説明

走査型顕微鏡

【課題】小型で軽量なXYガルバノミラーペアを有する走査型顕微鏡を提供する。
【解決手段】走査型顕微鏡は、照明光であるレーザ光を射出する光源であるレーザユニットと、このレーザ光を集光して標本16に照射する対物レンズと、レーザユニットと対物レンズとの間に配置され、レーザ光により標本16の面を走査するための走査部である制御型及び共振型ガルバノスキャナ11,12と、を有する。そして、制御型及び共振型ガルバノスキャナ11,12は、第1ミラーであるXミラー11X,12Xと、第2のミラーであるYミラー11Y,12Yと、を有し、Xミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yを、レーザ光の入射角が45°より小さくなるように配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査型顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
走査型顕微鏡において、物体に対してレーザ光を走査するための機構としては、通常、XYガルバノミラーペアからなるガルバノスキャナが用いられる(例えば、特許文献1参照)。このガルバノスキャナを構成するXYガルバノミラーペアは、レーザ光を物体に対してX軸方向に走査させるためのXミラーと、Y軸方向に走査させるためのYミラーとの組であって、一般的には、これらのXミラー及びYミラーは、入射するレーザ光に対して45°傾けて配置されており、入射するレーザ光をそのレーザ光に対して直交する方向に反射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−068901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、XYガルバノミラーペアのXミラー及びYミラーを、入射するレーザ光に対して45°傾けて配置するとこれらのミラーの有効径が大きくなり、重量が重くなるという課題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、小型で軽量なXYガルバノミラーペアを有する走査型顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る走査型顕微鏡は、照明光を射出する光源と、この照明光を集光して標本に照射する対物レンズと、光源と対物レンズとの間に配置され、光源からの照明光の光路を2つの光路に分岐させるとともに、照明光を2つの光路のうちの少なくとも一方に導く第1光路切替ユニットと、2つの光路上のそれぞれに設けられた2つの走査部と、2つの光路を同一光路上に重ね合わせて照明光を対物レンズに導く第2光路切替ユニットと、を有し、走査部は、光源からの照明光を反射するとともに、標本上を所定方向に走査する第1ミラーと、この第1ミラーで反射された照明光を反射するとともに、標本上を所定の方向と直交する方向に走査する第2のミラーと、を有し、第1ミラー及び第2ミラーは、照明光の入射角が45°より小さくなるように配置され、第1ミラーと第2ミラーとの間に配置された一つのリレー光学系により対物レンズの射出瞳の像をリレーし、2つの走査部のうちの一方の走査部の第1ミラー及び他方の走査部の第2ミラーはリレー光学系の一方側に配置され、2つの走査部のうちの一方の走査部の第2ミラー及び他方の走査部の第1ミラーはリレー光学系の他方側に配置されていることを特徴とする。
【0007】
このような走査顕微鏡において、2つの走査部の第1ミラー及び第2ミラーの各々の光軸は、リレー光学系の光軸に対して偏心して配置されていることが好ましい。
【0008】
また、このような走査型顕微鏡において、第1ミラーは、リレー光学系の光軸に対して偏心する方向と略直交する方向に揺動するように配置されていることが好ましい。
【0009】
また、このような走査型顕微鏡において、リレー光学系は、互いの光軸が偏心する2つのレンズ群と、これらの2つのレンズ群の光路を繋ぐ2つのミラーで構成され、2つの走査部のうちのいずれか一方の第1ミラー及び第2ミラーの各々の光軸は、リレー光学系の2つのレンズ群の光軸のいずれか一方と一致するように配置されていることが好ましい。
【0010】
また、このような走査型顕微鏡において、リレー光学系は、2つのレンズ群と2つのミラーを一体に回転させることにより、2つの走査部のうちのいずれか一方の第1ミラー及び第2ミラーの光路を繋ぐように構成されていることが好ましい。
【0011】
また、このような走査型顕微鏡において、光源は、2つの異なる波長の照明光を放射し、第1光路切替ユニットは、2つの異なる波長の照明光の何れか一方を、2つの光路のいずれか一方に導き、照明光の他方を光路の他方に導くことが好ましい。
【0012】
また、このような走査型顕微鏡において、光源は、単一波長の照明光を放射し、第1光路切替ユニットは、単一波長の照明光を、2つの光路のそれぞれに導くことが好ましい。
【0013】
また、このような走査型顕微鏡において、光源は、単一波長の照明光を放射し、第1光路切替ユニットは、単一波長の照明光を、2つの光路の何れか一方に導くことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明を以上のように構成すると、小型で軽量なXYガルバノミラーを有する走査型顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】走査型顕微鏡の一例である共焦点レーザ顕微鏡システムの構成を示す説明図である。
【図2】第1の実施形態に係る顕微鏡本体のXミラー及びYミラーの配置を説明するための説明図である。
【図3】レーザ光に対するXミラーの配置角度と有効径との関係を説明するための説明図であって、(a)はレーザ光に対して45°傾けて配置した場合を示し、(b)は45°より小さい角度で傾けて配置した場合を示す。
【図4】ガルバノスキャナに入射するレーザ光と射出するレーザ光の偏光方向を説明するための説明図であって、(a)は従来のガルバノスキャナを示し、(b)は本実施形態に係るガルバノスキャナを示す。
【図5】第2の実施形態に係る顕微鏡本体のXミラー及びYミラーの配置を説明するための説明図であって、(a)は全体構成を示し、(b)はXミラー及びYミラーと第2リレーレンズの側面図を示す。
【図6】第2リレーレンズとガルバノスキャナのスキャン方向との関係を示す説明図であって、(a)はX方向にスキャンしたときを示し、(b)はY方向にスキャンしたときを示す。
【図7】第3の実施形態に係る顕微鏡本体の構成を説明するための説明図であって、(a)は制御型ガルバノスキャナによりスキャンする構成を示し、(b)は共振型ガルバノスキャナによりスキャンする構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、走査型顕微鏡の一例として、共焦点レーザ顕微鏡システムの構成について説明する。この共焦点レーザ顕微鏡システムは、顕微鏡本体100と、コントローラ41、コンピュータ42、モニタ43、入力装置44等から構成される制御部40と、を備える。
【0017】
顕微鏡本体100は、照明光であるレーザ光を放射する光源としてのレーザユニット1と、このレーザ光を標本(物体)16に照射する照明用光学系20と、標本16からの信号光(例えば、レーザ光により励起された蛍光)を検出する光検出器19と、標本16からの信号光を光検出器19に導く検出用光学系30と、を有して構成される。
【0018】
レーザユニット1には、複数種類のレーザ光源(ここでは2つのレーザ光源2,3)が搭載されている。このレーザ光源2,3の出射光路は、コンバイナミラー4により共通光路へ統合され、その共通光路には音響光学フィルタ(AOTF)5が挿入されている。このAOTF5や個々のレーザ光源2,3の作動を制御することで、レーザユニット1は、使用光源の設定、出射光のオン/オフ、出射光の強度調節等を行うことができる。また、このレーザユニット1から射出したレーザ光は、ファイバカプラ6を介して光ファイバ7の一端に入射した後、光ファイバ7の他端から出射して照明用光学系20に導かれる。
【0019】
照明用光学系20は、光源側から順に、コリメートレンズ8、ダイクロイックミラー9、第1光路切替ユニット10、第2光路切替ユニット13、リレーレンズ14、及び、対物レンズ15を有し、この対物レンズ15の物体側に標本16が配置される。ここで、第1光路切替ユニット10は、レーザユニット1からのレーザ光の光路を2つの光路に分岐させるものであり、また、第2光路切替ユニット13は、2つの光路を1つの光路に統合するものである。そして、2つの光路の一方に走査部の一つである制御型ガルバノスキャナ11が配置され、他方に走査部の他の一つである共振型ガルバノスキャナ12が配置されている。
【0020】
図2に示すように、制御型ガルバノスキャナ11は、直列の関係で配置された第1ミラーであるXミラー11Xと第2ミラーであるYミラー11Yとを有し、共振型ガルバノスキャナ12は、直列の関係で配置された第1ミラーであるXミラー12Xと第2ミラーであるYミラー12Yとを有する。ここで、図2に示すように、照明用光学系20の光軸をZ軸とし、この光軸に直交する面において互いに直交する2つの方向のうち、一方をX軸(図2では水平方向)とし、他方をY軸(図2では垂直方向)としたとき、Xミラー11X,12Xは、Y軸方向に延びる軸を中心に揺動されることにより、対物レンズ15の焦点面に形成されるレーザ光のスポットをX軸方向に移動させ、Yミラー11Y,12Yは、X軸方向に延びる軸を中心に揺動されることにより、レーザ光のスポットをY軸方向に移動させるように構成されており、これらの動作を組み合わせることにより、標本16をこのレーザ光のスポットによりスキャンさせるものである。このうち、制御型ガルバノスキャナ11は、スキャン速度が遅いものの、スキャン領域を自由に設定することが可能であるという利点を有するので、レーザ光の照射先を標本16の観察領域の所望の部分領域に限定するときに有効であり、共振型ガルバノスキャナ12は、スキャン領域を自由に設定することが困難である反面、スキャン速度が速いという利点があるので、標本16全体を高速にレーザスキャンするときに有効である。
【0021】
また、第1及び第2光路切替ユニット10,13の各々は、ダイクロイックミラー10D,13Dと、全反射ミラー10M,13Mと、不図示の中空ブロックとからなる設定素子が設けられたターレットを有し、これらのターレットを回転させることにより、光路上にダイクロイックミラー10D,13D、全反射ミラー10M,13M及び中空ブロックからなる設定素子のいずれかを切り替えて配置することができる。なお、以降の説明では、レーザユニット1に設けられた2つのレーザ光源2,3は、異なる波長のレーザ光を放射するように構成されており、第1及び第2光路切替ユニット10,13のダイクロイックミラー10D,13Dは、波長が短い方のレーザ光を透過し、波長が長い方のレーザ光を反射するように構成されている場合について説明する。また、図1に示す顕微鏡本体100では、第1光路切替ユニット10のダイクロイックミラー10Dを透過したレーザ光が進む光路R1上に制御型ガルバノスキャナ11が配置され、ダイクロイックミラー10Dで反射したレーザ光が進む光路R2上に共振型ガルバノスキャナ12が配置されているものとする。
【0022】
また、検出用光学系30は、標本16側から順に、対物レンズ15、リレーレンズ14、第2光路切替ユニット13、制御型ガルバノスキャナ11及び共振型ガルバノスキャナ12、第1光路切替ユニット10、ダイクロイックミラー9を照明用光学系20と共用し、さらに、ダイクロイックミラー9の側方に、集光レンズ17及びピンホール絞り18を有し、標本16からの信号光を光検出器19に導くように構成されている。なお、以降の説明では、ダイクロイックミラー9、集光レンズ17、ピンホール絞り18及び光検出器19を検出部100Aと呼ぶ。
【0023】
このような共焦点レーザ顕微鏡システムにおいて、レーザユニット1から射出したレーザ光は、ファイバカプラ6を介して光ファイバ7の一端に入射し、他端から射出する。この光ファイバ7から射出したレーザ光はコリメートレンズ8により略平行光に変換され、ダイクロイックミラー9に入射する。ここで、このダイクロイックミラー9は、レーザ光を透過し、このレーザ光により標本16で励起された蛍光を反射するように構成されており、ダイクロイックミラー9に入射したレーザ光はこのダイクロイックミラー9を通過し、第1光路切替ユニット10に入射する。以下、第1及び第2光路切替ユニット10,13は、ダイクロイックミラー10D,13Dが光路上に配置されている場合について説明する。
【0024】
レーザユニット1から射出されたレーザ光のうち、波長の短いレーザ光は、第1光路切替ユニット10のダイクロイックミラー10Dを透過して光路R1を通り、制御型ガルバノスキャナ11で反射した後、第2光路切替ユニット13のダイクロイックミラー13Dに入射する。そして、このダイクロイックミラー13Dを透過したレーザ光は、リレーレンズ14を透過した後、対物レンズ15で集光されて標本16上にスポットを形成する。このレーザ光によるスポットで生じた蛍光(スポットを形成したレーザ光よりも波長が若干長い光線)は、スポットを形成したレーザ光と同じ光路R1を逆にたどりダイクロイックミラー9に導かれる。この状態で、制御型ガルバノスキャナ11が駆動されると、スポットが標本16上を二次元的にスキャンすることができる。
【0025】
一方、レーザユニット1から射出されたレーザ光のうち、波長の長いレーザ光は、第1光路切替ユニット10のダイクロイックミラー10Dで反射されて光路R2を通り、共振型ガルバノスキャナ12で反射した後、第2光路切替ユニット13のダイクロイックミラー13Dに入射する。そして、このダイクロイックミラー13Dで反射したレーザ光は、リレーレンズ14を透過した後、対物レンズ15で集光されて標本16上にスポットを形成する。このレーザ光によるスポットで生じた蛍光(スポットを形成したレーザ光より波長が若干長い光線)は、スポットを形成したレーザ光と同じ光路R2をたどりダイクロイックミラー9に導かれる。この状態で、共振型ガルバノミラー12が起動されると、スポットが標本16上を二次元的にスキャンすることができる。
【0026】
以上のようにしてダイクロイックミラー9に入射した蛍光は、このダイクロイックミラー9で反射され、集光レンズ17で集光され、ピンホール絞り18を通過した後、光検出器19で検出されて電気信号に変換される。
【0027】
このように、第1及び第2光路切替ユニット10,13における設定素子がダイクロイックミラー10D,13Dの組み合わせにセットされた場合、ダイクロイックミラー9とリレーレンズ14との間の光路は、波長毎に光路R1と光路R2とに分離される。一方、第1及び第2光路切替ユニット10,13における設定素子を全反射ミラー10M,13Mの組み合わせにセットした場合、ダイクロイックミラー9とリレーレンズ14との間の光路は、レーザ光の波長によらず光路R2のみとなる。また、第1及び第2光路切替ユニット10,13における設定素子を中空ブロックの組み合わせにセットした場合、ダイクロイックミラー9とリレーレンズ14との間の光路は、レーザ光の波長によらず光路R1のみとなる。さらに、第1及び第2光路切替ユニット10,13における設定素子をハーフミラーの組み合わせにセットした場合、ダイクロイックミラー9とリレーレンズ14との間の光路は、光路R1と光路R2とに分離される。なお、第1及び第2光路切替ユニット10,13の各々は、モータによって電動化されている。但し、設定素子の組み合わせは、ダイクロイックミラー10D,13Dの組み合わせ、全反射ミラー10M,13Mの組み合わせ、ハーフミラー同士の組み合わせ、及び、中空ブロック同士の組み合わせの4通りで良いので、第1及び第2光路切替ユニット10,13を共通のモータで駆動しても良い。
【0028】
また、第1及び第2光路切替ユニット10,13と、顕微鏡本体100のその他の駆動部(レーザユニット1、制御型ガルバノスキャナ11、共振型ガルバノスキャナ12、光検出器19等)とは、コントローラ41によって制御される。このコントローラ41は、コンピュータ42の支配下にあり、ユーザからの指示は、モニタ43や入力装置44を介してコンピュータ42へと伝えられ、そのコンピュータ42を介してコントローラ41へと与えられる。そして、コントローラ41は、コンピュータ42からの指示に従い、顕微鏡本体100の各駆動部へ必要な指示や駆動信号を与え、それによって顕微鏡本体100の設定及び駆動を行う。例えば、コントローラ41は、光路R2が有効となるよう顕微鏡本体100を設定した上で、レーザユニット1、共振型ガルバノスキャナ12及び光検出器19を同期駆動しつつ光検出器19から電気信号を取り込めば、標本16の観察領域の蛍光画像データを取得すること(イメージング)ができる。この蛍光画像データは、コントローラ41からコンピュータ42へと送出され、必要に応じてモニタ43に表示されたり、コンピュータ42にて保存されたりする。
【0029】
以上のように、この共焦点レーザ顕微鏡システムの顕微鏡本体100は、第1及び第2光路切替ユニット10,13を設けることにより、一対のガルバノスキャナ(制御型ガルバノスキャナ11及び共振型ガルバノスキャナ12)を、ダイクロイックミラー9と標本16との間の光路に対して並列の関係で配置することができるので、1つのレーザユニット1と、1つの検出部100Aとが、一対のガルバノスキャナで共用されることになる。したがって、この顕微鏡本体100は、レーザユニット1と検出部100Aとを1台ずつしか搭載していないにも関わらず、レーザユニット1の投光先を1対のガルバノスキャナの間で選択することや、両方のガルバノスキャナを用いて観察することができる。
【0030】
以下、このような共焦点レーザ顕微鏡システムの顕微鏡本体100におけるガルバノスキャナ(制御型ガルバノスキャナ11及び共振型ガルバノスキャナ12)のXミラー及びYミラーの配置方法について説明する。なお、以降の説明では、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11X及びYミラー11Yを例に説明するが、共振型ガルバノスキャナ12のXミラー12X及びYミラー12Yも同様である。
【0031】
[第1の実施形態]
図2に示すように、この顕微鏡本体100における制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11X及びYミラー11Yは、それぞれで反射するレーザ光の入射角及び射出角が45°より小さくなるように配置され、また、第1光路切替ユニット10を透過してXミラー11Xに入射するレーザ光に対して、Yミラー11Yを射出するレーザ光が略直交するように配置されている。また、Xミラー11Xに入射するレーザ光と、Yミラー11Yから射出したレーザ光が交差するように配置されている。
【0032】
図3(a)に示す従来のガルバノスキャナのように、ミラー(例えばXミラー11X)に入射するレーザ光の入射角θ1が45°に設定されている場合、このXミラー11Xの有効径D1は、レーザ光の径Dの約1.4倍必要となる。しかし、図3(b)に示す本実施形態に係る制御型ガルバノスキャナ11のように、Xミラー11Xに入射するレーザ光の入射角θ2が45°より小さく設定されていると、このXミラー11Xの有効径D2は、D1より小さくすることができる(Yミラー11Yについても同様である)。そのため、制御型ガルバノスキャナ11を構成するXミラー11X及びYミラー11Yを小さくすることができ、この制御型ガルバノスキャナ11を小型化・軽量化することができる(上述のように共振型ガルバノスキャナ12においても同様である)。これにより、例えば、Xミラー11X、Yミラー11Yを駆動するモータの負荷を減らすことができる。
【0033】
また、従来のガルバノスキャナのようにXミラー11X及びYミラー11Yが入射するレーザ光に対して45°傾けて配置されている場合、図4(a)に示すようにY軸方向に偏向する直線偏光のレーザ光がこのガルバノスキャナに入射すると、その偏向軸が90°回転し、X軸方向に偏向する直線偏光となって射出する。そのため、ガルバノミラー(Xミラー11X及びYミラー11Y)の反射面を構成する膜の特性について、S偏光とP偏光の両方を考慮したものとしなければならない。一方、図4(b)に示す本実施形態に係る制御型ガルバノスキャナ11のように、Xミラー11X及びYミラー11Yに対するレーザ光の入射角を45°より小さくし、且つ、この制御型ガルバノスキャナ11に入射するレーザ光に対して略直交するように射出させることにより、制御型ガルバノスキャナ11で反射させても偏光方向に変化がないため、S偏光若しくはP偏光のいずれか一方を考慮した膜特性を考慮すればよいため、膜設計が容易となる。
【0034】
[第2の実施形態]
ところで、制御型及び共振型ガルバノスキャナ11,12を構成するXミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yは、対物レンズ15の射出瞳と共役であることが望ましい。しかしながら、第1の実施形態に示したように、標本16に対するX方向のスキャンとY方向のスキャンをそれぞれ独立したミラーで行うため、Xミラー11X,12XとYミラー11Y,12Yのいずれか一方と対物レンズの射出瞳を共役にするか、これらのミラー11Y,12Yの略中間点に射出瞳の像を配置することになり、共役関係が崩れてしまい、この顕微鏡本体100で取得する標本16の画像のPSFに歪みが生じ画質が低下してしまう。
【0035】
この第2の実施形態の顕微鏡本体100において、第1及び第2光路切替ユニット10,13により分離される2つの光路は、図5のY軸方向から見たときに(座標の定義は、第1の実施形態と同一である)、略矩形状に形成されており、この矩形の対向する頂点に第1及び第2光路切替ユニット10,13が配置される。そして、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11Xを上記矩形のうち、第1光路切替ユニット10を透過したレーザ光が入射する位置の頂点に配置し、Yミラー11Yをこの頂点と対向する頂点に配置する。また、共振型ガルバノスキャナ12のXミラー12Xを上記矩形のうち、第1光路切替ユニット10で反射したレーザ光が入射する位置の頂点(すなわち、制御型ガルバノスキャナ11のYミラー11Yと同じ頂点)に配置し、Yミラー12Yをこの頂点と対向する頂点(すなわち、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11Xと同じ頂点)に配置する。また、Xミラー11X,12XとYミラー11Y,12Yとを結ぶ上記矩形の対角線上に、第1及び第2レンズ群21a,21bからなるリレー光学系である第2リレーレンズ21を配置する。なお、以降の説明では、リレーレンズ14を第1リレーレンズ14と呼ぶ。
【0036】
ここで、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11X及び共振型ガルバノスキャナ12のYミラー12Yと、共振型ガルバノスキャナ12のXミラー12X及び制御型ガルバノスキャナ11のYミラー11Yとは、Y軸方向から見たときに上下に重なって配置されており、Xミラー11X,12Xで反射され、Yミラー11Y,12Yに入射するレーザ光が、第2リレーレンズ21への入射前及び射出後において略平行に進むように配置されている。すなわち、図5(b)に示すように、制御型及び共振型ガルバノスキャナ11,12のXミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yは、第2リレーレンズ21の光軸に対して偏心して配置されており、且つ、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11X及び共振型ガルバノスキャナ12のXミラー12Xは、X軸方向から見たときに、Y軸方向の高さが略同一の位置に配置されており、同様に、制御型ガルバノスキャナ12のYミラー11Y及び共振型ガルバノスキャナ12のYミラー12Yも、X軸方向から見たときに、Y軸方向の高さが略同一の位置に配置されている。
【0037】
また、第2リレーレンズ21の第1及び第2レンズ群21a,21bは、その中間部で互いの焦点が略一致するように配置されており、図5(b)に示すように、これらのレンズ群21a,21bは、上下に並んで略平行に入射または射出するレーザ光を包含する径を有している。そのため、第1及び第2レンズ群21a,21bの焦点が略一致する位置に、標本16の中間像Iが形成される。さらに、第1リレーレンズ14は、対物レンズ15の射出瞳の像をリレーすることにより、Yミラー11Y,12Yと略一致するように射出瞳の像を形成し、また、第2リレーレンズ21は、この射出瞳の像をリレーすることにより、Xミラー11X,12Xと略一致するように射出瞳の像を形成するように配置されている。
【0038】
このような構成によると、レーザユニット1から射出されたレーザ光(略平行光)のうち、波長の短いレーザ光は、第1光路切替ユニット10のダイクロイックミラー10Dを透過して光路R1を通り、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11Xで反射した後、第2リレーレンズ21の第1レンズ群21aに入射する。このレーザ光は第1レンズ群21aで集光されて像面Iに結像した後、第2レンズ群21bに入射して略平行光に変換される。ここで、図5(b)に示すように、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11Xで反射された略平行のレーザ光は、第1レンズ群21aの光軸よりも上側に入射するため、中間像Iの位置に光源の像(光ファイバ7の射出端の像)が形成された後、第2レンズ群21bの光軸よりも下側に入射して略平行光に変換され、Yミラー11Yに入射する。そして、このYミラー11Yで反射されたレーザ光は、第2光路切替ユニット13のダイクロイックミラー13Dに入射してこのダイクロイックミラー13Dを透過し、第1リレーレンズ14を透過した後、対物レンズ15で集光されて標本16上にスポットを形成する。また、このレーザ光によるスポットで生じた蛍光は、スポットを形成したレーザ光と同じ光路R1を逆にたどりダイクロイックミラー9に導かれる。
【0039】
一方、レーザユニット1から射出されたレーザ光のうち、波長の長いレーザ光は、第1光路切替ユニット10のダイクロイックミラー10Dで反射されて光路R2を通り、共振型ガルバノスキャナ12のXミラー12Xで反射した後、第2リレーレンズ21の第2レンズ群21bに入射する。このレーザ光は第2レンズ群21bで集光されて像面Iに結像した後、第1レンズ群21aに入射して略平行光に変換される。ここで、図5(b)に示すように、共振型ガルバノスキャナ12のXミラー12Xで反射された略平行のレーザ光は、第2レンズ群21bの光軸よりも上側に入射するため、中間像Iの位置に光源の像が形成された後、第1レンズ群21aの光軸よりも下側に入射して略平行光に変換され、Yミラー12Yに入射する。そしてこのYミラー12Yで反射されたレーザ光は、第2光路切替ユニット13のダイクロイックミラー13Dに入射してこのダイクロイックミラー13Dで反射され、第1リレーレンズ14を透過した後、対物レンズ15で集光されて標本16上にスポットを形成する。また、このレーザ光によるスポットで生じた蛍光は、スポットを形成したレーザ光と同じ光路R2をたどりダイクロイックミラー9に導かれる。
【0040】
制御型ガルバノスキャナ11及び共振型ガルバノスキャナ12を構成するXミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yを以上に配置して光路R1,R2をZ字上に形成すると、Xミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yに入射するレーザ光の入射角を45°より小さくする(約22.5°にする)ことができるので、第1の実施形態と同様に、これらのミラー11X,12X,11Y,12Yを従来のミラーに比べて小型化・軽量化することができる。また、略矩形の光路の対角線上に第2リレーレンズ21を配置することができるので、この顕微鏡本体100を大型化させることなく、Xミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yの各々に対物レンズ15の射出瞳の像を形成することができ、この顕微鏡本体100で取得する標本16の画像のPSFに歪みが生じず、画質の低下を防止することができる。
【0041】
なお、図5に示すように、Xミラー11X,12XとYミラー11Y,12YとをY軸方向に(上下に)並べて配置し、かつ、光源側にXミラー11X,12Xを配置する構成とすると、図6(a)に示すように、第1及び第2レンズ群21a,21bの有効径内をX軸方向に(左右に)レーザ光の光束が移動する。一方、光源側にYミラー11Y,12Yを配置すると、図6(b)に示すように、レーザ光の光束はY軸方向に(上下方向に)移動するため、この光束をX軸方向に移動させたときに比べて第1及び第2レンズ群21a,21bの有効径を大きくする必要がある。そのため、図5に示すように、光源側にXミラー11X,12Xを配置する構成、すなわち、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11Xと共振型ガルバノスキャナ12のYミラー12Yが配置される方向、及び、共振型ガルバノスキャナ12のXミラー12Xと制御型ガルバノスキャナ11のYミラー11Yが配置される方向(リレーレンズ21の光軸に対して偏心する方向)に対して直交する方向に揺動するミラー(Xミラー11X,12X)を光源側に配置する構成の方が第2リレーレンズ21の有効径を比較的小さくでき、レンズ設計がより容易となるため望ましい。
【0042】
[第3の実施形態]
上述の第2の実施形態では、制御型及び共振型ガルバノスキャナ11,12を構成するXミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yの間に配置されたリレー光学系である第2リレーレンズ21は、Xミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yと対物レンズ15の射出瞳との共役関係を維持する役割と、Xミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yを偏心させる役割とを有しているが、図7に示すように、リレー光学系を第2リレーレンズ121及び偏心ミラー122で構成し、第2リレーレンズ121にはXミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yと対物レンズ15の射出瞳との共役関係を維持する役割のみを担わせ、偏心させる役割は、この第2リレーレンズ121の1組のレンズ群121a,121bの間に配置した2枚のミラー122a,122bからなる偏心ミラー122に担わせるように構成することも可能である。すなわち、偏心ミラー122の2つのミラ-122a,112bをその反射面が互いに対向するように配置し、レーザ光の光路を階段状に折り曲げることで、Xミラー11X,12X及びYミラー11Y,12Yを偏心させる。このとき、第2リレーレンズ121の第1レンズ群121aの光軸と第2レンズ群121bの光軸とは、上下方向に偏心して略平行に延びるように配置されている。顕微鏡本体100をこのように構成すると、設計を比較的容易にすることができる。
【0043】
以上のような構成において、制御型ガルバノスキャナ11により標本16のスキャンを行うときには、図7(a)に示すように、光路上から第1光路切替ユニット10の全反射ミラー10Mを抜き出すとともに、第2光路切替ユニット13の全反射ミラー13Mを光路上に配置する。また、第2リレーレンズ121の第1レンズ群121aは、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11Xで反射されたレーザ光が入射する位置に配置し、第2レンズ群121bはこの第2レンズ群121bから射出するレーザ光がYミラー11Yに入射する位置に配置する。このような状態で第1光路切替ユニット10に入射したレーザ光はこの第1光路切替ユニット10を通過し、制御型ガルバノスキャナ11のXミラー11Xで反射され、第2リレーレンズ121の第1レンズ群121aに入射して集光される。さらにこのレーザ光は、偏心ミラー122の2つのミラー122a,122bで反射されて、その光路が入射したときよりも下方へシフトする。そして、このレーザ光は第2レンズ群121bで略平行光に変換された後、Yミラー11Yで反射され、さらに、第2光路切替ユニット13の全反射ミラー13Mで反射されて対物レンズ15に導かれる。
【0044】
一方、共振型ガルバノスキャナ12により標本16のスキャンを行うときには、図7(b)に示すように、第1光路切替ユニット10の全反射ミラー10Mを光路上に配置するとともに、第2光路切替ユニット13の全反射ミラー13Mを光路上から抜き出す。また、第2リレーレンズ121及び偏心ミラー122を一体に、第1レンズ群121aの光軸及び第2レンズ群121bの光軸の略中間部であってこれらの光軸に略水平に延びる回転軸を中心に180°回転させる。このような状態で第1光路切替ユニット10に入射したレーザ光は全反射ミラー10Mで反射され、共振型ガルバノスキャナ12のXミラー12Xで反射され、第2リレーレンズ121の第2レンズ群121bに入射して集光される。さらにこのレーザ光は、偏心ミラ122の2つのミラー122b,122aで反射されて、その光路が入射したときよりも上方へシフトする。そして、このレーザ光は第1レンズ群121aで略平行光に変換された後、Yミラー12Yで反射され、さらに、第2光路切替ユニット13を通過して対物レンズ15に導かれる。
【0045】
このように、この第3の実施形態に係る顕微鏡本体100では、第2リレーレンズ121と偏心ミラー122を一体に回転させることで、制御型ガルバノスキャナ11を構成するXミラー11XとYミラー11Yの光路を繋ぐか、共振型ガルバノスキャナ12を構成するXミラー12XとYミラー12Yの光路を繋ぐことができ、これにより、制御型及び共振型ガルバノスキャナ11,12を切り替えることが可能である
【0046】
なお、図7から明らかなように、この第3の実施形態の場合、制御型ガルバノミラー11と共振型ガルバノミラー12を同時に使用することはできず、いずれか一方を用いてスキャンする必要があるため、顕微鏡本体100を用いたアプリケーションに制限が生じる。しかし、第2リレーレンズ121と偏心ミラー122を一体に回転させることで制御型及び共振型ガルバノスキャナ11,12を切り替えることが可能であるので、標本16を時間差を持たせてアクチべーションして観察することは可能である。例えば、制御型ガルバノスキャナ11を用いて標本16の所定の位置を精度良くアクチべーションし、この標本がアクチべーションされた経時変化を、第2リレーレンズ121と偏心ミラー122及び第1及び第2光路切替ユニット10,13を切り替えて共振型ガルバノスキャナ12を用いて観察することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 レーザユニット(光源) 10 第1光路切替ユニット
11 制御型ガルバノスキャナ(走査部)
11X Xミラー(第1ミラー) 11Y Yミラー(第2ミラー)
12 共振型ガルバノスキャナ(走査部)
12X Xミラー(第1ミラー) 12Y Yミラー(第2ミラー)
13 第2光路切替ユニット 15 対物レンズ
16 標本 21,121 第2リレーレンズ
121a 第1レンズ群 121b 第2レンズ群
122 偏心ミラー(2つのミラー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を射出する光源と、
前記照明光を集光して標本に照射する対物レンズと、
前記光源と前記対物レンズとの間に配置され、前記光源からの前記照明光の光路を2つの光路に分岐させるとともに、前記照明光を前記2つの光路のうちの少なくとも一方に導く第1光路切替ユニットと、
前記2つの光路上のそれぞれに設けられた2つの前記走査部と、
前記2つの光路を同一光路上に重ね合わせて前記照明光を前記対物レンズに導く第2光路切替ユニットと、を有し、
前記走査部は、前記光源からの前記照明光を反射するとともに、前記標本上を所定方向に走査する第1ミラーと、
前記第1ミラーで反射された前記照明光を反射するとともに、前記標本上を前記所定の方向と直交する方向に走査する第2のミラーと、を有し、前記第1ミラー及び前記第2ミラーは、前記照明光の入射角が45°より小さくなるように配置され、
前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置された一つのリレー光学系により前記対物レンズの射出瞳の像をリレーし、
前記2つの走査部のうちの一方の前記走査部の前記第1ミラー及び他方の前記走査部の前記第2ミラーは前記リレー光学系の一方側に配置され、前記2つの走査部のうちの前記一方の前記走査部の前記第2ミラー及び前記他方の前記走査部の前記第1ミラーは前記リレー光学系の他方側に配置されていることを特徴とする走査型顕微鏡。
【請求項2】
前記2つの走査部の前記第1ミラー及び前記第2ミラーの各々の光軸は、前記リレー光学系の光軸に対して偏心して配置されていることを特徴とする請求項1記載の走査型顕微鏡。
【請求項3】
前記第1ミラーは、前記リレー光学系の光軸に対して偏心する方向と略直交する方向に揺動するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の走査型顕微鏡。
【請求項4】
前記リレー光学系は、互いの光軸が偏心する2つのレンズ群と、前記2つのレンズ群の光路を繋ぐ2つのミラーで構成され、
前記2つの走査部のうちのいずれか一方の前記第1ミラー及び前記第2ミラーの各々の光軸は、前記リレー光学系の前記2つのレンズ群の光軸のいずれか一方と一致するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の走査型顕微鏡。
【請求項5】
前記リレー光学系は、前記2つのレンズ群と前記2つのミラーを一体に回転させることにより、前記2つの走査部のうちのいずれか一方の前記第1ミラー及び前記第2ミラーの光路を繋ぐように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の走査型顕微鏡。
【請求項6】
前記光源は、2つの異なる波長の照明光を放射し、
前記第1光路切替ユニットは、前記2つの異なる波長の照明光の何れか一方を、前記2つの光路のいずれか一方に導き、前記照明光の他方を前記光路の他方に導くことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。
【請求項7】
前記光源は、単一波長の照明光を放射し、
前記第1光路切替ユニットは、前記単一波長の照明光を、前記2つの光路のそれぞれに導くことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。
【請求項8】
前記光源は、単一波長の照明光を放射し、
前記第1光路切替ユニットは、前記単一波長の照明光を、前記2つの光路の何れか一方に導くことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−168440(P2012−168440A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30747(P2011−30747)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】