説明

誘電体バリア放電ランプの駆動方法

【課題】ワークへのランプからの熱の影響を防ぎ、かつ、照度劣化を抑制する希ガスーヨウ素誘電体バリア放電ランプの駆動方法を提供することを提供すること。
【解決手段】 冷却媒体が一方から他方へ流れる領域内に配置された、管状の放電容器内にKr、Ar、Xeの何れか1種以上の希ガスとヨウ素とを封入した誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法であって、ランプ消灯時に次の順で駆動されることを特徴とする誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法。ステップ1:ランプ点灯中に冷却媒体の流れを止める。ステップ2:冷却媒体の流れを止めた状態で、所定の時間ランプの点灯を継続する。ステップ3:ランプを消灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クリプトンガス、アルゴンガス、キセノンガスのいずれか一種類以上から選択される希ガスとヨウ素ガスとを含む放電ガスを使用して励起ヨウ素分子を形成することによって放射される紫外光を放射する誘電体バリア放電ランプの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイの製造工程においては、液晶の画素を構成する際に液晶にモノマーを混入させ、液晶分子を傾斜させた状態でモノマーを重合させることによって液晶分子の傾斜方向を固定させる技術(PSA:Polymer Sustained Alignment)が用いられている。PSAについて開示する特許文献1によれば、モノマーを重合させるための光源として、液晶に与えるダメージが少ないこと、モノマーの感度、液晶用ガラスの透過率等を考慮して、モノマーに対して例えば波長300−380nmの紫外光を照射することが好ましいとされている(特許文献1の段落0237)。
【0003】
モノマーを重合させるために必要とされる波長300−380nmの紫外光を放射する紫外線光源としては種々のものが知られているが、現状ではPSA用途に最適な光源については検討が重ねられている段階である。例えば、水銀を放電媒体として波長365nmの紫外光を主として放射する水銀ランプ、金属ハロゲン化物を放電媒体とするメタルハライドランプ等がPSA用途の光源の候補とされている。しかしながら、水銀ランプおよびメタルハライドランプは、波長300−380nm以外の光も放射しているため、波長制御用のフィルターが必要になり、複数の水銀ランプを搭載して紫外線照射装置を構成しようとした場合に紫外線照射装置が大型化するといった問題があり、また、水銀を放電媒体とするために環境への負荷が大きいといったデメリットがある。
【0004】
一方、互いに対向して配置される誘電体材料よりなる一対の壁部と一対の壁部の端部に接続された封止用壁部とで構成される放電容器を備え、放電容器の内部に形成された放電空間内に、希ガス、ハロゲンガス、またはこれらの混合ガスを充填して、前記壁部を介して交流電圧またはパルス電圧を印加することにより紫外線を放電容器外部に放射するランプが知られている。
【0005】
この種のランプは、複数のランプを搭載して紫外線照射装置を構成しようとした場合に紫外線照射装置を比較的小型化することができると共に、波長選択性に優れているという実用的な面でメリットが大きいため、PSA用の光源として有望視されている。その中でも希ガス-ヨウ素を封入した誘電体バリア放電ランプは、主発光波長が342nmであるため特に有望視されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−149647号公報
【特許文献2】特開平06-267512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、PSA用途では、光照射時の液晶パネルの温度上昇を極力低くする必要がある。それは、ランプからの熱がワーク(製造プロセス過程の液晶パネル基板)に照射されると、ワークが加熱され、基板温度が上昇するからである。基板温度の変化は液晶のプレチルトアングルの角度に影響を与える。プレチルトアングルとは配光膜と液晶との間の初期形成角度のことをいい、液晶に電圧が印加されていない初期の状態での液晶分子の並び方を示している。基板温度にバラツキがあると、プレチルトアングルがバラツクことになり、結果として液晶パネルを映像機器に組み込んだとき画面の表示ムラとなって現れる。
そこで、ランプからの熱を遮って紫外光をワークに照射することが要求される。
要求されている液晶基板の処理中の温度(または温度上昇)は設定温度±5℃、望ましくは±2℃が要望されている。設定温度は材料により異なるが、典型的には30℃である。
【0008】
従来、高圧水銀ランプなどでは特開平06-267512号公報にあるように、放電容器を円筒管で覆ってその円筒管内に冷却水や冷却風を流して冷却していた。ワークの冷却を主目的に行ったことが段落0002に記載されている。
そこで、この冷却の技術を希ガス−ヨウ素を封入した誘電体バリア放電ランプに適用することが考えられた。
【0009】
発明者らは希ガス−ヨウ素を封入した誘電体バリア放電ランプを透光性材からなる管で覆い、従来のランプ駆動時に行われているように、冷却を始めてからランプの点灯を行い、ランプの消灯後に冷却を止めた。
【0010】
ところが、点灯回数が多くなるにつれて照度の劣化が生じるようになった。
ランプを外側から観察すると、冷却流体の上流側に位置する放電容器の内壁面に灰黒色の物質が多点状に付着しており、その色がだんだんと濃くなっていった。そこで、ランプを切断して付着物の同定分析を行ったところ、ヨウ素が析出し徐々に蓄積しているものであることが判明した。その蓄積原因はヨウ素が析出している部分の放電容器温度がヨウ素封入時の飽和蒸気圧温度(およそ40℃)より低くなっていたためであると推測された。
【0011】
ヨウ素の析出が蓄積すると、放電空間内のヨウ素濃度が減少して、照度低下を招くようになっていると推測された。図3にランプ長手方向において、風上側のランプ端部であって、冷却風によってヨウ素が析出している様子を模式的に示す。そこで本発明の目的は、光照射処理する液晶パネルへのランプからの熱輻射の影響を防ぎ、かつ、照度劣化を抑制するランプの駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、冷却媒体が一方から他方へ流れる領域内に配置された、管状の放電容器内にKr、Ar、Xeの何れか1種以上の希ガスとヨウ素とを封入した誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法であって、ランプ消灯時に次の順で駆動されることを特徴とする誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法である。第一ステップとして、ランプ点灯中に冷却媒体の流れを止る。第二ステップとして、冷却媒体の流れを止めた状態で、所定の時間ランプの点灯を継続する。第三ステップとして、ランプを消灯する。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、冷却媒体が一方から他方へ流れる領域内に配置された、管状の放電容器内にKr、Ar、Xeの何れか1種以上の希ガスとヨウ素とを封入した誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法であって、ランプ点灯時に次の順で駆動されることを特徴とする誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法である。第一ステップとして、冷却媒体を流さないでランプを点灯する。第二ステップとして、所定の時間、その状態でランプの点灯を継続する。第三ステップとして、所定の時間経過後に冷却媒体を流してランプの点灯を継続する。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、前記所定の時間が、ランプ全長、ランプ容積、ランプへの入力電力、ランプとワークの離間距離、冷却媒体の種類及び量に関して適宜選定されることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法である。
【0015】
本発明においての所定時間とは冷却媒体の流れを止めて、ランプ本来の熱によって放電容器温度が上昇し、析出していたヨウ素が加熱されて、蒸発して気化するのに十分な時間である必要がある。つまり、ヨウ素が析出している部分の放電容器温度がその雰囲気のヨウ素飽和蒸気圧温度を超える状態になることである。その条件は種々の要因が考えられるが、主として、ランプ全長、ランプ容積、ランプへの入力電力、ランプとワークの離間距離、冷却媒体の種類及び量によって決まると考える。入力電力が大きいほど、放電部分からの距離が近いほど、冷却能力が低いほど、冷却を止めた後の温度上昇が早いので所定の時間は短くなる。いずれにしても所定時間のおよそのオーダーは約5分から数10分程度の範囲となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、装置の変更の必要なく、最も簡便に照度劣化を抑制するヨウ素を封入した誘電体バリア放電ランプの駆動方法を提供することができる。強制冷却時、風上側にヨウ素が析出・蓄積していくことを抑制することができ、ヨウ素濃度低下による照度劣化を防ぐことができる。
【0017】
本発明の請求項2に記載の発明によっても、装置の変更の必要なく、最も簡便に照度劣化を抑制するヨウ素を封入した誘電体バリア放電ランプの駆動方法を提供することができる。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載の発明によって、ランプ全長、ランプ容積、ランプへの入力電力、ランプとワークの離間距離、冷却媒体の種類及び量に関して、請求項1または請求項2に記載の所定の時間を適宜選定することで、装置の変更の必要なく、最も簡便に照度劣化を抑制するヨウ素を封入した誘電体バリア放電ランプの駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の誘電体バリア放電ランプの構成の概略を示す斜視図である
【図2】図1に示すA−A線断面図である。
【図3】ヨウ素析出を示す誘電体バリア放電ランプ断面の模式図である。
【図4】本発明の誘電体バリア放電ランプとランプ冷却構造およびワーク配置を説明する図である。
【図5】本発明の誘電体バリア放電ランプの消灯時のフローチャートである。
【図6】本発明の誘電体バリア放電ランプの点灯時のフローチャートである。
【図7】本発明の効果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の誘電体バリア放電ランプの構成の概略を示す斜視図である。図2は図1に示すA−A線での断面図である。誘電体バリア放電ランプ10は、例えば石英ガラスなどの誘電体材料によって図2に示すように断面が方形状となるように構成された放電容器1を備える。放電容器1の内部には、例えば、クリプトンガス、ヨウ素ガスを主として含む放電ガスが封入されている。希ガスとしてはアルゴンやキセノンを封入することもある。放電容器1は、放電容器の長手方向の両端近傍の内部に封止部材2を配置して放電容器1と封止部材2とを溶着することによって、放電ガスが外部に漏れ出ることのないように気密に封止される。また、放電容器1の上下の壁面3、4のそれぞれの外表面には、メッシュ形状の一対の電極5、6が、放電容器1の内部に形成された放電空間Sおよび放電容器1を構成する誘電体材料を挟んで対向するように設けられている。電極5、6は、所定のメッシュ状パターンが形成されるように例えば蒸着などによって形成されている。
【0021】
さらに、放電容器1の内部には、例えばSiOを主成分として含む紫外線反射膜7が光出射方向側の壁面3と反対側の壁面4に形成されており、放電空間S内で発生した紫外線が紫外線反射膜7によって光出射方向に反射されて光出射方向側に位置する壁面3から出射するようになっている。このような構成の誘電体バリア放電ランプは、一対の電極5、6間に例えば1〜120kHzの正弦波の高周波を供給することにより、放電空間Sに面する内壁面に無数のひげのような無声放電が発生して、このような無声放電によってあたかも放電空間Sの全体が均等に放電しているかのような状態となる。
【0022】
本発明の誘電体バリア放電ランプが主として使用されることが想定されるPSAの用途では近時、液晶の基板サイズが大型化しており、使用されるランプの全長も600mm以上が主流となっている。ランプの長さが長くなるほど強力な冷却が必要になるため、冷却能力が大きい冷却装置が必要となる。その結果、冷却上流側のランプ一端側の温度はランプが長くなるにつれて、冷却される傾向にあり、ヨウ素の析出堆積の現象も一端側で顕著に生じてくる。本発明の駆動方法は、このようにランプの長尺化に伴うヨウ素析出の問題を解決するものであり、特に1000mm以上の長さのランプで有効である。
【0023】
図4には本発明の誘電体バリア放電ランプとランプ冷却構造およびワーク配置を説明する図を示す。誘電体バリア放電ランプ10にはランプ点灯電源15からランプ端部に電気エネルギーが供給され点灯する。ランプは強制冷却するために冷却用筒体25の中に設置される。冷却用筒体25はダクト冷却用筒体接続部19、20に接続され、ダクト冷却用筒体接続部19、20にはダクト17、18が接続され、ダクト17は送風機16に接続されている。冷却用筒体25には例えば円筒形のガラス管が使用され、所望の光を透過する機能もあわせもつ。冷却用筒体25には一方向から(図では左側から)冷却風を流入させランプの熱を奪い、(図では右側に)排出される。冷却風は送風機16によって送風される。冷却風はフィルター(不図示)や熱交換器(不図示)を通して循環される場合が多いが、単にブロアー等によって送風・排風して循環させずに使用する場合もある。
【0024】
ランプから放射された所望の光は冷却用筒体25を透過し、ワークWに必要ない一部の光(紫外光、真空紫外光)は冷却用筒体25で吸収される。そして、冷却用筒体25から放射された光はワークWに照射される。ライトガイド21は、その材料は例えばアルミニウムであって、所望な光に対して反射機能を持ち、光を有効に利用して、ワークW面上の照度上げ、特にワークW周辺の照度分布を上げるために設置する。
【0025】
本発明の誘電体バリア放電ランプの駆動方法では図5にフローチャートで示したように駆動する。図4の装置構成において、強制冷却をしつつランプは点灯されている。まずワークを照射エリアから退避あるいは、シャッタ(不図示)にてランプとワーク間を遮蔽し、照射エリアにワークのないことを確認する。その後、冷却風を止める。そして冷却風を止めた状態で所定時間維持する。そののちにランプを消灯する。その狙いとするところは、冷却を先に止めることで、ランプの放電自身の発熱によって、ランプの放電容器の管壁温度を上げることにある。冷却風を止めて維持する所定時間はランプ全長、ランプ容積、ランプへの入力電力、ランプとワークの離間距離、冷却媒体の種類及び量に関して適宜選定される。これら条件によって異なるが、約5分以上(好ましくは10分以上)点灯させると、放電容器温度は100℃以上になるので、その熱で付着していたヨウ素を完全に蒸発させることができる。この発明を実施すると、誘電体バリア放電ランプにおいて、ヨウ素の析出によって、放電空間内のヨウ素濃度が減少して低下していた照度を回復することができる。
【0026】
また、本発明の誘電体バリア放電ランプの駆動方法では図6にフローチャートで示したようにも駆動する。照射領域内にワークのないことを確認する。次に冷却媒体を流さないでランプを点灯する。所定の時間、その状態でランプの点灯を継続する。この場合には、ヨウ素が析出している部分の放電容器温度を上昇させて、ヨウ素を気化させるのに十分な時間ということで、放電容器全体を室温から上昇させる必要があり、前述の消灯時のステップより時間がかかる傾向にあるが、オーダーとしては変わらず数分から数10分の範囲であり、その所定の時間経過後に冷却媒体を流してランプの点灯を継続する。そして、ワークを照射エリアに挿入し、シャッタ(不図示)を開放してワークに光照射して処理を開始する。
【実施例】
【0027】
続いて本願発明の実施例について説明する。
以下に今回の発明の効果を確認するための実験配置および実験条件を示す。
1.ランプ仕様
[放電容器]:材質 合成石英製、形状 角型管、外寸14mm×42mm、肉厚2mm、長さ1300mm
[封入物]:ヨウ素0.13kPa(封入時の温度約40℃)、クリプトン120kPa
[放電ギャップ]:10mm
[電極]:メッシュ形状の金 長さ1150mm
[放電容器内面反射膜]: SiO膜 20μm
2.冷却の条件
[冷却用筒管]:材質パイレックス(登録商標)ガラス、形状φ68×φ75×1150mm
[送風機]:ブロアー、風量約2m/min
[点灯電源仕様]:電力8kW 矩形波、周波数70kHz
【0028】
次に、上記の仕様および条件にて、本発明を実施した場合と実施しなかった場合の照度維持率の時間変化を図7に示す。横軸は点灯の累積時間であり、縦軸は波長330nmから350nmの光強度を分光器(ウシオ電機株式会社製 USR-40D)で測定し、初期照度を100%として示した照度維持率を示す。線(イ)は点灯とともに照度の維持率が減衰し、190時間経過後には初期照度の89%まで低下したことが確認された。これはヨウ素が析出して放電容器内のヨウ素が減少し光の放射量を減少させるからと考えられた。
それに対して、図7の曲線(ロ)は、同じ190時間経過後に、一旦消灯後に
ステップ1:冷却風を流さないでランプを点灯開始する。
ステップ2:30分間、その状態でランプの点灯を継続する。
ステップ3:上記30分間経過後に冷却風を流してランプの点灯を継続する。とした手順で点灯したときの照度の維持率を示す。本発明を実施した場合、初期照度の100%まで照度の回復がされたことがわかる。
【0029】
また、図7の曲線(ロ)は、点灯190時間経過後に、消灯するに際して、ステップ1:ランプ点灯中に冷却風の流れを止める。
ステップ2:冷却風の流れを止めた状態で、10分間ランプの点灯を継続する。ステップ3:ランプを消灯する。
という手順で消灯して、その後に点灯したときも同様に表している。
【0030】
なお、照度維持率が減衰するスピードはランプ入力、冷却能力等々によって変化するが、例えば初期照度の90%になる時間は数10時間から数100時間の範囲であるので、本発明を実施するタイミングは例えば、製造工程のライン稼働が停止するタイミング(1日1回、1週間に1回など)を任意に選択できる。当然、装置にこのシーケンスを予め組んでおき、装置が停止する度に行ってもよい。いずれにしても、ワークが直接照射面下になく、ランプからの輻射熱が悪影響を及ぼさない状態で冷却を止めてランプを点灯し続けていればいいので、Kr、Ar、Xeの何れか1種以上の希ガスとヨウ素とを封入した誘電体バリア放電ランプにおいて極めて簡便な照度維持のための駆動方法である。
【符号の説明】
【0031】
1 放電容器
2 封止部材
3 壁面
4 壁面
5 電極
6 電極
7 紫外線反射膜
10 誘電体バリア放電ランプ
15 ランプ点灯電源
16 送風機
17 ダクト
18 ダクト
19 ダクト冷却用筒体接続部
20 ダクト冷却用筒体接続部
21 ライトガイド
25 冷却用筒体
S 放電空間
Y 析出したヨウ素
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却媒体が一方から他方へ流れる領域内に配置された、管状の放電容器内にKr、Ar、Xeの何れか1種以上の希ガスとヨウ素とを封入した誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法であって、ランプ消灯時に次の順で駆動されることを特徴とする誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法。
ステップ1:ランプ点灯中に冷却媒体の流れを止める。
ステップ2:冷却媒体の流れを止めた状態で、所定の時間ランプの点灯を継続する。
ステップ3:ランプを消灯する。
【請求項2】
冷却媒体が一方から他方へ流れる領域内に配置された、管状の放電容器内にKr、Ar、Xeの何れか1種以上の希ガスとヨウ素とを封入した誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法であって、ランプ点灯時に次の順で駆動されることを特徴とする誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法。
ステップ1:冷却媒体を流さないでランプを点灯開始する。
ステップ2:所定の時間、その状態でランプの点灯を継続する。
ステップ3:所定の時間経過後に冷却媒体を流してランプの点灯を継続する。
【請求項3】
前記所定の時間は、ランプ全長、ランプ容積、ランプへの入力電力、ランプとワークの離間距離、冷却媒体の種類及び量に関して適宜選定されることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の誘電体バリア放電ランプを駆動する駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−150791(P2011−150791A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8665(P2010−8665)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】