説明

誘導加熱調理器

【課題】静電容量式スイッチの検知性能の高信頼性を維持しつつ、使用者が意図しない誤動作を防ぐ誘導加熱調理器を提供すること。
【解決手段】操作スイッチは、検知部内の導電接続を一部で保ちつつ導電電極を切り抜くことにより、検知部の枠を表示する枠表示部を形成し、スイッチの枠表示部の視認性を維持しつつ、スイッチ検知性能を高信頼性なものとすることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量式スイッチを備えた誘導加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の誘導加熱調理器は、使用者が被加熱物の加熱を操作するための操作部と、操作部の裏面に設けられて、使用者の指が操作部に触れたことを検知する導電性の検知部と、検知部の検知結果に基づいて、加熱コイルを制御する制御部とを有する。検知部と制御部とは、接続導線により電気的に検知部に接続される導電性の接続部と制御部とを接続端子で接続することにより、電気的に接続されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来の誘導加熱調理器は、バックライトにより、操作部を下方から照明しており、操作部の周囲にバックライトからの照明光を通過させる透明部が設けられている。これにより、操作部の位置や操作部が示す操作内容が使用者に示される。
【特許文献1】特許第3741667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、接続端子と接触させるための接続部は導電性であるため、使用者の指が接続部に触れた場合は、使用者の指が検知部に触れた場合と同様に、接続部の静電容量が変化し、制御部は操作部が操作されたと誤って判断してしまうという課題を有していた。特に、バックライトからの照明光を通過させる透明部を操作部の周囲に設けているため、接続部は透明部を遮らないように、透明部の外側に配置されていた。そのため、接続部は検知部から離れた位置にあり、その接続部に触れてしまうことによる動作は、使用者が意図していない誤動作であるという課題を有していた。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するもので、静電容量式スイッチの検知性能の高信頼性を維持しつつ使用者が意図しない誤動作を防ぐ誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、被加熱物を載置する天板と、前記天板の下方に設けられ、磁界を発生して被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルの出力を制御する制御部と、を有するものであって、さらに、使用者が触れたことを容量変化により検知する導電電極を有した検知部と、前記制御部と電気接続し且つ前記検知部の外縁の一部に直接接続するように形成された導電性の接続部とで構成される前記天板に設けられた1以上の操作スイッチと、前記操作スイッチを照射する光源と、前記操作スイッチと前記制御部とを電気的に接続する接続端子を有し、前記操作スイッチは、前記検知部内の導電接続を一部で保ちつつ導電電極を切り抜くことにより、前記検知部の枠を表示する枠表示部を形成することとしたものである。
【0007】
ここで、「光源」は、実施の形態の「バックライト17」に相当し、「制御部」は実施の形態の「プリント配線板24」に相当する。
【0008】
上記操作スイッチは、検知部内の一部が切り抜かれることにより形成された、操作スイッチの内容を示すための操作内容表示部を枠表示部の内側にさらに設けても良い。
【0009】
上記誘導加熱調理器は、検知部の外周に光源からの光が天板の前方に照射されることを防ぐ遮光部をさらに設け、遮光部の内縁は、枠表示部の外縁と検知部の外縁との間の範囲
内にあり、遮光部の外縁は、光源の外縁より外側にあっても良い。
【0010】
上記接続部は、検知部より奧方向に設けられても良い。
【0011】
上記検知部は光源の上方に設けられ、上記接続部の一部は光源より外側に設けられても良い。
【0012】
上記光源は、誘導加熱調理器の動作状態において使用可能な操作スイッチのみを照射しても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明の誘導加熱調理器は、静電容量式スイッチの検知性能の高信頼性を維持しつつ、使用者が意図しない誤動作を防ぐことができるという効果が得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1の発明は、被加熱物を載置する天板と、前記天板の下方に設けられ、磁界を発生して被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルの出力を制御する制御部とを有する誘導加熱調理器であって、前記誘導加熱調理器は、使用者が触れたことを容量変化により検知する導電電極を有した検知部と、前記制御部と電気接続し且つ前記検知部の外縁の一部に直接接続するように形成された導電性の接続部とで構成される前記天板に設けられた1以上の操作スイッチと、前記操作スイッチを照射する光源と、前記操作スイッチと前記制御部とを電気的に接続する接続端子とを有し、前記操作スイッチは、前記検知部内の導電接続を一部で保ちつつ導電電極を切り抜くことにより、前記検知部の枠を表示する枠表示部を形成することにより、スイッチの枠表示部の視認性を維持しつつ、スイッチ検知性能を高信頼性なものとすることができる。
【0015】
第2の発明は、特に第1の発明の操作スイッチは、前記検知部内の一部が切り抜かれることにより形成された、前記操作スイッチの内容を示すための操作内容表示部を前記枠表示部の内側にさらに設けることにより、操作スイッチの操作内容が視覚的にわかりやすくすることができる。
【0016】
第3の発明は、特に第1または第2の発明の前記検知部の外周に前記光源からの光が前記天板の前方に照射されることを防ぐ遮光部をさらに設け、前記遮光部の内縁は、前記枠表示部の外縁と前記検知部の外縁との間の範囲内にあり、前記遮光部の外縁は、前記光源の外縁より外側にあることにより、遮光部の印刷のずれにより、枠表示部の幅が不均一になることを防ぐことができる。
【0017】
第4の発明は、特に第1〜3のいずれか1つの発明の接続部は、前記検知部より奧方向に設けられることにより、使用者が接続部に誤って触れることをできるだけ防ぐことができる。
【0018】
第5の発明は、特に第1〜4のいずれか1つの発明の前記検知部は、前記光源の上方に設けられ、前記接続部の一部は前記光源より外側に設けられることにより、接続部に接触される接続端子の影により、枠表示部に輝度ムラが生じることを抑制することができる。
【0019】
また、接続端子がバックライトの光を反射することを防ぐことができ、枠表示部や操作内容表示部に輝度ムラが生じることを抑制することができる。さらに、接続端子がバックライトの上方に配置されていないため、本体と天板の間の隙間を小さくすることができ、誘導加熱調理器の製品を薄型化することが可能となる。
【0020】
第6の発明は、特に第1〜5のいずれか1つの発明の前記光源は、誘導加熱調理器の動作状態において使用可能な操作スイッチのみを照射することにより、ユーザはて使用可能な操作スイッチを容易に理解できる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
本発明にかかる誘導加熱調理器は、インバータ、冷却ファンなどを含む本体と、本体の上部に取り付けられるトップユニットとを備える。トップユニットは、光を透過する結晶化セラミック製の天板と、その周囲に設けられた金属製のフレームとで構成されている。天板の下方には、磁界を発生して被加熱物を誘導加熱する少なくとも一つ(図1では二つ)の加熱コイルが設けられている。上述した構成の誘導加熱調理器に設けられた天板に関して、図1を参照して以下に説明する。
【0023】
図1に、本発明の誘導加熱調理器の天板11を示す。天板11の上面あるいは下面に、被加熱物を載置する場所を示す加熱部12a、12bが印刷により表示されている。加熱部12a、12bは、下方に設けられた加熱コイル(図3の加熱コイル10)に対応する位置に、印刷膜を円形に形成することにより、表示される。天板11の前部には、加熱コイル10の切/入の出力などを設定する操作部13a、13bと、加熱部12a、12bの動作状態を表示する表示部15a、15bが設けられている。加熱部12a、12b、操作部13a、13b、及び表示部15a、15bは、それぞれ加熱コイル10と同じ数だけ設けられる。左右に設けられた加熱部12a、12b、操作部13a、13b、及び表示部15a、15bは同じ構造であるため、代表して左側の加熱部12a、操作部13a、及び表示部15aを用いて、以下に説明する。
【0024】
操作部13aは、複数の操作スイッチ30a〜34aを有する。操作スイッチ30a〜34aは、使用者の指が触れたことを検知する静電容量式スイッチである。図1において、複数の操作スイッチ30a〜34aは、メニュースイッチ34a、加熱スイッチ33a、火力調節スイッチ31a、火力調節スイッチ32a、及びタイマースイッチ30aである。メニュースイッチ34aは、他の操作スイッチ30a〜33aの操作の有効/無効を制御するためのスイッチであり、電源投入時に最初に点灯するスイッチである。加熱スイッチ33aは、被加熱物の加熱の開始/停止を行うためのスイッチである。火力調節スイッチ31aは火力を下げるためのスイッチであり、火力調節スイッチ31aを押す度に火力が徐々に小さくなる。また、火力調節スイッチ32aは、火力を上げるためのスイッチであり、火力調節スイッチ32aを押す度に、火力が徐々に大きくなる。タイマースイッチ30aは、調理時間を設定するためのスイッチであり、例えばタイマースイッチ30aを押す度に調理時間が増え、タイマースイッチ30aにより設定された残りの調理時間が表示部15aに表示される。
【0025】
このような、誘導加熱調理器の使用に際し、加熱コイル10に対応する加熱部12aに被加熱物を載置した後、電源が投入されると、まずメニュースイッチ34aのみが点灯する。メニュースイッチ34aが操作されると、次に加熱スイッチ33aが点灯し、加熱スイッチ33aが操作されて、加熱が開始されると、火力調節スイッチ31a、32a、及びタイマースイッチ30aが点灯する。このように、その都度、使用可能な操作スイッチのみが点灯し、使用者は、操作スイッチ30a〜34aを操作して所望の調理を行う。このとき、操作された操作スイッチ30a〜34aに基づいて、表示部15aに加熱部12aの動作状態が表示される。
【0026】
次に、本発明の要旨を構成する操作スイッチ30a〜34aの構成について、火力調節
用の操作スイッチ32aを代表して、図2及び図3を参照して以下に説明する。図2は、火力を調節するための三角形の形状を示した操作スイッチ32aを示す平面図である。図3は、図2のA−A線で切断した場合の断面図であって、さらに天板11及び加熱コイル10の一部を記載している。
【0027】
操作スイッチ32aは、使用者の指が触れたことを検知する検知部18と、導電性の接続端子23を接触させるための接続部16とを有する。検知部18は、検知部18のおおよその外周の大きさ及び位置を示すための枠表示部20と、操作スイッチ32aの操作内容を示すための操作内容表示部21とを有する。検知部18と接続部16は、天板11の裏面に電極19a、19ab、19b、19c、19d(以下、19a、19ab、19b、19c、19dをまとめて「電極19」と言う)を印刷することにより形成され、枠表示部20と操作内容表示部21は、この電極19から切り抜かれることによって形成されている。
【0028】
本発明の誘導加熱調理器は、検知部18の下方にバックライト17を有する。バックライト17からの光が枠表示部20と操作内容表示部21を通って上方に放射されることにより、使用者は操作スイッチ32aの内容と位置を判断できる。バックライト17は、図1に示す複数の操作スイッチ30a〜34aを個々に点灯できるように、操作スイッチ毎に設けられており、誘導加熱調理器のその都度の動作状態において使用可能な操作スイッチのみを点灯する。例えば、バックライト17は、加熱中のみ、火力調節用の操作スイッチ32aを点灯する。
【0029】
ここで、枠表示部20は、接続電極19ab部を除く電極19aと電極19bの間の電極のない箇所として形成されるが、接続電極19ab部は矩形枠の4角に細く形成されており、バックライト光の指向性、残像効果により、接続電極19abがない場合に比べても視認性は同等レベルとなる。また、図4にあるように、19abをもうけることで、天板と電極で構成させる既成容量を大きくすることができ(接続電極がある場合C19a+C19bで接続電極がない場合C19a+C19b×C19ab/(C19b+C19ab)となりC19ab分容量が小さくなる)、使用者が検知部に触れた時の検知レベル差が大きくなり、スイッチ検知性能を高信頼性なものとすることができる。
【0030】
以上のように、本実施の形態においては、接続電極19ab部を設けることで、スイッチの枠表示部の視認性を維持しつつ、スイッチ検知性能を高信頼性なものとすることができる。
【0031】
本発明の誘導加熱調理器は、検知部18の外周に、バックライト17からの光を遮光するための遮光部22を有する。遮光部22は、例えば、光透過率が略ゼロの黒色の光吸収膜である。遮光部22は、遮光部22の内縁の位置が枠表示部20の外側の電極19aの幅の範囲内にあるように、すなわち、電極19aの外縁より内側で且つ電極19aの内縁より外側であり、遮光部22の外縁の位置が、バックライト17の外縁より外側になるようにして、天板11の裏面に印刷される。
【0032】
接続部16は、検知部18の外縁の一部と直接接続するように、使用者から離れる方向に設けられる。接続部16の外形幅寸法は、検知部18より小さく、接続端子23と接触できる程度の大きさである。また、接続部16は、バックライト17と接続端子23が干渉して、接続端子23が光を反射することを防ぐために、接続部16の大部分がバックライト17より外側になるように、設けられる。
【0033】
天板11の下方に、接続端子23に高周波電圧を加える高周波発振部及び人が電極19に触れたことを検出するための回路を構成するプリント配線板24が設けられている。接
続端子23の両端がプリント配線板24と接続部16とにそれぞれ接触することにより、検知部18とプリント配線板24とが電気的に接続される。また、バックライト17はリード線によりプリント配線板24に接続されている。
【0034】
図2及び図3においては、火力調節のための三角形の形状を示す操作スイッチ32aを例に挙げているが、図1の「タイマー」「加熱」「メニュー」などのように文字を示す操作スイッチ30a、33a、34aも同様に、電極19を切り抜くことによって、文字部分である操作内容表示部21と、検知部18のおおよその外周の大きさ及び位置を示すための枠表示部20とが形成される。
【0035】
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0036】
まず、このように構成される操作スイッチ30a〜34aにおいて、使用者の指が検知部18に対向する天板11の位置に触れると、人体は等価的に電気抵抗と静電容量によりアースに接続されているので、電極19とアースとの間の静電容量が変化する。電極19にはプリント配線板24から接続端子23を介して高周波電圧が供給されているので、この静電容量の変化が接続端子23を介して、プリント配線板24に伝えられ、使用者がその操作スイッチ30a〜34aを操作したと判断される。例えば、電極19に印加された電圧の大きさの変化をプリント配線板24が読み取り、静電容量の変化を判別する。これによって、操作スイッチ30a〜34aの操作内容表示部21に示す制御が行われる。
【0037】
本実施の形態によれば、枠表示部20は、電極19から切り抜かれることにより形成されるため、検知部18の外周側に、従来のような光を透過させるための透明部を設ける必要がなくなる。これにより、接続部16を検知部18に接するように、あるいはごく近傍に設けることができる。よって、使用者が接続部16に触れる場合は、検知部18に触れようとしたときであると想定され、接続部16に触れることにより、操作スイッチ30a〜34aが操作されたと判断しても、使用者が違和感をいだくことを避けることができる。
【0038】
また、枠表示部20は、接続電極19ab部を除く電極19aと電極19bの間の電極のない箇所として形成されるが、接続電極19ab部は矩形枠の対角の位置の2角に細く形成されており、バックライト光の指向性、残像効果により、接続電極19abがない場合に比べても視認性は同等レベルとなる。また、図4にあるように、19abをもうけることで、天板と電極で構成させる既成容量を大きくすることができ(接続電極がある場合C19a+C19bで接続電極がない場合C19a+C19b×C19ab/(C19b+C19ab)となりC19ab分容量が小さくなる)、使用者が検知部に触れた時の検知レベル差が大きくなり、スイッチ検知性能を高信頼性なものとすることができる。
【0039】
以上のように、接続電極19ab部を設けることで、スイッチの枠表示部の視認性を維持しつつ、スイッチ検知性能を高信頼性なものとすることができる。
【0040】
尚、本実施の形態では、接続電極は矩形枠の対角の位置の2角に設ける構成として記載しているが、矩形枠の4角全てに接続電極を設けたとしても、スイッチ検知性能を高信頼性としつつ、バックライト光の指向性、残像効果で視認性は確保される。
【0041】
また、矩形枠の4辺の任意の1部に接続電極を設けたとしても、スイッチ検知性能を高信頼性としつつ、バックライト光の指向性、残像効果で視認性は確保される。
【0042】
また、接続部16は、検知部18より、使用者から離れる方向に配置されており、接続部16の外形寸法は検知部18より小さい。これらにより、使用者が接続部16に誤って
触れることをできるだけ防ぐことができる。
【0043】
また、接続部16の大部分が破線で示すバックライト17の外側になるように、接続部16を設けているため、接続部16に接触される接続端子23の影により、枠表示部20に輝度ムラが生じることを抑制することができる。また、接続端子23がバックライト17の光を反射することを防ぐことができ、枠表示部20や操作内容表示部21に輝度ムラが生じることを抑制することができる。さらに、接続端子23がバックライト17の上方に配置されていないため、本体25と天板11の間の隙間を小さくすることができ、誘導加熱調理器の製品を薄型化することが可能となる。
【0044】
また、遮光部22の内縁側の位置は、枠表示部20の外側の電極19aの幅の範囲内にあれば良いため、遮光部22の印刷が電極19aの外縁側から内縁側に少しずれたとしても、遮光部22が枠表示部20を覆うことはない。すなわち、枠表示部20の外側の電極19aの幅の分だけ、遮光部22の内縁側の位置の制限に余裕があるため、遮光部22の印刷のずれにより、枠表示部20の幅が不均一になることを防ぐことができる。
【0045】
さらに、電極19を切り抜くことにより、操作内容表示部21を形成しているため、使用可能な操作スイッチ30a〜34aのみを点灯する光ナビゲーションにおいて、視覚的にわかりやすいという効果が得られる。
【0046】
なお、電極19a〜19dは、例えば導電性塗料の塗布膜、スクリーン印刷膜、又は金属の蒸着膜により形成することができる。検知部18を構成する電極19a〜19cと、接続部16を構成する電極19dとは、同一の電極であっても良いし、別々に形成された電極であっても良い。本実施の形態においては、電極19a〜19dは天板11の裏面に設けていたが、電極19a〜19dは天板11の表面に設けても良いし、天板11の表面と裏面とに設けても良い。
【0047】
なお、検知部18の面積は、電極19を切り抜くことにより、枠表示部20と操作内容表示部21を形成しても、検知部18の面積が不足せずに、使用者が触れたことを検知できる大きさであれば良い。
【0048】
なお、本実施の形態においては、操作内容表示部21により、操作内容表示部21の外側の電極19bと操作内容表示部21の内側の電極19cは完全に切り離されていたが、完全に切り離さずに、外側の電極19bと内側の電極19cの一部が接続されるように、操作内容表示部21を設けても良い。これにより、外側の電極19bと内側の電極19cが19bと19c間の静電容量結合(図4のCbc)ではなく、同電位に電気的に接続されるため、検知部とガラスで形成される既成静電容量が大きくなり、使用者の操作による変更幅は大きくなるため、検知に関する信頼性を高めることができる。
【0049】
なお、図1に挙げた操作部13の各操作スイッチ30a〜34aは単なる例であって、その他の操作を指示するための操作スイッチを本実施の形態と同様の構成で設けても良い。
【0050】
なお、本実施の形態においては、トップユニットは、天板11と金属製のフレームとで構成されているとしたが、金属製のフレームはなくても良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の誘導加熱調理器は、使用者が意図しない誤動作を防ぐことができるという効果を有し、キッチン等に組み込まれる家庭用の誘導加熱調理器等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1における天板を示す平面図
【図2】本発明の実施の形態1における天板に設けられる操作スイッチを示す平面図
【図3】図2のA−A線の断面図
【図4】本発明の実施の形態1における操作スイッチの検知部の電気的等価回路図
【符号の説明】
【0053】
10 加熱コイル
11 天板
12a、12b 加熱部
13a、13b 操作部
15a、15b 表示部
16 接続部
17 バックライト
18 検知部
19a、19b、19c、19d 電極
19ab 接続電極
20 枠表示部
21 操作内容表示部
22 遮光部
23 接続端子
24 プリント配線板
25 本体
30a〜34a、30b〜34b 操作スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を載置する天板と、前記天板の下方に設けられ、磁界を発生して被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルの出力を制御する制御部とを有する誘導加熱調理器であって、前記誘導加熱調理器は、使用者が触れたことを容量変化により検知する導電電極を有した検知部と、前記制御部と電気接続し且つ前記検知部の外縁の一部に直接接続するように形成された導電性の接続部とで構成される前記天板に設けられた1以上の操作スイッチと、前記操作スイッチを照射する光源と、前記操作スイッチと前記制御部とを電気的に接続する接続端子とを有し、前記操作スイッチは、前記検知部内の導電接続を一部で保ちつつ導電電極を切り抜くことにより、前記検知部の枠を表示する枠表示部を形成することを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
前記操作スイッチは、前記検知部内の一部が切り抜かれることにより形成された、前記操作スイッチの内容を示すための操作内容表示部を前記枠表示部の内側にさらに設ける、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
前記検知部の外周に前記光源からの光が前記天板の前方に照射されることを防ぐ遮光部をさらに設け、前記遮光部の内縁は、前記枠表示部の外縁と前記検知部の外縁との間の範囲内にあり、前記遮光部の外縁は、前記光源の外縁より外側にある、請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
前記接続部は、前記検知部より奧方向に設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
【請求項5】
前記検知部は前記光源の上方に設けられ、前記接続部の一部は前記光源より外側に設けられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
【請求項6】
前記光源は、誘導加熱調理器の動作状態において使用可能な操作スイッチのみを照射する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−245754(P2009−245754A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−91123(P2008−91123)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】