説明

試薬分注のためのマイクロジェットシステム及びそれを用いたパラメータの自動設定方法

【課題】条件に合った液滴を作り出す電圧とパルス幅との好ましい組合せを効率的に見つけ出す電圧レベル及びパルス幅の各パラメータの自動設定を行うマイクロジェットシステム及びそれを用いた試薬分注方法を提供する。
【解決手段】マイクロジェットによる試薬分注のために用いる電圧レベル及びパルス幅の各パラメータの自動設定を行うマイクロジェットシステム及びそれを用いた試薬分注方法であって、それら二つのパラメータの多数の組合せの循環において、それら二つのパラメータによって生じる液滴を撮像して、液滴が形成されているか、形成されているならばそれは適切か、を調べるために画像を分析するシステム及びそれを用いた試薬分注方法に関する。特に好ましい方法は、適切なパラメータの組合せの幅及びそれらの好ましいパラメータの組合せを統計的手法に基づき選択して行う。特に、パラメータの組合せの選択は、統計的に最も信頼できる電圧及びパルス幅の値によって始まる。そして、その値と条件に合った液滴が生じるまで用いられなかった次に信頼できる値とを交互に選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試薬分注のためのマイクロジェットシステム及びそれを用いたパラメータの自動設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、研究・開発における各種改良により、多くの生体分子が発見されている。例えば、タンパク質の精製及び検出方法によって、多くの新規なタンパク質を得ることができる。周知の生体分子との類否の程度を決定するには、新規に発見されたものをいくつか比較することが必要である。例えば、新規なタンパク質の特性を明らかにするためには、そのタンパク質に関連するアミノ酸配列情報を得ることが必要である。
【0003】
このような技術として、特許文献1には、ある配列において、他の試料と関連する少なくとも一つの試料の画像を記録する工程を含み、試薬又は試薬群を少なくとも一つの試料に適用するのに記録した画像を利用して、配列された試料の分析をする方法、及び、ある反応を用いて又はある試薬とともに少なくとも一つの試料を分析する方法が記載されている。また、これには、そのような方法に用いる装置も記載されている。
【特許文献1】国際公開第98/47006号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような分析をするには、正確に非常に少量の試薬を配列された試料に分注する必要がある。これは、典型的には、μ秒(μs)単位の継続時間で電圧を分析する装置から液滴を分注する、マイクロジェット又はジェットチューブともいわれる圧電性のガラスキャピラリー分注器によって行われる。典型的には、分注された液滴は、100pL単位の非常に少量の体積となっている。
【0005】
分注された液滴の構造や特性に適応する条件に合った分注パラメータは数多くあるが、最も重要な液滴構造のパラメータは、電圧レベル及びパルス幅である。これら二つのパラメータは、条件に合った液滴が圧電性の分注器から分注されるように適応される。条件に合った液滴は(マイクロジェットはある電圧及びパルス幅の液滴を分注しないのであるが)安定して存在するものであり(即ち、実質的に同一の連続した液滴が分注されて電圧とパルス幅とが組合せされる)、特定の進路を進むものである。しかしながら、操作を順調に行うためには、マイクロジェットの機械的な誤りや試料の粘性における相違にジェットパラメータの調整が必要である。
【0006】
一旦ジェットチューブがフィルター処理した試料に設けられて背圧が正確にセットされると、装置の使用者は試行錯誤により、電圧とパルス幅の適した組合せを実験的に決定する。使用者の決定パターンは成り行き任せであり、たいていいつも再現できない。使用者は条件に合った液滴を作り出す電圧とパルス幅との好ましい組合せを見つけるのにかなりの時間を浪費する可能性がある。好ましいパラメータを決定するプロセスに慣れていない未熟な使用者は限られた時間内に条件に合った値を見つけられないこともある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点を解決すべく、マイクロジェットのためのパラメータの自動設定システム及び方法を提供する。
【0008】
以下、「構成されている」とは、特定の要素又は要素群を含むことを意味しているが、それ以外の要素又は要素群を排除するものではない。
【0009】
本発明に含まれている内容に関する議論、行為、材料、装置又は論文は単に本発明の背景を説明するための目的のものである。これらの事項が従来技術の基礎を形成すること、又は、これらの事項が本発明に関連する技術において優先日以前に存在する周知の事実であると捉えることを認めているわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
まず、広い意味において、本発明は、試薬分注におけるマイクロジェットシステムのためのパラメータの自動設定方法、及び、それに用いるジェッティングシステム及びコントロールシステムを提供する。
【0011】
通常、このシステムに適応されるパラメータは、電圧レベル及びパルス幅である。
【0012】
また、この方法は、この二つのパラメータによって得られる液滴の画像化や液滴が形成されているかどうか、もし形成されているならば、それは安定かどうか、を調べるためにその画像を解析して、これら二つのパラメータについてたくさんの組合せを循環させることにより行われる。
【0013】
好ましくは、統計的分析が適したパラメータの組合せ及び条件に合ったそれらのパラメータの組合せの関連した可能性の幅を決定するのに用いられる。
【0014】
より具体的には、本発明は、ある形態において、以下のステップで構成される試薬分注のためのジェットチューブによる電圧レベル及びパルス幅のパラメータを自動セットする方法を提供する。
【0015】
ステップa)ある範囲において他の電圧及びパルス幅値と比べることにより、適当であると判断した期待値をもつ電圧及びパルス幅値と共に、その範囲を選択する。
【0016】
ステップb)初めの電圧及びパルス幅の組合せを選択する。
【0017】
ステップc)ジェットチューブへ選択した電圧及びパルス幅を有するパルス又は連続パルスを供給する。
【0018】
ステップd)初めのパラメータの組合せによって生じる液滴の画像を撮影し、液滴が形成されているかどうか及びどこに形成されているかを調べるためにその画像を解析する。
【0019】
ステップe)液滴が形成されていなければ、さらなるパラメータの組合せを選択する。
【0020】
ステップf)液滴が形成されており、それを検出するまでステップc)〜e)を繰り返す。
【0021】
ステップg)液滴が形成されて検出できれば、他の性質が満足できるものであるかを確認するためにその液滴を解析する。
【0022】
ステップh)液滴の他の性質が満足できるものでなければ、さらなるパラメータの組合せを選択してステップc)〜g)を繰り返す。
【0023】
ステップi)液滴の他の性質が満足できるものであれば、それらのパラメータをジェットチューブのために保存する。
【0024】
好ましくは、パラメータの組合せの選択は、電圧及びパルス幅の最も好ましい値により始まり、それから、最も好ましい値のいずれかとまだ用いていない次に好ましい値とを交互に用いて行う。
【0025】
液滴の他の性質は安定性と飛行角度とを含んでもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、条件に合った液滴を作り出す電圧とパルス幅との好ましい組合せを効率的に見つけ出す電圧レベル及びパルス幅の各パラメータの自動設定を行うマイクロジェットシステム及びそれを用いた試薬分注方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、本発明の方法を実施するシステム10の概略図を示す。
【0028】
圧電性のジェットチューブ12(出願人の現在出願係属中のAustralian provisional patent application No 2003901513に示されている)、電子ジェットドライバ14で操作される。電子ジェットドライバ14は、液滴16をマイクロジェットから噴出するように高電圧パルスを発生する。カメラ18及びストロボLED20は、液滴16の経路の両側に対向して配置されている。グラバーカード及び画像ソフトを有するコンピュータ22は液滴を撮影し、電子ジェットドライバ14へ信号を送る。
【0029】
本発明に係るパラメータ自動設定方法において、高電圧パルスは特定電圧及びパルス幅の電子ジェットドライバ14により発生する。パルスはマイクロジェットから液滴を噴出させてもよい。ジェットの下方の領域はストロボLEDで露光され、(もし存在するなら)液滴の画像がカメラで撮影され、コンピュータ22のグラバーカードへ送られる。以下に詳述するが、コンピュータの画像ソフトは液滴が存在するかしないか、液滴の飛行角度、安定性及び大きさが満足すべきものかどうかを調べるための画像を認証する。液滴が満足すべきもので、すべての条件に適合するものであれば、パラメータ(即ち、電圧レベル及びパルス幅)は保存されて当該処理が終了する。以下に詳述するが、液滴の形成が満足するものでなければ、パルス幅及び電圧レベルは変化し、撮影されて認証されたさらなる液滴がマイクロジェットから噴出し、当該処理は満足のいく液滴が得られるまで続く。
【0030】
たいていのマイクロジェットは、液滴を分注するために5〜80psのパルス幅で且つ5〜100vの電圧で操作される。正確な電圧値やパルス幅は、マイクロジェット自身及び分注される試薬自身による。本発明に係るパラメータ自動設定方法は、条件に適した液滴が得られるまで自動的に電圧及びパルス幅をテストし、その後、それらのパラメータを用いて分注される条件に適した液滴及び連続した液滴を発生させる電圧及び度数分布を記録する。1v及び1msずつの電圧レベル及びパルス幅を組み合わせた範囲において、単独のパラメータのどの組合せもテストされれば、7125のパラメータの組合せがテストされる。最悪の場合、最後の液滴の検査及び評価プログラムを用いたとして、最後の組合せで得られた液滴が満足し得るものである場合、パラメータの組合せごとにテストして満足のいく結果を生むには一般的に30分間必要となる。
【0031】
従って、操作時間を短縮するための発明の好ましい実施形態において、液滴の検査プログラムは、電圧及びパルス幅の組合せによる処理の統計的な分析に基づいて作製される。
【0032】
図2は、前もって行った電圧及びパルス幅−度数分布の230の組合せによる処理をまとめたものを示す。X軸は、ある特定の実験における条件を満たした液滴を形成するために用いられた電圧値を示す。Y軸は、230もの実験のどれについてもある特定のジェット操作に選択された電圧の度数分布を示す。
【0033】
図3は、パルス幅の統計値を示す類似したグラフである。図3において、X軸は、ある特定の実験において条件に合った液滴を形成するのに用いられたパルス幅を示す。Y軸は、230の実験において特定のジェット操作においてもパルス幅が選択される度数分布を示す。
【0034】
図4に示すような次の段階では、速やかなプログラムが多項式曲線に適合する電圧及びパルス幅の統計値に適用される。
【0035】
このような統計的手法を用いて、X軸の終端右側又は左側において低度数分布で適当なパラメータが見つかりそうになく、最も頻繁に用いられるパラメータに接近した値、即ちグラフの頂点付近に適当な値を見つけられそうな場合にテストしなければならないパラメータの組合せの数を減らすことができる。
【0036】
図5は、パラメータの組合せを妥当なレベルに減らす可動の基線を示す。装置の実施者は基線を自由に設定できる。新しいスケールにおいて基線の下にある低発生率の組合せに対し、最大発生率を100%まで標準化することもできる。経験によると、50%でカットする基線は最も好ましい組合せであり、顕著に検査時間を短縮する。
【0037】
電圧値及びパルス幅の減少した組合せ数は、条件に合ったパラメータの組合せの検出に用いられている。手順としては、まず、100%の出現率における電圧レベルを、100%の出現率におけるパルス幅と共に用いる。例えば、電圧が50vで最大の出現率となれば、初めのジェットの設定は、例えば43usのパルス幅と50vの電圧との組合せとなる。多くの液滴は、分注パラメータを50v及び36μsとして、多くの液滴を形成すべくパルス幅を1μsずつ36μsまで変化させる前に、画像ソフトへ満足できる液滴を供給するようにそれらのパラメータを用いて連続して分注される。次に、パラメータを34μs及び50v、37μs及び50v、33μs及び50vと順に変化させていき、それぞれパルス幅を最大値及び最小値に達するまでとる。次に51vにしてすべてのパルス幅と組合せ、次いで40vにしてすべてのパルス幅と組合せ、同様に続いて52vと変化させて、最大発生率からなだらかな曲線を描くように試行していく。
【0038】
図7は、処理工程におけるフローチャートを示す。第1のステップ40は、エクセルシート42からのパラメータの統計データのロードである。ジェットシステムの統計値の更新操作の後、シートが更新されているのを確認する。次の工程44では、柱状グラフが描かれて、図2から5に関連して電圧及びパルス幅のふさわしくない値が取り除かれる。次に、初めのパラメータ値がジェットドライバに設定され、ステップ46において最初に選択したパルス幅及び電圧の連続パルスが液滴噴出のためにジェット装置に適用される。液滴の画像はその後次のように解析される。
【0039】
画像の解析処理は次のように作動する。まず、撮像装置で撮像された液滴の画像が二進数に置き換えられる。画像評価プログラムは次のように各要素に分かれる。最初のステップ又はモジュール50は、液滴画像及び位置を解析する液滴検査である。このモジュール50は、液滴がないか、一つ以上あるか、間違った直径を伴った液滴であるか、正しい大きさの単独の液滴であるか、を検査する。もしこのテストが失敗すれば、上述のプロセスによって次のパラメータ設定がステップ48で選択される。
【0040】
しかし、もし液滴が初めのステップを通過すれば、次に、与えられた時間を超えて安定な液滴の形成を観察するために3度画像を変えて安定性試験52を行う。画像は、同じパラメータの組合せを用いて噴出されているが、すべて異なった液滴のものである。もし、液滴の位置偏位又は液滴の形の偏位が与えられた割合以上であれば、テストを通過できない。偏位がそれぞれ許容範囲内、一般的には5%以内であれば、画像は安定であると分類される。このテストを通過しなければ、次のパラメータ値がステップ48で設定される。
【0041】
安定性試験を通過すると、次に検査液滴の飛行角度を決定するために飛行角度(1)54及び飛行角度(2)56のモジュールへ移る。液滴が噴出された後、二つの固定された時間における二つの画像が撮影されて評価される。これらに基づいて、飛行速度及び角度が計算される。この飛行角度が所定の範囲以内であれば、飛行角度試験を通過できる。
【0042】
次に、飛行角度で集積されるデータを推定し且つ液滴の飛行経路の計算に用いるモジュールと、上記二つの画像が安定で許容範囲を越えて次々と偏位していないか検査する最終安定性試験58(モジュール52に類似している)に移る。
【0043】
加えて、電圧とパルス幅のそれぞれの組合せに関連し、電圧レベル、パルス幅、飛行角度、液滴の速度、液滴の直径、位置の安定性、形の安定性を含むすべてのデータと、液滴の経路の画像は統計のためにエクセルシート42に保存される。
【0044】
これらのモジュールは、安定性試験52が省略されて飛行角度(1)及び(2)がモジュール60で結合されている添付の図に示すように修正される。
【0045】
本発明ではこれ以外にもたくさんの種類の形態及び/又は修正が熟練した実施者によって評価されうるし、本発明の本質や範囲から離れずに具体的な実施形態を示している。従って、本発明の技術範囲は本実施形態に具体的に示したものに限定されるわけではない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上説明したように、本発明は、試薬分注のためのマイクロジェットシステム及びそれを用いたパラメータの自動設定方法について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係るシステムの概略図である。
【図2】230通りの電圧及びパルス幅パラメータの組合せによって得られた電圧−度数分布を示すグラフである。
【図3】230通りの電圧及びパルス幅パラメータの組合せによって得られたパルス幅−度数分布を示すグラフである。
【図4】5〜80psの幅におけるパルス幅曲線を示すグラフである。
【図5】図4のグラフに基線を描いたものを示す。
【図6】本発明の全行程の概略図及びフローチャートである。
【図7】本発明に係る各工程の概要を示すフローチャートである。
【図8】図7に示されたいくつかの要素が組み合わされた様々な工程を示す作業説明図である。
【符号の説明】
【0048】
10 マイクロジェットシステム
12 ジェットチューブ
14 電子ジェットドライバ
16 液滴
18 カメラ
20 ストロボLED
22 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を分注するジェットチューブの電圧レベル及びパルス幅等のパラメータ自動設定方法において、
他の範囲と比較してより好ましい範囲内にある電圧及びパルス幅の値を取得することにより電圧及びパルス幅の範囲を選択するステップaと、
電圧レベル及びパルス幅のパラメータに対し、それらの初めの組合せを選択するステップbと、
ジェットチューブへ、選択した電圧及びパルス幅を有するパルス又は連続パルスを供給するステップcと、
液滴が形成されているかどうかを検査するステップdと、
液滴が形成されていなければ、さらなるパラメータの組合せを選択するステップeと、
液滴が形成されて検出されるまでステップcからステップeを繰り返すステップfと、
液滴が形成されて検出できれば、液滴の第2の性質が満足できるものであるかを確認するためにその液滴を解析するステップgと、
上記液滴の第2の性質が満足できるものでなければ、さらなるパラメータの組合せを選択してステップcからステップgを繰り返すステップhと、
上記液滴の第2の性質が満足できるものであれば、それらのパラメータをジェットチューブのために保存するステップiと、
を備えたパラメータ自動設定方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたパラメータ自動設定方法において、
上記他の範囲と比較してより好ましい範囲内にある電圧及びパルス幅の値は、それ以前に行ったジェットの実験結果の統計的解析によって決定するパラメータ自動設定方法。
【請求項3】
請求項2に記載されたパラメータ自動設定方法において、
上記パラメータの初めの組合せの選択を、それ以前に行ったジェットの実験結果の統計的解析によって決定した電圧及びパルス幅について、それらが統計上よく液滴を発生すると知られている値の組合せにするパラメータ自動設定方法。
【請求項4】
請求項3に記載されたパラメータ自動設定方法において、
上記初めのパラメータの組合せによって条件に適した液滴が生じなければ、初めのパラメータの組合せの範囲において、電圧又はパルス幅のいづれか一方を、最もよく液滴を発生させると知られているまだ用いていないものに変更してなる新たなパラメータの組合せを選択するパラメータ自動設定方法。
【請求項5】
請求項4に記載されたパラメータ自動設定方法において、
上記初めの組合せのうちの一つのパラメータを固定しておいて、二つめのパラメータをそのすべてについて変化させて該一つめのパラメータと組み合わせることによりテストするパラメータ自動設定方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載されたパラメータ自動設定方法において、
上記第2の液滴の性質は、安定性及び飛行角度を含むパラメータ自動設定方法。
【請求項7】
請求項1乃至7のいずれかに記載されたパラメータ自動設定方法において、
上記ステップdは、パラメータの組合せにより生じた液滴又は液滴群の画像を撮影し、液滴が形成されたかどうかを認証するために該画像を解析するステップを含むパラメータ自動設定方法。
【請求項8】
請求項7に記載されたパラメータ自動設定方法において、
上記液滴を解析するステップは、上記第2の性質が満足すべきものかどうかを認証するために、液滴又は連続した液滴の画像を解析するパラメータ自動設定方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載されたパラメータ自動設定方法において、
上記それ以前に行ったジェットの実験により得られた電圧及びパルス幅の度数分布は、統計上ふさわしくない値を使用範囲から除外して行った上記初めのパラメータの組合せの選択より先に準備されているパラメータ自動設定方法。
【請求項10】
電圧レベル及びパルス幅のパラメータの自動設定手段を有する液体を分注するためのマイクロジェットシステムであって、
ジェットチューブと、電圧パルスを既知の電圧及びパルス幅がセットされた該ジェットチューブに供給するコントロール手段と、
上記ジェットチューブからの液滴の画像を得て解析する手段と、
それ以前に行ったジェットの実験により得られた電圧及びパルス幅の度数分布を構築又は保存する手段と、
を備えると共に、
上記コントロール手段は、
上記度数分布に基づいて、他の範囲と比較してより好ましい範囲内にある電圧及びパルス幅の値を取得することで電圧及びパルス幅の範囲を選択し、
電圧レベル及びパルス幅のパラメータに対してそれらの初めの組合せを選択し、
ジェットチューブへ選択した電圧及びパルス幅を有するパルス又は連続パルスを供給し、
液滴が形成されているかどうかを検査し、
液滴が形成されていなければ、さらなるパラメータの組合せを選択し、
液滴を検出するまで上記パルス又は連続パルスの供給行為から上記さらなるパラメータの組合せの選択行為までを繰り返し、
液滴が形成されて検出できれば、液滴の第2の性質が満足できるものであるかを確認するためにその液滴を解析し、
上記液滴の第2の性質が満足できるものでなければ、さらなるパラメータの組合せを選択して上記パルス又は連続パルスの供給行為から上記液滴の解析行為までを繰り返し、
上記液滴の第2の性質が満足できるものであれば、それらのパラメータをジェットチューブのために保存するように構成されるマイクロジェットシステム。
【請求項11】
請求項10に記載されたマイクロジェットシステムにおいて、
上記初めに選択されたパラメータの組合せは、度数分布に基づいて、統計上最も一般的な電圧及びパルス幅による組合せであるマイクロジェットシステム。
【請求項12】
請求項11に記載されたマイクロジェットシステムにおいて、
上記さらなるパラメータの組合せを、満足すべき組合せが見つかるまで、選択するパラメータの組合せをまだ試されていない次に一般的な電圧又はパルス幅の組合せに変更して分注するマイクロジェットシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−525654(P2007−525654A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517908(P2006−517908)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【国際出願番号】PCT/AU2004/000929
【国際公開番号】WO2005/005963
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(503352291)プロテオム システムズ インテレクチュアル プロパティ プロプライエタリー リミテッド (8)
【Fターム(参考)】