説明

貯蔵安定性であるα−シリル末端ポリマーの水性エマルジョン、該エマルジョンの製造および該エマルジョンの使用

本発明は、一つまたは複数の一般式(I):


で示されるポリマーから構成され、貯蔵安定性である水性エマルジョンに関する。式中、Rは、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、RおよびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、RおよびRは、互いに独立して有機二価連結基であり、Rは、疎水性二価ポリマー基であり、およびRは、CHSiR(OR)(OR)基[式中、R、RおよびRは、上記と同義である。]であるか、またはRは、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する。本発明によれば、該エマルジョンは、2〜11のpHおよび該エマルジョンの総重量に基づいて40〜95重量%の固形分を有し、および該エマルジョンは、水中油エマルジョンを形成し得る一つまたは複数の陰イオン性乳化剤および/または非イオン性乳化剤を含んでなる。Rが、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する場合、該乳化剤の少なくとも一部は、式(I)で示されるポリマーに置き換えられ、該エマルジョンは、該エマルジョンの水性画分を、乳化剤と一般式(I)で示されるポリマーとの混合物に添加することにより得ることができる。また、本発明は、該エマルジョンの製造方法、および接着剤、コーキングコンパウンド、表面被覆材料およびポリマー成型コンパウンドとしての該エマルジョンの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α−シリル末端ポリマーの貯蔵安定性水性エマルジョン、それらの製造および接着剤、シーリングコンパウンドおよび被覆材料としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
シリル末端湿気硬化性ポリマー化合物は、建設産業および自動車産業において、被覆材料、シーリングコンパウンドおよび接着剤として益々使用されてきている。このような用途のために、伸びおよび接着能力ならびに硬化速度に関して厳しい要件が設定されている。さらに、このようなシリル末端ポリマーは、しばしば、それらから製造されるシーリングコンパウンド、被覆材料または接着剤に優れた水安定性および熱安定性を与える撥水性を有する。
【0003】
アルコキシシラン末端ポリマーは、先行技術から既知であり、および軟質弾性シーリングコンパウンド、被覆材料および接着剤として利用される。
したがって、アルコキシシラン末端湿気硬化性1成分ポリウレタンは、欧州特許EP−B0549626中に記載され、そこでは、例えば、コーキングコンパウンドとしての使用が見出されている。開示された化合物は、長期貯蔵後でさえも迅速な表皮形成を示し、および迅速にタックフリーになる。しかしながら、記載された化合物の欠点は、それらは水分の非存在下で保存しなければならず、および貯蔵の長期間に亘って、特性の不可逆的変化の危険性が存在することである。
【0004】
過去において、この欠点を解消するために、シリル末端ポリマーのエマルジョンを製造するための実験を行った。
被覆剤用のアルコキシシランを含む水性ポリウレタン分散体は、米国特許US5919860および米国特許US5041494に記載されている。ここで、該ポリウレタンは、イオン性基で変性されている。
【0005】
しかしながら、記載されたエマルジョンは、大抵、低固形分を有する。このようなエマルジョンを接着結合性吸収材料に使用する場合、高い含水量は、基材に対する水の高負荷を導く。例えば、紙接着剤において、これは、所望されない基材の形状変化を導き得る。
【0006】
国際公開WO91/08244は、例えば、アルコキシシリル末端ポリウレタンを含む石材保護剤に関する。しかしながら、記載されたエマルジョンのポリマー含量は、非常に低く、5重量%と30重量%との間である。記載されたエマルジョンは、機械的弾性被覆剤またはシーラントまたは接着剤の製造において、表面被覆剤として有用ではない。
先行技術から既知のシリル末端ポリマーのエマルジョンの大部分に関係する問題は、低固形分しか製造することができないことである。しかしながら、このような低固形分は、基材に対する水の影響の欠点に加えて、一連の欠点(例えば、非吸収基材の非常に遅い接着)に関連する。
【0007】
これらの欠点を解消する一つの可能性が、国際公開WO00/35981中に開示されている。これは、高固形分を有するシリル末端ポリマーのエマルジョンを提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これまでの先行技術には比較的遅い反応性のγ−シリル末端ポリマーの分散体またはエマルジョンのみが開示されている。したがって、本発明の目的は、高固形分に加えて、これまで達成されなかった貯蔵安定性を示す、顕著に高い反応性のα−シリル末端ポリマーの水性エマルジョンを提供することであった。以下、用語「固形分」は、エマルジョン中の水の重量分率を割り引いたエマルジョンの総重量に基づくエマルジョン成分の重量%画分として理解される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本目的は、一つまたは複数の一般式(I):
【0010】
【化1】

【0011】
〔式中、
は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、
およびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
およびRは、互いに独立して有機二価連結基であり、
は、疎水性二価ポリマー基であり、および
は、CHSiR(OR)(OR)基
[式中、R、RおよびRは、上記と同義である。]
であるか、またはRは、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する。〕
で示されるポリマーの貯蔵安定性水性エマルジョンであって、
該エマルジョンは、2〜11のpHおよび該エマルジョンの総重量に基づいて40〜95重量%の固形分を有し、および
該エマルジョンは、水中油エマルジョンを形成し得る一つまたは複数の陰イオン性乳化剤および/または非イオン性乳化剤を含んでなり、および
が、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する場合、該乳化剤の少なくとも一部は、式(I)で示されるポリマーに置き換えられる、エマルジョンを提供することによって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
このようなエマルジョンは、該エマルジョンの水性画分と、乳化剤と一般式(I)で示されるポリマーとの混合物を混合することにより利用可能になる。
【0013】
一般式(I)中、Rは、好ましくは、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを意味し、およびRおよびRは、好ましくは、互いに独立してメチルまたはエチルを意味する。特に好ましくは、Rはメチルまたはメトキシを意味し、およびRおよびRはメチルを意味する。反応性および架橋性の増大が所望される場合、トリメトキシ化合物が好ましい。
【0014】
およびRは、互いに独立して任意の二価連結基を示し得る。本発明全体を通じて使用される用語「二価」は、問題の基が、それに隣接する2つの基に結合するための原子価を有することを意味する。これは、例えばRに関して、この基がRおよびRのそれぞれに結合するための原子価を有することを意味する。しかしながら、それにも関わらず、R基は、さらに分枝した基でもあり得る。また、これはRおよびR基の場合にも当てはまる。
【0015】
例えば、イソシアネート末端α−シランがヒドロキシ末端ポリマーに直接結合する場合、最も簡単なR基の一つが生じる。この場合、連結基Rはウレタン基である。しかしながら、α−シランと式(I)で示されるポリマーのポリマー骨格との間接的連結も考えられ得る。したがって、R基はまた、α−シランの官能基との共有結合反応およびポリマー骨格との共有結合反応の両方が可能である連結分子から形成され得る。したがって、例えば、ジイソシアネートは、アミノシランと反応して尿素基を形成し、およびヒドロキシ末端ポリマーと反応してウレタン基を形成し得る。これにより、尿素およびウレタン基を含む二価連結基Rが形成される。同様に、α−シランの連結に関する記述は、R基についても当てはまる。
【0016】
本発明において、尿素基および/またはウレタン基を含む連結基RおよびRが好ましい。しかしながら、連結基RおよびRは、任意の他の官能基を含み得、またはそれらから形成され得る。したがって、例えば、エステル基またはアミド基は、ポリマー骨格Rに対するシランおよび/またはR基の連結に関与し得る。
【0017】
およびR基は、特に好ましくは−NR−(CO)−R10−基〔式中、R10基はRに結合しており、Rは、水素、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基、4〜6個の炭素原子を含有するシクロアルキル基または5〜10個の炭素原子を含有するアリール基を意味し、およびR10は、単結合または−NR11−R12−基[式中、R12基は、Rに結合しており、R11は、水素、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基、4〜6個の炭素原子を含有するシクロアルキル基または5〜10個の炭素原子を含有するアリール基を意味し、およびR12は、−R13−(NH)−(CO)−基(式中、rは0または1であり、R13は、6〜11個の炭素原子を含有するアルキルアリール基、6〜11個の炭素原子を含有するアラルキル基、または5〜10個の炭素原子を含有するアリール基を意味し、CO基はRに結合している。)を意味する。]を意味する。〕を意味する。
【0018】
およびRは、特に好ましくは、互いに独立して式(II):
【0019】
【化2】

【0020】
〔式中、Rに対する結合は、ウレタン基を介して生じ、および
14は、水素、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基、4〜6個の炭素原子を含有するシクロアルキル基または5〜10個の炭素原子を含有するアリール基を意味する。〕
で示される基を意味する。
【0021】
基は、疎水性ポリマーの二価基を意味する。疎水性ポリマーは、本質的に水に不溶性のポリマーを意味すると理解される。R基は、ポリアルキレングリコール(例えばポリプロピレングリコール)の二価基、ポリテトラヒドロフラン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテルポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクタム、ポリカプロラクトン、ポリブタジエン、ポリアルキレン(例えばポリエチレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリエーテルケトン、エポキシ樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン、ポリシロキサンの二価基、または上記ポリマーのモノマーのコポリマーの二価基、例えばエチレン/α−オレフィンコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/アクリロニトリルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマーの二価基を意味する。コポリマーは、少なくとも2つの異なるモノマー(上記ポリマーが基づくもの)の任意の構造タイプのコポリマー、例えば、ブロックコポリマー、統計コポリマーまたは傾斜コポリマーを意味すると理解される。異なるポリマーフラグメント、例えばブロックコポリマー中の個々のブロックは、このように有機二価連結基を通じて連結され得る。RおよびRで定義される基は、有機二価連結基としてとりわけ適当である。少量の親水性モノマー、オリゴマーまたはポリマーも、Rに基づくポリマーの全体的な疎水性が保持される限り、R基中に重合することができる。
【0022】
基礎ポリマーの分子量範囲は、広範に変動し得、および本質的に制限されない。それは、主としてポリマーの加工性に依存する。高粘性ポリマーの加工は、例えば、適当な溶媒の添加により可能になり得る。
【0023】
これらのタイプのポリマーの製造は、一般的に、当業者によって使用され、および例えば独国特許出願公開DE19958525A1中に記載されている。これらのポリマーは、通常、ポリマーの反応性α,ω−末端基を使用して、連結基RおよびRを介してシリル基またはR基に連結する。例えば、α,ω−位にポリマーがOH基またはNH基を有する場合、それは、例えば、シランのNCO、ハロゲン化物、オキシラン、酸無水物または酸ハロゲン化物基、またはR基に基づく分子のそれらの基、あるいは連結要素RおよびRに基づく連結分子の対応する基と反応し得る。
【0024】
は、好ましくは二価ポリアルキレングリコール基、特にポリプロピレングリコール基、ポリエステル基またはポリテトラヒドロフラン基である。また、エマルジョンにより生じる接着結合が、非多孔基材に関して高い引張剪断強度を有することが意図される場合、ポリエステル基およびポリテトラヒドロフラン基は特に好ましい。長期安定性に関して、式(I)で示されるポリアルキレングリコールベースのポリマーが好ましい。
【0025】
本発明のエマルジョンは、陰イオン性乳化剤および/または非イオン性乳化剤を含む。使用される乳化剤は、水中油エマルジョンの製造に適当でなければならない。Roempp Chemie Lexikon(増補改訂第9版、Georg Thieme Verlag、シュトゥットガルト、第3巻(1995)、第1812〜1813頁)にしたがって、これらは、本質的に8〜18の親水性−親油性バランス(HLB価)を有する乳化剤である。HLB価は、界面活性剤の水−または油−溶解性の尺度であると理解される。界面活性剤混合物または乳化剤混合物のHLB価は、その成分の合計した値から計算することができる。市販の乳化剤のHLB価の包括的なリストは、例えば、Fiedler、Lexikon der Hilfsstoffe fuer Pharmazie、Kosmetik oder angrenzende GebieteまたはKirk−Othmer(3)8、第910〜918頁中に見出すことができる。本発明において、乳化剤は、8〜15のHLB価を有するものが好ましい。
【0026】
例示的な陰イオン性乳化剤は、アルキルスルフェート、特に約8〜約18個の炭素原子の鎖長を有するもの、分子の疎水性基中に約8〜18個の炭素原子を含有し、分子の親水性部分中に1〜約40個のエチレンオキシド(EO)またはプロピレンオキシド(PO)単位またはそれらの混合物を含有するアルキルおよびアルカリルエーテルスルフェート、スルホネート、特に約8〜18個の炭素原子を含有するアルキルスルホネート、タウリド、スルホコハク酸と4〜約15個の炭素原子を含有する一価アルコールまたはアルキルフェノール(これは必要に応じて1〜約40個のEO単位でエトキシル化され得る)とのエステルおよび半エステル、カルボン酸(例えば約8〜約32個の炭素原子を含有する脂肪酸または樹脂酸またはそれらの混合物)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、リン酸の部分エステルおよびそれらのアルカリ金属およびアンモニウム塩である。しかしながら、有機基中に約8〜約22個の炭素原子を含有するアルキルおよびアルカリルホスフェイト、アルキルまたはアルカリル基中に約8〜約22個の炭素原子および1〜約40個のEO単位を含有するアルキルエーテルまたはアルカリルエーテルホスフェイトを、陰イオン性乳化剤として用いることができる。アルキルエーテルスルフェートのアルカリ金属塩が好ましい。特に好ましい陰イオン性乳化剤は、FESシリーズのDisponile(Cognis)、例えば32IS、993IS、77ISおよび61IS等である。陰イオン性乳化剤を、個々に、または陰イオン性乳化剤の混合物として、または非イオン性乳化剤との混合物として用いることができる。
【0027】
例示的な非イオン性乳化剤は、例えば、約8〜約20%のアセテート単位および約200〜約5000の重合度をさらに有するポリビニルアルコール、アルキルポリグリコールエーテル、好ましくは約8〜約40個のEO単位および約8〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基を有するもの、アルキルアリールポリグリコールエーテル、好ましくは約8〜約40個のEO単位およびアルキルまたはアリール基中に約8〜約20個の炭素原子を有するもの、エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO−PO)ブロックコポリマー、好ましくは約8〜約40個のEOまたはPO単位を有するもの、約8〜22個の炭素原子を有するアルキル基を含有するアルキルアミンとエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとの付加生成物、約6〜約32個の炭素原子を含有する脂肪酸または樹脂酸、該剤中に平均約8〜約24個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の飽和または不飽和アルキル基および約1〜約10個のヘキソース−またはペントース単位を有するオリゴグリコシド基を含有するアルキルポリグリコシドまたはそれらの二以上の混合物、天然生成物およびそれらの誘導体、例えばレシチン、ラノリン、サルコシン、セルロース、セルロースアルキルエーテルおよびカルボキシアルキルセルロース(これらのアルキル基は、各々1〜約4個の炭素原子を有する)、極性基を含む直鎖状有機(ポリ)シロキサン、特に約24個までの炭素原子を含有するアルコキシ基および約40個までのEOまたはPO基を有するものである。アルコキシル化(特にエトキシル化)脂肪アルコールは、特に好ましい非イオン性乳化剤である。非イオン性乳化剤は、単独で、または非イオン性乳化剤の混合物として、あるいは陰イオン性乳化剤との混合物として、用いることができる。
【0028】
好ましい本発明の実施態様において、以下の乳化剤を用いる:C1214−脂肪アルコールエーテルスルフェートのアルカリ金属塩(特にNa塩)、アルキルフェノールエーテルスルフェート、特にそれらのアルカリ金属またはNH塩、Nan−ドデシルスルフェート、ジ−Kオレイン酸スルホネート(C18)、Nan−アルキル(C10−C13)−ベンゼンスルホネート、Na2−エチルヘキシルスルフェート、NHラウリルスルフェート(C8/14)、Naラウリルスルフェート(C12/14)、Naラウリルスルフェート(C12/16)、Naラウリルスルフェート(C12/18)、Naセチルステアリルスルフェート(C16/18)、Naオレイルセチルスルフェート(C16/18)、ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、C12/14脂肪アルコールエトキシレート、オレイルセチルエトキシレート、C16/18−脂肪アルコールエトキシレート、セチルステアリルエトキシレート、エトキシル化トリグリセリド、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタン−20EO−モノオレエート、ソルビタン−20EO−モノステアレート、スルホコハク酸モノエステルジ−Na塩、脂肪アルコールスルホスクシネートジ−Na塩、ジアルキルスルホスクシネートNa塩またはジ−Naスルホスクシナメートまたはそれらの二以上の混合物。同様に、陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の混合物、混合非イオン性界面活性剤、アルキルアリールエーテルホスフェイトおよびそれらの酸エステル、ジヒドロキシステアリン酸NH塩、イソ−エイコサノール、アリールポリグリコールエーテル、グリセリンモノステアレートを用いることができる。特に好ましい非イオン性乳化剤は、AシリーズからのDisponile(Cognis)、例えば3065および4065である。
非イオン性乳化剤、または一つまたは複数の陰イオン性乳化剤と、一つまたは複数の非イオン性乳化剤との混合物の使用が非常に特に好ましい。
【0029】
非イオン性乳化剤のなかでも、特に好ましい群は、一般式(III):
【0030】
【化3】

【0031】
〔式中、Rは、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、RおよびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、Rは、有機二価連結基であり、およびRは、水中で水中油型乳化剤として作用する特性を一般式(III)で示される化合物に与える基を意味する。〕
で示すことができる。
【0032】
は、好ましくは、8〜18(好ましくは8〜15)のHLB価を有する化合物から誘導される基を意味する。Rは、特に好ましくは、[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−R基〔式中、n、mおよびRは、対応するアミンHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−RのHLB価が8〜15の範囲になるように選択され、およびRは、脂肪族基、ヒドロキシル基またはアミノ基である。〕を意味する。一般式(III)で示される乳化剤の製造に適当なHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−Rで示されるアミンは、例えば、13のHLB価を有するJeffamin M2070(Huntsman;n=10、m=31、R=メチル)である。
【0033】
これらの乳化剤は、接着剤、シーラントおよび被覆剤の硬化反応の間、アルコキシ基の部分または完全加水分解によって硬化ネットワークに組み込まれ得るので、それらは、反応性乳化剤と呼ばれ得る。他の系も使用することができるが、特に式(I)で示されるポリエステル−およびポリテトラヒドロフラン−ベースのポリマーを使用する場合、反応性乳化剤の使用が好ましい。
本発明のエマルジョンの乳化剤含量は、エマルジョンの総重量に基づいて、好ましくは25重量%未満、より好ましくは20重量%未満、特に好ましくは15重量%未満である。
【0034】
好ましい本発明の実施態様において、添加される一般式(I)で示されるポリマーが、式中のR基が水中で水中油エマルジョンを形成する特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味するポリマーに関する場合、エマルジョンの乳化剤画分はゼロになり得る。
【0035】
式(I)中のRは、好ましくは、8〜18(好ましくは8〜15)のHLB価を有する化合物から誘導される基を意味する。式(I)中のRは、特に好ましくは、−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−R〔式中、n、mおよびRは、対応するアミンHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−Rの親水性−親油性バランス価が8〜15の範囲になるように選択され、およびRは、脂肪族基、ヒドロキシル基またはアミノ基である。〕を意味する。一般に、このようなR基を有するポリマーを含むエマルジョンは、自己乳化特性を示し、および大抵、さらなる陰イオン性乳化剤および/または非イオン性乳化剤を必要としない。
【0036】
その結果として、本発明は、一般式(I):
【0037】
【化4】

【0038】
〔式中、
は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、
およびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
およびRは、互いに独立して有機二価連結基であり、
は、疎水性二価ポリマー骨格であり、および
は、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する。〕
で示されるα−シリル末端ポリマーも提供する。
【0039】
式(I)中のRは、好ましくは、8〜18(好ましくは8〜15)のHLB価を有する化合物から誘導される基を意味する。式(I)中のRは、特に好ましくは、−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−R〔式中、n、mおよびRは、対応するアミンHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−Rの親水性−親油性バランス価が8〜15の範囲になるように選択され、およびRは、脂肪族基、ヒドロキシル基またはアミノ基である。〕を意味する。
【0040】
特に好ましい本発明の実施態様において、一般式(I)で示されるポリマーを含むエマルジョンが提供される。ここで、一般式(I)中、Rは、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを意味し、およびRおよびRは、互いに独立してメチルまたはエチルを意味し、RおよびRは、互いに独立して尿素基および/またはウレタン基を含んでなる二価連結基を意味し、Rは、二価ポリテトラヒドロフランまたはポリエステル基を意味し、およびRは、−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−R基〔式中、n、mおよびRは、対応するアミンHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−Rの親水性−親油性バランス価が8〜15の範囲になるように選択され、およびRは、脂肪族基、ヒドロキシル基またはアミノ基である。〕を意味する。
【0041】
本発明のエマルジョンは、2〜11のpHを有する。好ましくは、基材に損傷を与えないため、pHを3〜10、好ましくは4〜9およびより好ましくは弱酸領域中の4〜6に調整する。特に、貯蔵安定性の自己乳化ポリマーおよび/または反応性乳化剤を含んでなる系を製造するためには、4〜7(更に良好には4〜6)のpHが有利であることが証明された。pHは、例えば、従来の緩衝物質を使用することによって安定化され得、および有機または無機の酸および塩基によって調整され得る。
【0042】
一般式(I)で示される必須の化合物および非イオン性および/または陰イオン性乳化剤に加えて、本発明のエマルジョンは、添加剤として、一つまたは複数の成分を含み得る。また、これらの添加剤は、必要に応じて40〜95重量%、好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは70〜95重量%または80〜95重量%の固形分に寄与し得る。これらとしては、例えば、充填剤、顔料、保護コロイド、pH調整剤(例えば有機および無機の酸および塩基等)、緩衝物質、接着促進剤(例えば低分子量シラン等)、粘着付与剤、触媒、皮膜形成剤、可塑剤、レドックス安定剤、UV安定剤または粘度調整剤が挙げられる。上記添加剤の組成は顕著に異なり得るので、通常、本発明のエマルジョンの安定性を損なわず、およびエマルジョンの必須成分に対してできるだけ不活性であるものが選択される。
【0043】
したがって、本発明のエマルジョンは、70重量%まで、例えば約30重量%までの充填剤を含み得る。適当な充填剤の例は、シランに対して不活性である無機化合物、例えば二酸化チタン、チョーク、石灰粉、沈降シリカ、焼成シリカ、ゼオライト、ベントナイト、鉱物粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ガラス繊維ならびに当業者に既知のさらなる無機充填剤、ならびに有機充填剤、特に短繊維または中空プラスチックビーズである。必要に応じて、調製物にチキソトロピーを与える充填剤、例えば膨潤性プラスチック様PVCを添加することができる。
【0044】
特定の実施態様において、表面変性充填剤も用いることができる。
通常、全ての有機および無機顔料は、それらがエマルジョンの成分と相互作用することによってエマルジョンを不安定にしない限り、顔料として使用することができる。例えば、微粉化シリカ(Aerosils、例えばR202、Aeroxides、例えばT05またはSipernats、例えばS22)を使用することができる。
【0045】
ポリビニルアルコール(例えばMowiols、例えば5−88または4−88)、メチルセルロースおよびメチルセルロース誘導体(例えばCulminal)またはポリビニルピロリドンおよびその酢酸ビニルとのコポリマー(例えばLuviskols、例えばVA64)を、例えば保護コロイドとして、用いることができる。
【0046】
本発明のエマルジョンに悪影響を与えない基本的に全ての無機および有機の酸および塩基は、適当なpH調整剤である。例えば、炭酸水素ナトリウムまたは水酸化ナトリウムは、塩基性pH(pH>7)に調整するのに適当であり、酸性pH(pH<7)への調整は、例えば、塩酸を用いて行う。本発明のエマルジョンは、必要であれば、エマルジョン全体に基づいて約10重量%までの量、例えば約1〜約5重量%または約0.01〜約1重量%の量で、pH調整剤を含む。
【0047】
さらに、典型的な緩衝液系、例えばリン酸塩緩衝液またはクエン酸塩緩衝液系等も用いることができる。
適当な例示的な接着促進剤は、200未満の分子量および一以上のシラン基を有する低分子量シランである。
【0048】
本発明の調製物は、約50重量%までの慣習的な粘着付与剤を含み得る。例示的な粘着付与剤は、樹脂、テルペンオリゴマー、クマロン/インデン樹脂、脂肪族化合物、石油化学系樹脂および変性フェノール樹脂である。本発明において、例えば、炭化水素樹脂(例えばテルペン、主としてピネン、ジペンテンまたはリモネンを重合することによって得られるもの)が適当である。通常、これらのモノマーは、フリーデル−クラフツ触媒を用いて開始することでカチオン重合される。テルペンと他のモノマー(例えばスチレン、イソプレンなど)とのコポリマーは、テルペン樹脂の中に数えられる。上記樹脂は、例えば、感圧接着剤および被覆材料のための粘着付与剤として使用される。テルペンまたはコロホニウムへのフェノールの酸触媒付加によって製造されるテルペン−フェノール樹脂も適当である。テルペン−フェノール樹脂は、大部分の有機溶媒および油に溶解性であり、および他の樹脂、ワックスおよびゴムと混和性である。本発明において、コロホニウム樹脂およびそれらの誘導体(例えばそれらのエステルまたはアルコール)は、同様に、上記の意味における添加剤として適当である。さらなる例は、国際公開WO93/23490中に見出すことができる。
【0049】
さらに、本発明の調製物は、約10重量%までの、硬化速度を制御するための触媒を含み得る。適当な例示的な触媒は、有機金属化合物、例えば鉄または錫化合物、特に鉄または2または4価錫の1,3−ジカルボニル化合物、特にSn(II)カルボキシレートまたはジアルキルSn(IV)ジカルボキシレートまたは対応するジアルコキシレート、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫マレエート、錫(II)オクトエート、錫(II)フェノラートまたは2もしくは4価錫のアセチルアセトネート等である。
【0050】
適当な可塑剤の例は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルコールのエステル、例えばアビエチン酸エステル、アジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、安息香酸エステル、酪酸エステル、酢酸エステル、約8〜約44個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のエステル、OH基を有する脂肪酸またはエポキシド化脂肪酸のエステル、脂肪酸エステルおよび脂肪、グリコール酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル、プロピオン酸エステル、セバシン酸エステル、スルホン酸エステル、チオ酪酸エステル、トリメリト酸エステル、クエン酸エステルならびにニトロセルロースおよびポリ酢酸ビニルに基づくエステル、ならびにそれらの二以上の混合物である。二官能性脂肪族ジカルボン酸の非対称エステル、例えば、アジピン酸モノオクチルエステルと2−エチルヘキサノールとのエステル化生成物(Edenol DOA、Henkel、デュッセルドルフ)は、特に適当である。単官能直鎖状または分枝状C16アルコールの純粋なまたは混合エーテル、またはこのようなアルコールの二以上の異なるエーテルの混合物、例えばジオクチルエーテル(Cetiol OE(Henkel、デュッセルドルフ)として入手可能)も、可塑剤として適当である。さらに、ブロックト末端基を有するポリエチレングリコールまたはジウレタンも使用することができる。
【0051】
さらに、本発明の調製物は、約10重量%までの、特に約1重量%までのレドックス安定剤または抗酸化剤を含み得る。
【0052】
本発明の調製物は、約5重量%までの、例えば約1重量%のUV安定剤を含み得る。ヒンダードアミン光安定剤(HALS)は、UV安定剤として特に適している。本発明の範囲において、本発明の調製物は、場合により、シラン基を有し、および架橋または硬化の間に最終生成物に結合するようになるUV安定剤を含む。製品Lowilite 75およびLowilite 77(Great Lakes、米国)は、このために特に適当である。
【0053】
また、本発明は、本発明のエマルジョンの製造方法も利用可能にする。該方法は、まず、一つまたは複数の一般式(I):
【0054】
【化5】

【0055】
〔式中、
は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、
およびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
およびRは、互いに独立して有機二価連結基であり、
は、疎水性二価ポリマー基であり、および
は、CHSiR(OR)(OR)基
[式中、R、RおよびRは、上記と同義である。]
であるか、またはRは、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する。〕
で示される一つまたはそれ以上のポリマーと、水中油エマルジョンを形成し得る一つまたは複数の陰イオン性乳化剤および/または非イオン性乳化剤との混合物を製造する。ここで、Rが、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する場合、該乳化剤の少なくとも一部は、式(I)で示されるポリマーに置き換えられる。
【0056】
さらなる工程において、水性エマルジョンの成分をこの混合物に添加する。ここで、pを、2〜11、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜9および更により好ましくは4〜6または7に調整し、および固形分を、エマルジョンの総重量に基づいて40〜95重量%に調整する。このように、貯蔵安定性水中油エマルジョンが得られる。
【0057】
さらなる非水性成分を、ポリマーと乳化剤または乳化剤の混合物との混合の間に添加することができる。水性成分、例えば水、緩衝液または水性pH調整剤は、式(I)で示されるポリマーを乳化剤と混合した後にのみ添加することが重要である。
【0058】
本発明において、「貯蔵安定性」は、23℃の温度にて、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも2週間、分離せずに貯蔵することができ、および貯蔵後、エマルジョンの製造直後に生じる接着結合と比較して、貯蔵しない場合の引張剪断強度の少なくとも20%に対応する引張剪断強度を示す接着結合を生じさせ得る本発明のエマルジョンの特性を意味すると理解される。しかしながら、本発明のエマルジョンは、通常、顕著により高い温度(40℃)にて、顕著により長い貯蔵安定性を示す(4〜6箇月の期間後に分離しない)。通常、数週間(例えば2週間)貯蔵したエマルジョンによって生じる接着結合の引張剪断強度の値は、エマルジョンを保存しないで得られる値の30%よりも大きく、大抵50%よりも大きい。
【0059】
さらなる局面において、本発明は、接着剤、シーラント、被覆剤およびポリマー化合物を製造するための本発明のエマルジョンの使用、または接着剤、シーラント、被覆剤およびポリマー化合物としてのそれらの使用を利用可能にする。特に、上記目的のための、本発明の自己乳化α−シリル末端ポリマーおよび/または本発明の反応性乳化剤を含むこのようなエマルジョンの使用は、好ましい。
【0060】
本発明のエマルジョンは、表面被覆、接着剤およびシーラントの分野における広範囲の用途に適当である。本発明のエマルジョンは、例えば、触圧接着剤、1成分接着剤、2成分接着剤、構造接着剤、接着スプレー、接着スティック、シーラント、特に目地シーリングコンパウンドとして、および表面シーリングのために、特に適当である。
したがって、また、本発明の主題は、接着剤、シーラント、表面被覆剤、充填配合物としての、または成形品を製造するための、本発明のエマルジョンの使用である。
【0061】
例えば、本発明のエマルジョンおよび本発明の自己乳化α−シリル末端ポリマーは、プラスチック、金属、鏡、ガラス、セラミック、鉱物基礎製品、木材、革製品、繊維製品、紙、段ボールおよびゴムのための接着剤として適当である。ここで、該材料は、各々、それら自身に、または任意の他の材料に接着し得る。
本発明の実施態様において、本発明のエマルジョンは、例えば、接着スプレーとして処方される。この目的のために、本発明の調製物は、適当な推進剤と共に、適当なスプレー缶中に導入される。
【0062】
さらなる本発明の実施態様において、本発明のエマルジョンは、接着スティックとして処方される。このために、適当な増粘剤を、本発明のエマルジョンに添加する。適当な例示的な増粘剤は、Carbopol 672(BF Goodrich)、Softisan Gel(Contensio)、Aerosil(Degussa)、Sipernat(Degussa)、Rilanit HT extra(Henkel)、Rilanit spez.micro.(Henkel)、Cutina HR(Henkel)、GENUVISCO carrageen TPH−1(Hercules)、Klucel MF(Hercules)、Millithix 925(Milliken)、Rheolate 204(Rheox)、Disorbene LC(Roquette)、Disorbene M(Roquette)、Permutex RM 4409(Stahl)、Stockosorb(Stockhausen)、FAVOR PAC 230(Stockhausen)、T 5066(Stockhausen)、Wacker HDK H2000(Wacker)およびWacker HDK V 15(Wacker)である。
【0063】
さらに、本発明のエマルジョンおよび本発明の自己乳化α−シリル末端ポリマーは、例えば、プラスチック、金属、鏡、ガラス、セラミック、鉱物基礎製品、木材、革製品、繊維製品、紙、段ボールおよびゴムのための接着剤として適当である。ここで、材料は、各々、それら自身に、または任意の他の材料に接着し得る。
【0064】
また、例えば、本発明のエマルジョンおよび本発明の自己乳化α−シリル末端ポリマーは、プラスチック、金属、鏡、ガラス、セラミック、鉱物、木材、革製品、繊維製品、紙、段ボールおよびゴムからなる表面のための表面被覆剤としても使用することができる。
【0065】
また、本発明のエマルジョンおよび本発明の自己乳化α−シリル末端ポリマーは、任意の形状の成形品を製造するためにも適当である。
本発明のエマルジョンおよび本発明の自己乳化α−シリル末端ポリマーのさらなる用途の領域は、プラグ、孔充填剤または亀裂充填剤としての使用である。
【0066】
さらなる本発明の主題は、本発明のエマルジョンを用いて製造される接着剤、表面被覆剤またはシーラントからなる。
【実施例】
【0067】
〔ポリマーAの製造〕
1530gのAcclaimポリオール18200 N(OH価5.5を有するポリプロピレングリコール)を、60℃、0.6mbarにて30分間脱水した。次いで、窒素を通じ、そして窒素パージ下、0.3gのTinstab BL 277(=DBTL、ジブチル錫ジラウレート)、次いで、25.28gのGeniosil XL 42(イソシアナトメチルジメトキシ(メチル)シラン)を添加した。次いで、該混合物を、80℃にて定量的反応になるまで攪拌した。空気排除下、プラスチックカートリッジに、まだ熱いポリマーAを充填した。80℃での溶融粘度は、4.0Pas(コーン/プレート法、ブルックフィールドCAP2000粘度計、コーン6、50rpm、25秒)であった。
【0068】
〔ポリマーBの製造〕
650.40gのPE(Liofolポリエステル218)を、60℃、1.2mbarにて45分間脱水した。次いで、窒素を通じ、そして窒素パージ下、400gのLupranat MCI(ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート)を添加した。60分後、該混合物を60℃まで冷却した。次いで、345.50gのGeniosil XL 973(N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン)を添加した。次いで、該混合物を、80℃にて定量的反応になるまで攪拌した。空気排除下、プラスチックカートリッジに、まだ熱いポリマーBを充填した。80℃での溶融粘度は、4.6Pas(コーン/プレート法、ブルックフィールドCAP2000粘度計、コーン6、50rpm、25秒)であった。
【0069】
〔ポリマーCの製造〕
409.14gのPTHF 650(OH価175を有するポリテトラヒドロフラン、BASFから入手)を、アルゴンパージ下、80℃、3mbarにて60分間脱水した。次いで、それを、アルゴン下、60℃まで冷却させた。アルゴンパージ下、319.07gのLupranat MCI(ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート)を添加した。該混合物を、75℃の温度に10分間加熱した。発熱反応が治まった後、攪拌を75℃にて110分間続けた。次いで、275.60gのGeniosil XL 973(N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン)を、アルゴン下、70℃の温度にて添加した。次いで、該混合物を、80℃にて定量的反応になるまで攪拌した。ポリマーCをカートリッジ中に充填した。80℃での溶融粘度は、3.4Pas(コーン/プレート法、ブルックフィールドCAP2000粘度計、コーン6、50rpm、25秒)であった。
【0070】
〔ポリマーDの製造〕
59.86gのPTHF 650(OH価179を有するポリテトラヒドロフラン、BASFから入手)および24.69gのPEG 600(OH価186を有するClariantポリエチレングリコール600 PU)を、アルゴンパージ下、80℃、3mbarにて60分間脱水した。次いで、それを、アルゴン下、58℃まで冷却させた。アルゴンパージ下、68.21gのLupranat MCI(ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート)を添加した。発熱反応が治まった後、該混合物を、80℃の温度で80分間加熱した。次いで、50.26gのWacker SL 449025(N−フェニルアミノメチルジメトキシ(メチル)シラン)および4.85gのGeniosil XL 973(N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン)を、アルゴン下、60℃の温度で添加した。次いで、該混合物を、75℃にて定量的反応になるまで攪拌した。管に、アルゴン下、ポリマーDを充填した。
【0071】
〔ポリマーEの製造〕
150gのPE(Liofolポリエステル218)および50gのJeffamin M−2070(メトキシポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)−2−プロピルアミン)を、60℃、0.8mbarにて30分間脱水した。次いで、窒素を通じ、そして窒素パージ下、98.05gのLupranat MCI(ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート)を添加した。60分後、該混合物を60℃まで冷却した。次いで、84.69gのGeniosil XL 973(N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン)を添加した。次いで、該混合物を、80℃にて1時間定量的反応になるまで攪拌した。被覆アルミニウム管に、まだ熱いポリマーEを充填した。80℃での溶融粘度は、2.7Pas(コーン/プレート法、ブルックフィールドCAP2000粘度計、コーン6、50rpm、25秒)であった。
【0072】
〔ポリマーFの製造〕
95.16gのPTHF 650(OH価174を有するポリテトラヒドロフラン、BASFから入手)および30gのJeffamin M−2070(メトキシポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)−2−プロピルアミン、Huntsmanから入手)を、アルゴンパージ下、80℃、3mbarにて60分間脱水した。次いで、それを、アルゴン下、78℃まで冷却させた。アルゴンパージ下、77.57gのLupranat MCI(ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート)を添加した。発熱反応が治まった後、該混合物を80℃の温度で110分間加熱した。次いで、66.97gのGeniosil XL 973(N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン)を、アルゴン下、70℃の温度にて添加した。攪拌を、80℃の温度で定量的反応になるまで続けた(約2時間)。管に、アルゴン下、ポリマーFを充填した。80℃での溶融粘度は、1.6Pas(コーン/プレート法、ブルックフィールドCAP2000粘度計、コーン6、50rpm、25秒)であった。
【0073】
〔(反応性)乳化剤Iの製造〕
199.81gのJeffamin M−2070(メトキシポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)−2−プロピルアミン、10PO/31EO、Huntsmanから入手)および16.26gのGeniosil XL 42(イソシアナトメチルジメトキシ(メチル)シラン)を、アルゴンブランケット下、室温で秤量した。該混合物を80℃の温度で240分間攪拌した。管に、アルゴン下、生成物Iを充填した。80℃での溶融粘度は、0.9Pas(コーン/プレート法、ブルックフィールドCAP2000粘度計、コーン6、50rpm、25秒)であった。
【0074】
【表1】

【0075】
Me:メチル;MeO:メトキシ
Ph:フェニル;oPh:オルト−フェニレン;pPh:パラ−フェニレン
PPG:ポリプロピレングリコール基;PE:ポリエステル基;PTHF:ポリテトラヒドロフラン基;PEG:ポリエチレングリコール
PO:プロピレンオキシ基;EO:エチレンオキシ基
【0076】
〔本発明のエマルジョンの一般製造例〕
10gの本発明のポリマーA、B、CまたはDを、乳化剤(量について表2参照)および可能性のあるさらなる非水性添加剤(量について表2参照)と共に、Speedmixer(DAC 150 FVZ、from Hauschild)を用いて、2000rpmにて20秒間均質化した。1gの緩衝液を添加し、または緩衝液を使用しない場合には水を添加し、および攪拌をさらに20秒間続けた。残りの緩衝液および/または残りの水を、攪拌を毎回20秒間続けながら滴下し、かくして均質クリームを得た。
必要に応じて含まれる添加剤を、始めか、またはその後かのいずれかで、それぞれ添加剤のタイプにしたがって添加することができる。したがって、非水性成分も、水性成分の添加前に、乳化性ポリマー混合物中に予め組み込むことができる。その一方、水性成分は、通常、最初に製造された乳化剤−ポリマー系中に混合される。
【0077】
自己乳化ポリマーEおよびFの場合、該手順は、上記のようであるが、乳化剤の添加は必要とされない。
【0078】
【表2】

【0079】
【表3】

【0080】
表2中略語:
ポリマーA、B、C、D、EおよびF:表1参照
G:30個のエチレンオキシド単位を含有する脂肪アルコール(Disponil A3065、Cognis);
H:ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(Disponil FES77、Cognis);
I:メトキシ(ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン−2−プロピルアミン(Jeffamin M2070、Firma Huntsman)とイソシアナトメチル−ジメトキシ−メチル−シラン(Geniosil XL42、Wacker)との付加生成物;
緩衝液A:リン酸二水素カリウム/リン酸水素二ナトリウム(92:水中8、5重量%);
緩衝液B:リン酸水素二ナトリウム(水中5重量%)/クエン酸(水中10重量%)2.2:1;
緩衝液C:リン酸二水素カリウム/リン酸水素二ナトリウム(水中1:1.5重量%);
NaOH:水酸化ナトリウム(8重量%);
HCl:塩酸(10重量%);
Kronos:二酸化チタン(Kronos 1001、Kronos);
K30:ポリビニルピロリドン(K30、Fluka、40重量%);
Acusol:ポリアクリレート(Acusol 801 S、Rohm/Haas、2重量%);
Mowiol:ポリビニルアルコール(Mowiol 4−98、Kuraray、10重量%);
GF91:N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(GF91、Wacker);
HPU:ポリウレタン−ポリマー(HPU DSX 1514、Cognis、40重量%);
DBTL:ジブチル錫ジラウレート(Tinstab BL277、Akzo);
Dynasylan:シロキサンオリゴマー(Dynasylan HS 2627、Degussa);
nd:決定しなかった
:比較例
【0081】
〔実施例1〜48のエマルジョンの評価〕
(貯蔵安定性)
試料を、気候暴露試験室中の気密スクリューキャップを備えたガラス容器中に、23℃または40℃にて種々の期間貯蔵した。貯蔵後、試料をエマルジョンの安定性に関して視覚的に検査した。エマルジョンは、目に見える相分離なく、および流動性に有意の変化なく、貯蔵安定性であると考えられた。
数週間または数箇月間の貯蔵時間(この間、エマルジョンの分離は発生しなかった)を、表3に示す。記載した時間は、最小時間である。幾つかのエマルジョンは、本出願の出願の少し前に最初の貯蔵試験を受けているので、例えば「1週間」の貯蔵時間は、エマルジョンが貯蔵1週間後に安定性であったということのみを表す。分離が特定の時間後にのみ発生した場合、これを表3に示す。
さらに、エマルジョンの製造直後の、およびそれに続く25℃での1または2週間貯蔵のエマルジョンによって生じる接着結合の引張剪断強度を、下記のように決定した。
【0082】
(引張剪断強度)
接着結合の最大引張強度を決定するための引張剪断強度を、DIN 53283およびDIN 53281にしたがって行った。
このために、2つのブナ材の試験片(25×100mm)を製造した。結合される表面(25×100mm)を、試験エマルジョンで片側を被覆し、および2つの洗濯ばさみで固定する。試料を、室温(25℃)にて7日間貯蔵した。次いで、Zwickからの引張試験機(型:万能試験機(型番号144501、載荷力10kN)を用いて、それらの20mm(長さ)および25mm(幅)の重なりを有するブナ材試験標本を、速度15mm/分で引き裂いた。得られた引張剪断強度を、N/mmで測定した。
エマルジョンの貯蔵後に生じた接着結合の引張剪断強度と、エマルジョンの製造直後に生じた接着結合の引張剪断強度との比率を、表4中に「初期値の%」として示す。80%の値は、直接使用したエマルジョンの引張剪断強度の80%が貯蔵したエマルジョンを使用して達成されることを意味する。
【0083】
【表4】

【0084】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは複数の一般式(I):
【化1】

〔式中、
は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、
およびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
およびRは、互いに独立して有機二価連結基であり、
は、疎水性二価ポリマー基であり、および
は、CHSiR(OR)(OR)基
[式中、R、RおよびRは、上記と同義である。]
であるか、またはRは、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する。〕
で示されるポリマーの貯蔵安定性水性エマルジョンであって、
該エマルジョンは、2〜11のpHおよび該エマルジョンの総重量に基づいて40〜95重量%の固形分を有し、および
該エマルジョンは、水中油エマルジョンを形成し得る一つまたは複数の陰イオン性乳化剤および/または非イオン性乳化剤を含んでなり、および
が、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する場合、該乳化剤の少なくとも一部は、式(I)で示されるポリマーに置き換えられ、
該エマルジョンは、該エマルジョンの水性画分と、乳化剤と一般式(I)で示されるポリマーとの混合物を混合することにより得ることができる、エマルジョン。
【請求項2】
陰イオン性乳化剤および/または非イオン性乳化剤、またはそれらの混合物は、8〜18、好ましくは8〜15のHLB価を有する、請求項1に記載のエマルジョン。
【請求項3】
は、−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−R
〔式中、n、mおよびRは、対応するアミンHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−Rの親水性−親油性バランス価が8〜15の範囲になるように選択され、およびRは、脂肪族基、ヒドロキシル基またはアミノ基である。〕
を意味する、請求項1または2に記載のエマルジョン。
【請求項4】
は、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを意味し、RおよびRは、互いに独立してメチルまたはエチルを意味する、請求項1〜3のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項5】
およびRは、互いに独立して尿素基および/またはウレタン基を含んでなる二価連結基を意味する、請求項1〜4のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項6】
およびRは、−NR−(CO)−R10−基
〔式中、R10基はRに結合しており、
は、水素、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基、4〜6個の炭素原子を含有するシクロアルキル基または5〜10個の炭素原子を含有するアリール基を意味し、および
10は、単結合または−NR11−R12−基
[式中、R12基はRに結合しており、
11は、水素、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基、4〜6個の炭素原子を含有するシクロアルキル基または5〜10個の炭素原子を含有するアリール基を意味し、および
12は、−R13−(NH)−(CO)−基
(式中、rは0または1であり、
13は、6〜11個の炭素原子を含有するアルキルアリール基、6〜11個の炭素原子を含有するアラルキル基、または5〜10個の炭素原子を含有するアリール基を意味し、
CO基はRに結合している。)
を意味する。]
を意味する。〕
を意味する、請求項1〜5のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項7】
は、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクタム、ポリカプロラクトン、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリエーテルケトン、エポキシ樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン、ポリシロキサンまたは上記ポリマーのモノマーのコポリマーの二価基を意味する、請求項1〜6のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項8】
乳化剤は、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤および式(III):
【化2】

〔式中、
は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、
およびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
は、有機二価連結基であり、および
は、水中で水中油型乳化剤として作用する特性を一般式(III)で示される化合物に与える基を意味する。〕
で示される化合物からなる群から選択される請求項1〜7のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項9】
は、−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−R〔式中、n、mおよびRは、対応するアミンHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−Rの親水性−親油性バランス価が8〜15の範囲になるように選択され、およびRは、脂肪族基、ヒドロキシル基またはアミノ基である。〕を意味する、請求項8に記載のエマルジョン。
【請求項10】
乳化剤含量は、エマルジョンの総重量に基づいて、25重量%未満、好ましくは20重量%未満、特に好ましくは15重量%未満である、請求項1〜9のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項11】
は、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシを意味し、および
およびRは、互いに独立してメチルまたはエチルを意味し、
およびRは、互いに独立して尿素基および/またはウレタン基を含んでなる二価連結基を意味し、
は、二価ポリテトラヒドロフランまたはポリエステル基であり、および
は、−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−R
〔式中、n、mおよびRは、対応するアミンHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−Rの親水性−親油性バランス価が8〜15の範囲になるように選択され、およびRは、脂肪族基、ヒドロキシル基またはアミノ基である。〕
を意味する、請求項1〜10のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項12】
およびRは、互いに独立して式(II):
【化3】

〔式中、Rに対する結合は、ウレタン基を介して生じ、および
14は、水素、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基、4〜6個の炭素原子を含有するシクロアルキル基または5〜10個の炭素原子を含有するアリール基を意味する。〕
で示される基を意味する、請求項11に記載のエマルジョン。
【請求項13】
エマルジョンのpHは、3〜10、好ましくは4〜9、特に好ましくは4〜7およびとりわけ好ましくは4〜6である、請求項1〜12のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項14】
式(I)〔式中、Rは、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する。〕で示されるポリマーに加えて、他の乳化剤を含まない、請求項1〜13のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項15】
陰イオン性乳化剤と非イオン性乳化剤との混合物を含んでなる、請求項1〜13のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項16】
疎水性二価ポリマー基Rは、ポリエステル基またはポリテトラヒドロフラン基である、請求項8または9に記載のエマルジョン。
【請求項17】
充填剤、顔料、保護コロイド、pH調整剤、緩衝物質、接着促進剤、粘着付与剤、触媒、皮膜形成剤、可塑剤、レドックス安定剤、UV安定剤または粘度調整剤から選択される一以上の成分をさらに含んでなる、請求項1〜16のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項18】
一般式(I):
【化4】

〔式中、
は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、
およびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
およびRは、互いに独立して有機二価連結基であり、
は、疎水性二価ポリマー基であり、および
は、CHSiR(OR)(OR)基
[式中、R、RおよびRは、上記と同義である。]
であるか、またはRは、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する。〕
で示される一つまたはそれ以上のポリマーと、水中油エマルジョンを形成し得る一つまたは複数の陰イオン性乳化剤および/または非イオン性乳化剤との混合物を製造し、
ここで、Rが、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する場合、該乳化剤の少なくとも一部は、式(I)で示されるポリマーに置き換えられ、および
水性エマルジョン成分をこの混合物に添加して、これによりpHを2〜11に調整し、および固形分を、エマルジョンの総重量に基づいて40〜95重量%を調整すること
を含む、請求項1〜17のいずれかに記載のエマルジョンの製造方法。
【請求項19】
接着剤、シーリングコンパウンド、表面被覆材料およびポリマー成形コンパウンドを製造するための、または接着剤、シーリングコンパウンド、表面被覆材料およびポリマー成形コンパウンドとしての、請求項1〜17のいずれかに記載のエマルジョンまたは請求項18に記載の方法により得られるエマルジョンの使用。
【請求項20】
一般式(I):
【化5】

〔式中、
は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、
およびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
およびRは、互いに独立して有機二価連結基であり、
は、疎水性二価ポリマー骨格であり、および
は、水中油エマルジョンを形成することによる水中自己乳化特性を一般式(I)で示されるポリマーに与える基を意味する。〕
で示されるα−シリル末端ポリマー。
【請求項21】
は、8〜18のHLB価を有する化合物から誘導される基を意味する、請求項20に記載のα−シリル末端ポリマー。
【請求項22】
は、−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−R基〔式中、n、mおよびRは、対応するアミンHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−Rの親水性−親油性バランス価が8〜15の範囲になるように選択され、およびRは、脂肪族基、ヒドロキシル基またはアミノ基である。〕を意味する、請求項21に記載のα−シリル末端ポリマー。
【請求項23】
接着剤、シーリングコンパウンド、表面被覆組成物またはポリマー成形コンパウンドにおける自己乳化ポリマーとしての、請求項20〜22のいずれかに記載の一つまたはそれ以上のα−シリル末端ポリマーの使用。
【請求項24】
一般式(III):
【化6】

〔式中、
は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルコキシ基であり、
およびRは、互いに独立して1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、
は、有機二価連結基であり、および
は、水中で水中油型乳化剤として作用する特性を一般式(III)で示される化合物に与える基を意味する。〕
で示される、α−シリル末端ポリオキシアルキレン誘導体。
【請求項25】
は、8〜15のHLB価を有する化合物から誘導される基を意味する、請求項24に記載のα−シリル末端ポリオキシアルキレン誘導体。
【請求項26】
は、−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−R
〔式中、n、mおよびRは、対応するアミンHN−[プロピレンオキシ][エチレンオキシ]−Rの親水性−親油性バランス価が8〜15の範囲になるように選択され、およびRは、脂肪族基、ヒドロキシル基またはアミノ基である。〕
を意味する、請求項25に記載のα−シリル末端ポリオキシアルキレン誘導体。
【請求項27】
接着剤、シーリングコンパウンド、表面被覆組成物またはポリマー成形コンパウンドにおける反応性乳化剤としての、請求項24〜26の一つまたはそれ以上からのα−シリル末端ポリオキシアルキレン誘導体。
【請求項28】
請求項1〜17のいずれかに記載の一つまたは複数のエマルジョンを含んでなる、および/または請求項20〜22のいずれかに記載の一つまたは複数のα−シリル末端ポリマーを含んでなる、および/または請求項24〜26のいずれかに記載の一つまたは複数のα−シリル末端ポリオキシアルキレン誘導体を含んでなる、接着剤、シーリングコンパウンド、表面被覆組成物またはポリマー成形コンパウンド。

【公表番号】特表2008−540747(P2008−540747A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510490(P2008−510490)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004372
【国際公開番号】WO2006/122684
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】