説明

詐欺電話検出・通報システム及び検出・通報方法

【課題】着信電話が詐欺電話であることを検出し、応答者に注意を喚起し、第三者に通知を可能とする。
【解決手段】公衆電話網105を介し、電話機106からの着信に応答する電話機107が接続されたPBX101と、PBX101に接続され、応答者が使用する電話機107が公衆電話網105を介した発信者が使用する電話機106からの着信に応答したとき、自通信システムを含めた三者通話状態とする通信システム103とを備える。通信システム103は、通話中の音声を認識解析し、通話中の会話の中に予め登録されている危険キーワードが含まれているか否かを検出し、通話中の会話の中に予め登録されている危険キーワードが含まれていた場合に、発信者の声紋、発信者が入力した暗証番号により発信者の認証を行い、認証ができなかった場合に、応答者に現在の通話が詐欺等の恐れのある危険なものであることの注意を喚起する音声を聴取させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詐欺電話検出・通報システム及び検出・通報方法に係り、特に、着信のあった電話の応対時に、その着信電話がオレオレ詐欺や振り込み詐欺等の詐欺電話であることを検出して応答者に注意を喚起し、また、第三者に通知することを可能にした詐欺電話検出・通報システム及び検出・通報方法に関する。
【背景技術】
【0002】
振り込み詐欺等の詐欺電話を検出し、応答者に注意を喚起することを可能にする方法の従来技術としては、発信者番号から過去の犯罪履歴を検索して危険な発信者番号である場合に危険であることを警告する方法や、会話の中から危険キーワードを検出し危険人物として警告する方法等がある。これらの従来技術による方法は、警告を行うだけのものであるため、通話の拒否や通報等を行うことが可能であるが、発信者が危険人物ではなく会話を続けてもよい相手であっても、通話を拒否したり通報を行ってしまうことがあるものであった。
【0003】
また、発信者が危険人物であるか否かを判別可能とした他の従来技術として、例えば、特許文献1等に記載された技術が知られている。この従来技術は、発信者番号や通話の内容に含まれるキーワードのチェックにより発信者が危険人物であるか否かを判別し、音声や電子メールにより警告、通報するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−323107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述した特許文献1に記載された従来技術による方法は、通話中の発信者が危険であることを応答者に認識させることが可能なものであるが、キーワードチェックによる判別を、キーワードの検出回数により行うものであり、通話中の発信者が危険人物でなく、会話を続けたい人物の場合であっても、会話中のキーワードの検出回数によっては危険通話と判定し、警告音声の再生等による通報を行ってしまい、通話を妨げたり誤報したりするという問題点を有している。
【0006】
本発明の目的は、前述したような従来技術の問題点を解決し、着信のあった電話の応対時に、その着信電話がオレオレ詐欺や振り込み詐欺等の詐欺電話であることを検出して応答者に注意を喚起し、第三者に通知することを可能にし、また、発信者番号通知がない場合や危険キーワードを含む会話を検出した場合でも、詐欺電話ではないことを検出した場合に、会話を継続させることができるようにした詐欺電話検出・通報システム及び検出・通報方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば前記目的は、着信のあった電話への応答時に、通話の内容から詐欺電話であることを検出して応答者に注意を喚起する詐欺電話検出・通報システムにおいて、公衆電話網に接続され、前記公衆電話網を介した発信者が使用する電話機からの着信に応答する応答者が使用する電話機が接続されたPBXと、該PBXに接続され、前記応答者が使用する電話機が前記公衆電話網を介した発信者が使用する電話機からの着信に応答したとき、自通信システムを含めた三者通話状態とする通信システムとを備え、前記通信システムは、通話中の音声を認識解析し、通話中の会話の中に予め登録されている危険キーワードが含まれているか否かの検出を行う特定単語・キーワード検出判定手段と、通話中の会話の中に予め登録されている危険キーワードが含まれていた場合に、前記発信者の認証を行う認証手段と、認証ができなかった場合に、応答者に現在の通話が詐欺等の恐れのある危険なものであることの注意を喚起する音声を聴取させる音声再生手段とを有して構成されていることにより達成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、詐欺の危険性のある通話に対して応答者に注意を喚起して詐欺を防止し、また、応答者が通話したい相手の場合には本人認証を行うことにより、会話を妨げることなく通話を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による詐欺電話検出・通報システムの構成を示すブロック図である。
【図2】通信システムの機能構成を示すブロック図である。
【図3】データベースに登録されている各種のデータテーブルの構成を示す図である。
【図4】発信者が使用する電話機から応答者が使用する電話機に着信があったときに発信者の認証を行う処理を説明するシーケンスチャートである。
【図5】通信システムが発信者の認証に失敗し、通知先に発信する場合の処理を説明するシーケンスチャートである。
【図6】通信システムが発信者の音声から通話内容を確認し、また、暗証番号を入力させて発信者が危険人物でないかどうかを確認する処理動作の例を説明するフローチャート(その1)である。
【図7】通信システムが発信者の音声から通話内容を確認し、また、暗証番号を入力させて発信者が危険人物でないかどうかを確認する処理動作の例を説明するフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による詐欺電話検出・通報システム及び検出・通報方法の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態による詐欺電話検出・通報システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
本発明の実施形態による詐欺電話検出・通報システムは、LAN104に通信システム103と電子メールサーバ102とが接続され、通信システム103にPBX101が接続されて構成されている。そして、PBX101は、公衆網105に接続されていて、公衆網105には、詐欺電話を掛けてくる発信者が使用する電話機106、通知先となる電話機110を含む図示しない多数の電話機が収容されている。また、PBX102には、本発明の実施形態で対象としている詐欺電話検出を行おうとしている応答者が使用する電話機107が接続され、通信システム103には、キーワード等のデータを登録するデータベース109が接続されている。
【0013】
前述において、PBX101、通信システム103及びデータベース109は、これらの全体が1つの家庭用電話システム、事業所等で使用する電話システムとして構成されたものでよく、PBX108には、別の部屋等に設けられた家族が使用し、本発明の実施形態で通知先となる1または複数の電話機108が接続されている。また、PBX108には、FAX装置が接続されていてもよい。
【0014】
前述したように構成される本発明の実施形態において、通信システム103は、LAN104を経由して電子メールを送受信するための通信手順(一般的には、既知のプロトコルであるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やPOP3(Post Office Protocol Version 3)手順)を備え、電子メールサーバ102との間での通信を行うことが可能である。また、通信システム103は、キーワード等のデータ登録用データベース109との間の通信手段(一般的には、既知のODBC(Open Database Connectivity))を備え、データベース109と通信を行うことが可能である。
【0015】
図2は通信システム103の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
通信システム103は、電子メールを電子メールサーバ102へ送信する電子メール送信手段1011、相手の声を特定するための声紋検出判定手段1012、暗証番号を受信するためのPB信号検出判定手段1013、認証検索のための声紋・暗証番号登録手段1014、特定単語・キーワード検出判定手段1015、特定単語・キーワード登録手段1016、判別した単語・キーワード・声紋などに対して、警告案内などのガイダンス音声を電話回線に再生させる音声再生手段1017、通話内容を録音するための音声録音手段1018、通話内容を認識しながらテキスト文に変換するための音声テキスト変換手段1019、データベースの更新、参照を行うためのデータベース通信手段1020、全体的に各手段を制御する主制御部1022、蓄積情報等を処理するための主記憶部1023、オペレーティングシステム1024、日時を制御する時計部1025、LANのインタフェース部分を制御するLAN制御手段1026、PBX101との間の接続を制御する回線制御手段1027を備えて構成されている。
【0017】
前述した各手段は、プログラムにより構成され、図示しない不揮発性の記憶装置内に格納されていて、主制御部1022によりオペレーティングシステム1024の下で実行されることにより、それぞれの機能が構築されるものである。
【0018】
図3はデータベース109に登録されている各種のデータテーブルの構成を示す図であり、次に、これについて説明する。
【0019】
図3(a)は暗証番号テーブルの構成例を示しており、図示暗証番号テーブルは、継続して通話可能とする対象者の氏名109−11とその暗証番号109−12との組による複数のレコードが登録されて構成されている。ここに登録されている暗証番号は、応答者とその応答者が危険でない人物であるとして認めた発信者との間で予め事前に取り決め、通信システム103が有する声紋・暗証番号登録手段1014を利用して登録したものである。
【0020】
図3(b)は声紋データテーブルの構成例を示しており、図示声紋データテーブルは、継続して通話可能とする対象者の氏名109−21と声紋番号109−22と、声紋データ109−23との組による複数のレコードが登録されて構成されている。なお、本発明の実施形態では、声紋認識の方法については、既知の声紋認識技術を用いるものとする。また、ここで登録されている声紋データは、応答者とその応答者が危険でない人物であるとして認めた発信者との間で事前に通話が行われたときに、発信者の了解を得て、あるいは、了解を得ることなく、通信システム103が有する声紋・暗証番号登録手段1014を利用して登録したものである。
【0021】
図3(c)はキーワードテーブルの構成例を示しており、図示キーワードテーブルは、危険と判断するための複数のキーワードが登録されて構成されている。ここに登録されているキーワードは、会話の中に含まれるであろうキーワードであり、利用者である応答者本人、同居の家族、あるいは、システムの構築者が通信システム103が有する特定単語・キーワード登録システム1015を利用して予め登録したものである。
【0022】
図3(d)は通知先テーブルの構成例を示しており、図示通知先テーブルは、危険キーワードを検出し、声紋や暗証番号で発信者を認証できず、危険と判断した場合における通知先の情報を登録しており、通知先の電話番号109−41と、電子メールアドレス109−42との組による複数のレコードが登録されて構成されている。ここで登録されている通知先の情報は、利用者である応答者本人、同居の家族等が予め登録したものである。
【0023】
図4は発信者が使用する電話機106から応答者が使用する電話機107に着信があったときに発信者の認証を行う処理を説明するシーケンスチャートであり、次に、これについて説明する。
【0024】
(1)発信者が使用する電話機106から公衆網105、PBX101を介して、応答者が使用する電話機107への着信があり、応答者がこれに応答すると、PBX101は、電話機107での応答と同時に、または、応答者の操作により、通信システム103に対して三者通話のための発信を行って着信させる(ステップ400〜402)。
【0025】
(2)通信システム103は、PBX101からの着信に、自動的に応答して回線を三者通話状態とする(ステップ403、403’)。
【0026】
(3)その後、通信システム103は、三者通話状態のまま通話内容をモニタし、通話中の音声を認識解析し、同時に録音を開始し、また、通話中の会話の中にデータベース109内のキーワードテーブルに登録されている危険キーワードが含まれているか否かの検出を行う(ステップ404、405)。
【0027】
(4)通信システム103は、音声認識解析中にキーワードテーブルに登録されている危険キーワードを検出した場合、「暗証番号を入力してください」等の音声ガイダンスを再生して、その再生音声信号を三者通話状態にある回線に送信する(ステップ406)。
【0028】
(5)三者通話状態で通信システム103からのガイダンスを聴取した発信者は、予め取り決めていた暗証番号を発信者が使用する電話機106のPBボタンを操作して入力する(ステップ407)。
【0029】
(6)通信システム103は、発信者から入力された暗証番号が一致した場合、「認証しました」等の音声を再生して回線に送信することにより、それを発信者106と応答者107とに聴取させ、会話を継続してもよいことを通知する(ステップ408)。
【0030】
(7)また、通信システム103は、発信者から入力された暗証番号が一致しなかった場合、「認証できません」等の音声ガイダンスを再生して、三者通話状態にある回線に送信することにより、発信者に暗証番号の再入力を促し、応答者107には、現在の通話が詐欺等の恐れのある危険なものであることの注意を喚起する(ステップ409)。
【0031】
前述した発信者の認証を行う処理は、発信者に暗証番号を入力させることによるものであったが、本発明は、前述したステップ406での「暗証番号を入力してください」等の音声ガイダンスを再生して送信する代わりに、声紋認証機能である声紋検出判定手段1012を起動して、発信者106の音声を分析して声紋を検出し、データベース109内の声紋データテーブルに登録された声紋に一致した場合に、ステップ408の処理に移行して「認証しました」を再生し、未登録の声紋であった場合に、ステップ409の処理に移行して「認証できません」等の音声ガイダンスを再生するようにすることもできる。
【0032】
また、前述した発信者の認証を行う処理における通信システム103からの注意喚起のガイダンスを含む各ガイダンスは、PBX101への設定により、通話中の両者が聴取することができるように、あるいは、片側の通話者だけが聴取することができるように選択することができる。
【0033】
また、前述した発信者の認証を行う処理において、認証に失敗した場合、本発明は、録音した通話の音声ファイルやテキスト変換したファイルを電子メールとして、データベース109の通知先テーブルに予め登録した警察等の通知先の電子メールアドレス109−42へ送信することができ、または、通信システム103から通知先テーブルの電話番号109−41へ電話による通知を行うことができる。電話での通知の場合、通知先が応答したらそのまま三者通話に接続し、通知先の相手を会話に参加させるようにすることも可能となる。
【0034】
図5は通信システム103が発信者の認証に失敗し、通知先に発信する場合の処理を説明するシーケンスチャートであり、次に、これについて説明する。
【0035】
(1)図4に示して説明したシーケンスと同一の処理を行って、「認証できません」を再生した後、通信システム103は、PBX101を介して通知先の電話機108へ発信を行い、あるいは、通信システム103の別の回線から公衆網105を介して通知先の電話機110へ発信を行う。ここでは、公衆網105を介して通知先の電話機110へ発信を行ったものとする(ステップ500〜503)。
【0036】
(2)通信システム103は、通知先の電話機110が応答すると、三者通話状態にあり三者通話をモニタしている回線と、通知先の電話機110へ発信した回線とを通信システム103の内部で接続し、三者通話状態の回線に通知先の電話機110を接続し、新たな三者通話状態(実際には、四者間で通話可能)にする(ステップ504、505)。
【0037】
前述したようなシーケンスの処理を行うことにより、通知先の相手が電話機110から先の通話に割り込んで助言や注意喚起を行うことが可能となる。
【0038】
図6、図7は通信システム103が発信者の音声から通話内容を確認し、また、暗証番号を入力させて発信者が危険人物でないかどうかを確認する処理動作の例を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。なお、図6、図7に示すフローでの処理は、一連のものであるので、以下では図番を区別することなく説明する。
【0039】
(1)通信システム103は、PBX101からの着信に応答して三者通話が開始されると、図示していないが通信システム103の内部に予め設定されているキーワード検出開始の設定を参照し、設定がONであった場合、通話のモニタを開始してキーワード検索を行う(ステップ600、601)。
【0040】
(2)通信システム103は、モニタ中の通話内容の中にキーワードテーブルに登録されている危険キーワードがあるか否かのチェックを行い、危険キーワードがなければ通話のモニタを続ける(ステップ602)。
【0041】
(3)ステップ602のチェックで、キーワードテーブルに登録されている危険キーワードに一致するキーワードを検出した場合、発信者の声紋の検出を行い、検出した声紋が声紋データテーブルに登録されている声紋と一致するか否かのチェックを行い、一致した場合、「声紋を認証しました」を再生し、安全な通話としてキーワード検索を解除し通話を継続させる(ステップ603〜605)。
【0042】
(4)ステップ603のチェックで、声紋が不一致となった場合、図示していないが通信システム103の内部に予め設定されている暗証番号入力設定がONとなっているか否かを判定し、暗証番号入力設定がOFFであった場合、「危険通話です。相手を確認してください。」等を再生して回線に送信し、応答者に危険通話であることを通知する(ステップ606、607)。
【0043】
(5)ステップ606の判定で、暗証番号入力設定がONであった場合、「声紋が認証できません。暗証番号を入力してください。」等を再生し、発信者が使用する電話機106からPB信号による暗証番号が入力されて送信されてくるのを待つ(ステップ608)。
【0044】
(6)発信者が使用する電話機106からPB信号による暗証番号が送信されてきてそれを受信したとき、通信システム103は、送信してきたPB信号による暗証番号が暗証番号テーブルに登録されている暗証番号と一致するか否かを判定し、一致した場合、「暗証番号を認証しました。」等を再生して回線に送信し、安全な通話として暗証番号チェックを解除し通話を継続させる(ステップ609〜611)。
【0045】
(7)ステップ609の判定で、PB信号による暗証番号を検出できなかった場合や、登録してある暗証番号と一致しなかった場合、誤入力回数のチェックによりリトライオーバとなったか否かをチェックし、リトライオーバとなっていなければ、「暗証番号が違います。再度入力してください。」を再生し、再度、発信者が使用する電話機106からPB信号による暗証番号が入力されて送信されてくるのを待ち、ステップ609からの処理に戻って処理を続ける(ステップ612、613)。
【0046】
(8)ステップ612のチェックで、リトライオーバとなった場合、「危険通話です。相手を確認してください。」を再生して回線に送信し、応答者に危険通話であることを通知する(ステップ614)。
【0047】
(9)その後、通信システム103は、図示していないが通信システム103の内部に予め設定されている電子メール通知設定がONとなっているか否かを判定し、電子メール通知設定がOFFとなっていた場合、そのまま通話を継続させ、電子メール通知設定がONとなっていた場合、データベース内の通知先テーブルに予め登録されている電子メールアドレスへ通話中の音声を認識解析した通話内容のテキスト文を電子メールによりメールサーバ102を介して送信する(ステップ615〜617)。
【0048】
図6、図7により説明した処理において、ステップ600、606、615の判定で使用する設定情報は、本発明の実施形態によるシステムの設置時等に、システムの設置者により設定されてよく、また、使用の開始後にその設定を変更することもできる。
【0049】
前述した本発明の実施形態において、電話機107を使用する応答者は、通話中に、前述で説明したような本発明の実施形態での処理により、発信者が危険人物であることを知らされたとき、自らオンフックして回線を切断することができる。
【0050】
前述した本発明の実施形態によれば、振り込み詐欺の危険性のある通話に対して応答者に注意を喚起して振り込み詐欺を防止したり、通話内容を録音して残すことにより、それを証拠品として確保したり、通話したい相手の場合には、本人認証を行うことにより通話を継続したりということが可能となり、会話を妨げたり、誤報することなく通話をさせることが可能となる。
【0051】
また、前述した本発明の実施形態によれば、認証機能や通話録音、警告メッセージ再生等の各種対応方法を切り替えることにより、本人認証、証拠の確保を行うことができ、また、通話相手を撃退する等により詐欺に対抗させることができる。
【符号の説明】
【0052】
101 PBX
102 電子メールサーバ
103 通信システム
104 LAN
105 公衆網
106 発信者が使用する電話機
107 応答者が使用する電話機
108、110 通知先の電話機
109 データベース
1011 電子メール送信手段
1012 声紋検出判定手段
1013 PB信号検出判定手段
1014 声紋・暗証番号登録手段
1015 特定単語・キーワード検出判定手段
1016 特定単語・キーワード登録手段
1017 音声再生手段
1018 音声録音手段
1019 音声テキスト変換手段
1020 データベース通信手段
1021 主制御部
1023 主記憶部
1024 オペレーティングシステム
1025 時計部
1026 LAN制御手段
1027 回線制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信のあった電話への応答時に、通話の内容から詐欺電話であることを検出して応答者に注意を喚起する詐欺電話検出・通報システムにおいて、
公衆電話網に接続され、前記公衆電話網を介した発信者が使用する電話機からの着信に応答する応答者が使用する電話機が接続されたPBXと、該PBXに接続され、前記応答者が使用する電話機が前記公衆電話網を介した発信者が使用する電話機からの着信に応答したとき、自通信システムを含めた三者通話状態とする通信システムとを備え、
前記通信システムは、通話中の音声を認識解析し、通話中の会話の中に予め登録されている危険キーワードが含まれているか否かの検出を行う特定単語・キーワード検出判定手段と、通話中の会話の中に予め登録されている危険キーワードが含まれていた場合に、前記発信者の認証を行う認証手段と、認証ができなかった場合に、応答者に現在の通話が詐欺等の恐れのある危険なものであることの注意を喚起する音声を聴取させる音声再生手段とを有して構成されていることを特徴とする詐欺電話検出・通報システム。
【請求項2】
前記認証手段は、声紋検出判定手段が発信者の音声を分析して声紋を検出し、検出した声紋が予め登録された声紋に一致するか否かによる認証手段、または、前記発信者に暗証番号を入力させ、入力された暗証番号が予め登録された暗証番号に一致するか否かによる認証手段であることを特徴とする請求項1記載の詐欺電話検出・通報システム。
【請求項3】
前記通信システムは、前記発信者の認証ができなかった場合に、前記PBXまたは公衆電話網に接続されている通知先となる電話機への発信を行い、前記通知先となる電話機の応答後、その応答者を前記通話に参加させる手段を有することを特徴とする請求項1記載の詐欺電話検出・通報システム。
【請求項4】
前記通信システムは、前記発信者の認証ができなかった場合に、予め登録されている通知先の電子メールアドレスへ通話中の音声を認識解析した通話内容のテキスト文を電子メールによりメールサーバを介して送信する手段を有することを特徴とする請求項1記載の詐欺電話検出・通報システム。
【請求項5】
着信のあった電話への応答時に、通話の内容から詐欺電話であることを検出して応答者に注意を喚起する詐欺電話検出・通報方法において、
公衆電話網に接続され、前記公衆電話網を介した発信者が使用する電話機からの着信に応答する応答者が使用する電話機が接続されたPBXと、該PBXに接続され、前記応答者が使用する電話機が前記公衆電話網を介した発信者が使用する電話機からの着信に応答したとき、自通信システムを含めた三者通話状態とする通信システムとを備え、
前記通信システムは、通話中の音声を認識解析し、通話中の会話の中に予め登録されている危険キーワードが含まれているか否かの検出を行い、通話中の会話の中に予め登録されている危険キーワードが含まれていた場合に、前記発信者の認証を行い、認証ができなかった場合に、応答者に現在の通話が詐欺等の恐れのある危険なものであることの注意を喚起する音声を聴取させることを特徴とする詐欺電話検出・通報方法。
【請求項6】
前記認証は、声紋検出判定手段が発信者の音声を分析して声紋を検出し、検出した声紋が予め登録された声紋に一致するか否かにより、または、前記発信者に暗証番号を入力させ、入力された暗証番号が予め登録された暗証番号に一致するか否かにより行われることを特徴とする請求項5記載の詐欺電話検出・通報方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−135328(P2011−135328A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292926(P2009−292926)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】