説明

貴金属品盗難監視システム

【課題】 指輪やイヤリング等の貴金属品の店頭販売等において、前記貴金属品に直接タグを取り付けることなく、確実に盗難を防止することができると共に、前記貴金属品の展示外観や購入前の装着感を損なうことのない貴金属品盗難監視システムを提供することである。
【解決手段】 内部に中継アンテナ部21を有する貴金属品12のディスプレイ部13と、このディスプレイ部13に配置され、前記貴金属品12を載せる台座16と、この台座16に設けられるICタグ32と、このICタグ32から発信される信号を前記中継アンテナ部21で受け、その通信状態を監視する監視制御部14とを備えた貴金属品盗難監視システム11であって、前記ICタグ32を構成するアンテナ回路34に、前記貴金属品12が台座16にセットされていることを検出するスイッチ部35を設け、このスイッチ部35が前記貴金属品12の一部を接点とするように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列台に陳列される指輪やイヤリング等の貴金属品の盗難を防止するための貴金属品盗難監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、宝飾店などでは、指輪やイヤリング等の貴金属品を展示しながら販売する場合、前記貴金属品を一つ一つ陳列台上に並べ、施錠がされたガラスケースに収容して管理している。また、盗難防止対策としては、前記陳列台に赤外線による検出装置を配置し、盗難が発生した際に警報を発するような装置が用いられている。しかし、このような管理方法では、陳列されている商品の数や種類が多くなると、どの場所にどの商品が陳列されているかの管理が容易でなく、また、盗難等にあった場合に迅速に対処するのが難しいといった問題がある。このような問題を改善するために、前記陳列する貴金属品全てに固有の識別番号が付されたICからなるタグを装着し、このタグの発する電波を受信して別の監視装置側で監視するといったシステムが提案されている。
【0003】
上記タグを宝石類に取り付けて盗難を防止する装置として、特許文献1に示したような宝石盗難監視システムがある。このシステムは、通信機能を備えたタグを全ての宝石類に付しておき、この宝石類が陳列される陳列台の近傍に設けた検出機構によって、前記タグとの送受信信号が一定距離以上離れたときに警報を発するようになっている。
【0004】
また、このようなタグを商品に付して管理するシステムは、特許文献2に示されているように、在庫管理や販売管理などの商品管理においても応用されている。
【特許文献1】特開2001−243564号公報
【特許文献2】特開2002−114335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記示したようなシステムにおいては、タグを宝石類などの商品に直接取り付けているため、そのタグをその場で取り外してしまうと、商品が盗難されたことが検出されない場合がある。このため、前記タグを商品から簡単に取り外しができないようにする必要があるが、指輪やイヤリング等の小さな貴金属品にあっては、前記タグの取り付けが容易でない。
【0006】
また、前記貴金属品は、店頭で実際に手にとってみたり、装着してみたりする場合が多いが、前記タグが付された状態のままでは、見栄えが悪くなり、装着もしずらいといった問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、指輪やイヤリング等の貴金属品の店頭販売等において、前記貴金属品に直接タグを取り付けることなく、確実に盗難を防止することができると共に、前記貴金属品の展示外観や購入前の装着感を損なうことのない貴金属品盗難監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の貴金属品盗難監視システムは、内部に中継アンテナ部を有する貴金属品の陳列台と、この陳列台に配置され、前記貴金属品を載せる台座と、この台座に設けられるICタグと、このICタグから発信される信号を前記中継アンテナ部で受け、その通信状態を監視する監視制御部とを備えた貴金属品盗難監視システムであって、前記ICタグを構成するアンテナ回路に、前記貴金属品が台座にセットされていることを検出するスイッチ部を設け、このスイッチ部が前記貴金属品の一部を接点として構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る貴金属品盗難監視システムによれば、台座にセットされる指輪やイヤリング等の貴金属品の一部が前記台座に設けられているICタグのアンテナ回路を導通または非導通させるスイッチとして機能させることで、前記貴金属品が盗難されたか否かを容易に検出することができる。また、前記ICタグが貴金属品に直接取り付けられず、前記貴金属品をセットする台座の方に設けられているため、外観を損ねることなく展示することができると共に、手にとってみたり、実際に装着してその装着感を確かめたりする際に邪魔になることがない。
【0010】
また、監視制御部によって、前記貴金属品が盗難されたか否かを判定する際に、前記貴金属品が台座から離れた時間や距離を設定することができるため、例えば、貴金属品を台座から外して装着する間や貴金属品の陳列方法を変更するような場合でも、その間は盗難等されていないとみなすことが可能となるように設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る貴金属品盗難監視システムの実施形態を詳細に説明する。ここで、図1は本発明の貴金属品盗難監視システムの全体構成を示すシステム構成図、図2は貴金属品を陳列するディスプレイ部の構成図、図3は貴金属品をセットする台座の構成を示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の貴金属品盗難監視システム11は、貴金属品12を陳列するディスプレイ部13と、このディスプレイ部13と通信して前記貴金属品12の盗難を監視する監視制御部14とで構成されている。前記ディスプレイ部13は、図2に示すように、指輪やイヤリング等の貴金属品12が複数展示可能な陳列台15と、前記貴金属品12をセットした状態で前記陳列台15上に配置される台座16とを備えている。また、監視制御部14は、監視制御手段として機能するソフトウェアで構成され、前記ディスプレイ部13と無線あるいは有線のLANで接続される端末装置(パソコン)17や携帯情報端末(PDA)18に組み込んで使用される。
【0013】
前記陳列台15は、図2に示したように、前記台座16が複数個配置することが可能な広さを有した平坦な陳列面を有して形成され、内部に中継アンテナ部21と、後述する台座16に設けられるICタグの内容を読み書きするためのリーダ/ライタ部22が設けられている。前記中継アンテナ部21は、前記リーダ/ライタ部22から前記陳列面の外周部に沿って張り巡らされる銅線パターンで構成される。前記リーダ/ライタ部22は、図1に示したように、前記中継アンテナ部21と接続され、前記ICタグの内容を読み出したり、書き込んだりする機能を備えている。また、前記リーダ/ライタ部22には、前記ICタグに対するリード/ライト制御や監視制御部14との通信制御を司るボードコンピュータ23やこのボードコンピュータ23にセットされる通信ユニット24とが備えられ、ACアダプタを介してそれぞれにAC電源が供給される。なお、前記ボードコンピュータ23は、前記リーダ/ライタ部22内に組み込まれるか、別ユニットとして構成され、シリアル通信ラインによって接続される。
【0014】
前記台座16は、図3に示したように、例えば、指輪やイヤリングなどの貴金属品12が載置できるサイズの平板状のベース部31と、このベース部31に組み込まれるICタグ32とで構成され、前記ICタグ32に前記貴金属品12をセットするスイッチ部35が設けられている。前記ベース部31は、前記貴金属品12が載置できるサイズに対応した樹脂等の絶縁部材で形成することができる。前記ICタグ33は、中心にICチップ33と、このICチップ33から渦巻き状に延びるアンテナ回路34とで構成され、全体が薄いプラスチックフィルムによって保護されている。前記ICチップ33は、内部にこのICチップ33に固有のID番号が予め登録され、任意にデータを記憶することができる記憶領域と受発信機能が備えられている。前記アンテナ回路34は、前記ICチップ33から発せられる電波の送出や前記陳列台15に設けられている中継アンテナ部21から発せられる電波を受信するために設けられるもので、前記ICチップ33と中継アンテナ部21との通信距離や感度に応じてパターンサイズや形状が設定される。なお、本実施形態のICタグ32では、13.56MHzの周波数帯で通信が行われ、前記中継アンテナ部21との通信可能な範囲は、数十cmに設定されている。
【0015】
前記スイッチ部35は、前記アンテナ回路34の一部を切断して開放されたパターン端部に設けられる一対の電極部36a,36bによって形成されている。前記電極部36a,36bは、前記貴金属品12の一部を挟み込めるようなバネ状あるいはクリップ状の導電部材で形成されている。例えば、前記貴金属品12が指輪の場合は、図4に示すように、指輪19のリング部19aの下端部を前記電極部36a,36b間に掛け渡すようにしてセットされる。また、前記貴金属品12がイヤリングの場合は、図5に示すように、前記同様のバネ状の導電部材で形成された一対の第1電極部37及び一対の第2電極部38を直接接続になるようなスイッチ部46を前記アンテナ回路34の一部に設ける。これによって、一対のイヤリング20を前記第1電極部37と第2電極部38にそれぞれセットすることができ、片方または両方のイヤリングが外れた際に、通信が遮断されたことの検出が可能となる。
【0016】
また、図6に示すように、貴金属品12がピアス30である場合は、電極板を所定の間隔で平行に配置して構成された一対の電極部39,40を直列接続し、前記電極部39,40の上端部に形成した溝部48に耳たぶを通す軸部分を掛け渡すような構成のスイッチ部47が設けられる。このような構成のスイッチ部47を設けることで、前記イヤリング20の場合と同様に、片方または両方のピアスが外れた際に、通信が遮断されたことの検出が可能となる。
【0017】
前記アンテナ回路34の中のスイッチ部35,46,47を設ける箇所は、前記ICチップ32からの引き出し位置の近くに設定するのが好ましい。このような位置に設けることによって、前記スイッチ部35,46,47が開いたときに、アンテナ回路34の切り離し部分が大きくなるため、通信断の状態を確実に検出することができるからである。なお、前記スイッチ部35,46,47は、台座16の上に露出させておくと貴金属品12を陳列する上で見栄えが悪くなる。このため、図4に示したように、ICタグ32と一緒に前記ベース部31を覆う布やシート等の被覆部材25で覆い、貴金属品12をセットする際にその接触箇所が前記電極部36a,36bに導通されるようにすれば、外観形状を損なうことがない。
【0018】
前記貴金属品12は、前記指輪、イヤリング、ピアスに限らず、ネックレス、ブレスレット、ブローチあるいは時計などの金属部分を一部に有したものであれば、前述したようなスイッチ部の接点として機能させることができる。その際、前記それぞれの種類の貴金属品に対応したスイッチ部構成にした台座を用意することで、前記陳列台15に混在して陳列することができる。なお、前述したように、本発明の貴金属品盗難監視システム11は、陳列するものの金属部分を接点として検出しているので、前述したような高価な貴金属品に限らず、一部に金属部分を有するものであれば、安物のアクセサリー類等であっても問題なく使用することができる。
【0019】
図7は、前記監視制御部14におけるソフトウェア構成を示したものである。この監視制御部14は、通信制御部41、動作設定部42、閲覧表示制御部43、報知制御部44及びメモリ部45によって構成され、前記ディスプレイ部13を構成するボードコンピュータ23を介して実際の制御が行われる。前記通信制御部41は、通信ユニット24を介し、前記陳列台15に搭載されているリーダ/ライタ部22に対して通信可能な範囲にある各台座16のICタグ32の数とID番号を送信するように要求するコマンドを送信する。そして、前記要求したコマンドに対して返信されてくるICタグの数及びID番号を受信する。前記コマンドの送信は、一定時間間隔で行われ、その都度得られたデータは、逐次メモリ部45に保存される。前記通信ユニット24は、無線LANあるいは有線LANによるインターフェイスを備えている。また、パソコン17等が前記ディスプレイ部13から離れた場所にある場合は、モデム等を介した電話回線経由で通信させることもできる。メモリ部45は、ハードディスクやメモリ、あるいは、外部記憶媒体が利用でき、受信できたICタグの数及び前記台座16ごとのID番号が記憶される。このメモリ部45における前記ICタグの数及び前記台座16ごとのID番号は、一定の生存時間が設定され、前記通信制御部41で通信される度に、常に最新のデータに更新される。なお、このメモリ部45には、前記陳列台15に載置予定の台座16の数やID番号が予め登録される初期記憶領域が設けられ、この初期記憶領域に登録されているデータと前記通信制御部41を介して返信されてきた最新のデータとの比較が行われる。
【0020】
動作設定部42では、前記通信制御部41を介して送信されてくるICタグ32の信号を常時受信して、信号の停止状態がないか確認すると共に、受信された信号に対しては、各台座16のID番号と前記メモリ部45に予め登録されているID番号とを比較して一致不一致を判定する。閲覧表示制御部43には、パソコン17やPDA18の画面上に前記ICタグ32から送られてくる信号を所定の画面構成によって一覧表示したり、点滅あるいはハイライト表示させたりする閲覧制御プログラムが備えられている。この閲覧制御プログラムは、Webブラウジング機能を有しており、このWebブラウジング機能を介して、前記パソコン17やPDA18に備えられている表示部を制御させるようになっている。このため、前記パソコン17やPDA18には、この貴金属品盗難監視システム11に専用の表示機能を有することなく、インターネットを介してホームページが閲覧可能な汎用のWebブラウザを備えるだけでよい。報知制御部44では、前記動作設定部42での判定結果に基づいて、盗難が発生したことを前記パソコン17やPDA18への画面表示や、音声出力、振動発生などの手段に変換される。また、前記報知制御部44による警報は、前記パソコン17やPDA18に限らず、前記貴金属品12を展示するショーウインドウの近傍、あるいは、店頭の出入口近くに設けられる警報ランプやスピーカに出力させるようにすることもできる。また、店員や警備員に携帯させるPHSや携帯電話機に送信することによって、前述したような画面表示や警報音、あるいは、振動などの手段によって報知させるようにすることもできる。
【0021】
また、前記動作設定部42には、貴金属品12が台座16から離れて通信が遮断された際に、それが盗難によるものか、または、一時的な離脱なのかを判定する機能が備えられている。この機能は、前記台座16のICタグ32からの信号が遮断された時間を計測することによって判断される。そのため、前記動作設定部42の中に前記それぞれのICタグ32からの信号が遮断された時間を計測する監視タイマが設けられる。この監視タイマでは、前記貴金属品12が台座16から離れても盗難とみなされない最大限の許容時間(例えば、2〜3分程度)が予め設定される。そして、実際に前記台座16のICタグ32からの信号断が検出された時点で監視タイマが起動し、前記設定された許容時間が経過した時点で盗難されたと判断される。一方、前記許容時間内に通信状態が回復した場合は、一時的な離脱と判断されて監視タイマがリセットされる。
【0022】
また、前記貴金属品12の盗難監視は、前述したように、前記貴金属品12が台座16からの離間によって検出される場合と、前記貴金属品12がセットされた状態のままの台座16が陳列台15から離間したことを検出する場合との2通りの組み合わせによって行うことができる。後者の場合は、前記台座16と陳列台15との間の通信が可能な範囲となるが、この範囲は、前記台座16に設けられるICタグ32と、陳列台15に備わる中継アンテナ部21との間でやり取りされる信号の周波数帯や信号強度を調整することで設定が可能となる。このような設定を行う機能も前記監視制御部14内に含めることができる。
【0023】
次に、上記貴金属品盗難監視システム11における一連の動作を図7及び図8に基づいて説明する。最初に、陳列台15に陳列する貴金属品12とこの貴金属品12をセットする台座16を用意し(S01)、前記陳列される台座16の数と、それぞれの台座16に設けられているICタグ32のID番号とを監視制御部14に備えるメモリ部45に登録しておく(S02)。このメモリ部45には、台座16の数やそれぞれのID番号の他に、セットされる貴金属品12の名称や商品管理番号などの商品情報を登録させておくこともできる。前記ID番号等の登録が完了したそれぞれの台座16に、前記貴金属品12をセットする(S03)。このセットは前述したように、前記貴金属品12の一部がスイッチ部35の接点となるように接触させることによって行われる。これによって、前記スイッチ部35が閉じられ、ICタグ32が発信可能な状態におかれる。このようにして発信可能となった台座16を陳列台15の任意の位置に載置する(S04)。前記台座16の位置は、前記陳列台15の上であればどこでもよく、所定の展示方法によって、見やすいように配置される。前記台座16から発せられる信号は、前記陳列台15に備わる中継アンテナ部21を介してリーダ/ライタ部22で読み取られ、その信号が前記監視制御部14でモニタリングされる(S05)。このモニタリングは、貴金属品盗難監視システム11が稼動されている間中常時行われ、前記陳列台15に配置されている台座16からの信号が遮断されていないかが検出される。ここで、前記信号が検出されない場合は、その信号が検出されなくなった時点で監視タイマが起動される(S08)。そして、この監視タイマに設定された時間が経過した時点で信号が検出できなければ(S09)、警報が発せられる(S11)。一方、前記設定時間が経過する前に信号が検出されれば(S09)、監視タイマをリセットして(S10)、監視制御部14でのモニタリングに戻る。なお、前記モニタリング中に信号が継続して検出されている間は、前記台座16から発信されてくるID番号とメモリ部に予め登録されているID番号とが比較される(S06)。ここで比較されたID番号が不一致である場合は、警報が発せられる(S11)。
【0024】
前記動作フローにおいて、貴金属品12が盗難されたと判断されるのは、監視タイマに設定された時間が経過してもなお、台座16からの信号が検出できない場合であり、前記監視タイマが設定された時間内に台座16からの信号が検出可能となった場合は、盗難とはみなされない一時的な離脱と判断される。この一時的な離脱とは、来店した客が貴金属品を試しに装着してみる場合や、店員等が前記貴金属品12をセットし直したり、配置替えをしたりする場合を想定したものである。
【0025】
また、前記台座16が陳列台15の通信範囲から外れた場合についても、その台座16からの発信が停止するので、前記貴金属品12が台座16から外れた場合と同様に、所定時間内に信号が検出されない場合は、警報が発せられる。このようなケースは、前記貴金属品12がセットされたままの台座16をそのまま盗難されるのを防止するためである。
【0026】
上記実施形態では、単一の陳列台を用いて、この陳列台に載置可能な複数の貴金属品を管理する例を示したが、陳列する貴金属品の数が多い場合や貴金属品の種類別に管理する場合は、陳列台とこの陳列台に載置される複数の台座からなるディスプレイ部を複数用意し、それぞれのディスプレイ部ごとに異なったID番号等の識別子を付与することで、前記監視制御部において一括して管理することが可能となる。
【0027】
本発明の貴金属品盗難監視システム11は、陳列台15に陳列される貴金属品12の盗難をリアルタイムに監視するのが主目的であるが、前記ICタグ32に貴金属品12の属性を示す商品管理番号、名称、種類、価格等の商品識別情報を登録し、前記監視制御部14の機能の一つである閲覧表示制御部43を介して、パソコン17やPAD18等に前記商品情報を閲覧表示させることもできる。これによって、一元管理が可能な商品管理システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る貴金属品盗難監視システムの全体構成図である。
【図2】ディスプレイ部の構成を示す斜視図である。
【図3】台座の構成を示す斜視図である。
【図4】貴金属品が台座にセットされる状態を示す説明図である。
【図5】一対のイヤリングをセットするための台座の構成を示す斜視図である。
【図6】一対のピアスをセットするための台座の構成を示す斜視図である。
【図7】監視制御部のソフトウェア構成を示す概念図である。
【図8】貴金属品盗難監視システムにおける動作手順を示す動作フロー図である。
【符号の説明】
【0029】
11 貴金属品盗難監視システム
12 貴金属品
13 ディスプレイ部
14 監視制御部
15 陳列台
16 台座
17 パソコン(端末装置)
18 PDA(携帯情報端末)
20 イヤリング
21 中継アンテナ部
22 リーダ/ライタ部
23 ボードコンピュータ
24 通信ユニット
30 ピアス
31 ベース部
32 ICタグ
33 ICチップ
34 アンテナ回路
35 スイッチ部
36a,36b 電極部
41 通信制御部
42 動作設定部
43 閲覧表示制御部
44 報知制御部
45 メモリ部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に中継アンテナ部を有する貴金属品の陳列台と、この陳列台に配置され、前記貴金属品を載せる台座と、この台座に設けられるICタグと、このICタグから発信される信号を前記中継アンテナ部で受け、その通信状態を監視する監視制御部とを備えた貴金属品盗難監視システムであって、
前記ICタグを構成するアンテナ回路に、前記貴金属品が台座にセットされていることを検出するスイッチ部を設け、このスイッチ部が前記貴金属品の一部を接点として構成されていることを特徴とする貴金属品盗難監視システム。
【請求項2】
前記台座は、前記陳列台上に複数配置され、それぞれの台座には固有のID番号が付されたICタグが設けられている請求項1記載の貴金属品盗難監視システム。
【請求項3】
前記スイッチ部は、前記アンテナ回路の一部を開放して設けられた一対の電極部を有し、この電極部間に前記貴金属品の一部を接点として導通させる請求項1記載の貴金属品盗難監視システム。
【請求項4】
前記監視制御部には、前記貴金属品が前記台座から離れたとき、または、前記台座が前記陳列台から離れたときに、盗難であるか一時的な離脱であるかの判定を行う動作設定部を備えた請求項1記載の貴金属品盗難監視システム。
【請求項5】
前記監視制御部での判定は、前記貴金属品が台座から離れた時間経過を計ることによって行われる請求項1または4記載の貴金属品盗難監視システム。
【請求項6】
前記監視制御部での判定は、前記貴金属品が台座から離れ、または、前記貴金属品が前記陳列台から離れることによる通信不能状態を検出することによって行われる請求項1または4記載の貴金属品盗難監視システム。
【請求項7】
前記監視制御部は、貴金属品と台座、または、台座と陳列台とのセット状態が解除されたことを表示手段、音声手段及び振動手段の少なくとも一つの手段によって警報を発する報知制御部を備えた請求項1記載の貴金属品盗難監視システム。
【請求項8】
前記監視制御部に閲覧表示制御機能を備え、この閲覧表示制御機能を介して端末装置あるいは携帯情報端末に貴金属品の監視状態を表示させて盗難監視を行うと共に、前記貴金属品の商品情報を表示させて商品管理を行う請求項1記載の貴金属品盗難監視システム。
【請求項9】
前記スイッチ部は、指輪、イヤリング、ピアス、ネックレス、ブレスレット、時計のいずれかの金属部分の一部を接点とする請求項1記載の貴金属品盗難監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−235703(P2006−235703A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−45453(P2005−45453)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(391017849)山梨県 (19)
【Fターム(参考)】