説明

貯湯式給湯暖房装置

【課題】ヒートポンプ式加熱手段を暖房用の熱源とする貯湯式給湯暖房装置のエネルギー効率を向上させる。
【解決手段】ヒーポン循環回路3に循環切換手段10を介して接続されヒーポン循環回路3をバイパスするバイパス管9と、バイパス管9途中に設けられ放熱部へ循環する循環水を加熱するための暖房用熱交換器11とを備え、ヒートポンプ式加熱手段2で加熱された温水を暖房用熱交換器11に循環させるようにした貯湯式給湯暖房装置において、バイパス管9の暖房用熱交換器11の下流に貯湯タンク1の中間位置に連通する中間戻し管12を接続すると共に、貯湯タンク1の中間位置に中間出湯管14を接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒートポンプ加熱式の貯湯式給湯暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものには、ヒートポンプ加熱手段により深夜時間帯に貯湯タンク内の水を循環加熱して昼間での給湯に必要な分量を貯湯し、暖房を行う場合は、ヒートポンプ加熱手段で加熱した温水を貯湯タンクと並列関係にある暖房用熱交換器に直接循環させて暖房を行うようにしたものがあった(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−28414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、この従来のものでは、暖房運転を行っている最中に給湯を行う場合、給湯には給湯温度よりも高い温度の高温の貯湯が利用される一方、ヒートポンプ加熱手段では暖房用熱交換器で熱交換して温度低下した例えば40℃〜60℃程度(暖房負荷の状態により変動する)の中温水が加熱されることとなる。一般にヒートポンプ加熱手段においては、中温水を加熱するよりは例えば10℃〜20℃程度の水道水を加熱した方がCOP(加熱効率)が向上することが知られている。従って、この従来のものでは給湯に用いることに適した温度帯の中温水があるにも関わらず貯湯式の給湯装置の性質上できる限り残しておきたい高温水を給湯に用いていると同時に、給湯に用いることに適した温度帯の中温水をヒートポンプ加熱手段によりCOPが悪い状態で加熱することとなり、給湯と暖房のトータルで見た場合のエネルギー効率が悪いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明は前記課題を解決するため、請求項1では、入水管と出湯管が接続され湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱するヒートポンプ式加熱手段と、前記貯湯タンクと前記ヒートポンプ式加熱手段とを湯水が循環可能に接続するヒーポン循環回路と、前記ヒーポン循環回路に設けられ湯水を循環させるヒーポン循環ポンプと、前記ヒーポン循環回路に循環切換手段を介して接続され前記ヒーポン循環回路をバイパスするバイパス管と、前記バイパス管途中に設けられ放熱部へ循環する循環水を加熱するための暖房用熱交換器とを備え、前記ヒートポンプ式加熱手段で加熱された温水を前記暖房用熱交換器に循環させるようにした貯湯式給湯暖房装置において、前記バイパス管の前記暖房用熱交換器の下流から分岐して前記貯湯タンクの中間位置に連通する中間戻し管を接続すると共に、前記貯湯タンクの中間位置に中間出湯管を接続したものとした。
【0005】
また、請求項2では、入水管と出湯管が接続され湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱するヒートポンプ式加熱手段と、前記貯湯タンクと前記ヒートポンプ式加熱手段とを湯水が循環可能に接続するヒーポン循環回路と、前記ヒーポン循環回路に設けられ湯水を循環させるヒーポン循環ポンプと、前記ヒーポン循環回路に循環切換手段を介して接続され前記ヒーポン循環回路をバイパスするバイパス管と、前記バイパス管途中に設けられ放熱部へ循環する循環水を加熱するための暖房用熱交換器とを備え、前記ヒートポンプ式加熱手段で加熱された温水を前記暖房用熱交換器に循環させるようにした貯湯式給湯暖房装置において、前記バイパス管の前記暖房用熱交換器の下流から分岐して前記貯湯タンクの中間位置に連通する中間戻し管を接続すると共に、前記貯湯タンクの中間位置に中間出湯管を接続し、貯湯運転時は前記循環切換手段を前記ヒートポンプ式加熱手段と前記貯湯タンクとで循環するように切換え、暖房運転時は前記循環切換手段を前記ヒートポンプ式加熱手段と前記暖房用熱交換器とで循環するように切換え、暖房と給湯とが同時に使用された時は前記中間戻し管から前記貯湯タンクに戻した湯水の少なくとも一部を前記中間出湯管から出湯させて給湯するようにした。
【0006】
また、請求項3では、請求項1または2のものにおいて、前記中間戻し管に前記貯湯タンク側からの逆流を防止する逆流防止手段を設けたものとした。
【0007】
また、請求項4では、請求項3のものにおいて、前記逆流防止手段として逆止弁を用いたものとした。
【0008】
また、請求項5では、請求項3のものにおいて、前記逆流防止手段として、前記バイパス管と前記中間戻し管との分岐点に、温水の流通先を前記バイパス管の下流側か前記中間戻し管かを切換えるバイパス切換手段を用いたものとした。
【0009】
また、請求項6では、請求項1〜5のものにおいて、前記ヒーポン循環ポンプは前記ヒートポンプ式加熱手段と前記バイパス管との間の前記ヒーポン循環回路途中に設けられているものとした。
【0010】
また、請求項7では、前記請求項6のものに、さらに前記バイパス管途中に暖房用循環ポンプを設けたものとした。
【0011】
また、請求項8では、前記請求項6のものに、さらに前記中間戻し管途中に暖房用循環ポンプを設けたものとした。
【0012】
また、請求項9では、請求項1〜8のものにおいて、前記入水管から分岐された給水管からの給水と、前記出湯管からの出湯と、前記中間出湯管からの出湯とを任意に混合して給湯する混合手段を備えたものとした。
【0013】
また、請求項10では、請求項9のものにおいて、前記混合手段は、前記出湯管からの出湯と前記中間出湯管からの出湯とを混合する中間混合弁と、この中間混合弁からの出湯と前記給水管からの給水とを混合する給湯混合弁とからなるものとした。
【0014】
また、請求項11では、請求項1〜10のものにおいて、前記中間戻し管よりも前記中間出湯管が前記貯湯タンクの高い位置に接続されているものとした。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、暖房運転ではヒートポンプ式加熱手段で加熱された温水を直接暖房運転の熱源として用いることができると共に、暖房と給湯が同時に使用された場合に、暖房用熱交換器で熱交換された温水を中間戻し管を介して貯湯タンクに戻し、中間出湯管を介して給湯に用いて暖房からの戻り温水の熱を有効に活用できると同時に、貯湯タンクの下部から取り出した冷水をヒートポンプ式加熱手段で加熱して暖房に用いることができるので、ヒートポンプ式加熱手段のCOPが向上し、給湯と暖房のトータルで見た場合に省エネルギーとなる。
【0016】
また、中間戻し管を介した貯湯タンクからの高温水の逆流を防止して、暖房運転時のヒートポンプ式加熱手段のCOP低下を抑える。
【0017】
また、貯湯運転と暖房運転とを一つのヒーポン循環ポンプで行うことが可能となる。
【0018】
さらに、暖房用循環ポンプを追加することで、貯湯タンク内の貯湯温水を暖房用循環ポンプの駆動により暖房用熱交換器に循環させることが可能となり、貯湯タンク内の貯湯温水も暖房運転の熱源として用いることが可能となる。
【0019】
そして、中間出湯管からの中温水と出湯管からの高温水と給水管からの給水とを混合して給湯するので、暖房運転によって発生する中温水を最大限に利用することが可能となり、貯湯タンク内の高温水の使用量を抑えながら設定温度の給湯を行うことができる。
【0020】
さらに、中間戻し管よりも中間出湯管が前記貯湯タンクの高い位置に接続されているので、中間戻し管から貯湯タンク内に戻る温水を効率的に中間出湯管から出湯させることが可能となり、中温水を給湯に有効利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明を実施するために好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0022】
次に、本発明の実施例1について説明する。
1は湯水を貯湯する貯湯タンク、2は貯湯タンク1内の湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプ式加熱手段、3は前記貯湯タンク1の下部に接続されたヒーポン往き管4および前記貯湯タンク1の上部に接続されたヒーポン戻り管5よりなるヒーポン循環回路、6は前記ヒーポン循環回路3に設けられて貯湯タンク1の湯水を循環させるヒーポン循環ポンプ、7は前記貯湯タンク1の下部に接続され貯湯タンク1に水を給水する入水管、8は前記貯湯タンク1の上部に接続され貯湯されている高温水を出湯する出湯管である。
【0023】
9は前記ヒーポン循環回路3に循環切換手段10を介してバイパスするよう接続されたバイパス管、11は前記バイパス管9途中に設けられ、その二次側に放熱部(図示せず)が接続された暖房用熱交換器、12は前記バイパス管9途中で前記暖房用熱交換器11の下流側に前記貯湯タンク1の中間位置に接続された中間戻し管である。前記循環切換手段10はヒーポン往き管4のヒートポンプ式加熱手段2側を、ヒーポン往き管4の貯湯タンク1側に連通するかバイパス管9側に連通するかを切換える電動三方弁より構成されている。なお、この循環切換手段10は前記ヒーポン循環回路3のヒーポン戻り管5側に設けてもよいものである。
【0024】
13は前記貯湯タンク1の中間位置に接続された中間出湯管、14は前記出湯管8からの湯水と前記中間出湯管13からの湯水とを任意の温度になるよう混合する中間混合弁、15は前記入水管7から分岐された給水管、16は前記中間混合弁14からの湯水と前記給水管15からの給水とを給湯設定温度に混合する給湯混合弁である。
【0025】
ここで前記ヒートポンプ式加熱手段2は、圧縮機17と凝縮器としての冷媒−水熱交換器18と電子膨張弁19と強制空冷式の蒸発器20とで構成され、このヒートポンプ式加熱手段2には冷媒として二酸化炭素が用いられて超臨界ヒートポンプサイクルを構成しているものである。
【0026】
21は、前記循環切換手段10の駆動を制御すると共に、前記中間混合弁13および前記給湯混合弁16の駆動を制御し、さらにヒートポンプ回路の構成要素と前記ヒーポン循環ポンプ6の駆動を制御することで冷媒−水熱交換器18に流入してきた湯水を所望の沸き上げ温度まで沸き上げるようにしている制御手段であり、予めプログラミングされたマイクロコンピュータを主体として構成されている。
【0027】
ここで、貯湯タンク1内にヒートポンプ式加熱手段2で加熱された高温水を貯湯する貯湯運転について説明する。
制御手段21は深夜時刻になると電力単価が安価な深夜時間帯内で朝の所定時刻までに沸き上がるように貯湯運転を開始し、循環切換手段10をヒートポンプ式加熱手段2と貯湯タンク1とが連通するように切換え、ヒーポン循環ポンプ6とヒートポンプ式加熱手段2を駆動および起動して、貯湯タンク1の下部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱手段2により沸き上げ温度まで沸き上げて貯湯タンク1の上部に積層させるように貯湯する。そして、所望の熱量を貯湯するとヒーポン循環ポンプ6およびヒートポンプ式加熱手段2の停止して貯湯運転を終了する。
【0028】
次に、ユーザーが給湯栓を開いて給湯する時の給湯運転について説明する。
給湯栓が開かれると入水管7から貯湯タンク1内に給水されると同時に出湯管8から貯湯温水が出湯される。このとき、中間混合弁14の混合比率により中間出湯管13からも貯湯温水が出湯され、中間混合弁14によってある温度に混合される。そして、この中間混合弁14からの湯水は給湯混合弁16に流入し、給水管からの給水と混合されて所望の給湯設定温度で給湯栓から給湯される。
【0029】
次に、暖房運転について説明する。
暖房の要求が発生すると、前記制御手段21は暖房の二次側の運転を開始すると共に、循環切換手段10をバイパス管9とヒーポン循環回路3のヒートポンプ式加熱手段2側とが連通するように切換え、ヒーポン循環ポンプ6とヒートポンプ式加熱手段2を駆動及び起動して、ヒートポンプ式加熱手段2で沸き上げた高温水を暖房用熱交換器11に直接供給し、二次側と熱交換して温度低下した温水を再度ヒートポンプ式加熱手段2に直接循環させて再度加熱して暖房を行う。
【0030】
次に、暖房運転と給湯運転とが同時に行われる併用運転について説明する。
暖房運転中に給湯運転の要求が発生すると、前記制御手段21は循環切換手段10を貯湯タンク1とヒートポンプ式加熱手段2とが連通するように切換える。ヒートポンプ式加熱手段2で加熱された温水は暖房用熱交換器11を通過し、二次側との熱交換により温度低下した温水が中間戻し管12を介して貯湯タンク1の中間部に戻される。そして、貯湯タンク1の下部に貯められている湯水および入水管7から貯湯タンク1の下部に流入した冷水がヒーポン往き管4を介してヒートポンプ式加熱手段2に循環されて加熱される。一方、貯湯タンク1の中間部に戻された温水は、制御手段21でコントロールされる中間混合弁14の混合比率に応じた量が中間出湯管13を介して出湯され、給湯混合弁16によって給湯設定温度の湯として給湯される。
【0031】
このように、暖房運転と給湯運転の併用運転時には、ヒートポンプ式加熱手段2では貯湯タンク1の下部から取り出した湯水を加熱することとなるので、暖房用熱交換器11で温度低下した温水よりも温度の低い湯水を加熱することとなり、ヒートポンプ式加熱手段2でのCOPが向上すると共に、暖房用熱交換器11で温度低下した温水を中間戻し管12を介して貯湯タンク1の中間部に戻し、暖房用熱交換器11で温度低下した温水の少なくとも一部を中間出湯管13を介して給湯に即利用することができ、熱交換後の温水の温度を有効に活用することで給湯と暖房のトータルで機器全体のエネルギー効率を向上させることができるものである。
【0032】
また、この実施例1においては、ヒーポン循環ポンプ6がヒーポン循環回路3のバイパス管9よりもヒートポンプ式加熱手段2側に設けられているため、貯湯運転と暖房運転とを一つのヒーポン循環ポンプ6で行うことが可能となる。
【0033】
また、入水管7から分岐された給水管15からの給水と、出湯管8からの出湯と、中間出湯管13からの出湯とを任意に混合して給湯する混合手段としての中間混合弁14および給湯混合弁16とを備えたので、暖房運転によって発生する中温水を最大限に利用することが可能となり、貯湯タンク内の高温水の使用量を抑えながら設定温度の給湯を行うことができる。なお、前記混合手段は中間混合弁14と給湯混合弁16に限定されるものではなく、中間混合弁14としてワックスサーモで混合比が自動調節される混合弁を用いたり、中間混合弁14の替わりに出湯管8および中間出湯管13の一方を選択的に開放する切換弁や、中間混合弁14と給湯混合弁16とを一つの駆動手段で駆動し一つのボディに組み込んだ混合手段でもよいものである。
【0034】
また、中間戻し管12よりも中間出湯管13が貯湯タンク1の高い位置に接続されているので、中間戻し管12から貯湯タンク1内に戻った温水が給湯運転によって貯湯タンク1の下部に流入してくる冷水によって押し上げられ、中間戻し管12から貯湯タンク1に戻った温水が効率的に中間出湯管13から出湯させられ、中温水を給湯に有効利用することができる。
【実施例2】
【0035】
次に、本発明の実施例2について説明する。なお、先の実施例1と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとする。
【0036】
この実施例2では、図2に示すように中間戻し管12の途中に貯湯タンク1側からの逆流を防止する逆流防止手段としての逆止弁22を設けたものである。この逆止弁22を設けることによって、暖房運転時にヒーポン戻り管5から貯湯タンク1に流入して中間戻し管12を逆流してヒートポンプ式加熱手段2に流通しようとする高温水の流れを阻害し、ヒートポンプ式加熱手段2に流入する温水温度の無駄な昇温を防止して、暖房運転時のヒートポンプ式加熱手段のCOP低下を抑えるものである。
【0037】
なお、前記逆流防止手段としては図3に示すように、バイパス管9と中間戻し管12との分岐点に設けたバイパス切換手段23でもよいものである。このバイパス切換手段23は前記制御手段21によりコントロールされる電動三方弁より構成され、温水の流通先を前記バイパス管9の下流側か前記中間戻し管12かを切換えるようしている。また、バイパス切換手段23として、中間戻し管12に開閉弁を設けるようにしてもよいものである。このようにバイパス切換手段23を設けることで、確実に温水の流通方向をコントロールすることが可能となり、暖房運転時にヒーポン戻り管5から貯湯タンク1に流入して中間戻し管12を逆流してヒートポンプ式加熱手段2に流通しようとする高温水の流れを阻害し、ヒートポンプ式加熱手段2に流入する温水温度の無駄な昇温を防止して、暖房運転時のヒートポンプ式加熱手段のCOP低下を抑えるものである。
【実施例3】
【0038】
次に、本発明の実施例3について説明する。なお、先の実施例1および2と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとする。
【0039】
この実施例2では、図4に示すようにバイパス管9のバイパス切換手段23よりも上流側に暖房用循環ポンプ24を設けた。そして、この暖房用循環ポンプ24の駆動により、ヒーポン戻り管5を介して取り出す貯湯タンク1の上部に貯まっている高温水を暖房用熱交換器11に循環させることができ、ヒートポンプ式加熱手段2が何らかの理由にて停止している時などにも一時的に暖房を行うことが可能となる。ここで、暖房用熱交換器11で熱交換して温度低下した温水は、バイパス切換手段23および中間戻し管12を介して貯湯タンク1の中間部に戻し、次回の給湯時に中間出湯管13から出湯させることができるものである。
【0040】
なお、前記暖房用循環ポンプ24は図5に示すようにバイパス管9の暖房用熱交換器11の上流側に設けてもよいものである。
【実施例4】
【0041】
次に、本発明の実施例4について説明する。なお、先の実施例1〜3と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略することとする。
【0042】
この実施例4では、図6に示すように中間戻し管12に暖房用循環ポンプ24を設けた。そして、バイパス切換手段23を中間戻し管12側に切換えると共に、暖房用循環ポンプ24を駆動することにより、ヒーポン戻り管5を介して取り出す貯湯タンク1の上部に貯まっている高温水を暖房用熱交換器11に循環させることができ、ヒートポンプ式加熱手段2が何らかの理由にて停止している時などにも暖房を行うことが可能となる。ここで、暖房用熱交換器11で熱交換して温度低下した温水は、バイパス切換手段23および中間戻し管12を介して貯湯タンク1の中間部に戻し、次回の給湯時に中間出湯管13から出湯させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例1の概略構成図。
【図2】本発明の実施例2の概略構成図。
【図3】同実施例2の変形例の概略構成図。
【図4】本発明の実施例3の概略構成図。
【図5】同実施例3の変形例の概略構成図。
【図6】本発明の実施例4の概略構成図。
【符号の説明】
【0044】
1 貯湯タンク
2 ヒートポンプ式加熱手段
3 ヒーポン循環回路
6 ヒーポン循環ポンプ
7 入水管
8 出湯管
9 バイパス管
10 循環切換手段
11 暖房用熱交換器
12 中間戻し管
13 中間出湯管
14 中間混合弁
15 給水管
16 給湯混合弁
22 逆止弁
23 バイパス切換手段
24 暖房用循環ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入水管と出湯管が接続され湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱するヒートポンプ式加熱手段と、前記貯湯タンクと前記ヒートポンプ式加熱手段とを湯水が循環可能に接続するヒーポン循環回路と、前記ヒーポン循環回路に設けられ湯水を循環させるヒーポン循環ポンプと、前記ヒーポン循環回路に循環切換手段を介して接続され前記ヒーポン循環回路をバイパスするバイパス管と、前記バイパス管途中に設けられ放熱部へ循環する循環水を加熱するための暖房用熱交換器とを備え、前記ヒートポンプ式加熱手段で加熱された温水を前記暖房用熱交換器に循環させるようにした貯湯式給湯暖房装置において、前記バイパス管の前記暖房用熱交換器の下流から分岐して前記貯湯タンクの中間位置に連通する中間戻し管を接続すると共に、前記貯湯タンクの中間位置に中間出湯管を接続したことを特徴とする貯湯式給湯暖房装置。
【請求項2】
入水管と出湯管が接続され湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱するヒートポンプ式加熱手段と、前記貯湯タンクと前記ヒートポンプ式加熱手段とを湯水が循環可能に接続するヒーポン循環回路と、前記ヒーポン循環回路に設けられ湯水を循環させるヒーポン循環ポンプと、前記ヒーポン循環回路に循環切換手段を介して接続され前記ヒーポン循環回路をバイパスするバイパス管と、前記バイパス管途中に設けられ放熱部へ循環する循環水を加熱するための暖房用熱交換器とを備え、前記ヒートポンプ式加熱手段で加熱された温水を前記暖房用熱交換器に循環させるようにした貯湯式給湯暖房装置において、前記バイパス管の前記暖房用熱交換器の下流から分岐して前記貯湯タンクの中間位置に連通する中間戻し管を接続すると共に、前記貯湯タンクの中間位置に中間出湯管を接続し、貯湯運転時は前記循環切換手段を前記ヒートポンプ式加熱手段と前記貯湯タンクとで循環するように切換え、暖房運転時は前記循環切換手段を前記ヒートポンプ式加熱手段と前記暖房用熱交換器とで循環するように切換え、暖房と給湯とが同時に使用された時は前記中間戻し管から前記貯湯タンクに戻した湯水の少なくとも一部を前記中間出湯管から出湯させて給湯するようにしたことを特徴とする貯湯式給湯暖房装置。
【請求項3】
前記中間戻し管に前記貯湯タンク側からの逆流を防止する逆流防止手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の貯湯式給湯暖房装置。
【請求項4】
前記逆流防止手段として逆止弁を用いたことを特徴とする請求項3記載の貯湯式給湯暖房装置。
【請求項5】
前記逆流防止手段として、前記バイパス管と前記中間戻し管との分岐点に、温水の流通先を前記バイパス管の下流側か前記中間戻し管かを切換える三方弁を用いたことを特徴とする請求項3記載の貯湯式給湯暖房装置。
【請求項6】
前記ヒーポン循環ポンプは前記ヒートポンプ式加熱手段と前記バイパス管との間の前記ヒーポン循環回路途中に設けられていることを特徴とする請求項1〜5に記載の貯湯式給湯暖房装置。
【請求項7】
前記請求項6のものに、さらに前記バイパス管途中に暖房用循環ポンプを設けたことを特徴とする貯湯式給湯暖房装置。
【請求項8】
前記請求項6のものに、さらに前記中間戻し管途中に暖房用循環ポンプを設けたことを特徴とする貯湯式給湯暖房装置。
【請求項9】
前記入水管から分岐された給水管からの給水と、前記出湯管からの出湯と、前記中間出湯管からの出湯とを任意に混合して給湯する混合手段を備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の貯湯式給湯暖房装置。
【請求項10】
前記混合手段は、前記出湯管からの出湯と前記中間出湯管からの出湯とを混合する中間混合弁と、この中間混合弁からの出湯と前記給水管からの給水とを混合する給湯混合弁とからなることを特徴とする請求項9記載の貯湯式給湯暖房装置。
【請求項11】
前記中間戻し管よりも前記中間出湯管が前記貯湯タンクの高い位置に接続されていることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の貯湯式給湯暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−10187(P2006−10187A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186983(P2004−186983)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】