自装置の現在の位置情報を取得し、
前記オリジナル位置情報取得手段は、一定時間毎に前記オリジナル位置情報を取得し、
前記判定手段は、一定時間毎に自装置の移動が所定の許容範囲内かどうかを判定し、
前記通信サービス制御手段は、前記判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合には、前記通信サービスを停止し、自装置の移動が許容範囲内と判定された場合又は一定時間毎の取得時において現在の位置情報を取得できなかった場合には、前記通信サービスを継続させることを特徴とする設置位置移動検出システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の設置位置移動検出システムにおいて、
さらに、前記通信装置は、前記オリジナル位置情報を記憶するオリジナル位置情報記憶手段を備え、
前記オリジナル位置情報取得手段は、前記オリジナル位置情報記憶手段に前記オリジナル位置情報が記憶されている場合には、前記サーバ装置の代わりに、前記オリジナル位置情報記憶手段から前記オリジナル位置情報を取得することを特徴とする設置位置移動検出システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の設置位置移動検出システムにおいて、
前記通信サービス制御手段は、前記通信サービスを停止させるときに、ネットワーク装置に通知することにより、前記通信サービスを停止させることを特徴とする設置位置移動検出システム。
【請求項5】
請求項4記載の設置位置移動検出システムにおいて、
前記通知手段は、前記オリジナル位置情報を取得したときに、前記判定手段の判定結果を少なくとも一度は前記ネットワーク装置に通知することを特徴とする設置位置移動検出システム。
【請求項6】
GPSによって自装置の現在の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
自装置の移動を検知する移動検知手段と、
通信サービス利用開始前に前記位置情報取得手段で取得した位置情報をオリジナル位置情報としてネットワーク上のサーバ装置に登録するオリジナル位置情報登録手段と、
電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記位置情報取得手段で取得した位置情報を現在位置情報として記憶する現在位置情報記憶手段と、
電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記サーバ装置から前記オリジナル位置情報を取得するオリジナル位置情報取得手段と、
電源が再投入されたとき又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに、前記オリジナル位置情報と前記現在位置情報に基づいて、自装置の移動が所定の許容範囲内かどうかを判定する判定手段と、
この判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合又は電源が再投入されたときに前記位置情報取得手段で位置情報を取得できなかった場合には、提供中の通信サービスを停止し、自装置の移動が許容範囲内と判定された場合又は前記移動検知手段が自装置の移動を検知したときに前記位置情報取得手段で位置情報を取得できなかった場合には、前記通信サービスを継続させる通信サービス制御手段と、
前記判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合に、自装置の移動が許容範囲外であることを前記サーバ装置に通知する通知手段とを備えることを特徴とする通信装置。
【請求項7】
請求項6記載の通信装置において、
前記位置情報取得手段は、一定時間毎に自装置の現在の位置情報を取得し、
前記オリジナル位置情報取得手段は、一定時間毎に前記オリジナル位置情報を取得し、
前記判定手段は、一定時間毎に自装置の移動が所定の許容範囲内かどうかを判定し、
前記通信サービス制御手段は、前記判定手段により自装置の移動が許容範囲外と判定された場合には、前記通信サービスを停止し、自装置の移動が許容範囲内と判定された場合又は一定時間毎の取得時において現在の位置情報を取得できなかった場合には、前記通信サービスを継続させることを特徴とする通信装置。
【請求項8】
請求項6または7記載の通信装置において、
さらに、前記オリジナル位置情報を記憶するオリジナル位置情報記憶手段を備え、
前記オリジナル位置情報取得手段は、前記オリジナル位置情報記憶手段に前記オリジナル位置情報が記憶されている場合には、前記サーバ装置の代わりに、前記オリジナル位置情報記憶手段から前記オリジナル位置情報を取得することを特徴とする通信装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記通信サービス制御手段は、前記通信サービスを停止させるときに、ネットワーク装置に通知することにより、前記通信サービスを停止させることを特徴とする通信装置。
【請求項10】
請求項9記載の通信装置において、
前記通知手段は、前記オリジナル位置情報を取得したときに、前記判定手段の判定結果を少なくとも一度は前記ネットワーク装置に通知することを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−188336(P2011−188336A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52774(P2010−52774)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(399035766)エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 (321)
【Fターム(参考)】