説明

超臨界二酸化炭素殺菌装置

【課題】 発泡しやすい液体の殺菌に好適な超臨界二酸化炭素殺菌装置の提供。
【解決手段】 殺菌すべき液体に二酸化炭素を混合して溶解する混合溶解手段30と、前記混合溶解手段30によって得られる混合流体を所定の温度まで昇温するとともに前記所定の温度まで昇温された混合流体を二酸化炭素が超臨界状態となる所定の温度と圧力に保持して殺菌する恒温保持手段40と、前記恒温保持手段40によって殺菌された混合流体を二酸化炭素が気体状態となる圧力まで減圧する圧力開放手段52と、前記圧力開放手段52によって減圧された混合流体を気体状態の二酸化炭素と殺菌済みの液体とに分離する分離手段60とを備えた超臨界二酸化炭素殺菌装置1において、前記分離手段60をサイクロンとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体(液状の原料や製品など)を加工処理し、そこでの微生物および/または酵素活動を減少させるための装置に関し、より具体的には超臨界状態の二酸化炭素を利用した殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳、ジュース、清涼飲料水、ミネラルウォーターのような飲料、スープのような液状食品、ビールのような酒類等の保存性の向上のため、また発酵用培地の事前滅菌のため、種々の殺菌装置が開発されている。一般的には加熱殺菌装置が多用されているが、加熱殺菌では飲料等では風味、組織、栄養価の劣化、また発酵用培地では培地としての機能の低下が生じるおそれがある。このため低温加熱あるいは加熱によらない殺菌方法が求められることもある。非加熱の除菌方法としてはろ過除菌が挙げられるが、清澄な液にしか適用できないので、具等の固体が入った液体に適用できないという欠点がある。また非加熱の殺菌方法としては高圧殺菌が挙げられるが、高圧を使用するため、設備や運用上のコストが高いという欠点がある。
【0003】
このような観点から、近年は、超臨界状態の二酸化炭素を利用した殺菌装置(本明細書では「超臨界二酸化炭素殺菌装置」という場合がある。)が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この種の殺菌装置では、殺菌すべき液体を超臨界状態の二酸化炭素と接触させることで液体の殺菌を行う。二酸化炭素は安全性が高く、かつ殺菌処理後に気化させることにより液体中への残留もない、という利点を有するので、飲料等や培地などの殺菌に好適である。
【特許文献1】特開2000−83634号公報
【特許文献2】特開平7−170965号公報
【特許文献3】特開2004−290081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
超臨界二酸化炭素殺菌装置は、種々の液体の殺菌への適用が望まれる。しかしながら、粘度の高い液体、発泡しやすい液体、懸濁物質の含まれる液体などの場合には、殺菌後、二酸化炭素を気化させる際に泡が生じ、装置の運用に支障が生じることが懸念される。例えば、殺菌後の液体を貯留するタンク内に泡が充満し、実質的な貯留量が少なくなったり、タンクの上部から泡が溢れたりするおそれがある。また、気化した二酸化炭素中に液体の微粒子が混入して、殺菌済みの液体の回収量が少なくなったり、二酸化炭素の回収や再利用に支障が生じるおそれがある。とりわけ、タンパク質を含む液体は、発泡しやすい液体の一つである。タンパク質は加熱により変性するので、タンパク質を含む液体の殺菌のため、低温殺菌が可能な超臨界二酸化炭素殺菌装置の適用が望まれる。
【0005】
殺菌後の液体と超臨界二酸化炭素との混合物を大型の貯留タンクに回収して、該貯留タンク内で気体の二酸化炭素を分離することも考えられる(例えば特許文献1の段落0017に記載の分離槽、特許文献2の段落0025に記載の分離容器を参照)。しかし、これらの文献には、処理後の混合物が泡状になった場合の対処について特に記載はなく、発泡性の液体の殺菌に適するものとはいえない。
【0006】
すなわち、殺菌後の混合物が泡状になった場合、以下のような問題が生じうる。泡状の混合物を貯留タンクに回収して静置するだけでは、泡が長時間残留するため、殺菌後の液体を速やかに次工程に移すことが難しい。また脱気装置で吸引した場合には、気体のみならず泡の液膜も吸引され、殺菌済み液体の回収量が目減りする等の問題が生じる。公知の脱泡手段や消泡手段を適用することも考えられるが、殺菌済み液体について要求される衛生的基準を満たす取り扱いが難しい。食品添加物の消泡剤をあらかじめ液体に添加する方法も考えられるが、液体の用途によっては、消泡剤の添加が好ましくない場合もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、発泡しやすい液体の殺菌に好適に採用することができる超臨界二酸化炭素殺菌装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、殺菌すべき液体に二酸化炭素を混合して溶解する混合溶解手段と、前記混合溶解手段によって得られる混合流体を所定の温度まで昇温するとともに前記所定の温度まで昇温された混合流体を二酸化炭素が超臨界状態となる所定の温度と圧力に保持して殺菌する恒温保持手段と、前記恒温保持手段によって殺菌された混合流体を二酸化炭素が気体状態となる圧力まで減圧する圧力開放手段と、前記圧力開放手段によって減圧された混合流体を気体状態の二酸化炭素と殺菌済みの液体とに分離する分離手段とを備えた超臨界二酸化炭素殺菌装置において、前記分離手段がサイクロンであることを特徴とする超臨界二酸化炭素殺菌装置を提供する。
前記分離手段は、複数のサイクロンを直列または並列に接続したものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、超臨界二酸化炭素殺菌装置において発泡性の液体(液状の原料や製品など)を殺菌した後、効率よく泡を消すことができ、また殺菌済みの液体を歩留まり良く回収することができる。これにより、食品や発酵の分野で好適に使用できる超臨界二酸化炭素殺菌装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の超臨界二酸化炭素殺菌装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す超臨界二酸化炭素殺菌装置1は、殺菌すべき液体を供給する液体供給手段10と、二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段20と、殺菌すべき液体に二酸化炭素を混合して溶解する混合溶解手段30と、前記混合溶解手段30によって得られる混合流体を所定の温度まで昇温するとともに前記所定の温度まで昇温された混合流体を二酸化炭素が超臨界状態となる所定の温度と圧力に保持して殺菌する恒温保持手段40と、前記恒温保持手段40によって殺菌された混合流体を二酸化炭素が気体状態となるまで減圧する圧力開放手段52と、前記圧力開放手段52によって減圧された混合流体を気体状態の二酸化炭素と殺菌済みの液体とに分離する分離手段60としてのサイクロンを備える。
【0011】
液体供給手段10は、殺菌すべき液体を貯留する液体貯留手段11と、一端が液体貯留手段11に接続された液体供給管路12と、液体供給管路12の途中に設けられた調節弁13と、液体供給管路12を通して液体を圧送する圧送ポンプ14(定量ポンプ)とを有する。
【0012】
二酸化炭素供給手段20は、二酸化炭素を貯留する二酸化炭素貯留手段21(例えば液化炭酸ガスボンベ)と、一端が二酸化炭素貯留手段21に接続された二酸化炭素供給管路22と、二酸化炭素供給管路22を通して液体状態の二酸化炭素(液化炭酸ガス)を圧送する圧送ポンプ24(定量ポンプ)とを有する。なお、二酸化炭素供給管路22には、内部を流れる二酸化炭素が沸騰しないように、図示しない冷却装置が設けられている。
【0013】
混合溶解手段30は、殺菌すべき液体と二酸化炭素とを混合して溶解させるものである。本発明では、殺菌すべき液体と二酸化炭素とが混合してなる流体を「混合流体」と称するものとする。混合溶解手段30は、液体供給管路12の他端および二酸化炭素供給管路22の他端が合流して接続される管路結合点31と、管路結合点31の下流側で混合流体が通液される混合流体管路32とを有する。液体供給管路12を通して供給される殺菌すべき液体と、二酸化炭素供給管路22を通して供給される二酸化炭素とは、管路結合点31で混合され、さらに混合流体管路32を通過する間に相互に溶解して混合流体となる。
【0014】
恒温保持手段40は、混合流体が通る恒温保持管路41と、この恒温保持管路41の周囲を覆う恒温水槽42とを有する。恒温保持管路41の上流側は混合流体管路32に接続されており、液体供給手段10の液体供給管路12から続く連続的な流路を形成している。恒温水槽42には恒温の水が貯留されて所定の温度に維持されている。このため、恒温保持管路41の内部を通過する混合流体の温度を一定に保つことができる。恒温保持管路41を通過する混合流体は、恒温水槽42との熱交換により所定の温度まで昇温され、さらに混合流体中の二酸化炭素が超臨界状態となる所定の温度と圧力にて保持される。こうして恒温保持管路41内で殺菌すべき液体が超臨界状態の二酸化炭素と接触することにより、液体が殺菌されることになる。恒温保持管路41の下流側、すなわち恒温水槽42を出た後は、液体の殺菌が終了した混合流体が流れる排出管路51を形成している。したがって、液体供給管路12、恒温保持管路41、および排出管路51は、各々接続されており、一連の流路を形成している。
【0015】
排出管路51には、恒温保持手段40によって殺菌された混合流体を減圧する圧力開放手段52が設けられている。圧力開放手段52は、圧力を開放して混合流体中の二酸化炭素が気体状態となる圧力まで減圧するものである。よって圧力開放手段52以後の管路を流れる混合流体は、殺菌済みの液体と、気体状態になった二酸化炭素との混合物となる。圧力開放手段52は、1個または複数個の減圧弁によって構成されてもよい。なお、圧力開放手段52は、混合流体の減圧にともなって奪われる熱を補填するための加熱手段が備えられているが、図面では図示を省略している。
【0016】
分離手段60は、圧力開放手段52によって減圧された混合流体を気体状態の二酸化炭素と殺菌済みの液体とに分離するものである。本発明は、この分離手段60をサイクロンにより構成することを特徴とする。
【0017】
図2にサイクロン60の一例を示す。このサイクロン60は、流入する混合流体が通る流入配管61と、流入配管61の下流側の端部に形成された流体入口62と、流入配管61の下流側の端部が接続された気液分離部63と、気液分離部63で分離された気体が排出される気体排出配管64と、気液分離部63で分離された殺菌済みの液体が排出される液体排出口65とを有する。流入配管61の上流側の端部は、排出管路51に接続されており、液体排出口65は、殺菌済みの液体が貯留される殺菌済み液体貯留手段(貯留タンク)70に接続されている。気体排出配管64の末端には、特に図示しないが、二酸化炭素を回収する容器または大気への放出口が接続される。
【0018】
気液分離部63の上部63aは円筒状であり、その上面中央部には気体排出配管64が垂直に貫通している。流入配管61は、気液分離部63の水平面に沿う断面(図2(c)参照)における接線方向に延在しており、流体入口62を介して気液分離部63の上部63aに連通している。気液分離部63の下部63bは、気液分離部63の上部63aから連続し、かつ下方に向かって直径が縮小する円錐状に形成されており、その下端部には液体排出口65が形成されている。サイクロン60は、気液分離部63の内径が小さいほど強力な遠心力が得やすいため、最大の内径が50mm以下、より好ましくは、最大の内径が10mm以下が好ましい。
【0019】
次に、本形態例の超臨界二酸化炭素殺菌装置1の動作について説明する。液体貯留手段11には殺菌すべき液体が貯留されており、この液体は、圧送ポンプ14によって、液体供給管路12を介して輸送される。同時に二酸化炭素貯留手段21に貯留されている液体状態の二酸化炭素は、圧送ポンプ24により二酸化炭素供給管路22を介して輸送され、混合溶解手段30において殺菌すべき液体と混合され、液体と二酸化炭素とが相互に溶解する。
【0020】
殺菌すべき液体と二酸化炭素とが相互溶解した混合流体は、恒温保持管路41を流れている間、混合流体中の二酸化炭素が超臨界状態に保持される所定の温度および圧力に維持され、超臨界状態の二酸化炭素の作用によって液体が殺菌される。液体が殺菌された混合流体は、排出管路51を流れ、圧力開放手段52によって混合流体中の二酸化炭素が気体状態となる圧力(例えば常圧)まで減圧される。ところで、殺菌すべき液体が発泡性の高い液体、例えば粘度の高い液体や発泡しやすい液体や懸濁物質の含まれる液体などの場合には、混合流体を減圧したとき、混合流体中の殺菌済みの液体と気体状態の二酸化炭素とが円滑に分離せず、発泡することがある。
【0021】
この混合流体の発泡に対処するため、本形態例の超臨界二酸化炭素殺菌装置1は、排出管路51の下流側に、サイクロンからなる分離手段60を備える。このため、図3に示すように、流入配管61および流体入口62を通して気液分離部63に流入した混合流体は、気液分離部63の上部63aの内面に沿って旋回する流れを形成し、混合流体の流入速度により強力な遠心力を生じる。気液分離部63内では、気体と液体との比重の違いおよび旋回流に働く遠心力により、気体は気液分離部63の中央部(半径方向の内側)へ、液体は気液分離部63の外周部(半径方向の外側)へと移動し、泡が破壊されるとともに気体と液体が分離される。気体(主として気体状態の二酸化炭素)は、気体排出配管64を通って排出される。液体(すなわち殺菌済みの液体)は重力に従って落下し、液体排出口65から殺菌済み液体貯留手段70に流入する。この結果、殺菌済みの液体が殺菌済み液体貯留手段70に貯留される。
【0022】
このように、本発明の超臨界二酸化炭素殺菌装置では、混合流体の高圧力の一部をサイクロン60で気液分離する際の動力として利用でき、サイクロン60は、外部動力を消費することなく、効率的に動作する。また、殺菌終了後には、サイクロン60の内部を超臨界二酸化炭素殺菌装置の他の部分と合わせて、効率的に洗浄、すすぎ、乾燥等を行うことが可能である。
【0023】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、図4に示す超臨界二酸化炭素殺菌装置2は、分離手段60Aが複数のサイクロン60、60を直列接続したものであることを除き、上述の第1形態例の超臨界二酸化炭素殺菌装置1と同様に構成されている。すなわち、1段目のサイクロン60(図4中の左側)の気体排出配管64が2段目のサイクロン60(図4中の右側)の流入配管61に接続されている。これにより、殺菌済みの液体の一部が1段目のサイクロン60で分離しきれずに気体中に混入して気体排出配管64へと移行した場合であっても、2段目のサイクロン60で分離して殺菌済み液体貯留手段70へと回収することが可能になる。
【0024】
また、図5に示す超臨界二酸化炭素殺菌装置3は、分離手段60Bが複数のサイクロン60、60を並列接続したものであることを除き、上述の第1形態例の超臨界二酸化炭素殺菌装置1と同様に構成されている。すなわち、排出管路51の下流部に管路分岐点53が設けられており、分岐した管路がそれぞれ別のサイクロン60の流入配管61に接続されている。これにより、混合流体の流量が1個のサイクロン60で分離しきれない量であったとしても、複数のサイクロン60、60で処理量を配分することにより、効率的な気体と液体の分離が可能になる。
【実施例】
【0025】
次に、実施例によって本発明を説明するが、以下の実施例は本発明を特に限定するものではない。
【0026】
(実施例1)
図1に示す構成の超臨界二酸化炭素殺菌装置1において、圧力開放手段52の下流に設ける分離手段60として、図2の構造を有する直径50mmのサイクロン60を設置した。試験試料としては、ホエイタンパク質単離物(WPI、ALACEN895)5%液に対して、市販のヨーグルトを滅菌水で2倍希釈のうえ遠心分離により清澄して得た上澄み液を0.05%接種したものを使用した。この試験試料中の細菌数は、標準寒天培地を用いた測定の結果、2.2×10cfu/mlであった。
【0027】
恒温水槽42の温度を30℃に設定し、恒温保持管路41の圧力を10MPaに維持し、二酸化炭素と試験試料(液体)の混合割合を1:17.5にして試験試料を殺菌した。殺菌後の試験試料中の細菌数は、標準寒天培地を用いた測定の結果、30cfu/ml以下であった。サイクロン60を設置することにより、殺菌済み試料の大半をサイクロン60の下流の貯留タンク70に捕集することができ、気体排出配管64へ移行した液はわずかであった。捕集された殺菌済み試料の内部には細かい気泡が見られたが、数時間放置することにより浮上し、気体が放出されて泡が消失した。
なお、この殺菌済み試料は、二酸化炭素の溶解により若干のpH値の低下が見られた。水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを元の値に戻したところ、殺菌前の原料液と同等の物性を示すことが確認された。
【0028】
(比較例1)
図6に示すように、圧力開放手段52の下流にサイクロン60を設けることなく、排出管路51を貯留タンク70に直接接続した超臨界二酸化炭素殺菌装置101を用いたことを除き、実施例1と同様の条件で殺菌試験を行った。この場合、殺菌済み試料は配管開口部より泡状で放出され、一部液滴の飛散も観察された。貯留タンク70には泡が充満し、一部の泡は貯留タンク70の上部より外に溢れ出た。殺菌済み試料は泡沫状で、液状に戻るには一昼夜を要した。すなわち、殺菌済みの液体をただちに次の工程へと送ることはできない。
【0029】
(実施例2)
未殺菌の卵白を試験試料として用いたことを除き、図1に示す構成の超臨界二酸化炭素殺菌装置1を用いて実施例1と同様の条件で殺菌試験を行った。実施例2の試験試料には菌の接種は行わなかった。殺菌済み試料はサイクロン60により二酸化炭素と分離され、貯留タンク70に回収された。回収された殺菌済み卵白は、貯留タンク70に流入した直後には白濁した液状であった。これを冷蔵庫中に一昼夜放置したところ、殺菌試験の前と同等の外観に戻ることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、飲料、液状食品、酒類、液体原料、発酵用培地などの液体の殺菌に利用することができ、特に、粘度の高い液体、発泡しやすい液体、懸濁物質の含まれる液体、タンパク質を含む液体などの発泡性の高い液体の殺菌に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の超臨界二酸化炭素殺菌装置の第1形態例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の分離手段として用いられるサイクロンの一例を示す図面であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のB−B線に沿う横断面図、(d)は(a)のA−A線に沿う縦断面図である。
【図3】図2に示すサイクロンの動作原理を説明する図面であって、(a)は斜視図、(b)は図2(b)のB−B線に沿う横断面図である。
【図4】本発明の超臨界二酸化炭素殺菌装置の第2形態例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の超臨界二酸化炭素殺菌装置の第3形態例を示す概略構成図である。
【図6】比較例に係る超臨界二酸化炭素殺菌装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0032】
1、2、3…超臨界二酸化炭素殺菌装置、30…混合溶解手段、40…恒温保持手段、52…圧力開放手段、60…サイクロン(分離手段)、60A…直列接続された複数のサイクロン(分離手段)、60B…並列接続された複数のサイクロン(分離手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌すべき液体に二酸化炭素を混合して溶解する混合溶解手段と、前記混合溶解手段によって得られる混合流体を所定の温度まで昇温するとともに前記所定の温度まで昇温された混合流体を二酸化炭素が超臨界状態となる所定の温度と圧力に保持して殺菌する恒温保持手段と、前記恒温保持手段によって殺菌された混合流体を二酸化炭素が気体状態となる圧力まで減圧する圧力開放手段と、前記圧力開放手段によって減圧された混合流体を気体状態の二酸化炭素と殺菌済みの液体とに分離する分離手段とを備えた超臨界二酸化炭素殺菌装置において、
前記分離手段がサイクロンであることを特徴とする超臨界二酸化炭素殺菌装置。
【請求項2】
前記分離手段が、複数のサイクロンを直列または並列に接続したものであることを特徴とする請求項1に記載の超臨界二酸化炭素殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−312135(P2006−312135A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135698(P2005−135698)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(000006127)森永乳業株式会社 (269)
【Fターム(参考)】