説明

超電導線材の電極部接合構造、超電導線材、及び超電導コイル

【課題】電極付近の温度上昇を抑制することのできる超電導線材の電極部接合構造、電極付近における常電導転移の発生を抑制することができ、焼損が起こらないようにすることができる超電導線材および超電導コイルの提供。
【解決手段】本発明の超電導線材の電極部接合構造10は、基材11と、基材11上に設けられた超電導層17と、超電導層17上に設けられた導電層19とを備える超電導線材1と、超電導線材1端部1aの導電層19上に設けられた電極3と、基材11と、基材11上に設けられた超電導層17と、超電導層17上に設けられた導電層19とを備え、電極3の少なくとも一部を覆うように設けられるカバー用超電導テープ2とを有し、カバー用超電導テープ2の導電層19が、電極側3とされており、電極3と超電導線材1とカバー用超電導テープ2とが、電気的に接続されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導線材の電極部接合構造、超電導線材、及び超電導コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超電導体を線材に加工した超電導線材を用いた電力応用機器として、種々の機器装置の開発が進められている。例えば、超電導磁気エネルギー貯蔵装置(Superconducting Magnetic Energy Storage、以下、SMESと略称する)は、他のエネルギー貯蔵装置と比べて、エネルギー出入速度が速い等の特徴を有しており、精力的に開発が進められている。また、変圧器に代表される交流コイル、電動機や発電機に代表される超電導回転機、常電導時高抵抗線材を使用した限流器等の開発も進められている。このような超電導体としては、金属系超電導体や酸化物系超電導体が知られている。
【0003】
NbTiやNbSn等の金属系超電導体は、4.2K程度の極低温まで冷却しなければ超電導状態を得ることができないため、冷却コストが高く、実用化の弊害となっている。また、金属系超電導体は、臨界電流を越える電流が流れると即座に常電導転移を起こし、超電導状態を維持することができないことが知られている。そのため、このような金属系超電導体を線材に加工してコイル体とし、SMESに応用すると、線材に臨界電流を超える電流が流れると該線材が即座に常電導転移を起こし、コイルに蓄積されていたエネルギーが放出されてしまうという問題がある。
【0004】
一方、Bi(ビスマス)系やY(イットリウム)系の酸化物超電導線材を用いた場合は、超電導線材の超電導転移温度が比較的高く、線材を超電導状態にするための冷却材として77.3Kの液体窒素を用いることができるため、冷却コストを大幅に低減することが可能である。また、Bi系やY系の酸化物超電導線材の場合は、臨界電流を超える電流を流しても磁束流領域と称される温度範囲であれば、常電導転移を生じることなく超電導状態を維持することができる。そこで、このような酸化物超電導線材の利点を活かした応用が期待されている。
【0005】
近年では、テープ状のY系酸化物超電導線材では、テープ幅が5mmで、液体窒素により77.3Kまで冷却し、外部磁場0Tとした場合の臨界電流が約100〜300Aという超電導特性を有するものが入手可能となっている。このような酸化物超電導線材は、例えば、パンケーキ型のコイル(パンケーキコイル)等として利用することができる。このパンケーキコイルは、テープ状の酸化物超電導線材を筒状の巻枠に同心円状に巻回して形成されるものであり、超電導線材の始端部および終端部に、夫々、外部接続用電極が取り付けられた超電導コイルが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−140930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の超電導コイルは、一面側が超電導層側、他面側が基板側とされる多層構造の薄膜超電導線材を巻回してなるパンケーキコイルにおいて、薄膜超電導線材の最内周ターンの先端内周面に内電極、最外周ターンの先端外周面に外電極が取り付けられている。
しかしながら、特許文献1に記載されるような構造の超電導コイルに、外部励磁用電源から電極を通して通電を行うと、外部からの浸入熱および接続部の発熱による電極付近の温度上昇に起因し、電極付近の超電導体が超電導状態から常電導状態へと遷移する常電導転移を生じ、焼損を引き起こすかもしれないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、電極付近の温度上昇を抑制することのできる超電導線材の電極部接合構造、電極付近における常電導転移の発生を抑制することができ、焼損が起こらないようにすることができる超電導線材および超電導コイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の超電導線材の電極部接合構造は、基材と、該基材上に設けられた超電導層と、該超電導層上に設けられた導電層とを備える超電導線材と、前記超電導線材端部の前記導電層上に設けられた電極と、基材と、該基材上に設けられた超電導層と、該超電導層上に設けられた導電層とを備え、前記電極の少なくとも一部を覆うように設けられるカバー用超電導テープと、を有し、前記カバー用超電導テープの前記導電層が、前記電極側とされており、前記電極と前記超電導線材と前記カバー用超電導テープとが、電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の超電導線材の電極部接合構造において、前記超電導線材と、前記カバー用超電導テープと、前記電極との間隙には、緩衝部材が充填されていることが好ましい。
本発明の超電導線材の電極部接合構造において、前記緩衝部材は熱硬化性樹脂より形成されてなることも好ましい。
本発明の超電導線材の電極部接合構造において、前記電極と前記超電導線材と前記カバー用超電導テープとが、半田を介して電気的に接続されていることもできる。
また、本発明の超電導線材は、上記の電極部接合構造を備えることを特徴とする。
さらに、本発明の超電導コイルは、導電層側の表面を外側にして巻回された超電導線材より形成されたコイル体より構成され、上記電極部接合構造を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の超電導線材の電極部接合構造は、超電導線材の端部に設けられた電極の上面を覆うように、カバー用超電導テープを設け、超電導線材の安定化層(導電層)とカバー用超電導テープの安定化層(導電層)が、それぞれ、電極の上面と下面とに接合され、電極と超電導線材とカバー用超電導テープとが電気的に接続された構造とした。これにより、電極付近の超電導線材およびカバー用超電導テープのそれぞれに流れる電流は小さくなり、電極と超電導線材との接触抵抗により生じるジュール熱を小さくすることができる。従って、電極の温度上昇を抑えることができるので、電極付近の超電導線材の温度上昇および常電導転移を抑制することが可能であり、超電導線材の焼損が起こらないようにすることができる。
また、冷媒等により超電導線材が冷却される際には、その周囲の部材も伝導冷却される。そのため、本発明の超電導線材の電極部接合構造では、電極の一方の面に超電導線材、電極の他方の面にカバー用超電導テープを、それぞれ電極と電気的に接続するように配する構成とすることにより、従来の超電導線材の電極部接合構造と比較して、カバー用超電導テープも介して電極を効率的に冷却することが可能であり、外部からの侵入熱による電極の温度上昇を抑制して、超電導線材の常電導転移の発生を抑制し、焼損が起こらないようにすることができる。
【0011】
さらに、本発明の超電導線材の電極部接合構造は、超電導線材とカバー用超電導テープと電極とで形成される間隙に、緩衝部材が充填される構成とすることにより、曲げ、歪み等の機械的な力が加わった場合でも、超電導線材の特性が劣化することを防ぐことができる。また、上記のように緩衝部材が充填されていることにより、冷媒等により超電導線材およびカバー用超電導テープが冷却される際に、緩衝部材も伝導冷却されるので、電極をより効果的に冷却することができる。
本発明の超電導線材および超電導コイルは、上記本発明の電極部接合構造を備えることにより、伝導冷却の際に、電極を効率的に冷却することが可能であり、また、電極付近の超電導線材の温度上昇および常電導転移を抑制することが可能であり、焼損が起こらないようにするができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の超電導線材の電極部接合構造の一例を示す概略図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は上面図である。
【図2】図1に示す電極部接合構造が備える超電導線材の一例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の超電導コイルの一例を示す概略斜視図である。
【図4】カバー用超電導テープの基材表面の曲率半径rと臨界電流との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る超電導線材の電極部接合構造について説明する。
図1は、本発明に係る超電導線材の電極部接合構造の一実施形態を示す概略図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は上面図である。また、図2は、図1に示す電極部接合構造が備える超電導線材の一例を示す概略斜視図である。なお、図1(a)では、説明を簡単にするため、各超電導線材の一部の層を省略して示している。
【0014】
図1に示す超電導線材の電極部接合構造10は、超電導線材1と、超電導線材1上に設けられた電極3と、電極3の一部を覆うように超電導線材1上に設けられたカバー用超電導テープ2とを有している。
超電導線材1及びカバー用超電導テープ2は、それぞれ、テープ状の基材11と反対側の表面(後述する各安定化層19の表面)が電極3と接し、電気的に接続されるように配されている。また、超電導線材1とカバー用超電導テープ2と電極3とで形成される間隙には、緩衝部材4が充填されている。
【0015】
図2に示すように、超電導線材1は、テープ状の基材11の上にベッド層12と中間層15とキャップ層16と酸化物超電導層17とが積層されるとともに、酸化物超電導層(超電導層)17の上に安定化基層18と安定化層(導電層)19が積層され、全体が絶縁性の被覆層20で覆われて概略構成されている。なお、超電導線材1においてベッド層12は略することもできる。また、図1に示す如く、超電導線材1の端部側において被覆層20が除去され、被覆層20から引き出された電極接続端1a上に、電極3とカバー用超電導テープ2と緩衝部材4とが配されている。
【0016】
本実施形態の超電導線材1に適用できる基材11は、通常の超電導線材の基材として使用でき、高強度であれば良く、長尺のケーブルとするためにテープ状であることが好ましく、耐熱性の金属からなるものが好ましい。例えば、銀、白金、ステンレス鋼、銅、ハステロイ等のニッケル合金等の各種金属材料、もしくはこれら各種金属材料上にセラミックスを配したもの等が挙げられる。各種耐熱性の金属の中でも、ニッケル合金が好ましい。なかでも、市販品であれば、ハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)が好適であり、ハステロイとして、モリブデン、クロム、鉄、コバルト等の成分量が異なる、ハステロイB、C、G、N、W等のいずれの種類も使用できる。基材11の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は、10〜500μmである。
【0017】
ベッド層12は、耐熱性が高く、界面反応性を低減するためのものであり、その上に配される膜の配向性を得るために用いる。このようなベッド層12は、必要に応じて配され、例えば、イットリア(Y)、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al、「アルミナ」とも呼ぶ)等から構成される。このベッド層12は、例えばスパッタリング法等の成膜法により形成され、その厚さは例えば10〜200nmである。
また、本発明において、超電導線材1は図2に示す構造に限るものではなく、基材11とベッド層12との間に拡散防止層が介在された構造としても良い。拡散防止層は、基材11の構成元素拡散を防止する目的で形成されたもので、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al)、あるいは希土類金属酸化物等から構成され、その厚さは例えば10〜400nmである。なお、拡散防止層の結晶性は問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すればよい。
このように基材11とベッド層12との間に拡散防止層を介在させることにより、後述する中間層15やキャップ層16および酸化物超電導層17等の他の層を形成する際に、必然的に加熱されたり、熱処理される結果として熱履歴を受ける場合に、基材11の構成元素の一部がベッド層12を介して酸化物超電導層17側に拡散することを抑制するためであり、拡散防止層とベッド層12の2層構造とすることで、基材11側からの元素拡散を効果的に抑制することができる。基材11とベッド層12との間に拡散防止層を介在させる場合の例としては、拡散防止層としてAl、ベッド層12としてYを用いる組み合わせを例示することができる。
【0018】
中間層15は、単層構造あるいは複層構造のいずれでも良く、その上に積層される酸化物超電導層17の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から選択される。中間層15の好ましい材質として具体的には、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、AlO3、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。
この中間層15をイオンビームアシスト蒸着法(IBAD法)により良好な結晶配向性(例えば結晶配向度15゜以下)で成膜するならば、その上に形成するキャップ層16の結晶配向性を良好な値(例えば結晶配向度5゜前後)とすることができ、これによりキャップ層16の上に成膜する酸化物超電導層17の結晶配向性を良好なものとして優れた超電導特性を発揮できるようにすることができる。
【0019】
中間層15の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良いが、通常は、0.005〜2μmの範囲とすることができる。
中間層15は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法(以下、IBAD法と略記する)、化学気相成長法(CVD法)等の物理的蒸着法;熱塗布分解法(MOD法);溶射等、酸化物薄膜を形成する公知の方法で積層できる。特に、IBAD法で形成された前記金属酸化物層は、結晶配向性が高く、酸化物超電導層17やキャップ層16の結晶配向性を制御する効果が高い点で好ましい。IBAD法とは、蒸着時に、下地の蒸着面に対して所定の角度でイオンビームを照射することにより、結晶軸を配向させる方法である。通常は、イオンビームとして、アルゴン(Ar)イオンビームを使用する。例えば、GdZr、MgO又はZrO−Y(YSZ)からなる中間層15は、IBAD法における結晶配向度を表す指標であるΔΦ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
【0020】
キャップ層16は、中間層15の表面に対してエピタキシャル成長し、その後、横方向(面方向)に粒成長(オーバーグロース)して、結晶粒が面内方向に選択成長するという過程を経て形成されたものが好ましい。このようなキャップ層16は、前記金属酸化物層からなる中間層15よりも高い面内配向度が得られる。
キャップ層16の材質は、上記機能を発現し得るものであれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等が例示できる。キャップ層の材質がCeOである場合、キャップ層16は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
【0021】
このCeO層は、PLD法(パルスレーザ蒸着法)、スパッタリング法等で成膜することができるが、大きな成膜速度を得られる点でPLD法を用いることが望ましい。PLD法によるCeO層の成膜条件としては、基材温度約500〜1000℃、約0.6〜100Paの酸素ガス雰囲気中で行うことができる。
CeO層の膜厚は、50nm以上であればよいが、十分な配向性を得るには100nm以上が好ましく、500nm以上であれば更に好ましい。但し、厚すぎると結晶配向性が悪くなるので、500〜1000nmとすることが好ましい。
【0022】
酸化物超電導層17は公知のもので良く、具体的には、REBaCu(REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す)なる材質のものを例示できる。この酸化物超電導層17として、Y123(YBaCu7−X)又はGd123(GdBaCu7−X)などを例示することができる。また、その他の酸化物超電導体、例えば、BiSrCan−1Cu4+2n+δなる組成等に代表される臨界温度の高い他の酸化物超電導体からなるものを用いても良いのは勿論である。
酸化物超電導層17の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
酸化物超電導層17は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相成長法(CVD法)等の物理的蒸着法;熱塗布分解法(MOD法)等で積層することができ、なかでも生産性の観点から、TFA−MOD法(トリフルオロ酢酸塩を用いた有機金属堆積法、塗布熱分解法)、PLD法又はCVD法を用いることが好ましい。
このMOD法は、金属有機酸塩を塗布後熱分解させるもので、金属成分の有機化合物を均一に溶解した溶液を基材上に塗布した後、これを加熱して熱分解させることにより基材上に薄膜を形成する方法であり、真空プロセスを必要とせず、低コストで高速成膜が可能であるため長尺のテープ状酸化物超電導導体の製造に適している。
【0023】
ここで前述のように、良好な配向性を有するキャップ層16上に酸化物超電導層17を形成すると、このキャップ層16上に積層される酸化物超電導層17もキャップ層16の配向性に整合するように結晶化する。よってキャップ層16上に形成された酸化物超電導層17は、結晶配向性に乱れが殆どなく、この酸化物超電導層17を構成する結晶粒の1つ1つにおいては、基材11の厚さ方向に電気を流しにくいc軸が配向し、基材11の長さ方向にa軸どうしあるいはb軸どうしが配向している。従って得られた酸化物超電導層17は、結晶粒界における量子的結合性に優れ、結晶粒界における超電導特性の劣化が殆どないので、基材11の長さ方向に電気を流し易くなり、十分に高い臨界電流密度が得られる。
【0024】
酸化物超電導層17の上に積層されている安定化基層18はAgなどの良電導性かつ酸化物超電導層17と接触抵抗が低くなじみの良い金属材料からなる層として形成される。
安定化層19は、良導電性の金属材料からなり、酸化物超電導層17が超電導状態から常電導状態に遷移しようとした時に、安定化基層18とともに、酸化物超電導層17の電流が転流するバイパスとして機能する。
安定化層19を構成する金属材料としては、良導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、Cu等の比較的安価なものを用いるのが好ましい。これにより、材料コストを低く抑えながら安定化層19を厚膜化することが可能となり、事故電流に耐える超電導線材1を安価に得ることができる。
【0025】
図1に示す如く、以上のように構成された超電導線材1の端部である電極接続端1aにおいては、超電導線材1の安定化層19の表面に電極3が接合部5cを介して接合されている。さらに、電極3の一部を覆うように超電導線材1の電極接続端1a上にカバー用超電導テープ2が設けられている。
【0026】
電極3は、電極材料として従来公知の材料を用いることが可能であり、高い導電性を有する金属、例えば、金、白金、銀、銅、またはこれらの金属を少なくとも1種含む合金が挙げられ、中でも銅が好ましい。電極3のサイズは、後述するカバー用超電導テープ2への歪(曲がり)が大きくなり過ぎず、その超電導特性を著しく劣化させない範囲で、適宜調整可能である。また、電極3の超電導線材1の短手方向の長さは、図1(b)に示す如く、超電導線材1の幅よりも長く設定されており、後述するカバー用超電導テープ2により電極3の一部が覆われ、カバー用超電導テープ2により覆われずに露出した部分は、電極3と外部励磁用電源(図示略)を導通させるリード部3aとして機能する。このように、電極3とリード部3aとを1つの板状の金属(例えば、超電導線材1の線幅5mmの場合、幅20mm、長さ50mm、厚さ5mmの銅板を使用可能である。)より形成することにより、電極3へのリード部設置の工程を省くことが可能である。なお、電極3の一部または全部が、カバー用超電導テープ2により覆われるように設置し、別の導電性を有する材料により形成されるリード部を電極3と導通するように設けることも可能である。電極3にリード部を別に設ける場合、半田を介しての接合等、通常の接合方法により電極3にリード部を設ければよい。
【0027】
電極3と超電導線材1との接合部5cを介しての接合は、電気的および機械的に接続されていればよく、例えば、半田付け、超音波溶接、抵抗溶接、導電性接着剤等により接合することができる。電極3と超電導線材1とを接合する接合部5cとしては、汎用性、接合性、取り扱いの容易性の点で半田が好ましい。半田としては、特に限定されず、例えば、Pb−Sn系合金半田、Sn−Ag系合金、Sn−Bi系合金、Sn−Cu系合金、Sn−Zn系合金等の鉛フリー半田、共晶半田、低温半田等が挙げられ、これらの半田を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、融点が300℃以下の半田を用いるのが好ましい。これにより、300℃以下の温度で半田付けすることが可能となるので、半田付けの熱によって酸化物超電導層17の酸素が抜け、その特性が劣化するのを抑止することができる。
【0028】
カバー用超電導テープ2としては、超電導線材1と同様のものを用いることができる。ここで、超電導線材1とカバー用超電導テープ2とは、同じ層構成(設けられる層の種類および構成材料が同じ)であってもよく、異なる層構成であってもよいが、同じ層構成とする方が、超電導線材1の一部を切断して、或いは超電導線材1の端部を安定化層19が内側となるように折り曲げて、カバー用超電導テープ2として用いることができるため、簡便である。本実施形態では、カバー用超電導テープ2として、超電導線材1と同じ層構成のものを用いる場合を例にして説明する。カバー用超電導テープ2は、基材11とベッド層12と中間層15とキャップ層16と酸化物超電導層17と安定化基層18と安定化層(導電層)19とを備えている。
【0029】
カバー用超電導テープ2は、その安定化層19の表面が、超電導線材1の電極接続端1aの表面(超電導線材1の安定化層19の表面)および電極3の上面に対向して配されている。カバー用超電導テープ2の両端部の安定化層19の表面2a、2bは超電導線材1の安定化層19の表面に接合部5a、5bを介して接合されており、また、カバー用超電導テープ2の安定化層19の表面と電極3とは接合部5dを介して接合されている。
カバー用超電導テープ2と電極3との接合部5dを介した接合は、電気的および機械的に接続されていればよく、上述の超電導線材1と電極3との接合と同様の手法により行うことができ、接合部5dとしては接合部5cと同様のものが挙げられる。また、カバー用超電導テープ2の両端部の安定化層19の表面2a、2bと、超電導線材1の安定化層19の表面との接合部5a、5bを介した接合も同様の手法により行うことができ、接合5a、5bとしては接合部5cと同様のものが挙げられる。
【0030】
超電導線材1の安定化層19の表面と電極3の下面との接合(接合部5c)、および、カバー用超電導テープ2の安定化層19と電極3の上面との接合(接合部5d)は、半田付け等により同時に行うことが好ましい。これらの接合を同時に行うことにより、接続作業時間を短縮することができるので、接続部5c、5dが半田付け等により加熱されることにより酸化物超電導層17まで熱が伝わり、酸化物超電導体の酸素が抜けて超電導特性が劣化することを抑制することができる。また、これらの接合を同時に行うことにより、接合部5cが溶融して電極3が位置ズレするのを抑制することができる。なお、カバー用超電導テープ2を配設する際に、電極3と超電導線材1の安定化層19とが接合部5cを介して接合されているため、カバー用超電導テープ2の両端部の表面2a、2bと超電導線材1の表面のみを接合部5a、5bを介して接合させて、カバー用超電導テープ2と電極3との接合である接合部5dを省略することも可能である。この場合、カバー用超電導テープ2の安定化層19と電極3とが接触しており、この接触状態が保持され、カバー用超電導テープ2と電極3とが電気的に接続されるようにカバー用超電導テープ2が配置されていなければならない。
【0031】
超電導線材1とカバー用超電導テープ2との接合位置(カバー用超電導テープ2の両端部表面)2a、2bは、電極3とは十分に離間した距離とすることが好ましい。具体的には、カバー用超電導テープ2の基材11の表面11aの曲率半径rが11mmを超えるように、接合位置2a、2bを設定することが好ましい。曲率半径rが11mm以下の場合、カバー用超電導テープ2の曲がりが大きくなり、カバー用超電導テープ2の酸化物超電導層17に大きな歪を与えるため、カバー用超電導テープ2の酸化物超電導層17の超電導特性が劣化して接合性が低下する虞がある。また、電極3と接合位置2a、2bが近接しすぎるため、接合位置2a、2bの発熱と電極3の発熱とが重畳して超電導線材1の超電導特性が劣化してしまう可能性がある。
【0032】
従来公知の超電導線材の電極部接合構造は、超電導線材の端部に電極が設置されており、電極の接合面以外の面は外気に曝される構成となっていた。このような従来の構成の電極部接合構造を有する超電導線材および超電導コイルに対して伝導冷却を行うと、外部からの侵入熱や、電極と超電導線材との接続抵抗に起因するジュール熱の発生により電極の温度上昇が起こり、電極付近の超電導線材の温度が上昇することがあった。このように超電導線材の温度が上昇すると、電極付近の超電導線材において超電導状態から常電導状態へと常電導転移が生じてしまい、当該部分の抵抗が瞬時に大きくなることにより超電導線材の焼損を引き起こすかもしれない虞があった。
【0033】
これに対し、本発明に係る超電導線材の電極部接合構造10では、超電導線材1の端部に設けられた電極3の上面を覆うように、カバー用超電導テープ2を設け、超電導線材1の安定化層19とカバー用超電導テープ2の安定化層19を、それぞれ、電極3の上面と下面とに接合し、これらが電気的に接合した構造とした。これにより、電極3付近の超電導線材1およびカバー用超電導テープ2のそれぞれ1本当りに流れる電流は小さくなり、電極3と超電導線材1との接触抵抗により生じるジュール熱を小さくすることができる。従って、電極3の温度上昇を抑えることができるので、電極3付近の超電導線材1の温度上昇および常電導転移を抑制することが可能であり、超電導線材1の焼損が生じないようにすることができる。
また、伝導冷却の際には、超電導線材1が冷却されるため、本発明のように電極3の一方の面に超電導線材1、電極3の他方の面に超電導線材1と同様の構成のカバー用超電導テープ2を配する構成とすることにより、従来の超電導線材の電極部接合構造と比較して、電極3を効率的に冷却することが可能であり、外部からの侵入熱による電極3の温度上昇を抑制し、超電導線材1の常電導転移に起因する焼損を抑制することができる。
【0034】
本発明の超電導線材の電極部接合構造10では、図1(a)に示す如く、超電導線材1とカバー用超電導テープ2と電極3とで形成される間隙に、緩衝部材4が充填されていることが好ましい。緩衝部材4を充填することにより、特に、曲げ、歪み等の機械的な力が加わった場合でも、超電導線材1の特性が劣化することを防ぐことができる。さらに、このように緩衝部材4を充填することにより、冷媒等により超電導線材1およびカバー用超電導テープ2が冷却される際に、緩衝部材4も伝導冷却されるので、電極3をより効果的に冷却することができる。
【0035】
緩衝部材4としては、熱硬化性樹脂等より形成されることが好ましく、例えば、ガラス繊維入りのエポキシ系樹脂等が挙げられるが、超電導線材1と電極3とカバー用超電導テープ2との間隙を埋めて、電極部接合構造10の機械的強度を高めることができるものであればよい。緩衝部材4を熱硬化性樹脂より形成する場合、熱硬化性樹脂を加熱、硬化することにより、電極部3およびリード部3aを超電導線材1およびカバー用超電導テープ2と一体化することができ、機械的強度をより高めることができる。なお、緩衝部材4を熱硬化性樹脂より形成する場合は、超電導線材1と電極3とカバー用超電導テープ2との接合(電極−線材接合工程)を行った後に、超電導線材1と電極3とカバー用超電導テープ2との間隙に熱硬化性樹脂を充填させて、電極−線材接合工程の加熱温度よりも低い温度で熱硬化性樹脂を加熱して硬化させることが好ましい。具体的には、例えば、電極−線材接合工程において接合部5a〜5dの接合を180℃の半田付けにより行った後に、熱硬化性樹脂を前記間隙に充填して150℃、3時間加熱することにより緩衝部材4を形成することができる。緩衝部材4の形成工程の温度を、電極−線材接合工程の温度よりも低く設定することにより、電極3の接合が溶融して位置ズレするのを抑制することができる。
【0036】
次に、本発明に係る超電導線材の一実施形態について説明する。
本発明の超電導線材10Aは、前述した超電導線材の電極部接合構造10をその端部に備えることを特徴とする。本発明の超電導線材10Aの端部は、図1に示す電極部接合構造10と同じ層構成および構造であり、端部以外の部分では、図2に示す超電導線材1と同様の層構成および構造となっている。
【0037】
本発明の超電導線材10Aは、本発明の電極部接合構造10を備えることにより、伝導冷却の際に、電極3を効率的に冷却することが可能であり、また、電極3付近の超電導線材1の温度上昇および常電導転移を抑制することが可能であるため、焼損が起こらないようにするができる。
【0038】
続いて、本発明に係る超電導コイルの一実施形態について説明する。
図3は、本発明の超電導コイル100の一実施形態を示す概略斜視図である。
超電導コイル100は、第1のコイル体101、第2のコイル体102、第3のコイル体103および第4のコイル体104が、順次同軸的に積層されて構成されている。
第1のコイル体101は、超電導線材10Aが安定化層19の表面を外側として、巻枠107に同心円状、時計回りに多数巻回されて構成されたパンケーキ型のコイル体である。第2のコイル体102は、超電導線材1が安定化層19側を外側として、巻枠107に同心円状、反時計回りに多数巻回されて構成されたパンケーキ型のコイル体であり、第1のコイル体101の上方に、絶縁性のプリプレグシートなどより構成される仕切り枠106を介して積層されている。第3のコイル体103は、超電導線材1が安定化層19側を外側として、巻枠107に同心円状、時計回りに多数巻回されて構成されたパンケーキ型のコイル体であり、第2のコイル体102の上方に、仕切り枠106を介して積層されている。第4のコイル体104は、超電導線材10Aが安定化層19の表面を外側として、巻枠107に同心円状、反時計回りに多数巻回されて構成されたパンケーキ型のコイル体であり、第3のコイル体103の上方に、仕切り枠106を介して積層されている。
【0039】
第1のコイル体101は、巻回終端である外周端部に電極部接合構造10を備えており、超電導線材1上に配された電極3はカバー用超電導テープ2によりその一部が覆われ、超電導線材1と電極3とカバー用超電導テープ2とが電気的に接続された構造となっており、電極3と一体形成されたリード部3aは図示略の外部励磁用電源に接続されている。第4のコイル体101も、第1のコイル体101と同様に、その外周端部に電極部接合構造10を備えており、カバー用超電導テープ2により覆われた電極3および電極3と一体形成されたリード部3aとを有する。第2のコイル体102の外周端部102aおよび第3のコイル体103の端部103aは、それぞれ、図2に示す超電導線材1の被覆層20が除去され、被覆層20から引き出され安定化層19が外側に露出した構造となっており、各端部102a、103a同士が隣接するように配置されている。そして、各端部102a、103aの各安定化層19上には銅等の導電性の高い材料よりなる接続板105が配置され、第2のコイル体102と第3のコイル体103とを、電気的および機械的に接続している。また、第1のコイル体101の内周端部と第2のコイル体102の内周端部、および、第3のコイル体103の内周端部と第4のコイル体104の内周端部においても同様に、接続板105により各コイル体の内周端部が電気的および機械的に接続されている。このような構造の超電導コイル100は、第1のコイル体101〜第4のコイル体104が電気的に接続されており、例えば、第1のコイル体101の電極3に励磁電流を入力すると、励磁電流が第1のコイル体101、第2のコイル体102、第3のコイル体103、第4のコイル体104へと順次流れ、第4のコイル体104の電極3より出力される。
【0040】
本発明の超電導コイル100は、本発明の電極部接合構造10を備えることにより、液体窒素への浸漬冷却や冷凍機伝導冷却などにより超電導コイル100を冷却する際に、電極3を効率的に冷却することが可能であり、また、電極3付近の超電導線材1の温度上昇および常電導転移を抑制することが可能であるため、焼損が起こらないようにすることができる。
なお、本実施形態においては、パンケーキ型のコイル体を4個積層させた超電導コイル100を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1〜3個のコイル体より形成されていても良いし、5個以上のコイル体より形成されていてもよい。
また、各コイル体は、超電導線材1または10Aをプリプレグテープ等の含浸固定の役割を兼ねた絶縁テープと重ねて巻枠107に巻回させてパンケーキ型のコイル体とし、これを加熱処理して一体的に固化することにより形成してもよい。コイル体の含浸固定方法は、プリプレグテープによる含浸の他、真空加圧含浸、超電導線材1または10Aの巻回時の含浸樹脂塗布による含浸などでもよい。
【0041】
以上、本発明の超電導線材の電極部接合構造、超電導線材および超電導コイルについて説明したが、上記実施形態において、超電導線材の電極部接合構造の各部、超電導線材の各部、超電導コイルを構成する各部は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【実施例】
【0042】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
幅5mm、厚さ0.1mmのテープ状のハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)製の基材上に、イオンビームアシストスパッタ法(IBAD法)により1.2μm厚のGdZr(GZO;中間層)を形成した上に、パルスレーザー蒸着法(PLD法)により1.0μm厚のCeO(キャップ層)を成膜した。次いでCeO層上にPLD法により1.0μm厚のGdBaCu(超電導層)を形成し、さらに超電導層上に5〜10μmの銀層(安定化基層)と0.1mm厚の銅層(安定化層)よりなる積層構造体を張り合わせて超電導線材を作製した。得られた超電導線材の端部の安定化層上に、幅20mm×長さ50mm×厚さ5mmの無酸素銅よりなる電極を、図1(b)に示すように配置し、この電極上に、上記で作製した超電導線材と同様の構成のカバー用超電導テープ(幅5mm、長さ15cm)を、カバー用超電導線材の基材表面の曲率半径rが85mmとなるように配置して図1に示す構造の電極部接合構造を有する超電導線材を作製した。なお、超電導線材、電極、カバー用超電導テープの接合は、半田付け(Pb−Sn系合金半田;Sn60%、Pb40%、融点180℃)により行った。
【0043】
上記と同様に複数の超電導線材および図1に示す電極部接合構造を有する超電導線材を作製した後、これらの超電導線材より図3に示す構造の超電導コイルを作製した。
得られた超電導コイルを冷凍機により伝導冷却(冷却温度30K)し、励磁電流を超電導コイルに流したところ、電極および電極付近の超電導線材が発熱することなく電気的に接続された。
【0044】
以上の結果より、本発明に係る超電導線材の電極部接合構造、超電導線材、および超電導コイルによれば、電極付近の超電導線材の温度上昇および常電導転移を抑制することが可能であるため、焼損を抑制するができることが明らかである。
【0045】
(実施例2)
カバー用超電導線材の基材表面の曲率半径rを6〜19mmに変更した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す構造の電極部接合構造を有する超電導線材を複数作製した。
得られた複数の超電導線材について、液体窒素温度(77K)における臨界電流(Ic)を測定し、カバー用超電導テープを接合する前の超電導線材の臨界電流(Ic0)に対する変化度(Ic/Ic0)を算出した。図4に、Ic/Ic0とカバー用超電導線材の基材表面の曲率半径r(mm)との関係を示す。
図4に示すように、カバー用超電導線材の基材表面の曲率半径rが11mm以下では、臨界電流が低下していた。これに対し、曲率半径rが11mmを超える場合は、臨界電流の低下しておらず、超電導特性の劣化を抑制することができることが確認された。
【符号の説明】
【0046】
1…超電導線材、1a…電極接続端、2…カバー用超電導テープ、3…電極、3a…リード部、4…緩衝部材、5a、5b、5c、5d…接合部、10…超電導線材の電極部接合構造、10A…超電導線材、11…基材、12…ベッド層、15…中間層、16…キャップ層、17…酸化物超電導層(超電導層)、18…安定化基層、19…安定化層(導電層)、100…超電導コイル、101…第1のコイル体、102…第2のコイル体、103…第3のコイル体、104…第4のコイル体、105…接続板、106…仕切り枠、107…巻枠。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、該基材上に設けられた超電導層と、該超電導層上に設けられた導電層とを備える超電導線材と、
前記超電導線材端部の前記導電層上に設けられた電極と、
基材と、該基材上に設けられた超電導層と、該超電導層上に設けられた導電層とを備え、前記電極の少なくとも一部を覆うように設けられるカバー用超電導テープと、
を有し、
前記カバー用超電導テープの前記導電層が、前記電極側とされており、
前記電極と前記超電導線材と前記カバー用超電導テープとが、電気的に接続されていることを特徴とする超電導線材の電極部接合構造。
【請求項2】
前記超電導線材と、前記カバー用超電導テープと、前記電極との間隙に、緩衝部材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材の電極部接合構造。
【請求項3】
前記緩衝部材が熱硬化性樹脂より形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の超電導線材の電極部接合構造。
【請求項4】
前記電極と前記超電導線材と前記カバー用超電導テープとが、半田を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超電導線材の電極部接合構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極部接合構造を備えた超電導線材。
【請求項6】
導電層側の表面を外側にして巻回された超電導線材より形成されたコイル体より構成され、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極部接合構造を備えた超電導コイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−228065(P2011−228065A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95377(P2010−95377)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】