説明

超解像の光ディスク読み取り装置及び振幅測定を通じて最適化された読み取り方法

【課題】超解像の光ディスク読み取り装置及び振幅測定を通じて最適化された読み取り方法を提供する。
【解決手段】
本発明は光ディスクのような媒体への情報の光学式記録の分野に関する。
超解像モードで光ディスクを読み取るために、読み取りレーザ光線の出力を最適化する手順が実施される。この最適化は、超解像モードでディスクが危険性なしに読み取られることを可能にする出力と、出来る限り小さい寸法(マーク2T)を有するマークの読み取りから生じる読み取り信号の振幅との間に相関が存在するという確認に基づく。光ディスクの振幅(A)は、読み取りレーザの減少して行く値の幾つかの出力(P)に対して測定され、振幅の減少が観察される。読み取り出力は、開始時に測定された振幅の減少(例えば5%)が確認されている出力の関数として選定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスクのような媒体への情報の光学式記録の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
情報は原則として、それらがレーザ光線検出システムによって読み取られることを可能にする光のコントラストを備えた、単一の管理された寸法である物理的マークの形態で媒体に記憶される。
【0003】
物理的マークは、(例えばDVD−ROM装置用の)ポリカーボネート基板の成形により形成される痕跡であり得、―それらは、そのとき一度限り記録される。それらはまた書き込み光線の作用を通じて、高感度の層に記録された領域により形成され得、―そのとき記録は可逆的(消去又は再記録までも可能)か、あるいは不可逆(消去又は再記録が不可能)であり得る。
【0004】
光ディスク上に記録される情報の密度を増すことを追求するとき、一般的に情報読み取り装置の性能により制限される。基本原理は、ディスク内に書き込まれた物理的情報のサイズが、この情報を読み取るために使用されるであろう光学システムの解像限界よりも小さい場合、上記の物理的情報は読むことが出来ないということである。典型的に、650nmの波長の赤色レーザ及び0.6の開口数を用いた読み取りでは、通常0.3μmよりも小さいサイズの情報が正しく読み取られることは期待出来ない。
【0005】
しかしながら、超解像法と呼ばれる方法は、光学解像限界(LR=(λ/4)・NA)よりも小さい物理的サイズを有する情報を読み取るために考案されており、ここでλは解像度、そしてNAはレーザの合焦光学部分の開口数である。これらの方法は或る種の材料の非線形光学特性に基づく。「非線形特性」は、材料の或る光学的特性が、それの受ける光の強さと共に変化することを意味すると理解される。読み取りレーザ自体が、読み取りレーザのスポットのサイズよりも小さい寸法に対して、熱的、光学的、熱光学的、及び/又は光電子工学的効果によって、材料の光学的特性を局部的に変更するであろう。特性の変更のため、この非常に小さい容量の中に存在する情報が検出可能となり、一方でこの変更なしでは検出できないであろう。
【0006】
引き出される現象は、主に読み取りレーザの2つの特性に基づき、それらは次のように用いられる:
―第1に、レーザは(波長のオーダーの)極度に小さい区間を持つように、非常に強く焦点を合わせられるが、ガウス分布である出力分布は中央において非常に強力であって、周辺では高度に減衰しており、
―第2に、読み取りレーザの出力は、光線の中央における区間の小さい部分にわたる出力密度が、層の光学的特性を大幅に変えるように選ばれ、一方で上記の区間のこの小さい部分の外側における出力密度はこの光学的特性を大幅には変えず、光学的特性は、この変更なしでは読むことが出来ないであろう情報の読み取りを目的とする方向に変更される。
【0007】
例えば、超解像ディスクの場合、その反射率はレーザ光線の直径よりも小さい領域にわたって、局部的に増加する。通常検出できない、より小さなマークの読み取りを可能にするのは、非線形の光学的特性による、この変更である。
【0008】
2007年2月9日付の特許文献1のもとに申請された以前の特許出願において、超解像モードで動作する光学記憶構造が提案された。この構造は物理的マークを備える(望ましくはポリカーボネートで作られた)基板を含み、その幾何学的構成は、記録された情報、基板のマーク上方にある3つの層の重なり、及びこの重なりの上方の透明な保護層を画定し、上記の重なりは硫化亜鉛−酸化シリコン(ZnS−SiO2)化合物の2つの誘電体層の間に挿入された、アンチモン化インジウム又はアンチモン化ガリウムの層を備える。
【0009】
この構造は、それが満足すべき信号/ノイズ比率(S/N比)と共に、超解像モードにおいて情報を読み取るために、比較的低い読み取りレーザの出力を要するという理由で好ましい。今や、読み取り出力の問題は、一方で、光学的特性を局部的に変えることにより超解像効果を得るためには十分な高出力が必要であるが、他方で、出来る限り多数の読み取りサイクルを持つことが望ましいのに対して、高すぎる出力は記録された情報を徐々に破壊する傾向を有し、可能な読み取りサイクルの数を制限するため、重大である。
【0010】
しかしながら、2つのZnS−SiO2(硫化亜鉛−酸化シリコン)層の間の、InSb(アンチモン化インジウム)又はGaSb(アンチモン化ガリウム)に基づくこれらの構造において試験を行うことにより、超解像読み取りは低すぎる出力では不可能であるが一方で過度に高い出力は不必要、又は情報の保存あるいは光媒体の保存さえも脅かすため、読み取り出力の選定は簡単でないこと、及び読み取りレーザによって記憶された情報が回復出来ないほど劣化させられる最適な出力よりも低い、超解像読み取りを可能にする中間的出力領域が存在すると思われることが、見出されている。
【0011】
この確認は、超解像モードで記録された均一に分布するマークを有する試験片における、繰り返しの測定に基づいてなされた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】仏国特許出願公開第07/00938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、読み取りレーザ出力を最適化し、一方で回復出来ない情報の劣化というこの危険性を考慮に入れた、この最適出力よりも低い中間的出力レベルに対応する手段を持つ光学的情報読み取りシステムを提供することが望ましい。
【0014】
さらに、光ディスク内に情報を記録するための基準は、マークが上記のマークの幅に対応する、基本寸法Tの倍数で表わされる、標準化された長さを持つことを必要とし、最小のマークは長さ2Tを有し、最大のマークは長さ9Tを有する。長さ2Tのマークは超解像モードを適用しなければ読み取ることが出来ず、すなわち、光線の中央において、高感度の層の特性を大幅に変えるために十分な出力密度を(同じ波長で)持たないであろうレーザ光線によって見ることは出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、その寸法が解像限界より小さい一連のマークの読み取りから生じる信号は、マークが超解像モードで確実に読み取られることを可能にする読み取り出力をそこから推定するため、そして次に光ディスク上の情報を読み取る目的でこの読み取り出力をレーザに加えるために、振幅の変動曲線を決定するよう幾つかの異なる出力レベルで使用される(より大きいものよりも更に低い精度が伴うであろう、最小のマークを用いることは必須ではないが、依然として光学的解像限界より小さいマークとする)。
【0016】
この理由により、本発明は、超解像モードで動作しかつ光ディスクの読み取りに適した読み取りレーザを備える光ディスク読み取り装置であって、光ディスクは物理的マークが設けられている基板を含む構造を有し、基板の幾何学的構成が、記録された情報と、基板のマーク上方にある3つの層の重なりと、この重なりの上方の透明な保護層とを画定し、上記の重なりが硫化亜鉛−酸化シリコン(ZnS−SiO2)化合物の2つの誘電体層の間に挿入されたアンチモン化インジウム又はアンチモン化ガリウムの層を備え、
読み取りレーザの出力を変える手段と、所定の最大値から始まる読み取りレーザの幾つかの減少して行く出力レベルに対して超解像読み取り用の可能な限り小さいサイズを有する記録されたマークを読み取るための信号の振幅を測定する手段と、それに対する振幅がk1.A0の値未満に低下する、読み取り出力Paを決定する手段であって、ここでA0が第1の測定された出力レベルの振幅又は第1の測定された出力レベルの平均振幅であり、k1が1よりも小さく望ましくは0.85〜0.95の間の係数である手段と、この出力Paに対する測定を停止する手段と、ディスク上に存在する情報をその後に読み取るために読み取り出力PLを加える手段であって、ここでPLがk.Paに等しく、kが1以上の係数である手段とを備えることを特徴とする、光ディスク読み取り装置を提供する。
【0017】
測定された振幅は、ここでマーク(最小振幅)とマークの欠如(最大振幅)との間の信号レベルにおける、相対的変動として考慮されなければならない。従って、それは或る振幅を有する信号を生じる、マークとマークの欠如とが交互になることであり、マークが超解像モードで正しく読み取られるとき、この振幅は出力とは無関係である。測定された振幅は、頂点間(最小−最大)振幅である。
【0018】
望ましくは、振幅測定は光ディスクの専用領域内で行われ、この領域は測定用に必要な情報以外の有用な情報を含まず、即ち一連の2Tのマーク(超解像モードで読み取れる最小のマーク)であり、振幅測定及び読み取り出力の選定は、望ましくは読み取り装置内へのディスクの新たな挿入の都度、繰り返される。
【0019】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図に関連して与えられる以下の詳細記述を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】光ディスクの構造の一例を示す。
【図2】80nmの最小長さを持ち、最小で80nm隔てられたマークが予め形成されている基板の、原子間力顕微鏡を用いた視図を示す。
【図3】読み取りレーザの出力の関数としてのこの構造の測定された振幅曲線を、小さい寸法2Tの読み取りマークについて示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は超解像モードで読み取ることが出来る光ディスクの一般構造を示す。それは、望ましくは有機材料、とりわけ従来から光ディスクに用いられているポリカーボネートで作られた基板10を備える。情報は従来、ほぼ同心のトラック上でディスクへと書き込まれ、ディスクの正面に位置する、矢印20で象徴的に示されている読み取りレーザ光線は、ディスクが回転する時、その前を次々に通り過ぎる情報を見ている。
【0022】
基板10は記録された情報を定義する物理的マークを含み、この例において物理的マークは基板の上面の上に刻み付けられた凹凸の形態である。例えば凹凸は、その幅が全ての書き込まれた情報に対してほぼ一定であるが、情報の走行方向への長さと間隔がその上に書き込まれた情報の内容を定義する、ピットから成る。情報は構造体により反射されたレーザ光線の位相を解析することにより読み取られ、その位相は各々の物理的マークの通過の始めと終わりに変化する。ピットは、例えば非常に高い解像度の電子ビームのエッチングツールを用いて作られた、ニッケル・モールドを使用して、ポリカーボネート又はプラスチックの基板をプレスすることにより、予め記録され得る。
【0023】
物理的マークの幅、長さ、及び間隔は、それらを読み取るために役立つ光学式読み取りシステムの理論上の光学解像度よりも小さくなり得る。典型的には、これは0.85の開口数を持ち、慎重を期する時は理論上の物理的解像限度がおよそ120nmである、合焦光学部分と共に用いられる約400nmの波長の青色レーザである。ここで、マークは寸法又は間隔に関して80nm未満の解像度で、予め記録され得る。図2はこのようにしてディスク上に記録された、窪みのある物理的マークの概略図を示す。
【0024】
従来の光ディスクの場合、凹凸(ピット又は隆起)はアルミニウムの単純な層で覆われるであろうが、しかしこのアルミニウムの層は、80nmに等しい寸法及び間隔を有するマークを、青色レーザが検出することを可能にしないであろう。
【0025】
そのような検出を可能にするため、マークは超解像検出を可能にする高感度の構造で覆われる。上記の構造はZnS−SiO2化合物の誘電体層12、アンチモン化インジウム(InSb)又はアンチモン化ガリウム(GaSb)の層14、及びZnS−SiO2化合物の誘電体層16の順番で構成される3つの層を備える。3つの層の集まりは透明の保護層18で覆われる。InSb又はGaSbの層14は非線形の光学的特性を有する層である。
【0026】
そのようなディスクは、約1〜3mWの(実際には約7mW/μm2の出力密度に対応する)出力を有する光線を放射する、青色レーザを備える読み取り装置によって読み取られ得る。
【0027】
しかしながら、高感度の構造は壊れやすく、書き込まれた情報が、超解像モードにおいて読み取ることが出来るためには高すぎるか、又は必要な出力よりも低いかいずれかの、一定の出力レベル範囲に対して劣化し得ることが見出されている。従って、劣化の危険性を生じる出力レベルにおける、読み取りレーザの放射を阻止するように努めることが必要である。ディスク読み取り装置のメーカーは、基本的に危険性を最小限にする出力でレーザを作用させるように処置するであろう。従って出力はディスクのメーカーの仕様に従って、又はそのようなディスクに関する規格が存在する場合には、それに従って較正されるであろう。
【0028】
しかしながら、そのような較正は、メーカー又は工業的製作プロセスに応じて、あるいは同じメーカーにより、そして同じプロセスにより製作されたシリーズ(ロット)に応じてさえも、最適な出力における変動があり得る場合は、出力レベルの選定を最適化しない。
【0029】
超解像動作を可能にする高感度の構造に対して実験を行うことにより、高感度層の最小寸法のマークを読み取るための信号の振幅と、読み取りレーザにより放射される出力との間には、或る種の関係が存在することが見出されている。振幅は、レーザが超解像モードにおける動作を可能にする出力を有する場合には、ほぼ一定であるが、出力が低下すると振幅は減少する。出力が大幅に低下したとき、レーザはもはや全く超解像モードでは動作しないことが知られている。それが僅かだけ低下したとき、超解像モードにおける動作は可能であることが知られているが、超解像モードへの移行に対するしきい値に近すぎる出力レベルは、ディスク内に含まれる情報を回復出来ないほど劣化させる傾向がある点で、動作には危険性が伴うことが見出されている。
【0030】
これが、本発明がこの移行領域を避けることを目的とする理由である。
【0031】
図3は放射されたレーザ光線の出力の関数としての、ディスク読み取り装置の読み取りヘッドにより供給される読み取り信号の振幅曲線を示す。出力はmWで、振幅は任意の単位で表わされる。レーザ光線は405nmの波長で照射する。信号は、対象となる光ディスクの記録基準に従って、可能な最小寸法2Tを有する読み取りマークから生じる信号である。この曲線に対応する高感度の層に対して、超解像読み取りは、約1.5mWを超える出力レベルにおいて可能であり、一方でこの出力レベル未満では、これら2Tのマークは超解像効果の欠如のため、読み取ることは非常に困難である。
【0032】
しかしながら、出力と共に振幅が増加する移行領域は、危険性が伴う領域であることが観察されている。それは超解像読み取りをある程度許容する出力レベルに対応するが、情報の劣化の危険性を伴う。危険性を伴う領域は、約1.2mW〜1.7mWの間にあると考えられる。
【0033】
本発明によれば、ディスク読み取り装置は、幾つかの可能な出力レベルに対し、2Tのマークにより生成された読み取り信号の振幅を測定する手段と、これらの測定から、引き続いてディスク上の有用な情報を読み取るために加えられるべき読み取り出力を推定する手段とを備える。
【0034】
望ましい方法は、所定の最大レベルから始まり、減少して行く読み取り出力レベルに対して、読み取り信号の振幅を測定することにある。最大レベルは、例えば図3に示す類の応答曲線を有する光ディスクに対して3Wである。
【0035】
一旦、信号の振幅が大幅に、例えば5%低下し始めると、出力レベルは危険性を伴う領域内へ入ると考えられる。
【0036】
第1の読み取りの振幅(又は、代わりに第1の読み取りの振幅の平均、例えば最初の3つ又は4つの読み取り数)がA0である場合、それに対して検出された振幅がk1.A0に等しいことが見出された出力レベルは、Paと称される。
【0037】
kが望ましくは1よりも大きい出力PL=k.Paが、ディスク内に記憶された有用な情報を読み取るために、レーザ読み取り出力として選定される。例えば、kは1〜1.2の間である。
【0038】
k1=0.95である図3に示す曲線の例において、約1.8mWの出力Paが見出され、kが1に等しく選ばれた場合には1.8mWの読み取り出力が選定され、あるいはkが1.1に等しく選ばれた場合には2.1mWの読み取り出力が選定され得る。
【0039】
減少している、従って先験的に危険領域外にある出力レベルに対して振幅測定を行うことは、この測定用に用いられる2Tのマークが記録される領域内で高感度層の材料を劣化させるであろう出力が加わることを回避する。
【0040】
市販の高感度層の構造に対する実験的測定は、どのような値のkがディスクの製作のばらつきを考慮に入れることに対して、十分な安全性のレベルを確保するかを知ることが出来るようにするであろう。小さすぎる値のkには、十分に劣化域外にない読み取り出力を与える恐れがある。大きすぎる値のkは、超解像モードでの読み取りに対する要求に関連して、過度の読み取り出力を与える。
【0041】
最初の測定がそこで行われるであろう出力の決定は、ディスクメーカーにより与えられる公称の指示値に基づく。例えば、メーカーにより指示された超解像読み取りに対する公称出力よりも30%高い出力レベルが採られるであろう。
【0042】
試験は、有用な情報を含まないが、寸法2Tの物理的マークを持つ、この目的のために用意された光ディスクの領域内で行われる。測定は、標準化された線速度(一般的には66Mbits/sのデータ転送量を与える速度)に対応する速度で回転するディスクを用いてなされる。ディスクがより高い速度で読み取られる必要がある場合、最適出力はマークがレーザ光線の下を走行する速度に依存するため、試験はより高速度で行われる必要がある。より一般的には、幾つかの速度における試験が推奨される。
【0043】
例えば、試験は光ディスクを読み取り装置へ新たに挿入する都度、行われるべきである。
【符号の説明】
【0044】
10 基板
12 ZnS−SiO2化合物の誘電体層
14 アンチモン化インジウム(InSb)又はアンチモン化ガリウム(GaSb)の層
16 ZnS−SiO2化合物の誘電体層
18 透明の保護層
20 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超解像モードで動作しかつ光ディスクの読み取りに適した読み取りレーザを備える光ディスク読み取り装置であって、前記光ディスクは物理的マークが設けられている基板を含む構造を有し、前記基板の幾何学的構成が、記録された情報と、前記基板のマーク上方にある3つの層の重なりと、この重なりの上方の透明な保護層とを画定し、前記重なりが硫化亜鉛−酸化シリコン(ZnS−SiO2)化合物の2つの誘電体層の間に挿入されたアンチモン化インジウム又はアンチモン化ガリウムの層を備え、
前記読み取りレーザの出力を変える手段と、所定の最大値から始まる読み取りレーザの幾つかの減少して行く出力レベルに対して超解像読み取り用の可能な限り小さいサイズを有する記録されたマークを読み取るための信号の振幅を測定する手段と、該振幅に対する振幅がk1.A0の値未満に低下する、読み取り出力Paを決定する手段であって、前記A0が第1の測定された出力レベルの振幅又は第1の測定された出力レベルの平均振幅であり、前記k1が1よりも小さく望ましくは0.85〜0.95の間の係数であり、前記出力Paに対する測定を停止する手段と、前記光ディスク上に存在する情報を読み取るために読み取り出力PLを加える手段であって、前記PLがk.Paに等しく、該kが1以上の係数であることを特徴とする光ディスク読み取り装置。
【請求項2】
前記信号の振幅を測定する手段は、前記読み取り装置によって読まれる前記光ディスクの専用領域内において測定するように設計され、この領域が測定用に意図した以外の有用な情報を含まないことを特徴とする、請求項1に記載のディスク読み取り装置。
【請求項3】
前記信号の振幅を測定する手段、前記決定する手段及び前記読み取り出力PLを加える手段は、前記光ディスクを前記読み取り装置へ新たに挿入する都度、測定し、決定し、加えるように設計されることを特徴とする、請求項1及び2のいずれかに記載の光ディスク読み取り装置。
【請求項4】
光ディスクの読み取りに適した超解像モードで動作する読み取りレーザを用いて光ディスクを読み取る方法であって、前記光ディスクは物理的マークが設けられている基板を含む構造を有し、前記基板の幾何学的構成が、記録された情報と、前記基板のマーク上方にある3つの層の重なりと、この重なりの上方の透明な保護層とを画定し、前記重なりが硫化亜鉛−酸化シリコン化合物の2つの誘電体層の間に挿入されたアンチモン化インジウム又はアンチモン化ガリウムの層を備え、
可能な限り小さい寸法を有する一連のマークの読み取りから生じる信号の振幅が、所定の最大出力レベルに基づく幾つかの異なる出力レベルに対して測定され、振幅変動曲線及び、振幅がそれに対してk1.A0の値未満に減少する読み取り出力Paが決定され、前記A0は第1の測定された出力レベルの振幅又は第1の測定された出力レベルの平均振幅であり、前記k1は1よりも小さく望ましくは0.85〜0.95の間の係数であり、前記出力Paに対して測定が停止され、次に光ディスク上の情報を読み取るため、前記kが1以上の係数であるk.Paに等しい読み取り出力PLがレーザに加えられることを特徴とする読み取り方法。
【請求項5】
前記振幅の測定は、光ディスクの専用領域内において行われ、この領域が、超解像モードで読み取られ得る最小寸法の一連のマーク以外には有用な情報を何も含まないことを特徴とする、請求項4に記載の読み取り方法。
【請求項6】
前記振幅の測定及び前記読み取り出力の決定は、光ディスクを前記読み取り装置へ新たに挿入する都度、繰り返されることを特徴とする、請求項4及び5のいずれかに記載の読み取り方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−76702(P2011−76702A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−216405(P2010−216405)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(510124881)
【Fターム(参考)】