説明

識別システム及び識別プログラム

【課題】電子ペンによって記入された帳票の種別を識別する。
【解決手段】サーバ104は、所定の用紙を用いて作成された帳票100を所定のエリアで区分し、それぞれのエリア毎に軌跡があった場合に付与するポイントを定義したエリア定義マスタ126を格納しておく。そして、電子ペン101から取得した軌跡情報を、エリア定義マスタ126を用いて帳票毎にポイントを合算する。算出した軌跡情報の合算ポイントについて、エリア定義マスタ126に定義された全ポイントに対する適合率を、帳票毎に算出することで、軌跡情報が記入された帳票種別を識別する。そして、識別した帳票種別の情報を画面表示させることで、判定者の帳票種別判定を支援する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンを利用して記入を行う帳票を識別するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入力デバイスとして電子ペン(デジタルペン)が利用されており、その代表的なものとして、Anoto(登録商標)コーポレーションにより製造される「Anoto(登録商標)ペン」等が知られている。
この電子ペンは、所定のドットパターン印刷が施された用紙上に、利用者が電子ペンで文字等を書くことによって、電子ペンに内蔵されたカメラがドットパターンを撮影し、このドットパターンから電子ペンの移動軌跡を検出し、利用者によって記入された記入データが、軌跡情報として電子データで取得される。取得された軌跡情報は、ネットワーク等を通じてサーバ等に送信することができる。
【0003】
軌跡情報は、記入データのみが電子ペンに取得され、用紙そのものに予め印刷されている帳票の文字やレイアウト等は取得されない。そのため、記入データがどのような種別の帳票(帳票種別)に対して書かれたものであるかを識別するために、帳票毎にパターンの異なるドットパターンを使用することが必要となる。
【0004】
記入データがどのような種別の帳票に対して書かれたものであるか、帳票種別を識別するための識別システムに関するものには、以下のような技術がある。
例えば特許文献1では、帳票に種別認識用エリアを設け、利用者が種別認識用エリアにチェック等の記入を行うことで、種別認識用エリアへの記入データを含む軌跡情報をサーバに供給する。サーバは、その軌跡情報に基づいて、利用者が記入した帳票の種別を認識する。種別認識用エリアに印刷されたドットパターンは、帳票の種別毎に異なるものとなっており、これを利用してサーバは帳票種別を識別している。
【0005】
また、特許文献2では、帳票に識別情報が割り当てられた帯状パターン(バーコード等)を設け、その箇所を利用者が電子ペンでトレースすることで、帯状パターンに対応する識別情報をサーバが取得し、その識別情報を利用してサーバは帳票を識別している。
【特許文献1】特開2004−127198公報(段落「0007」〜「0023」、図8)
【特許文献2】特開2003−345503公報(段落「0009」〜「0015」、図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ドットパターンとは関係なく、複数の帳票を設けることが必要なこともある。また同じドットパターンの用紙でも、帳票を区別することが必要な場合もある。
特許文献1における帳票は、種別認識用エリアが設けられるものであり、自動的に帳票の種別を判断するものではない。
また、特許文献2では、予め帯状パターン毎に特定の識別情報を割り当ておき、利用者がその帯状パターンを電子ペンでトレースすることにより、対応する識別情報の入力が可能となるため、任意の帳票に対して自動的に帳票種別を判断することはできない。つまり、利用者に負担をかけずに帳票種別を識別するところまでは至らず、帳票種別を識別するための操作が利用者の負担となっていた。
【0007】
本発明は、前記した課題を解決し、電子ペンを利用して記入された帳票種別を利用者に負担をかけることなく識別する識別システム及び識別プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、所定の用紙を用いて作成された帳票と、前記帳票への書き込みにより軌跡情報を生成する電子ペンと、前記電子ペンから取得した軌跡情報を解析して電子データ化する処理装置とを使用して前記帳票の種別を識別する識別システムにおいて、前記処理装置は、前記帳票の種別毎に前記電子ペンによる記入位置が異なることに起因して定義される記入位置定義情報を保管する記憶手段と、前記記入位置定義情報と識別対象となる帳票への書き込みにより電子ペンから入力された前記軌跡情報とを用いて、前記記入位置定義情報と前記軌跡情報との一致度の高さを算出し、前記算出した一致度の高い種別を候補として識別する識別手段と、前記識別した種別の情報および前記軌跡情報を画面に表示することで、判定者に前記帳票の種別を選択可能にする出力手段とを備える構成とした。
その他の手段については、後記する実施の形態で述べる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子ペンを利用して記入された帳票種別を利用者に負担をかけることなく識別することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」とする)を詳細に説明する。
なお、本実施形態では、識別システムを適宜「システム」と省略して記載する。また、「帳票種別」とは、帳票の種類、帳票内の記入エリアのレイアウト、縦書き・横書き等を含む概念とし、「印刷」とは、通常の印刷の他、プリンタによるプリントアウトを含む概念とする。
【0011】
(システム構成)
図1は、本発明に係る識別システムが適用される一実施形態の構成図である。
帳票100を作成し、その帳票100に電子ペン101を用いて記入された軌跡情報を取得し、その軌跡情報を用いて、記入された帳票の種別をサーバ104が識別し、その結果を表示するまでの過程を、図1を参照して説明する。なお、図1において二重囲み線で示される各処理(S201〜S207)については、図8を用いて後記する。
【0012】
まず、印刷会社において、例えばドットパターンが印刷されたドットパターン紙301上に、プリンタ503を用いて所定のフォーマット(罫線や枠、項目名等)を重ね印刷する。それによって帳票100を作成する(帳票作成)。なお、重ね印刷を行う者は必ずしも印刷会社である必要は無く、例えば利用者自身がドットパターン紙301に重ね印刷して帳票100を作成してもよい。
なお本発明の技術はドットパターンの種類や有無とは関係なく利用することも可能である。
【0013】
重ね印刷で作成された帳票100に対し、利用者が電子ペン101を用いて必要事項を記入する。記入データは、電子ペン101が内蔵する記憶部(図示せず)に軌跡情報として記憶され(軌跡情報の記憶)、適宜利用者によってパーソナルコンピュータ(以下「PC」と記載)102に送信される(軌跡情報取込)。
PC102に送信された軌跡情報は、通信回線103を介してサーバ(処理装置)104に送信される(軌跡情報送信)。
サーバ104は、送信されてきた軌跡情報を用いて、軌跡情報に対応する帳票種別を識別する識別処理を行う(帳票識別処理)。
【0014】
続いて、サーバ104は、識別した帳票種別の情報と軌跡情報とを、PC105に送信する(帳票種別と軌跡情報の送信)。
PC105は、受信した帳票種別の情報と軌跡情報とを画面等に表示する(画面表示)。これによって、判定者が帳票種別の判定を行う際の支援を行う。
【0015】
次に、図1を参照しつつ、図2を用いて、本システムに用いられる各構成要素及びサーバ104の構成を説明する。図2は、図1の各構成要素と、サーバを機能展開して示したブロック図である。なお、図1と同じ要素には同じ符号を付してある。
【0016】
本システムは、帳票100への記入及び軌跡情報(記入データ)の取得を行う電子ペン101、前記軌跡情報を電子ペン101から取得してサーバ104に送信するPC102、前記軌跡情報をPC102からサーバ104に送信するための通信回線103、送信された前記軌跡情報と自身に蓄積されているデータから帳票100の種別を識別し、選出する処理を行うサーバ104、及びサーバ104によって識別された帳票100の種別等を表示するPC105から主に構成される。
【0017】
(電子ペン)
本実施形態で用いる電子ペン101は、利用者によって帳票100に記入された記入データを、軌跡情報として、PC102に送信する。
詳しく説明すると、電子ペン101の構成は、通常のインクタイプのペン先部に加えて、図示しないが、例えば帳票100に印刷されたドットパターンを読み取るためのカメラ、記入時に電子ペン101に作用する筆圧を検出する圧力センサ、カメラ及び圧力センサからのデータを処理して、記入により移動するペン先の位置をドットパターンと関連付け、軌跡情報として作成するプロセッサ、作成された軌跡情報の蓄積等を行う記憶部、通信ユニット等を搭載している。
【0018】
この通信ユニットは、短距離無線伝送技術の一種であるBluetooth(登録商標)等の通信プロトコルに従い、所定の周波数帯域の電波を利用して情報を送受信する装置が挙げられるが、その他の無線技術や、無線LAN(Local Area Network)、あるいは有線通信技術の通信プロトコルに従って情報を送受信する装置であってもよい。また、プロセッサはCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)等の電気・電子回路から構成されており、電子ペン101を統括的に制御する。
【0019】
具体的には、電子ペン101は、利用者が電子ペン101により帳票100上に文字等を書く際にペン先に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、この筆圧データをプロセッサへ供給し、プロセッサは圧力センサから与えられる筆圧データに基づいてカメラのスイッチオン/オフの切替等を行う。電子ペン101は、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記入を開始したと判定して、カメラを作動させる。カメラは、帳票100上のドットパターンを読み取り、その情報をプロセッサに供給する。プロセッサは供給された情報から、帳票100上での電子ペン101のX/Y座標を算出する。
プロセッサは、算出したX/Y座標を、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けて、時系列の軌跡情報として記憶部に保存し、この保存した軌跡情報を利用者の指示によりPC102に通信ユニットを介して送信する。
なお、本発明の技術は、利用者の記入した軌跡情報を記憶可能な装置であれば、電子ペンに限らず適応可能である。
【0020】
(帳票)
電子ペン101により記入される帳票100は、例えば特殊なドットパターンが印刷された用紙を用いることで、電子ペン用の専用紙として機能する。この専用紙は、紙面を所定サイズの格子に区切った場合に、その位置を特定できるようにドットが配置されており、このドットパターンの情報を用いて、帳票100上における電子ペン101のペン先の位置を特定することができるものである。
図1の印刷会社では、前記専用紙上に、紙面情報である罫線や枠、項目名等のフォーマットを印刷することで、帳票100を生成する。このフォーマットの違いが、本発明における帳票種別である。
帳票100に記入する電子ペン101の利用者は、帳票100の上面に重ね印刷されているフォーマット(罫線や枠、項目名等)から記入位置等を特定して帳票100に記入する。
【0021】
通常、帳票種別が異なる場合には、帳票種別をシステム側で識別できるように、異なるドットパターンのドットパターン紙301(図1)を用いるが、ライセンス料などの関係からコスト高になることも多い。またドットパターンには、フォーマットの規定がないものなどレイアウトの自由度が高いものもある。そこで、本発明では、帳票A、帳票B、帳票Cというように帳票種別が異なっても、同じドットパターンが印刷されているドットパターン紙301を用いる。そして、帳票種別の識別を、帳票100のフォーマット(罫線や枠等のレイアウト)の違いによる書き込み位置の違いに基づいて行う。
【0022】
ドットパターン紙上に、フォーマットを重ね印刷して生成した各帳票の例を図3に示す。
ドットパターン紙301に対し、帳票Aはフォーマット400Aを重ね印刷したものであり、帳票Bはフォーマット400Bを重ね印刷したものであり、帳票Cはフォーマット400Cを重ね印刷したものである。
以下、任意の帳票を指す場合は符号100を用い、任意のフォーマットを指す場合は符号400を用いる。
【0023】
図4は、各帳票の具体例と、電子ペンによるそれぞれの記入例を示した図である。
帳票Aは、社名と金額を記入する領収書形式のレイアウトを持つ帳票100である。この帳票Aへの記入データ例は、記入例410Aに示される。
帳票Bは、社名、品名、数量、金額、合計数を記入する注文表形式のレイアウトである。この帳票Bへの記入データ例は、記入例410Bに示される。
帳票Cは、帳票Bのレイアウトに類似しているが、品名に対応するコードを記入するコード4001が追加されている。この帳票Cへの記入データ例は、記入例410Cに示される。
このように各帳票(A,B,C)は、その種別によってフォーマット(410A,410B,410C)が異なり、文字の記入位置が異なるようになっている。
【0024】
(パーソナルコンピュータ)
図2に戻って説明する。
PC102は、図示しないが、演算処理等を行う際に用いられる記憶手段としての記憶部と、前記演算処理等を行う演算処理部と、通信を行う際に使用するネットワークインタフェースとを少なくとも備える一般的なコンピュータとして構成される。なお、記憶部は、RAM等により構成される。演算処理は、CPUによって構成される演算処理部が、記憶部上のプログラムを実行することで、実現される。
PC102は、電子ペン101に内蔵される通信ユニットを介して送信された軌跡情報を受信し、必要に応じて自身に内蔵する記憶部に保存する。
そして、保存した軌跡情報を、所定のタイミングによりネットワークインタフェース及び通信回線103を介してサーバ104に送信する。このタイミングは、利用者の指示によってもよいし、定期的に行われてもよい。
【0025】
(サーバ)
サーバ104は、PC102から送信される軌跡情報を受信し、帳票種別の識別等の処理を行う演算処理部110、前記演算処理部110の処理の際に一時的にデータを記憶するRAM111、演算処理部110による処理結果等をPC105に送信する送受信部112、記憶手段としての記憶部120等から主に構成され、例えばサーバ用コンピュータにより実現される。なお、PC102又はPC105とサーバ104との通信においては、送受信部112を介し、以下その説明を省略する。
【0026】
サーバ104の記憶部120には、識別プログラム(以下、「プログラム」と記載)121が格納される。このプログラム121は、サーバ104のRAM111等に展開されて演算処理部110が実行することで、識別手段として機能する。
【0027】
さらに、記憶部120には、電子ペン101の軌跡情報を記憶する軌跡データベース(以下「DB」と記載)125、帳票種別を識別するための帳票(A,B,C、図3参照)毎のエリア定義を記憶する帳票エリア定義マスタ(以下「エリア定義マスタ」と記載)126、関連データを記憶する関連DB127とが格納される。
なお、軌跡DB125、エリア定義マスタ126、及び関連DB127は、図2ではサーバ104の記憶部120内に備えられる構成となっているが、全てもしくはいずれかがサーバ104外に備えられ、所定の伝送線等により接続されてもよい。
【0028】
軌跡DB125は、図5に示す軌跡情報テーブル500を保持する。軌跡情報テーブル500は、1つのレコードが時間毎の電子ペン101の帳票100におけるX座標とY座標を表しており、レコード毎に付与される固有のID(IDentification)であるID5001、時刻を表す時間5002、帳票100におけるX座標5003、Y座標5004のフィールドを有する。例えば、行5010のレコードは、ID5001=「1」のデータについて、時間5002で「2005/11/01 11:09:00.01」の時刻に電子ペン101のペン先がX座標5003=「9」、Y座標5004=「4」の位置にあったことを示している。
なお、前記項目に加えて、例えば帳票100の1枚毎に固有のID等の情報をさらに追加して、開始(記入始め)〜終了(記入終了のチェックマークに記入)までの区切りで管理してもよい。
【0029】
エリア定義マスタ126は、図6(a)に示すエリア定義テーブル600を保持する。エリア定義テーブル600は、1つのレコードが各帳票(A,B,C)のエリア毎のポイント数を表しており、帳票名6001、エリアID6002、開始X座標6003、終了X座標6004、開始Y座標6005、終了Y座標6006、軌跡情報が存在した場合に加算されるポイントを表す付与ポイント6007のフィールドを有する。なお、このエリア定義テーブル600は、請求項1における記入位置定義情報に相当する。
【0030】
図6(b)のエリア区分は、ある帳票100についてのエリア区分の例を模式的に表している。ここでは例として、帳票100を30分割し、X座標を横軸に、Y座標を縦軸にとり、それぞれの座標を10毎に区切ったそれぞれのエリアに01〜30のIDを割り当ててある。区分されたエリアは、座標の小さい方(帳票100の左上)から順に、エリアIDが昇順に付与される。
このエリアIDに基づいて、図6(a)のエリアID6002、開始X座標6003、終了X座標6004、開始Y座標6005、終了Y座標6006が設定される。つまり、これら4つの値で規定される範囲が該当するエリアの範囲となる。
例えば、図6(a)の行6010は、帳票名6001=「帳票A」の、エリアID6002=「エリア01」に相当する領域として、開始X座標6003=「0」、終了X座標6004=「10」、開始Y座標6005=「0」、終了Y座標6006=「10」で表されている。そして、「エリア01」内の領域に、軌跡情報が存在した場合には、付与ポイント6007より、帳票Aとして5ポイント(以下、ポイントを「P」と適宜記載)加算する。また、行6011は、行6010の「エリア01」と同じ領域に軌跡情報が存在した場合に、帳票Bに5Pを加算することを表す。ポイント加算の説明は、図7を参照して後記する。
なお、本実施形態では、このエリア区分を各帳票(A,B,C)共通としているが、それぞれ異なった区分で各エリアを定義してもよい。
【0031】
図7は、各帳票において、エリア毎に与えられるポイントの値を、例として模式的に示した図である。図7(a)は帳票Aのエリア毎の付与ポイント定義であり、図7(b)は帳票Bのエリア毎の付与ポイント定義であり、図7(c)は帳票Cのエリア毎の付与ポイント定義である。
例えば、図7(a)の帳票Aエリア毎付与ポイント定義において、符号7010は、図6(a)の行6010の情報に対応しており、「エリア01」に軌跡情報が存在した場合に「5P」が付与されることが模式的に示されている。他のエリアも同様であり、さらに、図7(b)の帳票Bエリア毎付与ポイント定義、図7(c)の帳票Cエリア毎付与ポイント定義も同様である。
【0032】
図2に戻って説明する。
関連DB127は、電子ペン101が取得した関連情報等を保管する。関連情報とは、例えば帳票識別処理結果の情報や、後記する図9で説明する帳票毎の全ポイント数の情報、図11の文字種マスタ等であるが、不要の場合は削除してもよい。
【0033】
サーバ104は、プログラム121、軌跡DB125、エリア定義マスタ126、関連DB127等を用いて、識別した帳票種別の候補等の情報を、PC105に送信する。
【0034】
(パーソナルコンピュータ)
PC105は、PC102と同様に一般的なコンピュータであり、図示しない演算処理部と、ネットワークインタフェースと、表示部と、入力部とを少なくとも備えて構成される。
PC105は、サーバ104から送信された情報を、ネットワークインタフェースを介して受信し、表示部等に表示する。表示された帳票種別の情報を、判定者が目視にて確認し、軌跡情報に該当する帳票種別を判定する。
【0035】
(識別システム全体の処理の流れ)
図8は、本実施形態における識別システムの処理のフローである。
図8を参照し、適宜、図1〜7を参照して、詳細な処理と本システムの動作について説明する。なお、この図8における各処理(S201〜S207)に関して、図1と同じ処理については同じ符号を付してある。
本実施形態では、電子ペン101を用いて帳票Bに記入された場合を例として説明する。
【0036】
まず、例えば印刷会社が、ドットパターン紙301にフォーマット400Bを重ね印刷して帳票Bを生成する(S201)。
【0037】
続いて、前記生成された帳票Bへ、利用者が電子ペン101で書き込んだ記入データを、電子ペン101の記憶部が軌跡情報として記憶する(S202)。ここで記憶される軌跡情報とは、前記したとおり電子ペン101の時間単位のX/Y座標からなる軌跡情報である。
【0038】
次に、電子ペン101に記憶されている軌跡情報を、PC102が所定の通信路を用いて取り込む(S203)。
【0039】
続いて、PC102は通信回線103を介して、前記取り込んだ軌跡情報をサーバ104に送信する(S204)。サーバ104は、PC102から受信した軌跡情報を、自身の記憶部120の軌跡DB125に軌跡情報テーブル500として記憶する。
【0040】
サーバ104の演算処理部110は、前記記憶した軌跡DB121とエリア定義マスタ126とを用いて、受信した軌跡情報がどの帳票(A,B,C)に記入されたものであるかを識別する(帳票識別処理)(S205)。この帳票識別処理の詳細は、図9を用いて後記する。
【0041】
サーバ104が識別した帳票種別の情報は、帳票種別の候補として、PC105の要求等を契機として、PC105に送信される。その際、軌跡DB125に保存されている軌跡情報も共に送信される(S206)。なお、PC105への送信のタイミングは、帳票種別の情報を関連DB127に保存しておき、PC105の要求の都度、関連DB127から読み出して送信してもよいし、あるいは、関連DB127の情報を定期的にPC105に送信してもよい。
【0042】
PC105の演算処理部は、サーバ104から受信した帳票種別の候補の情報及び軌跡情報を、PC105の画面に表示する(S207)。ここで表示された画面例については、図12〜14を用いて後記する。
【0043】
(帳票識別処理の流れ)
図9は、図8における帳票識別処理(S205)の詳細な処理のフローである。図9に沿って、適宜図1〜8を参照しながら説明する。この帳票識別処理は、前記したとおり、プログラム121が、サーバ104のRAM111等に展開されて演算処理部110が実行することで機能する。以下、その説明を省略する。
また、ここでは、図2の関連DB127に予め帳票毎の全ポイント数の情報が保存されているものとする。詳細な説明は後記する。
【0044】
まず、演算処理部110は、記憶部120の軌跡DB125から、軌跡情報テーブル500をRAM111等へ読み込む(S2051)。
続いて、演算処理部110は、ループカウンタnに初期値として1を設定する(S2052)。
【0045】
演算処理部110は、記憶部120のエリア定義マスタ126から、n番目の帳票100のエリア定義テーブル600をRAM111等へ読み込む(S2053)。
例えば、n=1(帳票A)の場合、エリア定義テーブル600において、帳票名6001=「帳票A」のデータを読み込む。
S2051で読み込んだ軌跡情報テーブル500とS2053で読み込んだエリア定義テーブル600とを用いて、n番目の帳票100の合算ポイント数を算出する(S2054)。以下、合算ポイント数の算出方法について説明する。
【0046】
演算処理部110は、RAM111等に読み込んだ軌跡情報テーブル500とエリア定義テーブル600との情報を用いて、軌跡情報テーブル500に合致したエリア定義テーブル600のエリア毎のポイントを帳票別に加算していく。つまり、エリア定義テーブル600でエリア毎に、軌跡情報テーブル500で軌跡情報が存在するか否かを判断して、軌跡情報が存在した場合には、当該エリアに設定されている付与ポイントを、帳票毎に加算していくということである。
例えば、図5の行5010における<X座標「9」、Y座標「4」>に軌跡情報(記入データ)が存在しており、図6のエリア定義テーブル600では、まず、<X座標「9」,Y座標「4」>をエリア内に持つ行6010で、帳票Aに付与ポイント6007=「5P」を加算する。他のエリアでも軌跡情報が存在した場合には、エリア定義テーブル600の付与ポイント6007の情報に基づいて同様にポイントを加算し、合算ポイント数を算出する。
【0047】
図10(a)は、S2051で読み込んだ軌跡情報テーブルを模式的に示し、エリア定義テーブルのエリア区分と重ね合わせた図である。
図10(b)は、帳票Aについて、各エリアの付与ポイントを模式的に示した図である。ここでは、軌跡情報のあるエリアは網掛けで示している。符号1011で、「エリア01」は、図10(a)の符号1001(図5、行5010)より軌跡情報が存在する(網掛け表示)ので、「5P」付与される。また、「エリア05」は、図10(a)より軌跡情報は存在する(網掛け表示)が、帳票Aに「エリア05」への付与ポイントが設定されていないため、ポイントは付与されない。「エリア19」は、軌跡情報が存在しないため、ポイントは付与されない。その他のエリアも同様である。
これにより、軌跡情報の、帳票Aにおける合算ポイント数は11P(網掛け表示部:5P+5P+1P)となる。
【0048】
続いて、演算処理部110は、記憶部120の関連DB127に予め保管してあるn番目の帳票100の、全ポイント数の情報をRAM111等へ読み込む(S2055)。この帳票100の全ポイント数の情報とは、エリア定義テーブル600に定義されている帳票(A,B,C)毎の付与ポイントを加算したものであり、例えば帳票Aの全ポイント数は、図7より12P(5P+5P+1P+1P)、同様に帳票Bは47P、帳票Cは51P、という情報が、予め関連DB127に保管されてあるものとする。
なお、ここでは予め各帳票(A,B,C)の全ポイント数を関連DB127に保管しておく例を説明したが、これに限らず、帳票識別処理を実行する度にその都度、エリア定義テーブル600を用いて各帳票(A,B,C)の全ポイント数を算出してもよい。
【0049】
続いて、n番目の帳票100における全ポイント数に対する合算ポイント数の適合率を算出する(S2056)。適合率とは、請求項1における一致度に相当し、合算ポイント数/全ポイント数で求められる。なお、各帳票(A,B,C)の全ポイント数と合算ポイント数が近い(適合率が高い)帳票ほど、候補である確率が高いことを意味する。この場合、帳票100の全ポイント数よりも軌跡情報の合算ポイント数が上回ることはない。
前記した方法で適合率を算出すると、帳票Aは、全ポイント数12P中、合算ポイント数11Pで適合率0.9166(91.7%)となる。
【0050】
演算処理部110は、ループカウンタnの値が、S2053でRAM111等に読み込んだエリア定義テーブル600の帳票名6001における種別数以上(n≧帳票の種別数)であるか否かを判別する(S2057)。
【0051】
n<帳票の種別数であった場合(S2057→No)、演算処理部110は、nをインクリメントし(S2058)、S2053の処理に戻る。これによって、次の帳票100の適合率が算出される。
【0052】
帳票(A,B,C)について、S2054で合算ポイント数を算出した結果の例を、図10(b)〜(d)に模式的に示す。
前記したとおり、図10(b)は、帳票Aについて、各エリアの付与ポイントを模式的に示した図である。同様に図10(c)は帳票Bについての各エリアの付与ポイント、図10(d)は帳票Cについての各エリアの付与ポイントを模式的に示している。
【0053】
帳票(A,B,C)について、S2056で適合率を算出した結果は、以下のとおりとなる。
帳票Aは、全ポイント数12P中、合算ポイント数11Pで適合率0.9166(91.7%)。
帳票Bは、全ポイント数47P中、合算ポイント数47Pで適合率1.0000(100.0%)。
帳票Cは、全ポイント数51P中、合算ポイント数47Pで適合率0.9215(92.2%)。
以上の算出結果により、ここでの軌跡情報が記載された帳票種別として、適合率の高い順に帳票B、帳票C、帳票Aという候補が識別される。
【0054】
一方、n≧帳票の種別数であった場合(S2057→Yes)、帳票識別処理(S205)は終了となり、図8のS206の処理に進む。つまり、図8のS206において、S205で算出した適合率に基づき、帳票の候補である帳票B、帳票A、帳票Cの情報および軌跡DB125の情報を、サーバ104はPC105に送信するということになる。
【0055】
なお、適合率算出の変形例として、予め帳票(A,B,C)毎に異なるエリア区分を設定したり、エリア毎に付与するポイント数を異なる設定にしたりすることにより、それぞれの帳票(A,B,C)の全ポイント数を同じ(例えば100P)にしてもよい。その場合には、それぞれの帳票(A,B,C)の合算ポイント数同士をそのまま比較することで、適合率の算出を省略できる。
【0056】
また、合算ポイント数算出の例として、付与ポイントを加算する方法を説明したが、変形例として、例えば減算する方法(ペナルティ方式)をとってもよい。具体的には、軌跡情報が存在するべきでないエリア(例えば、図10(b)のエリア03,04・・等)について、マイナスの値(「−2」等)をポイントとして付与することで、マイナスの値を合算した値を比較することも可能である。
さらに、減算する方法と、前記した加算する方法を併用することで合算ポイント数の帳票毎の格差を広げ、比較を容易にすることも可能である。
【0057】
さらに、ポイント算出の変形例として、例えば軌跡情報の文字種を判別して、判別した文字種毎にポイントを算出してもよい。
図11は、図2の関連DB127に保存される文字種マスタの例を示している。文字種マスタ1100は、帳票名1101、エリアID1102、文字種1103、付与ポイント1104を有する。帳票名1101はエリア定義テーブル600の帳票名6001と、エリアID1102はエリア定義テーブル600のエリアID6002とそれぞれリンクしており、各帳票(A,B,C)のエリア毎に、軌跡情報の文字種を判別してポイントを算出できる。
ポイント算出の方法は、図10(a)の符号1001において、「エリア01」に軌跡情報があることを判別し、特開2003−308483号公報等の既存の文字識別技術等を用いて軌跡情報(記入データ)が漢字又はかなであることを判別する。文字種マスタ1100の行1110では、「エリア01」の軌跡情報が「漢字又はかな」であれば、付与ポイント1104=「5P」を付与することから、図10(b)の符号1011に示すように帳票Aの「エリア01」のポイントとして5Pが付与される。もし、「エリア01」の軌跡情報が「数字」であれば、行1111より1Pが付与される。帳票B,帳票Cも同様である。
なお、文字種マスタ1100を利用する場合は、図11の付与ポイント1104の値を、ポイント算出に使用するため、図6の付与ポイント6007の項目は不要となる。
本変形例では、エリアや文字種等によりポイントを定義することが可能である。
【0058】
(操作画面)
図12〜14は判定者による帳票種別の確定を支援するための操作画面である。この操作画面1201上で、判定者が帳票種別を確認し、確定することによって、軌跡情報に対応する帳票種別が確定される。
【0059】
図12は、操作画面の帳票候補エリアにて「帳票B」が選択されている場合の画面例である。
この帳票候補エリア1208にて、S205の処理によって識別された帳票(A,B,C)の候補が、適合率の高い順に一覧で帳票名表示エリア1210に表示される。そして、ここでは帳票(A,B,C)のなかで最も高い適合率である帳票Bが予め選択されており、それを示す○が選択エリア1209に表示されている。
【0060】
軌跡情報表示エリア1205は、帳票候補エリア1208の選択エリア1209で選択されている「帳票B」のフォーマット400B(図3)に、電子ペン101から取得した軌跡情報を重ね合わせた情報が表示されている。判定者は、軌跡情報表示エリア1205を目視し、選択エリア1209で選択された帳票種別が、軌跡情報にあっているか否かを判断することができる。
【0061】
判定者が判断した結果、帳票種別が軌跡情報にあっていれば、判定者が入力部を介して、帳票種別を確定するOKボタン1211を押すことで、軌跡情報は、選択エリア1209で選択されている帳票種別と対応するものとして確定される。その情報は例えばサーバ104の記憶部120の関連DB127に保管されてもよい。
【0062】
判定者が入力部を介してキャンセルボタン1212を押した場合は、軌跡情報に関する帳票種別は確定されない。ここで、帳票種別が一度も確定されていなければ帳票種別は未定となる。
【0063】
図12の例では表示枠1206、表示枠1207共に、軌跡情報に合っており、帳票Bが、軌跡情報(記入データ)に対応する帳票種別であるとわかる。この結果を判定者が目視することによって、判定者は入力部を介してOKボタン1211を押し、軌跡情報表示エリア1205に表示されている軌跡情報が帳票Bの情報であることを確定する。
【0064】
図13は、図12の帳票候補エリアにおいて、判定者が「帳票C」を選択した場合の画面例である。帳票候補エリア1208の選択エリア1209には、「帳票C」が選択されていることを示す○が表示されている。
【0065】
軌跡情報表示エリア1205は、帳票Cのフォーマット400C(図3)に、電子ペン101から取得した軌跡情報を重ね合わせた情報が表示されている。
軌跡情報表示エリア1205の表示枠1302は、コード1303の列が軌跡情報に合っていない。この結果から、判定者が、帳票Cは軌跡情報に対し適切でないと判断した場合、キャンセルボタン1212を押すと、この軌跡情報の帳票種別は変更されない。
【0066】
(変形例)
図14は、図12の操作画面において、予め電子ペンで記入された帳票をスキャナやカメラ等で取り込んだイメージ画像を加えて表示する画面例である。
この場合、例えば、軌跡情報と、取り込んだイメージ画像とに、同じ帳票IDの情報を付与しておき、サーバ104(図1)がそれぞれに付与された帳票IDをリンクさせることで、軌跡情報に対応するイメージ画像を、取込イメージ画像1401に表示する。これにより判定者は、イメージ画像と軌跡情報とを見比べながら、帳票種別を判定することが可能となる。なお、取込イメージ画像1401を、操作画面1201全体に表示させたり、拡大/縮小等を施して画面表示させたりすることによって、帳票種別の判定をさらに確実にすることも可能である。
この変形例は、実際に記入された現物の帳票100を判定者が確認できない場合や、判定者の帳票100に対する記憶が曖昧な場合等に有効である。
【0067】
また、本実施形態では、候補となる帳票種別を適合率順に一覧表示することとしたが、これに限らず、最も適合率の高い帳票種別のみを表示してもよい。また、本実施形態では、候補となる帳票種別3つを一覧表示する例を説明したが、これに限らず、予め適合率について所定の値を設定しておき、その値以上の適合率を取得した候補については全て一覧で表示させるようにしてもよい。
【0068】
さらに、本実施形態では、電子ペン101からの軌跡情報をPC102で取得し、サーバ104に送信することでサーバ104が帳票識別処理を実行する方法を例として説明したが、それに限らず、例えばPC102で電子ペンから取得した軌跡情報を用いて帳票識別処理を実行し、その結果に基づいてPC102において判定者が帳票種別の判定を実施してもよい。その場合はサーバ104とPC105は不要となる。あるいは、PC102からサーバ104を介さずにPC105へ軌跡情報を送信し、PC105が帳票識別処理を実行し、その結果に基づいて判定者が帳票種別の判定を実施してもよい。
その他についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形可能である。
【0069】
(その他)
以上説明した実施形態によれば、1つのドットパターンに対して、複数の帳票種別を使用しても、電子ペンによる軌跡情報を用いて帳票種別を判定し、その帳票種別にあわせて軌跡情報を表示することによって、事前に帳票へ情報付与することや、記入時に利用者が余分な操作をすることがなくなる。
ドットパターンのパターン当たりのライセンスにはコストが発生することもあり、帳票を識別するために異なるドットパターンを使用することについては、製造上やコストの面で改善が求められていた。しかしながら、本実施形態によれば、帳票毎にドットパターンを用意する必要もなくなる。
また、ドットパターンを用いない軌跡情報処理技術においても、本実施形態の技術は使用可能である。
さらに、各帳票を候補順に一覧で表示し、判定者が操作画面において候補となっている帳票種別を選択することで、それぞれの帳票種別に軌跡情報を重ねて表示させ、判定者の帳票種別の確定作業を支援することができる。
【0070】
Anoto(登録商標)コーポレーションによる電子ペンシステムは、1つのドットパターン毎に1つの帳票定義を行う。本システムでは、この帳票定義の範囲内で、複数の帳票種別(フォーマット)の定義をサポートすることができ、ドットパターンのライセンス取得に伴うコストを削減することが可能となる。また、前記のような帳票定義の制限がない場合においては、個別に自由な帳票種別(レイアウト)の設計が可能となるため、制限が少なくなり帳票の設計が容易になる利点がある。
【0071】
本システムは、電子ペンの軌跡情報を用いて、予め定義されたエリア毎のポイント数と、記載された文字種(漢字、数字、英語等の種別)毎の合算ポイント数とにより、帳票種別等を識別することを可能とする。そのため、帳票種別等の識別だけでなく、利用者の記入内容(軌跡情報)の識別に基づく分類全般にわたって、本システムを応用することができる。例えば、文書フォーマット(レイアウト、文字種等)が決められている論文の選別、経理情報、人事情報等の識別も容易となる。また、データ種別及びデータ配置の解析によるデータフォーマットあるいは帳票形式の識別機能として、広く応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に関する識別システムが適用される構成図である。
【図2】図1の各構成要素と、サーバを機能展開して示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に関するドットパターンにフォーマットを重ね印刷して生成した各帳票の例である。
【図4】本発明の一実施形態に関する各帳票の具体例と、電子ペンによるそれぞれの記入例を示した図である。
【図5】本発明の一実施形態に関する軌跡DBに格納されている軌跡情報テーブルの例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に関する (a)エリア定義マスタに格納されているエリア定義テーブルの例、(b)帳票のエリア区分の例を模式的に表した図である。
【図7】本発明の一実施形態に関する各帳票のエリア毎に与えられるポイントの値を、(a)帳票Aエリア毎ポイント定義、(b)帳票Bエリア毎ポイント定義、(c)帳票Cエリア毎ポイント定義、として模式的に示した図である。
【図8】本発明の一実施形態に関する識別システムの処理のフローである。
【図9】図8の帳票識別処理の詳細な処理のフローである。
【図10】本発明の一実施形態に関する (a)S2051で読み込んだ軌跡情報テーブルを模式的に示しエリア定義テーブルのエリア区分と重ね合わせた図、(b)帳票A各エリア付与ポイントを模式的に示した図、(c)帳票B各エリア付与ポイントを模式的に示した図、及び(d)帳票C各エリア付与ポイントを模式的に示した図である。
【図11】本発明の一実施形態に関する関連DBに保存される文字種マスタの例を示す図である。
【図12】操作画面の帳票候補エリアにて帳票Bが選択されている場合の画面例を示す図である。
【図13】図12の帳票候補エリアにて帳票Cが選択されている場合の画面例を示す図である。
【図14】図12の操作画面において、予め電子ペン記入された帳票をスキャナやカメラ等で取り込んだイメージ画像を加えて表示する画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
100 帳票
101 電子ペン
102,105 パーソナルコンピュータ
104 サーバ(処理装置)
1201 操作画面
121 識別プログラム
125 軌跡データベース(軌跡DB)
126 帳票エリア定義マスタ(エリア定義マスタ)
1401 取込イメージ画像
301 ドットパターン紙
400,400A,400B,400C フォーマット
500 軌跡情報テーブル
600 エリア定義テーブル(記入位置定義情報)
6007 付与ポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の用紙を用いて作成された帳票と、
前記帳票への書き込みにより軌跡情報を生成する電子ペンと、
前記電子ペンから取得した軌跡情報を解析して電子データ化する処理装置とを使用して前記帳票の種別を識別する識別システムにおいて、
前記処理装置は、
前記帳票の種別毎に前記電子ペンによる記入位置が異なることに起因して定義される記入位置定義情報を保管する記憶手段と、
前記記入位置定義情報と識別対象となる帳票への書き込みにより電子ペンから入力された前記軌跡情報とを用いて、前記記入位置定義情報と前記軌跡情報との一致度の高さを算出し、前記算出した一致度の高い種別を候補として識別する識別手段と、
前記識別した種別の情報および前記軌跡情報を画面に表示することで、判定者に前記帳票の種別を選択可能にする出力手段と
を備えたことを特徴とする識別システム。
【請求項2】
所定の用紙を用いて作成された帳票と、
前記帳票への書き込みにより軌跡情報を生成する電子ペンと、
前記電子ペンから取得した軌跡情報を解析し電子データ化する処理装置とを使用して前記帳票の種別を識別する識別システムにおいて、
前記処理装置は、
前記帳票の種別毎に前記電子ペンによる記入位置が異なることに起因して定義される記入位置定義情報を保管する記憶手段と、
前記記入位置定義情報と識別対象となる帳票への書き込みにより電子ペンから入力された前記軌跡情報とを用いて、前記記入位置定義情報と前記軌跡情報との一致度の高さを算出し、前記算出した種別のなかで一致度の最も高い種別を識別する識別手段と
を備えたことを特徴とする識別システム。
【請求項3】
前記記入位置定義情報は、
前記帳票を所定の領域で区分し、その領域毎に軌跡情報の有無に応じて所定のポイントを付与する情報を含み、
前記識別手段は、
前記領域毎に前記電子ペンから入力された前記軌跡情報が存在するか否かを判別し、存在の有無に応じてその領域に付与された前記所定のポイントの合計を算出し、この算出したポイント数と、帳票の種別毎に算出される全ポイント数とを比較することで、前記一致度の高さを算出する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の識別システム。
【請求項4】
前記帳票の種別を選択可能にする場合は、
前記識別手段は、
前記軌跡情報と一致度の高い帳票の種別を、一致度の高い順に複数の候補として識別し、
前記出力手段は、
前記一致度の高い順に出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の識別システム。
【請求項5】
前記識別手段は、
前記一致度が所定の値以上を持つ帳票の種別を、候補として識別する
ことを特徴とする請求項4に記載の識別システム。
【請求項6】
前記処理装置は、
前記電子ペンで記入された帳票の画像情報を取得し、前記出力手段によって前記識別した種別の情報および前記軌跡情報に加え、前記画像情報を画面に表示する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の識別システム。
【請求項7】
所定の用紙を用いて作成された帳票と、
前記帳票への書き込みにより軌跡情報を生成する電子ペンと、
前記電子ペンから取得した軌跡情報を解析し電子データ化する処理装置とを使用して前記帳票の種別を識別する識別システムにおいて、
前記帳票の種別毎に前記電子ペンによる記入位置が異なることに起因して定義される記入位置定義情報を保管する記憶手段と、
前記記入位置定義情報と識別対象となる帳票への書き込みにより電子ペンから入力された前記軌跡情報とを用いて、前記記入位置定義情報と前記軌跡情報との一致度の高さを算出し、前記算出した一致度の高い種別を候補として識別する識別手段と、
前記識別した種別の情報および前記軌跡情報を画面に表示することで、判定者に前記帳票の種別を選択可能にする出力手段と
をコンピュータである処理装置に実行させることを特徴とする識別プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−133593(P2007−133593A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−325082(P2005−325082)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000233538)株式会社 日立東日本ソリューションズ (53)
【Fターム(参考)】