説明

認知増強用化合物及び組成物、製造法、並びに治療法

ムスカリン受容体を刺激し、認知障害を治療するために有用なムスカリン作動薬を提供する。前記作動薬を合成する方法を提供する。さらに、ヒトなどの対象の認知機能を増強するため、ムスカリン作動薬又はその薬学的に許容される形態からなる組成物を提供する。さらにまた、前記組成物を投与することによりヒトなどの動物を治療する方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の化合物
【化1】

(式中、Rは−CR
【化2】

からなる群から選択され;
、R及びRは独立して、DまたはFから選択され;及び
、R、R、R、R及びR10は独立してH、D、Fまたはメチル基から選択される。
但し、R、R、R、R、R及びR10のうちいずれか一つのみがメチル基である。)
及びその薬学的に許容される塩またはこれらの立体異性体。
【請求項2】

【化3】

である請求項1の化合物。
【請求項3】

【化4】

である請求項1の化合物。
【請求項4】
及びRが共にDまたは共にFである請求項3の化合物。
【請求項5】
、R及びRがそれぞれDまたはFである請求項3の化合物。
【請求項6】
、R、R、R及びRがそれぞれDまたはHである請求項3の化合物。
【請求項7】
次の群から選択される請求項3の化合物。
A. R、R、R、R及びRがそれぞれDである、式3−(エチル−d5)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物;
B. RがH、R、R、R及びRがそれぞれDである、式3−(エチル−d4)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物;
C. R、R、R及びRがそれぞれDであり、RはHである、式3−(エチル−d4)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物;
D. R及びRがそれぞれHであり、R、R、RがそれぞれDである、式3−(エチル−d3)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物;
E. R及びRがそれぞれHであり、R、R、RがそれぞれDである、式3−(エチル−d3)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物;
F. R及びRがそれぞれHであり、R、R、RがそれぞれDである、式3−(エチル−d3)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物;
G. R、R及びRがそれぞれHであり、R、RがそれぞれDである、式3−(エチル−d2)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物;
H. R、R及びRがそれぞれHであり、R、RがそれぞれDである、式3−(エチル−d2)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物;
I. R、R及びRがそれぞれHであり、R、RがそれぞれDである、式3−(エチル−d2)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物;
J. R、R、R及びRがそれぞれHであり、RがDである、式3−(エチル−d1)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物、及び
K. R、R、R及びRがそれぞれHであり、RがDである、式3−(エチル−d1)−5−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾールの化合物。
【請求項8】
、R、R、R及ビRがそれぞれ である請求項3の化合物。
【請求項9】

【化5】

である請求項1の化合物。
【請求項10】
、R及びR10のうち一つがメチル基である請求項9の化合物。
【請求項11】
がメチル基であり、R及びR10が共にHである請求項10の化合物。
【請求項12】
が−CRである請求項1の化合物。
【請求項13】
、R及びRの全てがD又は全てがFである請求項12の化合物。
【請求項14】
、R及びRの全てがDである請求項12の化合物。
【請求項15】
式25−27若しくは25−27の立体異性体の化合物、又はこれらのその薬学的に許容される塩または立体異性体であって、当該化合物は下記構造式を有する;
【化6】

XはO又はS;
がNH若しくは1から3の重水素原子で置換されていてもよいメチル基、又はXがSのときRはH又はDであってもよく;
がH、F、置換されているか若しくは置換されていないC1−4アルキル基、OH又はORであって、Rは置換されているか若しくは置換されていないC1−4アルキル基であり;
はH、XがSのときRはまた、重水素又はフッ素からなる群から選択される1−3の置換基で置換されていてもよいメチル基でもよく;
はそれぞれの環境においてFであり;
nは0,1又は2であり、但しnが0のときピロリジン環は置換された又は置換されていないC1−6アルキルの第4部位が置換されていてもよく;
pは0,1,又は2である。
【請求項16】
XがOである請求項15の化合物。
【請求項17】
XがSである請求項15の化合物。
【請求項18】
がCHまたはCDである請求項15−17のいずれかの化合物。
【請求項19】
がFである請求項15−18のいずれかの化合物。
【請求項20】
式Iの化合物である請求項15−19のいずれかの化合物。
【請求項21】
式IAの化合物である請求項15−19のいずれかの化合物。
【請求項22】
式IBの化合物である請求項15−19のいずれかの化合物。
【請求項23】
式IIの化合物である請求項15−19のいずれかの化合物。
【請求項24】
式IIAの化合物である請求項15−19のいずれかの化合物。
【請求項25】
式IIBの化合物である請求項15−19のいずれかの化合物。
【請求項26】
3−(メチル)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、(R)−3−(メチル)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、(S)− 3−(メチル)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、 3−(メチル)−5−(4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−メチル−5−((3S,4S)−4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル)−5−((3R,4R)−4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール、(R)−5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール、(S)−5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール、3−メチル−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(S)− 3−メチル−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(R)− 3−メチル−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、3−メチル−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、(S)− 3−メチル−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、(R)−3−メチル−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、
からなる群から選択される請求項15の化合物。
【請求項27】
3−(メチル−d3)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、(R)−3−(メチル−d3)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、(S)−3−(メチル−d3)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、 3−(メチル−d3)−5−(4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル−d3)−5−((3S,4S)−4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル−d3)−5−((3R,4R)−4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、 5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−(メチル−d3)−1,2,4−オキサジアゾール、(R)−5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−(メチル−d3)−1,2,4−オキサジアゾール、(S)−5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−(メチル−d3)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル−d3)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(S)− 3−(メチル−d3)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(R)−3−(メチル−d3)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(メチル−d3)−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、(S)− 3−(メチル−d3)−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、(R)−3−(メチル−d3)−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、
からなる群から選択される請求項15の化合物。
【請求項28】
3−(メチル−d2)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、(R)−3−(メチル−d2)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、(S)−3−(メチル−d2)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、 3−(メチル−d2)−5−(4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル−d2)−5−((3S,4S)−4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル−d2)−5−((3R,4R)−4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、 5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−(メチル−d2)−1,2,4−オキサジアゾール、(R)−5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−(メチル−d2)−1,2,4−オキサジアゾール、(S)−5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−(メチル−d2)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル−d2)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(S)− 3−(メチル−d2)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(R)−3−(メチル−d2)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(メチル−d2)−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、(S)− 3−(メチル−d2)−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、(R)−3−(メチル−d2)−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、
からなる群から選択される請求項15の化合物。
【請求項29】
3−(メチル−d1)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、(R)−3−(メチル−d1)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、(S)−3−(メチル−d1)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、 3−(メチル−d1)−5−(4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル−d1)−5−((3S,4S)−4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル−d1)−5−((3R,4R)−4−メチルピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール、 5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−(メチル−d1)−1,2,4−オキサジアゾール、(R)−5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−(メチル−d1)−1,2,4−オキサジアゾール、(S)−5−(3−フルオロピペリジン−3−イル)−3−(メチル−d1)−1,2,4−オキサジアゾール、3−(メチル−d1)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(S)− 3−(メチル−d1)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(R)−3−(メチル−d1)−5−(ピペリジン−3−イル)−1,2,4−チアジアゾール、(メチル−d1)−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、(S)− 3−(メチル−d1)−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、(R)−3−(メチル−d1)−5−(ピロリジン−3−イル)−1,2,4−オキサゾール、
からなる群から選択される請求項15の化合物。
【請求項30】
請求項1−29のいずれかの化合物及び薬学的に許容される担体からなる薬学的に許容される塩またはこれらの立体異性体。
【請求項31】
請求項1−30のいずれかの化合物または組成物の有効量を必要な対象に投与することからなる方法。
【請求項32】
対象は、初老期認知症、老人性痴呆症、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、躁病、およびトゥレット症候群又はアルツハイマー病を患っている、請求項31の方法。
【請求項33】
式2の化合物またはその塩
【化7】

をギ酸エステルで処理して、式1の化合物又はその塩
【化8】


(式中、Rは−CR4、
【化9】

からなる群から選択され、
、R、Rは独立してH、DまたはFから選択され、及び
、R、R、R、R、及びR10は独立してH、D、F又はメチル基から選択される。
但し、R、R、R、R、R、R、及びR10のいずれか一つのみがメチル基である。)
を提供する方法。
【請求項34】
ギ酸エステルの等価物が、トリエチルオルトギ酸エステル、トリメチルオルトギ酸エステル、ジエトキシメチル酢酸エステル、又はギ酸エチルから選ばれる請求項33の方法。
【請求項35】
さらに、式3の化合物
【化10】

(式中、各PGは独立に塩基安定N−保護基である。)
から実質的に塩基安定N−保護基を除去して、式2の化合物を調製することからなる請求項33または34の方法。
【請求項36】
塩基安定N−保護基がt−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、またはクロロベンジルオキシカルボニルから選択される請求項35の方法。
【請求項37】
各PGは、t−ブチルオキシカルボニルであり、式IIIの化合物を、実質的に全てのt−ブチルオキシカルボニルを除去するのに十分な量の酸にさらすことにより除外される請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
酸は塩酸またはトリフルオロ酢酸である請求項37の方法。
【請求項39】
式4の化合物
【化11】

を塩基の存在下、アミドオキシム5
【化12】

で処理して、式3の化合物
【化13】

(式中、Rはメチル基又はエチル基であって、Rは−CR
【化14】

からなる群から選択され、
、R、Rは独立してH、DまたはFから選択され、及び
、R、R、R、R、及びR10は独立してH、D、F又はメチル基から選択される。
ただし、R、R、R、R、R、R、及びR10のいずれか一つのみがメチル基であり、各PGは独立に塩基安定N−保護基である。)
【請求項40】
塩基は、NaH、KH、ナトリウムメトキシドまたはカリウムt−ブトキシドから選択される請求項39の方法。
【請求項41】
さらに、式8の化合物
【化15】

(式8中のRは、メチル又はエチル基である。)
またはその塩を、式8の各アミノ基に塩基安定N−保護基を接触させる薬剤で処理して式4の化合物を調製することからなる請求項39または40の方法。
【請求項42】
塩基安定N−保護基に接触させる薬剤は、ジ−t−ブチルジカルボネート、t−ブチルオキシクロロギ酸、ベンジルオキシクロロギ酸、またはクロロベンジルオキシクロロギ酸から選択される請求項41の方法。
【請求項43】
式4の化合物の調製は、塩基の存在下で行われる請求項41または42の方法、。
【請求項44】
塩基が、アルカリ金属炭酸塩もしくは重炭酸塩または三級アミンである請求項43の方法。
【請求項45】
塩基が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、または炭酸セシウムである請求項45の方法。
【請求項46】
塩基安定N−保護基が、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、またはクロロベンジルオキシカルボニルから選択される請求項39−45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
請求項39の方法において、さらに、式9の化合物
【化16】

(式中、Rはメチル基又はエチル基であり、各R1は独立に置換基を有していてもよいベンジル基である。)
からR基を除いて式3の化合物を調製することからなる請求項39の方法。
【請求項48】
請求項47において、さらに式10の化合物
【化17】

(式中、Rはメチル基又はエチル基であり、各LGは独立に脱離基である。)
を、塩基存在下で置換又は非置換ベンジルアミンで処理して式9の化合物を調製する請求項47の方法。
【請求項49】
各LGがブロモ基である請求項48の方法。
【請求項50】
式11の化合物
【化18】

(式中、Rは−CR
【化19】

からなる群から選択され、
、R及びRは独立して、DまたはFから選択され;及び
、R、R、R、R及びR10は独立してH、D、Fまたはメチル基から選択される。
但し、R、R、R、R、R及びR10のうち一つ以下がメチル基である。
各R12は独立して−H、置換又は非置換ベンジル基、又は塩基安定N−保護基である。)
又はその塩。
【請求項51】
請求項1−30のいずれかの化合物又は組成物の有効量を対象に投与することからなる、対象の認知及び/又は記憶を増強する方法。
【請求項52】
対象が、アルツハイマー病に罹患しているヒトである請求項51の方法。
【請求項53】
請求項1−30のいずれかの化合物又は組成物の有効量を対象に投与することからなる、対象の認知障害を治療する方法であって、
前記対象は、認知機能障害、軽度認識障害、前頭側頭認知症、レビー小体認知症、初老期認知症、老人性痴呆症、ダウン症候群、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動過剰症、躁病、およびトゥレット症候群やアルツハイマー病からなる群から選択される認知障害に罹患している、方法。
【請求項54】
対象が、アルツハイマー病に罹患しているヒトである請求項53の方法。
【請求項55】
請求項1−30のいずれかの化合物または組成物の有効量を対象に投与することからなる、脳内のムスカリン受容体を刺激する方法。
【請求項56】
ムスカリン受容体の刺激が増強刺激である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
対象の脳内イノシトールリン酸のレベルが投与前のレベルに対して増加される、請求項55または56の方法。
【請求項58】
ムスカリンM1受容体発現神経細胞において、イノシトールリン酸のレベルが増加される請求項57の方法。
【請求項59】
対象が、アルツハイマー病に罹患しているヒトである、請求項55から58の方法。
【請求項60】
精神病を患っている対象に、請求項1−30の化合物又は組成物を治療上有効量
投与することからなる、精神病を治療する方法。
【請求項61】
精神病が、統合失調症に付随または起因する、請求項60の方法。
【請求項62】
精神病が、アルツハイマー病に付随または起因する、請求項60の方法。
【請求項63】
請求項1−30のいずれかに記載の化合物または組成物の化合物の量を減らすために必要量を投与することからなる、対象におけるAβのレベルを減少させる方法。
【請求項64】
対象が、アルツハイマー病に罹患している、請求項63の方法。
【請求項65】
ムスカリンMl受容体発現神経細胞におけるAβのレベルが減少する、請求項64の方法。
【請求項66】
請求項1−30のいずれかの化合物又は組成物の有効量を対象に投与して、グリコーゲン合成酵素3β活性の阻害、プロテインキナーゼC活性の上昇、イノシトールリン酸レベルの上昇、sAPPαのレベルの上昇、Aβレベルの減少、及びムスカリンM1受容体発現神経細胞におけるアポトーシスの阻害からなる群から選択される少なくとも一つの生物学的活性を対象に引き起こすことからなる、コリン作動性活性の欠損からなる神経学的症状を有する対象を治療する方法。
【請求項67】
対象が、アルツハイマー病に罹患している、請求項66の方法。
【請求項68】
少なくとも一ヶ月間、化合物または組成物を対象に投与する、請求項51−67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
少なくとも一年間、化合物または組成物を対象に投与する、請求項51−67のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
無期限に、化合物または組成物を対象に投与する、請求項51−67のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
(i)対象に認知増強効果を得るのに十分な量の、少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬、又はこれらの薬学的に許容される形態であって、
少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬は、対象に少なくとも一つの、中程度のコリン作動性副作用を引き起こすのに十分な量であって、前記コリン作動性副作用は、紅潮、消化管の不調、増加した胃酸、吐き気、嘔吐、下痢、過流涎、呼吸困難、頻脈、めまい、失神、頭痛、痙攣、傾眠およびそれらの組み合わせからなり、且つ
(ii)少なくとも一つのコリン作動性副作用が対象にもっとも穏やかになるのに十分な量の少なくとも一つのムスカリン作動薬、又はこれらの薬学的に許容される形態
からなる、必要とする対象に投与するための医薬組成物。
【請求項72】
少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬は、MCD−386、オキサジアゾール、チアジアゾール、又は請求項1−29の化合物である、請求項71の医薬組成物。
【請求項73】
少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬は、MCD−386である、請求項71の医薬組成物。
【請求項74】
組成物中に存在するMCD−386の量が、ヒト対象における血清又は血しょう中に少なくとも25−30ng/ml、少なくとも30−35ng/ml、少なくとも40−45ng/ml、および少なくとも45−50ng/mlからなる群から選択される範囲内で生産するのに十分な量である、請求項73の医薬組成物。
【請求項75】
少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬が、請求項1−14のいずれかの化合物である、請求項72の医薬組成物。
【請求項76】
少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬が、請求項15−29のいずれかの化合物である、請求項72の医薬組成物。
【請求項77】
少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬が、対象における認知増強効果を達成するのに十分な血清または血漿の最小Cmaxを達成するものであって、
前記少なくとも一つのM1またはM1/M4選択的ムスカリン作動薬の使用量は、少なくとも一つの中程度のコリン作動性副作用を引き起こすのに十分な量であり、前記コリン作動性副作用とは、発汗、唾液分泌過多、顔面紅潮、消化管不調、胃酸過剰、吐き気、嘔吐と下痢、呼吸困難、頻脈、目まい、失神、頭痛、けいれん、眠気、及びこれらの組み合わせである、請求項75および76のいずれかの医薬組成物。
【請求項78】
少なくとも一つのムスカリン拮抗薬は、N−メチルアトロピン硝酸塩、フラボキサート塩酸塩、N−メチルスコポラミン塩酸塩、臭化グリコピロレート、ダリフェナシン臭化水素酸塩、ソリフェナシンコハク酸塩、臭化プロパンテリン、塩化トロスピウム、トルテロジン酒石酸塩、フェソテロジンフマル酸塩、臭化メタンテリン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項71−78のいずれかの医薬組成物。
【請求項79】
コリン作動性副作用効果は、発汗、唾液分泌過多、顔面紅潮、下痢、からなる群から選択される、請求項71−78のいずれかの医薬組成物。
【請求項80】
選択的M1又はM1/M4ムスカリン作動薬の薬学的に許容される形態は、選択的なM1又はM1/M4ムスカリン作動薬の塩、水和物、包接化合物の溶媒和化合物または多形からなり、前記ムスカリン拮抗薬の薬学的に許容される形態は、ムスカリン拮抗薬の塩、水和物、包接化合物、溶媒和化合物または多形からなる、請求項71−79のいずれかの医薬組成物。
【請求項81】
医薬組成物が、静脈内錠剤、丸剤、ゲル、固形物、カプセル剤、多微粒子、経皮パッチ、イオントフォレーシス装置、浸透圧装置型静脈適合剤、静脈点滴で投与される液体組成物、又は輸液ポンプからなる群から選択される剤形で提供される、請求項71−80のいずれかの医薬組成物。
【請求項82】
剤形がイオントフォレーシス装置からなる、請求項81の医薬組成物。
【請求項83】
前記組成物又は剤型が、15、30、45、60、90、及び120分から選択される時間枠で、少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬の血漿または血清中の濃度が、対象における認知増強効果を達成するのに十分な濃度であって、
前記少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬の量は、ムスカリン拮抗薬非存在下、少なくとも一つの中程度のコリン作動性副作用を対象に引き起こすのに十分な量である、請求項71−82のいずれかの医薬組成物。
【請求項84】
少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬と、ムスカリン拮抗薬は、遅延放出剤形である、請求項71−83のいずれかの医薬組成物。
【請求項85】
認知増強効果は、場所の記憶の改善、情報の記憶の改善、事実の記憶の改善、道具の操作法や利用法の記憶の改善、情報解析能力の改善、推論や判断能力の改善、結論の合成能力の改善、戦略的に考える能力の改善、計画や決断をする能力の改善、計画や決断を実行する能力、日常生活の活動を行う能力、雇用される能力の改善、効果的な記憶や認知に関与するニューロン機構の改善(ムスカリン機能を含む)、記憶や認知機能の喪失を導く発症メカニズムの低下、認知や記憶機能の喪失を導くニューロンやニューロンの活性の喪失の低下、ADAS−CogやMMSEなどの神経心理学的検査のスコアの改善、ADCS−ADLなどの日常生活の活動の臨床判定のスコアの改善、対象におけるα−セクレターゼ活性向上、対象におけるAβ産生減少、対象におけるsAPPα産生増加、及びタウ病変及び/又は対象におけるアポトーシスの低下からなる群から選択される、請求項71−84のいずれかの医薬組成物。
【請求項86】
認知障害を伴う対象を治療する方法であって、
対象に少なくとも一つのムスカリン作動薬を投与し、ここで、前記少なくとも一つのムスカリン作動薬がM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬であって、前記M1又はM1/M4の量は、対象の血流中において、ムスカリン拮抗薬非存在下で、発汗、唾液分泌過多、顔面紅潮、消化管不調、胃酸過剰、吐き気、嘔吐と下痢、呼吸困難、頻脈、目まい、失神、頭痛、けいれん、眠気、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一つの中程度のコリン作動性副作用を患者が受けるのに十分な濃度であり、及び
対象に少なくとも一つのムスカリン拮抗薬を投与する、ここで、前記ムスカリン拮抗薬の量は、対象の血流における少なくとも一つのムスカリン拮抗薬の濃度が、前記拮抗薬が血流中に存在する間に、患者がせいぜい軽度又は中程度のコリン作動性副作用を受けるのに十分な濃度を達成するのに十分な量である、方法。
【請求項87】
患者は、少なくとも拮抗薬が血流中に存在する間に、せいぜい軽度又は中程度のコリン作動性副作用を受ける、請求項86の方法。
【請求項88】
少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬は、MCD−386、オキサジアゾール、チアジアゾール、又は請求項1−29のいずれかの化合物である、請求項86−87の方法。
【請求項89】
少なくとも一つのM1/M4選択的ムスカリン受容体作動薬がMCD−386である、請求項88の方法。
【請求項90】
記少なくとも一つのM1/M4選択的ムスカリン受容体作動薬が請求項1−14のいずれかの化合物である、請求項88の方法。
【請求項91】
少なくとも一つのM1/M4選択的ムスカリン受容体作動薬が請求項15−29の化合物である、請求項88の方法。
【請求項92】
少なくとも一つのムスカリン拮抗薬は、N−メチルアトロピン硝酸塩、フラボキサート塩酸塩、N−メチルスコポラミン塩酸塩、臭化グリコピロレート、ダリフェナシン臭化水素酸塩、ソリフェナシンコハク酸塩、臭化プロパンテリン、塩化トロスピウム、トルテロジン酒石酸塩、フェソテロジンフマル酸塩、臭化メタンテリン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項86−91のいずれかの方法。
【請求項93】
少なくとも一つのムスカリン拮抗薬は、少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬と同時、または実質的に同時に投与される、請求項86−92のいずれかの方法。
【請求項94】
少なくとも一つのムスカリン拮抗薬は、N−メチルアトロピン、フラボキサート、N−メチルスコポラミン、グリコピロレート、ダリフェナシン、ソリフェナシン、プロパンテリン、トロスピウム、トルテロジン、フェソテロジン、メタンテリン、及びこれらの塩、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項88−93のいずれかの方法。
【請求項95】
塩は、硝酸塩、塩酸塩、臭化物、臭化水素酸塩、コハク酸塩、塩化物、酒石酸およびフマル酸塩からなる群から独立して選択される、請求項94の方法。
【請求項96】
少なくとも一つのムスカリン拮抗薬は、N−メチルアトロピン硝酸塩、フラボキサート塩酸塩、N−メチルスコポラミン塩酸塩、臭化グリコピロレート、ダリフェナシン臭化水素酸塩、ソリフェナシンコハク酸塩、臭化プロパンテリン、塩化トロスピウム、トルテロジン酒石酸塩、フェソテロジンフマル酸塩、臭化メタンテリン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項94および95のいずれかの方法。
【請求項97】
少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬の投与後に、少なくとも一つのムスカリン拮抗薬が投与される、請求項86−96のいずれかの方法。
【請求項98】
少なくとも一つのムスカリン拮抗薬は、少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬の120分以内に投与される、請求項93−97のいずれかの方法。
【請求項99】
少なくとも一つのムスカリン拮抗薬は、少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬の60分以内に投与される、請求項93−97のいずれかの方法。
【請求項100】
少なくとも一つのムスカリン拮抗薬は、少なくとも一つのM1又はM1/M4選択的ムスカリン作動薬の10分以内に投与される、請求項93−97のいずれかの方法。
【請求項101】
さらに、対象が、少なくとも一つの作動薬又は拮抗薬を代謝する能力を決定するために対象を試験する工程からなる請求項93−100のいずれかの方法。
【請求項102】
(i)対象における認知増強効果を達成するために十分な量の、少なくとも一つの選択的ムスカリン作動薬、またはその薬学的に許容される形態、及び
(ii)前記医薬組成物が、ヒト対象に投与した時にせいぜい軽度のコリン作動性副作用を引き起こすものである、少なくとも一つのムスカリン拮抗薬又はその薬学的に許容される形態、
からなる、治療を必要とするヒト対象へ投与するための医薬組成物。
【請求項103】
ムスカリン拮抗薬がフェソテロジンまたはその塩である、請求項102に記載の医薬組成物。
【請求項104】
ムスカリン拮抗薬がフェソテロジンフマル酸塩である、請求項103に記載の医薬組成物。
【請求項105】
ムスカリン拮抗薬がフェソテロジンの塩化物塩である、請求項103に記載の医薬組成物。
【請求項106】
少なくとも一つの選択的ムスカリン作動薬の量が、対象に少なくとも中程度のコリン作動性副作用を引き起こすのに十分な量であって、前記コリン作動性副作用が、発汗、唾液分泌過多、顔面紅潮、消化管不調、胃酸過剰、吐き気、嘔吐と下痢、呼吸困難、頻脈、目まい、失神、頭痛、けいれん、眠気、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項102−5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項107】
ムスカリン拮抗薬がフェソテロジンまたはその塩である、請求項78−85のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項108】
ムスカリン拮抗薬がフェソテロジンフマル酸塩である、請求項107記載の医薬組成物。
【請求項109】
ムスカリン拮抗薬がフェソテロジンの塩化物塩である、請求項107記載の医薬組成物。
【請求項110】
ムスカリン拮抗薬がフェソテロジンまたはその塩である、請求項92−101のいずれかに記載の方法。
【請求項111】
ムスカリン拮抗薬がフェソテロジンフマル酸塩である、請求項110記載の方法。
【請求項112】
ムスカリン拮抗薬が、フェソテロジンの塩化物塩である請求項110記載の方法。


【公表番号】特表2012−519704(P2012−519704A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553136(P2011−553136)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/026380
【国際公開番号】WO2010/102218
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(511212561)ミスリィディオン,インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】MITHRIDION,INC.
【Fターム(参考)】