説明

起動タイミング制御システム、起動タイミング制御装置、制御方法、及びプログラム

【課題】複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御すること。
【解決手段】機器600のピーク電流の大きさを特定するピーク電流特定部111と、機器600の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化と、ピーク電流特定部111が特定した当該機器600のピーク電流の大きさとに基づいて、当該ピーク電流の使用時間を特定するピーク電流使用時間特定部112と、ピーク電流特定部111が特定した各機器600のピーク電流の大きさと、ピーク電流使用時間特定部112が特定した各機器600のピーク電流の使用時間とに基づいて、各機器600を起動させるタイミングを特定する起動タイミング特定部113と、起動タイミング特定部113が特定したタイミングに基づいて、各機器600が起動するように制御する起動制御部114とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起動タイミング制御システム、起動タイミング制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。特に、本発明は、複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御する起動タイミング制御システム、起動タイミング制御装置、当該起動タイミング制御装置を制御する制御方法、並びに当該起動タイミング制御装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
周辺機器への電力の供給を制御する電力制御システムは、電源容量を超えないようにするために、周辺機器の起動時のピーク電流値を参照している。たとえば、特許文献1には、電力容量を管理するモジュールと、周辺機器の電力容量を管理するモジュールとの間で、周辺機器のピーク電流の値を通信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−317054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、既知の電力制御システムにおいては、起動時のピーク電流値を管理し、制御装置へ送信する機能を各周辺機器が持っていなければならない。そのため、既知の電力制御システムにおいては、そのような機能を持たない周辺機器について、電源電力を超えないようにするために、起動時のピーク電流を考慮した電源制御を行うことができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御する起動タイミング制御システムであって、機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化に基づいて、当該機器のピーク電流の大きさを特定するピーク電流特定部と、機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化と、ピーク電流特定部が特定した当該機器のピーク電流の大きさとに基づいて、当該ピーク電流の使用時間を特定するピーク電流使用時間特定部と、ピーク電流特定部が特定した各機器のピーク電流の大きさと、ピーク電流使用時間特定部が特定した各機器のピーク電流の使用時間とに基づいて、各機器を起動させるタイミングを特定する起動タイミング特定部と、起動タイミング特定部が特定したタイミングに基づいて、各機器が起動するように制御する起動制御部とを備える。
【0006】
本発明の第2の形態によると、複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御する起動タイミング制御装置であって、機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化に基づいて、当該機器のピーク電流の大きさを特定するピーク電流特定部と、機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化と、ピーク電流特定部が特定した当該機器のピーク電流の大きさとに基づいて、当該ピーク電流の使用時間を特定するピーク電流使用時間特定部と、ピーク電流特定部が特定した各機器のピーク電流の大きさと、ピーク電流使用時間特定部が特定した各機器のピーク電流の使用時間とに基づいて、各機器を起動させるタイミングを特定する起動タイミング特定部と、起動タイミング特定部が特定したタイミングに基づいて、各機器が起動するように制御する起動制御部とを備える。
【0007】
本発明の第3の形態によると、複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御する起動タイミング制御装置を制御する制御方法であって、機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化に基づいて、当該機器のピーク電流の大きさを特定するピーク電流特定段階と、機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化と、ピーク電流特定段階において特定された当該機器のピーク電流の大きさとに基づいて、当該ピーク電流の使用時間を特定するピーク電流使用時間特定段階と、ピーク電流特定段階において特定された各機器のピーク電流の大きさと、ピーク電流使用時間特定段階において特定された各機器のピーク電流の使用時間とに基づいて、各機器を起動させるタイミングを特定する起動タイミング特定段階と、起動タイミング特定段階において特定されたタイミングに基づいて、各機器が起動するように制御する起動制御段階とを備える。
【0008】
本発明の第4の形態によると、複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御する起動タイミング制御装置用のプログラムであって、起動タイミング制御装置を、機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化に基づいて、当該機器のピーク電流の大きさを特定するピーク電流特定部、機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化と、ピーク電流特定部が特定した当該機器のピーク電流の大きさとに基づいて、当該ピーク電流の使用時間を特定するピーク電流使用時間特定部、ピーク電流特定部が特定した各機器のピーク電流の大きさと、ピーク電流使用時間特定部が特定した各機器のピーク電流の使用時間とに基づいて、各機器を起動させるタイミングを特定する起動タイミング特定部、起動タイミング特定部が特定したタイミングに基づいて、各機器が起動するように制御する起動制御部として機能させる。
【0009】
なおまた、上記のように発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、この発明においては、機器の起動後の電流の大きさの変化に基づいて、その機器のピーク電流を特定するようにしたので、ピーク電流の管理を行うための機能を持たない機器が含まれていても、電源容量を超えないように、各機器を起動させるタイミングを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態に係る起動タイミング制御システムの利用環境の一例を示す図である。
【図2】電源制御装置100の電源制御の動作フローの一例を示す図である。
【図3】電源制御装置100の電源制御管理テーブル作成の動作フローの一例を示す図である。
【図4】電源制御装置100の電源制御管理テーブルに記憶されているデータの一例を示す図である。
【図5】周辺機器600の起動後の消費電流の変化を示す図である。
【図6】電源制御装置100の電源制御管理テーブルに記憶されているデータの一例を示す図である。
【図7】電源制御装置100の電力容量管理テーブルに記憶されているデータの一例を示す図である。
【図8】電源制御装置100の電源制御順序作成の動作フローの一例を示す図である。
【図9】電源制御装置100の電源制御順序作成の概念を説明するための図である。
【図10】電源制御装置100の電源制御順序作成の概念を説明するための図である。
【図11】電源制御装置100の電源制御順序作成の概念を説明するための図である。
【図12】電源制御装置100の電源制御順序作成の概念を説明するための図である。
【図13】電源制御装置100の電源制御順序作成の概念を説明するための図である。
【図14】電源制御装置100の電源制御管理テーブルに記憶されているデータの一例を示す図である。
【図15】電源制御装置100の電源投入開始の動作フローの一例を示す図である。
【図16】電源制御装置100の電源制御順序追加の動作フローの一例を示す図である。
【図17】電源制御装置100の電源制御管理テーブルに記憶されているデータの一例を示す図である。
【図18】電源制御装置100の電源制御管理テーブルに記憶されているデータの一例を示す図である。
【図19】電源制御装置100の電源制御順序作成の概念を説明するための図である。
【図20】電源制御装置100の電源制御順序作成の概念を説明するための図である。
【図21】電源制御装置100の電源制御順序作成の概念を説明するための図である。
【図22】電源制御装置100の電源制御順序作成の概念を説明するための図である。
【図23】電源制御装置100の電源制御管理テーブルに記憶されているデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、一実施形態に係る起動タイミング制御システムの利用環境の一例を示す。起動タイミング制御システムは、複数の周辺機器600a〜h(以下、周辺機器600と総称する。)の起動時のピーク電流値に応じて各周辺機器600を起動させるタイミングを制御するシステムである。各周辺機器600は、電源タップ400やリレー500を介して、分電盤に設けられた複数のコンセント210a、b(以下、コンセント210と総称する。)いずれかのコンセント210に電気的に接続されている。なお、周辺機器600は、この発明における「機器」の一例であってよい。また、ピーク電流値は、この発明における「ピーク電流の大きさ」の一例であってよい。
【0014】
起動タイミング制御システムは、電源制御装置100を備えている。電源制御装置100は、複数の周辺機器600の起動時のピーク電流値に応じて各周辺機器600を起動させるタイミングを制御する装置である。電源制御装置100は、電源制御部110、電源制御インターフェース120、電流計接続インターフェース130、及び起動タイミング設定タイマー140を有する。なお、電源制御装置100は、この発明における「起動タイミング制御装置」の一例であってよい。
【0015】
電源制御部110は、各周辺機器600のピーク電流を特定して管理し、各周辺機器600を起動するときに分電盤200、コンセント210の電力容量を超えることなく周辺機器600の起動を行う。電源制御部110は、ピーク電流特定部111、ピーク電流使用時間特定部112、起動タイミング特定部113、起動制御部114、電源制御管理テーブル115、及び電力容量管理テーブル116を有する。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0016】
ピーク電流特定部111は、周辺機器600の起動後の所定の監視時間の電流値の変化に基づいて、その周辺機器600のピーク電流値を特定する。具体的には、ピーク電流特定部111は、周辺機器600の起動後の所定の監視時間の電流の最大値をその周辺機器600のピーク電流値として特定する。なお、電流値は、この発明における「電流の大きさ」の一例であってよい。
【0017】
ピーク電流使用時間特定部112は、周辺機器600の起動後の所定の監視時間の電流値の変化と、ピーク電流特定部111が特定したその周辺機器600のピーク電流値とに基づいて、そのピーク電流の使用時間を特定する。具体的には、ピーク電流使用時間特定部112は、ピーク電流特定部111が特定した周辺機器600のピーク電流値よりも小さい電流値をしきい値として、その周辺機器600の起動後の所定の監視時間の電流値の変化において、ピーク電流値よりも後にしきい値よりも電流値が小さくなってから、所定時間経過しても電流値がしきい値よりも大きくならない場合に、その周辺機器600が起動してから、ピーク電流値よりも後にしきい値よりも電流値が小さくなるまでの時間を、そのピーク電流の使用時間として特定する。
【0018】
起動タイミング特定部113は、ピーク電流特定部111が特定した各周辺機器600のピーク電流値と、ピーク電流使用時間特定部112が特定した各周辺機器600のピーク電流の使用時間とに基づいて、各周辺機器600を起動させるタイミングを特定する。具体的には、起動タイミング特定部113は、ピーク電流使用時間特定部112がピーク電流の使用時間を特定することができなかった周辺機器600がある場合、その周辺機器600が最初に起動するように制御する。また、起動タイミング特定部113は、最初に起動させる各周辺機器600のピーク電流値の合計値を電源容量から差し引いた電力容量を超えないように、残りの各周辺機器600を起動させるタイミングを特定する。また、起動タイミング特定部113は、ピーク電流特定部111が特定した周辺機器600のピーク電流値に、ピーク電流使用時間特定部112が特定したその周辺機器600のピーク電流の使用時間を乗じた値が大きい周辺機器600を優先的に起動させるように、残りの各周辺機器600を起動させるタイミングを特定する。また、起動タイミング特定部113は、例えば、起動させるタイミングを特定した周辺機器600aのピーク電流値とその使用時間を乗じた値よりも小さい値の周辺機器600bについて、周辺機器600aよりも前のタイミングに起動させるように特定した周辺機器600cと同時に起動しても、最初に起動させる各周辺機器600のピーク電流を電源容量から差し引いた電力容量を超えない場合、周辺機器600cと同時に起動させるように、周辺機器600bを起動させるタイミングを特定する。
【0019】
起動制御部114は、起動タイミング特定部113が特定したタイミングに基づいて、各周辺機器600が起動するように制御する。
【0020】
電源制御管理テーブル014は周辺機器600の”コンセント番号”、”ピーク電流使用時間”、”ピーク電流値”、”起動タイミング”を要素とするテーブルである。電力容量管理テーブル116はコンセント210、もしくは分電盤200の電力容量を要素とするテーブルである(図7)。
【0021】
電源制御インターフェース120は周辺機器600の電源投入を行うことができるものである。オープンなプロトコルである”IPMI”、独自のプロトコルであるもの、もしくはリレーのような物理的なスイッチを周辺機器600とコンセント210の間に挿入したインターフェースで構成することができる。電流計接続インターフェース130はUSB、UARTのようなオープンなインターフェースである。起動タイミング設定タイマー140は電源制御管理テーブル115で設定されている起動タイミングを設定し、電源制御部110に起動タイミングを通知するためのものである。周辺機器600は電源投入を制御するために電源制御装置100と電源制御インターフェース120で接続されている。電流計300a、b(以下、電流計300と総称する。)は周辺機器600とコンセント210の間に設置され、接続されている周辺機器600が消費している電流を測定することができる。測定したデータは電源制御装置100に電流計接続インターフェース130を経由して通信される。
【0022】
次に図1の電源制御部110の動作を図2に示すフローチャートを使用して説明する。図2 A10において、電源制御部110が起動すると電源制御装置100が設置されてから初めての起動かどうかを判断する。初回の起動であれば電源制御管理テーブル115を作成(図2 A20)、そうでなければ図2 A30の処理を始める。
【0023】
次に電源制御管理テーブル115作成(図2 A20)の動作を図3に示すフローチャートを使用して説明する。初期状態では電源制御装置100に保存される電源制御管理テーブル115は図4に示すようなものとなる。電源制御管理テーブル115に保存される周辺機器600の固有情報として、どのコンセント210に接続されているかを示す”コンセント番号(図4 C01)”、ピーク電流をどのくらいの時間使用するかを示す”ピーク電流使用時間(図4 C02)”、起動時に使用する使用する電流の最大値を示す”ピーク電流値”(図4 C03)、そして電源制御を開始してから電源を投入する時間を示す”起動タイミング”(図4 C04)がある。”コンセント番号”はあらかじめ初期値として与えておく必要がある。図3 B10で電源制御管理テーブル115の内、ピーク電流値、ピーク電流使用時間が設定されていない周辺機器600があればB20、なければ電源制御管理テーブル115作成を終了する。B20〜B22の処理では、対象となる周辺機器600の電源を投入し接続されている電流計300の監視を1分間行う。ピーク電流とピーク電流使用時間の決定方法を図5を使用して説明する。最初の監視が終了したら監視時間の中から電流値が最大となるものを仮のピーク電流(図5 D10)とする。仮のピーク電流が決定したらその値の60%をピーク電流閾値(図5 D11)とする。そして監視時間の間でピーク電流閾値を下回っている点を見つけ出す。例として図5 D30の場合はD21ではD21から10秒間ピーク電流閾値を超えていないため、D21をピーク電流使用時間の終了時間とする。さらに、もし監視時間内にピーク電流使用時間の終了時間が見つからなかった場合は監視時間を最初の監視時間の半分延長し、同様の処理を繰り返す。例としてD31は最初の監視時間で条件を満たす点が見つからないため監視時間を30秒追加し、D23をピーク電流使用時間として設定している。さらに追加監視を10回行い、ピーク電流使用時間の終了時間を決定することができなかった場合はピーク電流使用時間を”0”として設定し、不定値とする。この処理を周辺装置全てに行い、電源制御管理テーブル115にある周辺機器600のピーク電流、ピーク電流使用時間を設定する。例として図6のように電源制御管理テーブル115が設定されたものとする。
【0024】
次に図2電源制御順序作成(A21)の動作を図8に示すフローチャートおよび図9〜13を使用して説明する。図8 E10、E11で周辺機器600のピーク電流使用時間を横、ピーク電流を縦として四角形を作る処理を行う。例として図6の電源制御管理テーブル115の値から図9にある四角形が作成できる。次にユーザが許容できる周辺機器600の起動時間を横、コンセント210の容量から電源制御管理テーブル115内のピーク電流使用時間が”0(不定値)”となっている周辺機器600のピーク電流の合計を引いた値を縦とした四角形を作る。例として図10にあるような四角形ができる。この四角形を母材として長方形ストリップパッキング問題として解を求める。解を求める方法としてBOTTOM−LEFTアルゴリズムを用いる。なおBOTTOM−LEFTアルゴリズムについては、一般に用いられる数学的な解法のひとつであるため、ここでの説明は省略する。電源制御順序作成では積み込み順の決定をピーク電流使用時間とピーク電流の積の大きい順とする。制約条件として母材の縦軸を詰め込む四角形が超えないものとし、できるだけ左につめこむようにする。なおピーク電流使用時間が”0”となっているものはあらかじめピーク電流値を母材を作成する際にマージン部分に足しこむ。
【0025】
例として図9、図10を詰め込む四角形、母材として使用した場合を説明する。初めに周辺機器600fのピーク電流使用時間を横、ピーク電流値を縦とした四角形を詰め込むために安定点候補を調べる。一番初めなので母材となる四角形の左下の点のみが安定点候補(図11 F10)となるため、ここに配置をする。次に周辺機器600aの四角形を詰め込むために安定点候補を調べる。候補として図12のG10,G11が安定点候補となる。どちらも制約条件を満たすため、より左となる点010に詰め込む。これをくりかえし、全ての長方形を詰め込み終えたら解とする。例の解は図13のようになる。結果からT0で周辺機器600a、gの電源投入を行う。次に周辺機器600a、gのピーク電流使用時間が終了するT1で周辺機器600b、fの電源投入を行う。次に周辺機器600b、fのピーク電流使用時間が終了するT2で周辺機器600eの電源投入を行う。最後に周辺機器600eのピーク電流使用時間が終了するT3で周辺機器600c、dの電源を投入し、周辺機器600dのピーク電流使用時間が終了するT4で電源投入処理を終了とする電源制御順序が作成される(図14)。なおピーク電流使用時間が”0(不定値)”となったものはT0で電源投入を行う。
【0026】
次に図2(A30)の動作を説明する。A30にて電源制御管理テーブル115内にデータが設定されていない周辺機器600がなければ電源投入処理(A40)を行う。もし電源制御管理テーブル115内にデータが設定されていない周辺機器600があればA31の処理を行う。A31の処理はA20の処理と同様である。A31の処理が終了したならばA32の処理を行う。
【0027】
次に図2電源制御順序追加(A31)の動作を図16に示すフローチャートを使用して説明する。基本的には電源順序作成の動作と変わらないが、初期配置として前回作った電源制御順序に新たに作成した周辺機器600を追加していくこととなる。例として周辺機器600i、j(図17 J00、J01)を追加されたものとする。電源制御管理テーブル115作成(図2 A20)と同様に追加されピーク電流使用時間、ピーク電流値が設定されていない周辺機器600の設定を行う。例として追加した周辺機器600i、jの設定が図18 K00のように設定されたとする。そして追加した周辺機器600i、jのピーク電流使用時間とピーク電流値から四角形を作る。例として図19の四角形が作成できる。そして初期配置に対して安定点候補を探すと図20 L10、L11、L12が見つかる。L10、L11、L12すべてが制約条件を満たしているためよりもっとも左側にあるL10が安定点となり周辺機器600iが配置される。次に周辺機器600jを配置するため安定点候補を探すと図21 M10、M11が発見される。M10は制約条件を満たさないため、M11が安定点となる。よって解は図22のようになり電源制御管理テーブル115は図23のように更新される。
【0028】
次に図2電源投入(A40)の動作を図15のフローチャートを使用して説明する。図15 H10で”i=0”とすることでH11で起動タイミングT0の電源を投入する。次にH12、H13で次に起動する周辺機器600があるかを調べ(”i=i+1”とし電源制御管理テーブル115の起動タイミングに”Ti”が存在するかを調べる。)、あるのであれば起動タイミングタイマ(図1 018)に”Ti”の時刻を設定し、起動タイミングタイマがタイムアウトするまで待ちH11の処理を行い、”Ti”で起動する周辺機器600がないのであれば電源投入を終了する。
【0029】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0030】
100 電源制御装置
110 電源制御部
111 ピーク電流特定部
112 ピーク電流使用時間特定部
113 起動タイミング特定部
114 起動制御部
115 電源制御管理テーブル
116 電力容量管理テーブル
120 電源制御インターフェース
130 電流計接続インターフェース
140 起動タイミング設定タイマー
200 分電盤
300 電流計
400 電源タップ
500 リレー
600 周辺機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御する起動タイミング制御システムであって、
前記機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化に基づいて、当該機器のピーク電流の大きさを特定するピーク電流特定部と、
前記機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化と、前記ピーク電流特定部が特定した当該機器のピーク電流の大きさとに基づいて、当該ピーク電流の使用時間を特定するピーク電流使用時間特定部と、
前記ピーク電流特定部が特定した前記各機器のピーク電流の大きさと、前記ピーク電流使用時間特定部が特定した前記各機器のピーク電流の使用時間とに基づいて、前記各機器を起動させるタイミングを特定する起動タイミング特定部と、
前記起動タイミング特定部が特定したタイミングに基づいて、前記各機器が起動するように制御する起動制御部と
を備える起動タイミング制御システム。
【請求項2】
前記ピーク電流特定部は、前記機器の起動後の所定の監視時間の電流の最大値を当該機器のピーク電流の大きさとして特定する
請求項1に記載の起動タイミング制御システム。
【請求項3】
前記ピーク電流使用時間特定部は、前記ピーク電流特定部が特定した前記機器のピーク電流よりも小さい電流の大きさをしきい値として、当該機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化において、前記ピーク電流よりも後に前記しきい値よりも電流の大きさが小さくなってから、所定時間経過しても電流の大きさが前記しきい値よりも大きくならない場合に、当該機器が起動してから、前記ピーク電流よりも後に前記しきい値よりも電流の大きさが小さくなるまでの時間を、当該ピーク電流の使用時間として特定する
請求項1又は2に記載の起動タイミング制御システム。
【請求項4】
前記起動タイミング特定部は、前記ピーク電流使用時間特定部がピーク電流の使用時間を特定することができなかった機器がある場合、当該機器が最初に起動するように制御する
請求項1から3のいずれか一項に記載の起動タイミング制御システム。
【請求項5】
前記起動タイミング特定部は、前記最初に起動させる各機器のピーク電流を電源容量から差し引いた電力容量を超えないように、残りの各機器を起動させるタイミングを特定する
請求項4に記載の起動タイミング制御システム。
【請求項6】
前記起動タイミング特定部は、前記ピーク電流特定部が特定した前記機器のピーク電流の大きさに、前記ピーク電流使用時間特定部が特定した当該機器のピーク電流の使用時間を乗じた値が大きい機器を優先的に起動させるように、前記残りの各機器を起動させるタイミングを特定する
請求項5に記載の起動タイミング制御システム。
【請求項7】
前記起動タイミング特定部は、起動させるタイミングを特定した第1の機器のピーク電流の大きさとその使用時間を乗じた値よりも小さい値の第2の機器について、前記第1の機器よりも前のタイミングに起動させるように特定した第3の機器と同時に起動しても、前記最初に起動させる各機器のピーク電流を電源容量から差し引いた電力容量を超えない場合、前記第3の機器と同時に起動させるように、前記第2の機器を起動させるタイミングを特定する
請求項6に記載の起動タイミング制御システム。
【請求項8】
複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御する起動タイミング制御装置であって、
前記機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化に基づいて、当該機器のピーク電流の大きさを特定するピーク電流特定部と、
前記機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化と、前記ピーク電流特定部が特定した当該機器のピーク電流の大きさとに基づいて、当該ピーク電流の使用時間を特定するピーク電流使用時間特定部と、
前記ピーク電流特定部が特定した前記各機器のピーク電流の大きさと、前記ピーク電流使用時間特定部が特定した前記各機器のピーク電流の使用時間とに基づいて、前記各機器を起動させるタイミングを特定する起動タイミング特定部と、
前記起動タイミング特定部が特定したタイミングに基づいて、前記各機器が起動するように制御する起動制御部と
を備える起動タイミング制御装置。
【請求項9】
複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御する起動タイミング制御装置を制御する制御方法であって、
前記機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化に基づいて、当該機器のピーク電流の大きさを特定するピーク電流特定段階と、
前記機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化と、前記ピーク電流特定段階において特定された当該機器のピーク電流の大きさとに基づいて、当該ピーク電流の使用時間を特定するピーク電流使用時間特定段階と、
前記ピーク電流特定段階において特定された前記各機器のピーク電流の大きさと、前記ピーク電流使用時間特定段階において特定された前記各機器のピーク電流の使用時間とに基づいて、前記各機器を起動させるタイミングを特定する起動タイミング特定段階と、
前記起動タイミング特定段階において特定されたタイミングに基づいて、前記各機器が起動するように制御する起動制御段階と
を備える制御方法。
【請求項10】
複数の機器の起動時のピーク電流の大きさに応じて当該各機器を起動させるタイミングを制御する起動タイミング制御装置用のプログラムであって、前記起動タイミング制御装置を、
前記機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化に基づいて、当該機器のピーク電流の大きさを特定するピーク電流特定部、
前記機器の起動後の所定の監視時間の電流の大きさの変化と、前記ピーク電流特定部が特定した当該機器のピーク電流の大きさとに基づいて、当該ピーク電流の使用時間を特定するピーク電流使用時間特定部、
前記ピーク電流特定部が特定した前記各機器のピーク電流の大きさと、前記ピーク電流使用時間特定部が特定した前記各機器のピーク電流の使用時間とに基づいて、前記各機器を起動させるタイミングを特定する起動タイミング特定部、
前記起動タイミング特定部が特定したタイミングに基づいて、前記各機器が起動するように制御する起動制御部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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