説明

誘電体の破壊によってプログラムすることが可能なリードオンリメモリアレイ

一実施の形態によれば、プログラムすることが可能なROMアレイは、基板に位置付けられた少なくとも1のビット線(204c)を含んでいる。また、プログラムすることが可能なROMアレイは、少なくとも1のビット線(204c)を横切るように位置付けられた少なくとも1のワード線(202b)を含んでいる。また、プログラムすることが可能なROMアレイは、少なくとも1のビット線(204c)と少なくとも1のワード線(202b)との交差点に位置付けられたメモリセル(206)を含み、メモリセル(206)は、少なくとも1のビット線(204c)と少なくとも1のワード線(202b)との間に位置付けられた誘電体領域(216)を含んでいる。プログラミング動作は、誘電体領域(216)を破壊することによって、メモリセル(206)を第1の論理状態から第2の論理状態へ変化させる。プログラミング動作は、メモリセル(206)をダイオードとして動作させる。メモリセル(206)の抵抗は、メモリセル(206)が第1または第2の論理状態を有しているかどうかを決定するために、読出動作において測定され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本発明は、一般に、半導体装置の分野に属している。より特定的には、本発明は、メモリアレイの分野に属している。
【背景技術】
【0002】
2.背景技術
現在、不揮発性のメモリアレイは、電力が尽きたときに情報を保持することを要求する幅広い様々な電子装置において用いられている。不揮発性メモリアレイは、半導体ROMアレイのようなリードオンリメモリ(ROM)アレイを含んでいる。半導体ROMアレイは、コンピュータハードウェアおよびデータ記憶システムにおいて幅広く用いられており、高いスケーラビリティ、高い密度、および高い性能というような利点を提供している。
【0003】
ROMアレイは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような用途において用いられている、プログラムすることが可能なROMアレイを含んでいる。プログラムすることが可能なROMアレイは、たった一度だけプログラムされ得るROMアレイである。しかしながら、プログラミング動作の間にプログラムすることが可能なROMアレイにデータが書込まれた後においては、プログラムすることが可能なROMアレイの中のデータは何度でも読出され得る。プログラムすることが可能なROMアレイを用いる電子装置は、サイズおよび価格を低減させるとともに機能性を増加させ続けており、高いスケーラビリティ、特性、および密度を有し、製造コスト効率が高い、プログラムすることが可能なROMアレイの需要が増加している。
【0004】
そのため、高いスケーラビリティ、性能、および密度を与える、かつ、コスト効率が高い、プログラムすることが可能なROMアレイのための技術に対する要望がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
概要
本発明は、誘電体の破壊によってプログラムすることが可能なリードオンリメモリアレイに向けられている。本発明は、高いスケーラビリティ、性能、および密度を提供し、かつ、コスト効率が高い、プログラム可能なROMアレイのための技術に対する要望に取組みそれを解決している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例によれば、プログラムすることが可能なROMアレイは、基板に位置付けられた少なくとも1つのビット線を含んでいる。少なくとも1つのビット線は、たとえば、P型半導体であってもよい。プログラムすることが可能なROMアレイは、また、少なくとも1つのビット線を横切るように位置付けられた少なくとも1つのワード線を含んでいる。少なくとも1つのワード線は、たとえば、N型半導体であってもよい。たとえば、N型半導体は、約1.0×1018cm-3と約1.0×1020cm-3との間のN型ドーパント濃度を有していてもよい。プログラムすることが可能なROMアレイは、また、少なくとも1つのビット線と少なくとも1つのワード線との交差点に位置付けられたメモリセルを含んでおり、メモリセルは、少なくとも1のビット線と少なくとも1のワード線との間に位置付けられた誘電体領域を含んでいる。
【0007】
この実施の形態によれば、誘電体領域は、たとえば、約50.0オングストロームと約200.0オングストロームとの間の厚さを有していてもよい。誘電体領域は、一層の誘電体材料を含んでおり、一層の誘電体材料は、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、シリコン窒化物、ジルコニウム酸化物、またはチタニウム酸化物であってもよい。誘電体領域は、また、多層の誘電体を含んでいてもよい。一実施例においては、誘電体領域は、ONO積層体であってもよい。プログラミング動作は、誘電体領域を破壊することによってメモリセルを第1論理状態から第2論理状態へ変化させる。プログラミング動作の間に少なくとも1のワード線に印加された第1の電圧と少なくとも第1のビット線に印加された第2の電圧との間の差が誘電体領域に破壊を生じさせる。
【0008】
誘電体領域がプログラミング動作の間に破壊された後、メモリセルはダイオードとして動作する。メモリセルの抵抗は、メモリセルが第1の論理状態または第2の論理状態を有しているかどうかを決定するために読出動作の間に測定される。本発明の他の特徴および利点は、次の詳細な説明およびそれに付随する図面を見直した後において、当業者にとってより容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、誘電体の破壊によってプログラムすることが可能なリードオンリメモリに向けられている。次の記載は、本発明の実施に関連する特定の情報を含んでいる。当業者は、本発明が本願において特定的に論じられたものとは異なった態様で実現され得ることを明確に理解するであろう。さらに、本発明の特定の詳細のうちのいくつかは発明を不明確にしないために論じられていない。
【0010】
本出願における図面およびそれに伴う詳細な説明は、単に発明の一実施の形態に向けられている。簡潔さを維持するために、本発明の他の実施の形態は、本出願においては特に記載されておらず、図面によって特に描画されていない。特に注釈がなければ、図面の中の同様または対応する構成要素が同様のまたは対応する参照符号によって示され得る。
【0011】
本発明は、選択されたそれぞれのメモリセルの中の誘電体領域を破壊することによってプログラムされ得る、革新的な、プログラムすることが可能なROMを提供する。N型半導体を備えるワード線およびP型半導体を備えるビット線を有する一例のプログラム可能なROMが発明を説明するために用いられているが、本発明は、また、P型半導体を備えるワード線およびN型半導体を備えるビット線を有する、プログラムすることが可能なROMアレイに対しても適用され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に従った一例のメモリセルを含む一例の構造の上面図を示す。構造体100は、シリコン基板(図1に示さず)の上に位置付けられた、プログラムすることが可能なROMアレイ101を含む。プログラムすることが可能なROMアレイ101は、ワード線102a、102b、102c、および102d、ビット線104a、104b、104c、104d、および104e、およびメモリセル106を含む。なお、ここでは、簡潔さを維持するために、メモリセル106のみが詳細に述べられるが、プログラムすることが可能なROMアレイ101は、製造の構成および方法においてメモリセル106に実質的に類似する多数のメモリセルを含んでいる。これらのメモリセルは、ワード線(たとえば、ワード線102a−102d)およびビット線(たとえば、ビット線104a−104e)の交差点に位置付けられる。
【0013】
図1に示されるように、ワード線102a、102b、102c、および102dは、ビット線104a、104b、104c、104d、および104eを横切るように位置付けられ、かつ、それらに垂直に配列されている。ワード線102a、102b、102
c、および102dは、N型半導体を備えており、当該技術分野で知られた方法で製造され得る。N型半導体は、たとえば、ポリシリコンを含んでおり、砒素または他の適切なN型ドーパントを高い濃度でドープされていてもよい。一例として、ワード線102a、102b、102c、および102dは、約1.0×1018cm-3および約1.0×1020cm-3の間の濃度のN+型ドーパントを有していてもよい。一例として、ワード線102a、102b、102c、および102dは、約1000.0オングストロームおよび約2000.0オングストロームの間の厚さを有していてもよい。
【0014】
ビット線104a、104b、104c、104d、および104eは、シリコン基板(図1には図示せず)に位置付けられており、P型半導体を含んでいてもよい。P型半導体は、シリコンを含んでいてもよく、ボロンまたは他の適切なP型ドーパントをドープされていてもよい。一実施の形態においては、ビット線104a、104b、104c、104d、および104eは、P+(すなわち、高い濃度でドープされたP型)拡散領域を備えていてもよい。また、図1に示されるように、メモリセル106は、ワード線102bとビット線104cとの間の交差点に位置付けられている。メモリセル106は、誘電体領域(図1には図示せず)を含んでいてもよく、誘電体領域は、ワード線102bとビット線104cとの間に位置付けられていてもよい。メモリセル106の論理状態は、ワード線102bとビット線104cとの間で測定されたメモリセル106の抵抗によって規定される。本発明においては、メモリセル106の論理状態は、プログラミングプロセス(すなわち書込動作)の間に、メモリセル106の誘電体領域(図1には図示せず)を破壊することによって、論理「0」状態のような論理状態から論理「1」状態のような反対の論理状態へ変化させられる。以下、本発明の革新的なプログラムすることが可能なROMアレイ(たとえば、プログラムすることが可能なROMアレイ101)の中の一例であるメモリセル206が、図2および図3を参照して述べられる。
【0015】
図2における構造体200は、図1における線2−2に沿った構造体100の断面図に対応している。特に、構造体200の中のワード線202b、ビット線204c、およびメモリセル206は、それぞれ、構造体100の中のワード線102b、ビット線104c、およびメモリセル106に対応している。構造体200は、ワード線202b、ビット線204c、メモリセル206、基板208、および分離領域210および212を含んでいる。メモリセル206は、ワード線区域214および誘電体領域216を含んでいる。
【0016】
図2に示されるように、ビット線204cは、基板208に位置付けられており、基板208は、P型シリコン基板であってもよい。また、ビット線204cは、分離領域210と分離領域212との間に位置付けられており、分離領域220および212は、シャロートレンチアイソレーション(STI)領域を備えていてもよい。他の実施の形態においては、分離領域210および212は、シリコンの局所酸化物(LOCOS)または他の適切な分離材料を備えていてもよい。ビット線204cは、P型シリコン(すなわち、P型半導体)を備えている。また、図2に示されるように、誘電体領域216は、基板208の上方であってかつビット線204cの上方に位置付けられている。本実施の形態においては、誘電体領域216は、シリコン酸化物(SiO2)、アルミニウム酸化物(Al23)、ハフニウム酸化物(HfO2)、シリコン窒化物(Si34)、ジルコニウム酸化物(ZrO2)、チタニウム酸化物(TiO2)、または他の適切な誘電体材料を備える単一の誘電体層であってもよい。他の実施の形態においては、誘電体領域216は、SiO2およびSi34(たとえば2層の誘電体積層体)、SiO2/Si34/SiO2(すなわち、酸化物−窒化物−酸化物(ONO)積層体)(たとえば3層積層構造)、Al23/SiO2/Si34/SiO2(たとえば、4層の誘電体積層体)、または適切な誘電体層を備える誘電性積層体であってもよい。誘電体領域216は、たとえば、約50.0オングストロームと約200.0オングストロームとの間の厚さ220を有している。
【0017】
また、図2に示されるように、ワード線区域214は、ワード線202bの1つの区域であって、誘電体領域216の上方に位置付けられており、N型多結晶シリコンのようなN型半導体を備えていてもよい。ワード線区域214は、メモリセル206のゲートを構成しており、約1.0×1018cm-3と約1.0×1020cm-3との間のN+型ドーパント濃度を有していてもよい。そのため、メモリセル206は、ワード線202bとビット線204cとの交差点に位置付けられており、ワード線区域214(すなわちN型半導体)と誘電体領域216とを有しており、ワード線202bのワード線区域214とビット線204cとの間に挟まれている。
【0018】
以下、本発明のプログラムすることが可能なROMアレイ(たとえば、図1におけるプログラムすることが可能なROMアレイ101)における一例のメモリセルである、メモリセル206のプログラミングが述べられる。メモリセル206のプログラミングの間において、ワード線102bは、負の電圧にバイアスされて(すなわち負の電圧がワード線102bに印加されて)おり、ビット線204cは正の電圧にバイアスされている(すなわち、正の電圧がビット線204cに印加されている)。負の電圧および正の電圧は、負の電圧と正の電圧との間の差がメモリセル206の誘電体領域216のみを破壊するのに十分であるように選択されている。言い換えれば、メモリセル206のプログラミングの間にワード線102bとビット線204cとのそれぞれに印加されている負の電圧および正の電圧は、メモリセル206のプログラミングの間にプログラムすることが可能なROMアレイ101における他のそれぞれのメモリセルの誘電体領域を破壊しない。メモリセル206のプログラミングの間に、プログラムすることが可能なROMアレイ101における他のワード線は、浮遊な状態となっているが、プログラムすることが可能なROMアレイ101における他のビット線は、0.0ボルトに維持されている。
【0019】
メモリセル206のプログラミングの間にワード線202bおよびビット線204cに印加されている特定の電圧値は、誘電体領域216の厚さ220によって決定される。一例として、メモリセル206のプログラミングの間に、ワード線202bの電圧は−15.0ボルト±30%となり得るとともに、ビット線204cの電圧は、約50.0オングストロームと約200.0オングストロームとの間の誘電体領域216の厚さ(すなわち、厚さ220)のために、+15.0ボルト±30%になり得る。高電圧印加のために、厚さ220が適切に増加されてもよい一方で、低電圧印加のために、厚さ220が適切に低減されてもよい。
【0020】
誘電体領域216の破壊の後、メモリセル206は、「PN」接合ダイオード(以下「ダイオード」という。)として動作する。そのため、プログラミング動作の間の誘電体領域216の破壊の結果として、メモリセル206は、ダイオードとして動作し、そのダイオードは、ビット線204c(すなわち、P型半導体)およびワード線202b(すなわち、N型半導体)のワード線区域214をそれぞれ備えるアノードおよびカソードを有している。誘電体がプログラミング動作の間に破壊された後、メモリセル206は、ワード線202bとビット線204cとの間で測定されたときに、たとえば、10.0オームより小さい順方向抵抗を有していてもよい。対照的に、誘電体領域216の破壊よりも前に、メモリセル206は、たとえば、10.0キロオームよりも大きい抵抗を有していてもよい。
【0021】
そのため、誘電体領域216が破壊された後においては、メモリセル206の抵抗は、誘電体領域216の破壊の前のメモリセルの抵抗に比較して、実質的に低くなっている。そのため、メモリセル206の論理状態は、(ワード線202bとビット線204cとの間で測定された)メモリセル206の抵抗によって規定され得る。たとえば、メモリセル206の論理状態は、誘電体領域216の破壊の前においては、論理「0」状態として規
定され、誘電体領域216の破壊の後においては、論理「1」状態として規定されてもよい。そのため、メモリセル206のプログラミングは、誘電体領域216に破壊を生じさせることによって、メモリセル206の論理状態を論理「0」状態から論理「1」状態へ変化させるか、または、その逆の変化を生じさせる。
【0022】
メモリセル206の読出動作の実行の間に、メモリセル206のみが順方向にバイアスされる。そのため、読出動作の間にメモリセル206の抵抗を測定することによって、メモリセル206の論理状態(メモリセル206が論理「0」状態または論理「1」状態を有しているかどうか)が決定され得る。一例として、メモリセル206の読出の間において、ワード線202bの電圧が−1.0ボルト±20%であり得、ビット線204cの電圧が+1.0V±20%であり得、プログラムすることが可能なROMアレイ101における他のワード線(たとえば、ワード線102a、102c、および102d)の電圧が+1.0ボルト±20%であり得、プログラムすることが可能なROMアレイにおける他のビット線(たとえばビット線104a、104b、104d、および104e)の電圧が−1.0ボルト±20%であり得る。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態に従った、プログラミング動作の後の一例のプログラムすることが可能なROMアレイにおける一例のメモリセルの図形を示している。図形300において、メモリセル306、ワード線区域314、およびビット線304は、それぞれ、図2における構造の中のメモリセル206、ワード線区域214、およびビット線204cに対応している。図形300は、メモリセル306、アース322、およびゲート電圧(Vg)324を含んでいる。メモリセル306は、ワード線区域314(すなわちN型半導体)および誘電体領域316を含んでいる。
【0024】
図3に示されるように、ワード線区域314は、メモリセルのゲートを備えており、ゲート電圧324に連結されており、ビット線304は、アース322に連結されている。また、図3に示されるように、誘電体領域316は、ワード線区域314(すなわち、ゲート)とビット線304との間に位置付けられている。プログラミング動作の間に、ゲート電圧324は、誘電体領域316に破壊を生じさせるように、十分な電圧レベルでワード線区域314に印加される。誘電体領域316が破壊されるときに、電流経路326が誘電体領域316に形成され、それにより、ゲート電流(Ig)328がワード線区域314(すなわち、メモリセル306のゲート)から誘電体領域316およびビット線304を通じてアース322へ流れることが許容される。
【0025】
そのため、誘電体領域316がプログラミング動作の間に破壊された後においては、ワード線区域314(すなわち、N型半導体)は、物理的には分離されながらも、電気的にはビット線304(すなわち、P型半導体)に接続される。ワード線区域314は、誘電体領域316が破壊された後、ビット線に接続されるので、メモリセル306は、ダイオード(すなわち「PN」接合ダイオード)として動作する。そのため、メモリセル306は、誘電体領域316の破壊の後においては、低い順方向バイアス抵抗を有しており、かつ、誘電体領域316の破壊の前には、実質的に高い抵抗を有している。結果として、メモリセルの誘電体領域の破壊前の本発明のプログラムすることが可能なROMにおけるメモリセルの実質的により高い抵抗が、好都合なことに、論理「0」状態のような論理状態を規定し、一方、誘電体領域の破壊後のメモリセルの実質的により低い順方向バイアス抵抗が、好都合なことに、論理「1」状態のような反対の論理状態を規定する。
【0026】
図4は、本発明の一実施の形態に従った一例のメモリセルの一例のI−Vカーブを含む一例のグラフ400を示している。グラフ400は、電流軸402、電圧軸404、およびI−Vカーブ406を含んでいる。グラフ400においては、電流軸402は、1.0×10-11アンペアと1.0×10-1アンペアと間の範囲の一例のゲート電流に対応して
おり、電圧軸404は、−40.0ボルトと120.0ボルトとの間の範囲の一例のゲート電圧に対応している。なお、グラフ400においては、ゲート電流は、絶対値として示されている。グラフ400においては、I−Vカーブ406は、メモリセルにおける誘電体領域(たとえば、誘電体領域316)の破壊の後の本発明のプログラムすることが可能なROMアレイ(たとえば、図1におけるプログラムすることが可能なROMアレイ101)におけるメモリセル(たとえば、図3におけるメモリセル306)のI−V特性に対応している。
【0027】
グラフ400に示される例において、I−Vカーブ406は、ダイオード(すなわち「PN」接合ダイオード)のI−V特性に類似するI−V特性を示す。そのため、メモリセル(たとえば、メモリセル306)の誘電体領域(たとえば、誘電体領域316)をプログラミング動作の間に破壊することによって、本発明は、誘電体領域の破壊の後にダイオードとして動作するメモリセルを達成する。その結果、誘電体領域の破壊の後においては、本発明におけるメモリセルの順方向バイアス抵抗は、実質的に誘電体領域の破壊の前のメモリセルの抵抗(10.0キロオームより大きい)に比較して低い(たとえば、10.0オームより低い)。その結果、本発明のプログラムすることが可能なROMアレイにおけるメモリセルの論理状態は、好都合なことに、読出動作の間にメモリセルの順方向バイアス抵抗を測定することによって決定され得る。
【0028】
そのため、それぞれのメモリセルの誘電体領域の破壊を利用してプログラムすることが可能なROMアレイを形成することによって、本発明は、高い性能、高いスケーラビリティを有し、かつ、幅広い範囲の電圧の下で動作し得る、プログラム可能なROMアレイを有利に達成する。また、本発明のプログラム可能なROMアレイは、実現することが容易であり、かつ、現存するシリコンプロセス技術と完全に適合するものである。
【0029】
他の実施の形態においては、多層のプログラム可能なROMアレイが、所望数の本発明のプログラム可能なROMアレイ(たとえば、図1におけるプログラム可能なROMアレイ101)を積み重ねることによって実現され得る。その結果、本発明は、好都合なことに、実質的にメモリセル密度を増加させる多層のプログラム可能なROMアレイを達成することができる。
【0030】
前述の本発明の一実施の形態の記載から、様々な技術が、その範囲を逸脱することなく、本発明の概念を実現するために用いられることが明白である。さらに、本発明は、ある実施の形態を特別に参照して述べられてきたが、当業者は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、形態および詳細に変更がなされ得ることを容易に理解するであろう。前述された一例の実施の形態は、説明されたすべてに関連して考慮され得るものであって、限定されるものではない。また、本発明は、ここに述べられた特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの再配置、変更、および代替され得ることが理解されるであろう。
【0031】
そのため、誘電体の破壊によってプログラムすることが可能なリードオンリメモリが述べられてきた。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態に従った、一例のプログラムすることが可能なリードオンリメモリを含む一例の構造体の上面図である。
【図2】図1の構造体の図1における2−2線に沿った断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に従った、プログラミング動作後の一例のメモリセルの図形を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態に従ったメモリセルのための一例のI−V曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
【0033】
100 構造体、101 ROMアレイ、102a,102b,102c,102d ワード線、104a,104b,104c,104d,104e ビット線、106 メモリセル、200 構造体、202b ワード線、204c ビット線、206 メモリセル、208 基板、210,212 分離領域、214 ワード線区域、216 誘電体領域、220 分離領域、300 図形、304 ビット線、306 メモリセル、314 ワード線区域、316 誘電体領域、322 アース、324 ゲート電圧、326 電流経路、328 ゲート電流、400 グラフ、402 電流軸、404 電圧軸、406 カーブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(208)に位置付けられた少なくとも1のビット線(204c)と、
前記少なくとも1のビット線(204c)を横切るように位置付けられた少なくとも1のワード線(202b)と、
前記少なくとも1のビット線(204c)と前記少なくとも1のワード線(202b)との交差点に位置付けられ、かつ、前記メモリセル(206)は前記少なくとも1のビット線(204c)と前記少なくとも1のワード線(202b)との間に位置付けられた誘電体領域(216)を含むメモリセル(206)とを備え、
プログラミング動作は、前記誘電体領域(216)を破壊することによって、前記メモリセル(206)を第1の論理状態から第2の論理状態へ変化させる、プログラムすることが可能なROMアレイ。
【請求項2】
前記プログラム動作の間に前記少なくとも1のワード線(202b)に印加される第1の電圧と前記少なくとも1のビット線(204c)に印加される第2の電圧との間の差が、前記誘電体領域(216)を破壊させる、請求項1に記載のプログラムすることが可能なROMアレイ。
【請求項3】
前記プログラミング動作が、前記メモリセル(206)をダイオードとして動作させる、請求項1に記載のプログラムすることが可能なROMアレイ。
【請求項4】
前記少なくとも1のビット線(204c)がP型半導体を含んでいる、請求項1に記載のプログラムすることが可能なROMアレイ。
【請求項5】
前記メモリセル(206)の抵抗が、前記メモリセル(206)が第1の論理状態または前記第2の論理状態を有しているかどうかを決定するために、読出動作において測定される、請求項1に記載のプログラムすることが可能なROMアレイ。
【請求項6】
前記誘電体領域(216)が単一層の誘電体材料を含んでおり、前記誘電体材料がシリコン酸化物、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、シリコン窒化物、ジルコニウム酸化物、およびチタニウム酸化物からなる群から選択された、請求項1に記載のプログラムすることが可能なROMアレイ。
【請求項7】
前記誘電体領域(216)がONO積層体を含む、請求項1に記載のプログラムすることが可能なROMアレイ。
【請求項8】
基板(208)に位置付けられ、P型半導体を含む少なくとも1のビット線(204c)と、
前記少なくとも1のビット線(204c)を横切るように位置付けられ、N型半導体を含む少なくとも1のワード線(202b)と、
前記少なくとも1のビット線(204c)と前記少なくとも1のワード線(202b)との交差点に位置付けられ、かつ、前記少なくとも1のビット線(204c)と前記少なくとも1のワード線(202b)との間に位置付けられた誘電体領域(216)を含むメモリセル(206)とを備え、
プログラミング動作は、前記誘電体領域(216)を破壊することによって、前記メモリセル(206)を第1の論理状態から第2の論理状態へ変化させるものであって、前記プログラミング動作が前記メモリセル(206)をダイオードとして動作させる、プログラムすることが可能なROMアレイ。
【請求項9】
前記プログラミング動作の間に前記少なくとも1のワード線(202b)に印加される
第1の電圧と前記少なくとも1のビット線(204c)に印加される第2の電圧との間の差が、前記誘電体領域(216)を破壊する、請求項8に記載のプログラムすることが可能なROMアレイ。
【請求項10】
前記誘電体領域(216)がONO積層体を含む、請求項8に記載のプログラムすることが可能なROMアレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−541493(P2008−541493A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512615(P2008−512615)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/020634
【国際公開番号】WO2006/128073
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(506408793)スパンジョン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (37)
【氏名又は名称原語表記】SPANSION LLC
【Fターム(参考)】