説明

赤外線センサ

【課題】 赤外線検知用と温度補償用との感熱素子間で高い温度差分が得られると共に小型化が可能で、安価な構造を有している赤外線センサを提供すること。
【解決手段】 絶縁性フィルム2と、該絶縁性フィルム2の一方の面に互いに離間させて設けられた第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bと、絶縁性フィルム2の一方の面に形成され第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bに別々に接続された複数対の導電性の配線膜4と、第1の感熱素子3Aに対向して絶縁性フィルム2の他方の面に設けられた赤外線吸収膜5と、第2の感熱素子3Bに対向して絶縁性フィルム2の他方の面に設けられた赤外線反射膜6と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物からの赤外線を検知して該測定対象物の温度等を測定する赤外線センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定対象物から輻射により放射される赤外線を非接触で検知して測定対象物の温度を測定する温度センサとして、赤外線センサが使用されている。
例えば、特許文献1には、保持体に設置した樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに設けられ保持体の導光部を介して赤外線を検知する赤外線検知用感熱素子と、樹脂フィルムに遮光状態に設けられ保持体の温度を検知する温度補償用感熱素子と、を備えた赤外線センサが提案されている。この赤外線センサでは、導光部の内側面に赤外線吸収膜を形成すると共に、樹脂フィルムにカーボンブラック等の赤外線吸収材料を含有させて赤外線の吸収を高めている。また、赤外線検知用感熱素子及び温度補償用感熱素子には、薄膜サーミスタが用いられている。
【0003】
また、特許文献2には、赤外線検知用感熱素子と、温度補償用感熱素子と、これらを密着固定する樹脂フィルムと、赤外線の入射窓側に赤外線検知用感熱素子を配置すると共に赤外線を遮蔽する遮蔽部側に温度補償用感熱素子を配置した枠体を有するケースと、を備えた赤外線検出器が提案されている。この赤外線検出器では、樹脂フィルムにカーボンブラック等の赤外線吸収材料を含有させて赤外線の吸収を高めていると共に、赤外線検知用感熱素子と温度補償用感熱素子との熱勾配を無くすために熱伝導の良い材料で枠体を形成している。また、赤外線検知用感熱素子及び温度補償用感熱素子には、リード線がサーミスタに接続された松葉型のサーミスタが採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−156284号公報(段落番号0026、図2)
【特許文献2】特開平7−260579号公報(特許請求の範囲、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、特許文献1及び2の赤外線センサでは、樹脂フィルムにカーボンブラック等の赤外線吸収材料を含有させると共に一方の感熱素子側を温度補償用に遮光する構造が採用されているが、赤外線吸収材料を含有した樹脂フィルムの熱伝導が高く、赤外線検知用と温度補償用との感熱素子間で温度差分が生じ難いという不都合があった。また、これら感熱素子間で温度差分を大きくするためには、感熱素子間の距離を大きくする必要があり、全体形状が大きくなってしまい、小型化が困難になる問題がある。さらに、温度補償用の感熱素子を遮光する構造をケース自体に設ける必要があるため、高価になってしまう。
また、特許文献2では、熱伝導の良い枠体を採用しているため、赤外線吸収膜からの熱も放熱されてしまい感度が劣化する不都合がある。また、リード線が接続された松葉型のため、サーミスタとリード線との間で熱の空間伝導が生じてしまう。さらに、松葉型やチップ型のサーミスタの場合、スポット計測となってしまい、樹脂フィルムに温度の面内分布が生じた場合に測定誤差が生じてしまう不都合があった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、赤外線検知用と温度補償用との感熱素子間で高い温度差分が得られると共に小型化が可能で、安価な構造を有している赤外線センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の赤外線センサは、絶縁性フィルムと、該絶縁性フィルムの一方の面に互いに離間させて設けられた第1の感熱素子及び第2の感熱素子と、前記絶縁性フィルムの一方の面に形成され前記第1の感熱素子及び前記第2の感熱素子に別々に接続された複数対の導電性の配線膜と、前記第1の感熱素子に対向して前記絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線吸収膜と、前記第2の感熱素子に対向して前記絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線反射膜と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
この赤外線センサでは、第1の感熱素子に対向して絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線吸収膜と、第2の感熱素子に対向して絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線反射膜と、を備えているので、赤外線吸収膜による部分的な赤外線吸収と赤外線反射膜による部分的な赤外線反射とにより、薄く熱伝導性の低い絶縁性フィルム上で第1の感熱素子と第2の感熱素子との良好な温度差分を得ることができる。
すなわち、フィルムに赤外線吸収材料等を含有させていない低熱伝導性の絶縁性フィルムでも、赤外線吸収膜によって絶縁性フィルムの第1の感熱素子の直上部分のみに赤外線吸収による熱を伝導させることができる。特に、薄い絶縁性フィルムを挟んで赤外線吸収膜の熱が伝導されるため、感度の劣化がなく、高い応答性を有している。また、赤外線吸収膜の面積を任意に設定可能であるため、測定対象物との距離に合わせた赤外線検出の視野角を面積で設定でき、高い受光効率を得ることができる。
また、赤外線反射膜によって絶縁性フィルムの第2の感熱素子の直上部分における赤外線を反射してその吸収を阻止することができる。
なお、絶縁性フィルム上に赤外線吸収膜と赤外線反射膜とを形成しているので、赤外線吸収膜と赤外線反射膜との間の熱を伝導する媒体が、空気以外にこれら膜が対向した間の絶縁性フィルムのみとなり、伝導する断面積が小さくなる。したがって、相互の感熱素子への熱が伝わり難くなり、干渉が少なくなって検出感度が向上する。
このように、低熱伝導性の絶縁性フィルム上で互いに熱の影響が抑制された第1の感熱素子と第2の感熱素子とが、それぞれ赤外線吸収膜の直下と赤外線反射膜の直下との絶縁性フィルムの部分的な温度を測定する構造を有している。したがって、赤外線検知用とされる第1の感熱素子と温度補償用とされる第2の感熱素子との良好な温度差分を得られ、高感度化を図ることができる。
【0009】
また、第1の感熱素子と第2の感熱素子との熱結合が低いので、互いに近づけて配置することも可能になり、全体の小型化を図ることができる。さらに、枠体やケースによる遮光構造ではなく、赤外線反射膜によって赤外線の吸収を防いでいるので、安価に作製することができる。
また、赤外線吸収膜及び赤外線反射膜が導電性材料で構成されていても、絶縁性フィルムを挟んで設置された第1の感熱素子及び第2の感熱素子との絶縁が確保されているので、膜の絶縁性を問わずに効率の良い材料の選択が可能になる。
さらに、絶縁性フィルム上に薄く熱伝導性の低い配線膜を設けているので、従来のようにリード線とサーミスタとの間の空間伝導による他の箇所との熱結合を防ぐことができる。
【0010】
また、本発明の赤外線センサは、前記第1の感熱素子及び前記第2の感熱素子が、前記絶縁性フィルムの一方の面に成膜された薄膜サーミスタであることを特徴とする。
すなわち、この赤外線センサでは、第1の感熱素子及び第2の感熱素子が絶縁性フィルムの一方の面に成膜された薄膜サーミスタであるので、松葉型やチップ型のサーミスタに比べて検出面積を広くできると共に、赤外線吸収膜及び赤外線反射膜に対応した面積や形状とすることが容易で、面内分布による測定誤差が生じ難い。また、薄膜サーミスタのため、熱容量が小さく、より高い応答性が得られる。さらに、全体が、絶縁性フィルム、赤外線吸収膜、赤外線反射膜、配線膜及び薄膜サーミスタによる複数膜の積層構造であるため、機械的強度が高くなると共に重量の増加が抑制され、耐振動性を向上させることができる。
【0011】
また、本発明の赤外線センサは、前記絶縁性フィルムの一方の面に固定されて該絶縁性フィルムを支持する筐体を備え、該筐体に、前記第1の感熱素子及び前記第2の感熱素子をそれぞれ個別に収納すると共に前記絶縁性フィルムよりも熱伝導率の低い材料で覆う第1の収納部及び第2の収納部が設けられていることを特徴とする。
すなわち、この赤外線センサでは、第1の収納部及び第2の収納部によって、第1の感熱素子及び第2の感熱素子をそれぞれ個別に収納すると共に絶縁性フィルムよりも熱伝導率の低い材料で覆うので、第1の感熱素子と第2の感熱素子との間の熱伝導をさらに抑制することができる。
【0012】
さらに、本発明の赤外線センサは、前記熱伝導率の低い材料が、発泡樹脂であることを特徴とする。
すなわち、この赤外線センサでは、上記熱伝導率の低い材料として発泡樹脂を採用しているので、熱伝導率の低い樹脂である発泡樹脂により第1の感熱素子と第2の感熱素子とが密封され、互いの熱結合をより効果的に防ぐことができる。
【0013】
また、本発明の赤外線センサは、前記絶縁性フィルムが、赤外線透過性フィルムで形成されていることを特徴とする。
すなわち、この赤外線センサでは、絶縁性フィルムが、赤外線透過性フィルムで形成されているので、赤外線吸収膜及び赤外線反射膜の周囲の絶縁性フィルム自体による赤外線吸収を極力抑制して、周囲からの熱伝導による感熱素子への影響を低減することができる。
【0014】
また、本発明の赤外線センサは、前記感熱素子が、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体で形成されたサーミスタ素子であることを特徴とする。
すなわち、この赤外線センサでは、感熱素子が、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体、すなわちMn−Co−Fe系材料で形成されたサーミスタ素子であるので、温度係数であるB定数が高いため、赤外線吸収膜の温度変化を感度良く検出することができる。また、Mn−Co−Cu系材料などの他のサーミスタ材料に比べ機械的強度も高いため、耐環境に対する信頼性も高い。
【0015】
さらに、本発明の赤外線センサは、前記セラミックス焼結体が、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有していることが望ましい。
すなわち、この赤外線センサでは、セラミックス焼結体が、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有しているので、異方性もなく、また不純物層がないので、セラミックス焼結体内で電気特性のバラツキが小さく、複数の赤外線センサを用いる際に高精度な測定が可能になる。また、安定した結晶構造のため、耐環境に対する信頼性も高い。なお、セラミックス焼結体としては、立方晶スピネル相からなる単相の結晶構造が最も望ましい。
【0016】
また、本発明の赤外線センサは、前記第1の感熱素子と前記第2の感熱素子とが、セラミックス焼結体で形成された同一のウエハから得たサーミスタ素子の中から所定の許容誤差内の抵抗値で選別したものであることを特徴とする。
すなわち、この赤外線センサでは、第1の感熱素子と第2の感熱素子とが、セラミックス焼結体で形成された同一のウエハから得たサーミスタ素子の中から所定の許容誤差内の抵抗値で選別したものであるので、対となる第1の感熱素子と第2の感熱素子とでB定数の相対誤差が小さくなり、同時に温度を検出する両者の温度差分を高精度に検出することができる。また、第1の感熱素子と第2の感熱素子とについて、B定数の選別作業や抵抗値の調整工程が不要になると共に組み合わせの履歴管理なども不要になり、生産性を向上させることができる。
【0017】
また、本発明の赤外線センサは、前記赤外線吸収膜が、アンチモンドープ酸化錫膜であることを特徴とする。
すなわち、この赤外線センサでは、赤外線吸収膜が、アンチモンドープ酸化錫(ATO)膜であるので、カーボンブラック等に比べて赤外線の吸収率が良いと共に耐光性に優れている。特に、ATO膜は、紫外線で硬化させるので、接着強度が強く、カーボンブラック等に比べて剥がれ難い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る赤外線センサによれば、第1の感熱素子に対向して絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線吸収膜と、第2の感熱素子に対向して絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線反射膜と、を備えているので、第1の感熱素子と第2の感熱素子との良好な温度差分を得ることができ、高感度化を図ることができると共に、小型かつ安価に作製可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る赤外線センサの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態において、赤外線センサを示す正面図である。
【図3】本発明に係る赤外線センサの第2実施形態を示す断面図である。
【図4】第2実施形態において、赤外線センサを示す分解斜視図である。
【図5】本発明に係る赤外線センサの第3実施形態を示す斜視図である。
【図6】図5のA−A線矢視断面図及びB−B線矢視断面図である。
【図7】B定数と抵抗値とにおいて補償温度と最大検出誤差温度との関係を示すグラフである。
【図8】本発明に係る赤外線センサの第4実施形態を示す斜視図である。
【図9】第4実施形態の赤外線センサを表面実装したリード型の赤外線センサ装置を示す斜視図である。
【図10】第4実施形態の赤外線センサを表面実装したブリッジ回路型の赤外線センサ装置を示す斜視図である。
【図11】第4実施形態の赤外線センサを表面実装した検出回路内蔵型の赤外線センサ装置を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る赤外線センサの第5実施形態を示す斜視図である。
【図13】第5実施形態の他の例として、赤外線センサを表面実装したブリッジ回路型の赤外線センサ装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る赤外線センサの第1実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0021】
本実施形態の赤外線センサ1は、図1及び図2に示すように、絶縁性フィルム2と、該絶縁性フィルム2の一方の面(下面)に互いに離間させて設けられた第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bと、絶縁性フィルム2の一方の面に銅箔等でパターン形成され第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bに別々に接続された複数対の導電性の配線膜4と、第1の感熱素子3Aに対向して絶縁性フィルム2の他方の面(上面)に設けられた赤外線吸収膜5と、第2の感熱素子3Bに対向して絶縁性フィルム2の他方の面に設けられた赤外線反射膜6と、を備えている。
【0022】
すなわち、上記赤外線吸収膜5は、第1の感熱素子3Aの直上に配されていると共に、上記赤外線反射膜6は、第2の感熱素子3Bの直上に配されている。
上記絶縁性フィルム2は、赤外線透過性フィルムで形成されている。なお、本実施形態では、絶縁性フィルム2がポリイミド樹脂シートで形成されている。
【0023】
上記第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bは、両端部に端子電極3aが形成されたチップサーミスタである。このサーミスタとしては、NTC型、PTC型、CTR型等のサーミスタがあるが、本実施形態では、第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bとして、例えばNTC型サーミスタを採用している。このサーミスタは、Mn−Co−Cu系材料、Mn−Co−Fe系材料等のサーミスタ材料で形成されている。なお、これら第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bは、各端子電極3aを配線膜4上に接合させて絶縁性フィルム2に実装されている。
【0024】
特に、本実施形態では、第1の感熱素子3Aおよび第2の感熱素子3Bとして、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体、すなわちMn−Co−Fe系材料で形成されたサーミスタ素子を採用している。さらに、このセラミックス焼結体は、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有していることが好ましい。特に、セラミックス焼結体としては、立方晶スピネル相からなる単相の結晶構造が最も望ましい。
【0025】
なお、通常、複数の感熱素子で同時に物体の熱を比較する場合、互いに同一の特性を持つことが検出精度を向上させるために重要であるが、異なる生産工程で作製されたサーミスタ素子の場合、互いにB定数や抵抗値等の特性がばらついてしまう不都合がある。特に、絶対温度の1/100程度の温度差を検出する場合、B定数の相対誤差の影響が大きくなる。
【0026】
例えば、抵抗値(R値)が−0.10%、B定数が−0.10%の誤差がある場合、抵抗値が−0.05%、B定数が−0.10%の誤差がある場合、また抵抗値が−0.10%、B定数が−0.05%の誤差がある場合のそれぞれについて、補償温度と最大検出誤差温度との関係を図7に示す。
このため、高精度な検出を得るためには、B定数の選別工程を設けたり、抵抗値の調整工程が必要となる。例えば、調整用の電極部を設けて該電極部を部分的に切断して抵抗値を調整する等の調整工程が必要である。
【0027】
しかしながら、これらの工程を導入することで、工程が複雑化し、高コスト化を招いてしまう。また、抵抗値の調整では、B定数誤差を広範囲に補正することが難しい。
これらの対策として、本実施形態の第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとは、上記のようなセラミックス焼結体で形成された同一のウエハから得たサーミスタ素子の中から所定の許容誤差内の抵抗値で選別したものである。
【0028】
例えば、第1の感熱素子3Aおよび第2の感熱素子3Bを作製するには、まず上記材料のセラミックス焼結体よりなる薄板状サーミスタ素体のウエハを作製し、このウエハを短冊状に切断して角柱状サーミスタ素体とした後、該角柱状サーミスタ素体の長手方向に延在する側面にガラス層等の絶縁層を形成する。次に、この角柱状サーミスタ素体を長手方向と直交する方向に切断して複数のチップ状サーミスタ素体を製造し、さらに各チップ状サーミスタ素体の絶縁層未被覆の両端面に端子電極3aを形成して複数のチップ型のサーミスタ素子を作製する。次に、このように同一のウエハから作製した複数のチップ型のサーミスタ素子について、それぞれ抵抗値を測定し、所定の許容誤差内のものを一対選別して、第1の感熱素子3Aおよび第2の感熱素子3Bとする。例えば、本実施形態では、±0.05%の許容誤差で抵抗値を選別している。
【0029】
このように第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとが、セラミックス焼結体で形成された同一のウエハから得たサーミスタ素子の中から所定の許容誤差内の抵抗値で選別したものであるので、対となる第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3BとでB定数の相対誤差が小さくなり、同時に温度を検出する両者の温度差分を高精度に検出することができる。また、第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとについて、B定数の選別作業や抵抗値の調整工程が不要になると共に組み合わせの履歴管理なども不要になり、生産性を向上させることができる。
【0030】
上記赤外線吸収膜5は、絶縁性フィルム2よりも高い赤外線吸収率を有する材料で形成され、例えば、カーボンブラックやアンチモンドープ酸化錫(ATO)等の赤外線吸収材料を含むフィルムや赤外線吸収性ガラス膜(二酸化珪素を71%含有するホーケー酸ガラス膜など)で形成されている。すなわち、この赤外線吸収膜5によって測定対象物からの輻射による赤外線を吸収する。そして、赤外線を吸収し発熱した赤外線吸収膜5から絶縁性フィルム2を介した熱伝導によって、直下の第1の感熱素子3Aの温度が変化するようになっている。この赤外線吸収膜5は、第1の感熱素子3Aよりも大きなサイズでこれを覆うように形成されている。
【0031】
特に、赤外線吸収膜5は、アンチモンドープ酸化錫(ATO)膜で形成されていることが好ましい。すなわち、このATO膜は、カーボンブラック等に比べて赤外線の吸収率が良いと共に耐光性に優れているためである。また、ATO膜は、紫外線で硬化させるので、接着強度が強く、カーボンブラック等に比べて剥がれ難い。
【0032】
上記赤外線反射膜6は、絶縁性フィルム2よりも高い赤外線放射率を有する材料で形成され、例えば、鏡面のアルミニウム蒸着膜やアルミニウム箔等で形成されている。この赤外線反射膜6は、第2の感熱素子3Bよりも大きなサイズでこれらを覆うように形成されている。
【0033】
このように本実施形態の赤外線センサ1は、第1の感熱素子3Aに対向して絶縁性フィルム2の他方の面に設けられた赤外線吸収膜5と、第2の感熱素子3Bに対向して絶縁性フィルム2の他方の面に設けられた赤外線反射膜6と、を備えているので、赤外線吸収膜5による部分的な赤外線吸収と赤外線反射膜6による部分的な赤外線反射とにより、薄く熱伝導性の低い絶縁性フィルム2上で第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとの良好な温度差分を得ることができる。
【0034】
すなわち、フィルムに赤外線吸収材料等を含有させていない低熱伝導性の絶縁性フィルム2でも、図2に示すように、赤外線吸収膜5によって絶縁性フィルム2の第1の感熱素子3Aの直上部分のみに赤外線吸収による熱を伝導させることができる。特に、薄い絶縁性フィルム2を挟んで赤外線吸収膜5の熱が伝導されるため、感度の劣化がなく、高い応答性を有している。また、赤外線吸収膜5の面積を任意に設定可能であるため、測定対象物との距離に合わせた赤外線検出の視野角を面積で設定でき、高い受光効率を得ることができる。
【0035】
また、赤外線反射膜6によって絶縁性フィルム2の第2の感熱素子3Bの直上部分における赤外線を反射してその吸収を阻止することができる。
なお、絶縁性フィルム2上に赤外線吸収膜5と赤外線反射膜6とを形成しているので、赤外線吸収膜5と赤外線反射膜6との間の熱を伝導する媒体が、空気以外にこれら膜が対向した間の絶縁性フィルム2のみとなり、伝導する断面積が小さくなる。したがって、相互の感熱素子への熱が伝わり難くなり、干渉が少なくなって検出感度が向上する。
【0036】
このように、低熱伝導性の絶縁性フィルム2上で互いに熱の影響が抑制された第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとが、それぞれ赤外線吸収膜5の直下と赤外線反射膜6の直下との絶縁性フィルム2の部分的な温度を測定する構造を有している。したがって、赤外線検知用とされる第1の感熱素子3Aと温度補償用とされる第2の感熱素子3Bとの良好な温度差分を得られ、高感度化を図ることができる。
【0037】
また、第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとの熱結合が低いので、互いに近づけて配置することも可能になり、全体の小型化を図ることができる。さらに、枠体やケースによる遮光構造ではなく、赤外線反射膜6によって赤外線の吸収を防いでいるので、安価に作製することができる。
【0038】
また、赤外線吸収膜5及び赤外線反射膜6が導電性材料で構成されていても、絶縁性フィルム2を挟んで設置された第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bとの絶縁が確保されているので、膜の絶縁性を問わずに効率の良い材料の選択が可能になる。
さらに、絶縁性フィルム2上に薄く熱伝導性の低い配線膜4を設けているので、従来のようにリード線とサーミスタとの間の空間伝導による他の箇所との熱結合を防ぐことができる。
【0039】
また、絶縁性フィルム2が、赤外線透過性フィルムで形成されているので、赤外線吸収膜5及び赤外線反射膜6の周囲の絶縁性フィルム2自体による赤外線吸収を極力抑制して、周囲からの熱伝導による第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bへの影響を低減することができる。
【0040】
また、第1の感熱素子3Aおよび第2の感熱素子3Bが、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体、すなわちMn−Co−Fe系材料で形成されたサーミスタ素子であるので、温度係数であるB定数が高いため、赤外線吸収膜の温度変化を感度良く検出することができる。また、Mn−Co−Cu系材料などの他のサーミスタ材料に比べ機械的強度も高いため、耐環境に対する信頼性も高い。
【0041】
さらに、第1の感熱素子3Aおよび第2の感熱素子3Bのセラミックス焼結体が、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有しているので、異方性もなく、また不純物層がないので、セラミックス焼結体内で電気特性のバラツキが小さく、第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとで高精度な測定が可能になる。また、安定した結晶構造のため、耐環境に対する信頼性も高い。
【0042】
次に、本発明に係る赤外線センサの第2実施形態及び第3実施形態について、図3から図6を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0043】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、チップサーミスタの第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bを採用しているのに対し、第2実施形態の赤外線センサ21は、図3及び図4に示すように、第1の感熱素子23A及び第2の感熱素子23Bが薄膜サーミスタで形成されている点である。
【0044】
また、第2実施形態の赤外線センサ21では、絶縁性フィルム2の一方の面に固定されて該絶縁性フィルム2を支持する筐体27を備え、該筐体27に、第1の感熱素子23A及び第2の感熱素子23Bをそれぞれ個別に収納すると共に絶縁性フィルム2よりも熱伝導率の低い空気で覆う第1の収納部27a及び第2の収納部27bが設けられている点で、第1実施形態と異なっている。
【0045】
上記薄膜サーミスタは、例えばMn−Co系複合金属酸化物(例えば、Mn−Co系複合金属酸化物)又はMn−Co系複合金属酸化物にNi、Fe、Cuの少なくとも一種類を含む複合金属酸化物(例えば、Mn−Co−Fe系複合金属酸化物)からなる複合金属酸化物膜(サーミスタ薄膜)23aと、この複合金属酸化物膜上に形成され配線膜4に接続された櫛形電極等の電気抵抗測定用の金属電極23bと、を備えている。
また、この薄膜サーミスタである第1の感熱素子23A及び第2の感熱素子23Bは、それぞれ対向する赤外線吸収膜5及び赤外線反射膜6に対応させた大きさ及び形状に設定されている。
【0046】
上記筐体27は、例えば樹脂製であり、絶縁性フィルム2の熱を必要以上に放熱しないように絶縁性フィルム2よりも熱伝導性の低い材料であることが好ましい。
また、上記第1の収納部27a及び第2の収納部27bは、第1の感熱素子23A及び第2の感熱素子23Bの位置にそれぞれ対応して形成された断面矩形状の孔部であり、内部に空気を密封した状態で開口部が絶縁性フィルム2で閉塞されている。
【0047】
このように第2実施形態の赤外線センサ21では、第1の感熱素子23A及び第2の感熱素子23Bが絶縁性フィルム2の一方の面に成膜された薄膜サーミスタであるので、松葉型やチップ型のサーミスタに比べて検出面積を広くできると共に、赤外線吸収膜5及び赤外線反射膜6に対応した面積や形状とすることが容易で、面内分布による測定誤差が生じ難い。また、薄膜サーミスタのため、熱容量が小さく、より高い応答性が得られる。
【0048】
さらに、筐体27を除く全体が、絶縁性フィルム2、赤外線吸収膜5、赤外線反射膜6、配線膜4及び薄膜サーミスタ(第1の感熱素子23A及び第2の感熱素子23B)による複数膜の積層構造であるため、機械的強度が高くなると共に重量の増加が抑制され、耐振動性を向上させることができる。
【0049】
また、第1の収納部27a及び第2の収納部27bによって、第1の感熱素子23A及び第2の感熱素子23Bをそれぞれ個別に収納すると共に絶縁性フィルム2よりも熱伝導率の低い空気でこれらを覆うので、第1の感熱素子23Aと第2の感熱素子23Bとの間の熱伝導をさらに抑制することができる。
【0050】
次に、第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、第1の収納部27a及び第2の収納部27b内に空気を密封しているのに対し、第3実施形態の赤外線センサ31では、図5及び図6に示すように、第1の収納部27a及び第2の収納部27b内に絶縁性フィルム2よりも熱伝導率の低い発泡樹脂38が充填されており、該発泡樹脂38で第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bを覆っている点である。
【0051】
なお、第3実施形態の赤外線センサ31では、第1の感熱素子3A及び第2の感熱素子3Bとしてそれぞれチップサーミスタを採用している点でも第2実施形態と異なる。
このように第3実施形態の赤外線センサ31では、上記熱伝導率の低い材料として発泡樹脂38を採用しているので、熱伝導率の低い樹脂である発泡樹脂38により第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとが密封され、互いの熱結合をより効果的に防ぐことができる。
【0052】
次に、本発明に係る赤外線センサの第4実施形態および第5実施形態について、図8から図13を参照して以下に説明する。
【0053】
第4実施形態と第3実施形態との異なる点は、第3実施形態では、外部の回路と接続するための各配線膜4の端部が側面に露出しているのに対し、第4実施形態の赤外線センサ41は、図8に示すように、筐体27の側面に設けられ配線膜4に上端が接続されていると共に筐体27の底部まで延在された複数の側面電極部44aと、筐体27の側面下部において側面電極部44aの下端に接続されて設けられ外部の回路基板上に接続させる複数の実装用外部端子44bと、を備えている表面実装型である点である。
【0054】
例えば、図9に示すように、この赤外線センサ41を、複数の配線パターン45が形成された実装基板43A上に載せ、実装用外部端子44bを配線パターン45の所定位置に半田等で接合することで、表面実装することができる。この実装基板43Aは、各配線パターン45に一端が接続された複数のリード線46と、これらリード線46の他端に接続されたコネクタ47と、を備えている。このように実装基板43A上に赤外線センサ41を表面実装することで、リード型の赤外線センサ装置48Aが得られる。この赤外線センサ装置48Aによれば、リード線46を備えた実装基板43Aに赤外線センサ41が実装されているので、リード線46およびコネクタ47によって取り付けおよび接続が容易になる。
【0055】
また、別の表面実装例としては、図10に示すように、赤外線センサ41を、ブリッジ回路を有する実装基板43Bに表面実装したブリッジ回路型の赤外線センサ装置48Bとしてもよい。この赤外線センサ装置48Bでは、2つの抵抗Rが実装され赤外線センサ41の第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとの間でブリッジ回路を構成した実装基板43Bを備えている。この赤外線センサ装置48Bでは、ブリッジ回路を構成しているので、第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとの抵抗値を高精度に検出することができる。
【0056】
さらに、別の表面実装例として、図11に示すように、赤外線センサ41を、検出回路を内蔵した実装基板43Cに表面実装した検出回路内蔵型の赤外線センサ装置48Cとしてもよい。この赤外線センサ装置48Cでは、6つの抵抗Rと、1つのコンデンサCと、差分増幅回路を構成するOPアンプ49と、が実装されてこれらで検出回路を構成している実装基板43Cを備えたモジュールタイプである。
【0057】
したがって、この赤外線センサ装置48Cでは、赤外線センサ41が差分増幅回路を内蔵する実装基板43Cに実装されているので、差分バランスの調整部分が1枚の実装基板43C内で閉じており、第1の感熱素子3Aと第2の感熱素子3Bとの温度差分を電圧出力として検出することができる。
これらの赤外線センサ装置48A〜48Cは、例えばバッテリーユニット、複写機、IHクッキングヒータ等における温度センサ等に採用される。
なお、実装基板43B,43Cでは、配線パターンの図示を省略している。
【0058】
次に、第5実施形態と第4実施形態との異なる点は、第4実施形態では、赤外線吸収膜5および赤外線反射膜6がそのまま上面に露出しているが、第5実施形態の赤外線センサ51では、図12に示すように、筐体27の周囲を囲むように設けられたケース57を備えている点である。なお、各実装用外部端子44bは、表面実装のためケース57から外部に突出している。
【0059】
このケース57は、空気対流の影響を防ぐ風防ケースや、外部からの光干渉を防ぐ光学ケースとして機能する。なお、空気対流の影響を防ぐ風防ケースとしてのみ採用する場合は、上方を開口させたケースでも構わない。また、ケース57は、例えば樹脂やガラス材等のうち赤外線を透過し易い材料で形成されている。なお、光学ケースとして採用する場合は、受光部にシリコンなどの赤外線の波長について選択性のある材料を使用することが好ましい。
【0060】
また、他の例として、図13に示すように、ブリッジ型の赤外線センサ装置48Bにおいて、表面実装された赤外線センサ51と共に実装基板43全体を樹脂製のモールドケース67で覆っても構わない。この場合、ブリッジ回路全体をモールドケース67で保護するため、信頼性を向上させることができる。
【0061】
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0062】
例えば、第2実施形態では、筐体で絶縁性フィルムを支持しているが、第1の感熱素子及び第2の感熱素子に薄膜サーミスタを採用しているので、筐体以外の全体が膜の積層構造によって柔軟性を有していることから、筐体で支持せずに、全体がフィルム状又はテープ状の赤外線センサとしても構わない。この場合、赤外線センサが、薄くかつ軽量であると共に柔軟性を有しているので、狭いスペースや湾曲した箇所にも容易に設置することが可能になる。
また、感熱素子としては、上述したように薄膜サーミスタやチップサーミスタが用いられるが、サーミスタ以外に焦電素子等も採用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1,21,31,41,51…赤外線センサ、2…絶縁性フィルム、3A,23A…第1の感熱素子、3B,23B…第2の感熱素子、4…配線膜、5…赤外線吸収膜、6…赤外線反射膜、27…筐体、27a…第1の収納部、27b…第2の収納部、38…発泡樹脂、48A〜48C…赤外線センサ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性フィルムと、
該絶縁性フィルムの一方の面に互いに離間させて設けられた第1の感熱素子及び第2の感熱素子と、
前記絶縁性フィルムの一方の面に形成され前記第1の感熱素子及び前記第2の感熱素子に別々に接続された複数対の導電性の配線膜と、
前記第1の感熱素子に対向して前記絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線吸収膜と、
前記第2の感熱素子に対向して前記絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線反射膜と、を備えていることを特徴とする赤外線センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の赤外線センサにおいて、
前記第1の感熱素子及び前記第2の感熱素子が、前記絶縁性フィルムの一方の面に成膜された薄膜サーミスタであることを特徴とする赤外線センサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の赤外線センサにおいて、
前記絶縁性フィルムの一方の面に固定されて該絶縁性フィルムを支持する筐体を備え、
該筐体に、前記第1の感熱素子及び前記第2の感熱素子をそれぞれ個別に収納すると共に前記絶縁性フィルムよりも熱伝導率の低い材料で覆う第1の収納部及び第2の収納部が設けられていることを特徴とする赤外線センサ。
【請求項4】
請求項3に記載の赤外線センサにおいて、
前記熱伝導率の低い材料が、発泡樹脂であることを特徴とする赤外線センサ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の赤外線センサにおいて、
前記絶縁性フィルムが、赤外線透過性フィルムで形成されていることを特徴とする赤外線センサ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の赤外線センサにおいて、
前記感熱素子が、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体で形成されたサーミスタ素子であることを特徴とする赤外線センサ。
【請求項7】
請求項6に記載の赤外線センサにおいて、
前記セラミックス焼結体が、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有していることを特徴とする赤外線センサ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の赤外線センサにおいて、
前記第1の感熱素子と前記第2の感熱素子とが、セラミックス焼結体で形成された同一のウエハから得たサーミスタ素子の中から所定の許容誤差内の抵抗値で選別したものであることを特徴とする赤外線センサ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の赤外線センサにおいて、
前記赤外線吸収膜が、アンチモンドープ酸化錫膜であることを特徴とする赤外線センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−13213(P2011−13213A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126192(P2010−126192)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】