説明

超電導体冷却システム及び超電導体冷却方法

【課題】第1超電導体に電流を供給するための電流リードの一部が第2超電導体で形成されている場合に、第1超電導体の冷却時間を短縮すること。
【解決手段】超電導体冷却システム1は、第1超電導体10と、第1超電導体10の冷却に用いられる第1冷却導体110と、第1冷却導体110を第1温度に冷却する第1冷却装置100と、第1超電導体10に電流を供給する電流リード30と、を備える。その電流リード30において、電流経路の一部は第2超電導体20で形成されている。超電導体冷却システム1は、更に、第2超電導体20の冷却に用いられる第2冷却導体210と、第2冷却導体210を第2温度に冷却する第2冷却装置200と、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間に接続された第1熱伝導スイッチSW1と、を備える。第1熱伝導スイッチSW1は、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間の熱伝導をON/OFFする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導体を冷却するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空遮熱容器内に収納された超電導コイルを利用した超電導磁石装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。その超電導コイルは、超電導コイル冷却装置によって冷却され、極低温状態において超電導状態となる。超電導状態の超電導コイルに電流を供給することによって、強力な磁場を発生させることができる。この時に外部から超電導コイルに電流を供給するための部材は、一般に、「電流リード」と呼ばれている。つまり、超電導コイルの駆動時、電流リードを通して超電導コイルに駆動電流が供給される。
【0003】
そのような超電導磁石装置においては、電流リードを通して、通電時電流による電流リード非超電導部の電気抵抗によるジュール発熱や、真空遮熱容器の外部から超電導コイルに向けての熱侵入がある。その侵入熱を軽減するために、電流リード内の電流経路の一部が超電導体で形成される場合がある(特許文献1、特許文献2参照)。極低温状態において、電流リード内の超電導体の電気抵抗は小さくなり、また、熱抵抗は大きくなる。但しこの場合、超電導コイルを冷却するための超電導コイル冷却装置とは別に、電流リード内の超電導体を冷却するための電流リード冷却装置を設ける必要がある。これにより、超電導コイル冷却装置にかかる熱負荷を増加させることなく、電流リード内の超電導体を冷却することが可能となる。
【0004】
超電導コイルを目標設定温度まで素早く冷却することは、超電導コイルの稼動開始までの時間の短縮を意味する。従って、超電導コイルの冷却時間を短縮することは重要である。しかしながら、超電導コイル冷却装置の冷却能力をいたずらに増強したり、超電導コイル冷却装置を増設することは、配置スペースの観点から物理的に困難であったり、コストの増大を招いたりし、好ましくない。
【0005】
【特許文献1】特開平7−142237号公報
【特許文献2】特開2004−111581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、第1超電導体に電流を供給するための電流リードの一部が第2超電導体で形成されている場合に、第1超電導体の冷却時間を短縮することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0008】
本発明の第1の観点において、超電導体冷却システム(1)が提供される。その超電導体冷却システム(1)は、第1超電導体(10)と、第1超電導体(10)の冷却に用いられる第1冷却導体(110)と、第1冷却導体(110)を第1温度に冷却する第1冷却装置(100)と、第1超電導体(10)に電流を供給する電流リード(30)と、を備える。その電流リード(30)において、電流経路の一部は第2超電導体(20)で形成されている。超電導体冷却システム(1)は、更に、第2超電導体(20)の冷却に用いられる第2冷却導体(210)と、第2冷却導体(210)を第2温度に冷却する第2冷却装置(200)と、第1冷却導体(110)と第2冷却導体(210)との間に接続された第1熱伝導スイッチ(SW1)と、を備える。第1熱伝導スイッチ(SW1)は、第1冷却導体(110)と第2冷却導体(210)との間の熱伝導をON/OFFする。
【0009】
本発明の第2の観点において、超電導体冷却システム(1)における超電導体冷却方法が提供される。その超電導体冷却システム(1)は、第1超電導体(10)と、第1超電導体(10)の冷却に用いられる第1冷却導体(110)と、第1冷却導体(110)を第1温度に冷却する第1冷却装置(100)と、第1超電導体(10)に電流を供給する電流リード(30)と、を備える。その電流リード(30)において、電流経路の一部は第2超電導体(20)で形成されている。超電導体冷却システム(1)は、更に、第2超電導体(20)の冷却に用いられる第2冷却導体(210)と、第2冷却導体(210)を第2温度に冷却する第2冷却装置(200)と、を備える。本発明に係る超電導体冷却方法は、(A)第1超電導体(10)に電流が供給される前に、第1冷却導体(110)と第2冷却導体(210)とを接続し、第1超電導体(10)の初期冷却を行う第1冷却ステップと、(B)上記第1冷却ステップの後に、第1冷却導体(110)と第2冷却導体(210)との間の接続を切断し、第1超電導体(10)及び第2超電導体(20)をそれぞれ第1温度及び第2温度まで冷却する第2冷却ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1超電導体に電流を供給するための電流リードの一部が第2超電導体で形成されている場合に、第1超電導体の冷却時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
1.第1の実施の形態
1−1.構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る超電導体冷却システム1の構成を示す概略図である。超電導体冷却システム1は、内部超電導体10が収納される真空遮熱容器2を備えている。真空遮熱容器2の外部は常温領域(NT)である。一方、内部超電導体10が収納される真空遮熱容器2の内部は極低温領域(ELT)である。
【0012】
内部超電導体10(第1超電導体)は、超電導コイル等に使用され、極低温状態において超電導状態となる。超電導状態の内部超電導体10に電流を供給することによって、強力な磁場を発生させることができる。この時の内部超電導体10の目標設定温度(第1温度)は、例えば20Kである。
【0013】
第1冷却装置100は、内部超電導体10を冷却するために用いられる冷却装置(冷凍機)である。より詳細には、真空遮熱容器2の内部には、内部超電導体10の冷却に用いられる第1冷却導体110が設けられている。この第1冷却導体110は、例えば銅導体である。第1冷却装置100は、第1冷却導体110に接続されており、その第1冷却導体110を上記第1温度まで冷却するように構成されている。また、真空遮熱容器2の内部には、第1冷却導体110の温度T1を検出するための第1温度センサ120が設けられていてもよい。
【0014】
電流リード30は、内部超電導体10に電流を供給する部材であり、真空遮熱容器2外部の外部電源60と真空遮熱容器2内部の内部超電導体10との間に接続されている。ここで、この電流リード30を通して、常温領域NTから、又は通電時の常電導電流リード30−1のジュール発熱損より、内部超電導体10に向けて熱が侵入する可能性がある。その侵入熱を軽減するために、電流リード30内の電流経路の一部が、超電導体20(第2超電導体)で形成されている。極低温状態において、この超電導体20の電気抵抗は小さくなり、また、熱抵抗は大きくなり、好適である。
【0015】
より詳細には、図1に示されるように、電流リード30は、外部電源60側に設けられた常電導電流リード30−1と、内部超電導体10側に設けられた超電導電流リード30−2とを含んでいる。常電導電流リード30−1は、通常の金属材料を利用した電流リードであり、導電体40を介して外部電源60に接続されている。一方、超電導電流リード30−2は、超電導体20を利用した電流リードである。その超電導体20は、導電体50を介して内部超電導体10に接続されている。内部超電導体10の駆動時には、外部電源60からこれら常電導電流リード30−1及び超電導電流リード30−2を通して、外部電源60から内部超電導体10に電流が供給される。この時の超電導体20の目標設定温度(第2温度)は、例えば60Kである。
【0016】
第2冷却装置200は、電流リード30の超電導体20を冷却するために用いられる冷却装置(冷凍機)である。より詳細には、真空遮熱容器2の内部には、超電導体20の冷却に用いられる第2冷却導体210が設けられている。この第2冷却導体210は、例えば銅導体である。第2冷却装置200は、第2冷却導体210に接続されており、その第2冷却導体210を上記第2温度まで冷却するように構成されている。また、真空遮熱容器2の内部には、第2冷却導体210の温度T2を検出するための第2温度センサ220が設けられていてもよい。
【0017】
尚、本実施の形態において、内部超電導体10の目標設定温度である第1温度(例:20K)は、超電導体20の目標設定温度である第2温度(例:60K)より低い。その理由は、次の通りである。まず、第2温度に関しては、超電導体20の電流及び熱伝導特性の最適化、第2冷却装置200の効率、運転コストの削減などの観点から、超電導体20の使用上限温度付近に設定される。一方、第1温度に関しては、内部超電導体10をより高い特性で使用し、また、内部超電導体10を安定に使用するために、第2温度より遥かに低く設定される。
【0018】
ヒータ300は、真空遮熱容器2の開放時に昇温を効率的に実施するために設けられている。例えば、ヒータ300は、第2冷却導体210に接続されている。
【0019】
図1に示されるように、本実施の形態に超電導体冷却システム1は、上述の第1冷却導体110と第2冷却導体210との間に接続された第1熱伝導スイッチSW1を備えている。この第1熱伝導スイッチSW1は、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間の熱伝導をON/OFFする。
【0020】
図2は、第1熱伝導スイッチSW1の一例を示している。第1熱伝導スイッチSW1は、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間を物理的に接続可能な接続導体80を有している。好適には、接続導体80は、第1冷却導体110や第2冷却導体210と同じ材料(例:銅)で形成されている。この接続導体80は、熱絶縁体81を介して操作部82に接続されている。その操作部82を動かすことにより、接続導体80を、第1冷却導体110及び第2冷却導体210に接触させたり、第1冷却導体110及び第2冷却導体210から離したりすることができる。すなわち、第1熱伝導スイッチSW1のON/OFF制御が可能である。
【0021】
第1熱伝導スイッチSW1がONの場合、接続導体80は、第1冷却導体110及び第2冷却導体210に接触する。その結果、第1冷却導体110と第2冷却導体210とが接続導体80を介して物理的に接続され、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間で熱伝導が可能となる。一方、第1熱伝導スイッチSW1がOFFの場合、接続導体80は、第1冷却導体110及び第2冷却導体210から離れる。その結果、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間の接続が切断され、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間の熱伝導が防止される。
【0022】
第1熱伝導スイッチSW1のON/OFFは、手動で行われてもよいし、自動で制御されてもよい。自動制御の場合、操作部82はアクチュエータに接続される。そして、第1温度センサ120で検出された第1冷却導体110の温度T1、あるいは、第2温度センサ220で検出された第2冷却導体210の温度T2に応じて、アクチュエータが動作し、第1熱伝導スイッチSW1をON/OFF制御する。
【0023】
あるいは、第1熱伝導スイッチSW1は、温度に依存して形状や変位が変わるバイメタルで形成されてもよい。例えば、そのバイメタルは、第1冷却導体110と第2冷却導体210の一方と接触するように形成される。バイメタルの温度が所定の温度より高い場合、バイメタルは、第1冷却導体110と第2冷却導体210の他方にも接触する。これにより、第1熱伝導スイッチSW1がON状態となる。一方、バイメタルの温度が所定の温度以下になると、バイメタルは、第1冷却導体110と第2冷却導体210の他方から離れる。これにより、第1熱伝導スイッチSW1がOFF状態となる。
【0024】
1−2.動作
次に、本実施の形態に係る超電導体冷却システム1の動作を説明する。超電導体冷却システム1の動作は、おおまかに、(1)内部超電導体10への通電前に、内部超電導体10及び超電導体20をそれぞれ目標設定温度近傍まで冷却する「冷却段階」、(2)内部超電導体10への通電時、内部超電導体10及び超電導体20のそれぞれの温度を維持する「運転段階」、及び(3)内部超電導体10への通電が終了した後、内部超電導体10及び超電導体20を昇温する「昇温段階」、に区分けされる。更に、本実施の形態によれば、上記(1)の冷却段階は、「初期冷却段階」と、初期冷却段階の後の「終期冷却段階」に区分けされる。尚、下記説明において、内部超電導体10の目標設定温度(第1温度)は20Kであり、超電導体20の目標設定温度(第2温度)は60Kである。
【0025】
(初期冷却時の動作)
図3は、初期冷却時の動作を示す概略図である。初期冷却時、第1冷却装置100及び第2冷却装置200がONし、ヒータ300がOFFする。更に、本実施の形態によれば、第1熱伝導スイッチSW1がONする。これにより、第1冷却導体110と第2冷却導体210とが接続され、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間で熱伝導が可能となる。その結果、内部超電導体10は、第1冷却導体110及び第2冷却導体210の両方を通して冷却(抜熱)される。すなわち、内部超電導体10の初期冷却において、第1冷却装置100だけでなく、本来的に超電導体20の冷却に用いられる第2冷却装置200も併せて使用される。最低到達温度は低いが冷却能力は小さい第1冷却装置100と、最低到達温度は高いが冷却能力は大きい第2冷却装置200とが併用されるため、冷却能力が向上し、初期冷却をより短時間で実施することが可能となる。
【0026】
第1熱伝導スイッチSW1は、オペレータにより手動でONされてもよい。
【0027】
あるいは、第1熱伝導スイッチSW1は、自動的にONされてもよい。例えば、第1温度センサ120は、第1冷却導体110の温度T1を検出し、その温度T1に応じた第1スイッチ信号S1を出力する。第2温度センサ220は、第2冷却導体210の温度T2を検出し、その温度T2に応じた第2スイッチ信号S2を出力する。第1熱伝導スイッチSW1は、第1スイッチ信号SW1あるいは第2スイッチ信号S2に応答してON/OFFする。例えば、第1冷却導体110の温度T1が所定の温度(例:60K)より高い場合、第1温度センサ120は、第1スイッチ信号S1を活性化する。そして、第1スイッチ信号S1が活性化されている間、第1熱伝導スイッチSW1はONする。あるいは、第2冷却導体210の温度T2が所定の温度(例:90K)より高い場合、第2温度センサ220は、第2スイッチ信号S2を活性化する。そして、第2スイッチ信号S2が活性化されている間、第1熱伝導スイッチSW1はONする。
【0028】
あるいは、第1熱伝導スイッチSW1はバイメタルで形成されてもよい。例えば、そのバイメタルは、第1冷却導体110と接触するように形成される。第1冷却導体110の温度T1が所定の温度(例:60K)より高い場合、そのバイメタルは第2冷却導体210とも接触する。これにより、第1熱伝導スイッチSW1がONする。あるいは、バイメタルは、第2冷却導体210と接触するように形成される。第2冷却導体210の温度T2が所定の温度(例:90K)より高い場合、そのバイメタルは第1冷却導体110とも接触する。これにより、第1熱伝導スイッチSW1がONする。
【0029】
(終期冷却時及び運転時の動作)
図4は、終期冷却時及び運転時の動作を示す概略図である。図4に示されるように、第1熱伝導スイッチSW1はOFFする。これにより、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間の接続が切断され、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間の熱伝導が防止される。この時、内部超電導体10は、第1冷却装置100によって第1冷却導体110を通して冷却(抜熱)される。また、超電導体20は、第2冷却装置200によって第2冷却導体210を通して冷却(抜熱)される。
【0030】
第1冷却導体110及び内部超電導体10が第1温度(20K)の近傍まで冷却され、第2冷却導体210及び超電導体20が第2温度(60K)の近傍まで冷却されると、終期冷却は終了する。その後、内部超電導体10には、外部電源60から電流リード30を通して電流が供給される。内部超電導体10への通電時(運転段階)、第1熱伝導スイッチSW1はOFFのままである。内部超電導体10の温度は第1冷却装置100によって維持され、超電導体20の温度は第2冷却装置200によって維持される。
【0031】
第1熱伝導スイッチSW1は、オペレータにより手動でOFFされてもよい。
【0032】
あるいは、第1熱伝導スイッチSW1は、自動的にOFFされてもよい。例えば、第1冷却導体110の温度T1が所定の温度(例:60K=超電導体20の目標設定温度)以下になると、第1温度センサ120は、第1スイッチ信号S1を非活性化する。そして、第1スイッチ信号S1の非活性化に応答して、第1熱伝導スイッチSW1がOFFする。あるいは、第2冷却導体210の温度T2が所定の温度(例:90K)以下になると、第2温度センサ220は第2スイッチ信号S2を非活性化する。そして、第2スイッチ信号S2の非活性化に応答して、第1熱伝導スイッチSW1がOFFする。
【0033】
あるいは、第1熱伝導スイッチSW1はバイメタルで形成されてもよい。例えば、そのバイメタルは、第1冷却導体110と接触するように形成される。第1冷却導体110の温度T1が所定の温度(例:60K)以下になると、そのバイメタルは第2冷却導体210から離れる。これにより、第1熱伝導スイッチSW1がOFFする。あるいは、バイメタルは、第2冷却導体210と接触するように形成される。第2冷却導体210の温度T2が所定の温度(例:90K)以下になると、そのバイメタルは第1冷却導体110から離れる。これにより、第1熱伝導スイッチSW1がOFFする。
【0034】
(昇温時の動作)
図5は、昇温時の動作を示す概略図である。昇温時、第1冷却装置100及び第2冷却装置200がOFFし、ヒータ300がONする。更に、本実施の形態によれば、第1熱伝導スイッチSW1がONする。これにより、第1冷却導体110と第2冷却導体210とが接続され、第1冷却導体110と第2冷却導体210との間で熱伝導が可能となる。電流リード30を通した侵入熱及びヒータ300が発生する熱により、第1冷却導体110、第2冷却導体210、内部超電導体10、及び超電導体20の温度が上昇する。
【0035】
第1熱伝導スイッチSW1は、オペレータにより手動でONされてもよい。あるいは、第1熱伝導スイッチSW1は、自動的にONされてもよい。
【0036】
1−3.効果
本実施の形態によれば、内部超電導体10の初期冷却において、最低到達温度は低いが冷却能力は小さい第1冷却装置100と、最低到達温度は高いが冷却能力は大きい第2冷却装置200とが併用される。そのため、冷却装置の能力を増強したり、冷却設備を増設することなく、内部超電導体10の冷却時間を短縮することが可能となる。すなわち、コストを増加させることなく、内部超電導体10の稼動開始までの時間を短縮することが可能となる。
【0037】
2.第2の実施の形態
2−1.構成
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る超電導体冷却システム1の構成を示す概略図である。第1の実施の形態と重複する説明は適宜省略される。
【0038】
図6に示されるように、本実施の形態によれば、第2冷却導体210上に第2熱伝導スイッチSW2が更に設けられる。より詳細には、第2冷却導体210は、第2冷却装置200側に位置する冷却装置接続部210A、電流リード30の超電導体20側に位置する電流リード接続部210B、及び冷却装置接続部210Aと電流リード接続部210Bとの間に接続された第2熱伝導スイッチSW2を有している。第2熱伝導スイッチSW2は、第1熱伝導スイッチSW1と同様の構成を有し、冷却装置接続部210Aと電流リード接続部210Bとの間の熱伝導をON/OFFする。第2熱伝導スイッチSW2は、図2で示されたような構成を有していてもよいし、温度に依存して形状や変位が変わるバイメタルで形成されてもよい。
【0039】
第1熱伝導スイッチSW1は、第1冷却導体110と第2冷却導体210の冷却装置接続部210Aとの間に接続されている。第1熱伝導スイッチSW1は、第1の実施の形態と同様の構成を有し、第1冷却導体110と冷却装置接続部210Aとの間の熱伝導をON/OFFする。
【0040】
第1温度センサ120は、第1冷却導体110の温度T1を検出し、その温度T1に応じた第1スイッチ信号S1を出力する。第2温度センサ220は、第2冷却導体210の冷却装置接続部210Aの温度T2を検出し、その温度T2に応じた第2スイッチ信号S2を出力する。
【0041】
2−2.動作
(初期冷却時の動作)
図7は、初期冷却時の動作を示す概略図である。初期冷却時、第1冷却装置100及び第2冷却装置200がONし、ヒータ300がOFFする。更に、本実施の形態によれば、第1熱伝導スイッチSW1がONし、第2熱伝導スイッチSW2がOFFする。これにより、第1冷却導体110と冷却装置接続部210Aとが接続され、第1冷却導体110と冷却装置接続部210Aとの間で熱伝導が可能となる。また、冷却装置接続部210Aと電流リード接続部210Bとの間の接続が切断され、冷却装置接続部210Aと電流リード接続部210Bとの間の熱伝導が防止される。
【0042】
その結果、内部超電導体10は、第1冷却導体110及び冷却装置接続部210Aの両方を通して冷却(抜熱)される。すなわち、内部超電導体10の初期冷却において、第1冷却装置100だけでなく、本来的に超電導体20の冷却に用いられる第2冷却装置200も併せて使用される。第1冷却装置100と第2冷却装置200が併用されるため、冷却能力が向上し、初期冷却をより短時間で実施することが可能となる。更に、第2熱伝導スイッチSW2がOFFするため、第2冷却装置200と電流リード30との間の接続が切断される。その結果、第2冷却装置200は、電流リード30を通した侵入熱の影響を受けなくなり、第2冷却装置200の冷却能力の全てを内部超電導体10の冷却に使用することが可能となる。従って、内部超電導体10の冷却時間を更に短縮することが可能となる。
【0043】
第1熱伝導スイッチSW1及び第2熱伝導スイッチSW2は、オペレータにより手動でそれぞれON及びOFFされてもよい。
【0044】
あるいは、第1熱伝導スイッチSW1及び第2熱伝導スイッチSW2は、自動的にそれぞれON及びOFFされてもよい。例えば、第1冷却導体110の温度T1が所定の温度(例:60K)より高い場合、第1温度センサ120は、第1スイッチ信号S1を活性化する。そして、第1スイッチ信号S1が活性化されている間、第1熱伝導スイッチSW1はONする。また、冷却装置接続部210Aの温度T2が所定の温度(例:90K)より高い場合、第2温度センサ220は、第2スイッチ信号S2を非活性化する。そして、第2スイッチ信号SW2が非活性化されている間、第2熱伝導スイッチSW2はOFFする。あるいは、第1熱伝導スイッチSW1と第2熱伝導スイッチSW2の両方が第2スイッチ信号S2によって制御されてもよい。その場合、第2スイッチ信号S2が非活性化されている間、第1熱伝導スイッチSW1がONし、第2熱伝導スイッチSW2がOFFする。
【0045】
あるいは、第1の実施の形態で説明されたように、第1熱伝導スイッチSW1はバイメタルで形成されてもよい。また、第1熱伝導スイッチSW1と同様に、第2熱伝導スイッチSW2もバイメタルで形成されてもよい。その場合、そのバイメタルは、冷却装置接続部210Aと接触するように形成される。冷却装置接続部210Aの温度T2が所定の温度(例:90K)より高い場合、そのバイメタルは電流リード接続部210Bから離れている。これにより、第2熱伝導スイッチSW2がOFFする。
【0046】
(終期冷却時及び運転時の動作)
図8は、終期冷却時及び運転時の動作を示す概略図である。図8に示されるように、第1熱伝導スイッチSW1はOFFし、第2熱伝導スイッチSW2はONする。これにより、第1冷却導体110と冷却装置接続部210Aとの間の接続が切断され、第1冷却導体110と冷却装置接続部210Aとの間の熱伝導が防止される。また、冷却装置接続部210Aと電流リード接続部210Bとが接続され、冷却装置接続部210Aと電流リード接続部210Bとの間で熱伝導が可能となる。この時、内部超電導体10は、第1冷却装置100によって第1冷却導体110を通して冷却(抜熱)される。また、超電導体20は、第2冷却装置200によって第2冷却導体210を通して冷却(抜熱)される。
【0047】
第1冷却導体110及び内部超電導体10が第1温度(20K)の近傍まで冷却され、第2冷却導体210及び超電導体20が第2温度(60K)の近傍まで冷却されると、終期冷却は終了する。その後、内部超電導体10には、外部電源60から電流リード30を通して電流が供給される。内部超電導体10への通電時(運転段階)、第1熱伝導スイッチSW1はOFFのままであり、第2熱伝導スイッチSW2はONのままである。内部超電導体10の温度は第1冷却装置100によって維持され、超電導体20の温度は第2冷却装置200によって維持される。
【0048】
第1熱伝導スイッチSW1及び第2熱伝導スイッチSW2は、オペレータにより手動でそれぞれOFF及びONされてもよい。
【0049】
あるいは、第1熱伝導スイッチSW1及び第2熱伝導スイッチSW2は、自動的にそれぞれOFF及びONされてもよい。例えば、第1冷却導体110の温度T1が所定の温度(例:60K=超電導体20の目標設定温度)以下になると、第1温度センサ120は、第1スイッチ信号S1を非活性化する。そして、第1スイッチ信号S1の非活性化に応答して、第1熱伝導スイッチSW1がOFFする。また、冷却装置接続部210Aの温度T2が所定の温度(例:90K)以下になると、第2温度センサ220は、第2スイッチ信号S2を活性化する。そして、第2スイッチ信号SW2の活性化に応答して、第2熱伝導スイッチSW2がONする。あるいは、第1熱伝導スイッチSW1と第2熱伝導スイッチSW2の両方が第2スイッチ信号S2によって制御されてもよい。その場合、第2スイッチ信号S2の活性化に応答して、第1熱伝導スイッチSW1がOFFし、第2熱伝導スイッチSW2がONする。
【0050】
あるいは、第1の実施の形態で説明されたように、第1熱伝導スイッチSW1はバイメタルで形成されてもよい。また、第1熱伝導スイッチSW1と同様に、第2熱伝導スイッチSW2もバイメタルで形成されてもよい。その場合、そのバイメタルは、冷却装置接続部210Aと接触するように形成される。冷却装置接続部210Aの温度T2が所定の温度(例:90K)以下になると、そのバイメタルは電流リード接続部210Bとも接触する。これにより、第2熱伝導スイッチSW2がONする。
【0051】
(昇温時の動作)
図9は、昇温時の動作を示す概略図である。昇温時、第1冷却装置100及び第2冷却装置200がOFFし、ヒータ300がONする。更に、本実施の形態によれば、第1熱伝導スイッチSW1及び第2熱伝導スイッチSW2がONする。これにより、第1冷却導体110と冷却装置接続部210Aとが接続され、第1冷却導体110と冷却装置接続部210Aとの間で熱伝導が可能となる。また、冷却装置接続部210Aと電流リード接続部210Bとが接続され、冷却装置接続部210Aと電流リード接続部210Bとの間で熱伝導が可能となる。電流リード30を通した侵入熱及びヒータ300が発生する熱により、第1冷却導体110、第2冷却導体210、内部超電導体10、及び超電導体20の温度が上昇する。
【0052】
第1熱伝導スイッチSW1及び第2熱伝導スイッチSW2は、オペレータにより手動でONされてもよい。あるいは、第1熱伝導スイッチSW1及び第2熱伝導スイッチSW2は、自動的にONされてもよい。
【0053】
2−3.効果
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じ効果が得られる。更に、初期冷却において、第2熱伝導スイッチSW2がOFFするため、第2冷却装置200と電流リード30との間の接続が切断される。その結果、第2冷却装置200は、電流リード30を通した侵入熱の影響を受けなくなり、第2冷却装置200の冷却能力の全てを内部超電導体10の冷却に使用することが可能となる。従って、内部超電導体10の冷却時間を更に短縮することが可能となる。すなわち、内部超電導体10の稼動開始までの時間を更に短縮することが可能となる。
【0054】
本発明は、超電導SMES(Super Conducting Magnetic Energy Storage)、超電導ケーブル、超電導変圧器、超電導発電機、超電導電動機等に適用され得る。
【0055】
以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る超電導体冷却システムの構成を示す概略図である。
【図2】図2は、熱伝導スイッチの一例を示している。
【図3】図3は、第1の実施の形態における初期冷却時の動作を示す概略図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態における終期冷却時及び運転時の動作を示す概略図である。
【図5】図5は、第1の実施の形態における昇温時の動作を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態に係る超電導体冷却システムの構成を示す概略図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態における初期冷却時の動作を示す概略図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態における終期冷却時及び運転時の動作を示す概略図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態における昇温時の動作を示す概略図である。
【符号の説明】
【0057】
1 熱伝導体冷却システム
2 真空遮熱容器
10 内部超電導体(第1超電導体)
20 超電導体(第2超電導体)
30 電流リード
30−1 常電導電流リード
30−2 超電導電流リード
40 導電体
50 導電体
60 外部電源
100 第1冷却装置
110 第1冷却導体
120 第1温度センサ
200 第2冷却装置
210 第2冷却導体
210A 冷却装置接続部
210B 電流リード接続部
220 第2温度センサ
300 ヒータ
SW1 第1熱伝導スイッチ
SW2 第2熱伝導スイッチ
S1 第1スイッチ信号
S2 第2スイッチ信号
NT 常温領域
ELT 極低温領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1超電導体と、
前記第1超電導体の冷却に用いられる第1冷却導体と、
前記第1冷却導体を第1温度に冷却する第1冷却装置と、
前記第1超電導体に電流を供給し、前記電流の経路の一部が第2超電導体で形成された電流リードと、
前記第2超電導体の冷却に用いられる第2冷却導体と、
前記第2冷却導体を第2温度に冷却する第2冷却装置と、
前記第1冷却導体と前記第2冷却導体との間に接続され、前記第1冷却導体と前記第2冷却導体との間の熱伝導をON/OFFする第1熱伝導スイッチと
を備える
超電導体冷却システム。
【請求項2】
請求項1に記載の超電導体冷却システムであって、
前記第1超電導体に前記電流が供給される前の初期冷却期間において、前記第1熱伝導スイッチがONし、
前記初期冷却期間の終了後、前記第1熱伝導スイッチがOFFする
超電導体冷却システム。
【請求項3】
請求項2に記載の超電導体冷却システムであって、
更に、前記第1冷却導体の温度を検出する第1温度センサを備え、
前記第1冷却導体の温度が所定の温度以下になると、前記第1温度センサは第1スイッチ信号を非活性化し、
前記第1熱伝導スイッチは、前記第1スイッチ信号の非活性化に応答してOFFする
超電導体冷却システム。
【請求項4】
請求項2に記載の超電導体冷却システムであって、
更に、前記第2冷却導体の温度を検出する第2温度センサを備え、
前記第2冷却導体の温度が所定の温度以下になると、前記第2温度センサは第2スイッチ信号を非活性化し、
前記第1熱伝導スイッチは、前記第2スイッチ信号の非活性化に応答してOFFする
超電導体冷却システム。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか一項に記載の超電導体冷却システムであって、
前記第1超電導体への前記電流の供給が終了した後の昇温期間において、前記第1熱伝導スイッチがONする
超電導体冷却システム。
【請求項6】
請求項1に記載の超電導体冷却システムであって、
前記第2冷却導体は、
前記第2超電導体側に位置する電流リード接続部と、
前記第2冷却装置側に位置する冷却装置接続部と
前記電流リード接続部と前記冷却装置接続部との間に接続され、前記電流リード接続部と前記冷却装置接続部との間の熱伝導をON/OFFする第2熱伝導スイッチと
を有し、
前記第1熱伝導スイッチは、前記第1冷却導体と前記冷却装置接続部との間に接続され、前記第1冷却導体と前記冷却装置接続部との間の熱伝導をON/OFFする
超電導体冷却システム。
【請求項7】
請求項6に記載の超電導体冷却システムであって、
前記第1超電導体に前記電流が供給される前の初期冷却期間において、前記第1熱伝導スイッチがONし、前記第2熱伝導スイッチがOFFし、
前記初期冷却期間の終了後、前記第1熱伝導スイッチがOFFし、前記第2熱伝導スイッチがONする
超電導体冷却システム。
【請求項8】
請求項7に記載の超電導体冷却システムであって、
更に、前記第1冷却導体の温度を検出する第1温度センサを備え、
前記第1冷却導体の温度が所定の温度以下になると、前記第1温度センサは第1スイッチ信号を非活性化し、
前記第1熱伝導スイッチは、前記第1スイッチ信号の非活性化に応答してOFFする
超電導体冷却システム。
【請求項9】
請求項8に記載の超電導体冷却システムであって、
更に、前記冷却装置接続部の温度を検出する第2温度センサを備え、
前記冷却装置接続部の温度が所定の温度以下になると、前記第2温度センサは第2スイッチ信号を活性化し、
前記第2熱伝導スイッチは、前記第2スイッチ信号の活性化に応答してONする
超電導体冷却システム。
【請求項10】
請求項7に記載の超電導体冷却システムであって、
更に、前記冷却装置接続部の温度を検出する第2温度センサを備え、
前記冷却装置接続部の温度が所定の温度以下になると、前記第2温度センサは第2スイッチ信号を活性化し、
前記第1熱伝導スイッチは、前記第2スイッチ信号の活性化に応答してOFFし、
前記第2熱伝導スイッチは、前記第2スイッチ信号の活性化に応答してONする
超電導体冷却システム。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか一項に記載の超電導体冷却システムであって、
前記第1超電導体への前記電流の供給が終了した後の昇温期間において、前記第1熱伝導スイッチ及び前記第2熱伝導スイッチがONする
超電導体冷却システム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の超電導体冷却システムであって、
前記第1温度は前記第2温度より低い
超電導体冷却システム。
【請求項13】
超電導体冷却システムにおける超電導体冷却方法であって、
前記超電導体冷却システムは、
第1超電導体と、
前記第1超電導体の冷却に用いられる第1冷却導体と、
前記第1冷却導体を第1温度に冷却する第1冷却装置と、
前記第1超電導体に電流を供給し、前記電流の経路の一部が第2超電導体で形成された電流リードと、
前記第2超電導体の冷却に用いられる第2冷却導体と、
前記第2冷却導体を第2温度に冷却する第2冷却装置と
を備え、
前記超電導体冷却方法は、
前記第1超電導体に前記電流が供給される前に、前記第1冷却導体と前記第2冷却導体とを接続し、前記第1超電導体の初期冷却を行う第1冷却ステップと、
前記第1冷却ステップの後に、前記第1冷却導体と前記第2冷却導体との間の接続を切断し、前記第1超電導体及び前記第2超電導体をそれぞれ前記第1温度及び前記第2温度まで冷却する第2冷却ステップと
を含む
超電導体冷却方法。
【請求項14】
請求項13に記載の超電導体冷却方法であって、
前記第2冷却導体は、
前記第2超電導体側に位置する電流リード接続部と、
前記第2冷却装置側に位置する冷却装置接続部と
を含み、
前記第1冷却ステップは、
前記第1冷却導体と前記冷却装置接続部とを接続するステップと、
前記電流リード接続部と前記冷却装置接続部との間の接続を切断するステップと
を含み、
前記第2冷却ステップは、
前記第1冷却導体と前記冷却装置接続部との間の接続を切断するステップと、
前記電流リード接続部と前記冷却装置接続部とを接続するステップと
を含む
超電導体冷却方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の超電導体冷却方法であって、
前記第1温度は前記第2温度より低い
超電導体冷却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−109187(P2010−109187A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280366(P2008−280366)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】