説明

超解像の光ディスク読み取り装置及び反射率測定を通じて最適化された読み取り方法

【課題】超解像の光ディスク読み取り装置、及び反射率測定を通じて最適化された読み取り方法を提供する。
【解決手段】
本発明は光ディスクのような媒体への情報の光学式記録の分野に関する。
超解像モードで光ディスクを読み取るために、読み取りレーザ光線の出力を最適化する手順が実施される。この最適化は、超解像モードでディスクが危険性なしに読み取られることを可能にする出力と、情報を含む高感度の層の反射率との間に相関が存在するという確認に基づく。光ディスクの反射率(R)は読み取りレーザの幾つかの出力レベル(P)に対して測定され、限界出力(Pdeg)は行われた反射率測定に基づいて決定され、危険性を伴う出力レベルの範囲に対して十分に外側にあるような、限界出力を十分に超える読み取り出力が、限界出力に従って選定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスクのような媒体への情報の光学式記録の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
情報は原則として、それらがレーザ光線検出システムによって読み取られることを可能にする光のコントラストを備えた、単一の管理された寸法である物理的マークの形態で媒体に記憶される。
【0003】
物理的マークは、(例えばDVD−ROM装置用の)ポリカーボネート基板の成形により形成される痕跡であり得、―それらは、そのとき一度限り記録される。それらはまた書き込み光線の作用を通じて、高感度の層に記録された領域により形成され得、―そのとき記録は可逆的(消去又は再記録までも可能)か、あるいは不可逆(消去又は再記録が不可能)であり得る。
【0004】
光ディスク上に記録される情報の密度を増すことを追求するとき、一般的に情報読み取り装置の性能により制限される。基本原理は、ディスク内に書き込まれた物理的情報のサイズが、この情報を読み取るために使用されるであろう光学システムの解像限界よりも小さい場合、上記の物理的情報は読むことが出来ないということである。典型的に、650nmの波長の赤色レーザ及び0.6の開口数を用いた読み取りでは、通常0.3μmよりも小さいサイズの情報が正しく読み取られることは期待出来ない。
【0005】
しかしながら、超解像法と呼ばれる方法は、光学解像限界(LR=(λ/4)・NA)よりも小さい物理的サイズを有する情報を読み取るために考案されており、ここでλは解像度、そしてNAはレーザの合焦光学部分の開口数である。これらの方法は或る種の材料の非線形光学特性に基づく。「非線形特性」は、材料の或る光学的特性が、それの受ける光の強さと共に変化することを意味すると理解される。読み取りレーザ自体が、読み取りレーザのスポットのサイズよりも小さい寸法に対して、熱的、光学的、熱光学的、及び/又は光電子工学的効果によって、材料の光学的特性を局部的に変更するであろう。特性の変更のため、この非常に小さい容量の中に存在する情報が検出可能となり、一方でこの変更なしでは検出できないであろう。
【0006】
引き出される現象は、主に読み取りレーザの2つの特性に基づき、それらは次のように用いられる:
―第1に、レーザは(波長のオーダーの)極度に小さい区間を持つように、非常に強く焦点を合わせられるが、ガウス分布である出力分布は中央において非常に強力であって、周辺では高度に減衰しており、
―第2に、読み取りレーザの出力は、光線の中央における区間の小さい部分にわたる出力密度が、層の光学的特性を大幅に変えるように選ばれ、一方で上記の区間のこの小さい部分の外側における出力密度はこの光学的特性を大幅には変えず、光学的特性は、この変更なしでは読むことが出来ないであろう情報の読み取りを目的とする方向に変更される。
【0007】
例えば、超解像ディスクの場合、その反射率はレーザ光線の直径よりも小さい領域にわたって、局部的に増加する。通常検出できない、より小さなマークの読み取りを可能にするのは、非線形の光学的特性による、この変更である。
【0008】
2007年2月9日付の特許文献1のもとに申請された以前の特許出願において、超解像モードで動作する光学記憶構造が提案された。この構造は物理的マークを備える(望ましくはポリカーボネートで作られた)基板を含み、その幾何学的構成は、記録された情報、基板のマーク上方にある3つの層の重なり、及びこの重なりの上方の透明な保護層を画定し、上記の重なりは硫化亜鉛−酸化シリコン(ZnS−SiO2)化合物の2つの誘電体層の間に挿入された、アンチモン化インジウム又はアンチモン化ガリウムの層を備える。
【0009】
この構造は、それが満足すべき信号/ノイズ比率(S/N比)と共に、超解像モードにおいて情報を読み取るために、比較的低い読み取りレーザの出力を要するという理由で好ましい。今や、読み取り出力の問題は、一方で、光学的特性を局部的に変えることにより超解像効果を得るためには十分な高出力が必要であるが、他方で、出来る限り多数の読み取りサイクルを持つことが望ましいのに対して、高すぎる出力は記録された情報を徐々に破壊する傾向を有し、可能な読み取りサイクルの数を制限するため、重大である。
【0010】
しかしながら、2つのZnS−SiO2(硫化亜鉛−酸化シリコン)層の間の、InSb(アンチモン化インジウム)又はGaSb(アンチモン化ガリウム)に基づくこれらの構造において試験を行うことにより、超解像読み取りは低すぎる出力では不可能であるが一方で過度に高い出力は不必要、又は情報の保存あるいは光媒体の保存さえも脅かすため、読み取り出力の選定は簡単でないこと、及び読み取りレーザによって記憶された情報が回復出来ないほど劣化させられる最適な出力よりも低い、超解像読み取りを可能にする中間的出力領域が存在すると思われることが、見出されている。
【0011】
この確認は、超解像モードで記録された均一に分布するマークを有する試験片における、繰り返しの測定に基づいてなされた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】仏国特許出願公開第07/00938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、読み取りレーザ出力を最適化し、一方で回復出来ない情報の劣化というこの危険性を考慮に入れた、この最適出力よりも低い中間的出力レベルに対応する手段を持つ光学的情報読み取りシステムを提供することが望ましい。さらに、これらの手段自体は、劣化リスク領域内にある読み取り出力を伴わないことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この理由により、本発明は、光ディスクの読み取りに適した超解像モードで動作する読み取りレーザを備える光ディスク読み取り装置であって、光ディスクは物理的マークが設けられている基板を含む構造を有し、基板の幾何学的構成が、記録された情報と、基板のマーク上方にある3つの層の重なりと、この重なりの上方の透明な保護層とを画定し、上記の重なりが硫化亜鉛−酸化シリコン(ZnS−SiO2)化合物の2つの誘電体層の間に挿入されたアンチモン化インジウム又はアンチモン化ガリウムの層を備え、
読み取りレーザの出力を変える手段と、読み取りレーザにより放射される少なくとも4つの出力レベルに対して光ディスクの高感度層の反射率を測定する手段と、出力の関数としての反射率を表わす平面内で2つの出力レベルに対する反射率の測定値を結ぶ直線と他の2つの出力レベルに対する反射率の測定値を結ぶ直線との交点に位置する限界出力(Pdeg)、及び限界出力を超える望ましい読み取り出力を決定するための計算手段と、ディスク上にある情報をそれに続いて読み取るための、この出力を加える手段とを備えることを特徴とする、光ディスク読み取り装置を提供する。
【0015】
望ましくは、上記の計算手段は限界出力(Pdeg)のk倍に等しい読み取り出力を選定する手段を備え、kは少なくとも1.1に等しく、望ましくは1.1〜1.4の間の数である。
【0016】
反射率の測定は、読み取り装置又はディスクのメーカーによって規定される指標となる出力(Pind)よりも低い2つの出力レベルに対して、及びこの設定点出力を超える2つの出力レベルに対して行われ得る。
【0017】
望ましくは、反射率測定は光ディスクの専用領域内で行われ、この領域は測定用に必要な情報以外の有用な情報を含まず、反射率測定及び読み取り出力の選定は、望ましくは読み取り装置内へのディスクの新たな挿入の都度、繰り返される。
【0018】
本発明はまた、これらの原理に対応する読み取り方法にも関する。本発明による方法は、読み取りレーザの少なくとも4つの出力レベルに対する、光ディスクの反射率の測定と、行われた反射率測定による限界出力(Pdeg)の決定と、そしてディスク内に含まれる情報を引き続いて読み取るための、限界出力に応じた、限界出力よりも大きい読み取り出力(Pread)の選定とを含む。
【0019】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図に関連して与えられる以下の詳細記述を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】光ディスクの構造の一例を示す。
【図2】80nmの最小長さを持ち、最小で80nm隔てられたマークが予め形成されている基板の、原子間力顕微鏡を用いた視図を示す。
【図3】読み取りレーザの出力の関数としての、この構造の測定された反射率曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は超解像モードで読み取ることが出来る光ディスクの一般構造を示す。それは、望ましくは有機材料、とりわけ従来から光ディスクに用いられているポリカーボネートで作られた基板10を備える。情報は従来、ほぼ同心のトラック上でディスクへと書き込まれ、ディスクの正面に位置する、矢印20で象徴的に示されている読み取りレーザ光線は、ディスクが回転する時、その前を次々に通り過ぎる情報を見ている。
【0022】
基板10は記録された情報を定義する物理的マークを含み、この例において物理的マークは基板の上面の上に刻み付けられた凹凸の形態である。例えば凹凸は、その幅が全ての書き込まれた情報に対してほぼ一定であるが、情報の走行方向への長さと間隔がその上に書き込まれた情報の内容を定義する、ピットから成る。情報は構造体により反射されたレーザ光線の位相を解析することにより読み取られ、その位相は各々の物理的マークの通過の始めと終わりに変化する。ピットは、例えば非常に高い解像度の電子ビームのエッチングツールを用いて作られた、ニッケル・モールドを使用して、ポリカーボネート又はプラスチックの基板をプレスすることにより、予め記録され得る。
【0023】
物理的マークの幅、長さ、及び間隔は、それらを読み取るために役立つ光学式読み取りシステムの理論上の光学解像度よりも小さくなり得る。典型的には、これは0.85の開口数を持ち、慎重を期する時は理論上の物理的解像限度がおよそ120nmである、合焦光学部分と共に用いられる約400nmの波長の青色レーザである。ここで、マークは寸法又は間隔に関して80nm未満の解像度で、予め記録され得る。図2はこのようにしてディスク上に記録された、窪みのある物理的マークの概略図を示す。
【0024】
従来の光ディスクの場合、凹凸(ピット又は隆起)はアルミニウムの単純な層で覆われるであろうが、しかしこのアルミニウムの層は、80nmに等しい寸法及び間隔を有するマークを、青色レーザが検出することを可能にしないであろう。
【0025】
そのような検出を可能にするため、マークは超解像検出を可能にする高感度の構造で覆われる。上記の構造はZnS−SiO2化合物の誘電体層12、アンチモン化インジウム(InSb)又はアンチモン化ガリウム(GaSb)の層14、及びZnS−SiO2化合物の誘電体層16の順番で構成される3つの層を備える。3つの層の集まりは透明の保護層18で覆われる。InSb又はGaSbの層14は非線形の光学的特性を有する層である。
【0026】
そのようなディスクは、約1〜3mWの(実際には約7mW/μm2の出力密度に対応する)出力を有する光線を放射する、青色レーザを備える読み取り装置によって読み取られ得る。
【0027】
しかしながら、高感度の構造は壊れやすく、書き込まれた情報が、超解像モードにおいて読み取ることが出来るためには高すぎるか、又は必要な出力よりも低いかいずれかの、一定の出力レベル範囲に対して劣化し得ることが見出されている。従って、劣化の危険性を生じる出力レベルにおける、読み取りレーザの放射を阻止するように努めることが必要である。ディスク読み取り装置のメーカーは、基本的に危険性を最小限にする出力でレーザを作用させるように処置するであろう。従って出力はディスクのメーカーの仕様に従って、又はそのようなディスクに関する規格が存在する場合には、それに従って較正されるであろう。
【0028】
しかしながら、そのような較正は、メーカー又は工業的製作プロセスに応じて、あるいは同じメーカーにより、そして同じプロセスにより製作されたシリーズ(ロット)に応じてさえも、最適な出力における変動があり得る場合は、出力レベルの選定を最適化しない。
【0029】
超解像動作を可能にする高感度の構造に対して実験を行うことにより、高感度の層の反射率と読み取りレーザ光線により放射される出力との間には、次の関係があることが見出されている―反射率は、超解像読み取りを可能にしない低い出力レベルに対する出力と共に、ゆっくりと増加し、一方でそれはそのような読み取りを可能にする、より高い出力レベルに対して、ずっと速く増加する。さらに、変動の勾配が安定せず徐々に増加する中間的出力領域が存在する。
【0030】
図3は放射された読み取りレーザ光線の出力の関数としての、高感度層の反射率曲線を示す。出力はmWで表わされ、反射率はパーセントで表わされる放射された出力に対する反射された出力の比率であり、レーザ光線は405nmの波長で放射している。この曲線に対応する高感度層に対して、約1.5mWを超える出力では超解像の読み取りが可能であり、一方この出力未満では超解像効果の欠如のため、小さすぎるマークの読み取りは可能でない。ここで、出力の関数としての反射率の変動の勾配は、一般に1.5mW未満の領域において比較的緩やかであり、1.5mWを超える領域において比較的急峻であることが見出されている。超解像読み取りの可能性と反射率との間には、或る相関が観察され得る。
【0031】
さらに、反射率の勾配が変化する領域は、材料の過熱及び、まだ良く理解されていない光学的効果に起因する理由のため、この領域内に存在する出力を有する読み取りレーザが、書き込まれた情報を回復出来ないほど劣化させる危険にさらすという意味で、正確に危険領域に対応することが観察されている。危険領域は約1.2mW〜1.7mWの間にあり、その領域において読み取りレーザの出力の関数としての反射率を表わす曲線の勾配変化が最も速く変わることが見出されている。
【0032】
本発明によれば、ディスク読み取り装置は、ディスクが超解像モードで読み取られることを可能にする、高感度の層の反射率を測定するための手段と、伝達された出力を変える手段と、反射率測定に従って望ましい出力を決定するための計算手段と、この出力をディスク上に存在する情報を引き続いて読み取るために加える手段とを備える。
【0033】
高感度の層の反射率は、従って測定点の集合に対して測定され、危険領域の位置はそこから推定され、危険領域外の出力レベルはそのとき選定可能である。
【0034】
望ましい方法は(基本的に危険領域よりも下に位置する)2つの低出力レベルに対する反射率の測定と、(基本的に危険領域よりも上の位置にある)2つの高出力レベルに対する反射率の測定と、最初の2つの測定及び次の2つの測定によって画定される、完全に危険領域内にある劣化出力Pdegと呼ばれるであろう出力に対応する、直線の交点の決定と、最後に、明確に危険領域の上にあるような、Pdegよりも十分に大きい読み取り出力Preadの選定とにある。読み取り出力Preadの選定は、実際にはPread=kPdegの、1.2よりも大きく、望ましくは1.2〜1.5の間の係数であるkを選ぶことにある。
【0035】
基本的に危険領域外にある出力レベルに対する反射率測定を行うことにより、高感度層の材料を劣化させるであろう出力を加える可能性はない。
【0036】
本方法は望ましくは以下の通りである:
―劣化の大きな危険性を伴う出力として光ディスクのメーカーから与えられる指標となる出力Pind、例えばPind=1.5mWから出発して、
―反射率が、指標となる出力Pindよりも十分下にある、少なくとも2つの出力レベルPm1及びPm2に対して、及び指標となる出力Pindよりも十分上にある、少なくとも2つの他の出力レベルPm3及びPm4に対して測定され、
―低い出力レベルに対する反射率の線形変動の近似を表わす直線が、最初の2つの測定から推定され、高い出力レベルに対する反射率の変動を表わす直線が、他の2つの測定から推定され、これら2つの直線の交点が決定され、指標となる出力Pindが正確でないとき、この点に対応する出力が劣化出力をより正確に表わす出力Pdegであると考えられ、
―このように決定された出力Pdegから、kPdegに等しい読み取り出力Preadが選定され、ここでkは読み取り出力が明確に劣化域外にあるのを確実にすることができる、1よりも大きい乗算可能な係数である。
【0037】
係数kは1.1よりも大きく、望ましくは1.1〜1.4の間である。典型的には、それは1.2であり得る。
【0038】
低い測定出力レベルは、典型的にはPm1=k1Pind及びPm2=k2Pindであり、k1及びk2は0.3〜0.6=8の間であり、ここでk2/k1は望ましくは1.1よりも大きく、高い測定出力レベルは、Pm3=k3Pind及びPm4=k4Pindであり、k3及びk4は1.20〜1.6の間であり、ここでk4/k3は望ましくは1.1よりも大きい。
【0039】
図3に示す反射率変動曲線、及び指標となる劣化出力Pind=1.5mWを有する光電層の例において、例えば次の値が採られるであろう:
Pm1=0.8mW、Pm2=1.2mW、Pm3=1.8mW、及びPm4=2.4mW。線の交点は出力Pdeg=1.4mWに対して見出される。
【0040】
例えばkが1.3に等しくなるよう選ばれたとき、読み取り出力Pread=1.82mWが選定されるであろう。1.5の係数kは危険領域外となる、より大きな安全余裕度を与え、2.1mWの読み取り出力が選定されるであろう。
【0041】
市販の高感度層の構造に対する実験的測定は、どのような値のkがディスクの製作のばらつきを考慮に入れることに対して、十分な安全性のレベルを確保するかを知ることが出来るようにするであろう。小さすぎる値のkには、十分に劣化域外にない読み取り出力を与える恐れがある。大きすぎる値のkは、超解像モードでの読み取りに対する要求に関連して、過度の読み取り出力を与える。
【0042】
試験は、有用な情報を含まないが、超解像モードで記録された所定のパターンを伴う物理的マークを持つか、あるいは何のマークも持たない、この目的のために用意された光ディスクの領域内で行われる。
【0043】
測定は、標準化された線速度(一般的には66Mbits/sのデータ転送量を与える速度)に対応する速度で回転するディスクを用いてなされる。ディスクがより高い速度で読み取られる必要がある場合、最適出力はマークがレーザ光線の下を走行する速度に依存するため、試験はより高速度で行われる必要がある。より一般的には、幾つかの速度における試験が推奨される。
【0044】
例えば、試験は光ディスクを読み取り装置へ新たに挿入する都度、行われるべきである。
【符号の説明】
【0045】
10 基板
12 ZnS−SiO2化合物の誘電体層
14 アンチモン化インジウム(InSb)又はアンチモン化ガリウム(GaSb)の層
16 ZnS−SiO2化合物の誘電体層
18 透明の保護層
20 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクの読み取りに適した超解像モードで動作する読み取りレーザを備える光ディスク読み取り装置であって、前記光ディスクは物理的マークが設けられている基板を含む構造を有し、前記基板の幾何学的構成が、記録された情報と、前記基板のマーク上方にある3つの層の重なりと、この重なりの上方の透明な保護層とを画定し、前記重なりが硫化亜鉛−酸化シリコン化合物の2つの誘電体層の間に挿入されたアンチモン化インジウム又はアンチモン化ガリウムの層を備え、
前記読み取りレーザの出力を変える手段と、少なくとも4つの出力レベルに対して前記光ディスクの高感度層の反射率を測定する手段と、前記出力の関数としての反射率を表わす平面内で2つの出力レベルに対する反射率の測定値を結ぶ直線と、他の2つの出力レベルに対する反射率の測定値を結ぶ直線との交点に位置する限界出力(Pdeg)、及び前記限界出力を超える望ましい読み取り出力(Pread)を決定するための計算手段と、前記ディスク上にある情報を読み取るために、この読み取り出力を加える手段とを備えることを特徴とする光ディスク読み取り装置。
【請求項2】
前記計算手段が限界出力(Pdeg)のk倍に等しい読み取り出力を選定する手段を備え、前記kが少なくとも1.1に等しく、望ましくは1.1〜1.4の間の数であることを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク読み取り装置。
【請求項3】
前記反射率の測定は、読み取り装置又は光ディスクのメーカーによって規定される指標となる出力(Pind)よりも低い2つの出力レベルに対して、及び該出力を超える2つの出力レベルに対して行われることを特徴とする、請求項2に記載の光ディスク読み取り装置。
【請求項4】
前記反射率を測定する手段は、前記読み取り装置によって読まれるディスクの専用領域内において測定するように設計され、この領域が測定に意図した以外の有用な情報を含まないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク読み取り装置。
【請求項5】
前記反射率を測定する手段、前記計算手段及び加える手段は、ディスクを前記読み取り装置へ新たに挿入する都度、測定し、計算し、加えるように設計されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク読み取り装置。
【請求項6】
光ディスクの読み取りに適した超解像モードで動作する読み取りレーザを用いて光ディスクを読み取る方法であって、前記光ディスクは物理的マークが設けられている基板を含む構造を有し、前記基板の幾何学的構成が、記録された情報と、前記基板のマーク上方にある3つの層の重なりと、この重なりの上方の透明な保護層とを画定し、前記重なりが硫化亜鉛−酸化シリコン化合物の2つの誘電体層の間に挿入されたアンチモン化インジウム又はアンチモン化ガリウムの層を備え、
前記読み取りレーザの少なくとも4つの出力レベルに対する、光ディスクの反射率の測定と、出力の関数としての反射率を表わす平面内での、最も低い2つの出力レベルに対する反射率の測定値を結ぶ直線と最も高い2つの出力レベルに対する反射率の測定値を結ぶ直線との交点に位置する限界出力(Pdeg)を決定し、前記ディスク内に含まれる情報を読み取るための、前記限界出力を超える読み取り出力(Pread)を選定する
ことを特徴とする読み取り方法。
【請求項7】
前記読み取り出力の選定は、前記限界出力(Pdeg)のk倍に等しい出力の選定を含み、前記kが少なくとも1.1に等しく、望ましくは1.1〜1.4の間の係数であることを特徴とする、請求項6に記載の読み取り方法。
【請求項8】
前記反射率の測定は、読み取り装置又は光ディスクのメーカーにより規定される指標となる出力(Pind)よりも低い2つの出力レベルに対して、及び該指標となる出力を超える2つの出力レベルに対して行われることを特徴とする、請求項6及び7のいずれかに記載の読み取り方法。
【請求項9】
前記反射率の測定は、前記読み取り装置によって読まれるディスクの専用領域内で行われ、この領域が、選定された読み取り出力におけるその後の読み取り動作において読まれることを意図した有用な情報を何も含まないことを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の読み取り方法。
【請求項10】
前記反射率の測定、前記限界出力(Pdeg)の決定、及び前記読み取り出力(Pread)の選定が、ディスクを前記読み取り装置へ新たに挿入する都度、行われることを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の読み取り方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−76701(P2011−76701A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−216403(P2010−216403)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(510124881)
【Fターム(参考)】