説明

診断情報提示システム

【課題】 重症度別の変化などをインフォームドコンセントに利用できるようにする。
【解決手段】 予め疾病名とその重症度とに対応付けて医用画像を記憶する重症度データベースの機能を有する症例情報提示システムサーバ11及びクライアント12と、重症度データベース手段に患者の疾病名情報を入力し、入力された疾病名情報と対応する医用画像を症例情報提示システムサーバ11及びクライアント12とに検索させ、検索された医用画像に対応する重症度が設定可能な設定画面を生成し、生成された設定画面と重症度データベース手段に検索された医用画像を表示する説明用クライアント13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健診データから将来の病気の発症リスクや危険度を提示する診断情報提示システムである。
【背景技術】
【0002】
医師は患者に症状を説明するインフォームドコンセントを行っている。インフォームドコンセントでは、医用画像の参照も行われる。医用画像の参照技術は、健康診断(健診)の分野で多い。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開2005-49960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、患者は医学的な知識がないため、その内容を理解することが困難である。また、X線フィルムや生理検査などの検査結果を見せられても、基準となる値や正常状態を把握できないために、重症度の理解が困難であるという未解決の問題があった。
【0004】
本発明の目的は、重症度別の変化などをインフォームドコンセントに利用可能な診断情報提示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、予め疾病名とその重症度とに対応付けて医用画像を記憶する重症度データベース手段と、重症度データベース手段に患者の疾病名情報を入力する入力手段と、入力手段によって入力された疾病名情報と対応する医用画像を重症度データベース手段に検索させ、検索された医用画像に対応する重症度が設定可能な設定画面を生成する制御手段と、生成された設定画面と重症度データベース手段に検索された医用画像を表示する表示手段によって達成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば重症度別の変化などを利用したインフォームドコンセントが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の診断情報提示システムの実施の一形態について図面を用いて説明する。
診断情報提示システムは図1に示される次の構成要素を有している。
各患者(健診者)の診療・検査・診断情報を重症度・症状および生活指導情報などと関連づけて管理する症例情報提供システムサーバ11と、検査結果・診断結果の入力、生活指導情報の入力、症状・合併症などの入力を行う症例情報提示システムクライアント12と、インフォームドコンセントのために、該当患者の検査結果情報や、比較対象となる症例を表示する説明用クライアント13と、検査を行い検査結果の提供を行う各種システム14からなる。各種システムは、放射線検査の画像を提供するモダリティ、血液分析装置、整理検査装置など、あらゆる検査装置が含まれる。
サーバ、クライアントシステム間はネットワーク15によって接続されている。
【0008】
次に診断情報提示システムの動作を説明する。
症例情報提供クライアント12にて、検査結果情報の入力を行う。(ステップ31)
また、各種検査システム14から検査結果情報をネットワーク15経由で取得する。例えば、X線CT検査の画像データを、X線CT装置が症例情報提供サーバ11に保存する。
【0009】
次に症例情報提供クライアントにて、入力された検査結果情報に関する診断名(疾病名)、重症度判定情報を入力する。(ステップ32)
また、各種検査システムから診断名(疾病名)、重症度情報をネットワーク15経由で取得する。例えば、症例情報提供サーバ11がレポートシステムからX線CTの読影レポート情報を取得する。
【0010】
入力された検査結果情報と、診断名(疾病名)、重症度情報を関連付ける。例えば、X線CT画像と読影レポートを、患者ID、検査日、検査種別、オーダ番号、受付番号などの検査を一意に特定する情報を用いて関連付ける。(ステップ33)
また、診断名(疾病名)及び重傷度をもとに、生活指導情報と症状・合併症情報との関連付けを行う。
【0011】
症例情報提供クライアント12にて、診断名(疾病名)、重症度の組合せに対応する。生活指導情報の入力を行う。(ステップ34)
生活指導情報は、テキストだけでなく、音声、静止画像、動画像を組合わせて登録可能である。
その入力された生活指導情報は、既に保存管理されている検査結果および診断名(疾病名)と関連付けされる。(ステップ35)
【0012】
症例情報提供クライアント12にて、診断名(疾病名)、重症度の組合せに対応する、症状・合併症情報の入力を行う。(ステップ36)
症状・合併症情報は、テキストだけではなく、音声、静止画像、動画像を組合わせて登録可能である。
その入力された症状・合併症情報と、既に保存管理されている検査結果および診断名(疾病名)との関連付けされる。(ステップ37)
【0013】
説明用クライアント13にて、これら検査結果情報の参照を行う患者および検査の情報を入力する。例えば、患者ID、主訴を入力する。(ステップ41)
説明用クライアント13は、入力された患者の主訴に関連する検査結果情報を抽出する。(ステップ42)
検査結果情報、診断名(疾病名)、症状・合併症、生活指導情報を表示する。(ステップ43)
スライドバーなどを用いて、重症度の入力を行う。(ステップ44)
説明用クライアント13は、入力された重症度に該当する検査結果情報、診断名(疾病名)、症状・合併症の情報をリアルタイムに表示する。(ステップ45)
【0014】
説明用クライアント13は、図5のように患者ID、患者氏名などの検索条件を入力して検索操作を症例情報提供サーバ11に実施させる。その検索結果の一覧から、症例情報を表示したい患者を選択する。
図6のように該当患者の診療履歴一覧から、詳細情報を表示したい疾病のリストを選択して、表示操作を行う。例えば、日立太郎さん脳出血の検査履歴より、CT検査選択する。CTの検査画像を表示すると共に、脳梗塞の重症度別CT画像を画面上に表示する。重症度バー(軽症←→重症)をスライドすることにより、右側に該当する重症度のCT画像を表示する。また、生活指導情報、および重症度に合わせた症状・合併症情報を表示する。
【0015】
[病院・健診センターでの施設内利用]
「説明用症例情報提供機能」を電子カルテ機能に組込み、検査室での患者への説明のために使用する。
「説明用症例情報提供機能」を検診システムに組込み、面接室での健診者への説明のために使用する。
【0016】
[インターネットで情報提供]
病院、健診センター、健保組合などが、何れかの検査を受信した人々に対して、インターネット上に個人の検査情報を提供する。
サービスを受ける人々は、PCや携帯電話などの端末から、インターネットを経由してサービスを提供する施設のサーバにアクセスし、個人の検査情報を参照する。
このサービスに、「説明用症例情報提供機能」を組込むことで、症例への理解を深めてもらうことが可能となる。
【0017】
[教育目的利用]
医療従事者への教育教材として、「説明用症例情報提供機能」を提供する。
疾病の重症度別の検査結果を容易に参照できるため、教育に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の診断情報提示システムのシステム構成例を示す図。
【図2】検査結果及び診断情報取得の手順例を示すフローチャート。
【図3】生活指導情報、症状・合併症情報の登録の手順例を示すフローチャート。
【図4】患者説明の手順例を示すフローチャート。
【図5】症例説明用画面の患者選択表示例を示す図。
【図6】症例説明用画面の生活指導情報及び重症度に合わせた症状・合併症情報を表示例を示図。
【符号の説明】
【0019】
11 サーバ、12 症例情報提供システムクライアント、13 説明用クライアント、14 各種検査システム、15 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め疾病名とその重症度とに対応付けて医用画像を記憶する重症度データベース手段と、
重症度データベース手段に患者の疾病名情報を入力する入力手段と、
入力手段によって入力された疾病名情報と対応する医用画像を重症度データベース手段に検索させ、検索された医用画像に対応する重症度が設定可能な設定画面を生成する制御手段と、
生成された設定画面と重症度データベース手段に検索された医用画像を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする診断情報提示システム。
【請求項2】
前記入力手段は、制御手段によって生成された設定画面に所望の重症度を対話的に設定し、前記表示手段は、設定された所望の重症度と対応する医用画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の診断情報提示システム。
【請求項3】
前記表示手段は、重症度と対応した医用画像と前記患者を診断した医用画像を並置表示することを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の診断情報提示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−102798(P2008−102798A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285614(P2006−285614)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】