警報システム
【課題】セキュリティ親器においても火災警報器から遅れることなく火災警報を報知することができる警報システムを提供する。
【解決手段】セキュリティ親器SMの制御部10は、火災警報器TRから第1無線周波数f1の無線信号で送信される火災感知情報を受け取って報知部13から火災警報を報知させる。故に、従来例と比較してセキュリティ親器SMが火災警報の報知を開始するまでの時間を短縮することができる。その結果、セキュリティ親器SMにおいても火災警報器TRから遅れることなく火災警報を報知することが可能な警報システムが提供できる。
【解決手段】セキュリティ親器SMの制御部10は、火災警報器TRから第1無線周波数f1の無線信号で送信される火災感知情報を受け取って報知部13から火災警報を報知させる。故に、従来例と比較してセキュリティ親器SMが火災警報の報知を開始するまでの時間を短縮することができる。その結果、セキュリティ親器SMにおいても火災警報器TRから遅れることなく火災警報を報知することが可能な警報システムが提供できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の火災警報器が連動して火災警報を報知する火災警報システムとセキュリティ子器で異常が検出されたときにセキュリティ親器が異常警報を報知するセキュリティシステムからなる警報システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅への火災警報器の設置義務が法制化されたことに伴い、既存住宅への施工性の観点から無線信号を利用して複数の火災警報器を連動させる火災警報システムが既に提供されている。かかる火災警報システムは、多箇所に設置された複数台の火災警報器がそれぞれに火災を感知する機能と警報音を鳴動する機能を有しており、何れかの火災警報器が火災を感知すると、当該火災警報器が警報音を鳴動するとともに火災感知を知らせる情報(火災感知情報)を無線信号で他の火災警報器に伝送することにより、火元の火災警報器だけでなく複数台の火災警報器が連動して一斉に警報音を鳴動することにより、火災の発生を迅速且つ確実に知らせることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、近年の犯罪件数の増加に伴い、住宅への不審者の侵入などの異常を検出して報知するセキュリティシステムも普及してきている(例えば、特許文献2参照)。この種のセキュリティシステムは、監視領域内の異常(例えば、窓ガラスの破壊、監視領域内への侵入など)を検出するセキュリティセンサと、各セキュリティセンサとの間で無線通信を行うとともにセキュリティセンサから異常検出を通知する無線信号を受信したときに当該異常の発生を音や光で報知するセキュリティ親器とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−33428号公報
【特許文献2】特開2007−233681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は火災警報システムとセキュリティシステムが各々独立して運用されており、火災警報システムで火災警報を発しているときにセキュリティシステムが火災警報を発することはできなかった。
【0006】
これに対して本出願人は、複数の火災警報器のうちの特定の一つ(親器)が火災感知情報を無線通信によってセキュリティ親器に送信し、当該火災感知情報を受信したセキュリティ親器が異常発生を報知することで火災警報システムとセキュリティシステムを連動させるという発明を既に出願している(特願2008−111699参照)。しかしながら、火災警報システムとセキュリティシステムとは本来別々のシステムであって、互いの無線通信が干渉し合わないように各々異なる周波数で無線通信を行っている。そのために上記先の出願に係る火災警報システムでは、火災警報器の親器が他の火災警報器(子器)に火災感知情報を送信して全ての火災警報器で火災警報を報知する連動状態に移行した後、火災警報器の親器がセキュリティシステムで使用される周波数に切り換えて無線通信により火災感知情報をセキュリティ親器に送信している。その結果、セキュリティ親器による火災警報の報知が火災警報器の火災警報の報知よりも遅れてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、セキュリティ親器においても火災警報器から遅れることなく火災警報を報知することができる警報システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、複数の火災警報器からなり、これらの火災警報器が電波を媒体とする第1無線周波数の無線信号で火災感知情報を送受信し、自らが火災を感知するか若しくは他の火災警報器から火災感知情報を受け取ったときに複数の火災警報器が連動して火災警報を報知する火災警報システムと、監視領域内への不審者の侵入に関係する異常を検出する1乃至複数のセキュリティ子器、並びにセキュリティ子器から電波を媒体とする第2無線周波数の無線信号で送信される異常検出情報を受け取ったときに異常発生を報知するセキュリティ親器からなるセキュリティシステムとを有し、セキュリティ親器は、第1無線周波数と第2無線周波数とを交互に切り換えて無線信号を受信する無線信号受信手段と、異常発生の警報を報知する報知手段と、無線信号受信手段で受信する第2無線周波数の無線信号により前記異常検出情報を受け取ったときに報知手段から異常発生の警報を報知させるとともに無線信号受信手段で受信する第1無線周波数の無線信号により前記火災感知情報を受け取ったときに報知手段から火災警報を報知させる制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明によれば、セキュリティ親器では火災警報器から第1無線周波数の無線信号で送信される火災感知情報を受け取って報知手段から火災警報を報知させるので、従来例と比較してセキュリティ親器が火災警報の報知を開始するまでの時間を短縮することができる。その結果、セキュリティ親器においても火災警報器から遅れることなく火災警報を報知することができる警報システムが提供できる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、セキュリティ親器は、第2無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段を具備し、セキュリティ子器は、第2無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段と、第2無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、無線信号送信手段よりセキュリティ親器に対して第2無線周波数の無線信号で異常検出情報を送信した後、セキュリティ親器から前記無線信号に対する応答の無線信号を無線信号受信手段で受信しない場合に前記異常検出情報を含む無線信号を再度無線信号送信手段から送信させる制御手段とを具備し、セキュリティ子器の制御手段は、異常検出情報を含む無線信号を無線信号送信手段より再送信させる時間間隔を、セキュリティ親器の無線信号受信手段が第1無線周波数と第2無線周波数とを切り換える時間間隔と異ならせていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明によれば、セキュリティ子器から第2無線周波数の無線信号が送信されたときに、セキュリティ親器が第1無線周波数を受信していてセキュリティ子器の無線信号を受信できなかった場合には、セキュリティ親器から応答の無線信号が送信されず、応答の無線信号を受信できなかったセキュリティ子器が第2無線周波数の無線信号を再度送信し、当該再送信のときにはセキュリティ親器が第2無線周波数を受信しているので、セキュリティ子器から送信される第2無線周波数の無線信号をセキュリティ親器で確実に受信することでセキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、セキュリティ親器の無線信号受信手段は、第1無線周波数の受信信号強度が所定のしきい値未満であれば直ちに第2無線周波数の受信状態に切り換わり、第1無線周波数の受信信号強度が前記しきい値以上であれば第1無線周波数の受信状態を継続することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明によれば、火災が発生していない状況ではセキュリティ親器の無線信号受信手段が第1無線周波数の無線信号を受信する時間を相対的に短くし、第2無線周波数の無線信号を受信する時間を相対的に長くすることができるので、セキュリティ子器から送信される第2無線周波数の無線信号をセキュリティ親器で確実に受信することでセキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、火災警報システムは、複数の火災警報器として一つの火災警報器親器と火災警報器親器を除く1乃至複数の火災警報器子器とを有し、火災警報器親器並びに火災警報器子器は、第1無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段と、第1無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、火災を感知する火災感知手段と、火災警報を報知する報知手段と、火災感知手段が火災を感知したときに報知手段に火災警報を報知させるとともに火災感知情報を含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段に送信させ且つ無線信号受信手段で火災感知情報を含む無線信号を受信した場合に報知手段に火災警報を報知させる制御手段とを共通に具備し、火災警報器親器の制御手段は、報知手段が火災警報を報知している状況において一定周期のビーコンを第1無線周波数の無線信号で無線信号送信手段より送信させ、火災警報器子器の制御手段は、当該ビーコンによって規定され且つ自己に割り当てられているタイムスロットに同期して第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段に送信させる時分割多元接続方式で無線通信を行い、セキュリティ親器の制御手段は、第1無線周波数の無線信号で火災感知情報を受け取った後、前記ビーコンによって規定され且つ自己に割り当てられているタイムスロットに同期して火災警報器親器に第1無線周波数の無線信号を送信するとともに前記ビーコンを受信する時間と前記タイムスロットを除く他のタイムスロットにおいてはセキュリティ子器との間で第2無線周波数の無線信号を送受信することを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明によれば、火災警報システムが火災発生時に時分割多元接続方式で無線通信を行い、セキュリティ親器もまた火災警報器(火災警報器親器)との間では時分割多元接続方式で無線通信を行うので、火災警報の連動中においても火災警報器親器との通信を行うタイムスロットを除いてはセキュリティ子器から送信される第2無線周波数の無線信号をセキュリティ親器で受信可能であって、セキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、セキュリティ親器は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段を具備し、セキュリティ親器の制御手段は、時分割多元接続方式で火災警報器親器と無線通信を行っている状況において操作入力受付手段が所定の操作入力を受け付けた場合、自己のタイムスロットに同期して警報停止メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、火災警報器親器の制御手段は、セキュリティ親器から送信される第1無線周波数の無線信号により警報停止メッセージを受け取ると、報知手段に火災警報の報知を停止させるとともに警報停止メッセージを含む前記ビーコンを第1無線周波数の無線信号で無線信号送信手段に送信させ、火災警報器子器の制御手段は、ビーコンに含まれる警報停止メッセージを受け取ると報知手段に火災警報の報知を停止させることを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明によれば、セキュリティ親器の操作入力受付手段に所定の操作入力を受け付けさせることで火災警報器による火災警報の報知を停止させることができて利便性が向上する。
【0018】
請求項6の発明は、請求項4又は5の発明において、セキュリティ親器は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段を具備し、セキュリティ親器の制御手段は、時分割多元接続方式で火災警報器親器と無線通信を行っていない状況において操作入力受付手段が所定の操作入力を受け付けた場合、試験開始メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、火災警報器親器の制御手段は、セキュリティ親器から送信された前記試験開始メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させるとともに、試験開始メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、火災警報器子器の制御手段は、火災警報器親器から送信された前記試験開始メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明によれば、セキュリティ親器の操作入力受付手段に所定の操作入力を受け付けさせることで火災警報器の動作試験を実施することができて利便性が向上する。
【0020】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、火災警報器子器の制御手段は、動作試験の試験結果を含む第1無線周波数の無線信号を火災警報器親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、火災警報器親器の制御手段は、自己の動作試験の試験結果と、火災警報器子器から受け取った試験結果とを含む第1無線周波数の無線信号をセキュリティ親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器親器から受け取った試験結果が異常有りの場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明によれば、火災警報器に生じた故障などの異常をセキュリティ親器の報知手段で報知することにより、利用者が火災警報器の修理や交換などの必要性を容易に把握することができる。
【0022】
請求項8の発明は、請求項4又は5の発明において、火災警報器親器の制御手段は、少なくとも火災感知手段の動作試験を定期的に実施するとともに定期監視メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より定期的に送信させ、且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させ、火災警報器子器の制御手段は、火災警報器親器から送信された前記定期監視メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させるとともに、異常の有無にかかわらずに動作試験の試験結果を含む第1無線周波数の無線信号を火災警報器親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、火災警報器親器の制御手段は、自己の動作試験の試験結果と、火災警報器子器から受け取った試験結果と、各火災警報器子器からの試験結果の受信可否とを含む第1無線周波数の無線信号をセキュリティ親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器親器から受け取った試験結果が異常有りの場合若しくは何れかの火災警報器子器からの試験結果が火災警報器親器で受信できなかった場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする。
【0023】
請求項8の発明によれば、火災警報器の動作試験が自動的且つ定期的に行われ、動作試験において異常が有った場合はセキュリティ親器の報知手段でも報知されるので、利用者が火災警報器の修理や交換などの必要性を知る機会を増やすことができる。
【0024】
請求項9の発明は、請求項4〜8の何れか1項の発明において、セキュリティ親器の制御手段は、マイクロコンピュータと当該マイクロコンピュータで実行されるソフトウェアからなり、マイクロコンピュータの起動後並びにソフトウェアリセット後に火災警報器親器の制御手段がビーコンを送信する周期以上の時間継続して無線信号受信手段に第1無線周波数の無線信号を受信信号強度に関係なく受信させることを特徴とする。
【0025】
請求項9の発明によれば、火災警報システムとともにセキュリティ親器が火災警報を連動して報知している状況において、停電や誤操作などによりセキュリティ親器の制御手段を構成するマイクロコンピュータが再起動した場合、火災警報器親器から第1無線周波数の無線信号で送信されているビーコンをセキュリティ親器の無線信号受信手段で確実に受信して報知手段から火災警報を報知することができ、その結果、停電や誤操作に対する安全性の向上が図れる。
【0026】
請求項10の発明は、請求項1〜9の何れか1項の発明において、照明負荷の点灯・消灯を制御する制御装置を備え、制御装置は、第2無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、電源から照明負荷への給電路を開閉する開閉手段と、無線信号受信手段で受信する無線信号によって照明負荷の点灯を指示する制御コマンドを受け取ったときに開閉手段を閉成して照明負荷を点灯させる制御手段とを具備し、セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器から火災感知情報を受け取った場合に前記制御コマンドを含む第2無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より制御装置に宛てて送信させることを特徴とする。
【0027】
請求項10の発明によれば、火災が発生したときに照明負荷を自動的に点灯させることができるため、夜間に火災が発生した場合に避難が容易になる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、セキュリティ親器においても火災警報器から遅れることなく火災警報を報知することができる警報システムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態1を示すシステム構成図である。
【図2】同上における無線信号のフレームフォーマットである。
【図3】同上の待機状態から火災連動状態へ遷移する動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】同上の火災警報システムとセキュリティシステムが火災連動する動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】同上の連動鳴動状態から連動停止状態へ遷移する動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】同上の連動鳴動状態から連動停止状態へ遷移する動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】同上の火災連動状態から待機状態へ遷移する動作を説明するためのタイムチャートである。
【図8】同上の火災連動状態における動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】同上の火災連動状態における火災警報器親器の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】同上におけるセキュリティ親器の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態2における制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0031】
(実施形態1)
図1は本実施形態の警報システムのシステム構成図であり、複数台(図示は2台のみ)の火災警報器TRで火災警報システムが構成され、さらに、複数(図示例では1つ)のセキュリティ子器SSとセキュリティ親器SMとでセキュリティシステムが構成されている。なお、以下の説明では、火災警報器TRを個別に示す場合は火災警報器TR1,TR2,…,TRnと表記し、総括して示す場合は火災警報器TRと表記する。
【0032】
まず、セキュリティシステムについて説明する。セキュリティ子器SSは、監視領域(例えば、住戸)内への不審者の侵入に関係する異常を検出するセンサ部23と、アンテナ22から電波を媒体とした無線信号を送信する無線送信部21と、マイコンを主構成要素としセンサ部23で異常を検出したときに異常検出情報を含む無線信号を無線送信部21より送信させる制御部20と、電池あるいは商用電源を電源として各部に動作電源を供給する電源部24とを備えている。センサ部23は、窓ガラスに加わる振動や衝撃によって当該窓ガラスの破壊を検出するガラス破壊センサや、永久磁石とリードスイッチを用いて窓ガラスの開閉を検出する開閉検出センサ、あるいは焦電素子を用いて人体の侵入を検出する人感センサなどで構成される。また無線送信部21は、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送信するものである。
【0033】
セキュリティ親器SMは、アンテナ12から電波を媒体とした無線信号を送信するとともにセキュリティ子器SSが送信した無線信号をアンテナ12で受信する無線送受信部11と、音(ブザー音や音声メッセージなど)による異常発生の警報(以下、「セキュリティ警報音」と呼ぶ。)を報知(スピーカから鳴動)する報知部13と、マイコンを主構成要素としセキュリティ子器SSから無線信号で送信される異常検出情報を受け取ったときに報知部13にセキュリティ警報音を鳴動させる制御部10と、後述するようにセキュリティ警報音の鳴動を停止するための操作入力などを受け付ける操作入力受付部14と、商用電源を電源として各部に動作電源を供給する電源部15とを備えている。操作入力受付部14は1乃至複数のスイッチ(例えば、押釦スイッチ)を有しており、スイッチが操作されることで各スイッチに対応した操作入力を受け付けるとともに当該操作入力に対応した操作信号を制御部10に出力する。また無線送受信部11は、セキュリティ子器SSの無線送信部21と同じく「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。
【0034】
セキュリティ親器SMの制御部10は、警戒モードと非警戒モードの2つの動作モードで択一的に動作し、警戒モードで動作しているときにセキュリティ子器SSから異常検出情報を受け取ると報知部13にセキュリティ警報音を報知(鳴動)させるが、非警戒モードで動作しているときにはセキュリティ子器SSから異常検出情報を受け取っても報知部13にセキュリティ警報音を報知させない。尚、制御部10では操作入力受付部14で受け付ける動作モード切換用の操作入力に応じて動作モードを警戒モード又は非警戒モードに切り換える。
【0035】
次に火災警報システムについて説明する。火災警報器TRは、アンテナ3から電波を媒体とした無線信号を送信するとともに他の火災警報器TRが送信した無線信号をアンテナ3で受信する無線送受信部2と、音(ブザー音や音声メッセージなど)による火災警報(以下、「火災警報音」と呼ぶ。)を報知(スピーカから鳴動)する警報部5と、マイコンや書換可能な不揮発性の半導体メモリなどからなるメモリ部(図示せず)を主構成要素とし火災感知部4で火災を感知したときに警報部5に火災警報音を鳴動させるとともに他の火災警報器TRに対して火災警報を報知させるための火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる制御部1と、後述するように火災警報音の鳴動を停止するための操作入力などを受け付ける操作入力受付部6と、乾電池等の電池を電源として各部に動作電源を供給する電池電源部7とを具備している。操作入力受付部6は1乃至複数のスイッチ(例えば、押釦スイッチ)を有しており、スイッチが操作されることで各スイッチに対応した操作入力を受け付けるとともに当該操作入力に対応した操作信号を制御部1に出力する。なお、各火災警報器TR1,TR2,…には固有の識別符号が割り当てられてメモリ部に格納されており、当該識別符号によって無線信号の宛先並びに送信元の火災警報器TR1,TR2,…が特定できる。
【0036】
無線送受信部2は、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。また火災感知部4は、例えば、火災に伴って発生する煙や熱、炎などを検出することで火災を感知するものである。但し、無線送受信部2並びに火災感知部4の詳細な構成については、従来周知であるから詳細な説明は省略する。
【0037】
制御部1は、メモリに格納されたプログラムをマイコンで実行することによって後述する各種の機能を実現している。火災感知部4で火災の発生が感知されると、制御部1は警報部5が備えるブザーを駆動して火災警報音を鳴動させたり、あるいは予めメモリ等に格納されている火災警報用の音声メッセージ(例えば、「火事です」など)をスピーカに鳴動させることで火災警報を報知するとともに、他の火災警報器TRにおいても火災警報を報知させるため、火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる。また、他の火災警報器TRから送信された無線信号を無線送受信部2で受信することにより火災警報メッセージを受け取ったときも、制御部1が警報部5を制御して火災警報音を鳴動させる。つまり、制御部1では火災感知部4が火災を感知したときに警報部5から火災警報音を鳴動させて火災警報を報知するとともに火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる機能を有している。
【0038】
ここで、電波法施行規則の無線設備規則第49条の17「小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備」では、無線信号を連続して送信してもよい期間(送信期間)が3秒以下、送信期間と送信期間の間に設けられた、無線信号を送信してはいけない期間(休止期間)が2秒以上とすることが規定されている(同条第5号参照)。このために本実施形態における制御部1では、上記無線設備規則に適合する送信期間に無線信号を送信させるとともに休止期間に送信を停止し且つ受信可能な状態としている。
【0039】
また電池電源部7の電池寿命をできるだけ長くするため、制御部1ではマイコンに内蔵するタイマで所定の間欠受信間隔(但し、間欠受信間隔は前記送信期間よりも長い時間とする)を繰り返しカウントするとともに間欠受信間隔のカウントが完了する毎に無線送受信部2を起動して所望の電波(他の火災警報器TRが送信した無線信号)が受信できるか否かをチェックし、当該電波が捉えられなければ直ちに無線送受信部2を停止して待機状態に移行させることで平均消費電力を大幅に低減している。なお、電波の受信チェックは、無線送受信部2から出力される、受信信号強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信号(Receiving Signal Strength Indication:RSSI信号)に基づいて制御部1が行っており、詳細については従来周知であるから省略する。
【0040】
さらに特定の火災警報器TR1(火災警報器親器。以下、親器と略す。)の制御部1では、定期的(例えば、24時間毎)に無線送受信部2を起動して他の火災警報器TR2,TR3,…(火災警報器子器。以下、子器と略す。)が正常に動作しているか否かの確認(定期監視<定期試験>)を行うために定期監視メッセージを含む無線信号を送信させる。子器TR2,…においては、制御部1が火災感知部4の故障の有無及び電池電源部7の電池切れの有無を一定周期で(例えば、1時間毎に)監視するとともに、その監視結果(故障の有無及び電池切れの有無)をメモリ部に記憶しており、親器TR1から定期監視メッセージを受け取ったときに、メモリ部に記憶している監視結果を通知するための定期監視応答メッセージを含む無線信号を親器TR1に返信する。親器TR1の制御部1は、定期監視応答メッセージを含む無線信号を送信した後、無線送受信部2を受信状態に切り換えて各子器TR2,…から送信される無線信号を受信し、定期監視メッセージを含む無線信号を送信してから所定時間内に定期監視応答メッセージを含む無線信号を送信してこない子器TR2,…があったり、あるいは、何れかの子器TR2,…が送信してきた定期監視応答メッセージが故障有り若しくは電池切れ有りの監視結果を通知するものである場合に、警報部5が備えるブザーを駆動して報知音を鳴動させるなどして子器TR2,…に異常(通信不可や故障有り、電池切れなど)が発生したことを知らせる機能も有している。尚、親器TR1及び子器TR2,…の制御部1は、故障若しくは電池切れが生じていると判断した場合、直ちに警報部5から異常(故障若しくは電池切れ)の発生を知らせるための警告音(ブザー音や音声メッセージなど)を警報部5のスピーカから鳴動させるようになっている。尚、本実施形態では全ての子器TR2,…の制御部1が自発的に動作試験を行っているが、親器TR1から定期監視メッセージを受け取ったときに動作試験を行うようにしても構わない。また、複数台の子器TR2,…から親器TR1へ送信される定期監視応答メッセージを含む無線信号が衝突することを防ぐため、それぞれの子器TR2,…の制御部1では、親器TR1から送信される定期監視メッセージを含む無線信号の受信完了時点を起点として各子器TR2,…毎に個別に設定されているタイミング(タイムスロット)で定期監視応答メッセージを含む無線信号を親器TR1に宛てて送信するようにしている。
【0041】
また親器TR1の制御部1は、火災感知部4が火災を感知して警報部5から火災警報音を鳴動させるとともに各子器TR2,…に火災警報メッセージを送信した後、若しくは何れかの子器TR2,…から火災警報メッセージを受信した後においては、無線送信部2に一定周期で同期信号(ビーコン)を送信させる。この同期信号は、複数の火災警報器TR同士でTDMA(時分割多元接続)方式の無線通信(以下、「同期通信」と呼ぶ。)を行うために必要なタイムスロットを規定する信号であって、その1周期(サイクル)が複数のタイムスロットに分割され、全ての子器TR2,…にそれぞれ互いに異なるタイムスロットが1つずつ割り当てられる。そして、親器TR1から子器TR2,…へのメッセージは同期信号に含めて送信され、子器TR2,…から親器TR1へのメッセージを含む無線信号は、各子器TR2,…に割り当てられているタイムスロットに格納されて送信される。故に、複数台の火災警報器TR(親器TR1並びに子器TR2,…)から送信される無線信号の衝突を確実に回避することができる。なお、各火災警報器TRに対するタイムスロットの割当は固定であってもよいが、親器TR1から送信する同期信号によってタイムスロットの割当情報を各子器TR2,…に通知しても構わない。
【0042】
図2は火災警報器TRが送受信する無線信号のフレームフォーマットを示しており、同期ビット(プリアンブル:PA)、フレーム同期パターン(ユニークワード:UW)、宛先アドレスDA、送信元アドレスSA、メッセージM、CRC符号で1フレームが構成されている。ここで、宛先アドレスDAとして各火災警報器TRの識別符号を設定すれば当該識別符号の火災警報器TRのみが無線信号を受信してメッセージを取得することになるが、宛先アドレスDAとして何れの火災警報器TRにも割り当てられていない特殊なビット列(例えば、すべてのビットを1としたビット列)を設定することで無線信号を同報(マルチキャスト)して全ての火災警報器TRにメッセージを取得させることができる。例えば、火災警報メッセージを含む無線信号が親器TR1から全ての子器TR2,…に同報される。
【0043】
ここで、セキュリティシステムにおいては火災警報システムとの混信を避けるために火災警報システムで使用する周波数チャネル(第1無線周波数f1)と異なる周波数チャネル(第2無線周波数f2)で無線信号を送受信しているが、セキュリティ親器SMの無線送受信部11は周波数チャネルを切り換える機能を有しており、周波数チャネルを第1無線周波数f1と第2無線周波数f2に切り換えることで火災警報器TRとの間においても無線信号の受信あるいは送受信が可能となっている。尚、親器TR1においては、セキュリティ親器SMとの間で無線信号を送受信するためにセキュリティ親器SMの識別符号がメモリ部に格納されており、同じくセキュリティ親器SMの制御部10でも親器TR1の識別符号を記憶している。
【0044】
次に、図3のタイムチャートを参照して、TDMA方式の無線通信に移行する際の火災警報システムの送受信動作を説明する。
【0045】
例えば、子器TR2において火災感知部4が火災を感知すると、子器TR2の制御部1は警報部5より火災警報音を鳴動させるとともに無線送受信部2を起動し、火災警報メッセージを含む無線信号を他の全ての火災警報器TR(親器TR1及び他の子器TR3,…)に宛てて送信する。この際、送信元の子器TR2の制御部1は、送信期間内で送信可能なフレーム数だけ無線信号を連続して送信し、送信期間後の休止期間(受信期間)には無線送受信部2を受信状態に切り換える。尚、各火災警報器TRは非同期で間欠受信しているが、ある程度の回数(例えば、3回)の送信期間を繰り返せば、火災警報メッセージを含む無線信号を受信することができる。
【0046】
ここで、小電力無線を利用すれば、無線通信距離としては通常の住宅ひとつのエリア内であれば十分カバーできるので、火災元の子器TR2が、他の火災警報器TR(親器TR1及び他の子器TR3,…)に対しメッセージを送信することは通常は十分可能である。しかしながら、上述したように親器TR1は各子器TR2〜TR5に対して定期監視を行っており、親器TR1と各子器TR3〜TR5との間では通信パスの正常性が確認されているが、子器TR2〜TR5間の通信パスは確認されていないため、例えば障害物などの影響によって、ある子器にはメッセージが届いていない可能性もある。
【0047】
そこで、火災警報メッセージを受信した親器TR1の制御部1は、送信元の子器TR2を含む全ての子器TR2〜TR5に対して火災警報メッセージを含む無線信号を複数回連続して送信する。他の子器TR3〜TR5の制御部1では、子器TR2又は親器TR1から送信された火災警報メッセージを受け取ると直ちに警報部5より火災警報音を鳴動させるとともに無線送受信部2より火災警報メッセージの受信を確認する応答メッセージ(ACK)を無線信号によって返信する。また、火元の子器TR2の制御部1も親器TR1から送信された火災警報メッセージを受け取ると無線送受信部2より火災警報メッセージの受信を確認する応答メッセージ(ACK)を無線信号によって返信する。ここで、複数台の子器TR2,…から親器TR1へ返信される応答メッセージを含む無線信号が衝突することを防ぐため、それぞれの子器TR2,…の制御部1では、親器TR1から送信される火災警報メッセージを含む無線信号の受信完了時点を起点として各子器TR2,…毎に個別に設定されているタイミング(タイムスロット)で応答メッセージを含む無線信号を親器TR1に返信するようにしている。尚、このように少なくとも1台の火災警報器TRで火災が感知されることで全ての火災警報器TRが火災警報を報知(火災警報音を鳴動)することを、以下では「火災連動」と呼ぶ。
【0048】
親器TR1の制御部1は、全ての子器TR2〜TR5からACKを受け取れば、タイムスロットを規定するための同期信号を一定の周期で無線送受信部2から送信させる。尚、本実施形態では先頭のタイムスロットTS1を子器TR2に、2番目のタイムスロットTS2を子器TR3に、3番目のタイムスロットTS3を子器TR4に、4番目のタイムスロットTS4を子器TR5にそれぞれ割り当てている。
【0049】
ここで、親器TR1は各子器TR2〜TR5に対して定期監視を行っており、親器TR1と各子器TR3〜TR5との間では通信パスの正常性が確認されているが、子器TR2〜TR5間の通信パスは確認されていない。したがって、子器TR2,…が多数配置された場合、子器TR2,…間の通信パスの数は非常に多くなる為、子器TR2,…間の通信パスの正常性の確認を行うと電池消耗が激しくなるので、上述のように特定の火災警報器TR1を親器とし、その他の火災警報器TR2,…を子器として親器TR1から各子器TR2,…に火災警報メッセージやその他のメッセージ(後述する)を通知することで相互に通信パスが確立できない子器が存在する場合でも確実に火災連動させることができるものである。
【0050】
また、全ての火災警報器TRが火災警報音を鳴動することにより連動が開始されると、上述のように親器TR1から一定周期で同期信号が送信され、非同期通信からTDMA方式の同期通信に移行するのであるが、親器TR1の制御部1では、同期信号に含めることで火災警報メッセージを一定周期で全ての子器TR2,…に繰り返し送信している。そして、各子器TR2,…の制御部1では、親器TR1から送信される火災警報メッセージを受け取る度に警報部5の状態を確認し、仮に警報部5が停止していたとしたら警報部5に再度火災警報音を鳴動させる。したがって、全ての火災警報器TRで火災警報が報知され始めてからは親器TR1が送信する同期信号によって規定される複数のタイムスロットに他の全ての子器TR2,…を割り当てて時分割多元接続(TDMA)による無線通信を行うことで衝突を回避することができ、さらに親器TR1から他の全ての子器TR2,…に対して火災警報メッセージを同期信号に含めて周期的に送信することで確実に火災警報を報知することができる。その結果、無線信号の衝突を回避しつつ複数の火災警報器TRを効果的に連動させることができる。
【0051】
ところで、本実施形態の火災警報システムは、何れの火災警報器TRにおいても火災が検出されていない状態(待機状態)と、全ての火災警報器TRが火災警報音を鳴動している状態(連動鳴動状態)と、後述するように火災を検出している(火元の)火災警報器TRのみが火災警報音を鳴動し、火元以外の火災警報器TRが火災警報音を停止している状態(連動停止状態)との間で動作状態を遷移させている。すなわち、待機状態において少なくとも何れか1台の火災警報器TR(例えば、子器TR2)で火災が検出されると、上述したように火元の子器TR2並びに親器TR1から他の全ての子器TR3,…に火災警報メッセージが送信されることで親器TR1と子器TR2,…を含む全ての火災警報器TRで火災警報音が鳴動されて連動鳴動状態に遷移する。
【0052】
そして、連動鳴動状態において何れかの火災警報器TRの操作入力受付部6で火災警報音の鳴動を停止するための操作入力が受け付けられた場合、当該火災警報器TRが親器TR1であれば親器TR1から全ての子器TR2,…に対して火災警報音の停止を要求するメッセージ(警報停止メッセージ)を送信することにより、あるいは、当該火災警報器TRが子器TR2,…であれば当該子器TR2,…から警報停止メッセージを受け取った親器TR1が他の子器TR2,…に対して警報停止メッセージを送信することにより、火元以外の火災警報器TRで火災警報音が停止されて連動停止状態に遷移する。但し、火元の火災警報器TRの操作入力受付部6で警報音停止の操作入力が受け付けられた場合、当該火元の火災警報器TRにおいても火災警報音を停止する。ここで、親器TR1の制御部1はメモリ部に親器TR1並びに各子器TR2,…毎の火災検出状況を随時更新しながら保持しており、後述するように全ての火災警報器TRで火災が検出されなくなったときに火災連動状態から待機状態に遷移する。
【0053】
また、連動鳴動状態から連動停止状態に遷移した場合、親器TR1の制御部1では所定の警報音停止時間(例えば、5分間)の限時を開始する。そして、警報音停止時間が経過したのち、親器TR1の制御部1はメモリ部に保持している火災検出状況を参照し、全ての火災警報器TRで火災を検出していなければ、同期信号によって復旧通知のメッセージを送信することで火災連動状態から待機状態に遷移し、仮に少なくとも1台の火災警報器TRで火災を検出していれば、同期信号によって火災警報メッセージを送信することで連動停止状態から連動鳴動状態へ遷移させる。尚、連動停止状態において何れかの火災警報器TRが新たに火災を検出した場合にも親器TR1の制御部1が同期信号によって火災警報メッセージを送信することで連動停止状態から連動鳴動状態へ遷移させる。
【0054】
例えば、図5のタイムチャートに示すように、親器TR1を火元とする火災連動状態(連動鳴動状態)において、火元でない子器TR4の操作入力受付部6で警報音停止の操作入力が受け付けられることで当該子器TR4から警報停止メッセージが送信されると、警報停止メッセージを受け取った親器TR1の制御部1は同期信号によって警報停止メッセージM2を送信しつつ警報音停止時間の限時を行う。但し、火元である親器TR1では警報部5による火災警報音の鳴動は継続される。そして、警報音停止時間が経過したのち、親器TR1の制御部1は自らの火災感知部4による火災検出状況並びに子器TR2,…おける火災検出状況を確認し、少なくとも何れか1台の火災警報器TRが火災を検出しているときは再度火災警報メッセージを同期信号により各子器TR2,…に送信することで連動停止状態から連動鳴動状態へ遷移させる。
【0055】
一方、図6のタイムチャートに示すように、警報音停止時間内に火災が鎮火して火災感知部4が火災を検出しなくなっていれば、親器TR1の制御部1は警報音停止時間が経過したのちに同期信号によって各子器TR2,…に復旧通知メッセージを送信し、全ての子器TR2,…から返信されるACKを受け取った時点で連動停止状態から待機状態に遷移し、同期信号の送信を停止することでTDMA方式による無線通信(同期通信)から間欠送信・間欠受信による無線通信(非同期通信)に戻る。
【0056】
また、図7のタイムチャートに示すように、子器TR4を火元とする連動鳴動状態において、火元の火災が鎮火して子器TR4の火災感知部4が火災を検出しなくなれば、子器TR4から親器TR1に宛てて復旧通知メッセージが送信される。当該復旧通知メッセージを受け取った親器TR1の制御部1はメモリ部に保持している火災検出状況を参照し、全ての火災警報器TRで火災を検出していなければ同期信号によって復旧通知メッセージM3を各子器TR2,…に送信する。そして、全ての子器TR2,…から返信されるACKを親器TR1の制御部1が受け取れば、連動停止状態から待機状態に遷移し、同期信号の送信を停止することで同期通信から非同期通信に戻る。
【0057】
一方、図8のタイムチャートに示すように、新たに別の火災警報器(例えば、子器TR3)で火災が検出された場合、初めの火元である子器TR4から復旧通知メッセージを受け取った親器TR1の制御部1は、メモリ部に保持している火災検出状況を参照し、子器TR3が火災検出中であることから復旧通知メッセージを送信せず、引き続き火災警報メッセージを送信することで火災連動状態を維持する。
【0058】
ここで、火災連動状態における親器TR1の制御部1が行う処理について、図9のフローチャートを参照して簡単にまとめる。待機状態において何れかの子器TR2,…から火災警報メッセージを受け取ると(ステップS1)、親器TR1の制御部1はメモリ部1aに各子器TR2,…毎に保持している火災検出状況を更新(火災非検出から火災検出へ変更)し(ステップS2)、一方、火元の子器TR2,…から復旧通知メッセージを受け取れば(ステップS3)、当該子器TR2,…の火災検出状況を火災検出から火災非検出に更新する(ステップS4)。火災連動状態において何れの子器TR2,…からも復旧通知メッセージを受け取っていないときに何れかの子器TR2,…から警報停止メッセージを受け取った場合(ステップS5)、親器TR1の制御部1は火災警報を停止することを決定して無線送受信部2から警報停止メッセージを含む同期信号を送信させる(ステップS6)。また、連動鳴動状態から連動停止状態へ遷移してから警報音停止時間が経過するまでの間は同期信号によって定期的に警報停止メッセージを送信し(ステップS7,S8,S6)、警報音停止時間が経過したら(ステップS8)、メモリに保持している火災検出状況を参照して火災検出中の火災警報器(親器TR1及び子器TR2,…)が残っているか否かを判断し(ステップS9)、1台でも火災検出中の火災警報器が残っていれば火災連動の継続を決定して無線送受信部2から火災警報メッセージを含む同期信号を送信させ(ステップS10)、一方、全ての火災警報器が火災非検出になっていれば火災連動状態から待機状態への復旧を決定して無線送受信部2から復旧通知メッセージを含む同期信号を送信させる(ステップS11)。
【0059】
ここで、何れかの子器TR2,…が復旧通知メッセージに対してACKを返信しなかった場合、親器TR1の制御部1は、再度復旧通知メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させ、当該子器TR2,…からACKを受け取った時点、若しくは復旧通知メッセージを所定の複数回数再送してから一定時間が経過した時点で無線送受信部2に同期信号の送信を停止させることが望ましい。また、連動鳴動状態若しくは連動停止状態において親器TR1が故障して同期信号が送信されなくなった場合、子器TR2,…の無線送受信部2が同期信号を受信するために受信状態のままとなって電池が著しく消耗してしまう虞があるので、子器TR2,…の制御部1では、同期信号が受信できない期間が所定時間(例えば、同期信号の数周期分の時間)以上継続したときに無線送受信部2を休止させて電池の消耗を抑えることが望ましい。
【0060】
次に、本発明の要旨である、火災警報システムに連動してセキュリティ親器SMの報知部13から火災警報音を報知(鳴動)する動作について、図4のタイムチャートを参照しながら説明する。
【0061】
セキュリティ親器SMの制御部10は、一定の周期T1で無線送受信部11が受信する周波数チャネルを第1無線周波数f1と第2無線周波数f2とに交互に切り換えている。例えば、子器TR2において火災感知部4が火災を感知すると、上述したように子器TR2の制御部1が警報部5より火災警報音を鳴動させるとともに無線送受信部2を起動し、火災警報メッセージを含む無線信号を他の全ての火災警報器TR(親器TR1及び他の子器TR3,…)に宛てて送信する。この際、送信元の子器TR2の制御部1は、送信期間T2(<3秒)内で送信可能なフレーム数だけ無線信号を連続して送信する。そして、セキュリティ親器SMでは、無線送信部11が第1無線周波数f1の受信状態に切り換わった時に子器TR1から送信される無線信号を受信し、当該無線信号に含まれる火災警報メッセージが無線送受信部11から制御部10に渡される。火災警報メッセージを受け取ったセキュリティ親器SMの制御部10は、報知部13を制御して音(ブザー音や音声メッセージなど)による火災警報を報知(スピーカから鳴動)させる。但し、報知部13においては音による火災警報に加えて光による火災警報を報知しても構わない。
【0062】
上述のようにセキュリティ親器SMでは、火災警報器TRから第1無線周波数f1の無線信号で送信される火災感知情報を受け取って報知部13から火災警報を報知させるので、従来例と比較してセキュリティ親器SMが火災警報の報知を開始するまでの時間を短縮することができる。その結果、セキュリティ親器SMにおいても火災警報器TRから遅れることなく火災警報を報知することが可能な警報システムが提供できる。
【0063】
また、セキュリティ親器SMの制御部10は、無線送受信部11で火災警報メッセージを含む無線信号を受信した場合、親器TR1から送信される同期信号(周期:T3)を受信するまでの間、無線送受信部11が受信する周波数チャネルを引き続き第1無線周波数f1に設定する。そして、無線送受信部11で同期信号を受信すれば、セキュリティ親器SMの制御部10は同期信号の周期に合わせて周波数チャネルを第2無線周波数f2から第1無線周波数f1に切り換えるとともに、親器TR1から割り当てられるタイムスロット(図4では2番目のタイムスロット)で無線送受信部11を第1無線周波数f1の送信状態に切り換えてメッセージ(例えば、警報停止メッセージ)を含む無線信号を親器TR1に宛てて送信させる。すなわち、セキュリティ親器SMの操作入力受付部14で警報音停止の操作入力が受け付けられると、セキュリティ親器SMの制御部10は自己に割り当てられたタイムスロットに同期して警報停止メッセージを含む無線信号を第1無線周波数f1で無線送受信部11から送信させる。そして、当該無線信号を受信した親器TR1の制御部1では、既に説明した手順で火災警報の連動を停止する処理を行う。このように本実施形態では、セキュリティ親器SMの操作入力受付部14に警報音停止の操作入力を受け付けさせることで火災警報器TRによる火災警報の報知を停止させることができるから、一般に天井等の高所に設置されている火災警報器TRの操作入力受付部6に警報音停止の操作入力を受け付けさせるよりも簡単に警報音停止の操作を行うことができて利便性が向上するという利点がある。
【0064】
ここで、同期信号を受信する期間並びに自己のタイムスロットに同期した期間を除く期間では、制御部10は無線送受信部11を第2無線周波数f2の受信状態に切り換えている。したがって、火災連動状態においてセキュリティ子器SSから異常検出情報を受け取った場合であっても、制御部10が警戒モードで動作していれば報知部13にセキュリティ警報音を報知(鳴動)させることができる。その結果、セキュリティ子器SSから第2無線周波数f2の無線信号で送信される異常検出情報をセキュリティ親器SMで確実に受信することができてセキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0065】
ところで、火災連動中に瞬時停電が発生してセキュリティ親器SMの制御部10を構成するマイクロコンピュータに電源リセットがかかったり、あるいは、何らかの誤操作によって制御部10を構成するマイクロコンピュータにソフトウェアリセットがかかった場合、制御部10は親器TR1が同期信号を送信する周期T3以上の時間継続して無線送受信部11を第1無線周波数f1の受信状態としている。このとき、制御部10では第1無線周波数f1の受信信号強度の大小に関わらず、前記周期T3以上の時間継続して無線送受信部11を第1無線周波数f1の受信状態とする。このようにすれば、火災警報システムとともにセキュリティ親器SMが火災警報を連動して報知している状況において、停電や誤操作などによりセキュリティ親器SMの制御部10を構成するマイクロコンピュータが再起動した場合、親器TR1から第1無線周波数f1の無線信号で送信されている同期信号をセキュリティ親器SMの無線送受信部11で確実に受信して報知部13から火災警報を報知することができて停電や誤操作に対する安全性の向上が図れる。
【0066】
また、本実施形態の火災警報システムでは、既に説明したようにそれぞれの火災警報器TRの制御部1が一定周期で動作試験(火災感知部4の故障の有無及び電池電源部7の電池切れの有無を確認する試験。以下同じ。)を実施し、その試験結果を無線信号によって子器TR2,…から親器TR1に通知している。このとき、試験結果に異常(火災感知部4の故障あるいは電池電源部7の電池切れ)があった場合、親器TR1の制御部1は、当該異常有りの試験結果を含む無線信号をセキュリティ親器SMに宛てて無線送受信部2より送信させる。そして、セキュリティ親器SMでは、無線送受信部11で当該無線信号を受信し、無線送受信部11から試験結果を受け取った制御部10が報知部13を制御して火災警報器TRに異常が生じていることを報知する。その結果、火災警報器TRのみで試験結果の異常を報知する場合と比較して、利用者が火災警報器TRの修理や交換などの必要性を知る機会を増やすことができる。
【0067】
ここで、上述した動作試験は各火災警報器TRの制御部1が一定周期(例えば、1時間毎)で実施するか、あるいは親器TR1から定期的に送信される定期監視メッセージを受け取ったときに各子器TR2,…の制御部1が実施しているのであるが、例えば、電池切れの異常が発生した火災警報器TRの電池を交換した直後のように不定期で動作試験を実施したい場合が有る。各火災警報器TRの操作入力受付部6には動作試験を実行させるための操作釦(試験釦)が設けられており、この試験釦を操作することで強制的に動作試験を実施することは可能であるが、先に述べたように火災警報器TRは天井等の高所に設置されているために試験釦の操作がし難いという問題がある。そのために本実施形態では、セキュリティ親器SMの操作入力受付部14に設けた試験釦を操作することで火災警報器TRに動作試験を実施させることができるようにしている。
【0068】
具体的に説明すると、セキュリティ親器SMの制御部10は、時分割多元接続方式で親器TR1と無線通信を行っていない状況において操作入力受付部14が所定の操作入力(試験釦の操作による操作入力)を受け付けた場合、試験開始メッセージを含む第1無線周波数f1の無線信号を無線送受信部11より送信させる。親器TR1の制御部1では、セキュリティ親器SMから送信された試験開始メッセージを受け取ると動作試験を実施し、当該動作試験で異常が有った場合に警報部5に異常を報知させるとともに、試験開始メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より子器TR2,…宛てに送信させる。子器TR2,…の制御部1は、親器TR1から送信された試験開始メッセージを受け取ると動作試験を実施し、動作試験で異常が有った場合に警報部5に異常を報知させるとともに、異常の有無に関係なく当該試験結果を親器TR1に通知する。但し、複数台の子器TR2,…から親器TR1へ送信される試験結果通知のための無線信号が衝突することを防ぐため、それぞれの子器TR2,…の制御部1では、親器TR1から送信される試験開始メッセージを含む無線信号の受信完了時点を起点として各子器TR2,…毎に個別に設定されているタイミング(タイムスロット)で試験結果を通知するための無線信号を親器TR1に宛てて送信するようにしている。そして、親器TR1の制御部1は子器TR2,…から受け取った試験結果が異常有りであれば警報部5に異常を報知させるとともに、当該異常有りの試験結果を含む無線信号をセキュリティ親器SMに宛てて無線送受信部2より送信させる。そして、セキュリティ親器SMでは、無線送受信部11で当該無線信号を受信し、無線送受信部11から試験結果を受け取った制御部10が報知部13を制御して火災警報器TRに異常が生じていることを報知する。
【0069】
ところで、本実施形態ではセキュリティ子器SSが無線送信部21しか備えていないが、無線信号を受信する無線受信部を設け、異常検出情報を受け取ったセキュリティ親器SMから異常検出情報の受信を確認する応答メッセージ(ACK)を無線信号によって返信し、当該ACKを含む無線信号を受信できない場合に異常検出情報を含む無線信号を再送信するようにしても構わない。つまり、セキュリティ親器SMの無線送受信部11の周波数チャネルが第1無線周波数に切り換えられているときにセキュリティ子器SSから異常検出情報を含む無線信号(第2無線周波数の無線信号)が送信された場合、セキュリティ親器SMの無線送受信部11では異常検出情報を含む無線信号を受信できず、セキュリティ親器SMの報知部13で異常警報を報知できない虞がある。したがって、セキュリティ親器SMから応答メッセージを受け取らない場合にセキュリティ子器SSの制御部20が異常検出情報を含む無線信号を再送信することによって、異常検出情報を確実にセキュリティ親器SMの制御部10に伝えて異常警報を報知させることができる。尚、セキュリティ子器SSの制御部20では、異常検出情報を含む無線信号を再送信する際、セキュリティ親器SMの制御部10が無線送受信部11の周波数チャネルを第1無線周波数f1と第2無線周波数f2に切り換える周期と異なる周期(例えば、前者の切換周期よりも長い周期)で再送信しているので、異常検出情報を含む無線信号をセキュリティ親器SMに確実に受信させることができる。
【0070】
ところで、セキュリティ親器SMの制御部10ではマイコンに内蔵するタイマで周波数チャネルを第2無線周波数f2に設定する期間T4を繰り返しカウントするとともに当該期間T4のカウントが完了する毎に無線送受信部11の周波数チャネルを第1無線周波数f1に切り換えて所望の電波(火災警報器TRが送信した第1無線周波数f1の無線信号)が受信できるか否かをチェックし、当該電波が捉えられなければ直ちに無線送受信部11の周波数チャネルを第2無線周波数f2に切り換えるようにしても構わない。なお、電波の受信チェックは、無線送受信部11から出力される受信信号強度表示信号(RSSI信号)に基づいて制御部10が行っており、詳細については従来周知であるから省略する。
【0071】
図10のフローチャートを参照して具体的に説明する。セキュリティ親器SMの電源部15から電源供給が開始されると(ステップS1)、制御部10は無線送受信部11を受信状態とし且つ周波数チャネルを第1無線周波数f1に設定する(ステップS2)。さらに制御部10は、無線送受信部11から出力されるRSSI信号に基づいて受信信号強度がしきい値を超えているか否かを判断し(ステップS3)、受信信号強度がしきい値以下であれば直ちに無線送受信部11の周波数チャネルを第2無線周波数f2に切り換える(ステップS4)とともに、タイマによる期間T4のカウントを開始し、期間T4のカウントが終了したら(ステップS5)、無線送受信部11の周波数チャネルを第1無線周波数f1に切り換える(ステップS1)。
【0072】
一方、受信信号強度がしきい値を超えていた場合、制御部10は、予め決められた第1無線周波数f1の受信期間T5が経過するまでの間、引き続き無線送受信部11の周波数チャネルを第1無線周波数f1に設定したまま火災警報メッセージを含む無線信号を受信するまで待機し(ステップS6,S7)、受信期間T5の経過前に火災警報メッセージを含む無線信号を受信すれば報知部13から警報音を報知(鳴動)させ(ステップS8)、火災警報メッセージを含む無線信号を受信する前に受信期間T5が経過したら無線送受信部11の周波数チャネルを第2無線周波数f2に切り換える(ステップS4)。
【0073】
而して、火災が発生していない状況でセキュリティ親器SMの制御部10が上述のような処理を行えば、セキュリティ親器SMの無線送受信部11が第1無線周波数f1の無線信号を受信する時間を相対的に短くし、第2無線周波数f2の無線信号を受信する時間を相対的に長くすることができるので、セキュリティ子器SSから送信される第2無線周波数f2の無線信号をセキュリティ親器SMで確実に受信することができてセキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0074】
(実施形態2)
本実施形態は、照明負荷L並びに照明負荷Lを制御する制御装置Cをシステム構成に追加した点に特徴があり、その他の構成については実施形態1と共通である。故に、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0075】
制御装置Cは、図11に示すようにマイクロコンピュータを主構成要素とする制御部30と、商用交流電源ACから照明負荷Lへの給電経路に挿入されたスイッチ要素(リレーや半導体スイッチング素子など)を駆動する負荷制御部31と、アンテナ32を介して電波を媒体とする無線信号を受信及び送信する無線信号送受信部33と、操作入力を受け付ける操作入力受付部34と、商用交流電源ACから給電されて各部の動作電源を作成する電源部35とを備えている。尚、制御装置Cは、図示しない合成樹脂成形品からなる器体内に上記各部が収納され、器体の後端部が壁面に設けられた埋込孔に埋め込まれる形で壁に埋込配設される。
【0076】
操作入力受付部34は、複数の押釦スイッチ(図示せず)と、器体の前面に並設されて複数の押釦スイッチを個別にオン操作するための操作部(操作ハンドル)と有しており、操作部が押操作されて押釦スイッチがオン操作されることによって各押釦スイッチ(操作部)に対応した操作入力を受け付け、当該操作入力に対応した操作信号を制御部30に出力する。
【0077】
無線信号送受信部33は、電波法施行規則第6条第4項第2号に規定される「テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用の特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。尚、無線信号送受信部33が送受信する電波の周波数チャネルは火災警報システムで使用する第1無線周波数f1並びにセキュリティシステムで使用する第2無線周波数f2の何れとも異なる第3無線周波数f3に設定されている。
【0078】
制御部30は、操作入力受付部34から出力される操作信号に応じて負荷制御部31に制御信号を出力する。さらに制御部30は、後述するようにセキュリティ親器SMから送信された無線信号を無線信号送受信部33で受信し、受信した無線信号に含まれる情報に応じて負荷制御部31に制御信号を出力する。負荷制御部31では、制御部30から出力される制御信号に応じてスイッチ要素を駆動して照明負荷Lを点灯又は消灯する。
【0079】
一方、セキュリティ親器SMにおいては無線送受信部11の周波数チャネルを第3無線周波数f3にも設定可能となっている。そして、セキュリティ親器SMの制御部10は、火災警報器TRから火災警報メッセージを受け取ったときに照明負荷Lを点灯させるための制御コマンドを生成し、無線送受信部11の周波数チャネルを第3無線周波数f3に切り換えて、前記制御コマンドを含む無線信号を無線送受信部11から送信させる。
【0080】
制御装置Cでは、無線信号送受信部33で前記無線信号を受信し、制御部30が制御コマンドを受け取ると、制御部30は照明負荷Lを点灯させるための制御信号を負荷制御部31に対して出力し、負荷制御部31が当該制御信号に応じてスイッチ要素をオン駆動することで照明負荷Lが点灯する。
【0081】
このように本実施形態の警報システムでは、火災警報器TRで火災が感知されるとセキュリティ親器SMによって制御装置Cに照明負荷Lを自動的に点灯させることができるため、夜間に火災が発生した場合に避難が容易になるという利点がある。
【符号の説明】
【0082】
TR1 火災警報器親器
TR2 火災警報器子器
SM セキュリティ親器
SS セキュリティ子器
10 制御部(制御手段)
11 無線送受信部(無線信号受信手段)
13 報知部(報知手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の火災警報器が連動して火災警報を報知する火災警報システムとセキュリティ子器で異常が検出されたときにセキュリティ親器が異常警報を報知するセキュリティシステムからなる警報システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅への火災警報器の設置義務が法制化されたことに伴い、既存住宅への施工性の観点から無線信号を利用して複数の火災警報器を連動させる火災警報システムが既に提供されている。かかる火災警報システムは、多箇所に設置された複数台の火災警報器がそれぞれに火災を感知する機能と警報音を鳴動する機能を有しており、何れかの火災警報器が火災を感知すると、当該火災警報器が警報音を鳴動するとともに火災感知を知らせる情報(火災感知情報)を無線信号で他の火災警報器に伝送することにより、火元の火災警報器だけでなく複数台の火災警報器が連動して一斉に警報音を鳴動することにより、火災の発生を迅速且つ確実に知らせることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、近年の犯罪件数の増加に伴い、住宅への不審者の侵入などの異常を検出して報知するセキュリティシステムも普及してきている(例えば、特許文献2参照)。この種のセキュリティシステムは、監視領域内の異常(例えば、窓ガラスの破壊、監視領域内への侵入など)を検出するセキュリティセンサと、各セキュリティセンサとの間で無線通信を行うとともにセキュリティセンサから異常検出を通知する無線信号を受信したときに当該異常の発生を音や光で報知するセキュリティ親器とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−33428号公報
【特許文献2】特開2007−233681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は火災警報システムとセキュリティシステムが各々独立して運用されており、火災警報システムで火災警報を発しているときにセキュリティシステムが火災警報を発することはできなかった。
【0006】
これに対して本出願人は、複数の火災警報器のうちの特定の一つ(親器)が火災感知情報を無線通信によってセキュリティ親器に送信し、当該火災感知情報を受信したセキュリティ親器が異常発生を報知することで火災警報システムとセキュリティシステムを連動させるという発明を既に出願している(特願2008−111699参照)。しかしながら、火災警報システムとセキュリティシステムとは本来別々のシステムであって、互いの無線通信が干渉し合わないように各々異なる周波数で無線通信を行っている。そのために上記先の出願に係る火災警報システムでは、火災警報器の親器が他の火災警報器(子器)に火災感知情報を送信して全ての火災警報器で火災警報を報知する連動状態に移行した後、火災警報器の親器がセキュリティシステムで使用される周波数に切り換えて無線通信により火災感知情報をセキュリティ親器に送信している。その結果、セキュリティ親器による火災警報の報知が火災警報器の火災警報の報知よりも遅れてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、セキュリティ親器においても火災警報器から遅れることなく火災警報を報知することができる警報システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、複数の火災警報器からなり、これらの火災警報器が電波を媒体とする第1無線周波数の無線信号で火災感知情報を送受信し、自らが火災を感知するか若しくは他の火災警報器から火災感知情報を受け取ったときに複数の火災警報器が連動して火災警報を報知する火災警報システムと、監視領域内への不審者の侵入に関係する異常を検出する1乃至複数のセキュリティ子器、並びにセキュリティ子器から電波を媒体とする第2無線周波数の無線信号で送信される異常検出情報を受け取ったときに異常発生を報知するセキュリティ親器からなるセキュリティシステムとを有し、セキュリティ親器は、第1無線周波数と第2無線周波数とを交互に切り換えて無線信号を受信する無線信号受信手段と、異常発生の警報を報知する報知手段と、無線信号受信手段で受信する第2無線周波数の無線信号により前記異常検出情報を受け取ったときに報知手段から異常発生の警報を報知させるとともに無線信号受信手段で受信する第1無線周波数の無線信号により前記火災感知情報を受け取ったときに報知手段から火災警報を報知させる制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
請求項1の発明によれば、セキュリティ親器では火災警報器から第1無線周波数の無線信号で送信される火災感知情報を受け取って報知手段から火災警報を報知させるので、従来例と比較してセキュリティ親器が火災警報の報知を開始するまでの時間を短縮することができる。その結果、セキュリティ親器においても火災警報器から遅れることなく火災警報を報知することができる警報システムが提供できる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、セキュリティ親器は、第2無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段を具備し、セキュリティ子器は、第2無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段と、第2無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、無線信号送信手段よりセキュリティ親器に対して第2無線周波数の無線信号で異常検出情報を送信した後、セキュリティ親器から前記無線信号に対する応答の無線信号を無線信号受信手段で受信しない場合に前記異常検出情報を含む無線信号を再度無線信号送信手段から送信させる制御手段とを具備し、セキュリティ子器の制御手段は、異常検出情報を含む無線信号を無線信号送信手段より再送信させる時間間隔を、セキュリティ親器の無線信号受信手段が第1無線周波数と第2無線周波数とを切り換える時間間隔と異ならせていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明によれば、セキュリティ子器から第2無線周波数の無線信号が送信されたときに、セキュリティ親器が第1無線周波数を受信していてセキュリティ子器の無線信号を受信できなかった場合には、セキュリティ親器から応答の無線信号が送信されず、応答の無線信号を受信できなかったセキュリティ子器が第2無線周波数の無線信号を再度送信し、当該再送信のときにはセキュリティ親器が第2無線周波数を受信しているので、セキュリティ子器から送信される第2無線周波数の無線信号をセキュリティ親器で確実に受信することでセキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、セキュリティ親器の無線信号受信手段は、第1無線周波数の受信信号強度が所定のしきい値未満であれば直ちに第2無線周波数の受信状態に切り換わり、第1無線周波数の受信信号強度が前記しきい値以上であれば第1無線周波数の受信状態を継続することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明によれば、火災が発生していない状況ではセキュリティ親器の無線信号受信手段が第1無線周波数の無線信号を受信する時間を相対的に短くし、第2無線周波数の無線信号を受信する時間を相対的に長くすることができるので、セキュリティ子器から送信される第2無線周波数の無線信号をセキュリティ親器で確実に受信することでセキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、火災警報システムは、複数の火災警報器として一つの火災警報器親器と火災警報器親器を除く1乃至複数の火災警報器子器とを有し、火災警報器親器並びに火災警報器子器は、第1無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段と、第1無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、火災を感知する火災感知手段と、火災警報を報知する報知手段と、火災感知手段が火災を感知したときに報知手段に火災警報を報知させるとともに火災感知情報を含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段に送信させ且つ無線信号受信手段で火災感知情報を含む無線信号を受信した場合に報知手段に火災警報を報知させる制御手段とを共通に具備し、火災警報器親器の制御手段は、報知手段が火災警報を報知している状況において一定周期のビーコンを第1無線周波数の無線信号で無線信号送信手段より送信させ、火災警報器子器の制御手段は、当該ビーコンによって規定され且つ自己に割り当てられているタイムスロットに同期して第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段に送信させる時分割多元接続方式で無線通信を行い、セキュリティ親器の制御手段は、第1無線周波数の無線信号で火災感知情報を受け取った後、前記ビーコンによって規定され且つ自己に割り当てられているタイムスロットに同期して火災警報器親器に第1無線周波数の無線信号を送信するとともに前記ビーコンを受信する時間と前記タイムスロットを除く他のタイムスロットにおいてはセキュリティ子器との間で第2無線周波数の無線信号を送受信することを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明によれば、火災警報システムが火災発生時に時分割多元接続方式で無線通信を行い、セキュリティ親器もまた火災警報器(火災警報器親器)との間では時分割多元接続方式で無線通信を行うので、火災警報の連動中においても火災警報器親器との通信を行うタイムスロットを除いてはセキュリティ子器から送信される第2無線周波数の無線信号をセキュリティ親器で受信可能であって、セキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、セキュリティ親器は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段を具備し、セキュリティ親器の制御手段は、時分割多元接続方式で火災警報器親器と無線通信を行っている状況において操作入力受付手段が所定の操作入力を受け付けた場合、自己のタイムスロットに同期して警報停止メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、火災警報器親器の制御手段は、セキュリティ親器から送信される第1無線周波数の無線信号により警報停止メッセージを受け取ると、報知手段に火災警報の報知を停止させるとともに警報停止メッセージを含む前記ビーコンを第1無線周波数の無線信号で無線信号送信手段に送信させ、火災警報器子器の制御手段は、ビーコンに含まれる警報停止メッセージを受け取ると報知手段に火災警報の報知を停止させることを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明によれば、セキュリティ親器の操作入力受付手段に所定の操作入力を受け付けさせることで火災警報器による火災警報の報知を停止させることができて利便性が向上する。
【0018】
請求項6の発明は、請求項4又は5の発明において、セキュリティ親器は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段を具備し、セキュリティ親器の制御手段は、時分割多元接続方式で火災警報器親器と無線通信を行っていない状況において操作入力受付手段が所定の操作入力を受け付けた場合、試験開始メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、火災警報器親器の制御手段は、セキュリティ親器から送信された前記試験開始メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させるとともに、試験開始メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、火災警報器子器の制御手段は、火災警報器親器から送信された前記試験開始メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明によれば、セキュリティ親器の操作入力受付手段に所定の操作入力を受け付けさせることで火災警報器の動作試験を実施することができて利便性が向上する。
【0020】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、火災警報器子器の制御手段は、動作試験の試験結果を含む第1無線周波数の無線信号を火災警報器親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、火災警報器親器の制御手段は、自己の動作試験の試験結果と、火災警報器子器から受け取った試験結果とを含む第1無線周波数の無線信号をセキュリティ親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器親器から受け取った試験結果が異常有りの場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明によれば、火災警報器に生じた故障などの異常をセキュリティ親器の報知手段で報知することにより、利用者が火災警報器の修理や交換などの必要性を容易に把握することができる。
【0022】
請求項8の発明は、請求項4又は5の発明において、火災警報器親器の制御手段は、少なくとも火災感知手段の動作試験を定期的に実施するとともに定期監視メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より定期的に送信させ、且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させ、火災警報器子器の制御手段は、火災警報器親器から送信された前記定期監視メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させるとともに、異常の有無にかかわらずに動作試験の試験結果を含む第1無線周波数の無線信号を火災警報器親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、火災警報器親器の制御手段は、自己の動作試験の試験結果と、火災警報器子器から受け取った試験結果と、各火災警報器子器からの試験結果の受信可否とを含む第1無線周波数の無線信号をセキュリティ親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器親器から受け取った試験結果が異常有りの場合若しくは何れかの火災警報器子器からの試験結果が火災警報器親器で受信できなかった場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする。
【0023】
請求項8の発明によれば、火災警報器の動作試験が自動的且つ定期的に行われ、動作試験において異常が有った場合はセキュリティ親器の報知手段でも報知されるので、利用者が火災警報器の修理や交換などの必要性を知る機会を増やすことができる。
【0024】
請求項9の発明は、請求項4〜8の何れか1項の発明において、セキュリティ親器の制御手段は、マイクロコンピュータと当該マイクロコンピュータで実行されるソフトウェアからなり、マイクロコンピュータの起動後並びにソフトウェアリセット後に火災警報器親器の制御手段がビーコンを送信する周期以上の時間継続して無線信号受信手段に第1無線周波数の無線信号を受信信号強度に関係なく受信させることを特徴とする。
【0025】
請求項9の発明によれば、火災警報システムとともにセキュリティ親器が火災警報を連動して報知している状況において、停電や誤操作などによりセキュリティ親器の制御手段を構成するマイクロコンピュータが再起動した場合、火災警報器親器から第1無線周波数の無線信号で送信されているビーコンをセキュリティ親器の無線信号受信手段で確実に受信して報知手段から火災警報を報知することができ、その結果、停電や誤操作に対する安全性の向上が図れる。
【0026】
請求項10の発明は、請求項1〜9の何れか1項の発明において、照明負荷の点灯・消灯を制御する制御装置を備え、制御装置は、第2無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、電源から照明負荷への給電路を開閉する開閉手段と、無線信号受信手段で受信する無線信号によって照明負荷の点灯を指示する制御コマンドを受け取ったときに開閉手段を閉成して照明負荷を点灯させる制御手段とを具備し、セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器から火災感知情報を受け取った場合に前記制御コマンドを含む第2無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より制御装置に宛てて送信させることを特徴とする。
【0027】
請求項10の発明によれば、火災が発生したときに照明負荷を自動的に点灯させることができるため、夜間に火災が発生した場合に避難が容易になる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、セキュリティ親器においても火災警報器から遅れることなく火災警報を報知することができる警報システムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態1を示すシステム構成図である。
【図2】同上における無線信号のフレームフォーマットである。
【図3】同上の待機状態から火災連動状態へ遷移する動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】同上の火災警報システムとセキュリティシステムが火災連動する動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】同上の連動鳴動状態から連動停止状態へ遷移する動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】同上の連動鳴動状態から連動停止状態へ遷移する動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】同上の火災連動状態から待機状態へ遷移する動作を説明するためのタイムチャートである。
【図8】同上の火災連動状態における動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】同上の火災連動状態における火災警報器親器の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】同上におけるセキュリティ親器の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態2における制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0031】
(実施形態1)
図1は本実施形態の警報システムのシステム構成図であり、複数台(図示は2台のみ)の火災警報器TRで火災警報システムが構成され、さらに、複数(図示例では1つ)のセキュリティ子器SSとセキュリティ親器SMとでセキュリティシステムが構成されている。なお、以下の説明では、火災警報器TRを個別に示す場合は火災警報器TR1,TR2,…,TRnと表記し、総括して示す場合は火災警報器TRと表記する。
【0032】
まず、セキュリティシステムについて説明する。セキュリティ子器SSは、監視領域(例えば、住戸)内への不審者の侵入に関係する異常を検出するセンサ部23と、アンテナ22から電波を媒体とした無線信号を送信する無線送信部21と、マイコンを主構成要素としセンサ部23で異常を検出したときに異常検出情報を含む無線信号を無線送信部21より送信させる制御部20と、電池あるいは商用電源を電源として各部に動作電源を供給する電源部24とを備えている。センサ部23は、窓ガラスに加わる振動や衝撃によって当該窓ガラスの破壊を検出するガラス破壊センサや、永久磁石とリードスイッチを用いて窓ガラスの開閉を検出する開閉検出センサ、あるいは焦電素子を用いて人体の侵入を検出する人感センサなどで構成される。また無線送信部21は、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送信するものである。
【0033】
セキュリティ親器SMは、アンテナ12から電波を媒体とした無線信号を送信するとともにセキュリティ子器SSが送信した無線信号をアンテナ12で受信する無線送受信部11と、音(ブザー音や音声メッセージなど)による異常発生の警報(以下、「セキュリティ警報音」と呼ぶ。)を報知(スピーカから鳴動)する報知部13と、マイコンを主構成要素としセキュリティ子器SSから無線信号で送信される異常検出情報を受け取ったときに報知部13にセキュリティ警報音を鳴動させる制御部10と、後述するようにセキュリティ警報音の鳴動を停止するための操作入力などを受け付ける操作入力受付部14と、商用電源を電源として各部に動作電源を供給する電源部15とを備えている。操作入力受付部14は1乃至複数のスイッチ(例えば、押釦スイッチ)を有しており、スイッチが操作されることで各スイッチに対応した操作入力を受け付けるとともに当該操作入力に対応した操作信号を制御部10に出力する。また無線送受信部11は、セキュリティ子器SSの無線送信部21と同じく「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。
【0034】
セキュリティ親器SMの制御部10は、警戒モードと非警戒モードの2つの動作モードで択一的に動作し、警戒モードで動作しているときにセキュリティ子器SSから異常検出情報を受け取ると報知部13にセキュリティ警報音を報知(鳴動)させるが、非警戒モードで動作しているときにはセキュリティ子器SSから異常検出情報を受け取っても報知部13にセキュリティ警報音を報知させない。尚、制御部10では操作入力受付部14で受け付ける動作モード切換用の操作入力に応じて動作モードを警戒モード又は非警戒モードに切り換える。
【0035】
次に火災警報システムについて説明する。火災警報器TRは、アンテナ3から電波を媒体とした無線信号を送信するとともに他の火災警報器TRが送信した無線信号をアンテナ3で受信する無線送受信部2と、音(ブザー音や音声メッセージなど)による火災警報(以下、「火災警報音」と呼ぶ。)を報知(スピーカから鳴動)する警報部5と、マイコンや書換可能な不揮発性の半導体メモリなどからなるメモリ部(図示せず)を主構成要素とし火災感知部4で火災を感知したときに警報部5に火災警報音を鳴動させるとともに他の火災警報器TRに対して火災警報を報知させるための火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる制御部1と、後述するように火災警報音の鳴動を停止するための操作入力などを受け付ける操作入力受付部6と、乾電池等の電池を電源として各部に動作電源を供給する電池電源部7とを具備している。操作入力受付部6は1乃至複数のスイッチ(例えば、押釦スイッチ)を有しており、スイッチが操作されることで各スイッチに対応した操作入力を受け付けるとともに当該操作入力に対応した操作信号を制御部1に出力する。なお、各火災警報器TR1,TR2,…には固有の識別符号が割り当てられてメモリ部に格納されており、当該識別符号によって無線信号の宛先並びに送信元の火災警報器TR1,TR2,…が特定できる。
【0036】
無線送受信部2は、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。また火災感知部4は、例えば、火災に伴って発生する煙や熱、炎などを検出することで火災を感知するものである。但し、無線送受信部2並びに火災感知部4の詳細な構成については、従来周知であるから詳細な説明は省略する。
【0037】
制御部1は、メモリに格納されたプログラムをマイコンで実行することによって後述する各種の機能を実現している。火災感知部4で火災の発生が感知されると、制御部1は警報部5が備えるブザーを駆動して火災警報音を鳴動させたり、あるいは予めメモリ等に格納されている火災警報用の音声メッセージ(例えば、「火事です」など)をスピーカに鳴動させることで火災警報を報知するとともに、他の火災警報器TRにおいても火災警報を報知させるため、火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる。また、他の火災警報器TRから送信された無線信号を無線送受信部2で受信することにより火災警報メッセージを受け取ったときも、制御部1が警報部5を制御して火災警報音を鳴動させる。つまり、制御部1では火災感知部4が火災を感知したときに警報部5から火災警報音を鳴動させて火災警報を報知するとともに火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる機能を有している。
【0038】
ここで、電波法施行規則の無線設備規則第49条の17「小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備」では、無線信号を連続して送信してもよい期間(送信期間)が3秒以下、送信期間と送信期間の間に設けられた、無線信号を送信してはいけない期間(休止期間)が2秒以上とすることが規定されている(同条第5号参照)。このために本実施形態における制御部1では、上記無線設備規則に適合する送信期間に無線信号を送信させるとともに休止期間に送信を停止し且つ受信可能な状態としている。
【0039】
また電池電源部7の電池寿命をできるだけ長くするため、制御部1ではマイコンに内蔵するタイマで所定の間欠受信間隔(但し、間欠受信間隔は前記送信期間よりも長い時間とする)を繰り返しカウントするとともに間欠受信間隔のカウントが完了する毎に無線送受信部2を起動して所望の電波(他の火災警報器TRが送信した無線信号)が受信できるか否かをチェックし、当該電波が捉えられなければ直ちに無線送受信部2を停止して待機状態に移行させることで平均消費電力を大幅に低減している。なお、電波の受信チェックは、無線送受信部2から出力される、受信信号強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信号(Receiving Signal Strength Indication:RSSI信号)に基づいて制御部1が行っており、詳細については従来周知であるから省略する。
【0040】
さらに特定の火災警報器TR1(火災警報器親器。以下、親器と略す。)の制御部1では、定期的(例えば、24時間毎)に無線送受信部2を起動して他の火災警報器TR2,TR3,…(火災警報器子器。以下、子器と略す。)が正常に動作しているか否かの確認(定期監視<定期試験>)を行うために定期監視メッセージを含む無線信号を送信させる。子器TR2,…においては、制御部1が火災感知部4の故障の有無及び電池電源部7の電池切れの有無を一定周期で(例えば、1時間毎に)監視するとともに、その監視結果(故障の有無及び電池切れの有無)をメモリ部に記憶しており、親器TR1から定期監視メッセージを受け取ったときに、メモリ部に記憶している監視結果を通知するための定期監視応答メッセージを含む無線信号を親器TR1に返信する。親器TR1の制御部1は、定期監視応答メッセージを含む無線信号を送信した後、無線送受信部2を受信状態に切り換えて各子器TR2,…から送信される無線信号を受信し、定期監視メッセージを含む無線信号を送信してから所定時間内に定期監視応答メッセージを含む無線信号を送信してこない子器TR2,…があったり、あるいは、何れかの子器TR2,…が送信してきた定期監視応答メッセージが故障有り若しくは電池切れ有りの監視結果を通知するものである場合に、警報部5が備えるブザーを駆動して報知音を鳴動させるなどして子器TR2,…に異常(通信不可や故障有り、電池切れなど)が発生したことを知らせる機能も有している。尚、親器TR1及び子器TR2,…の制御部1は、故障若しくは電池切れが生じていると判断した場合、直ちに警報部5から異常(故障若しくは電池切れ)の発生を知らせるための警告音(ブザー音や音声メッセージなど)を警報部5のスピーカから鳴動させるようになっている。尚、本実施形態では全ての子器TR2,…の制御部1が自発的に動作試験を行っているが、親器TR1から定期監視メッセージを受け取ったときに動作試験を行うようにしても構わない。また、複数台の子器TR2,…から親器TR1へ送信される定期監視応答メッセージを含む無線信号が衝突することを防ぐため、それぞれの子器TR2,…の制御部1では、親器TR1から送信される定期監視メッセージを含む無線信号の受信完了時点を起点として各子器TR2,…毎に個別に設定されているタイミング(タイムスロット)で定期監視応答メッセージを含む無線信号を親器TR1に宛てて送信するようにしている。
【0041】
また親器TR1の制御部1は、火災感知部4が火災を感知して警報部5から火災警報音を鳴動させるとともに各子器TR2,…に火災警報メッセージを送信した後、若しくは何れかの子器TR2,…から火災警報メッセージを受信した後においては、無線送信部2に一定周期で同期信号(ビーコン)を送信させる。この同期信号は、複数の火災警報器TR同士でTDMA(時分割多元接続)方式の無線通信(以下、「同期通信」と呼ぶ。)を行うために必要なタイムスロットを規定する信号であって、その1周期(サイクル)が複数のタイムスロットに分割され、全ての子器TR2,…にそれぞれ互いに異なるタイムスロットが1つずつ割り当てられる。そして、親器TR1から子器TR2,…へのメッセージは同期信号に含めて送信され、子器TR2,…から親器TR1へのメッセージを含む無線信号は、各子器TR2,…に割り当てられているタイムスロットに格納されて送信される。故に、複数台の火災警報器TR(親器TR1並びに子器TR2,…)から送信される無線信号の衝突を確実に回避することができる。なお、各火災警報器TRに対するタイムスロットの割当は固定であってもよいが、親器TR1から送信する同期信号によってタイムスロットの割当情報を各子器TR2,…に通知しても構わない。
【0042】
図2は火災警報器TRが送受信する無線信号のフレームフォーマットを示しており、同期ビット(プリアンブル:PA)、フレーム同期パターン(ユニークワード:UW)、宛先アドレスDA、送信元アドレスSA、メッセージM、CRC符号で1フレームが構成されている。ここで、宛先アドレスDAとして各火災警報器TRの識別符号を設定すれば当該識別符号の火災警報器TRのみが無線信号を受信してメッセージを取得することになるが、宛先アドレスDAとして何れの火災警報器TRにも割り当てられていない特殊なビット列(例えば、すべてのビットを1としたビット列)を設定することで無線信号を同報(マルチキャスト)して全ての火災警報器TRにメッセージを取得させることができる。例えば、火災警報メッセージを含む無線信号が親器TR1から全ての子器TR2,…に同報される。
【0043】
ここで、セキュリティシステムにおいては火災警報システムとの混信を避けるために火災警報システムで使用する周波数チャネル(第1無線周波数f1)と異なる周波数チャネル(第2無線周波数f2)で無線信号を送受信しているが、セキュリティ親器SMの無線送受信部11は周波数チャネルを切り換える機能を有しており、周波数チャネルを第1無線周波数f1と第2無線周波数f2に切り換えることで火災警報器TRとの間においても無線信号の受信あるいは送受信が可能となっている。尚、親器TR1においては、セキュリティ親器SMとの間で無線信号を送受信するためにセキュリティ親器SMの識別符号がメモリ部に格納されており、同じくセキュリティ親器SMの制御部10でも親器TR1の識別符号を記憶している。
【0044】
次に、図3のタイムチャートを参照して、TDMA方式の無線通信に移行する際の火災警報システムの送受信動作を説明する。
【0045】
例えば、子器TR2において火災感知部4が火災を感知すると、子器TR2の制御部1は警報部5より火災警報音を鳴動させるとともに無線送受信部2を起動し、火災警報メッセージを含む無線信号を他の全ての火災警報器TR(親器TR1及び他の子器TR3,…)に宛てて送信する。この際、送信元の子器TR2の制御部1は、送信期間内で送信可能なフレーム数だけ無線信号を連続して送信し、送信期間後の休止期間(受信期間)には無線送受信部2を受信状態に切り換える。尚、各火災警報器TRは非同期で間欠受信しているが、ある程度の回数(例えば、3回)の送信期間を繰り返せば、火災警報メッセージを含む無線信号を受信することができる。
【0046】
ここで、小電力無線を利用すれば、無線通信距離としては通常の住宅ひとつのエリア内であれば十分カバーできるので、火災元の子器TR2が、他の火災警報器TR(親器TR1及び他の子器TR3,…)に対しメッセージを送信することは通常は十分可能である。しかしながら、上述したように親器TR1は各子器TR2〜TR5に対して定期監視を行っており、親器TR1と各子器TR3〜TR5との間では通信パスの正常性が確認されているが、子器TR2〜TR5間の通信パスは確認されていないため、例えば障害物などの影響によって、ある子器にはメッセージが届いていない可能性もある。
【0047】
そこで、火災警報メッセージを受信した親器TR1の制御部1は、送信元の子器TR2を含む全ての子器TR2〜TR5に対して火災警報メッセージを含む無線信号を複数回連続して送信する。他の子器TR3〜TR5の制御部1では、子器TR2又は親器TR1から送信された火災警報メッセージを受け取ると直ちに警報部5より火災警報音を鳴動させるとともに無線送受信部2より火災警報メッセージの受信を確認する応答メッセージ(ACK)を無線信号によって返信する。また、火元の子器TR2の制御部1も親器TR1から送信された火災警報メッセージを受け取ると無線送受信部2より火災警報メッセージの受信を確認する応答メッセージ(ACK)を無線信号によって返信する。ここで、複数台の子器TR2,…から親器TR1へ返信される応答メッセージを含む無線信号が衝突することを防ぐため、それぞれの子器TR2,…の制御部1では、親器TR1から送信される火災警報メッセージを含む無線信号の受信完了時点を起点として各子器TR2,…毎に個別に設定されているタイミング(タイムスロット)で応答メッセージを含む無線信号を親器TR1に返信するようにしている。尚、このように少なくとも1台の火災警報器TRで火災が感知されることで全ての火災警報器TRが火災警報を報知(火災警報音を鳴動)することを、以下では「火災連動」と呼ぶ。
【0048】
親器TR1の制御部1は、全ての子器TR2〜TR5からACKを受け取れば、タイムスロットを規定するための同期信号を一定の周期で無線送受信部2から送信させる。尚、本実施形態では先頭のタイムスロットTS1を子器TR2に、2番目のタイムスロットTS2を子器TR3に、3番目のタイムスロットTS3を子器TR4に、4番目のタイムスロットTS4を子器TR5にそれぞれ割り当てている。
【0049】
ここで、親器TR1は各子器TR2〜TR5に対して定期監視を行っており、親器TR1と各子器TR3〜TR5との間では通信パスの正常性が確認されているが、子器TR2〜TR5間の通信パスは確認されていない。したがって、子器TR2,…が多数配置された場合、子器TR2,…間の通信パスの数は非常に多くなる為、子器TR2,…間の通信パスの正常性の確認を行うと電池消耗が激しくなるので、上述のように特定の火災警報器TR1を親器とし、その他の火災警報器TR2,…を子器として親器TR1から各子器TR2,…に火災警報メッセージやその他のメッセージ(後述する)を通知することで相互に通信パスが確立できない子器が存在する場合でも確実に火災連動させることができるものである。
【0050】
また、全ての火災警報器TRが火災警報音を鳴動することにより連動が開始されると、上述のように親器TR1から一定周期で同期信号が送信され、非同期通信からTDMA方式の同期通信に移行するのであるが、親器TR1の制御部1では、同期信号に含めることで火災警報メッセージを一定周期で全ての子器TR2,…に繰り返し送信している。そして、各子器TR2,…の制御部1では、親器TR1から送信される火災警報メッセージを受け取る度に警報部5の状態を確認し、仮に警報部5が停止していたとしたら警報部5に再度火災警報音を鳴動させる。したがって、全ての火災警報器TRで火災警報が報知され始めてからは親器TR1が送信する同期信号によって規定される複数のタイムスロットに他の全ての子器TR2,…を割り当てて時分割多元接続(TDMA)による無線通信を行うことで衝突を回避することができ、さらに親器TR1から他の全ての子器TR2,…に対して火災警報メッセージを同期信号に含めて周期的に送信することで確実に火災警報を報知することができる。その結果、無線信号の衝突を回避しつつ複数の火災警報器TRを効果的に連動させることができる。
【0051】
ところで、本実施形態の火災警報システムは、何れの火災警報器TRにおいても火災が検出されていない状態(待機状態)と、全ての火災警報器TRが火災警報音を鳴動している状態(連動鳴動状態)と、後述するように火災を検出している(火元の)火災警報器TRのみが火災警報音を鳴動し、火元以外の火災警報器TRが火災警報音を停止している状態(連動停止状態)との間で動作状態を遷移させている。すなわち、待機状態において少なくとも何れか1台の火災警報器TR(例えば、子器TR2)で火災が検出されると、上述したように火元の子器TR2並びに親器TR1から他の全ての子器TR3,…に火災警報メッセージが送信されることで親器TR1と子器TR2,…を含む全ての火災警報器TRで火災警報音が鳴動されて連動鳴動状態に遷移する。
【0052】
そして、連動鳴動状態において何れかの火災警報器TRの操作入力受付部6で火災警報音の鳴動を停止するための操作入力が受け付けられた場合、当該火災警報器TRが親器TR1であれば親器TR1から全ての子器TR2,…に対して火災警報音の停止を要求するメッセージ(警報停止メッセージ)を送信することにより、あるいは、当該火災警報器TRが子器TR2,…であれば当該子器TR2,…から警報停止メッセージを受け取った親器TR1が他の子器TR2,…に対して警報停止メッセージを送信することにより、火元以外の火災警報器TRで火災警報音が停止されて連動停止状態に遷移する。但し、火元の火災警報器TRの操作入力受付部6で警報音停止の操作入力が受け付けられた場合、当該火元の火災警報器TRにおいても火災警報音を停止する。ここで、親器TR1の制御部1はメモリ部に親器TR1並びに各子器TR2,…毎の火災検出状況を随時更新しながら保持しており、後述するように全ての火災警報器TRで火災が検出されなくなったときに火災連動状態から待機状態に遷移する。
【0053】
また、連動鳴動状態から連動停止状態に遷移した場合、親器TR1の制御部1では所定の警報音停止時間(例えば、5分間)の限時を開始する。そして、警報音停止時間が経過したのち、親器TR1の制御部1はメモリ部に保持している火災検出状況を参照し、全ての火災警報器TRで火災を検出していなければ、同期信号によって復旧通知のメッセージを送信することで火災連動状態から待機状態に遷移し、仮に少なくとも1台の火災警報器TRで火災を検出していれば、同期信号によって火災警報メッセージを送信することで連動停止状態から連動鳴動状態へ遷移させる。尚、連動停止状態において何れかの火災警報器TRが新たに火災を検出した場合にも親器TR1の制御部1が同期信号によって火災警報メッセージを送信することで連動停止状態から連動鳴動状態へ遷移させる。
【0054】
例えば、図5のタイムチャートに示すように、親器TR1を火元とする火災連動状態(連動鳴動状態)において、火元でない子器TR4の操作入力受付部6で警報音停止の操作入力が受け付けられることで当該子器TR4から警報停止メッセージが送信されると、警報停止メッセージを受け取った親器TR1の制御部1は同期信号によって警報停止メッセージM2を送信しつつ警報音停止時間の限時を行う。但し、火元である親器TR1では警報部5による火災警報音の鳴動は継続される。そして、警報音停止時間が経過したのち、親器TR1の制御部1は自らの火災感知部4による火災検出状況並びに子器TR2,…おける火災検出状況を確認し、少なくとも何れか1台の火災警報器TRが火災を検出しているときは再度火災警報メッセージを同期信号により各子器TR2,…に送信することで連動停止状態から連動鳴動状態へ遷移させる。
【0055】
一方、図6のタイムチャートに示すように、警報音停止時間内に火災が鎮火して火災感知部4が火災を検出しなくなっていれば、親器TR1の制御部1は警報音停止時間が経過したのちに同期信号によって各子器TR2,…に復旧通知メッセージを送信し、全ての子器TR2,…から返信されるACKを受け取った時点で連動停止状態から待機状態に遷移し、同期信号の送信を停止することでTDMA方式による無線通信(同期通信)から間欠送信・間欠受信による無線通信(非同期通信)に戻る。
【0056】
また、図7のタイムチャートに示すように、子器TR4を火元とする連動鳴動状態において、火元の火災が鎮火して子器TR4の火災感知部4が火災を検出しなくなれば、子器TR4から親器TR1に宛てて復旧通知メッセージが送信される。当該復旧通知メッセージを受け取った親器TR1の制御部1はメモリ部に保持している火災検出状況を参照し、全ての火災警報器TRで火災を検出していなければ同期信号によって復旧通知メッセージM3を各子器TR2,…に送信する。そして、全ての子器TR2,…から返信されるACKを親器TR1の制御部1が受け取れば、連動停止状態から待機状態に遷移し、同期信号の送信を停止することで同期通信から非同期通信に戻る。
【0057】
一方、図8のタイムチャートに示すように、新たに別の火災警報器(例えば、子器TR3)で火災が検出された場合、初めの火元である子器TR4から復旧通知メッセージを受け取った親器TR1の制御部1は、メモリ部に保持している火災検出状況を参照し、子器TR3が火災検出中であることから復旧通知メッセージを送信せず、引き続き火災警報メッセージを送信することで火災連動状態を維持する。
【0058】
ここで、火災連動状態における親器TR1の制御部1が行う処理について、図9のフローチャートを参照して簡単にまとめる。待機状態において何れかの子器TR2,…から火災警報メッセージを受け取ると(ステップS1)、親器TR1の制御部1はメモリ部1aに各子器TR2,…毎に保持している火災検出状況を更新(火災非検出から火災検出へ変更)し(ステップS2)、一方、火元の子器TR2,…から復旧通知メッセージを受け取れば(ステップS3)、当該子器TR2,…の火災検出状況を火災検出から火災非検出に更新する(ステップS4)。火災連動状態において何れの子器TR2,…からも復旧通知メッセージを受け取っていないときに何れかの子器TR2,…から警報停止メッセージを受け取った場合(ステップS5)、親器TR1の制御部1は火災警報を停止することを決定して無線送受信部2から警報停止メッセージを含む同期信号を送信させる(ステップS6)。また、連動鳴動状態から連動停止状態へ遷移してから警報音停止時間が経過するまでの間は同期信号によって定期的に警報停止メッセージを送信し(ステップS7,S8,S6)、警報音停止時間が経過したら(ステップS8)、メモリに保持している火災検出状況を参照して火災検出中の火災警報器(親器TR1及び子器TR2,…)が残っているか否かを判断し(ステップS9)、1台でも火災検出中の火災警報器が残っていれば火災連動の継続を決定して無線送受信部2から火災警報メッセージを含む同期信号を送信させ(ステップS10)、一方、全ての火災警報器が火災非検出になっていれば火災連動状態から待機状態への復旧を決定して無線送受信部2から復旧通知メッセージを含む同期信号を送信させる(ステップS11)。
【0059】
ここで、何れかの子器TR2,…が復旧通知メッセージに対してACKを返信しなかった場合、親器TR1の制御部1は、再度復旧通知メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させ、当該子器TR2,…からACKを受け取った時点、若しくは復旧通知メッセージを所定の複数回数再送してから一定時間が経過した時点で無線送受信部2に同期信号の送信を停止させることが望ましい。また、連動鳴動状態若しくは連動停止状態において親器TR1が故障して同期信号が送信されなくなった場合、子器TR2,…の無線送受信部2が同期信号を受信するために受信状態のままとなって電池が著しく消耗してしまう虞があるので、子器TR2,…の制御部1では、同期信号が受信できない期間が所定時間(例えば、同期信号の数周期分の時間)以上継続したときに無線送受信部2を休止させて電池の消耗を抑えることが望ましい。
【0060】
次に、本発明の要旨である、火災警報システムに連動してセキュリティ親器SMの報知部13から火災警報音を報知(鳴動)する動作について、図4のタイムチャートを参照しながら説明する。
【0061】
セキュリティ親器SMの制御部10は、一定の周期T1で無線送受信部11が受信する周波数チャネルを第1無線周波数f1と第2無線周波数f2とに交互に切り換えている。例えば、子器TR2において火災感知部4が火災を感知すると、上述したように子器TR2の制御部1が警報部5より火災警報音を鳴動させるとともに無線送受信部2を起動し、火災警報メッセージを含む無線信号を他の全ての火災警報器TR(親器TR1及び他の子器TR3,…)に宛てて送信する。この際、送信元の子器TR2の制御部1は、送信期間T2(<3秒)内で送信可能なフレーム数だけ無線信号を連続して送信する。そして、セキュリティ親器SMでは、無線送信部11が第1無線周波数f1の受信状態に切り換わった時に子器TR1から送信される無線信号を受信し、当該無線信号に含まれる火災警報メッセージが無線送受信部11から制御部10に渡される。火災警報メッセージを受け取ったセキュリティ親器SMの制御部10は、報知部13を制御して音(ブザー音や音声メッセージなど)による火災警報を報知(スピーカから鳴動)させる。但し、報知部13においては音による火災警報に加えて光による火災警報を報知しても構わない。
【0062】
上述のようにセキュリティ親器SMでは、火災警報器TRから第1無線周波数f1の無線信号で送信される火災感知情報を受け取って報知部13から火災警報を報知させるので、従来例と比較してセキュリティ親器SMが火災警報の報知を開始するまでの時間を短縮することができる。その結果、セキュリティ親器SMにおいても火災警報器TRから遅れることなく火災警報を報知することが可能な警報システムが提供できる。
【0063】
また、セキュリティ親器SMの制御部10は、無線送受信部11で火災警報メッセージを含む無線信号を受信した場合、親器TR1から送信される同期信号(周期:T3)を受信するまでの間、無線送受信部11が受信する周波数チャネルを引き続き第1無線周波数f1に設定する。そして、無線送受信部11で同期信号を受信すれば、セキュリティ親器SMの制御部10は同期信号の周期に合わせて周波数チャネルを第2無線周波数f2から第1無線周波数f1に切り換えるとともに、親器TR1から割り当てられるタイムスロット(図4では2番目のタイムスロット)で無線送受信部11を第1無線周波数f1の送信状態に切り換えてメッセージ(例えば、警報停止メッセージ)を含む無線信号を親器TR1に宛てて送信させる。すなわち、セキュリティ親器SMの操作入力受付部14で警報音停止の操作入力が受け付けられると、セキュリティ親器SMの制御部10は自己に割り当てられたタイムスロットに同期して警報停止メッセージを含む無線信号を第1無線周波数f1で無線送受信部11から送信させる。そして、当該無線信号を受信した親器TR1の制御部1では、既に説明した手順で火災警報の連動を停止する処理を行う。このように本実施形態では、セキュリティ親器SMの操作入力受付部14に警報音停止の操作入力を受け付けさせることで火災警報器TRによる火災警報の報知を停止させることができるから、一般に天井等の高所に設置されている火災警報器TRの操作入力受付部6に警報音停止の操作入力を受け付けさせるよりも簡単に警報音停止の操作を行うことができて利便性が向上するという利点がある。
【0064】
ここで、同期信号を受信する期間並びに自己のタイムスロットに同期した期間を除く期間では、制御部10は無線送受信部11を第2無線周波数f2の受信状態に切り換えている。したがって、火災連動状態においてセキュリティ子器SSから異常検出情報を受け取った場合であっても、制御部10が警戒モードで動作していれば報知部13にセキュリティ警報音を報知(鳴動)させることができる。その結果、セキュリティ子器SSから第2無線周波数f2の無線信号で送信される異常検出情報をセキュリティ親器SMで確実に受信することができてセキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0065】
ところで、火災連動中に瞬時停電が発生してセキュリティ親器SMの制御部10を構成するマイクロコンピュータに電源リセットがかかったり、あるいは、何らかの誤操作によって制御部10を構成するマイクロコンピュータにソフトウェアリセットがかかった場合、制御部10は親器TR1が同期信号を送信する周期T3以上の時間継続して無線送受信部11を第1無線周波数f1の受信状態としている。このとき、制御部10では第1無線周波数f1の受信信号強度の大小に関わらず、前記周期T3以上の時間継続して無線送受信部11を第1無線周波数f1の受信状態とする。このようにすれば、火災警報システムとともにセキュリティ親器SMが火災警報を連動して報知している状況において、停電や誤操作などによりセキュリティ親器SMの制御部10を構成するマイクロコンピュータが再起動した場合、親器TR1から第1無線周波数f1の無線信号で送信されている同期信号をセキュリティ親器SMの無線送受信部11で確実に受信して報知部13から火災警報を報知することができて停電や誤操作に対する安全性の向上が図れる。
【0066】
また、本実施形態の火災警報システムでは、既に説明したようにそれぞれの火災警報器TRの制御部1が一定周期で動作試験(火災感知部4の故障の有無及び電池電源部7の電池切れの有無を確認する試験。以下同じ。)を実施し、その試験結果を無線信号によって子器TR2,…から親器TR1に通知している。このとき、試験結果に異常(火災感知部4の故障あるいは電池電源部7の電池切れ)があった場合、親器TR1の制御部1は、当該異常有りの試験結果を含む無線信号をセキュリティ親器SMに宛てて無線送受信部2より送信させる。そして、セキュリティ親器SMでは、無線送受信部11で当該無線信号を受信し、無線送受信部11から試験結果を受け取った制御部10が報知部13を制御して火災警報器TRに異常が生じていることを報知する。その結果、火災警報器TRのみで試験結果の異常を報知する場合と比較して、利用者が火災警報器TRの修理や交換などの必要性を知る機会を増やすことができる。
【0067】
ここで、上述した動作試験は各火災警報器TRの制御部1が一定周期(例えば、1時間毎)で実施するか、あるいは親器TR1から定期的に送信される定期監視メッセージを受け取ったときに各子器TR2,…の制御部1が実施しているのであるが、例えば、電池切れの異常が発生した火災警報器TRの電池を交換した直後のように不定期で動作試験を実施したい場合が有る。各火災警報器TRの操作入力受付部6には動作試験を実行させるための操作釦(試験釦)が設けられており、この試験釦を操作することで強制的に動作試験を実施することは可能であるが、先に述べたように火災警報器TRは天井等の高所に設置されているために試験釦の操作がし難いという問題がある。そのために本実施形態では、セキュリティ親器SMの操作入力受付部14に設けた試験釦を操作することで火災警報器TRに動作試験を実施させることができるようにしている。
【0068】
具体的に説明すると、セキュリティ親器SMの制御部10は、時分割多元接続方式で親器TR1と無線通信を行っていない状況において操作入力受付部14が所定の操作入力(試験釦の操作による操作入力)を受け付けた場合、試験開始メッセージを含む第1無線周波数f1の無線信号を無線送受信部11より送信させる。親器TR1の制御部1では、セキュリティ親器SMから送信された試験開始メッセージを受け取ると動作試験を実施し、当該動作試験で異常が有った場合に警報部5に異常を報知させるとともに、試験開始メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より子器TR2,…宛てに送信させる。子器TR2,…の制御部1は、親器TR1から送信された試験開始メッセージを受け取ると動作試験を実施し、動作試験で異常が有った場合に警報部5に異常を報知させるとともに、異常の有無に関係なく当該試験結果を親器TR1に通知する。但し、複数台の子器TR2,…から親器TR1へ送信される試験結果通知のための無線信号が衝突することを防ぐため、それぞれの子器TR2,…の制御部1では、親器TR1から送信される試験開始メッセージを含む無線信号の受信完了時点を起点として各子器TR2,…毎に個別に設定されているタイミング(タイムスロット)で試験結果を通知するための無線信号を親器TR1に宛てて送信するようにしている。そして、親器TR1の制御部1は子器TR2,…から受け取った試験結果が異常有りであれば警報部5に異常を報知させるとともに、当該異常有りの試験結果を含む無線信号をセキュリティ親器SMに宛てて無線送受信部2より送信させる。そして、セキュリティ親器SMでは、無線送受信部11で当該無線信号を受信し、無線送受信部11から試験結果を受け取った制御部10が報知部13を制御して火災警報器TRに異常が生じていることを報知する。
【0069】
ところで、本実施形態ではセキュリティ子器SSが無線送信部21しか備えていないが、無線信号を受信する無線受信部を設け、異常検出情報を受け取ったセキュリティ親器SMから異常検出情報の受信を確認する応答メッセージ(ACK)を無線信号によって返信し、当該ACKを含む無線信号を受信できない場合に異常検出情報を含む無線信号を再送信するようにしても構わない。つまり、セキュリティ親器SMの無線送受信部11の周波数チャネルが第1無線周波数に切り換えられているときにセキュリティ子器SSから異常検出情報を含む無線信号(第2無線周波数の無線信号)が送信された場合、セキュリティ親器SMの無線送受信部11では異常検出情報を含む無線信号を受信できず、セキュリティ親器SMの報知部13で異常警報を報知できない虞がある。したがって、セキュリティ親器SMから応答メッセージを受け取らない場合にセキュリティ子器SSの制御部20が異常検出情報を含む無線信号を再送信することによって、異常検出情報を確実にセキュリティ親器SMの制御部10に伝えて異常警報を報知させることができる。尚、セキュリティ子器SSの制御部20では、異常検出情報を含む無線信号を再送信する際、セキュリティ親器SMの制御部10が無線送受信部11の周波数チャネルを第1無線周波数f1と第2無線周波数f2に切り換える周期と異なる周期(例えば、前者の切換周期よりも長い周期)で再送信しているので、異常検出情報を含む無線信号をセキュリティ親器SMに確実に受信させることができる。
【0070】
ところで、セキュリティ親器SMの制御部10ではマイコンに内蔵するタイマで周波数チャネルを第2無線周波数f2に設定する期間T4を繰り返しカウントするとともに当該期間T4のカウントが完了する毎に無線送受信部11の周波数チャネルを第1無線周波数f1に切り換えて所望の電波(火災警報器TRが送信した第1無線周波数f1の無線信号)が受信できるか否かをチェックし、当該電波が捉えられなければ直ちに無線送受信部11の周波数チャネルを第2無線周波数f2に切り換えるようにしても構わない。なお、電波の受信チェックは、無線送受信部11から出力される受信信号強度表示信号(RSSI信号)に基づいて制御部10が行っており、詳細については従来周知であるから省略する。
【0071】
図10のフローチャートを参照して具体的に説明する。セキュリティ親器SMの電源部15から電源供給が開始されると(ステップS1)、制御部10は無線送受信部11を受信状態とし且つ周波数チャネルを第1無線周波数f1に設定する(ステップS2)。さらに制御部10は、無線送受信部11から出力されるRSSI信号に基づいて受信信号強度がしきい値を超えているか否かを判断し(ステップS3)、受信信号強度がしきい値以下であれば直ちに無線送受信部11の周波数チャネルを第2無線周波数f2に切り換える(ステップS4)とともに、タイマによる期間T4のカウントを開始し、期間T4のカウントが終了したら(ステップS5)、無線送受信部11の周波数チャネルを第1無線周波数f1に切り換える(ステップS1)。
【0072】
一方、受信信号強度がしきい値を超えていた場合、制御部10は、予め決められた第1無線周波数f1の受信期間T5が経過するまでの間、引き続き無線送受信部11の周波数チャネルを第1無線周波数f1に設定したまま火災警報メッセージを含む無線信号を受信するまで待機し(ステップS6,S7)、受信期間T5の経過前に火災警報メッセージを含む無線信号を受信すれば報知部13から警報音を報知(鳴動)させ(ステップS8)、火災警報メッセージを含む無線信号を受信する前に受信期間T5が経過したら無線送受信部11の周波数チャネルを第2無線周波数f2に切り換える(ステップS4)。
【0073】
而して、火災が発生していない状況でセキュリティ親器SMの制御部10が上述のような処理を行えば、セキュリティ親器SMの無線送受信部11が第1無線周波数f1の無線信号を受信する時間を相対的に短くし、第2無線周波数f2の無線信号を受信する時間を相対的に長くすることができるので、セキュリティ子器SSから送信される第2無線周波数f2の無線信号をセキュリティ親器SMで確実に受信することができてセキュリティシステムの信頼性低下を防ぐことができる。
【0074】
(実施形態2)
本実施形態は、照明負荷L並びに照明負荷Lを制御する制御装置Cをシステム構成に追加した点に特徴があり、その他の構成については実施形態1と共通である。故に、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0075】
制御装置Cは、図11に示すようにマイクロコンピュータを主構成要素とする制御部30と、商用交流電源ACから照明負荷Lへの給電経路に挿入されたスイッチ要素(リレーや半導体スイッチング素子など)を駆動する負荷制御部31と、アンテナ32を介して電波を媒体とする無線信号を受信及び送信する無線信号送受信部33と、操作入力を受け付ける操作入力受付部34と、商用交流電源ACから給電されて各部の動作電源を作成する電源部35とを備えている。尚、制御装置Cは、図示しない合成樹脂成形品からなる器体内に上記各部が収納され、器体の後端部が壁面に設けられた埋込孔に埋め込まれる形で壁に埋込配設される。
【0076】
操作入力受付部34は、複数の押釦スイッチ(図示せず)と、器体の前面に並設されて複数の押釦スイッチを個別にオン操作するための操作部(操作ハンドル)と有しており、操作部が押操作されて押釦スイッチがオン操作されることによって各押釦スイッチ(操作部)に対応した操作入力を受け付け、当該操作入力に対応した操作信号を制御部30に出力する。
【0077】
無線信号送受信部33は、電波法施行規則第6条第4項第2号に規定される「テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用の特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。尚、無線信号送受信部33が送受信する電波の周波数チャネルは火災警報システムで使用する第1無線周波数f1並びにセキュリティシステムで使用する第2無線周波数f2の何れとも異なる第3無線周波数f3に設定されている。
【0078】
制御部30は、操作入力受付部34から出力される操作信号に応じて負荷制御部31に制御信号を出力する。さらに制御部30は、後述するようにセキュリティ親器SMから送信された無線信号を無線信号送受信部33で受信し、受信した無線信号に含まれる情報に応じて負荷制御部31に制御信号を出力する。負荷制御部31では、制御部30から出力される制御信号に応じてスイッチ要素を駆動して照明負荷Lを点灯又は消灯する。
【0079】
一方、セキュリティ親器SMにおいては無線送受信部11の周波数チャネルを第3無線周波数f3にも設定可能となっている。そして、セキュリティ親器SMの制御部10は、火災警報器TRから火災警報メッセージを受け取ったときに照明負荷Lを点灯させるための制御コマンドを生成し、無線送受信部11の周波数チャネルを第3無線周波数f3に切り換えて、前記制御コマンドを含む無線信号を無線送受信部11から送信させる。
【0080】
制御装置Cでは、無線信号送受信部33で前記無線信号を受信し、制御部30が制御コマンドを受け取ると、制御部30は照明負荷Lを点灯させるための制御信号を負荷制御部31に対して出力し、負荷制御部31が当該制御信号に応じてスイッチ要素をオン駆動することで照明負荷Lが点灯する。
【0081】
このように本実施形態の警報システムでは、火災警報器TRで火災が感知されるとセキュリティ親器SMによって制御装置Cに照明負荷Lを自動的に点灯させることができるため、夜間に火災が発生した場合に避難が容易になるという利点がある。
【符号の説明】
【0082】
TR1 火災警報器親器
TR2 火災警報器子器
SM セキュリティ親器
SS セキュリティ子器
10 制御部(制御手段)
11 無線送受信部(無線信号受信手段)
13 報知部(報知手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の火災警報器からなり、これらの火災警報器が電波を媒体とする第1無線周波数の無線信号で火災感知情報を送受信し、自らが火災を感知するか若しくは他の火災警報器から火災感知情報を受け取ったときに複数の火災警報器が連動して火災警報を報知する火災警報システムと、
監視領域内への不審者の侵入に関係する異常を検出する1乃至複数のセキュリティ子器、並びにセキュリティ子器から電波を媒体とする第2無線周波数の無線信号で送信される異常検出情報を受け取ったときに異常発生を報知するセキュリティ親器からなるセキュリティシステムとを有し、
セキュリティ親器は、第1無線周波数と第2無線周波数とを交互に切り換えて無線信号を受信する無線信号受信手段と、異常発生の警報を報知する報知手段と、無線信号受信手段で受信する第2無線周波数の無線信号により前記異常検出情報を受け取ったときに報知手段から異常発生の警報を報知させるとともに無線信号受信手段で受信する第1無線周波数の無線信号により前記火災感知情報を受け取ったときに報知手段から火災警報を報知させる制御手段とを具備することを特徴とする警報システム。
【請求項2】
セキュリティ親器は、第2無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段を具備し、
セキュリティ子器は、第2無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段と、第2無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、無線信号送信手段よりセキュリティ親器に対して第2無線周波数の無線信号で異常検出情報を送信した後、セキュリティ親器から前記無線信号に対する応答の無線信号を無線信号受信手段で受信しない場合に前記異常検出情報を含む無線信号を再度無線信号送信手段から送信させる制御手段とを具備し、
セキュリティ子器の制御手段は、異常検出情報を含む無線信号を無線信号送信手段より再送信させる時間間隔を、セキュリティ親器の無線信号受信手段が第1無線周波数と第2無線周波数とを切り換える時間間隔と異ならせていることを特徴とする請求項1記載の警報システム。
【請求項3】
セキュリティ親器の無線信号受信手段は、第1無線周波数の受信信号強度が所定のしきい値未満であれば直ちに第2無線周波数の受信状態に切り換わり、第1無線周波数の受信信号強度が前記しきい値以上であれば第1無線周波数の受信状態を継続することを特徴とする請求項1又は2記載の警報システム。
【請求項4】
火災警報システムは、複数の火災警報器として一つの火災警報器親器と火災警報器親器を除く1乃至複数の火災警報器子器とを有し、火災警報器親器並びに火災警報器子器は、第1無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段と、第1無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、火災を感知する火災感知手段と、火災警報を報知する報知手段と、火災感知手段が火災を感知したときに報知手段に火災警報を報知させるとともに火災感知情報を含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段に送信させ且つ無線信号受信手段で火災感知情報を含む無線信号を受信した場合に報知手段に火災警報を報知させる制御手段とを共通に具備し、
火災警報器親器の制御手段は、報知手段が火災警報を報知している状況において一定周期のビーコンを第1無線周波数の無線信号で無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器子器の制御手段は、当該ビーコンによって規定され且つ自己に割り当てられているタイムスロットに同期して第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段に送信させる時分割多元接続方式で無線通信を行い、
セキュリティ親器の制御手段は、第1無線周波数の無線信号で火災感知情報を受け取った後、前記ビーコンによって規定され且つ自己に割り当てられているタイムスロットに同期して火災警報器親器に第1無線周波数の無線信号を送信するとともに前記ビーコンを受信する時間と前記タイムスロットを除く他のタイムスロットにおいてはセキュリティ子器との間で第2無線周波数の無線信号を送受信することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の警報システム。
【請求項5】
セキュリティ親器は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段を具備し、セキュリティ親器の制御手段は、時分割多元接続方式で火災警報器親器と無線通信を行っている状況において操作入力受付手段が所定の操作入力を受け付けた場合、自己のタイムスロットに同期して警報停止メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器親器の制御手段は、セキュリティ親器から送信される第1無線周波数の無線信号により警報停止メッセージを受け取ると、報知手段に火災警報の報知を停止させるとともに警報停止メッセージを含む前記ビーコンを第1無線周波数の無線信号で無線信号送信手段に送信させ、
火災警報器子器の制御手段は、ビーコンに含まれる警報停止メッセージを受け取ると報知手段に火災警報の報知を停止させることを特徴とする請求項4記載の警報システム。
【請求項6】
セキュリティ親器は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段を具備し、セキュリティ親器の制御手段は、時分割多元接続方式で火災警報器親器と無線通信を行っていない状況において操作入力受付手段が所定の操作入力を受け付けた場合、試験開始メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器親器の制御手段は、セキュリティ親器から送信された前記試験開始メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させるとともに、試験開始メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器子器の制御手段は、火災警報器親器から送信された前記試験開始メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする請求項4又は5記載の警報システム。
【請求項7】
火災警報器子器の制御手段は、動作試験の試験結果を含む第1無線周波数の無線信号を火災警報器親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器親器の制御手段は、自己の動作試験の試験結果と、火災警報器子器から受け取った試験結果とを含む第1無線周波数の無線信号をセキュリティ親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、
セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器親器から受け取った試験結果が異常有りの場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする請求項6記載の警報システム。
【請求項8】
火災警報器親器の制御手段は、少なくとも火災感知手段の動作試験を定期的に実施するとともに定期監視メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より定期的に送信させ、且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させ、
火災警報器子器の制御手段は、火災警報器親器から送信された前記定期監視メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させるとともに、異常の有無にかかわらずに動作試験の試験結果を含む第1無線周波数の無線信号を火災警報器親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器親器の制御手段は、自己の動作試験の試験結果と、火災警報器子器から受け取った試験結果と、各火災警報器子器からの試験結果の受信可否とを含む第1無線周波数の無線信号をセキュリティ親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、
セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器親器から受け取った試験結果が異常有りの場合若しくは何れかの火災警報器子器からの試験結果が火災警報器親器で受信できなかった場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする請求項4又は5記載の警報システム。
【請求項9】
セキュリティ親器の制御手段は、マイクロコンピュータと当該マイクロコンピュータで実行されるソフトウェアからなり、マイクロコンピュータの起動後並びにソフトウェアリセット後に火災警報器親器の制御手段がビーコンを送信する周期以上の時間継続して無線信号受信手段に第1無線周波数の無線信号を受信信号強度に関係なく受信させることを特徴とする請求項4〜8の何れか1項に記載の警報システム。
【請求項10】
照明負荷の点灯・消灯を制御する制御装置を備え、制御装置は、第3無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、電源から照明負荷への給電路を開閉する開閉手段と、無線信号受信手段で受信する無線信号によって照明負荷の点灯を指示する制御コマンドを受け取ったときに開閉手段を閉成して照明負荷を点灯させる制御手段とを具備し、
セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器から火災感知情報を受け取った場合に前記制御コマンドを含む第3無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より制御装置に宛てて送信させることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の警報システム。
【請求項1】
複数の火災警報器からなり、これらの火災警報器が電波を媒体とする第1無線周波数の無線信号で火災感知情報を送受信し、自らが火災を感知するか若しくは他の火災警報器から火災感知情報を受け取ったときに複数の火災警報器が連動して火災警報を報知する火災警報システムと、
監視領域内への不審者の侵入に関係する異常を検出する1乃至複数のセキュリティ子器、並びにセキュリティ子器から電波を媒体とする第2無線周波数の無線信号で送信される異常検出情報を受け取ったときに異常発生を報知するセキュリティ親器からなるセキュリティシステムとを有し、
セキュリティ親器は、第1無線周波数と第2無線周波数とを交互に切り換えて無線信号を受信する無線信号受信手段と、異常発生の警報を報知する報知手段と、無線信号受信手段で受信する第2無線周波数の無線信号により前記異常検出情報を受け取ったときに報知手段から異常発生の警報を報知させるとともに無線信号受信手段で受信する第1無線周波数の無線信号により前記火災感知情報を受け取ったときに報知手段から火災警報を報知させる制御手段とを具備することを特徴とする警報システム。
【請求項2】
セキュリティ親器は、第2無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段を具備し、
セキュリティ子器は、第2無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段と、第2無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、無線信号送信手段よりセキュリティ親器に対して第2無線周波数の無線信号で異常検出情報を送信した後、セキュリティ親器から前記無線信号に対する応答の無線信号を無線信号受信手段で受信しない場合に前記異常検出情報を含む無線信号を再度無線信号送信手段から送信させる制御手段とを具備し、
セキュリティ子器の制御手段は、異常検出情報を含む無線信号を無線信号送信手段より再送信させる時間間隔を、セキュリティ親器の無線信号受信手段が第1無線周波数と第2無線周波数とを切り換える時間間隔と異ならせていることを特徴とする請求項1記載の警報システム。
【請求項3】
セキュリティ親器の無線信号受信手段は、第1無線周波数の受信信号強度が所定のしきい値未満であれば直ちに第2無線周波数の受信状態に切り換わり、第1無線周波数の受信信号強度が前記しきい値以上であれば第1無線周波数の受信状態を継続することを特徴とする請求項1又は2記載の警報システム。
【請求項4】
火災警報システムは、複数の火災警報器として一つの火災警報器親器と火災警報器親器を除く1乃至複数の火災警報器子器とを有し、火災警報器親器並びに火災警報器子器は、第1無線周波数の無線信号を送信する無線信号送信手段と、第1無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、火災を感知する火災感知手段と、火災警報を報知する報知手段と、火災感知手段が火災を感知したときに報知手段に火災警報を報知させるとともに火災感知情報を含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段に送信させ且つ無線信号受信手段で火災感知情報を含む無線信号を受信した場合に報知手段に火災警報を報知させる制御手段とを共通に具備し、
火災警報器親器の制御手段は、報知手段が火災警報を報知している状況において一定周期のビーコンを第1無線周波数の無線信号で無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器子器の制御手段は、当該ビーコンによって規定され且つ自己に割り当てられているタイムスロットに同期して第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段に送信させる時分割多元接続方式で無線通信を行い、
セキュリティ親器の制御手段は、第1無線周波数の無線信号で火災感知情報を受け取った後、前記ビーコンによって規定され且つ自己に割り当てられているタイムスロットに同期して火災警報器親器に第1無線周波数の無線信号を送信するとともに前記ビーコンを受信する時間と前記タイムスロットを除く他のタイムスロットにおいてはセキュリティ子器との間で第2無線周波数の無線信号を送受信することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の警報システム。
【請求項5】
セキュリティ親器は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段を具備し、セキュリティ親器の制御手段は、時分割多元接続方式で火災警報器親器と無線通信を行っている状況において操作入力受付手段が所定の操作入力を受け付けた場合、自己のタイムスロットに同期して警報停止メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器親器の制御手段は、セキュリティ親器から送信される第1無線周波数の無線信号により警報停止メッセージを受け取ると、報知手段に火災警報の報知を停止させるとともに警報停止メッセージを含む前記ビーコンを第1無線周波数の無線信号で無線信号送信手段に送信させ、
火災警報器子器の制御手段は、ビーコンに含まれる警報停止メッセージを受け取ると報知手段に火災警報の報知を停止させることを特徴とする請求項4記載の警報システム。
【請求項6】
セキュリティ親器は、操作入力を受け付ける操作入力受付手段を具備し、セキュリティ親器の制御手段は、時分割多元接続方式で火災警報器親器と無線通信を行っていない状況において操作入力受付手段が所定の操作入力を受け付けた場合、試験開始メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器親器の制御手段は、セキュリティ親器から送信された前記試験開始メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させるとともに、試験開始メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器子器の制御手段は、火災警報器親器から送信された前記試験開始メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする請求項4又は5記載の警報システム。
【請求項7】
火災警報器子器の制御手段は、動作試験の試験結果を含む第1無線周波数の無線信号を火災警報器親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器親器の制御手段は、自己の動作試験の試験結果と、火災警報器子器から受け取った試験結果とを含む第1無線周波数の無線信号をセキュリティ親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、
セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器親器から受け取った試験結果が異常有りの場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする請求項6記載の警報システム。
【請求項8】
火災警報器親器の制御手段は、少なくとも火災感知手段の動作試験を定期的に実施するとともに定期監視メッセージを含む第1無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より定期的に送信させ、且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させ、
火災警報器子器の制御手段は、火災警報器親器から送信された前記定期監視メッセージを受け取ると少なくとも火災感知手段の動作試験を実施し且つ当該動作試験で異常が有った場合に報知手段に異常を報知させるとともに、異常の有無にかかわらずに動作試験の試験結果を含む第1無線周波数の無線信号を火災警報器親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、
火災警報器親器の制御手段は、自己の動作試験の試験結果と、火災警報器子器から受け取った試験結果と、各火災警報器子器からの試験結果の受信可否とを含む第1無線周波数の無線信号をセキュリティ親器に宛てて無線信号送信手段より送信させ、
セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器親器から受け取った試験結果が異常有りの場合若しくは何れかの火災警報器子器からの試験結果が火災警報器親器で受信できなかった場合に報知手段に異常を報知させることを特徴とする請求項4又は5記載の警報システム。
【請求項9】
セキュリティ親器の制御手段は、マイクロコンピュータと当該マイクロコンピュータで実行されるソフトウェアからなり、マイクロコンピュータの起動後並びにソフトウェアリセット後に火災警報器親器の制御手段がビーコンを送信する周期以上の時間継続して無線信号受信手段に第1無線周波数の無線信号を受信信号強度に関係なく受信させることを特徴とする請求項4〜8の何れか1項に記載の警報システム。
【請求項10】
照明負荷の点灯・消灯を制御する制御装置を備え、制御装置は、第3無線周波数の無線信号を受信する無線信号受信手段と、電源から照明負荷への給電路を開閉する開閉手段と、無線信号受信手段で受信する無線信号によって照明負荷の点灯を指示する制御コマンドを受け取ったときに開閉手段を閉成して照明負荷を点灯させる制御手段とを具備し、
セキュリティ親器の制御手段は、火災警報器から火災感知情報を受け取った場合に前記制御コマンドを含む第3無線周波数の無線信号を無線信号送信手段より制御装置に宛てて送信させることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の警報システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−272070(P2010−272070A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125472(P2009−125472)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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