説明

貼付コードシール交換可能なカード

【課題】それぞれ異なる形状(グループ)のシールを複数貼付しておき、形状毎にシールを交換可能にすることにより、当初獲得したカードの基台を変えることなく、そのカードのキャラクタなどの能力を、能力の種類毎に変えることができるカードを提供する。
【解決手段】カード基台3の中央上部にキャラクタ絵2が、右上にこのキャラクタ種別を認識するためのキャラクタコード1aが印刷されている。カード基台3の下方向にはキャラクタの能力についてグループ分けした丸形シール4,三角形シール5,四角形シール6が貼付されている。丸形シール4にはキャラクタ絵2の攻撃力の能力値,三角形シール5には防御力の能力値,四角形シール6にはスピードの能力値をそれぞれ示すQRコード4a,5a,6aが印刷されている。シールを貼り替えすることによりカードの能力の変更を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品カードを読み取ってプレイを行うビデオゲームおいて、払い出されるカードのシールの一部分を取り外し可能にし、その取り外した「一部分」を他の人のカードのシールと交換できるようにしたカードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカードゲーム機で利用されるような景品カードは、友人等とカードを交換する場合、カード自体を交換することとなる。したがって「キャラクタの種類」を多くするには「カードの種類」を増加させる必要があった。
また、「キャラクタの種類」=「カードの種類」であるため、バージョンアップでキャラクタを増加させた場合、新しいキャラクタのカードの新刷が発生するためリスクが大きく、不振の場合のテコ入れ策としてキャラクタを増加させることは困難であった。
さらに、カードゲーム機から取得するカードはダブることがあり、かかる場合には無駄となる。
【0003】
この種のカードを出力するゲーム機として、ゲームの進展によって姿を変化させたキャラクタをプリントしたカード基台にその特性を示すQRコードをプリントして出力するものがある(特許文献1)。
このカードはプリントしたときからその内容が確定するものであり、カード所有者がその内容を変えられるものではない。
【特許文献1】特開2002−65936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、それぞれ異なる形状(グループ)のシールを複数貼付しておき、形状毎にシールを交換可能にすることにより、当初獲得したカードの基台を変えることなく、そのカードのキャラクタなどの能力を、能力の種類(攻撃力,防御力,スピードなど)毎に変えることができるカードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明の請求項1はキャラクタの図柄が印刷されたカード基台に、前記キャラクタに関し光学センサにより読み取り可能なコードデータが印刷されたか、または電磁的に読み取り可能なデータを格納したRFIDチップを埋め込んだそれぞれ形状の異なる複数のシールを貼付して構成され、前記複数のシールのいずれかを剥がし、剥がしたシールと同じ形状であってデータが異なるシールを貼り替え可能に構成したことを特徴とする。
本発明の請求項2は請求項1記載の発明において前記コードデータはQRコードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、ユーザ同士でカードの交換が行われることが多いが、ぞれぞれ異なる形状のシール毎に取り外せるため、例えば能力について異なる形状(グループ分けしたもの)毎に、カードを変えることなく攻撃力,防御力,スピードなどの能力を変えることが可能である。
従来のシステムでは、印刷されたバーコード等で、そのカードが持つ性能が決定してしまったので、カードを全種類揃えてしまった場合、ゲーム機のバージョンアップを待つ以外に変化を得ることができなかったが、本発明によれば全く同じ種類(キャラクタ)のカードでも、後からシールを貼付することにより、能力を変化させることができる。
ゲーム機管理者側サイドではゲーム機の売上低下に対する対策として新しいキャラクタと新しいカードを投入することが考えられるが、本発明によれば、グループ分けしたシールを作り交換するのみで新たなカードにすることができるため、カードの種類を増加させるより安価で行える。
従来は、「キャラクタ用カード」と「特殊能力用カード」に分かれており、それぞれのカードを読み込み、そのキャラクタの特殊能力を確定させているため、カードを認識させる回数が多かったが、本発明によればシールの組み合わせで変化させることができるので、カード読み取りの回数を減少させることができる。
デフォルトでカードに貼付されているシール以外にも、お菓子や雑誌,イベントでの配布などで特別なシールを加えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。
図1は、本発明による貼付コードシール交換可能なカードの実施の形態を示す外観図である。
交換シール付きカード(以下「カード」という)1のカード基台3の中央上部にキャラクタ絵2が、右上にこのキャラクタ種別を認識するためのキャラクタコード1aが印刷されている。
カード基台3の下方向にはキャラクタの能力についてグループ分けした丸形シール4,三角形シール5,四角形シール6が貼付されている。
例えば、丸形シール4はキャラクタ絵2の攻撃力の能力値,三角形シール5はキャラクタ絵2の防御力の能力値,四角形シール6はスピードの能力値を示しており、それぞれのシールにその能力値を示すQRコード4a,5a,6aが印刷されている。
【0008】
ゲーム機から景品としてカード1を取得した時は、図1に示すような状態になっており、この状態でカードをゲーム機のカード挿入口に入れてカードのキャラクタをゲームに用いることができる。また、例えば図2に示すように丸形シール4−1を剥がし、他のカードに貼付されていた丸形シール4−2を貼付けることにより、攻撃力の能力値を変えることができる。三角形シール5,四角形シール6についても同様である。他のカードについても剥がした丸形シール4−1を貼付けることにより攻撃力の能力値を変えることができる。
【0009】
図3は、本発明によるカードを用いるゲーム機の外観例を示す斜視図である。
ゲーム機11は前面上部にゲーム画面などを表示する表示部16を備えており、中央突出部上面にプレイヤがゲーム操作を行うための操作部12が配置されている。中央突出部前面にはカード1を差し込むためのカード挿入部13が、中央突出部下側にはコイン投入部14がそれぞれ配置されている。さらにカード挿入部13に差し込んでゲーム機にその記録内容が読み込まれたカードを排出するためのカード排出口15が設けられている。
プレイヤは取得した時のままの状態のカード1または丸形シール4,三角形シール5,または四角形シール6を剥がし、他の同じ形状(グループ)のシールを貼付けたカード1を挿入し操作部12の操作によってカードのキャラクタをゲームに登場させゲームを進行させることができる。
【0010】
図4は、図3のゲーム機の回路例を示す回路ブロック図である。
コイン投入部14からのコイン入力を検知するコイン関連装置(コインカウンタ,コインボックスなど)23が入出力制御装置24を介してバス25に接続されている。バックアップメモリ31は、コイン数の設定値が記憶されるものである。操作部12は入出力制御装置24に接続されている。
サウンド処理部27はCPU20からの指示に基づき音声やBGMなどを処理し、スピーカ28はそれらサウンドを出力する。
画像処理部26はCPU20から送られる画像信号を所定の形式に変換し画像表示部16に出力する。ROM29にはゲームソフトのプログラムならびに各カードのキャラクタ,アイテムなどの画像データが格納されている。さらにQRコードとキャラクタ番号の対応ならびにQRコードと各攻撃力,防御力およびスピード技の対応を示す表が格納されている。これらデータは各アプリケーションゲームが内蔵しているものである。
表1にQRコードとキャラクタ番号の対応例ならびにQRコードと攻撃技,防御技およびスピード技の対応例を示す。

【表1】



表2にキャラクタ番号と各種データの対応例を示す。

【表2】



さらに表3に攻撃技番号と各キャラクタの攻撃力に加算するパラーメの例を、表4に防御技番号と各キャラクタの防御力に加算するパラーメの例を、表5にスピード技番号と各キャラクタのスピードに加算するパラメータの例をそれぞれ示す。

【表3】



【表4】



【表5】


【0011】
RAM30はCPU20がゲームプログラムの演算処理などに用いる記憶部である。CPU20はゲーム全体の制御を司るゲーム制御部20aの他、コード復号部20b,パラメータ決定処理部20cの各機能を有する。
ゲーム制御部20aは待ち受け画面を画像表示部16に表示制御しており、コイン投入部14からコイン投入の信号が入出力制御装置24より入力されると、ROM29からゲームソフトを読み込みゲーム開始のための画面を表示する。プレイヤはこの表示を見ながら操作部12を操作してゲーム開始に必要な選択や決定を行うことによりゲームを開始することができる。ゲーム制御部20aは操作信号を受けてゲームを進行させる。
【0012】
ゲーム制御部20aはゲーム開始画面にカードの挿入を促す表示を行う。プレイヤはこの表示にしたがってカード1を取得したときの図1のように攻撃力,防御力,スピードの能力を示すQRコード4a,5a,6aの丸形シール4,三角形シール5,四角形シール6が貼付されたカードか、または、丸形シール4,三角形シール5,四角形シール6の少なくとも1つのシールを貼り変えたカードをカード挿入部13に挿入することができる。
プレイヤがカードを挿入すると、カード読取制御部22は、カード上のキャラクタコードおよびQRコードすべてを光学センサで走査してそのイメージ画像を読み込む。
【0013】
コード復号器20bは読み込んだイメージ画像すべてについてそのコード内容を復号する。復号したQRコードは例えば、「モンスターA」でデータ番号は「0000」とすると、表2からその基礎攻撃力,基礎防御力および基礎スピードはそれぞれ50,10および10である。丸形シールの復号したQRコードが、攻撃技が「1000」とすると、表3から明らかなように技名はパワーパンチで、各キャラクタへの加点がそれぞれ決められている。同様には三角シールの復号したQRコードが、防御技が「2000」とすると、表4に示すように技名は鉄のカーテンで、各キャラクタへの加点がそれぞれ決められている。さらに四角シールの復号したQRコードが、スピード技が「4000」とすると、表5に示すように技名は奇跡の動きで、各キャラクタへの加点がそれぞれ決められている。
【0014】
このようにしてコード復号部20bは復号してROM29に格納されている表1のデータ属性とデータ番号を得る。このとき、同じ属性のものが複数存在する場合はゲーム制御部20aはエラー扱いでカードの入れ直しを要求する。
そして、表2からそのキャラクタ属性に対するキャラクタの基礎データを取り出す。そして、丸形シール,三角シールおよび四角シールの復号したQRコードから攻撃技番号,防御技番号およびスピード技番号が分かるため、攻撃属性のデータの表3(相性表)からそのキャラクタの加点するデータを、防御属性のデータの表4(相性表)からそのキャラクタの加点するデータを、スピード属性のデータの表5(相性表)からそのキャラクタの加点するデータをそれぞれ求めることになる。
パラメータ決定処理部20cは、キャラクタ番号が「0000」であれば上記基礎データについて攻撃力のパラメータとして50,防御力のパラメータとして10,スピードのパラメータとして10の能力をキャラクタに付与し、各攻撃属性,防御属性およびスピード属性の加点すべきデータを決定する。
さらにキャラクタ番号をもとに表現上のモデル,テクスチャー,サウンドを決定する。
なお、図2のように丸形シールが4−2に交換されているカードが挿入されていれば、丸形シールの攻撃属性の加点すべきデータが変わることになる。
【0015】
ゲーム制御部20aはこのように図1のカードか、または丸形シール,三角形シール,四角形シールの少なくとも1つを交換したカードでその能力が付与されたキャラクタをゲームに登場させることができる。
【0016】
図5は、本発明の他の実施の形態を説明するための図である。
この実施の形態は、カード32に貼付される丸形シール38,三角形シール39,四角形シール40にRFID回路32を埋め込んだ例を示すものである。
RFID回路32は送信部および受信部よりなる通信部35,メモリ部34およびカード読取制御部36の通信部36aから電波を受けることにより電力を誘起するコイルよりなる誘起部33を備えている。メモリ部34にはキャラクタ種別特定のための管理番号(キャラクタ番号など)およびシール形状対応の能力(攻撃技番号,防御技番号,スピード技番号)データが格納されている。
上記管理番号が読み出されることによりこのカードのキャラクタ番号を識別することができる。また、各グループ毎のシールの能力データを読み込むことができる。
【0017】
図6は、図5のカードを読み込むゲーム機の回路部分を説明するための図である。
この実施の形態では、図4のカード読取制御部22に代えて通信部36aを有するカード読取制御部36が設けられており、さらにCPU20のコード復号部20bの機能は不要である。
通信部36aは、挿入されたカード37に対し、特定の電波を発進する。この電波は丸形シール38,三角形シール39,四角形シール40に埋め込まれているRFID回路32の誘起部33に電力を誘起し、誘起した電力が通信部35およびメモリ部34に供給される。メモリ部34からはキャラクタ種別特定のための管理番号およびそのシールの能力データが読み出され、通信部35の送信部によって管理番号および能力データを搭載した電波が送信される。カード読取制御部36の通信部36aは受信した電波を復調し、各シールの管理番号およびそのシール毎の能力データを分離しCPU20に送る。
【0018】
ゲーム制御部20aは管理番号よりカードのキャラクタ種別を認識し、さらにパラメータ決定処理部20cは、キャラクタ番号が「0001」であれば上記基礎データについて攻撃力のパラメータとして35,防御力のパラメータとして15,スピードのパラメータとして40の能力をキャラクタに付与し、さらに攻撃技番号が「1001」であれば、スパーキックの「0001」のキャラクタへの加点を+5に、防御技番号が「2001」であれば完璧ガードの「0001」のキャラクタへの加点を+5に、スピード技番号が「4001」であれば猛ダッシュの「0001」のキャラクタへの加点を+40にそれぞれ決定する。さらにキャラクタ番号をもとに表現上のモデル,テクスチャー,サウンドを決定する。
ゲーム制御部20aはこのようにして読み取ったカードのキャラクタをゲームに登場させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
ゲームセンタやイベント会場などに設置されるゲーム機に用いられる、貼付コードシール交換可能なカードである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による貼付コードシール交換可能なカードの実施の形態を示す外観図である。
【図2】図1のカードのシールの一部の貼る替えを説明するための図である。
【図3】本発明によるカードを用いるゲーム機の外観例を示す斜視図である。
【図4】図3のゲーム機の回路例を示す回路ブロック図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を説明するための図である。
【図6】図5のカードを読み込むゲーム機の回路部分を説明するための図である。
【符号の説明】
【0021】
1 コードシール付カード(交換シール付カード)
2 キャラクタ絵
3 カード基台
4 丸形シール
5 三角形シール
6 四角形シール
4a,5a,6a QRカード
11 ゲーム機
12 操作部
13 カード挿入部
14 コイン投入部
15 カード排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタの図柄が印刷されたカード基台に、前記キャラクタに関し光学センサにより読み取り可能なコードデータが印刷されたか、または電磁的に読み取り可能なデータを格納したRFIDチップを埋め込んだそれぞれ形状の異なる複数のシールを貼付して構成され、
前記複数のシールのいずれかを剥がし、剥がしたシールと同じ形状であってデータが異なるシールを貼り替え可能に構成したことを特徴とする貼付コードシール交換可能なカード。
【請求項2】
前記光学センサにより読み取り可能なコードデータはQRコードであることを特徴とする請求項1記載の貼付コードシール交換可能なカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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