説明

試験ソケット内で破損ピンを検出するための方法および装置

本発明の方法は、走査データを生成するために、試験対象デバイス(170)の抜去後に試験ソケット(120)を走査するステップを有する。前記走査データが基準データと比較される。前記比較に基づいて前記試験ソケット(120)内にピン(210)の少なくとも一部が存在することが検出される。試験システム(100)は、試験ソケット(120)、走査装置(140)および制御ユニット(150)を有する。前記試験ソケット(120)は、試験対象デバイス(170)を受容するように動作可能である。前記走査装置(140)は、走査データを生成するために、試験対象デバイス(170)の抜去後に、前記試験ソケット(120)を走査するように動作可能である。前記制御ユニット(150)は、前記走査データを基準データと比較し、前記比較に基づいて前記試験ソケット(120)内にピン(210)の少なくとも一部が存在することを検出するように動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体デバイスのテスティングに関し、より詳細には、試験ソケット内で破損ピンを検出するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ダイは、一般に、シリコンなどの半導体材料のウェハに大量に形成される。ダイは、ウェハから1つずつ切り離された後、例えばプラスチックまたはセラミックのパッケージに個別にパッケージングされうる。リードフレームが、ワイヤボンディングおよびパッケージングのためにダイを支え、完成したパッケージのリード線系(lead system)となりうる。一般に、ダイに形成されている電気回路は、外界との電気回路の相互接続を支援するために、ダイに設けたボンドパッドに結合される。ワイヤボンディングおよびパッケージングの工程中に、各ボンドパッドが、ワイヤリードによってリードフレームに電気的に接続される。この電気的接続には、ボンドパッドに形成されるワイヤボンド、リードフレームに形成されるワイヤリードおよびワイヤボンドが含まれる。封入材料が、ダイを保護および絶縁し、ダイは、ダイにある電気回路を、ワイヤボンドを介して外界と相互接続するために、外部ピンを有するパッケージに実装される。
【0003】
パッケージングされたデバイスは、一般に、顧客への納品前の各種の機能試験および性能試験を実行するために、自動試験装置のソケットに装着される。パッケージングされたダイに実行される試験の一例として、「バーンイン試験」と一般に呼ばれる試験がある。バーンイン試験では、デバイスが製品に組み立てられる際に発生しうる初期故障を早期に発生させるために、そのデバイスを、ストレスレベルの作動状態にさらすことによって、部品に加速ストレスを印加(accelerated stressing)する。バーンインでは、一般に、デバイスの温度を正常動作条件を越える温度に上げて、デバイスを電気的に作動させる。当然、性能等級および動作特性を検査/確認するために、ほかのタイプの試験プログラムを実施してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常の試験装置は、複数のデバイスを並行してあるいは連続的に試験できるように、複数のソケットを使用する。ソケットは回路基板に実装されており、必要な試験を実施するために、これを介して、試験プログラムの指示の元、各種の電気信号が供給される。ソケットに試験対象デバイス(devices unser test:DUT)を取り付けるために、各デバイスをソケットと位置合わせし、装着のための力を引加する自動ハンドリング装置によって、DUTがソケットに装着される。
【0005】
装着工程中に、DUTの1本以上のピンが、ピンを適切に装着または取り付けられためのソケットの対応するコンタクトホールと正確に位置合わせされないことがある。場合によっては、ピンが湾曲したり、破損したり、あるいはソケットに無理に押し込まれることがある。破損した特定のピンおよび破損の性質によっては、デバイスが機能試験に合格したり、不合格となったりする。
【0006】
デバイスがソケットから抜去される際に、破損したピンがソケット内に残ることがある。その後、別のDUTがソケットに装着されると、コンタクトホールがふさがっているため、対応するピンをソケットに装着できないことがある。この結果、そのDUTのピンが破損することがある。
【0007】
故障の傾向が認識され、その後に、ソケットの機能を検査するために手動の検査が実行されるまで、破損ピンがみつからないことが多い。問題が発生してから故障診断が行われるまでのタイムラグの間に、複数のデバイスが破損を受けたり、あるいは、デバイスに関連する試験結果が不正確なものとなりうる。
【0008】
本文献のこの箇所は、下記に記載および/または特許を請求する本発明の各種の態様と関連しうる各種の技術の態様を紹介することを意図するものである。当該箇所は、本発明の各種の態様をよりよく理解できるように、背景情報を提供する。本文献の当該箇所の記載は、この点に鑑みて読むべきであり、従来技術の自認ではないことを理解すべきである。本発明は、上記の問題の1つ以上を解決するか少なくとも軽減することを狙ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下では、本発明の一部の態様の基本を理解できるように、発明の概要を説明する。この概要は、本発明の全てを概観するものではない。本発明の主要または重要な要素を特定したり、本発明の範囲を詳細に記載することを意図するものでもない。その唯一の目的は、後述する詳細な説明に先だって、概念の一部を簡潔に示すことにある。
【0010】
本発明の一態様は、走査データを生成するために、試験対象デバイスの抜去後に試験ソケットを走査するステップを有する方法に認められる。前記走査データが基準データと比較される。前記比較に基づいて前記試験ソケット内にピンの少なくとも一部が存在することが検出される。
【0011】
本発明の別の態様は、試験ソケット、走査装置および制御ユニットを有する試験システムに認められる。前記試験ソケットは、試験対象デバイスを受容するように動作可能である。前記走査装置は、走査データを生成するために、試験対象デバイスの抜去後に、前記試験ソケットを走査するように動作可能である。前記制御ユニットは、前記走査データを基準データと比較し、前記比較に基づいて前記試験ソケット内にピンの少なくとも一部が存在することを検出するように動作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の例示的な一実施形態による試験システムの概略ブロック図。
【図2】図1の試験システムで使用されるソケットの上面図。
【図3】光学式走査装置を示す図1のシステムの部分図。
【図4】試験ソケットの画像をキャプチャする走査装置を示す図1のシステムの部分図。
【図5】電気式走査装置を示す図1のシステムの部分図。
【図6A】図5の電気式走査装置と共に試験ソケット内で使用されうる、各種の例示的なコンタクトの構成を示す図。
【図6B】図5の電気式走査装置と共に試験ソケット内で使用されうる、各種の例示的なコンタクトの構成を示す図。
【図6C】図5の電気式走査装置と共に試験ソケット内で使用されうる、各種の例示的なコンタクトの構成を示す図。
【図7】本発明の別の例示的な実施形態による、図2の試験ソケット内で破損ピンを検出するための簡略フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明について記載する。図面において同じ参照符号は同じ要素を参照している。
【0014】
本発明は、種々の変形および代替形態を取り得るが、その具体的な実施形態が、図面に例として図示され、ここに詳細に記載されているに過ぎない。しかし、この具体的な実施形態の詳細な説明は、本発明を開示した特定の形態に限定することを意図するものではなく、反対に、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨ならびに範囲に含まれる全ての変形例、均等物および代替例を含むことを理解すべきである。
【0015】
本発明の1つ以上の特定の実施形態について以下に記載する。本発明は、本明細書に含まれる実施形態および説明に限定されることはなく、実施形態の一部の変形や、異なる実施形態の要素の組み合せなどの、これらの実施形態の変形例も添付の請求項の範囲に含まれることが特に意図される。エンジニアリングや設計のプロジェクトと同様に、実際の実装の開発においては、システム上の制約およびビジネス上の制約に適合させるなど、開発の具体的な目的を達成するために、実装に固有の判断が数多く必要とされ、これは実装によって変わるということを理解すべきである。更に、この種の開発作業は複雑かつ時間がかかるものでありうるが、本開示の利益を受ける当業者にとって、設計、作製および製造の日常的な作業であるということが理解されよう。「決定的」または「必須」と明記されていない限り、本願のいかなるものも、本発明の決定的または必須なものであるとみなすべきではない。
【0016】
添付の図面を参照して本発明を説明する。説明のみを目的として、当業者に知られている細かい点を説明して本発明をわかりにくくすることのないように、さまざまな構造、システムおよびデバイスが、図面で模式的に示されている。しかし、本発明の例示的な例を記載および説明するために、添付の図面を添付する。本明細書において使用される語句は、関連技術の当業者が理解している意味と同じ意味に使用されていると理解および解釈すべきである。本明細書においてある語句が矛盾なく用いられている場合、その語句が特別な定義を有する、すなわち通常かつ慣用的に用いられ、当業者が理解している意味と異なる定義を有することはない。ある語句が特別な意味を有する、すなわち当業者の理解とは異なる意味に用いられる場合は、そのような特別な定義は本明細書に明示的に記載して、その特別な定義を直接的かつ明確に示す。
【0017】
次に図面を参照すると、図面においては、すべての図面にわたって、同じ参照番号は同様の構成要素を参照している。特に図1を参照して、本発明を、試験システム100を採り上げて説明する。試験システム100は、試験ソケット120および試験回路130を備える試験ユニット110、走査装置140、制御ユニット150、ならびにデータベース160を有する。試験システム100は、試験ソケット120内に試験対象デバイス170を受容し、試験対象デバイス170の動作を検証したり、またはその性能特性を決定するために、試験動作を実行する。
【0018】
説明を簡単にし、本発明の実施形態の特徴をわかりにくくすることのないように、試験システム100のすべての部品を図示しているわけではない。例えば、試験ソケット120内に試験対象デバイス170を係合させるために、一般に自動マテリアルハンドラ(例えば、ロボットアーム)が使用される。また、試験ユニット110は、試験回路130によって複数の試験対象デバイス170を連続的に、または並列して試験可能とするため、複数の試験ソケット120を有していてもよい。一般に、試験ユニット110によって実行される試験の種類は、本発明の実施形態の実施に実質的ではない。当業者は、実行されうる試験動作および試験を実施するために必要な試験回路130の構成を熟知している。走査装置140および制御ユニット150は別個のユニットとして図示されているが、これらが1つのユニットに一体化されても、あるいは、これらの一方または両方が試験ユニット110に一体化されてもよいと考察される。
【0019】
走査装置140は、装着および抜去工程中に、試験対象デバイス170から外れ、試験ソケット120に残った可能性のある破損ピンを検出するために、試験対象デバイス170の装着の間に(between insersions)試験ソケット120を(例えば、光学的または電気的に)走査する。装着の間に(between insersions)ソケットを走査するため、試験システム100のスループットが低下することがない。走査の頻度は、具体的な実施形態に応じて変わりうる。例えば、前の試験対象デバイス170を装着してから次の試験対象デバイス170を装着するまでの間に(between each insersion)、試験ソケット120が走査されてもよい。別の実施形態では、固定の頻度で(例えば、5回の装着ごとに)走査が完了されてもよい。
【0020】
走査装置140が走査結果を制御ユニット150に伝達し、制御ユニット150は、走査データを解析して、試験ソケット120に残っている可能性のあるピンを検出する。制御ユニット150は、走査データをデータベース160に記憶しうる。一部の実施形態では、制御ユニット150は、全走査結果を記憶してもよいが、別の実施形態では、制御ユニット150は、破損の疑いのあるピンに関連する走査データのみを記憶してもよい。
【0021】
手短に図2を参照すると、試験ソケット120の上面図を示す。試験ソケット120は、複数の試験対象デバイス170のピンを受容する開口200を有する。開口200の1つに破損ピン210が残っている。破損ピン210のため、試験ソケット120の特性が基準状態から変化してしまう。走査装置140によって行われる測定は、制御ユニット150が、特性の変化を検出して、破損ピン210を検出するのを支援する。開口200の個数および配置に関する試験ソケット120の具体的な配置は、特定の実施形態および試験対象デバイス170の構造に応じて変わりうる。
【0022】
一部の実施形態では、走査装置140は、照射によって、あるいは、試験ソケット120の画像をキャプチャすることによって試験ソケット120を走査する光学式走査装置である。別の実施形態では、走査装置140は、破損ピン210の存在を検出するために試験ソケット120の電気的特性(例えば、抵抗)を評価する電気式走査装置である。
【0023】
図3に示す第1の実施形態では、走査装置140は、光源300(例えば、レーザ)と、光源から射出され、試験ソケット120によって反射されて検出器310に入射する光の特性(例えば、1以上の波長における強度)を測定するように動作可能な検出器310とを備えうる。検出器310に対する光源300の向きは、具体的な実施形態に応じて変わりうる。また、光源300および検出器310の形状も、図示の例とは変わりうる。図に示した実施形態では、光源300および検出器310は、試験ソケット120に関して垂直な向きに配置されている。
【0024】
光学走査データが基準データと比較され、試験ソケット120内にピンが存在していることを示しうる差異が検出される。例えば、測定した走査データが、基準強度しきい値と比較されうる。試験ソケット120および/またはピンの光学特性に応じて、測定した強度が、予め定められたしきい値から外れている、すなわち、正方向または負方向のいずれかに外れていることが観察されると、ピンの存在が検出されうる。走査装置140が試験ソケット120全体を走査しても、別の実施形態では、走査装置140が、試験ソケット120の一部を走査して、各部分走査の結果を制御ユニット150に報告してもよい。
【0025】
図4に示す別の実施形態では、走査装置140は、試験ソケット120の画像400をキャプチャして、キャプチャした画像400を基準画像410と比較して、破損ピン210を検出しうる。基準画像410が、試験ソケット120に対して事前に生成されても、破損ピン210が存在しないことが判明している、以前の試験ソケット120の走査の1つ以上を使用して基準画像410が生成されてもよい。基準画像410を更新することによって、試験システム100の近くの変化する環境(例えば、周囲の照明)、または使用による試験ソケット120の変化に対処し、これにより、走査結果の誤りの発生の可能性を低減させることができる。
【0026】
キャプチャした画像400を基準画像410と比較するために、さまざまな手法を使用することができる。例えば、破損ピン210の存在を検出するために、ピクセルまたはピクセル群が比較されうる。試験ソケット120の色が暗い実施形態では、金属のピンは、極めて明るいピクセル群として観察される。このため、キャプチャした画像400のピクセル群の色の平均が、基準画像410の予想される色の平均と異なる場合に、破損ピン210を検出することができる。ほかの比較手法が使用されてもよい。一部の実施形態では、ピクセル毎の比較が行われて、平均絶対誤差、二乗平均誤差(mean squared error)、二乗平均平方根誤差(root mean squared error)、ピーク二乗誤差(peak squared error)、ピーク信号対雑音比、異なるピクセルカウントなどの各種統計値が求められうる。差の統計値の1つ以上が比較されて、キャプチャした画像400が、基準画像410と、1本以上の破損ピン210の存在を示唆するのに十分な程度異なっているかどうかが判定される。
【0027】
図5に示す本発明の別の実施形態では、試験ソケット120の電気的走査を実行して破損ピン210を検出するために、走査装置140が試験ソケット120に電気的に結合されうる。走査装置140は、試験回路130と通信しても、試験回路130と一体化されてもよい。走査装置140は、試験ソケット120に電気的試験を実行して、破損ピン210の存在を判定する。破損ピン210の存在を判定するための電気的試験の例として、導通試験または信号注入試験がある。
【0028】
図6A〜6Cの断面図を手短に参照すると、試験ソケット120は、通常は相互に連通していないコンタクト600,610を有しうる。例えば、コンタクト600は、試験対象デバイス170の機能試験に使用される試験コンタクトであり、コンタクト610は、破損ピン210の検出にのみ使用される走査コンタクトなどである。
【0029】
走査中に、走査装置140は、試験コンタクト600と走査コンタクト610間の導通を確認しうる。別の実施形態では、走査装置140は、走査コンタクト610に信号を注入し、試験コンタクト600にこの信号が存在するかを判定するため、試験回路130に照会しうる。導通または信号への応答がある場合、開口200内に破損ピン210が残っている可能性が高い。
【0030】
コンタクト600,610の向きは、特定の実施形態に応じて変わりうる。例えば、図6Aに示すように、コンタクト600,610の両方を、開口200の側壁に設けてもよい。図6Bに示す別の実施形態では、コンタクト600,610の一方が開口200の側壁に設けられ、もう一方のコンタクト600,610が開口200の底部に存在していてもよい。図6Cに示す更に別の実施形態では、試験コンタクト600と独立して走査を完了することが可能となるように、2つの走査コンタクト610,620が設けられてもよい。このような実施形態では、走査装置140は、導通または信号応答の有無を判定するために、試験回路130と通信している必要はない。
【0031】
図1に戻ると、走査装置140は制御ユニット150に走査結果を提供し、制御ユニット150が、走査結果を解析して、破損ピン210の存在を検出する。光学式走査装置140の場合、制御ユニット150は、破損ピン210を検出するために、例えば、測定した強度を基準強度と比較するか、あるいはキャプチャした画像を基準画像と比較することによって、走査データを基準データと比較する。電気的走査装置140の場合、制御ユニット150は、破損の可能性のあるピン210の存在を検出するために、測定した電気的走査データを基準データ(例えば、導通または信号応答のないもの)と比較する。
【0032】
制御ユニット150は、破損の可能性のあるピン210を検出すると、さまざまな是正措置を実施することができる。一実施形態では、制御ユニット150は試験ソケット120が疑わしいことを試験ユニット110に通知し、試験ユニット110は、その後試験対象デバイス170が試験ソケット120に装着されないように阻止する。この措置により、試験ソケット120の埋っている開口200に、後の試験対象デバイス170のピンを装着しようとして、ほかの試験対象デバイス170が破損するのを防ぐことができる。試験ユニット110が複数の試験ソケット120を備えている場合、残りのソケットを、試験対象デバイス170の試験に引き続き使用することができる。制御ユニット150が実施しうる、ほかのとりうる是正措置としては、装置のオペレータに電子メッセージ(例えば電子メール)を送信したり、あるいは破損の可能性のあるピン210を特定するアラームまたは状態インジケータを作動させることが挙げられる。制御ユニット150がとりうる更に別の措置として、製造施設の保守システム(図示せず)にスケジューリング要求を送信することがある。保守システムは、疑わしい試験ソケット120を検査および修理するために、試験ユニット110を自動的に停止(out of service)させるか、保守処置をスケジュールするか、この両者を行いうる。
【0033】
また、制御ユニット150は、以前に正常の結果が得られた走査を行ってから、試験が行われた1つ以上の試験対象デバイス170に関して是正措置も行うことができる。最後に試験が行われた試験対象デバイス170は、故障の可能があると指定されうる。各走査の間に装着が複数回行われる実施形態では、走査の間に処理された試験対象デバイス170が、故障の可能性があるとして検出されうる。破損ピン210がどの試験対象デバイス170のものであるかによっては、故障した試験対象デバイス170の後に装着されたデバイスは、ピンが湾曲しているか破損している可能性がある。
【0034】
図7を参照すると、試験ソケットが使用できるかどうかを判定するための方法の簡略フローチャートが提供される。方法ブロック700において、試験対象デバイスの装着の間(between insersions)試験ソケットが走査され、走査データが生成される。方法ブロック710において、走査データが、基準データ(例えば、基準画像、強度しきい値、電気的しきい値など)と比較される。方法ブロック720において、この比較に基づいて、試験ソケットに残っているピンの存在が検出される。
【0035】
上記に記載した具体的な実施形態は例に過ぎず、本発明は、本開示の教示の利益を得る当業者にとって自明の、異なるが均等の別法によって変更および実施されてもよい。更に、ここに記載した構成または設計の詳細が、添付の特許請求の範囲以外によって限定されることない。このため、上記に記載した具体的な実施形態を変形または変更することが可能であり、このような変形例は全て本発明の範囲ならびに趣旨に含まれることが意図されることが明らかである。したがって、ここに保護を請求する対象は、添付の特許請求の範囲に記載したとおりである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査データを生成するために、試験対象デバイス(170)の抜去後に試験ソケット(120)を走査するステップと、
前記走査データを基準データと比較するステップと、
前記比較に基づいて前記試験ソケット(120)内にピン(210)の少なくとも一部が存在することを検出するステップと、を有する方法。
【請求項2】
前記試験ソケット(120)を走査するステップは、前記試験ソケット(120)を光学的に走査するステップを更に有し、前記基準データは光学的しきい値を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記試験ソケット(120)を走査するステップは、前記試験ソケット(120)の画像(400)をキャプチャするステップを更に有し、前記基準データは基準画像(410)を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記試験ソケット(120)を走査するステップは、前記試験ソケット(120)を電気的に走査するステップを更に有し、前記基準データは電気的しきい値を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
試験対象デバイス(170)を受容するように動作可能な試験ソケット(120)と、
走査データを生成するために、試験対象デバイス(170)の抜去後に、前記試験ソケット(120)を走査するように動作可能な走査装置(140)と、
前記走査データを基準データと比較し、前記比較に基づいて前記試験ソケット(120)内にピン(210)の少なくとも一部が存在することを検出するように動作可能な制御ユニット(150)と、を有する試験システム(100)。
【請求項6】
前記走査装置(140)は光学式走査装置を有し、前記基準データは光学的しきい値を含む請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記走査装置(140)は、前記試験ソケット(120)の画像(400)を前記走査データとしてキャプチャするように動作可能であり、前記基準データは前記試験ソケット(120)の基準画像(410)を含む請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記走査装置(140)は、前記試験ソケット(120)を電気的に走査するように動作可能であり、前記基準データは光学的しきい値を含む請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記試験ソケット(120)は、
試験対象デバイス(170)のピンを受容するための開口と、
前記開口に配置された少なくとも第1のコンタクトと、
前記開口に配置された少なくとも第2のコンタクトとを有し、
前記走査装置は、前記第1のコンタクトと前記第2のコンタクトとの間に導通が存在するかどうかを判定するように動作可能であり、前記走査データは、前記開口のそれぞれの導通の結果を含む請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記試験ソケット(120)は、
試験対象デバイス(170)のピンを受容するための開口(200)と、
前記開口に配置された少なくとも第1のコンタクト(600,610)と、
前記開口に配置された少なくとも第2のコンタクト(610,620)と、
前記走査装置(140)は、前記第1のコンタクト(600,610)に信号を注入し、前記第2のコンタクト(610,620)における応答を測定するように動作可能であり、前記走査データは、前記開口(200)のそれぞれの応答結果を含む請求項5に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−525365(P2010−525365A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506217(P2010−506217)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/004961
【国際公開番号】WO2008/133833
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(509329187)グローバルファウンドリーズ・インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】