説明

超小型電力変換装置の製造方法

【課題】切断時に、バリやクラックおよび剥離の発生を防止して、薄膜磁気誘導素子の固着強度を高め、信頼性を向上させることができる超小型電力変換装置の製造方法を提供する。
【解決手段】コイルと端子電極を形成した後、フェライト基材100を幅の広い第2溝12と、この第2溝12に接する第1溝11をダイシングソーで形成することで、第1、第2端子電極5、6に形成されるバリを小さくし、フェライト基板100のクラック発生と保護用樹脂8の剥離を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フェライト基板にコイルを形成し、その上に半導体チップを固着した超小型電力変換装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子情報機器、特に携帯型の各種電子情報機器の普及が著しい。それらの電子情報機器は、電池を電源とするものが多く、DC−DCコンバータなどの電力変換装置を内蔵している。通常、その電力変換装置は、スイッチング素子、整流素子、制御用ICなどの機能素子と、コイル、トランス、コンデンサ、抵抗などの受動素子の各個別部品をセラミック基板やプラスチックなどのプリント基板などの上にハイブリッド型のモジュールとして、構成されている。
この電力変換装置の小型化への要求は強く、近年、コイルとして薄膜磁気誘導素子などを搭載して、超小型化が図られている。
図8は、超小型電力変換装置に搭載される従来の薄膜磁気誘導素子の構成図であり、同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)をX−X線で切断した要部断面図、同図(c)は同図(a)をY−Y線で切断した要部断面図である。
【0003】
この薄膜磁気誘導素子は、フェライト基板51の表面に第1導体52を形成し、裏面に第2導体53を形成し、第1導体52と第2導体53をフェライト基板51を貫通する第1接続導体54で接続してソレノイド状のコイルとし、第1導体52と第2導体53をレジストなどの保護用樹脂58で被覆し、フェライト基板51の第1主面の周辺部に第1端子電極55を形成し、第2主面の周辺部に第2端子電極56を形成し、第1端子電極55と第2端子電極56を接続する第2接続導体57を形成して製作される。
図示しないが、この薄膜磁気誘導素子のフェライト基板51の第1主面側に集積回路を形成した図示しない半導体チップをバンプを介して接続し、第2主面に形成した第2端子電極56を介して第2主面と図示しない積層セラミックコンデンサアレイなどの電子部品を固着して超小型電力変換装置が形成される。
【0004】
この超小型電力変換装置に用いられる薄膜磁気誘導素子は、図8(b)、図8(c)の点線で示す大面積のフェライト基材200(切断した後はフェライト基板51となる)に、複数個のソレノイド状のコイルを形成し、コイルを取り囲むように複数個の第1、第2端子電極55、56となる第1、第2金属膜55a、56aをフェライト基材200の第1主面と第2主面にそれぞれ形成する。さらに、この金属膜55a、56aの中央部をフェライト基材200を貫通した貫通孔に形成した第2接続導体57で接続する。この第2接続導体57の中央部を通る直線上をダイシングソー71で切断する。切断した後、第1、第2金属膜55a、56aはそれぞれ第1端子電極55と第2端子電極56になる。
このように、大面積のフェライト基材200を第2接続導体57を通る直線上で、第1、第2主面の第1、第2金属膜55a、56aと被覆した保護用樹脂58とフェライト基材200とを切断することが特許文献1(但し、特許文献1ではコイルはトロイダル状の無端ソレノイドである)に開示されている。この切断は、通常、フェライト基材200の第2主面をダイシングシートに貼り付けて、第1、第2金属膜55a、56a極と保護用樹脂58とフェライト基材200とを、第2接続導体57を通る直線上で第1主面から第2主面に向けてダイシングソー71で1回で切断する。
【0005】
また、前記とは異なるが、半導体ウェハから半導体チップを切り出す場合に、半導体チップの端部が欠けないように、半導体チップの両面から切断する方法が特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2004−72815号公報 図20
【特許文献2】特開平6−89936号公報 図1、図2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1で開示されているように、第2接続導体57を通る直線上で切断すると、図8(a)のA部では図8(b)のように第1、第2金属膜55a、56bと第2接続導体57である金属をダイシングソー71で切断することになり、一方、図8(a)のB部では図8(c)のように保護用樹脂58とフェライト基材200をダイシングソー71で切断することになる。ダイシングソー71の切断条件をフェライト基材200に合わせると、第1、第2金属膜55a、56bと第2接続導体57である金属の切断面では図9のように大きなバリ72が発生し、また金属に合わせると図10のように切断時にフェライト基板51にクラック74が発生したり、図11のように、フェライト基板51と保護用樹脂58の間で剥離75が生じることがある。
また、特許文献2に開示れている場合には、切り出し線を一致させるための専用のマーカーを半導体チップの表面と裏面に形成する必要がある。
【0007】
この発明の目的は、前記の課題を解決して、ダイシングソーの切断時に、バリやクラックおよび剥離の発生を防止して、薄膜磁気誘導素子の固着強度を高め、信頼性を向上させることができる超小型電力変換装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、磁性絶縁基板と、該磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体もしくは前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体からなる前記磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体と前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体と前記磁性絶縁基板を貫通する貫通孔に形成された接続導体とをそれぞれ接続してなるコイル導体と、前記磁性絶縁基板の第1主面と第2主面の外周部にそれぞれ複数個形成され前記磁性絶縁基板を貫通する第2接続導体を介して互いに接続し、前記磁性絶縁基板を挟んで対向する第1端子電極および第2端子電極と、前記第1、第2導体上と前記磁性絶縁基板上を被覆する保護用樹脂とからなる薄膜磁気誘導素子を有する超小型電力変換装置の製造方法において、
複数個に切断して該磁性絶縁基板となる磁性絶縁基材に、前記薄膜磁気誘導素子を複数個形成する工程と、隣接する2個の前記第2端子電極となる金属膜と前記保護用樹脂と前記磁性絶縁基材に前記金属膜の中央部を通る直線上に第2溝を形成する工程と、隣接する前記第1端子電極が前記保護用樹脂を挟んで対向して形成され、該保護用樹脂と該保護用樹脂下の前記磁性絶縁基材に、直線状の前記第2溝に達する直線状の第1溝を形成して、前記薄膜磁気誘導素子を単体に分離する工程を含む製造方法とする。
【0009】
また、前記第2溝の幅が、前記第1溝の幅より広いとよい。
また、前記第2溝の深さが前記薄膜磁気誘導素子の厚さの半分以下であるとよい。
また、前記第1溝および前記第2溝をそれぞれダイシングソーで形成するとよい。
また、磁性絶縁基板と、該磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体もしくは前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体からなる前記磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体と前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体と前記磁性絶縁基板を貫通する貫通孔に形成された接続導体とをそれぞれ接続してなるコイル導体と、前記磁性絶縁基板の第1主面と第2主面の外周部にそれぞれ複数個形成され前記磁性絶縁基板を貫通する第2接続導体を介して互いに接続し、前記磁性絶縁基板を挟んで対向する第1端子電極および第2端子電極と、前記第1、第2導体上と前記磁性絶縁基板上を被覆する保護用樹脂とからなる薄膜磁気誘導素子を有する超小型電力変換装置の製造方法において、
複数個に切断して前記磁性絶縁基板となる磁性絶縁基材に、前記薄膜磁気誘導素子を複数個形成する工程と、隣接する2個の前記第1端子電極が前記保護用樹脂を挟んで対向して形成され、隣接する2個の前記第2端子電極が前記保護用樹脂を挟んで対向して形成され、隣接する前記第1、第2端子電極同士に挟まれた前記保護用樹脂の中央部を通る直線上で前記保護用樹脂と該保護用樹脂下の前記磁性絶縁基材を切断して、前記薄膜磁気誘導素子を単体に分離する工程とを含む製造方法とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、切断を第1主面側と第2主面側から2回に分けて行うことで、切断によるストレスを低減し、端子電極のバリの張り出し量を従来の半分以下に低減することができる。その際、切断時の位置袷に必要なマーカーを新規に設ける必要がない。
また、フェライト基板のクラックや保護用樹脂とフェライト基板との剥離を防止することができる。
また、切断箇所を端子電極とはせずに保護用樹脂とフェライト基材とすることで、バリを発生させず、フェライト基板に発生するクラックや保護用樹脂とフェライト基板との剥離を防止することができる。
その結果、薄膜磁気誘導素子の引っ張り破壊強度(剪断強度:はんだなどによる固着強度)が、従来の約1.5倍程度となり、信頼性の高い超小型電力変換装置を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の最良の形態を以下の実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1〜図4は、この発明の第1実施例の超小型電力変換装置の製造方法を示す図で、工程順に示した工程図であり、同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)のX−X線で切断した要部断面図である。ここでは、フェライト基板上に固着する半導体チップは図示せず薄膜磁気誘導素子のみを示す。
500μm程度の厚さのフェライト基材100に複数個のコイル導体とこのコイル導体を囲むようにフェライト基材100(切断した後はフェライト基板1となる)上に端子電極を複数個形成する。コイル導体は、フェライト基材100の第1主面に形成した第1導体2と、フェライト基材100の第2主面に形成した第2導体3と、これらの第1、第2導体2、3を接続するフェライト基材100に開けた貫通孔に形成した第1接続導体4とで構成される。端子電極は、フェライト基材100の第1主面に形成した第1端子電極5と、この第1端子電極5とフェライト基材100を挟んで対向する位置のフェライト基材100の第2主面に形成し、第2端子電極6となる金属膜6aと、これらの第1、第2端子電極5、6を接続するフェライト基材100に開けた貫通孔に形成した第2接続導体7で構成される。第1導体2上とフェライト基材100の第1主面上に、また、第2導体3上とフェライト基材100の第2主面上にレジストなどの保護用樹脂8をそれぞれ形成する。また、前記の第1端子電極5は隣の第1端子電極5と離れており、その分離部分に保護用樹脂8が被覆されている。一方、第2端子電極6は隣の第2端子電極6とはひとつの金属膜6aで形成されている(図1)。
【0013】
つぎに、金属膜6aの中央部をダイシングソーで切断し第2端子電極6を形成し、このダイシイグソーでフェライト基材100に到達するように第2溝12を形成する。このとき、フェライト基材100に形成される第2溝12の深さは、第2溝12を形成した後のフェライト基材100の強度を確保するために、フェライト基材100の厚さの半分以下とするとよい。ここでは第2溝12の深さは50μm〜100μm程度(フェライト基材100の厚さの1/10〜1/5)とし、その幅は120μm〜150μm程度とする。また、ダイシングソーの切断条件は金属に合わせる(図2)。
つぎに、隣接する第1端子電極5の間の保護用樹脂8が被覆している箇所に、第2溝12に達するような第1溝11をダイシングソーで形成し、フェライト基材100を切断する。このとき、第1溝11の幅を第2溝12の幅より狭くして、100μm程度とする。第1溝11を狭くするのは位置ずれが生じても、第1溝11と第2溝12で確実にフェライト基材100が切り離せるようにするためである。また、第2溝12を広くするのは、第2端子電極6をフェライト基板1の内側に位置させることで、第2端子電極6と固着する(第2端子電極6の側面も半田接合に利用する)図示しない積層セラミックコンデンサアレイなどの電子部品を小型化できるためである。また、ダイシングソーの切断条件はフェライト基材100に合わせる(図3)。
【0014】
つぎに、切断した後、図市しない半導体チップや電子部品を第1主面、第2主面に固着して、フェライト基板1に第1導体2、第2導体3および第1接続導体で構成されるソレノイドコイルが形成された薄膜磁気誘導素子を有する超小型電力変換装置が完成する(図4)。
尚、前記の第2溝12の形成は、図示しない半導体チップをバンプでフェライト基材100に固着する前にフェライト基材100に行っておいて、最終工程で第1溝11を形成して、フェライト基材100を切り離しても構わない。
このような切断方法とすることで、切断時において、第1、第2端子電極5、6に形成されるバリの張り出し量を従来の半分以下に低減することができる。また、フェライト基材100に発生するクラックや保護用樹脂8とフェライト基材100との剥離も防止される。
【0015】
その結果、薄膜磁気誘導素子の固着強度(はんだなどによる固着強度)が、従来の約1.5倍程度となり、信頼性の高い超小型電力変換装置を製造することができる。
また、このような切断方法とすることで第2端子電極6の側面が露出する。この第2端子電極6の側面を露出させることで、図示しない積層セラミックコンデンサアレイなどの電子部品とのはんだ接合による固着強度を高めることができる。
また、半導体ウェハから半導体チップを切り出すときに必要となる切り出し線を一致させるための専用のマーカーは、薄膜磁気誘導素子をフェライト基材100から切り出す場合には、表面側の第1端子電極5と裏面側の金属膜6aとがそれぞれ互いにフェライト基材を挟んで対向するように形成されているため、この第1端子電極5に挟まれた保護用樹脂8と金属膜6aの中央部がそれぞれ表面と裏面の専用のマーカーの働きをする。そのため、半導体ウェハから半導体チップを切り出す工程で必要とされる切り出し用マーカーの形成は不要となり、薄膜磁気誘導素子を切り出す工程は、半導体チップの場合と比べて工数が減少し、低コスト化することができる。
【0016】
尚、前記薄膜磁気誘導素子を構成するコイル導体の形状はソレノイド状であるが、フェライト基材100上に形成した図示しない渦巻き状であってももちろん構わない。
【実施例2】
【0017】
図5〜図7は、この発明の第2実施例の超小型電力変換装置の製造方法を示す図で、工程順に示した工程図であり、同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)のX−X線で切断した要部断面図である。ここでは、フェライト基板上に固着する半導体チップは図示せず薄膜磁気誘導素子のみを示す。
500μm程度の厚さのフェライト基材100に複数個のコイル導体とこのコイル導体を囲むようにフェライト基材100に端子電極を複数個形成する。コイル導体は、フェライト基材100の第1主面に形成した第1導体2と、フェライト基材100の第2主面に形成した第2導体3と、これらの第1、第2導体2、3を接続するフェライト基材100に開けた貫通孔に形成した第1接続導体4とで構成される。端子電極は、フェライト基材100の第1主面に形成した第1端子電極5と、この第1端子電極5とフェライト基材100を挟んで対向する位置のフェライト基材100の第2主面に形成した第2端子電極9と、これらの第1、第2端子電極5、9を接続するフェライト基材100に開けた貫通孔に形成した第2接続導体7とで構成される。第1導体2上とフェライト基材100の第1主面上と、第2導体3上とフェライト基材100の第2主面上にレジストなどの保護用樹脂8をそれぞれ形成する。前記の第1端子電極5は隣の第1端子電極5と離れており、また、第2端子電極9は隣の第2端子電極9と離れている。これらの端子を分離している分離部分に保護用樹脂8がそれぞれ被覆されている。これらの保護用樹脂8が被覆されている箇所は第1主面側と第2主面側でフェライト基材100を挟んで対向する位置にある(図5)。
【0018】
つぎに、第1主面上に隣接している第1端子電極5の間の保護用樹脂8が被覆している箇所をダイシングソーで切断し、フェライト基材100を切断部13で分離する。このときダイシングソーの切断条件はフェライト基材100に合わせる(図6)。
つぎに、切断した後、図示しない半導体チップや電子部品を第1主面、第2主面に固着して、フェライト基板1に第1導体2、第2導体3および第1接続導体で構成されるソレノイドコイルが形成された薄膜磁気誘導素子を有する超小型電力変換装置が完成する(図7)。
この切断方法では、切断する箇所は保護用樹脂8とフェライト基材100であるために、当然金属のバリはなく、また切断条件をフェライト基材100に合わせることで、フェライト基材100にクラックの導入や保護用樹脂8の剥離を防止できる。
【0019】
また、この場合は金属を切断しないため、ダイシングソーの切断条件を変える必要がなく、ダイシングソーによる切断は第1主面から第2主面に向かって1回で行う。
尚、この切断を第1実施例のように2回に分けて行っても構わない。2回に分けて行うとクラックの導入や保護用樹脂の剥離は1回の場合と比べて起こりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1実施例の超小型電力変換装置の工程図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した要部断面図
【図2】図1に続く、この発明の第1実施例の超小型電力変換装置の工程図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した要部断面図
【図3】図2に続く、この発明の第1実施例の超小型電力変換装置の工程図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した要部断面図
【図4】図3に続く、この発明の第1実施例の超小型電力変換装置の工程図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した要部断面図
【図5】この発明の第2実施例の超小型電力変換装置の工程図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した要部断面図
【図6】図5に続く、この発明の第2実施例の超小型電力変換装置の工程図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した要部断面図
【図7】図6に続く、この発明の第2実施例の超小型電力変換装置の工程図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した要部断面図
【図8】超小型電力変換装置に搭載される従来の薄膜磁気誘導素子の構成図であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)をX−X線で切断した要部断面図、(c)は同図(a)をY−Y線で切断した要部断面図
【図9】切断時に大きなバリが発生した図
【図10】切断時にフェライト基板にクラックが発生し図
【図11】切断時にフェライト基板と保護用樹脂の間で剥離が発生した図
【符号の説明】
【0021】
1 フェライト基板
2 第1導体
3 第2導体
4 第1接続導体
5 第1端子電極
6 第2端子電極
6a 金属膜
7、9 第2接続導体
8 保護用樹脂
11 第1溝
12 第2溝
13 切断部
100 フェライト基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性絶縁基板と、該磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体もしくは前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体からなる前記磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体と前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体と前記磁性絶縁基板を貫通する貫通孔に形成された接続導体とをそれぞれ接続してなるコイル導体と、前記磁性絶縁基板の第1主面と第2主面の外周部にそれぞれ複数個形成され前記磁性絶縁基板を貫通する第2接続導体を介して互いに接続し、前記磁性絶縁基板を挟んで対向する第1端子電極および第2端子電極と、前記第1、第2導体上と前記磁性絶縁基板上を被覆する保護用樹脂とからなる薄膜磁気誘導素子を有する超小型電力変換装置の製造方法において、
複数個に切断して該磁性絶縁基板となる磁性絶縁基材に、前記薄膜磁気誘導素子を複数個形成する工程と、隣接する2個の前記第2端子電極となる金属膜と前記保護用樹脂と前記磁性絶縁基材に前記金属膜の中央部を通る直線上に第2溝を形成する工程と、隣接する前記第1端子電極が前記保護用樹脂を挟んで対向して形成され、該保護用樹脂と該保護用樹脂下の前記磁性絶縁基材に、直線状の前記第2溝に達する直線状の第1溝を形成して、前記薄膜磁気誘導素子を単体に分離する工程を含むことを特徴とする超小型電力変換装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2溝の幅が、前記第1溝の幅より広いことを特徴とする請求項1に記載の超小型電力変換装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2溝の深さが前記薄膜磁気誘導素子の厚さの半分以下であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の超小型電力変換装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1溝および前記第2溝をそれぞれダイシングソーで形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超小型電力変換装置の製造方法。
【請求項5】
磁性絶縁基板と、該磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体もしくは前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体からなる前記磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体と前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体と前記磁性絶縁基板を貫通する貫通孔に形成された接続導体とをそれぞれ接続してなるコイル導体と、前記磁性絶縁基板の第1主面と第2主面の外周部にそれぞれ複数個形成され前記磁性絶縁基板を貫通する第2接続導体を介して互いに接続し、前記磁性絶縁基板を挟んで対向する第1端子電極および第2端子電極と、前記第1、第2導体上と前記磁性絶縁基板上を被覆する保護用樹脂とからなる薄膜磁気誘導素子を有する超小型電力変換装置の製造方法において、
複数個に切断して前記磁性絶縁基板となる磁性絶縁基材に、前記薄膜磁気誘導素子を複数個形成する工程と、隣接する2個の前記第1端子電極が前記保護用樹脂を挟んで対向して形成され、隣接する2個の前記第2端子電極が前記保護用樹脂を挟んで対向して形成され、隣接する前記第1、第2端子電極同士に挟まれた前記保護用樹脂の中央部を通る直線上で前記保護用樹脂と該保護用樹脂下の前記磁性絶縁基材を切断して、前記薄膜磁気誘導素子を単体に分離する工程とを含むことを特徴とする超小型電力変換装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−73868(P2006−73868A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−256950(P2004−256950)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】