説明

超伝導集積回路を製造するためのシステムおよび方法

様々な技法および装置が、例えば量子コンピュータで有用となることがある超伝導回路および構造、例えばジョセフソン接合の製造を可能にする。例えば、超伝導することができる2つの要素または層の間に誘電体構造または層が挿間された、低い磁束ノイズの三層構造を製造することができる。超伝導バイアが、ジョセフソン接合の上に直接位置することがある。平坦化された誘電体層上に構造、例えばジョセフソン接合を担持することができる。構造から熱を除去するためにフィンを採用することができる。超伝導することができるバイアは、約1マイクロメートル未満の幅を有することができる。構造は、例えばバイアおよび/またはストラップコネクタによって抵抗器に結合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年2月27日出願の「Systems and Methods for Fabrication of Superconducting Integrated Circuits」という名称の米国仮特許出願第61/156377号に対する米国特許法第119条(e)項の下での利益を主張するものであり、この仮特許出願の全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
分野
本発明のシステムおよび方法は、超伝導用途のための集積回路の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
量子計算のための手法
量子コンピュータの設計および動作に関していくつかの一般的な手法がある。1つのそのような手法は、量子計算の「回路モデル」である。この手法では、量子ビットが、アルゴリズムのコンパイルされた表現である論理ゲートのシーケンスによって作用を及ぼされる。多くの研究は、回路モデル量子コンピュータの基本要素を形成するのに十分なコヒーレンスを有する量子ビットを開発することに焦点を当てている。
【0004】
量子計算のための別の手法は、計算システムとして、結合型量子システムの1システムの自然な物理的進化を使用することを含む。この手法は、量子ゲートおよび回路を利用しないことがある。その代わりに、この計算システムは、簡単に求めることができる基底状態を有する既知の初期ハミルトニアンから開始して、最終ハミルトニアンに制御可能に導かれることがあり、その基底状態が問題に対する解を表す。この手法は、典型的には、長い量子ビットコヒーレンス時間を必要とせず、回路モデルよりもロバストであることがある。このタイプのアプローチの例には、断熱的量子計算および量子アニーリングがある。
【0005】
量子プロセッサ
量子計算は、超伝導量子プロセッサなどの量子プロセッサを使用して行うことができる。超伝導量子プロセッサは、いくつかの量子ビットおよび関連の局所バイアスデバイス、例えば2つ以上の超伝導量子ビットを含む超伝導集積回路を備えることができる。本発明のシステムおよび方法に従って製造することができる例示的な超伝導量子プロセッサのさらなる詳細および実施形態は、米国特許第7,533,068号、米国特許出願公開第2008−0176750号、米国特許出願公開第2009−0121215号、および国際出願第PCT/US2009/037984号に記載されている。
【0006】
超伝導量子ビット
超伝導量子ビットは、超伝導集積回路に含むことができる超伝導量子デバイスの1タイプである。超伝導量子ビットは、情報を符号化するために使用される物理的性質に応じていくつかのカテゴリーに分けることができる。例えば、電荷デバイス、磁束デバイス、および位相デバイスに分けることができる。電荷デバイスは、デバイスの電荷状態の情報を記憶して操作する。磁束デバイスは、デバイスのある部分を通る磁束に関係する変数の情報を記憶して操作する。位相デバイスは、位相デバイスの2つの領域間の超伝導位相の差に関連する変数の情報を記憶および操作する。近年、2以上の電荷、磁束、および位相自由度を使用するハイブリッドデバイスが開発されている。
【0007】
超伝導集積回路は、単一磁束量子(SFQ)デバイスを含むことができる。SFQデバイスと超伝導量子ビットの統合は、例えば米国特許出願公開第2008−0215850号で論じられている。
【0008】
超伝導プロセッサ
コンピュータプロセッサは超伝導プロセッサの形態を取ることがあり、ここでは、超伝導プロセッサは、従来の意味での量子プロセッサではないことがある。例えば、超伝導プロセッサのいくつかの実施形態は、量子トンネル効果、重ね合わせ、およびもつれなどの量子効果に焦点を当てず、むしろ、例えば従来のコンピュータプロセッサの動作を支配する原理など、異なる原理を強調することによって動作することができる。しかし、そのような「従来型」の超伝導プロセッサの実装形態には依然としていくつかの利点があることがある。それらの固有の物理的性質により、従来型の超伝導プロセッサは、超伝導タイプでないプロセッサよりも高いスイッチング速度および短い計算時間を可能にすることができ、したがって、従来型の超伝導プロセッサでのいくつかの問題を解決するために、より実用的であることがある。本発明のシステムおよび方法は、超伝導量子プロセッサと従来型の超伝導プロセッサどちらを製造するために使用するのにも特によく適している。
【0009】
集積回路製造
従来、超伝導集積回路の製造は、現況技術の半導体製造設備では行われていなかった。これは、超伝導集積回路で使用される材料のいくつかが半導体設備を汚染するおそれがあることが理由となっていることがある。例えば、金は、超伝導回路内の抵抗器として使用されることがあるが、半導体設備でCMOSウェハを製造するために使用される製造ツールを汚染するおそれがある。その結果、金を含む超伝導集積回路は、CMOSウェハの処理も行うツールでは処理されない。
【0010】
超伝導体製造は、典型的には、業界での標準的な慣行を超伝導回路製造のために最適化することができる研究環境で行われている。超伝導集積回路は、半導体チップまたは集積回路を製造するために従来使用されているツールで製造されるが多い。超伝導回路に特有の問題により、半導体プロセスおよび技法のすべてを超伝導体チップ製造に移行できるわけでは必ずしもない。超伝導体チップおよび回路製造での使用のために半導体プロセスおよび技法を作り変えることは、しばしば変更および微調整を必要とする。そのような変更および調節は、典型的には明白なものではなく、かなりの実験を必要とすることがある。半導体産業は、超伝導産業には必ずしも関連しない問題および課題に直面している。同様に、超伝導産業に関わる問題および課題が、標準的な半導体製造ではほとんどまたは全く問題とならないことも多い。
【0011】
例えば、ニオブおよび酸化アルミニウムジョセフソン接合は、少なくともいくつかの実装形態では、160℃または200℃よりもはるかに高い温度に露出すると、常に酸化アルミニウム層の劣化の大きな危険を伴うことになる。したがって、ジョセフソン接合が超伝導集積回路の基板上に堆積される場合、回路内部に後で堆積される二酸化ケイ素などの誘電体層は、半導体産業で標準的な温度である約400℃では堆積することができない。半導体産業は、そのような高温で二酸化ケイ素を堆積して、高品質であり欠陥の少ない誘電体層を実現する。低い温度で二酸化ケイ素を堆積すると、誘電体内部に多数の欠陥が生じることがある。そのような欠陥は、超伝導集積回路の動作中にノイズとして見られることがある。超伝導チップ内部の不純物がノイズをもたらすことがあり、これは、超伝導量子ビットなど個々のデバイス、および超伝導チップ全体の機能を損なう、または低下させることがある。ノイズは、量子コンピュータの動作において大きな問題であるので、可能であれば常に誘電体ノイズを減少させる措置を取るべきである。また、製造への適合性よりも高い超伝導臨界温度を考慮して選択される材料であるニオブは、当然、バイア穴を非常に良好には充填しない。これにより、超伝導集積回路の配線層間に不良な接触が生じる可能性がある。高いアスペクト比の穴をニオブで充填するという問題を回避するための方法としてはプラグが考えられるが、残念ながら、プラグ技術を利用すると、ニオブによって半導体設備が汚染されることがある。さらに、典型的には、磁気ノイズが超伝導量子ビットの製造での主要な問題であるが、多くの半導体チップ用途に関してはほとんどまたは全く問題とならないことがある。
【0012】
エッチング
エッチングは、フォトレジストまたは他のマスク形成技術によって画定された所望のパターンに従って、例えば基板、誘電体層、電気絶縁層、および/または金属層の各層を除去する。2つの主要なエッチング技術は、ウェット化学エッチングとドライ化学エッチングである。
【0013】
ウェット化学エッチングまたは「ウェットエッチング」は、典型的には、酸浴など腐食性の浴内にウェハを浸漬することによって達成される。一般に、エッチング溶液は、ポリプロピレンの温度制御された浴内に収容される。浴は通常、エッチングステーションの後部にリングタイプのプレナム排気換気装置またはスロット排気口を装備される。一様に濾過された、微粒子を含まない空気をエッチング浴の上面に供給するために、典型的には垂直層流フードが使用される。
【0014】
ドライ化学エッチングまたは「ドライエッチング」は、エッチングプロセスをより良く制御して汚染レベルを減少させることができるため、一般的に採用されている。ドライエッチングは、化学反応性ガスの使用など化学反応によって、または例えばアルゴン原子を使用するプラズマエッチングなど物理的衝撃によって、ガスを使用することで所望の層を効果的にエッチングする。
【0015】
例えばシリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミニウム、タンタル、タンタル化合物、クロム、タングステン、金、および多くの他の材料を効果的にエッチングすることができるプラズマエッチングシステムが開発されている。2つのタイプのプラズマエッチング反応器システム、すなわちバレル反応器システムおよび平行板反応器システムが一般に使用されている。どちらの反応器タイプも同じ原理で動作し、主に構成のみが異なる。典型的な反応器は、通常はアルミニウム、ガラス、または水晶からなる真空反応器チャンバからなる。無線周波数またはマイクロ波エネルギー源(総称してRFエネルギー源と呼ぶ)が、エッチャントとして作用するフッ素ベースまたは塩素ベースのガスを活性化するために使用される。ウェハがチャンバ内に装荷され、ポンプがチャンバを排気し、試薬ガスが導入される。RFエネルギーがガスをイオン化してエッチングプラズマを生成し、このプラズマがウェハと反応して揮発性の生成物を生成し、この生成物はポンプによって除去される。
【0016】
物理的エッチングプロセスは、物理的衝撃を採用する。例えば、アルゴンガス原子を使用して、エッチングすべき層に物理的衝撃を与えることができ、弾き出された材料を除去するために真空ポンプシステムが使用される。スパッタエッチングが、イオン衝突およびエネルギー移動を含む1つの物理的な技法である。エッチングすべきウェハは、グロー放出回路内で負電極または「ターゲット」に取り付けられる。正のアルゴンイオンがウェハ表面に衝撃を与えて、表面原子を弾き出す。RFエネルギー源によってパワーが提供される。イオンビームエッチングおよびミリングは、材料を取り除くために低エネルギーイオンのビームを使用する物理的なエッチングプロセスである。イオンビームは、放電によって生成されるイオン化ガス(例えばアルゴンまたはアルゴン/酸素)またはプラズマから抽出される。
【0017】
反応性イオンエッチング(RIE)は、化学的エッチングと物理的エッチングの組合せである。RIE中、ウェハは、低圧での化学反応性ガス(例えばCF、CCl、および多くの他のガス)の雰囲気を有するチャンバ内に配置される。放電が、数百電子ボルトのエネルギーを有するイオンプラズマを生成する。イオンは、ウェハ表面に垂直に当たり、そこで反応して揮発性種を生成し、揮発性種は低圧インライン真空システムによって除去される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
概要
少なくとも1つの実施形態は、第1の臨界温度以下で超伝導する第1の材料から形成される第1の電極、第1の臨界温度以下で超伝導する第1の材料から形成される第2の電極、および第1の電極を第2の電極から離隔するために第1の電極と第2の電極の間に挿間される電気絶縁層を有するジョセフソン接合と、第2の臨界温度以下で超伝導する第2の材料から構成される第1の超伝導電流経路とを備える超伝導回路であって、第2の材料が約1.0未満の磁束ノイズ係数を有し、第1の超伝導電流経路が第1の電極に結合され、超伝導回路がさらに、臨界温度以下で超伝導する材料から構成される第2の超伝導電流経路を備え、その材料が、約1.0未満の磁束ノイズ係数を有し、第2の超伝導電流経路が第2の電極に結合される超伝導回路と要約することができる。第2の材料は、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含むことがある。第2の超伝導電流経路が構成される材料は、第2の材料であることがある。あるいは、第2の超伝導電流経路が構成される材料は、第3の臨界温度以下で超伝導し、約1.0未満の磁束ノイズ係数を有する第3の材料であることがある。例えば、第3の材料は、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料を備えることがある。いくつかの実施形態では、この超伝導回路は、ジョセフソン接合、第1の超伝導電流経路、および第2の超伝導電流経路を担持する基板を含むことがあり、基板が、シリコンおよびサファイアからなる群から選択される少なくとも1つの材料を備える。第1の超伝導電流経路と第2の超伝導電流経路は、ガルバニ電気的に一体に結合されて、ジョセフソン接合によって割り込まれた閉じた超伝導ループを形成することがある。第1および第2の電極は、ニオブから構成されることがあり、電気絶縁層は、少なくとも1層の酸化アルミニウム層から構成されることがある。
【0019】
少なくとも1つの実施形態は、基板と、基板によって担持された金属層であって、臨界温度以下で超伝導する少なくとも1つの電流経路を含む金属層と、金属層によって担持された平坦化された第1の誘電体層と、平坦化された第1の誘電体層によって担持されたジョセフソン接合とを含む集積回路であって、ジョセフソン接合が、第1の電極、第2の電極、および第1の電極と第2の電極の間に挿間された電気絶縁層から構成され、第1および第2の電極がそれぞれ、臨界温度以下で超伝導する材料から形成される集積回路と要約することができる。いくつかの実施形態では、この集積回路は、平坦化された第1の誘電体層上に直接担持された第2の誘電体層を含むことがあり、ジョセフソン接合が、第2の誘電体層上に直接担持される。少なくとも1つの電流経路は、ニオブ、アルミニウム、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料から構成されることがある。いくつかの実施形態では、この集積回路は、ジョセフソン接合によって担持された第2の誘電体層と、第2の誘電体層によって担持された第2の金属層とを含むことがあり、第2の金属層が、臨界温度以下で超伝導する少なくとも1つの電流経路を含む。いくつかの実施形態では、この集積回路は、第2の金属層からの少なくとも1つの電流経路をジョセフソン接合の第1の電極と超伝導により電気的に結合する超伝導バイアを含むことがあり、超伝導バイアが、臨界温度以下で超伝導する材料で少なくとも部分的に充填された、第2の誘電体層を通って延在する穴を備える。超伝導バイアは、1マイクロメートル未満の幅、および/または0.7:1よりも大きい深さ対幅のアスペクト比を有することがある。いくつかの実施形態では、この集積回路は、第2の金属層からの少なくとも1つの電流経路を第1の金属層からの少なくとも1つの電流経路と超伝導により電気的に結合する超伝導バイアを含むことがあり、超伝導バイアが、第1および第2の誘電体層の両方を通って延在する穴を備え、穴が、臨界温度以下で超伝導する材料で少なくとも部分的に充填される。超伝導バイアは、1マイクロメートル未満の幅、および/または0.7:1よりも大きい深さ対幅のアスペクト比を有することがある。
【0020】
いくつかの実施形態では、この集積回路は、抵抗器を含むことがある。抵抗器は白金を備えることがある。抵抗器は、平坦化された第1の誘電体層によって担持されることがある。抵抗器は、基板に熱伝導結合されることがある。いくつかの実施形態では、この集積回路は、抵抗器に熱伝導結合されたフィンを含むことがある。
【0021】
少なくとも1つの実施形態は、ジョセフソン接合を製造する方法であって、第1の誘電体層を堆積するステップと、第1の誘電体層の表面を平坦化するステップと、第1の誘電体層の平坦化された表面の少なくとも一部分の上に、臨界温度以下で超伝導する第1の電極を堆積するステップと、第1の電極の少なくとも一部分の上に電気絶縁層を形成するステップと、電気絶縁層の少なくとも一部分の上に、臨界温度以下で超伝導する第2の電極を堆積するステップとを含む方法と要約することができる。いくつかの実施形態では、この方法は、第1の誘電体層の平坦化された表面の少なくとも一部分の上に第2の誘電体層を堆積するステップを含むことがある。第1の誘電体層は、約200℃よりも高い温度で堆積されることがある。いくつかの実施形態では、この方法は、第2の電極の少なくとも一部分の上に追加の誘電体層を堆積するステップと、追加の誘電体層の表面を平坦化するステップと、第2の電極の少なくとも一部分を露出するために、追加の誘電体層に穴を形成するステップと、追加の誘電体層の穴を、臨界温度以下で超伝導する材料で少なくとも部分的に充填するステップとを含むことがある。追加の誘電体層に穴を形成するステップは、1マイクロメートル未満の幅、および/または0.7:1よりも大きい深さ対幅のアスペクト比を有する穴を形成するステップを含むことがある。
【0022】
少なくとも1つの実施形態は、基板と、基板によって担持された抵抗器と、基板によって担持された第1の三層構造とを備える超伝導集積回路であって、第1の三層構造が、臨界温度以下で超伝導する第1の電極と、臨界温度以下で超伝導する第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間に挿間された第1の電気絶縁層とを備え、第1の三層構造の第1の電極が抵抗器に電気的に結合され、超伝導集積回路がさらに、基板によって担持された第2の三層構造を備え、第2の三層構造が、臨界温度以下で超伝導する第3の電極と、臨界温度以下で超伝導する第4の電極と、第3の電極と第4の電極の間に挿間された第2の電気絶縁層とを備え、第2の三層構造の第3の電極が抵抗器に電気的に結合される超伝導集積回路と要約することができる。抵抗器は白金を備えることがある。いくつかの実施形態では、この超伝導集積回路は、基板によって担持された誘電体層であって、抵抗器の少なくとも一部分を覆う誘電体層と、誘電体層を通して形成された第1のバイアであって、第1の三層構造の第1の電極が第1のバイアを介して抵抗器に電気的に結合される第1のバイアと、誘電体層を通して形成された第2のバイアであって、第2の三層構造の第3の電極が第2のバイアを介して抵抗器に電気的に結合される第2のバイアとを備えることがある。いくつかの実施形態では、この超伝導集積回路は、基板によって担持された誘電体層を含むことがあり、誘電体層が、抵抗器の少なくとも一部分を覆わず、第1および第3の電極がそれぞれ、抵抗器とのストラップ接点をそれぞれ形成する。
【0023】
少なくとも1つの実施形態は、超伝導集積回路を製造する方法であって、臨界温度以下で超伝導する材料の第1の層を堆積するステップと、臨界温度以下で超伝導する材料の第1の層の少なくとも一部分の上に電気絶縁体層を形成するステップと、電気絶縁体層の少なくとも一部分の上に、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層を堆積するステップと、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層の少なくとも一部分の上にハードマスクを堆積するステップと、ハードマスクの一領域の上にフォトレジストを堆積するステップであって、ハードマスクの第1の部分がフォトレジストによって覆われ、ハードマスクの第2の部分がフォトレジストによって覆われないステップと、ハードマスクの第2の部分を除去して、ハードマスクの第1の部分によって覆われた、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層の第1の部分と、ハードマスクによって覆われていない、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層の第2の部分とを形成するステップと、フォトレジストを除去するステップと、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層の第2の部分を除去するステップとを含む方法と要約することができる。ハードマスクの第2の部分を除去するステップは、マイクロリソグラフィプロセスによってエッチングするステップを含むことがある。フォトレジストを除去するステップは、ウェットエッチングプロセスによってエッチングするステップを含むことがある。臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層の第2の部分を除去するステップは、アルゴンガスプラズマプロセスによってエッチングされるステップを含むことがある。臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層の第2の部分を除去するステップは、反応性イオンエッチングプロセスによってエッチングするステップを含むことがある。臨界温度以下で超伝導する材料の第1の層および第2の層の少なくとも一方がニオブを備えることがある。いくつかの実施形態では、この方法は、集積回路の少なくとも一部分の上にキャップを堆積するステップを含むことがある。いくつかの実施形態では、ハードマスクは窒化ケイ素を備えることがあり、この方法は、フォトレジストを堆積する前に、窒化ケイ素を酸化プラズマに露出するステップを含むことがある。
【0024】
いくつかの実施形態では、この方法は、誘電体層を堆積するステップと、誘電体層の表面を平坦化するステップと、誘電体層に穴を形成するステップであって、穴の幅が1マイクロメートル未満であり、かつ/または穴の深さ対幅のアスペクト比が約0.7:1よりも大きいステップと、穴を、臨界温度以下で超伝導する材料で少なくとも部分的に充填するステップとを含むことがある。誘電体層に穴を形成するステップは、約0.5マイクロメートル未満の幅を有する穴を形成するステップを含むことがある。誘電体層は、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層の第1の部分の少なくとも一部分を覆うことがあり、誘電体層の穴を形成するステップは、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層の第1の部分の少なくとも一部分を露出することがあり、穴を少なくとも部分的に充填するステップは、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層の第1の部分との電気接続を提供することがある。臨界温度以下で超伝導する材料の第1の層の少なくとも一部分の上に電気絶縁体層を形成するステップは、臨界温度以下で超伝導する材料の第1の層の少なくとも一部分の上に金属層を堆積するステップと、金属層を酸素に露出するステップとを含むことがある。いくつかの実施形態では、この方法は、ハードマスクの第1の部分を除去するステップを含むことがある。ハードマスクの第1の部分を除去するステップは、反応性イオンエッチングプロセスによってエッチングするステップを含むことがある。
【0025】
少なくとも1つの実施形態は、第1の超伝導電極および第2の超伝導電極を有するジョセフソン接合を含む超電動集積回路を製造する方法であって、ジョセフソン接合の第1の電極を堆積するステップであって、第1の電極が臨界温度以下で超伝導するステップと、第1の電極の少なくとも一部分の上に電気絶縁層を形成するステップと、電気絶縁層の少なくとも一部分の上にジョセフソン接合の第2の電極を堆積するステップであって、第2の電極が臨界温度以下で超伝導するステップと、第2の超伝導電極の上にフォトレジストを堆積するステップと、フォトレジストによって覆われていない第2の超伝導電極の領域を形成するために、マスク形成してフォトレジストを現像するステップと、フォトレジストによって覆われていない第2の超伝導電極の領域を除去するステップと、フォトレジストを除去するステップと、ジョセフソン接合の上に誘電体層を堆積するステップと、誘電体層の表面を平坦化するステップと、誘電体層に1マイクロメートル未満の幅、および/または0.7:1よりも大きい深さ対幅のアスペクト比を有するを有する穴を形成するステップであって、穴が第2の超伝導電極の少なくとも一部分を露出するステップと、誘電体層の少なくとも一部分の上に、臨界温度以下で超伝導する材料を備える導電層を堆積するステップであって、導電層の一部分が穴を少なくとも部分的に充填し、ジョセフソン接合の第2の超伝導電極との電気的な連通を確立するステップとを含む方法と要約することができる。第1および第2の超伝導電極の少なくとも一方は、ニオブ、アルミニウム、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの金属を備える材料から形成されることがある。第1の超伝導電極の少なくとも一部分の上に電気絶縁層を形成するステップは、第1の超伝導電極の少なくとも一部分の上に金属層を堆積するステップと、金属層を酸素に露出するステップとを含むことがある。フォトレジストによって覆われていない第2の超伝導電極の領域を除去するステップは、アルゴンガスプラズマプロセスによってエッチングするステップを含むことがある。フォトレジストを除去するステップは、ウェットエッチングプロセスによってエッチングするステップを含むことがある。
【0026】
少なくとも1つの実施形態は、エッチングされた部分を有する基板と、抵抗器と、抵抗器に電気的に結合された、臨界温度以下で超伝導する材料の第1の部分と、抵抗器に電気的に結合された、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の部分とを含む超伝導集積回路であって、抵抗器が、基板のエッチングされた部分の内部に位置決めされ、超伝導材料の第1の部分と第2の部分の両方が超伝導する温度で抵抗性を有する超伝導集積回路と要約することができる。抵抗器は白金を備えることがある。
【0027】
少なくとも1つの実施形態は、超伝導集積回路を製造する方法であって、白金抵抗器を形成するステップと、臨界温度以下で超伝導する材料の2つの層、および超伝導する材料の2つの層の間に挿間された電気絶縁層を備える三層構造を形成するステップとを含み、三層構造が、少なくとも1つのストラップ接点を介して抵抗器に直接電気的に結合される方法と要約することができる。この方法は、抵抗器に熱伝導結合されたフィンを形成するステップを含むことがある。
【0028】
少なくとも1つの実施形態は、第1の誘電体層である第1の層と、第1の層上に担持されたジョセフソン接合と、第2の層と、第2の層上に担持された第2のジョセフソン接合とを含む超伝導集積回路であって、第1の誘電体層が第2の層によって担持される超伝導集積回路と要約することができる。第2の層は基板であることがある。あるいは、第2の層は第2の誘電体層であることがある。第1のジョセフソン接合は第1の材料を含むことがあり、第2のジョセフソン接合は、第1の材料とは異なる第2の材料を含むことがある。第1および第2のジョセフソン接合の少なくとも一方は、単一磁束量子回路の構成要素であることがある。第1および第2のジョセフソン接合の少なくとも一方は、超伝導量子ビットの構成要素であることがある。
【0029】
少なくとも1つの実施形態は、第1の誘電体層である第1の層と、第1の誘電体層上に担持された第1の抵抗器と、第2の層と、第2の層上に担持された第2の抵抗器とを含む超伝導集積回路であって、第1の誘電体層が第2の層によって担持される超伝導集積回路と要約することができる。第2の層は第2の誘電体層であることがある。第2の層は基板であることがある。第1の抵抗器と第2の抵抗器の少なくとも一方は白金から構成されることがある。いくつかの実施形態では、この超伝導集積回路は、抵抗器と超伝導集積回路の基板との間に熱的な連通を提供する熱伝導接続を含むことがある。
【0030】
少なくとも1つの実施形態は、超伝導集積回路を製造する方法であって、臨界温度以下で超伝導する材料を備える第1の導電層を堆積するステップと、誘電体層を堆積するステップと、誘電体層に1マイクロメートル未満の幅、および/または0.7:1よりも大きい深さ対幅のアスペクト比を有する穴を形成するステップと、誘電体層の少なくとも一部分の上に、臨界温度以下で超伝導する材料を備える第2の導電層を堆積するステップであって、第2の導電層の一部分が穴を少なくとも部分的に充填するステップとを含む方法と要約することができる。この方法は、誘電体層を平坦化するステップを含むことがある。穴を形成するステップは、誘電体層に0.5マイクロメートル未満の幅を有するように穴を形成するステップを含むことがある。
【0031】
少なくとも1つの実施形態は、超伝導電流経路を堆積する方法であって、表面を有する誘電体層を堆積するステップと、誘電体層の表面にトレンチをエッチングするステップと、臨界温度以下で超伝導する材料を堆積するステップであって、材料の第1の部分が誘電体層の表面上に担持され、第2の部分がトレンチ内に堆積されるステップと、誘電体層の表面上に担持された材料を研磨するステップとを含む方法と要約することができる。臨界温度以下で超伝導する材料は、ニオブ、アルミニウム、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料から構成されることがある。
【0032】
図面中、同一の参照番号が、同様の要素または作業を識別する。図面中の要素のサイズおよび相対位置は、必ずしも一律の尺度では描かれていない。例えば、様々な要素および角度の形状は、一律の尺度では描かれておらず、これらの要素のいくつかは、図面をより見やすくするために、任意に拡大または位置決めされる。さらに、図示される要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関する任意の情報を伝えるものとは意図されておらず、単に、図面中で容易に認識できるように選択されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】ダイ領域全体の一部分の上に広がった超伝導集積回路と、金属の全体の密度をダイ領域全体にわたってより均一にするための複数の金属フィラー構造とを含むダイの上面図である。
【図2】例示的な量子デバイスの概略図である。
【図3】さらなる例示的な量子デバイスの概略図である。
【図4】集積回路の断面図である。
【図5A】製造プロセスの様々な段階での、超伝導集積回路の断面の表現である。
【図5B】製造プロセスの様々な段階での、超伝導集積回路の断面の表現である。
【図5C】製造プロセスの様々な段階での、超伝導集積回路の断面の表現である。
【図5D】製造プロセスの様々な段階での、超伝導集積回路の断面の表現である。
【図5E】製造プロセスの様々な段階での、超伝導集積回路の断面の表現である。
【図5F】製造プロセスの様々な段階での、超伝導集積回路の断面の表現である。
【図5G】1つの例示的実施形態に従って、図5A〜5Fに示される構造を製造するための製造方法を示す流れ図である。
【図6A】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図6B】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図6C】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図6D】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図6E】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図6F】1つの例示的実施形態による、抵抗器と、抵抗器から熱を放散するための関連のフィンとを有する集積回路の断面図である。
【図6G】別の例示実施形態による、抵抗器と、抵抗器から熱を放散するための関連のフィンとを有する集積回路の断面図である。
【図7A】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図7B】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図7C】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図8A】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図8B】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図9A】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図9B】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図9C】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図9D】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図9E】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図9F】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図9G】製造プロセスの様々な段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図10】別の例示的実施形態による、超伝導することができる構造を製造するための製造方法を示す流れ図である。
【図11】さらに別の例示的実施形態による、超伝導することができる構造を製造するための製造方法を示す流れ図である。
【図12】さらに別の例示的実施形態による、超伝導することができる構造を製造するための製造方法を示す流れ図である。
【図13A】製造プロセスの異なる段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図13B】製造プロセスの異なる段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図13C】製造プロセスの異なる段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図13D】製造プロセスの異なる段階での超伝導集積回路の断面図である。
【図14】さらに別の例示的実施形態による、超伝導することができる構造を製造するための製造方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
詳細な説明
以下の説明では、開示する様々な実施形態を完全に理解できるように、いくつかの特定の詳細を述べる。しかし、これら特定の詳細の1つまたは複数を使用せずに、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実施形態を実施することもできることを当業者は理解されよう。他の例では、実施形態の説明が不必要に曖昧にならないように、超伝導回路または構造、量子コンピュータ回路または構造、および/または蒸発冷却器などの冷却システムに関連してよく知られている構造は図示しておらず、詳細には説明しない。
【0035】
文脈上別段の解釈を必要としない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲を通じて、用語「備える」およびその活用形は、開いた包括的な意味合いと解釈すべきであり、すなわち「含み、しかしそれに限定されない」の意味と解釈される。
【0036】
本明細書を通じて「一実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の様々な箇所で「一実施形態では」という語句を用いるとき、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性を、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な形で組み合わせることもできる。
【0037】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形は、文脈上明確に別段の指示がある場合を除き、複数形も包含する。また、用語「または」は一般に、文脈上明確に別段の指示がある場合を除き、その意味合いにおいて「および/または」を含むものとして使用されることに留意すべきである。
【0038】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、用語「によって担持される」またはその変形表現は、少なくともいくつかの例において、1つの構造が別の構造によって直接または間接的に支持されることを意味し、例えば別の構造の表面上に直接支持される、1つまたは複数の挿間層または構造によって別の構造の表面の上または下に間隔を空けて配置される、あるいは別の構造の内部に位置されることを意味する。
【0039】
本明細書に記載する見出しおよび開示内容の要約は便宜上のものにすぎず、実施形態の範囲または意味を説明するものではない。
【0040】
集積回路は、典型的には、チップまたはダイとして知られている領域の上に製造される。多くの場合、回路要素の密度(すなわち金属配線の密度)は、ダイの領域にわたって均一でない。少なくとも1段階の平坦化を含む多層回路では、配線密度のこれらの不均一性により、様々な層の表面で不均一性が生じることがある。平坦化の力が一様に加えられる場合、誘電体層が平坦化中に下がる速度は、下にある層の組成に応じて決まることがある。すなわち、平坦化中、金属構造の上に位置する誘電体層の部分は、別の誘電体層の上に位置するその誘電体層の部分とは異なる速度で下がることがある。例えば、金属層上に直接担持された第1の部分と、第2の誘電体層上に直接担持された第2の部分とを有する第1の誘電体層が平坦化されるとき、得られる第1の誘電体層の厚さは均一にならないことがある。様々な実施形態において、平坦化された表面での不均一性は、窪み、段差、突起、および/または全体的な湾曲を含むことがある。そのような不均一性は、後続の層の堆積に悪影響を及ぼすことがあり、かつ/または集積回路の動作に悪影響を及ぼすことがある。特に、誘電体層の厚さの不均一性は、集積回路内に含まれるデバイスにおいて、場合によっては不利益なパラメータの広がりをもたらすことがある。半導体製造での慣行では、ダイの領域にわたる金属配線密度の均一性を改良するためにフィラー金属のアイドル構造(すなわち電気的不活性であり使用されない構造)を含むように集積回路を設計することによって、これらの不均一性を緩和することができる。本発明のシステムおよび方法によれば、同様の手法を超伝導集積回路で使用できるように適合させることができ、ここでは、フィラー金属の構造が、臨界温度未満で超伝導する材料から形成され、望ましくない熱エネルギー源および/または磁場源を回路内に導入することを回避する。
【0041】
図1は、ダイ領域全体の一部分の上に広がる超伝導集積回路101と、ダイ領域全体にわたる全体的な金属の密度をより均一にするための複数の金属フィラー構造102(煩雑にならないように図中には1つだけ示される)とを含むダイ100の上面図である。本発明のシステムおよび方法によれば、各金属フィラー構造102は、臨界温度未満で超伝導する材料、例えばニオブ、アルミニウム、亜鉛、鉛、スズ、または超伝導合金から形成することができる。各金属フィラー構造102は、他の金属フィラー構造102から電気的に絶縁され、また、回路101の構成要素を(例えばワイヤボンディングパッド(図示せず)に接続するために)ダイ100の周縁に接続することができる任意の配線(図示せず)を含めた集積回路101のあらゆる構成要素から電気的に絶縁される。金属フィラー構造102は、図1では(回路101の要素のサイズおよびダイ自体のサイズに対して)一律の縮尺では描かれていないことがあり、図示される構成要素の密度は例示としてのみ用いられることを当業者は理解されよう。いくつかの実施形態では、フィラー材料を必要として収容するのに十分に大きい空間が存在する場合、金属フィラー構造102は、回路101の領域の内部、および回路101内の構成要素の間に含まれることがある。また、個々の金属フィラー構造102がそれぞれ、ダイ全体にわたる空間的な制限に対応するように任意のサイズおよび/または形状を取ることができることも当業者は理解されよう。様々な実施形態において、金属フィラー構造102は、異なる距離で離隔されることがあり、かつ/または規則的なパターンおよび/または不規則なパターンでダイ100の1つまたは複数の層内に含まれることがある。超伝導集積回路101は、超伝導量子ビットを実装する超伝導量子プロセッサなど、超伝導プロセッサを含むことがある。
【0042】
本発明のシステムおよび方法は、超伝導集積回路を製造するための複数材料プロセスを示す。超伝導体がそれ以下の温度で超伝導する温度(「臨界温度」)は、使用される特定の材料の特性である。いくつかの用途では、集積回路内部に、それぞれ異なる目的に適した(それぞれ異なる臨界温度を有する)異なる材料を組み込むことが望ましいことがある。一例として、超伝導集積回路は、磁気測定および/または温度測定用に設計された構成要素を含むことがあり、そのような構成要素に関しては、回路の他の構成要素(例えば量子ビットなどのプロセッサ構成要素)よりも臨界電流が高いことが望ましい。別の例として、超伝導集積回路は、第1の材料または材料の組からなるいくつかの構成要素を含むことがあり、これらは、第2の材料または材料の組からなる他の構成要素よりも発生するノイズが小さい。
【0043】
比較的少数の(例えば約1または2の)精度ビットでしかプログラムすることができない量子デバイスを備える量子コンピュータは、いくつかの種類の問題を解決するのにはよく適さないことがある。実現することができる精度ビット数は、典型的には、例えば量子デバイスにおいてデコヒーレンスを誘発することがあるノイズによって制限される。したがって、ノイズを最小限にし、それにより量子プロセッサが計算中に実現することができる精度ビット数を最大にするように超伝導量子プロセッサが構成されることが有利となることがある。ノイズ減少は重要な設計考慮事項であり、ノイズの存在下での超伝導量子ビットの動作は、とりわけ、データを操作することができる精度ビット数を制限する。量子デバイスなどの超伝導デバイスは、デジタルマイクロプロセッサおよび/またはメモリなど、より従来の半導体デバイスよりもノイズの影響をかなり受けやすい。本明細書で説明する様々な実施形態は、回路要素に影響を及ぼすノイズを減少させるように超伝導回路を製造するためのシステムおよび方法を提供する。
【0044】
磁束ノイズ
超伝導デバイスに作用する磁束ノイズは、少なくとも一部は、デバイスが形成される材料およびデバイスの近位にある材料の磁気モーメント、例えば核磁気モーメントによるものであることがある。
【0045】
コンピュータシステム、例えば量子コンピュータシステムは、原子から形成される。原子は核を有する。核は磁気モーメントを有することができ、その強度は原子同位体ごとに異なる(例えば、Gordy、Walter、William V. Smith、 and Ralph F. Trambarulo「Microwave Spectroscopy」New York: John Wiley and Sons, Inc., 1953のpp.337-344、Table A.2を参照のこと)。これらの核の磁気モーメントは磁束ノイズを生成し、これは、敏感な計算システムまたはデバイス、例えば超伝導量子ビットなどの超伝導デバイスに悪影響を及ぼすことがある。
【0046】
いくつかの計算システムでは、磁束ノイズを減少させることが非常に望ましい。例えば、磁場を使用して情報を記憶または処理するデバイスを備えるシステムでは、磁束ノイズは、個々のデバイスおよび計算システム全体の機能を損なう、または低下させることがある。量子コンピュータ内部の超伝導磁束量子ビットは、磁束信号の交換および操作によって互いに、および/または他の超伝導デバイスと通信することができる。したがって、超伝導磁束量子ビットを備える量子コンピュータ内部の量子デバイスは、磁束ノイズの影響に非常に敏感であることがある。
【0047】
特定の材料から生じる磁束ノイズの振幅は、無次元の係数F(本明細書では磁束ノイズ係数と呼ぶ)によって特徴付けることができる。磁束ノイズ係数Fは、以下のように定義することができる。
【数1】


ここで、材料はN個の異なる原子同位体を含み、γは核磁子であり、Sは、j次の同位体に関連する核スピンの最大値であり、γは、j次の同位体に関連する核スピンの磁気モーメントであり、xは、j次の同位体を含む材料の割合である。磁束ノイズ係数Fが低ければ低いほど、特定の材料によって生成される核磁気モーメントから生じる磁束ノイズが小さくなる。
【0048】
例えば、材料116Snは、核スピンがゼロであり、したがって磁束ノイズ係数がゼロであり、115Snは、S=1/2、γ=−0.91779γであり、したがって磁束ノイズ係数は0.458895である。これら2つの材料の等量混合物は、磁束ノイズ係数が0.229448である。
【0049】
システム内部の同位体の組成は、生産および製造後にインサイチュでは調整することはできないが、低い磁束ノイズ係数Fを有する材料を選択することによって、核磁気モーメントから生じる磁束ノイズを減少させることができる。
【0050】
超伝導量子デバイスは、主としてニオブから形成することができる。例えば、超伝導量子デバイスは、ジョセフソン接合によって割り込まれた超伝導ニオブのループを備えることがあり、ここで、ジョセフソン接合は、2つのニオブ層の間にある酸化アルミニウムの層によって形成することができる。ニオブは、その臨界温度が約9.3Kであり、液体ヘリウムの蒸発温度約4.2Kよりも十分に高く、そのため試験手順を単純化することができるので、超伝導量子デバイスを製造するための材料としてよく選択される。
【0051】
しかし、ニオブは、非常に高い磁束ノイズ係数値を有し、S=9/2およびγ=6.1659γから、磁束ノイズ係数は27.747となる。この値が周期表のほとんどの他の要素よりも高いことを当業者は理解されよう。ジョセフソン接合の製造によく使用される別の材料であるアルミニウムもまた、高い磁束ノイズ係数値を有し、S=5/2およびγ=3.6408から、磁束ノイズ係数は9.102となる。しかし、亜鉛、スズ、および鉛はいずれも比較的低い核スピンおよび核磁気モーメントを示す。亜鉛は、スピンが5/2であり核磁気モーメントが0.87378γである68Zn以外のすべての同位体に関して、核スピンがゼロである。亜鉛の磁束ノイズ係数は0.0873である。スズは、115Sn、117Sn、および119Sn以外のすべての同位体に関して核スピンがゼロであり、115Sn、117Sn、および119Snはいずれもスピンが1/2であり、核磁気モーメントはそれぞれ−0.91779γ、−0.99982γ、および−1.046000γである。スズの磁束ノイズ係数は0.0843である。鉛は、核スピンが1/2であり核磁気モーメントが0.58950γである207Pb以外のすべての同位体に関してスピンがゼロである。鉛の磁束ノイズ係数は0.06222である。
【0052】
量子ビット構造および結合器構造の内部など量子デバイス内部でのニオブおよびアルミニウムの量を減少させることによって、核スピンによる磁束ノイズを減少させることができる。量子デバイスの構造からニオブを完全になくすことにより、核スピンから生じる磁束ノイズを大幅に減少させることができるが、高品質のジョセフソン接合を製造するのには、2層のニオブバルク堆積間の酸化アルミニウム層からジョセフソン接合を形成するために開発された技術が適している。したがって、酸化アルミニウムおよびニオブから形成されるジョセフソン接合と共に、磁束ノイズへの寄与に関してより好ましい特性を有する少なくとも1つの異なるバルク材料の量子デバイスを構成することが有益であることがある。
【0053】
量子コンピュータは、図2に示される量子デバイス200などの量子デバイスを複数備える集積回路の形態を取ることができる。量子デバイス200は、ジョセフソン接合202によって割り込まれた超伝導材料201(バルク材料)のループを備える。ジョセフソン接合202は、ニオブ、アルミニウム、および酸化アルミニウムなど複数の材料を実装する「三層」プロセスから形成することができる。例えば、層202a−1、202a−2は、ニオブから形成して、アルミニウムによって離隔(または割り込み)することができ、アルミニウム上には酸化アルミニウムの薄層202bが成長する。本発明のシステムおよび方法によれば、超伝導材料201のループは、層202a−1、202a−2の材料とは異なる材料から形成することができる。超伝導材料201のループと層202a−1、202a−2との界面は、ジョセフソン接合202の臨界電流よりも大きい臨界電流をそれぞれ有する超伝導界面をそれぞれ形成する。超伝導材料201のループは、例えば、亜鉛、スズ、鉛、または核スピンによる磁束ノイズがニオブもしくはアルミニウムよりも低い(例えば超伝導合金を含めた)任意の他の超伝導材料から形成することができる。
【0054】
図2は単純な量子デバイスを示しており、同じ原理を使用してより複雑な量子デバイスを形成することができることを当業者は理解されよう。例えば、図3は、第1のジョセフソン接合302と、第1のジョセフソン接合302に並列の第2のジョセフソン接合312とを備える複合ジョセフソン接合によって割り込まれた超伝導材料のループ301を備える量子デバイス300を示す。第1のジョセフソン接合302は、酸化アルミニウムの薄層302bによって割り込まれた少なくとも2つのニオブ層302a−1、302a−2を備える三層構造を含むことができる。第2のジョセフソン接合312は、酸化アルミニウムの薄層312bによって割り込まれた少なくとも2つのニオブ層312a−1、312a−2を備える三層構造を含むことができる。超伝導材料301のループと層302a−1、302a−2および層312a−1、312a−2との界面は、ジョセフソン接合302、312の臨界電流よりもそれぞれ大きい臨界電流をそれぞれ有する超伝導界面を形成する。超伝導材料301のループは、亜鉛、スズ、鉛、または核スピンによる磁束ノイズがニオブもしくはアルミニウムよりも低い(例えば超伝導合金を含めた)任意の他の超伝導材料から形成することができる。
【0055】
上の図2および図3に関して説明したのと同じ原理を、閉ループを形成しない超伝導電流経路を実装する回路において適用することもできる。例えば、三層ジョセフソン接合は、第1の臨界温度未満で超伝導する第1の材料(例えばニオブ)からそれぞれ形成された第1および第2の電極と、2つの電極を離隔する電気絶縁層とを含むことができる。第1の電極を、第2の材料から形成された第1の超伝導電流経路に結合することができ、第2の材料は、第2の臨界温度未満で超伝導し、約1.0未満の磁束係数を有する。第2の電極は、第2の材料または第3の材料から形成された第2の超伝導電流経路に結合することができ、第3の材料は、第3の臨界温度未満で超伝導し、約1.0未満の磁束係数を有する。第1の超伝導電流経路と第2の超伝導電流経路を一体に結合して、ジョセフソン接合によって割り込まれた閉じた超伝導ループ(例えば201、301)を形成することができ、あるいは、第1の超伝導電流経路と第2の超伝導電流経路を一体に結合せずに、第1および第2の超伝導電流経路によって画定された、そのままであれば連続している電流経路にジョセフソン接合を単純に割り込ませることもできる。
【0056】
平坦化
従来、図4に示されるように、超伝導集積回路400は、基板410上に堆積された三層ジョセフソン接合420を組み込むことができ、基板410は例えばシリコンやサファイアを備えることがある。ジョセフソン接合420は、第1の超伝導(例えばニオブ、アルミニウム、レニウム、窒化ニオブ、ハフニウム)層421または「底部電極」と、電気絶縁層422(例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、窒化ハフニウム)と、第2の超伝導(例えばニオブ、アルミニウム、ルニウム、窒化ニオブ、ハフニウム)層423または「上部電極」とを備える。基板410上に三層ジョセフソン接合420を堆積することによって、例えばジョセフソン接合420上に堆積されることがある追加の金属層とジョセフソン接合420を位置合わせして、より簡単に集積することができる。基板は設計上非常に平坦であり、表面凹凸は、あるにはせよほとんどない。表面凹凸は位置合わせ不良の原因となることがあり、または第1の金属層421、電気絶縁層422、および第2の金属層423の堆積に悪影響を及ぼすことがある。ジョセフソン接合420が平坦な表面上に形成されない場合、集積回路400内部の他のデバイスと第1の金属層421および第2の金属層423との位置合わせを実現できなくなることがあり、これはジョセフソン接合420の性能に悪影響を及ぼすことがある。さらに、ジョセフソン接合420の領域にわたる電気絶縁層422の不均一な厚さが、第1の金属層421と第2の金属層423の間の電流漏れの原因となることがあり、ジョセフソン接合の品質を低下させる。平坦でない絶縁層422により、ギャップおよびサブギャップ抵抗が悪化することがある。集積回路に複数のジョセフソン接合420が含まれる製造プロセスでは、ジョセフソン接合の位置合わせ不良は重大な問題となる。隆起、スクラッチ傷、高さ変化などの凹凸を有するトポグラフィを有する表面上へのジョセフソン接合420の堆積は位置合わせ不良の原因となることがあり、ほぼ均一な臨界電流を有するジョセフソン接合を高い信頼性で製造するのを困難にすることがある。
【0057】
三層ジョセフソン接合は、二酸化ケイ素などの誘電体層上に堆積されている。例えば、Nagasawa et.al., Physica C 412-414 (2004) 1429-1436、Satoh at al., Physica C 412-414 (2004) 1447-1450、 and Satoh, et al., IEEE Transactions on Applied Superconductivity, Vol. 15, No. 2, June 2005を参照されたい。特に、カルデラ(caldera)と呼ばれる平坦化技術が論じられている。リバースマスク、バイアススパッタリング、および機械的研磨平坦化(MPP)と共に反応性イオンエッチング(RIE)を使用して、ジョセフソン接合が上に堆積された平坦な表面を形成した。この手法により、ジョセフソン接合を有する6層以上の連続する金属層と、誘電体層とを堆積して平坦化することができ、ここでこれらの層をほぼ平坦にすることができ、したがって、平坦化された金属層および誘電体層に存在する表面凹凸の数および程度は、この製造プロセスで製造された超伝導集積回路の性能に干渉しなかった。最初にニオブ配線層が堆積され、二酸化ケイ素(SiO)または同様の誘電体層が堆積される。次いで、ニオブ配線層のリバースマスクを使用してフォトレジストが堆積される。次いで、フォトレジストによって覆われていないSiOが反応性イオンエッチング(RIE)によってエッチング除去され、次いで、フォトレジストがウェット化学プロセスによって除去される。フォトレジストを除去するために使用される化学物質は、繊細なジョセフソン接合の劣化および/または破壊をもたらすおそれがあるので、ジョセフソン接合を有する回路の製造プロセス中に使用されるフォトレジストの量を最小限にすることが望ましい。次いで、このプロセスによって形成されたニオブ配線の縁部に沿ったSiOの細い凸形状がMPPによって除去される。次いで、ここでかなり平坦になっており凹凸のないSiO表面上にジョセフソン接合が堆積される。リバースマスクを使用するこのプロセスは、平坦化中に完全には除去されないことがあるSiOの下の層内に堆積された金属配線を取り囲んで、SiOの上に「ボルケーノ(volcano)」構造を形成することに
留意すべきである。このプロセスで必要とされるステップの数は多く、各プロセスステップによってプロセスの歩留りが低減する傾向がある。したがって、より良くはないにせよ同程度の結果を得ることができる場合には、比較的少数のステップを有するより単純なプロセスが有利になる。そのようなより単純なプロセスを次に説明する。
【0058】
化学機械研磨平坦化(CMP)を使用することで、ほぼ平坦な表面を形成できるようになる。CMPは、半導体産業で標準的なプロセスでもある。しかし、Satoh, et al., IEEE Transactions on Applied Superconductivity, Vol. 15, No. 2, June 2005には、「様々なサイズおよび密度のパターンを形成するためにCMPを使用するとき、十分な平坦性を得るのは難しい。より広いパターンまたはより密集したパターンは、所要の平坦性を実現するためにより長い研磨時間を必要とする。」と記載されている。CMPプロセスは、典型的にはウェハよりも幅の広い研磨パッドおよび保定リングと共に、摩耗性および腐食性の化学スラリを使用する。パッドとウェハは、動的研磨ヘッドによって一体に押し合わされ、プラスチック保持リングによって定位置に保持される。動的研磨ヘッドは、様々な回転軸で回転される(すなわち同心でない)。これは、材料を除去し、任意の不定形のトポグラフィを平らにならす傾向があり、ウェハを平らまたは平坦にする。材料除去のプロセスは、木材にサンドペーパーをかけるように単に摩耗でこすり取るプロセスではない。また、スラリ中の化学物質が、除去すべき材料と反応し、かつ/または除去すべき材料を脆弱化し、それにより特定の材料を優先的に除去することができ、その一方で他の材料は比較的無傷のままである。研磨剤がこの脆弱化プロセスを促進し、研磨パッドは、反応した材料を表面から拭き取る助けとなる。ウェハのトポグラフィを平坦化するために、先進のスラリを使用して、比較的高い、または突き出しているウェハの領域を比較的低いウェハの領域よりも優先的に除去することができる。
【0059】
さらに、複数の超伝導層は、超伝導配線の層どうしの超伝導電気連通を可能にするために、超伝導相互接続バイアを必要とする。Hinode et al., のPhysica C 426-432 (2005) 1533-1540に、この集積を可能にするために形成されるバイアと、超伝導バイアに特有の難点が論じられている。ここで生成されるバイアは、深さが0.4マイクロメートルであり、幅が0.6マイクロメートルであり、したがって、約70%または0.667:1の深さ対幅の「アスペクト比」を有する。ニオブは、その固有の化学的性質により、高いアスペクト比の穴を充填せず、ニオブを使用して高いアスペクト比のバイアを形成するのは難しいことを当業者は理解されよう。さらに、例えばNational Security Agency: Office of Corporate Assessments, “Superconducting Technology Assessment” (August 2005)を参照されたい。そこでは、バイアに関するプラグ技術が論じられているが、相互接続バイアは論じられていない。プラグ技術は、ニオブのMPPまたはCMP処理を必要とすることがある。半導体製造設備は、MPPおよびCMP機器の汚染のリスクにより、ニオブのMPPまたはCMP処理を許容しないことがある。このリスクは、相互接続バイアの使用によって回避することができる。
【0060】
図5Aは、基板510と、第1の金属層520と、第1の誘電体層530と、第2の金属層540と、第2の誘電体層550aとを有する集積回路500aを示す。第1の金属層520と第2の金属層540の間にバイア535が存在することがある。相当量の電流を搬送することができるニオブバイアを形成するのは難しいことがある。例えば、ニオブ堆積条件に関係するバイア劣化、およびILD SiOによるバイア劣化に関して、Hinode et al., Physica C 426-432 (2005) 1533-1540を参照されたい。いくつかの用途では、第1の金属層520と第2の金属層540の間の容量性クロストークが望ましくないことがある。そのようなクロストークは、第1の誘電体層530の厚さを増加させて第1の金属層520と第2の金属層540の間の距離を広げることによって減少させることができる。しかし、第1の誘電体層530の厚さの増加により、バイア535が、70%よりもはるかに大きい、例えば100%、200%、600%以上のアスペクト比を有することがある。第1の金属層520と第2の金属層540の間に高いアスペクト比を有するバイア535を形成することによって、依然として高集積性の回路を実現しながら容量性クロストークを減少させることができる。これらの高いアスペクト比のバイアについて、以下にさらに論じる。第1の金属層520の上に、厚さが約1000または2000オングストロームの第1の誘電体層530が存在することがある。次いで、穴が形成され、例えば約1マイクロメートル未満、例えば0.5マイクロメートル(500オングストローム)以下、例えば0.3マイクロメートル(300オングストローム)の幅を有する穴が形成される。穴は、フォトレジスト堆積とそれに続くエッチングによって、または誘電体材料に穴(例えばミクロン以下の穴)を形成することができる他のプロセスによって形成することができる。次いで、ニオブまたは超伝導することができる同様の金属で穴を少なくとも部分的に充填することができる。穴の深さは、第1の金属層520と第2の金属層540を離隔する誘電体層530の厚さに応じて決まる(いくつかの実施形態では、誘電体層530の厚さに少なくともほぼ等しい)。穴の幅は、限定されたダイ領域内に所望の密度の構成要素を詰めることができるように選択することができる。例えば、穴の幅が小さければ小さいほど、限定されたダイ領域内部に詰めることができる構成要素の密度が高くなる。穴の深さ対幅のアスペクト比は、第1の金属層520と第2の金属層540の間にニオブが超伝導電気接触を形成できるように選択することができる。穴の深さ対幅のアスペクト比は、0.7:1よりも大きく、1:1、2:1、3:1、5:1以上であることがある。Hinode et al., Physica C 426-432 (2005) 1533-1540で論じられている0.667:1のアスペクト比など、より小さいアスペクト比を有するバイアを形成することもできるが、集積回路400の構成要素の密度は高くないことがあることを当業者は理解されよう。しかし、小さいバイアに関する要件が緩和される場合、集積回路500の製造のより高い歩留りを達成することができる。基板510は、例えばシリコン、サファイア、または集積回路500を上に堆積することができる平坦な表面を提供する同様の基板材料を含むことができる。金属層520、540は、ニオブ、アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、または超伝導することができる同様の金属を含むことができる。誘電体層530、550aは、SiO、窒化ケイ素(SiN)、水素化アモルファスシリコン、有機ポリマー誘電体、または同様の誘電体材料を含むことができる。第2の誘電体層550aは、例えばCMPによって平坦化することができる。
【0061】
CMPプロセスは、第2の誘電体層550aを平坦化して、図5Bの第2の誘電体層550bのような、表面凹凸がほとんどなく比較的平坦なトポロジーを有するより平滑な誘電体層にすることができる。図5Cに示されるように、第2の誘電体層550b上に三層ジョセフソン接合560を堆積することができる。
【0062】
CMPプロセスは、高い歩留りでジョセフソン接合の堆積を実現するのに十分に平坦な第2の誘電体層550bを提供しないことがある。この状況は、図5Dに第2の誘電体層550dによって示されている。CMPプロセス中にスクラッチ傷が形成されることがあり、このスクラッチ傷は深く、ジョセフソン接合560の堆積および形成に悪影響を及ぼすことがある。図5Eでは、第2の誘電体550d上に第3の誘電体層550eを堆積することができ、それにより、CMPプロセス中に形成されたスクラッチ傷を平滑にして埋める。第3の誘電体層550eは、SiO、SiN、水素化アモルファスシリコン、有機ポリマー誘電体、または同様の誘電体材料を含むことができる。第2の誘電体層550d上への第3の誘電体層550eの堆積は、有利には、表面凹凸が減少した誘電体表面を提供する。第3の誘電体層550eは、表面凹凸が十分に少ない表面を提供することができ、さらなる平坦化を必要とせずに、図5Fに示されるように第3の誘電体層550e上にジョセフソン接合560を堆積できるようにする。
【0063】
集積回路550内部の金属を絶縁するために、誘電体層530、550a〜550eが使用される。誘電体層530、550a〜550e内の空隙や不純物などの欠陥は、欠陥によって引き起こされる2準位系内部での電圧変動により、超伝導量子デバイス内部でノイズを生み出すことがある。各誘電体層530、550a〜550eが、均一な結晶または多結晶構造をそれぞれ形成せずにランダムな結合および空隙を含む場合、2準位系が形成されることがあり、そこで電子がマイクロ波周波数で2つのエネルギーポテンシャル間をトンネルする。このトンネル効果は、誘電体内部でノイズを発生することがあり、このノイズは、金属層520、540およびジョセフソン接合560において形成されるデバイスなど量子デバイスに影響を及ぼすことがある。量子デバイスは欠陥と相互作用することがあり、その結果、量子デバイスのコヒーレンスが破壊され、それにより、量子計算中、または高い精度ビット数を必要とする他の形式の計算中にエラーを生じることがある。標準的な半導体デバイスは、典型的には、そのようなノイズによって悪影響を受けない。
【0064】
誘電体層530、550a〜550e内部の不完全性により生じる干渉の量を減少させるために、これらの層を高温で集積回路500に組み込むことができる。約200℃以下の温度での誘電体層530、550a〜550eの形成は、誘電体層530、550a〜550e内部に多数の欠陥をもたらすことがある。誘電体層530、550a〜550eが堆積される際の温度を高めることで、誘電体内部の欠陥の数を減少させることができる。約400℃を超える温度など、より高温では、誘電体層530、550a〜550eによって低い欠陥密度の誘電体を形成することができ、これは、量子デバイスに悪影響を及ぼすノイズを減少させることができる。
【0065】
ジョセフソン接合560などの超伝導デバイスは、それらが約200℃の温度よりも高く加熱される場合に、繊細になり損壊しやすくなることがある。集積回路500内にジョセフソン接合560を組み込んだ後、典型的には、ジョセフソン接合560の劣化のリスクを回避するために、ジョセフソン接合560の堆積および形成に続くすべてのさらなる製造作業を約200℃よりも高い温度で行うべきではない。したがって、ジョセフソン接合560が誘電体層530、550a〜550eの上に堆積される集積回路500を形成することで、ジョセフソン接合560が形成される前に、誘電体層530、550a〜550eをより高い温度で有利に形成することができる。このプロセスにより、例えば、基板410上に堆積されたジョセフソン接合三層構造420を有する回路400よりも集積回路500の性能を良くすることができる。
【0066】
より低温で堆積されるシリコンは、例えば水素によって不動態化することができ、水素化アモルファスシリコンを形成する。水素はそれ自体、シリコン内部の欠陥に結合して、誘電体内部および誘電体の表面界面での2準位系の数を減少する。さらに、重水素を使用して誘電体を不動態化し、Hの核のスピンによるノイズの量を減少させることができる。それにより、環境から量子デバイスに結合されるノイズの量を減少することができる。
【0067】
図5Gは、図5A〜5Fで説明したプロセス570を要約したものである。プロセス570は、ステップ571で、第2の金属層540などの金属層を堆積することから始まる。例えば、金属層は、基板上、または誘電体層530など事前に堆積された誘電体層上に堆積することができる。次いで、ステップ572で、金属層の上に誘電体層を堆積し、例えば第2の金属層540の上に第2の誘電体層550aを堆積する。ステップ573で、第2の誘電体層550aが(例えばMPPまたはCMPによって)平坦化され、誘電体層550bまたは550dとなる。任意選択で、ステップ574で、第3の誘電体層550eなどさらなる誘電体層を、誘電体層550dの上に堆積することができる。ステップ575で第1の電極が堆積され、次いでステップ576で電気絶縁層が堆積され、ステップ577で第2の電極が堆積されて、プロセス570が終了する。上記3つの工程が、ジョセフソン接合560などジョセフソン接合を形成する。いくつかの実施形態では、作業575〜577は、当技術分野で知られている技法による三層ジョセフソン接合の堆積に対応することがある。
【0068】
図5Gで説明され、図5A〜図5Fに示されるプロセス570は、誘電体層530、550a〜550eを高温で堆積できるようにし、回路内で有害なノイズを生じるおそれがある欠陥および不純物を減少させる。これは、高温プロセスが完了した後に三層ジョセフソン接合560を誘電体の上に堆積することができるように回路を準備すること(すなわち最上層の誘電体550eの高品質の平坦化)によって達成される。さらに/あるいは、本発明のシステムおよび方法によれば、誘電体層に穴を開けることによって、誘電体層からの望ましくないノイズを減少させることができる。例えば、所与の層体積における誘電体材料の量を減少するために、(例えば超伝導量子ビットなど超伝導量子デバイスの少なくとも一部分を形成する)超伝導金属層を担持する誘電体層に(気泡、スポンジ、またはスイスチーズに似た形で)隙間、ガスポケット、および/または真空穴を開けることができる。
【0069】
前述したように、誘電体内の欠陥の数を減少する助けとなることがあるので、より高温での誘電体層の堆積が有利であることがある。具体例として、より高温で誘電体材料を堆積することが、誘電体内の望ましくない空隙のサイズおよび/または数および/または存在を減少する助けとなることがある。誘電体層の空隙は、後で金属層を堆積すべき場合に望ましくないことがある。なぜなら、そのとき空隙が金属で充填されることがあり、誘電体を通る望ましくない電気伝導路を形成するからである。誘電体材料は、低温よりも高温のほうが容易に流動することができるので、より高温での堆積が空隙を減少させる助けとなることがある。残念ながら、ジョセフソン接合三層構造の堆積後に堆積される誘電体層は、接合の劣化のリスクを減少するために、典型的にはより低温で堆積される。本発明のシステムおよび方法によれば、誘電体層内の空隙の存在は、誘電体層の堆積中に高密度プラズマ(「HDP」)プロセスを使用することによって減少させることができる。いくつかの実施形態では、HDPプロセスは、誘電体層の堆積とエッチングを交互に行うことを含むことがあり、少なくともいくつかの空隙が堆積プロセス中に露出されて充填されることを保証する。
【0070】
抵抗器
超伝導集積回路は、抵抗器に依拠して動作するデバイスを組み込むことがある。極低温では多くの金属が超伝導し、このため、それらの金属は抵抗器として機能するのには適さないものとなっている。抵抗器として良好に機能するパラジウムや金などいくつかの材料は、既存の多用途半導体製造設備に容易には組み込めない。パラジウムは、多用途半導体製造設備内部で使用される多くの材料と反応しやすく、したがって製造設備では、典型的には、他の顧客またはプロセスによって使用される機械でのパラジウムの使用が許容されない。同様に、金は、CMOS製造中に使用される機械を汚染することがあるので、ほとんどの従来の半導体製造設備では許容されない。それにもかかわらず、超伝導集積回路では、抵抗器としてパラジウムおよび/または金を使用することが望ましいことがある。
【0071】
白金は、他の材料との反応性が低く、ミリケルビン(mK)の温度で抵抗器として機能することができ、したがって、多用途半導体製造設備で製造される超伝導集積回路用の抵抗器を形成するのによく適している。
【0072】
極低温で抵抗器として機能することができるさらなる材料としては、パラジウム金合金、モリブデン、および非化学量論窒化ニオブ(NbNx)があるが、それらに限定されない。
【0073】
図6Aは、基板610と、抵抗器620と、誘電体層630とを有する集積回路600aを示す。基板610は、シリコン、サファイア、または集積回路600aを上に堆積することができる平坦な表面を提供する同様の基板材料を含むことができる。抵抗器620は、白金、または集積回路600aの動作温度で抵抗性を有する同様の材料を含むことができる。抵抗器620は、例えば約600オングストロームの厚さで形成することができるが、代替実施形態は他の厚さの抵抗器を使用することがあることを当業者は理解されよう。いくつかのシステムおよび方法には2000オングストローム以上の厚さが適していることがあり、他の用途には、より薄い抵抗器が適していることがある。基板610上に直接担持された抵抗器620を有することによって、誘電体を平坦化できるので、抵抗器620の厚さは集積回路600aの残りの部分の設計に影響を及ぼさない。本発明のシステムおよび方法のいくつかの実施形態は、厚い堆積の抵抗器を必要とすることがあり、他の実施形態は、より薄い堆積の抵抗性材料で機能することがある。誘電体層630は、SiO、SiN、水素化アモルファスシリコン、有機ポリマー誘電体材料、または同様の誘電体材料を含むことができる。有利には、抵抗器620が基板610の近くに位置決めされ、それにより、集積回路600aの動作中に抵抗器620内部で発生された熱は、基板610を介して集積回路600aから迅速にかつ効率的に除去されて、集積回路600aの他の領域の不利益な加熱を減少させる。集積回路600a内部の金属層は超伝導金属からなることがあり、そのような金属はその臨界温度未満に保たなければならず、そうしないと金属が超伝導しなくなってしまうので、発熱が集積回路600aの動作中に問題となることがある。
【0074】
抵抗器は、基板ではない誘電体層上に担持された配線層の内部に配置することもできる。誘電体層上に担持された抵抗器と基板の間に熱結合(すなわち「同期(syncing)」)が存在することがあり、その際、抵抗器と基板の熱接触は強く、抵抗器内部で発生された熱を集積回路から効率的にかつ迅速に除去できるようにし、抵抗器の近くの構成要素を加熱しない。有利には、熱結合は熱伝導結合であることがある。抵抗器が、集積回路の2つの異なる層上に担持されることもある。Vinante et al., Physical Review B 75, 104303 (2007)によって説明されているように、薄膜冷却フィンが抵抗器に取り付けられることがあり、これらのフィンは、電子フォノン相互作用の可能性を高めることによって抵抗器を冷却することができる。フィンの体積は、抵抗器の体積よりも数桁大きいことがあり、電子フォノン相互作用に利用可能なはるかに大きい実効体積を与え、ホットエレクトロン効果による過熱を低減する。図6Fは、抵抗器620および関連のフィン680を有する集積回路600fを示す。フィン680は、抵抗器620よりもはるかに大きい体積および/または表面積を有することがある。フィン680は、回路600fに関する臨界温度未満の温度で抵抗性を有さない材料からなることがある。いくつかの実施形態では、冷却フィンは、基板610上に直接担持されない抵抗器に配置することができる。図6Gは、基板610によって担持された第1の金属層690を有する集積回路600gを示す。誘電体層630は、基板610および第1の金属層690によって担持される。抵抗器625および冷却フィン685は、誘電体層630によって担持される。フィン685は、基板610と直接は熱接触していない抵抗器の過熱を減少することができる。フィン685は、基板610と熱接触(図示せず)していることがある。
【0075】
図6Bは、集積回路600bを示す。2つのバイア641、643が誘電体層630を通って存在し、少なくとも部分的にニオブなどの超伝導金属を含む。バイア641、643は、まず、例えば約1000または1500オングストロームまで誘電体層630を薄層化するためにCMPプロセスを使用することによって形成することができる。集積回路600bの低ノイズ要件により、集積回路600bの隣接する層を分離するために厚さ1000または1500オングストロームの誘電体層が必要とされることがある。誘電体層630の厚さは、多くの因子、例えば抵抗器620の厚さや、超伝導集積回路600b内部の他の構成要素のサイズに応じて決まる。誘電体層630が薄層化された後、幅が約1マイクロメートル以下(例えば幅が約0.5マイクロメートル以下)の穴を、例えばフォトレジスト堆積とエッチングによって、または誘電体材料に穴を形成することができる他のプロセスによって形成することができる。次いで、ニオブ、または超伝導することができる同様の金属で穴を少なくとも部分的に充填してバイア(例えば641、643)を形成することができる。誘電体層630に形成された穴は、例えば約1マイクロメートル以上の幅を有することがあり、誘電体層630の厚さは、集積回路600bの隣接する層の間でバイア641、643が臨界電流のための十分な電気接触を提供するようなものである。いくつかの穴は幅が約300オングストローム以下であることがあり、ここで、厚さ2000オングストローム以上の誘電体層が使用され、6:1よりも大きい深さ対幅のアスペクト比が得られる。バイア641、643の深さ対幅のアスペクト比は、金属層640、642と抵抗器620の間にニオブが電気接触を形成できるようにするような値であることがある。穴の幅が穴の深さの約2倍または3倍未満である場合、ニオブは、バイア641、643を高い信頼性で形成するのに適切に穴を充填することができず、金属層640、642と抵抗器620の間の十分な電気接触を提供しない。金属層640、642はそれぞれバイア641、643と接続することができ、それにより、金属層640を通って流れる電流は、バイア641、抵抗器620、バイア643、および金属層642を通る接続経路を有する。金属層640、642およびバイア641、643は、集積回路600bの動作温度で超伝導することができ、一方、抵抗器620は、集積回路600bの動作温度では超伝導することができない。バイアに関して、深さ対幅のアスペクト比がより小さい穴を形成することもできるが、集積回路600bの構成要素の密度は、より広いバイアが集積回路600bに含まれるときに比べて減少されないことがあることを当業者は理解されよう。抵抗器620の上の誘電体層630の厚さは増加することも減少することもできる。しかし、大きな深さ対幅のアスペクト比のバイアに関する要件が緩和される場合、集積回路600bのより高い歩留りを達成することができる。いくつかの実施形態では、バイア641、643の深さ対幅のアスペクト比は、0.7:1よりも大きく、1:1、2:1、3:1、6:1以上であることがある。
【0076】
さらに、図6Cに集積回路600cが示される。金属層640、642は、それらの上に堆積された電気絶縁層650、652をそれぞれ有することができ、電気絶縁層650および652の上に第2の金属層660、662をそれぞれ堆積することができる。電気絶縁層650、652は、酸化アルミニウムまたは同様の適切な材料を備えることができる。金属層660、662は、ニオブ、アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、または超伝導することができる同様の金属を備えることができる。金属層640、酸化物層650、および第2の金属層660が、三層ジョセフソン接合670を形成することができる。金属層642、電気絶縁層652、および第2の金属層662が、三層ジョセフソン接合672を形成することができる。抵抗器620は、集積回路600cの所望の動作を実現するために必要とされる、または有用であることがある。ジョセフソン接合670、672と抵抗器620の間のインダクタンスを減少させることで、集積回路600cの性能を改良することができ、ジョセフソン接合670と抵抗器620の間にバイア641を配置し、同様にジョセフソン接合672と抵抗器620の間にバイア643を配置することによって、ジョセフソン接合670、672と抵抗器620の間の寄生インダクタンスを、ジョセフソン接合670、672と抵抗器(例えば抵抗器620)を接続するために大規模な配線を利用することがある代替の集積回路に比べて大幅に減少させることができる。
【0077】
図6Dは、超伝導集積回路600dを示す。図6Aからの集積回路600aにCMPプロセスを適用して、誘電体層630を薄層化することができ、それにより、図6Dに示されるように誘電体層630が抵抗器620と同様の(例えば等しい)高さになる。次いで、金属層640、642を堆積して、抵抗器620とのストラップ接点接続を形成することができ、それにより、金属層640を通って流れる電流が、抵抗器620および金属層642を通る接続経路を有する。金属層640、642は、集積回路600dの動作温度で超伝導することができ、一方、抵抗器620は、集積回路600dの動作温度で超伝導することができない。
【0078】
さらに、図6Eに集積回路600eが示される。金属層640、642は、それらの上に堆積された電気絶縁層650、652をそれぞれ有することができ、電気絶縁層650および652の上に第2の金属層660、662をそれぞれ堆積することができる。電気絶縁層650、652は、酸化アルミニウムまたは同様の適切な材料を含むことができる。金属層660、662は、ニオブ、アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、または超伝導することができる同様の金属を含むことができる。金属層640、電気絶縁層650、および第2の金属層660が、三層ジョセフソン接合670を形成することができる。金属層642、電気絶縁層652、および第2の金属層662が、三層ジョセフソン接合672を形成することができる。抵抗器620は、集積回路600eの所望の動作を実現するために必要とされる、または有用であることがある。ジョセフソン接合670、672と抵抗器620の間のインダクタンスを減少させることで、集積回路600eの性能を改良することができる。抵抗器620とジョセフソン接合671、672の間で、プロセスによって必要とされる臨界電流のための十分な電気接触を確立するためにストラップ接点を提供することによって、ジョセフソン接合670、672と抵抗器620の間の寄生インダクタンスを、ジョセフソン接合670、672と抵抗器620を接続するために大規模な配線を利用することがある代替の集積回路に比べて大幅に減少させることができる。
【0079】
図7Aは、領域705aがエッチング除去された基板700を示す。基板700の上に堆積された誘電体層が存在することがあり、堆積された誘電体層に領域705aがエッチングされる。基板700は、シリコン、サファイア、または集積回路を上に堆積することができる平坦な表面を提供する同様の基板材料を含むことができる。図7Bは、図7Aからの領域705aを充填した抵抗器705bを有する集積回路701bを示す。抵抗器705bは、白金、または集積回路701bの動作温度で抵抗性を有する同様の材料を含むことができる。抵抗器705bが領域705aを充填することによって、抵抗器705bの厚さが集積回路701bの残りの部分の設計に影響を及ぼさない。さらに、抵抗器705bが領域705aを充填することによって、抵抗器705bと基板700の間に大きな表面積が形成され、これは、抵抗器705bから熱が伝導される速度を高めることができる。集積回路701bの熱化は、例えば、解を計算するために特定のタイプの量子プロセッサが必要とする時間量に直接関係付けられることがある。断熱量子プロセッサの熱化時間を短縮することにより、プロセッサを動作させる速度を高めることができる。抵抗器705bの両端は、集積回路701bの臨界電流要件に見合うように十分に金属層710および金属層711と電気的に接触する。金属層710、711は、ニオブ、アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、または超伝導することができる同様の金属を含むことができる。抵抗器705bは、集積回路701bの動作中に抵抗器705b内部で発生された熱が基板700を通して迅速にかつ効率的に伝導されるように、基板700内部に効果的に埋め込まれる。金属層710、711は超伝導金属を備え、超伝導金属は、金属層710、711が超伝導しなくならないようにその臨界温度未満に保たなければならないので、発熱が集積回路701bの動作中に問題となることがある。
【0080】
さらに、図7Cに集積回路701cが示される。金属層710、711は、上に堆積された電気絶縁層720、721をそれぞれ有することができ、電気絶縁層720、721の上に第2の金属層730、731をそれぞれ堆積することができる。電気絶縁層720、721は、酸化アルミニウムまたは同様の適切な材料を備えることができる。金属層730、731は、ニオブ、アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、または超伝導することができる同様の金属を備えることができる。金属層710、電気絶縁層720、および第2の金属層730が、三層ジョセフソン接合740を形成することができる。金属層711、電気絶縁層721、および第2の金属層731が、三層ジョセフソン接合741を形成することができる。抵抗器705bは、集積回路701cの所望の動作を実現するのに必要とされる、または有用であることがある。ジョセフソン接合740、741と抵抗器705bの間のインダクタンスを減少させることで、集積回路701cの性能を改良することができる。ジョセフソン接合740と抵抗器705bの間、およびジョセフソン接合741と抵抗器705bの間でストラップ接点(図示せず)を使用することによって、ジョセフソン接合740、741と抵抗器705bの間の寄生インダクタンスを最小限にすることができる。
【0081】
図8Aは、基板810と、抵抗器820と、金属層830とを有する集積回路800aを示す。抵抗器820は、白金、または集積回路800aの動作温度で抵抗性を有する同様の基板材料を備えることができる。金属層830は、ニオブ、アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、または超伝導することができる同様の金属を備えることができる。図8Bでは、金属層830がエッチングされている。金属層830は、抵抗器820とは異なる(例えばより速い)速度でエッチングされ、したがって金属層830を選択的にエッチングすることができ、その一方で抵抗器820は無傷のままである。図8Bでは、抵抗器820の上または抵抗器820の側面の領域がエッチングされており、それにより電流は、金属層830の片面から反対の面に流れるときに必ず抵抗器820を通ることになる。金属層830の両面と抵抗器820の間に強い電気接続が形成され、抵抗器820は基板810の近くに位置決めされ、それにより、集積回路800bの動作中に抵抗器820内部で発生された熱は、集積回路800bから迅速にかつ効率的に伝導されて、集積回路800bの他の領域の加熱を減少させる。金属層830は超伝導金属であり、したがってその臨界温度未満に保たなければならず、そうしないと金属層830が超伝導しなくなってしまうことがあるので、発熱が集積回路800bの動作中に問題となることがある。
【0082】
ジョセフソン接合用のハードマスク
典型的なジョセフソン接合の挙動は、その構造および組成の影響を非常に受けやすい。複数のジョセフソン接合の臨界電流間の均一性に依拠する回路は、異なるジョセフソン接合において電気絶縁層の構造により臨界電流の大きなばらつきがあるときには、望み通りに動作しなくなる。
【0083】
ジョセフソン接合を含む集積回路の製造で使用される多くのプロセスは、ジョセフソン接合の電気絶縁層の完全性を損なう可能性がある。例えば、ウェットエッチングのプロセスは、事前に堆積されたジョセフソン接合を損傷する可能性がある。フォトレジストがウェハ上にパターン形成され、フォトレジストによって覆われていないウェハの部分の選択的なエッチングを可能にし、その一方でフォトレジストの下の領域は無傷のままである。そのようなフォトレジストの除去は、典型的にはウェットエッチングプロセスによって達成され、化学物質がウェハと接触してフォトレジストを溶解し、その一方で他の層(例えば誘電体層および金属層)はほぼ無傷のままである。しかし、化学物質は、フォトレジストを溶解することができるだけでなく、ジョセフソン接合の電気絶縁層および/または超伝導層がウェットエッチングに露出される場合にはそのような層を損傷する可能性もある。
【0084】
図9Aは、基板910上に担持された第1の金属層921と、第1の金属層921上に担持された電気絶縁層922と、電気絶縁層922上に担持された第2の金属層923とを有する集積回路900aを示す。本発明のシステムおよび方法の目的では、第2の金属層923が、電気絶縁層922、第1の金属層921、および基板910のそれぞれの上に担持されている、またはそれぞれによって担持されているとみなすことができることに留意されたい。第1および第2の金属層921、923は、ニオブ、アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、または超伝導することができる同様の金属を備えることができる。電気絶縁層922は、酸化アルミニウムまたは同様の適切な材料を備えることができる。第2の金属層923の少なくとも一部分の上にハードマスク930を堆積することができ、ハードマスク930の少なくとも一部分の上にフォトレジスト940をパターン形成することができる。ハードマスク930は、例えば、SiN、または本明細書で述べるプロセスに好ましい反応化学特性を有する別の材料を備えることができる。ハードマスク930の堆積後に集積回路900aを酸素プラズマに露出して、例えばハードマスク930内部の遊離窒素と結合させることができる。それにより、ほぼ化学量論のハードマスク930を得ることができ、したがって、例えばSiNハードマスク930中に窒素とほぼ同数のケイ素が存在する。フォトレジスト940は既知の化学化合物であり、エッチングに露出されるとき、フォトレジスト940の下の薄膜の部分がエッチングと相互作用するのを防止し、フォトレジスト940によって覆われていない部分をエッチングによって除去することができる。
【0085】
エッチングは、集積回路900aに対して行われることがあり、それにより、フォトレジスト940で覆われていないハードマスク930の部分が実質的にエッチング除去され、図9Bに示されるように集積回路900bを残す。
【0086】
図9Cで見られるように、ウェットエッチングが集積回路900bに対して行われ、集積回路900cを形成する。このエッチングプロセスで使用される(フォトレジスト940を除去する)典型的な化学物質は電気絶縁層922には有害であることがあるが、電気絶縁層922が金属層923によって覆われており、ウェットエッチングに露出されないので、化学物質は典型的には電気絶縁層922の完全性に影響を及ぼさない。
【0087】
次いで、アルゴンガス原子による衝撃など物理的エッチングプロセスを集積回路900cに施して、図9Dの集積回路900dを製造することができる。残っているハードマスク930によって覆われていない第2の金属層923の部分はこの物理的エッチングプロセスによって除去されるが、ハードマスク930によって覆われている第2の金属層923の部分は無傷のままである。このようにして、指定サイズのジョセフソン接合920を形成することができる。
【0088】
図9Eは、集積回路900eを示す。ここでは、残っていたハードマスク930の部分が、例えばRIEによって除去されている。したがって、ウェットエッチングに対する電気絶縁層922の露出がほとんど、または全くないまま、ジョセフソン接合920を製造することができる。いくつかの実施形態では、ハードマスク930の残部を所定位置に(すなわち回路900d内など)残すことができ、ハードマスク930が第2の金属層923上に担持された状態でさらなるステップまたは作業を完了させることができる。
【0089】
キャップ950を集積回路900e上に堆積して、図9Fに示される集積回路900fを形成することができる。キャップ950は、後続のエッチングプロセスからジョセフソン接合920を保護する役割をすることができる。キャップ950は、例えば、SiO、SiN、水素化アモルファスシリコン、有機ポリマー誘電体材料、または同様の誘電体材料を備えることができる。
【0090】
図9Gは、キャップ950の上に堆積された追加の誘電体層960と、ジョセフソン接合920の上部電極を露出するために誘電体層960とキャップ950の両方を通るようにエッチングされた穴975と、誘電体層960の上に堆積された配線層970とを有する集積回路900gを示す。穴975に超伝導金属を少なくとも部分的に充填してバイアを形成することができ、バイアは、配線層970とジョセフソン接合920の上部電極との間に超伝導電気接触を提供する。誘電体層960は、SiO、SiN、水素化アモルファスシリコン、有機ポリマー誘電体材料、または同様の誘電体材料を備えることができる。配線層970は、ニオブ、アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、または超伝導することができる同様の金属を含むことができる。バイアの形成は、いくつかのステップまたは作業を含むことがある。
【0091】
いくつかの実施形態では、CMPプロセスを使用して、誘電体層960および/またはキャップ950の少なくとも一部分を薄層化または除去することができる。第2の金属層923の上に、キャップ950および第2の誘電体層960の少なくとも一方が厚さ約1000または2000オングストロームで存在することがある。次いで、穴975、例えば幅が1マイクロメートル以下(例えば0.5マイクロメートル以下)の穴が形成される。穴975は、フォトレジスト堆積およびその後のエッチングによって、または誘電体材料に穴(例えばミクロン以下の穴)を形成することができる他のプロセスによって形成することができる。次いで、穴975に、ニオブまたは超伝導することができる同様の金属を少なくとも部分的に充填することができる。穴975の深さ対幅のアスペクト比は、第2の金属層923と配線層970の間にニオブが超伝導電気接触を提供することができるように選択することができる。いくつかの実施形態では、穴975の深さ対幅のアスペクト比が、0.7:1よりも大きく、1:1、2:1、3:1、5:1以上であることがある。Hinode et al., a C 426-432 (2005) 1533-1540で論じられている0.667:1のアスペクト比など、より小さいアスペクト比を有するバイアを形成することもできるが、集積回路900gの構成要素の密度は結果的に減少されないことがあることを当業者には理解されたい。しかし、小さいバイアに関する要件が緩和される場合、集積回路900gの製造のより高い歩留りを達成することができる。
【0092】
配線層970の堆積後、配線層970を酸素に露出する前に、SiNまたは窒化チタン(TiN)の層を配線層970の上にインサイチュで堆積して、配線層970を不動態化することができる。そうしないと、酸素が配線層970に接触した場合に酸化物が生じることがある。酸化物は、配線層970の表面上に常磁性不純物を生成させることがあり、これは、配線層970を組み込む、または配線層970の近位にある量子デバイス内部でのノイズの原因になることがある。金属ワイヤ970内部を流れる電流が常磁性不純物に結合し、それにより、例えば金属ワイヤ970の表面で、ゆらぎをもつ常磁性体により1/fまたは磁束ノイズが生じることがある。不純物をほとんど含まない高品質の配線層970は、電流が配線層970の表面付近を流れることができるようにする。ここで、配線層の酸化により、電流は、実効的なゆらぎをもつ常磁性体によって影響を及ぼされることがある。さらに、SiNおよびTiN層を拡散障壁として使用することができる。酸素は、無制御に配線層970内に拡散して、望ましくないことがある配線特性をもたらすことがある。配線層970の酸化を防止することによって、電流が受けるノイズを小さくすることができ、これは、量子コンピュータが動作することができる精度レベルを高めることができる。さらに、SiNまたはTiNの層の堆積による、米国特許出願公開第2009−0008632号に論じられるものなど超伝導シールディングの表面パッシベーションが、量子コンピュータ内部のノイズの量をさらに減少させることができる。
【0093】
また、配線層970の純度を最適にすることもできる。最適ではない条件でNbを堆積させ、その結果、配線層970内部により多くの不純物を生じさせることができ、これは、依然としてジョセフソン接合の近くに高品質Nbを生成する一方で、配線層970の侵入深さを約550オングストロームから1000オングストローム以上に増加する。また、ニオブではなく窒化ニオブ(NbN)が配線層97に堆積される場合にも、配線層970の侵入深さが大幅に増加する。超伝導温度にある状態で、NbNの侵入深さは約3000オングストロームであり、高品質ニオブの侵入深さは約500オングストロームである。また、NbTiNなど大きな侵入深さを提供する追加の材料も、配線層970での使用に適することがある。
【0094】
図10は、プロセス1000を示す。プロセス1000は、ステップ1010で、ジョセフソン接合など金属−絶縁体−金属の三層構造の堆積から始まる。ここで、臨界温度未満で超伝導することができる材料の第1の層を堆積することができる。電気絶縁材料の第2の層が第1の層によって担持され、臨界温度未満で超伝導することができる材料の第3の層が第2の層によって担持される。ステップ1020で、所望のサイズへの三層構造のエッチングが完了する。三層構造のサイズは、集積回路内部の三層構造の性能に関連する。ステップ1030で、例えば、三層構造の上に誘電体層が堆積される。ステップ1040で、誘電体層が平坦化される。ステップ1050で、誘電体層に穴がエッチングされて、三層構造を露出する。ステップ1060で、臨界温度以下で超伝導することができる導電金属層が堆積されて、誘電体層によって担持される。導電金属層は、穴の少なくとも一部分を充填して、三層構造と導電金属層の間に超伝導電気接点(例えば超伝導バイア)を形成する。
【0095】
図11は、プロセス1100を示す。プロセス1100は、ステップ1110で、臨界温度以下で超伝導することができる第1の導電層の堆積から始まる。ステップ1120で、誘電体層が堆積され、第1の導電層によって担持される。ステップ1130で、誘電体層に穴がエッチングされて、第1の導電層を露出する。ステップ1140で、臨界温度以下で超伝導することができる第2の導電層が堆積されて、誘電体層によって担持される。第2の導電層は、穴の少なくとも一部分を充填して、第1の導電層と第2の導電層の間に超伝導電気接触を形成する。
【0096】
図12は、プロセス1200を示す。プロセス1200は、ステップ1210で、ジョセフソン接合など金属−絶縁体−金属の三層構造の堆積から始まる。ここで、臨界温度以下で超伝導することができる材料の第1の層を堆積することができる。ステップ1220で、三層構造の少なくとも一部分の上にハードマスクが堆積される。ステップ1230で、ハードマスクの領域の上にフォトレジストが堆積される。ステップ1240で、フォトレジストによって覆われていないハードマスクの領域がエッチング除去される。ステップ1250で、エッチングプロセス(例えばウェットエッチングプロセス)を使用して、フォトレジストが除去される。ステップ1260で、ハードマスク、およびハードマスクによって覆われていない三層構造の部分が、物理的エッチングによって除去される。いくつかの実施形態では、ハードマスクと、ハードマスクによって覆われていない三層構造の部分との両方を、同じ物理的エッチングプロセスによって同時に除去することができる。他の実施形態では、第1に、ハードマスクによって覆われていない三層構造の部分を第1のエッチングプロセス(例えばアルゴンガス原子による衝撃)を使用して除去することができ、第2に、ハードマスクを第2のエッチングプロセス(例えばRIE)を使用して除去することができる。これは、三層構造のサイズを定める。三層構造のサイズは、集積回路内部の三層構造の性能に関連する。
【0097】
図13Aは、基板1310を有する集積回路1300aと、基板1310の上に堆積された誘電体層1320とを示す。図13Bでは、集積回路1300bは、誘電体層1320にエッチングされたトレンチ1330を有する。トレンチ1330は、例えばフォトリソグラフィプロセスによってエッチングされていることがある。図13Cは、集積回路1300cを示す。金属層1340cは、誘電体層1320上およびトレンチ1330内に堆積されている。金属層1340cは、臨界温度以下で超伝導することができる材料でよい。材料は、ニオブ、アルミニウム、鉛、亜鉛、スズ、または超伝導することができる同様の金属もしくは合金を含むことができる。他の実施形態では、金属層1340cは、白金など、集積回路1300cの動作温度で抵抗性を有する材料でよい。図13Dは、集積回路1300dを示し、金属層1340cが平坦化されて金属層1340dが残されている。金属層1340dを形成するために、金属層1340cに対してMPPまたはCMPプロセスを行うことができる。金属層1340dは、誘電体層1330の表面と同じ高さまで研磨することができ、それにより誘電体層1330内に埋め込まれたトレースを形成する。金属層1340cは、トレンチ内にないすべての材料が集積回路1300dから除去され、トレンチ内部に堆積された材料のみが残って金属層1340dを形成するように研磨することができる。
【0098】
図14は、プロセス1400を示す。プロセス1400は、ステップ1410で、誘電体層の堆積から始まる。誘電体層は、基板、金属層、または別の誘電体層上に堆積されることがある。ステップ1420で、誘電体層にトレンチがエッチングされる。ステップ1430で、トレンチ内に材料が堆積される。いくつかの実施形態では、材料は、臨界温度未満で超伝導することができることがある。他の実施形態では、材料は抵抗性を有するものでよい。材料は、トレンチを完全に充填するようにトレンチの深さよりも厚く堆積されることがある。ステップ1440で、材料に対して研磨プロセスが行われる。研磨プロセスは、MPPプロセスまたはCMPプロセスでよい。材料は、トレンチ内にないすべての材料が除去され、トレンチ内部に堆積された材料のみが残るように研磨することができる。
【0099】
本明細書で説明する実施形態の多くは、超伝導量子計算での用途に向けられている。量子情報を操作するための要件(例えばノイズの許容レベル)は、量子情報ではない情報を操作するための要件よりも厳しいことがあることを当業者は理解されよう。したがって、本明細書で説明する様々な実施形態は、超伝導量子プロセッサの製造で使用するのに特によく適しているが、これらの教示は、(性能基準がそれほど厳しくない可能性が高い)超伝導集積回路を組み込む任意の用途に適用することができる。例えば、本明細書で提供される様々な教示を単一磁束量子(SFQ)回路に適用することができる。いくつかの例では、量子計算以外の計算用途に本発明のシステムおよび方法を適用することで、いくつかの制約を緩和することができることがある。例えば、SFQ用途は、量子計算用途よりもノイズに敏感でない可能性が高く、したがって、生じる誘電体欠陥の増加をあまり気にせずに、より低温の誘電体プロセスをSFQ回路に容易に適用して、ジョセフソン接合の品質を保つことができる。さらに、例えば米国特許出願公開第2008−0215850号、米国特許出願公開第2009−0082209号、米国特許出願公開第2009−0078931号、および国際公開第2009149086号によれば、超伝導量子プロセッサは、量子情報ではない情報を操作するように設計された、例えばSFQ技術を使用するプログラミングおよび読み取りコンポーネントなどのコンポーネントを含むことができる。
【0100】
本発明のシステムおよび方法のいくつかの態様は室温で実現されることがあり、いくつかの態様は超伝導温度で実現されることがある。したがって、本明細書および添付の特許請求の範囲を通じて、「超伝導金属」など物理的構造を表すために使用される際の用語「超伝導」は、適切な温度で超伝導体として挙動することができる材料を示すために使用される。超伝導材料は、本発明のシステムおよび方法のすべての実施形態で常に超伝導体として作用するわけでは必ずしもないことがある。
【0101】
要約書に説明するものを含めた例示的実施形態の上記の説明は、網羅的なものとは意図されておらず、または開示される厳密な形態に実施形態を限定することは意図されていない。特定の実施形態および実施例を本明細書で例示として説明してきたが、当業者に認識されるように、本開示の精神および範囲から逸脱することなく様々な等価な修正を行うことができる。本明細書で提供される様々な実施形態の教示は、必ずしも一般に上述した例示的な超伝導回路および構造に限らず、他の超伝導回路および構造にも適用することができる。
【0102】
上述した様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することもできる。本明細書で言及した、および/または出願データシートに列挙したD−Wave Systems Inc.に譲受された米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、米国以外の出願、米国以外の特許出願すべての全体を、本明細書での特定の教示および定義に一致しなくなるところまで参照により本明細書に援用する。必要であれば、様々な特許、出願、および公開のシステム、回路、および概念を採用できるように実施形態の態様を修正して、さらなる実施形態を提供することができる。
【0103】
これらおよび他の変更は、上述した説明に鑑みて実施形態に施すことができる。一般に、添付の特許請求の範囲において、使用される用語は、本明細書および特許請求の範囲で開示される特定の実施形態に特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきでなく、そのような特許請求の範囲に付与される等価形態の全範囲と共にすべての可能な実施形態を含むものと解釈すべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によっては限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の臨界温度以下で超伝導する第1の材料から形成される第1の電極、前記第1の臨界温度以下で超伝導する前記第1の材料から形成される第2の電極、および前記第1の電極を前記第2の電極から離隔するために前記第1の電極と前記第2の電極の間に挿間される電気絶縁層を有するジョセフソン接合と、
第2の臨界温度以下で超伝導する第2の材料から構成される第1の超伝導電流経路とを備える超伝導回路であって、前記第2の材料が約1.0未満の磁束ノイズ係数を有し、前記第1の超伝導電流経路が前記第1の電極に結合され、超伝導回路がさらに、
臨界温度以下で超伝導する材料から構成される第2の超伝導電流経路を備え、前記材料が、約1.0未満の磁束ノイズ係数を有し、第2の超伝導電流経路が前記第2の電極に結合される
超伝導回路。
【請求項2】
前記第2の材料が、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料を備える請求項1に記載の超伝導回路。
【請求項3】
前記第2の超伝導電流経路が構成される材料が、前記第2の材料である請求項2に記載の超伝導回路。
【請求項4】
前記第2の超伝導電流経路が構成される材料が、第3の臨界温度以下で超伝導し、約1.0未満の磁束ノイズ係数を有する第3の材料である請求項2に記載の超伝導回路。
【請求項5】
前記第3の材料が、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料を備える請求項4に記載の超伝導回路。
【請求項6】
前記ジョセフソン接合、前記第1の超伝導電流経路、および前記第2の超伝導電流経路を担持する基板をさらに備え、前記基板が、シリコンおよびサファイアからなる群から選択される少なくとも1つの材料を備える請求項1に記載の超伝導回路。
【請求項7】
前記第1の超伝導電流経路と前記第2の超伝導電流経路がガルバニ電気的に一体に結合されて、前記ジョセフソン接合によって割り込まれた閉じた超伝導ループを形成する請求項1に記載の超伝導回路。
【請求項8】
前記第1および第2の電極がニオブから構成され、前記電気絶縁層が、少なくとも1層の酸化アルミニウム層から構成される請求項1に記載の超伝導回路。
【請求項9】
基板と、
前記基板によって担持された金属層であって、臨界温度以下で超伝導する少なくとも1つの電流経路を含む金属層と、
前記金属層によって担持された平坦化された第1の誘電体層と、
前記平坦化された第1の誘電体層によって担持されたジョセフソン接合とを備える集積回路であって、前記ジョセフソン接合が、第1の電極、第2の電極、および前記第1の電極と前記第2の電極の間に挿間された電気絶縁層から構成され、前記第1および第2の電極がそれぞれ、臨界温度以下で超伝導する材料から形成される
集積回路。
【請求項10】
前記平坦化された第1の誘電体層上に直接担持された第2の誘電体層をさらに備え、前記ジョセフソン接合が、前記第2の誘電体層上に直接担持される
請求項9に記載の集積回路。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電流経路が、ニオブ、アルミニウム、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料から構成される請求項9に記載の集積回路。
【請求項12】
前記ジョセフソン接合によって担持された第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層によって担持された第2の金属層とをさらに備え、前記第2の金属層が、臨界温度以下で超伝導する少なくとも1つの電流経路を含む
請求項9に記載の集積回路。
【請求項13】
前記第2の金属層からの少なくとも1つの電流経路を前記ジョセフソン接合の前記第1の電極と超伝導により電気的に結合する超伝導バイアをさらに備え、前記超伝導バイアが、臨界温度以下で超伝導する材料で少なくとも部分的に充填された、前記第2の誘電体層を通って延在する穴を備える請求項12に記載の集積回路。
【請求項14】
前記超伝導バイアが、1マイクロメートル未満の幅を有する請求項13に記載の集積回路。
【請求項15】
前記第2の金属層からの少なくとも1つの電流経路を前記第1の金属層からの少なくとも1つの電流経路と超伝導により電気的に結合する超伝導バイアをさらに備え、前記超伝導バイアが、臨界温度以下で超伝導する材料で少なくとも部分的に充填された、前記第1および第2の誘電体層の両方を通って延在する穴を備える請求項12に記載の集積回路。
【請求項16】
前記超伝導バイアが、1マイクロメートル未満の幅を有する請求項15に記載の集積回路。
【請求項17】
抵抗器をさらに備える請求項9に記載の集積回路。
【請求項18】
前記抵抗器が白金を備える請求項17に記載の集積回路。
【請求項19】
前記抵抗器が、前記平坦化された第1の誘電体層によって担持される請求項17に記載の集積回路。
【請求項20】
前記抵抗器が、前記基板に熱伝導結合される請求項19に記載の集積回路。
【請求項21】
前記抵抗器に熱伝導結合されたフィンをさらに備える請求項17に記載の集積回路。
【請求項22】
ジョセフソン接合を製造する方法であって、
第1の誘電体層を堆積するステップと、
前記第1の誘電体層の表面を平坦化するステップと、
前記第1の誘電体層の前記平坦化された表面の少なくとも一部分の上に、臨界温度以下で超伝導する第1の電極を堆積するステップと、
前記第1の電極の少なくとも一部分の上に電気絶縁層を形成するステップと、
前記電気絶縁層の少なくとも一部分の上に、前記臨界温度以下で超伝導する第2の電極を堆積するステップと
を含む方法。
【請求項23】
前記第1の誘電体層の前記平坦化された表面の少なくとも一部分の上に第2の誘電体層を堆積するステップ
をさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の誘電体層が、約200℃よりも高い温度で堆積される請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の電極の少なくとも一部分の上に追加の誘電体層を堆積するステップと、
前記追加の誘電体層の表面を平坦化するステップと、
前記第2の電極の少なくとも一部分を露出するために、前記追加の誘電体層に穴を形成するステップと、
前記追加の誘電体層の穴を、臨界温度以下で超伝導する材料で少なくとも部分的に充填するステップと
をさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記追加の誘電体層に穴を形成するステップが、1マイクロメートル未満の幅を有する穴を形成するステップを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
基板と、
前記基板によって担持された抵抗器と、
前記基板によって担持された第1の三層構造とを備える超伝導集積回路であって、前記第1の三層構造が、臨界温度以下で超伝導する第1の電極と、臨界温度以下で超伝導する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に挿間された第1の電気絶縁層とを備え、前記第1の三層構造の前記第1の電極が前記抵抗器に電気的に結合され、超伝導集積回路がさらに、
前記基板によって担持された第2の三層構造を備え、前記第2の三層構造が、臨界温度以下で超伝導する第3の電極と、臨界温度以下で超伝導する第4の電極と、前記第3の電極と前記第4の電極の間に挿間された第2の電気絶縁層とを備え、前記第2の三層構造の前記第3の電極が前記抵抗器に電気的に結合される
超伝導集積回路。
【請求項28】
前記抵抗器が白金を備える請求項27に記載の超伝導集積回路。
【請求項29】
前記基板によって担持された誘電体層であって、前記抵抗器の少なくとも一部分を覆う誘電体層と、
前記誘電体層を通して形成された第1のバイアであって、前記第1の三層構造の前記第1の電極が前記第1のバイアを介して前記抵抗器に電気的に結合される第1のバイアと、
前記誘電体層を通して形成された第2のバイアであって、前記第2の三層構造の前記第3の電極が前記第2のバイアを介して前記抵抗器に電気的に結合される第2のバイアと
をさらに備える請求項27に記載の超伝導集積回路。
【請求項30】
前記基板によって担持された誘電体層をさらに備え、前記誘電体層が、前記抵抗器の少なくとも一部分を覆わず、前記第1および第3の電極がそれぞれ、前記抵抗器とのストラップ接点をそれぞれ形成する
請求項27に記載の超伝導集積回路。
【請求項31】
超伝導集積回路を製造する方法であって、
臨界温度以下で超伝導する材料の第1の層を堆積するステップと、
臨界温度以下で超伝導する材料の前記第1の層の少なくとも一部分の上に電気絶縁体層を形成するステップと、
前記電気絶縁体層の少なくとも一部分の上に、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の層を堆積するステップと、
前記臨界温度以下で超伝導する材料の前記第2の層の少なくとも一部分の上にハードマスクを堆積するステップと、
前記ハードマスクの一領域の上にフォトレジストを堆積するステップであって、前記ハードマスクの第1の部分がフォトレジストによって覆われ、前記ハードマスクの第2の部分が前記フォトレジストによって覆われないステップと、
前記ハードマスクの前記第2の部分を除去して、前記ハードマスクの前記第1の部分によって覆われた、臨界温度以下で超伝導する材料の前記第2の層の第1の部分と、前記ハードマスクによって覆われていない、臨界温度以下で超伝導する材料の前記第2の層の第2の部分とを形成するステップと、
前記フォトレジストを除去するステップと、
臨界温度以下で超伝導する材料の前記第2の層の前記第2の部分を除去するステップと
を含む方法。
【請求項32】
前記ハードマスクの前記第2の部分を除去するステップが、マイクロリソグラフィプロセスによってエッチングするステップを含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記フォトレジストを除去するステップが、ウェットエッチングプロセスによってエッチングするステップを含む請求項31に記載の方法。
【請求項34】
臨界温度以下で超伝導する材料の前記第2の層の前記第2の部分を除去するステップが、アルゴンガスプラズマプロセスによってエッチングされるステップを含む請求項31に記載の方法。
【請求項35】
臨界温度以下で超伝導する材料の前記第2の層の前記第2の部分を除去するステップが、反応性イオンエッチングプロセスによってエッチングするステップを含む請求項31に記載の方法。
【請求項36】
臨界温度以下で超伝導する材料の前記第1の層および前記第2の層の少なくとも一方がニオブを備える請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記集積回路の少なくとも一部分の上にキャップを堆積するステップ
をさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記ハードマスクが窒化ケイ素を備え、方法がさらに、
前記フォトレジストを堆積する前に、前記窒化ケイ素を酸化プラズマに露出するステップ
を含む請求項31に記載の方法。
【請求項39】
誘電体層を堆積するステップと、
前記誘電体層の表面を平坦化するステップと、
前記誘電体層に穴を形成するステップであって、前記穴の幅が1マイクロメートル未満であるステップと、
前記穴を、臨界温度以下で超伝導する材料で少なくとも部分的に充填するステップと
をさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記誘電体層に穴を形成するステップが、約0.5マイクロメートル未満の幅を有する穴を形成するステップを含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記誘電体層が、臨界温度以下で超伝導する材料の前記第2の層の前記第1の部分の少なくとも一部分を覆い、前記誘電体層の穴を形成するステップが、臨界温度以下で超伝導する材料の前記第2の層の前記第1の部分の少なくとも一部分を露出し、前記穴を少なくとも部分的に充填するステップが、臨界温度以下で超伝導する材料の前記第2の層の前記第1の部分との電気接続を提供する請求項39に記載の方法。
【請求項42】
臨界温度以下で超伝導する材料の前記第1の層の少なくとも一部分の上に電気絶縁体層を形成するステップが、
臨界温度以下で超伝導する材料の前記第1の層の少なくとも一部分の上に金属層を堆積するステップと、
前記金属層を酸素に露出するステップと
を含む請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記ハードマスクの前記第1の部分を除去するステップ
をさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項44】
前記ハードマスクの前記第1の部分を除去するステップが、反応性イオンエッチングプロセスによってエッチングするステップを含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
第1の超伝導電極および第2の超伝導電極を有するジョセフソン接合を含む超電動集積回路を製造する方法であって、
前記ジョセフソン接合の前記第1の電極を堆積するステップであって、前記第1の電極が臨界温度以下で超伝導するステップと、
前記第1の電極の少なくとも一部分の上に電気絶縁層を形成するステップと、
前記電気絶縁層の少なくとも一部分の上に前記ジョセフソン接合の前記第2の電極を堆積するステップであって、前記第2の電極が臨界温度以下で超伝導するステップと、
前記第2の超伝導電極の上にフォトレジストを堆積するステップと、
前記フォトレジストによって覆われていない前記第2の超伝導電極の領域を形成するために、マスク形成して前記フォトレジストを現像するステップと、
前記フォトレジストによって覆われていない前記第2の超伝導電極の領域を除去するステップと、
前記フォトレジストを除去するステップと、
前記ジョセフソン接合の上に誘電体層を堆積するステップと、
前記誘電体層の表面を平坦化するステップと、
前記誘電体層に1マイクロメートル未満の幅を有する穴を形成するステップであって、前記穴が前記第2の超伝導電極の少なくとも一部分を露出するステップと、
前記誘電体層の少なくとも一部分の上に、臨界温度以下で超伝導する材料を備える導電層を堆積するステップであって、前記導電層の一部分が前記穴を少なくとも部分的に充填し、前記ジョセフソン接合の前記第2の超伝導電極との電気的な連通を確立するステップと
を含む方法。
【請求項46】
前記第1および第2の超伝導電極の少なくとも一方が、ニオブ、アルミニウム、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの金属を備える材料から形成される請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の超伝導電極の少なくとも一部分の上に電気絶縁層を形成するステップが、
前記第1の超伝導電極の少なくとも一部分の上に金属層を堆積するステップと、
前記金属層を酸素に露出するステップと
を含む請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記フォトレジストによって覆われていない前記第2の超伝導電極の領域を除去するステップが、アルゴンガスプラズマプロセスによってエッチングするステップを含む請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記フォトレジストを除去するステップが、ウェットエッチングプロセスによってエッチングするステップを含む請求項45に記載の方法。
【請求項50】
エッチングされた部分を有する基板と、
抵抗器と、
前記抵抗器に電気的に結合された、臨界温度以下で超伝導する材料の第1の部分と、
前記抵抗器に電気的に結合された、臨界温度以下で超伝導する材料の第2の部分と
を備える超伝導集積回路であって、
前記抵抗器が、前記基板の前記エッチングされた部分の内部に位置決めされ、超伝導材料の前記第1の部分と前記第2の部分の両方が超伝導する温度で抵抗性を有する
超伝導集積回路。
【請求項51】
前記抵抗器が白金を備える請求項50に記載の超伝導集積回路。
【請求項52】
超伝導集積回路を製造する方法であって、
白金抵抗器を形成するステップと、
臨界温度以下で超伝導する材料の2つの層、および超伝導する材料の前記2つの層の間に挿間された電気絶縁層を備える三層構造を形成するステップとを含み、前記三層構造が、少なくとも1つのストラップ接点を介して前記抵抗器に直接電気的に結合される
方法。
【請求項53】
前記抵抗器に熱伝導結合されたフィンを形成するステップ
をさらに含む請求項52に記載の方法。
【請求項54】
第1の誘電体層である第1の層と、
前記第1の層上に担持されたジョセフソン接合と、
第2の層と、
前記第2の層上に担持された第2のジョセフソン接合とを備える超伝導集積回路であって、前記第1の誘電体層が前記第2の層によって担持される
超伝導集積回路。
【請求項55】
前記第2の層が基板である請求項54に記載の超伝導集積回路。
【請求項56】
前記第2の層が第2の誘電体層である請求項54に記載の超伝導集積回路。
【請求項57】
前記第1のジョセフソン接合が第1の材料を備え、前記第2のジョセフソン接合が、前記第1の材料とは異なる第2の材料を備える請求項54に記載の超伝導集積回路。
【請求項58】
前記第1および第2のジョセフソン接合の少なくとも一方が、単一磁束量子回路の構成要素である請求項54に記載の超伝導集積回路。
【請求項59】
前記第1および第2のジョセフソン接合の少なくとも一方が、超伝導量子ビットの構成要素である請求項54に記載の超伝導集積回路。
【請求項60】
第1の誘電体層である第1の層と、
前記第1の誘電体層上に担持された第1の抵抗器と、
第2の層と、
前記第2の層上に担持された第2の抵抗器とを備える超伝導集積回路であって、前記第1の誘電体層が前記第2の層によって担持される
超伝導集積回路。
【請求項61】
前記第2の層が第2の誘電体層である請求項60に記載の超伝導集積回路。
【請求項62】
前記第2の層が基板である請求項60に記載の超伝導集積回路。
【請求項63】
前記第1の抵抗器と前記第2の抵抗器の少なくとも一方が白金から構成される請求項60に記載の超伝導集積回路。
【請求項64】
前記抵抗器と前記超伝導集積回路の基板との間に熱的な連通を提供する熱伝導接続
をさらに備える請求項60に記載の超伝導集積回路。
【請求項65】
超伝導集積回路を製造する方法であって、
臨界温度以下で超伝導する材料を備える第1の導電層を堆積するステップと、
誘電体層を堆積するステップと、
前記誘電体層に1マイクロメートル未満の幅を有する穴を形成するステップと、
前記誘電体層の少なくとも一部分の上に、臨界温度以下で超伝導する材料を備える第2の導電層を堆積するステップであって、前記第2の導電層の一部分が前記穴を少なくとも部分的に充填するステップと
を含む方法。
【請求項66】
前記誘電体層を平坦化するステップ
をさらに含む請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記誘電体層に1マイクロメートル未満の幅を有する穴を形成するステップが、前記誘電体層に0.5マイクロメートル未満の幅を有するように穴を形成するステップを含む請求項65に記載の方法。
【請求項68】
超伝導電流経路を堆積する方法であって、
表面を有する誘電体層を堆積するステップと、
前記誘電体層の前記表面にトレンチをエッチングするステップと、
臨界温度以下で超伝導する材料を堆積するステップであって、前記材料の第1の部分が前記誘電体層の前記表面上に担持され、第2の部分が前記トレンチ内に堆積されるステップと、
前記誘電体層の前記表面上に担持された材料を研磨するステップと
を含む方法。
【請求項69】
臨界温度以下で超伝導する前記材料が、ニオブ、アルミニウム、亜鉛、スズ、および鉛からなる群から選択される少なくとも1つの材料から構成される請求項68に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−519379(P2012−519379A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552154(P2011−552154)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/025403
【国際公開番号】WO2010/099312
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(507209207)ディー−ウェイブ システムズ,インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】