説明

誘導加熱装置及び誘導加熱装置の制御方法

【課題】PWM信号に対する異常検出までの時間を従来よりも短縮し、誘導加熱装置の破壊を防ぐ。
【解決手段】 加熱コイルを備えた誘導加熱部3を備え、前記誘導加熱部3の温度制御をPWM信号で行う誘導加熱装置であって、出力されたPWM信号のON又はOFF時間を検知する手段31、33と、検知したPWM信号のON又はOFF時間が当該PWM信号について設定した時間範囲内であるときPWM信号を前記誘導加熱部へ出力させ、前記時間範囲外であるときPWM信号の前記誘導加熱部への出力を停止させる異常監視手段(36〜38)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は誘導加熱装置及び誘導加熱装置の制御方法に関し、制御信号例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号で誘導加熱部への供給電力を制御する誘導加熱装置及び誘導加熱装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の定着ユニットを加熱するための誘導加熱装置において、入力するPWM信号のON又はOFF時間を変動させ、それによってその供給電力を制御することが知られている。この給電制御においては、PWM信号のON又はOFF時間は使用可能な時間範囲があるため、その範囲を逸脱しないように制限することが行われている。
【0003】
例えば特許文献1に記載された誘導加熱装置では、OFF時間の監視を行い、PWM信号のOFF時間が必要以上に長くならないように、安全装置を用いてPWM信号のOFF時間を制限している。
ただ、特許文献1に記載された誘導加熱装置では、PWM信号のON時間が固定であるという前提で、PWM信号のOFF時間が長いときのみPWM信号のOFF時間制御を行うものであって、そもそもPWM信号のON時間の最大値・最小値を設定するという発想がなく、PWM信号のON時間が変動したときには、そのOFF時間の制御可能な最大値・最小値も変動する虞がある。
【0004】
また、従来の誘導加熱装置のように、OFF時間の監視のみを行うものでは、例えば故障によりON時間の長さが使用可能範囲外となっても、その異常が検知されるまでに時間が掛かり、その間に誘導加熱装置が過熱することがあり、それに対する対策が必要となってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の誘導加熱装置の前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、PWM信号に対する異常検出までの時間を従来よりも短縮し、誘導加熱装置が故障するのを確実に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、加熱コイルを備えた誘導加熱部を備え、前記誘導加熱部の温度制御を制御信号で行う誘導加熱装置であって、制御信号出力手段が出力する前記制御信号のON時間及びOFF時間の時間範囲を定める最大値及び最小値を決定する制御信号のON時間及びOFF時間決定手段と、前記制御信号出力手段で出力された制御信号のON時間又はOFF時間を検知する手段と、検知した制御信号のON時間及びOFF時間が前記時間範囲内であるとき制御信号を前記誘導加熱部へ出力し、かつ制御信号のON時間及びOFF時間が前記時間範囲外であるとき、制御信号の前記誘導加熱部への出力を停止させる異常監視手段と、を有する誘導加熱装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、前記従来の誘導加熱装置と異なり、PWM信号のON時間及びOFF時間の両方の監視を行なうことで、異常発生から検出までの時間が短くなるので、異常発生時に従来よりも早期に誘導加熱装置の動作を停止することができ、誘導加熱装置の故障を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る誘導加熱装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本実施形態の誘導加熱装置の誘導加熱部の消磁コイルの切り替えによるPWM信号のON時間の最大値・最小値の決定のための手段について説明する図である。
【図3】本実施形態に係る誘導加熱装置の具体的構成図である。
【図4】PWM信号のON時間又はOFF時間の時間異常検出のための異常検出手段であるハードウェア構成のPWM信号時間異常検出手段の構成図である。
【図5】PWM信号のON時間異常検知の一方法を説明する図である。
【図6】PWM信号のON時間及びOFF時間に対するタイマ監視状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る誘導加熱装置の構成を概略的に示すブロック図である。
本実施形態に係る誘導加熱装置は、制御装置1と、制御装置1の制御に必要なデータ等を格納したデータ格納部2と、誘導加熱部3と、温度検出手段4と、消磁コイル5と、定着ユニット6と、紙サイズ検出手段7と、消磁コイル5が切り替わったことを確認する消磁コイル切り替え検出手段8を備えている。
【0010】
制御装置1は、消磁コイル5の切り替えの要不要を判定する消磁コイル切り替え判定手段101と、誘導加熱部3への通電状態を切り替える通電切り替え手段102と、誘導加熱部3への供給電力を制御する制御信号、ここではPWM信号のON時間及びOFF時間決定手段103と、誘導加熱部3への通電状態を切り替えてからの時間を測定する時間測定手段104と、消磁コイル5の状態(ON又はOFF状態)を切り替える消磁コイル切り替え手段105と、PWM信号出力手段106と、誘導加熱部切り替え判定手段107と、誘導加熱部3の負荷検出手段108と、誘導加熱部(定着ユニット6)の端部温度検出手段109と、PWM信号のON時間及びOFF時間比較手段110と、を備えている。
【0011】
消磁コイル切り替え判定手段101は、誘導加熱部3の温度を検出するために備えられた温度検出手段4の出力信号に基づき誘導加熱部(定着ユニット6)の端部温度を検出する端部温度検出手段109の出力信号、又は定着ユニット6の紙サイズを検出する紙サイズ検出手段7の出力信号により、消磁コイル5のON又はOFF状態の切り替えの要又は不要の判定を行う。
【0012】
消磁コイル切り替え手段105は、消磁コイル切り替え判定手段101の消磁コイル5のON又はOFF状態の切り替えの要又は不要の判定に基づき消磁コイル5のON・OFFを切り替える。
PWM信号のON時間及びOFF時間決定手段103は、データ格納部2に格納されているデータを読み出してPWM信号のON時間及びOFF時間の最大値・最小値を決定する。なお、前記データは、例えば、切り替える消磁コイルの数に対応付けたPWM信号のON時間・OFF時間の最大値と最小値である。
【0013】
PWM信号のON時間及びOFF時間比較手段110は、出力しようとするPWM信号のON時間及びOFF時間が、前記ON時間及びOFF時間決定手段103で設定されたPWM信号のON時間及びOFF時間の範囲内であるか否かを判定する。
PWM信号出力手段106は、PWM信号のON時間及びOFF時間比較手段110がPWM信号のON時間及びOFF時間の範囲内であると判定したとき、PWM信号を出力する。
【0014】
誘導加熱部切り替え判定手段107は、誘導加熱部3に通電することの要否を判定して通電又は非通電を行う。誘導加熱部の負荷検出手段108は、誘導加熱部3の負荷を検出し、通電切り替え手段102は、負荷検出手段108で検出した誘導加熱部3の負荷が設定値以外のとき、或いは消磁コイル切り替え判定手段101により消磁コイル5の切り替えが必要であると判定されたとき、誘導加熱部3への通電を遮断(又は停止)する。
【0015】
なお、PWM信号のON時間及びOFF時間決定手段103が、PWM信号のON時間及びOFF時間の最大値・最小値を決定(設定)するのは、消磁コイル5がOFFからON状態に変化すると共振周波数が高くなり、この変化がPWM信号が利用可能なON時間及びOFF時間の最大値・最小値設定に影響を与える、つまり、誤動作が生じる恐れがあるため、PWM信号のON時間及びOFF時間の最大値・最小値を再設定する必要があるためである。
【0016】
したがって、前記ON時間及びOFF時間決定手段103がPWM信号のON時間及びOFF時間決定時に読み出す前記データは、前記共振周波数が高くなったときに、PWM信号のON時間及びOFF時間の最大値・最小値が小さくなるように定められたデータである。また、消磁コイル5のOFF状態とON状態で電力範囲が同じになるように設定される。
【0017】
本実施形態では、消磁コイル切り替え判定手段101は常に消磁コイル5を切り替えるか否かを判定し、PWM信号のON時間及びOFF時間の最大値・最小値は、ON時間及びOFF時間決定手段103がこの消磁コイル切り替え判定手段101からの信号を受けて決定する。
これにより、誘導加熱部3の連続動作中に消磁コイル5を切り替えた場合でも、誘導加熱部3の動作を短時間止めるだけで、PWM信号の最小・最大ON時間及びOFF時間を設定することできる。ここで、短時間とは非常に短く誘導加熱装置の主動作に影響は及ぼさない時間である。
【0018】
図2は、誘導加熱部3の消磁コイル5の切り替えによるPWM信号のON時間の最大値及び最小値の決定のための手順について説明する図である。
まず、消磁コイル切り替え判定手段101により消磁コイルの切り替えが必要であるか否か判定し(S101)、切り替えが必要であれば(S101、YES)、通電切り替え手段102により誘導加熱部3への通電を遮断する(S102)。
次に、時間測定手段104により、通電遮断から一定時間が経過したか否か判定し(S103)、一定時間が経過したときは(S103、YES)、PWM信号のON時間及びOFF時間決定手段103により、切り替え後の消磁コイルのON及びOFF状態に対応したPWM信号のON時間及びOFF時間の最大値・最小値を決定(又は設定)する。この決定は、データ格納部2に格納されている前記データを読み出すことで行う(S104)。
【0019】
次に、PWM信号のON時間及びOFF時間比較手段110は、出力するPWM信号のON時間及びOFF時間が、ステップS104で決定したPWM信号のON時間及びOFF時間の最大値・最小値の範囲内に入っているか否かを判定し(S105)、前記範囲内と判定されたときは(S105、YES)、消磁コイル切り替え手段105により、消磁コイルのON又はOFF状態を切り替える(S106)。
【0020】
次に、時間測定手段104が、消磁コイルのON又はOFF状態の切り替えから一定時間経過したか否かを判定し(S107)、一定時間経過したと判定したときは(S107、YES)、通電切り替え手段102により、誘導加熱部3へ通電する(S108)。その後、誘導加熱部切り替え判定手段107により、誘導加熱部3のON(通電)・OFF(非通電)の要否の判定を行い(S109)、誘導加熱部3の通電が必要でなくなれば(S109、YES)、誘導加熱部3をOFFする。
【0021】
ステップS109で、誘導加熱部3への通電が必要であると判定されたときは(S109、NO)ステップS101に戻り、以下の前記各ステップを繰り返す。
なお、ステップS101において、消磁コイル切り替え判定手段101により消磁コイルの切り替えが必要でないと判定されたときは(S101、NO)は、その処理手順は直ちにステップS109へ移行する。
以上の手順により、誘導加熱部3の動作中に消磁コイルの状態が複数回変更されても、その度にPWM信号のON時間及びOFF時間の最大値・最小値を設定することができる。
【0022】
図3は、誘導加熱装置の具体的構成図である。
ここでは、誘導加熱装置を構成する、商用電源20と、整流器21と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)22と、加熱コイル23と、共振用コンデンサ24と、定着ユニット6と、消磁コイル5とからなる誘導加熱部3(図1)と、制御基板に配置された消磁コイル切り替え手段105と、例えば赤外線センサなどの非接触温度センサ25を備えた温度検出手段4と、を備えたものとして示されており、加えて通電切り替え手段102から出力される誘導加熱部切り替え信号S1と、PWM出力手段106から出力されるPWM信号S2とが示されている。
【0023】
商用電源20の電源は、整流器21及びIGBT22を介して加熱コイル23及び共振用コンデンサ24の両端部に接続されており、商用電源20からの電力は誘導加熱部切り替え信号S1とPWM信号S2に基づきIGBT22で制御されて加熱コイル23と共振用コンデンサ24の両端部に印加され、加熱コイル23に交番磁界を発生させる。この交番磁界により定着ユニット(の定着ローラ)6に渦電流を発生させて加熱する。
消磁コイル切り替え手段105は、例えば端部温度検出手段109の出力に基づき、消磁コイル5の両端を短絡してON状態にし、加熱コイル23で発生した磁束が消磁コイル5に電流を誘起する。これにより、消磁コイル5は加熱コイル23で発生する磁束の一部を打ち消して定着ユニット6の端部分の過熱を防止する。
【0024】
図4は、PWM信号のON時間及びOFF時間の異常検出のための異常監視手段であるハードウェア構成のPWM信号時間異常検出手段の構成図である。
PWM信号時間異常検出装置は、図4に示すように、それぞれPWM信号のON時間検知手段31と、ON時間判定手段32と、OFF時間検知手段33と、OFF時間判定手段34と、ON時間判定手段32から出力される異常信号aとOFF時間判定手段34から出力される異常信号bの論理和を出力するOR回路36と、OR回路36の異常信号cとイネーブル信号の論理積を出力するAND回路37と、PWM信号の高域周波数をカットするLPF(Low Pass Filter)積分回路(以下、単にLPFという)35と、LPF35の出力信号に応じてPWM信号を出力すると共に、異常信号dで停止制御されるPWM信号制御手段38と、を備えており、PWM信号制御手段38から出力されるPWM信号とイネーブル信号が誘導加熱部3に印加されるようになっている。
【0025】
以上の構成において、PWM信号のON時間検知手段31にて検知された信号をON時間判定手段32で時間判定を行い、その結果、PWM信号時間異常時に出力される異常信号aと、PWM信号のOFF時間検知手段33にて検知された信号をOFF時間判定手段34で時間判定を行い、その結果、PWM信号時間異常時に出力される異常信号bと、をOR回路36に入力することで、ON時間又はOFF時間のいずれかが異常である場合に異常信号cが出力される。
【0026】
通常時における誘導加熱部3の制御は、LPF35を通したPWM信号及びイネーブル信号とで行なわれるが、異常信号cが出力されると、つまりPWM信号時間異常が検出されたときは、異常信号dにてPWM信号制御手段38を停止させて誘導加熱部3を停止させる。
【0027】
図5は、PWM信号のON時間異常検知の一方法を説明する図である。図5の例は、ハードウェアで監視して、PWM信号のON時間が所定の制限時間よりも長い時に異常信号を出力する例を示している。
具体的には、ハードウェアデバイスに設けられた内部タイマ(図示せず)でPWM信号がONしたときからカウントアップしていき、PWM信号のON時間が一定時間以上継続することでカウント値が所定の制限値を越えたとき、異常信号を出力する。
また、PWM信号がOFFする場合も同様に、PWM信号のOFF時間が一定時間以上継続することでカウント値が所定の制限値を越えたとき、異常信号を出力する。
なお、PWM信号のON又はOFF時間が時間制限範囲内の最小時間未満である場合も同様に異常信号を出力する。
【0028】
図6は、PWM信号のON時間及びOFF時間に対するタイマ監視状態を説明する図である。
PWM信号のON→OFFの切り替り時、OFF→ONの切り替り時を起点として、その都度タイマ設定を行なうと共に、PWM信号のON時間及びOFF時間それぞれに最大範囲、最小範囲を設定しておき、ON時間又はOFF時間が最大範囲を越えた場合、又は最小範囲未満となった場合、異常と判定する。
このように、PWM信号のON時間及びOFF時間の両方を監視することにより、ON時間のみの監視又はOFF時間のみの監視の場合よりも適切なタイミング、つまり早期に異常判定を行なうことができる。
【符号の説明】
【0029】
1・・・制御装置、2・・・データ格納部、3・・・誘導加熱部、4・・・温度検出手段、5・・・消磁コイル、6・・・定着ユニット、7・・・紙サイズ検出手段、8・・・消磁コイル切り替え検出手段、20・・・商用電源、21・・・整流器、22・・・IGBT、23・・・加熱コイル、24・・・共振用コンデンサ、25・・・温度センサ、31・・・ON時間検知手段、32・・・ON時間判定手段、33・・・OFF時間検知手段、34・・・OFF時間判定手段、36・・・OR回路、37・・・AND回路、38・・・PWM信号制御手段、101・・・消磁コイル切り替え判定手段、102・・・通電切り替え手段、103・・・PWM信号のON時間及びOFF時間決定手段、104・・・時間測定手段、105・・・消磁コイル切り替え手段、106・・・PWM信号出力手段、107・・・切り替え判定手段、108・・・負荷検出手段、109・・・端部温度検出手段、110・・・PWM信号のON時間及びOFF時間比較手段。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】特開2007−121438号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱コイルを備えた誘導加熱部を備え、前記誘導加熱部の温度制御を制御信号で行う誘導加熱装置であって、
制御信号出力手段が出力する前記制御信号のON時間及びOFF時間の時間範囲を定める最大値及び最小値を決定する制御信号のON時間及びOFF時間決定手段と、
前記制御信号出力手段で出力された制御信号のON時間又はOFF時間を検知する手段と、
検知した制御信号のON時間及びOFF時間が前記時間範囲内であるとき制御信号を前記誘導加熱部へ出力し、かつ制御信号のON時間及びOFF時間が前記時間範囲外であるとき、制御信号の前記誘導加熱部への出力を停止させる異常監視手段と、
を有する誘導加熱装置。
【請求項2】
請求項1に記載された誘導加熱装置において、
消磁コイルを備え、
前記ON時間及びOFF時間決定手段は、前記消磁コイルのON又はOFF切り替え時に、前記制御信号のON時間及びOFF時間の時間範囲を定める最大値及び最小値を決定する誘導加熱装置。
【請求項3】
請求項2に記載された誘導加熱装置において、
消磁コイル切り替え判定手段と、
前記消磁コイル切り替え判定手段の切り替え判定に基づき前記誘導加熱部への通電を遮断する通電切り替え手段と、
出力される制御信号のON時間及びOFF時間が、前記ON時間及びOFF時間決定手段で決定した前記範囲内であるか否かを判定する制御信号のON時間及びOFF時間比較手段と、を備え、
前記制御信号出力手段は、前記ON時間及びOFF時間比較手段で、出力する制御信号のON時間及びOFF時間が前記ON時間及びOFF時間決定手段で決定した前記範囲内であると判定されたとき、制御信号を出力する誘導加熱装置。
【請求項4】
請求項3に記載された誘導加熱装置において、
前記ON時間及びOFF時間決定手段は、前記通電切り替え手段が前記誘導加熱部への通電を遮断してから所定時間経過したとき、制御信号のON時間及びOFF時間の時間範囲を定める最大値及び最小値を決定し、前記消磁コイル切り替え判定手段が前記消磁コイルのON又はOFFを切り替える誘導加熱装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載された誘導加熱装置において、
前記通電切り替え手段は、消磁コイル切り替え手段が前記消磁コイルを切り替えてから所定時間経過後に前記誘導加熱部に通電する誘導加熱装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載された誘導加熱装置において、
前記ON時間及びOFF時間決定手段は、データ格納手段に格納された切り替える前記消磁コイルの数に対応付けた制御信号のON時間及びOFF時間の最大値と最小値を読み出して、前記制御信号のON時間及びOFF時間の時間範囲を定める最大値及び最小値を決定する誘導加熱装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載された誘導加熱装置において、
前記制御信号はPWM信号である誘導加熱装置。
【請求項8】
加熱コイルを備えた誘導加熱部を備え、前記誘導加熱部の温度制御を制御信号で行う誘導加熱装置の制御方法であって、
制御信号出力手段が出力する前記制御信号のON時間及びOFF時間の時間範囲を定める最大値及び最小値を決定する制御信号のON時間及びOFF時間決定工程と、
前記制御信号出力手段で出力された制御信号のON時間又はOFF時間を検知する検知工程と、
検知した制御信号のON時間及びOFF時間が前記時間範囲内であるとき制御信号を前記誘導加熱部へ出力し、かつ制御信号のON時間及びOFF時間が前記時間範囲外であるとき、制御信号の前記誘導加熱部への出力を停止させる異常監視工程と、
を有する誘導加熱装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−98151(P2013−98151A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243226(P2011−243226)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】