説明

超電導線材及びその製造方法と超電導コイル及びその製造方法

【課題】本発明は、超電導線を細分化する工程を行うことなく、交流損失の少ない超電導線材、及び前記超電導線材からなる超電導コイルを製造することができる技術の提供を目的とする。また、本発明は、超電導線を細分化する工程を行うことなく、交流損失の少ない超電導線材を効率よく製造することができるため、細分化工程を省くことで製造プロセスの単純化と低コスト化をなすことができる技術の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の超電導線材は、テープ状金属基材の表面および裏面に隣接する側面に、結晶配向させた中間層と、酸化物超電導層とを備えてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導線材及びその製造方法と超電導コイル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超電導体は、一般的に幅広テープ状の長尺の金属基材上に結晶配向制御、元素拡散抑制などの目的で中間層とキャップ層を積層した上、超電導層を積層し、その上に更に良導電性の保護層が設けられたものである。このような超電導体をケーブルや変圧器等の実用に供するには、交流損失を低減することが必要である。
【0003】
これに対して、超電導線材を利用したコイルにおいては、金属基材にまで達する溝を超電導層に形成し、超電導層を複数に分割して細線化することにより、分割数に反比例するように交流損失を低減できることが知られている(特許文献1参照)。細線化の手法としては、フォトリソグラフィ技術を用いてエッチングなどの手法により複数の溝を形成して、幅広テープ状の基材上に形成した超電導層を基材の幅方向に並列する複数の分割超電導層に加工する方法、機械式の刃を用いて物理的に溝を形成して分割する方法、YAGレーザー等を照射し、先の溝に相当する位置の酸化物超電導層に組成変位を生じさせて超電導部分を絶縁物化し、溝に相当する位置に形成した絶縁物によって酸化物超電導層を複数に分断する方法等が通常適用される。
このように、金属保護層を設けた超電導線材においては、交流損失を低減するために、超電導線材を細線化することが重要な技術となってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−141688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フォトリソグラフィ技術を用いた分断方法では露光のために高価なレチクルと称されるフォトマスクを必要とするなど、高価な装置が必要となる問題がある。
また、機械式の刃を用いた分断方法では複数の刃を用いることで一度に複数の溝を加工することが可能であり、溝加工の際のスループットは早いが、加工後に溝の内部に残存物が残り易く、残存物の影響があって、分断形成した超電導層どうしの絶縁抵抗を高くすることができず、臨界電流の劣化が生じるという問題があった。従って、これらの残存物はエッチングなどの手法により除去する必要があるが、機械式の刃で分断した後に更にエッチングを行う必要があり、加えて溝の部分以外の酸化物超電導層を保護する必要があるので、工程が複雑となる問題がある。
【0006】
また、テープ状基板の幅を大きくして成膜し、これを分断する構造にするとしても、幅が広すぎるテープ状基材を用いると、捻れが発生しやすくなり、分断した超電導線材の折れにつながるおそれがあり、コイル形状に巻く際に制約が生まれる。更に、長尺の基材を用いて大面積で成膜する場合、複数のリールを配置して蛇行状に基材が移動する間に成膜エリアを基材が複数回通過するように成膜することが一般的になされている。しかし、基材の幅を小さくしてリールからリールに細い基材を移動させるとリール間に架け渡した細い基材どうしが重なり易く、また、捻れやすいので、細い基材の搬送自体が困難になりやすい問題がある。製造速度の面から理想的には隙間無く線材が成膜エリアに配置されて移動する必要があるが、現実的には不可能である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、超電導線を細分化する工程を行うことなく、交流損失の少ない超電導線材、及び前記超電導線材からなる超電導コイルを製造することができる技術の提供を目的とする。また、本発明は、超電導線を細分化する工程を行うことなく、交流損失の少ない超電導線材を効率よく製造することができるため、細分化工程を省くことで製造プロセスの単純化と低コスト化をなすことができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を有する。
本発明の超電導線材は、テープ状金属基材の表面および裏面に隣接する側面に、結晶配向させた中間層と、酸化物超電導層とを備えてなることを特徴とする。
本発明の超電導線材は、前記側面に、中間層と、酸化物超電導層と、保護層と、を備えてなることを特徴とする。
本発明の超電導線材は、中間層と酸化物超電導層を形成したテープ状金属基材の側面側の部分を除いて、テープ状金属基材が、その幅を減じるように加工されてなることを特徴とする。
本発明の超電導コイルは、先に記載の超電導線材をロール状に巻くことにより形成されてなる超電導コイルであって、中間層と酸化物超電導層を形成したテープ状金属基材の側面側の部分を側端面とすることを特徴とする。
【0009】
本発明の超電導線材の製造方法は、テープ状金属基材の表面および裏面に隣接する側面に、結晶配向させた中間層と、酸化物超電導層とを成膜することを特徴とする。
本発明の超電導線材の製造方法は、テープ状金属基材をその表裏面を重ねるようにロール状に巻くことによりロール体を形成し、前記金属基材の側面から形成される前記ロール体の側端面に、結晶配向させた中間層と、酸化物超電導層とを成膜した後、前記ロール体から金属基材を展伸してテープ状の超電導線材を得ることを特徴とする。
本発明の超電導線材の製造方法は、前記テープ状金属基材をロール状に巻いてロール体を形成する際、前記テープ状金属基材に重ねるようにテープ状のスペーサーを同時に巻き込み、これによって形成した複合ロール体の側端面に中間層と酸化物超電導層を成膜し、複合ロール体の側端面側にスペーサーにより区分けされた状態で中間層上に結晶配向させた酸化物超電導層のコイル体を形成した後、前記ロール体から金属基材を展伸してテープ状の超電導線材を得ることを特徴とする。
本発明の超電導線材の製造方法は、前記側端面に、中間層と、酸化物超電導層と、保護層と、を形成することを特徴とする。
本発明の超電導線材の製造方法は、中間層と酸化物超電導層を形成したテープ状金属基材の側面側の部分を除いて、テープ状金属基材を、その幅を減じるように加工することを特徴とする。
【0010】
本発明の超電導コイルの製造方法は、テープ状金属基材をその表裏面を重ねるようにロール状に巻くことによりロール体を形成し、前記金属基材の側面から形成される前記ロール体の側端面に、結晶配向させた中間層と、中間層上に結晶配向させた酸化物超電導層とを成膜することを特徴とする。
本発明の超電導コイルの製造方法は、前記テープ状金属基材をロール状に巻いてロール体を形成する際、前記テープ状金属基材に重ねるようにテープ状のスペーサーを同時に巻き込み、これによって形成した複合ロール体の側端面に中間層と酸化物超電導層を成膜し、複合ロール体の側端面側にスペーサーにより区分けされた状態で中間層上に結晶配向させた酸化物超電導層のコイル体を形成することを特徴とする。
本発明の超電導コイルの製造方法は、前記側面に、中間層と、酸化物超電導層と、保護層と、を形成することを特徴とする。
本発明の超電導コイルの製造方法は、中間層と酸化物超電導層を形成したテープ状金属基材の側面側の部分を除いて、テープ状金属基材を、その幅を減じるように加工することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、テープ状基材の側面に結晶配向させた中間層と酸化物超電導層を形成したので、テープ状の基材上に形成した超電導層を細分化して、線幅の小さい細線状の超電導線材を形成する工程を行うことなく、線幅の小さい細線状の交流損失の少ない超電導線材及び前記超電導線材からなる超電導コイルを提供することができる。
また、超電導線を細分化する工程を省略することで製造プロセスを単純化することができ、その分安価に製造できる超電導線材及びその超電導線材からなる超電導コイルの製造方法を提供できる。
本発明によれば、テープ状金属基材をその表裏面を重ねるようにロール状に巻くことによりロール体を形成し、前記金属基材の側面から形成される前記ロール体の側端面に、酸化物超電導層を成膜するため、線幅の小さい超電導線材及び線幅の小さい超電導線材からなる超電導コイルを容易に製造することができる。
また、本発明によれば、ロール体を形成する際、前記テープ状金属基材に重ねるようにテープ状のスペーサーを同時に巻き込んで成膜することにより、テープ状の基材の側面に沿って形成した細線状の酸化物超電導層からなり、ロール体の側端面に渦巻き状に形成されるコイルを絶縁状態で形成できることで、絶縁の問題を解消することができる。さらに、本発明は、成膜後のテープ状基材を成膜面側の部分を除いて、テープ状金属基材を、その幅を減じるように加工することにより、超電導線材や超電導コイルとしてより好適に用いられる。
また、テープ状金属基材と酸化物超電導層の間に、中間層を介在させることにより、酸化物超電導層の配向性を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に用いられるテープ状金属基材の一例を示す図である。
【図2】本発明に用いられるテープ状金属基材の一例をロール状に巻いて形成したロール体の概略斜視図である。
【図3】テープ状金属基材の側面上に超電導層を形成した酸化物超電導導体の一例を示すもので、図3(a)は成膜後の横断面図、図3(b)は、基材の幅を減じる加工を施した後の横断面図である。
【図4】テープ状金属基材の幅を減じるように加工して得られた超電導コイルの概略斜視図である。
【図5】テープ状金属基材に重ねるようにテープ状のスペーサーを同時に巻き込み、これによって形成した複合ロール体の概略斜視図である。
【図6】フォトリソグラフィ技術を用いて保護層に溝を形成するための説明図である。
【図7】本発明の超電導線材の製造方法の一態様で用いられるレーザー蒸着装置の要部を例示する概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に用いられるテープ状金属基材21を示す図である。このテープ状金属基材21は、表面21a、裏面21b、端面21c、側面21d(21d’)を備えている。端面21cおよび側面21d’は、表面21aおよび裏面21bに隣接している。従来一般に、酸化物超電導層は、中間層を介して表面21a上に成膜されていたが、本発明においては、側面21d’上に成膜される。幅の狭い側面21d’上に酸化物超電導層が成膜された酸化物超電導導体Aは、線材として機能することができるため、交流損失を低減させるために、細分化の工程を行う必要がない。
【0014】
本発明の超電導線材及び超電導コイルの実施の形態について、以下説明する。
(1) 第一の実施形態
図2は、本発明に用いられるテープ状金属基材21をその表裏面が重なるようにロール状に巻いて形成したロール体2の概略斜視図である。テープ状金属基材21をロール状に巻くことにより、テープ状金属基材21の表面21aおよび裏面21bに隣接する側面21d’からなるディスク状の側端面21eが形成される。第一の実施形態においては、広いディスク状の側端面21e上に酸化物超電導層が成膜されている。このようにするならば、幅の狭い21d’上に直接、中間層を介して酸化物超電導層を成膜する場合に比べて、容易にかつ迅速に超電導線材及び超電導コイルを製造することができる。
【0015】
テープ状金属基材21をロール状に巻いてロール体2を形成した後、成膜する中間層の結晶配向性を良好にする観点から、ディスク状の側端面21eを研削、研磨し、平坦化することが好ましい。次いで、中間層23、酸化物超電導層37を側端面21e上に成膜する。このようにして製造された酸化物超電導導体Aを、そのまま超電導コイルとして用いてもよく、伸展して超電導線材として用いてもよい。
【0016】
次に、この実施形態の超電導線材及び超電導コイルの構成について図3を用いて説明する。図3(a)は、テープ状金属基材21の側面21d’上に超電導層を形成した酸化物超電導導体Aの横断面図である。
図3(a)の酸化物超電導導体Aは、金属基材21上に、順に成膜された拡散防止層12、ベッド層22、中間層23、キャップ層24、酸化物超電導層37及び保護層38からなるものである。また、図3(b)の酸化物超電導導体Aは、金属基材21’と、拡散防止層12、ベッド層22、中間層23、キャップ層24、酸化物超電導層37及び保護層38からなるものである。
【0017】
金属基材21を構成する材料としては、強度及び耐熱性に優れた、Cu、Ni、Ti、Mo、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Ag等の金属又はこれらの合金を用いることができる。特に、耐食性及び耐熱性の点で優れているステンレス、ハステロイ(登録商標)、その他のニッケル系合金が好ましい。あるいは、これらに加えてセラミック製の基材、非晶質合金の基材などを用いても良い。なお、金属基材21は、長尺のテープ状のものである。本実施形態においては、例えば、幅10mm、厚さ0.1mmの長尺のテープ状金属基材が用いられる。
【0018】
拡散防止層12は、金属基材21の構成元素拡散を防止する目的で形成されたもので、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al、「アルミナ」とも呼ぶ)、あるいはGZO(GdZr)等から構成され、その厚さは例えば10〜400nmである。
拡散防止膜12の厚さが10nm未満の場合、金属基材21の構成元素の拡散を十分に防止できないおそれがある。一方、拡散防止膜12の厚さが400nmを超える場合、拡散防止層12の内部応力が増大し、各層が金属基材21から剥離しやすくなるおそれがある。
また、拡散防止層12の結晶性は特に問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すればよい。
なお、本発明においては、必要に応じて拡散防止層12を略した構造とすることも可能である。
【0019】
ベッド層22は、耐熱性が高く、界面反応性をより低減するためのものであり、その上に成膜される中間層23の配向性を得るために機能する。ベッド層22としては、例えば、希土類酸化物や、希土類酸化物と金属酸化物との混合物から構成される膜を用いることができる。
ベッド層22を構成する希土類酸化物として、組成式(α2x(β(1−X)で示されるものが挙げられる。ここで、αとβは希土類元素で0≦x≦1に属するものを指す。より具体的には、Y、CeO、Dy、Nd、Pr11、Sc、Sm、Tb、Tm等を例示することができる。また、ベッド層22を構成する希土類酸化物と金属酸化物との混合物としては、前述したベッド層22を構成する希土類酸化物と金属酸化物MO(Mは、Ti、Zr、又はHfを示す。)との混合物が挙げられる。
ベッド層22は、例えばスパッタリング法などにより形成され、その厚さは例えば10〜100nmである。
【0020】
図3に示すように、拡散防止層12とベッド層22の2層構造とする場合、拡散防止層12をアルミナから形成し、ベッド層22をYから形成する構造を例示できる。
なお、本発明においては、拡散防止層12とベッド層22の2層構造に限定されるものではなく、必要に応じて、ベッド層22のみの1層構造、又は、拡散防止層12のみの1層構造とすることも可能である。
【0021】
本実施形態のように、拡散防止層12とベッド層22の2層構造とするのは、ベッド層22の上にキャップ層24、酸化物超電導層37等の他の層を形成する場合に、必然的に熱処理される結果として熱履歴を受ける場合、金属基材21の構成元素の一部がベッド層22を介して酸化物超電導層37側に拡散することを抑制するためであり、拡散防止層12とベッド層22の2層構造とすることで、金属基材21側からの元素拡散を効果的に抑制することができる。
【0022】
ベッド層22の上に形成される中間層23は、IBAD(Ion Beam Assisted Deposition:イオンビームアシスト)法によって形成された蒸着膜であり、配向性をもたない金属基材21上に2軸配向性をもたせる。
また、後述する酸化物超電導層37との物理的特性(熱膨張率や格子定数等)の差を緩和するバッファー層として機能するとともに、この上に形成されるキャップ層24の結晶配向性を制御する配向制御膜として機能する。
【0023】
中間層23を構成する材料としては、IBAD法により2軸配向性をもたせることが可能なものが用いられる。このような中間層23の材料としては、例えば、MgO、イットリア安定化ジルコニウム(YSZ)、GdZr、CeO等を挙げることができ、その他、パイロクロア構造、希土類−C構造、ペロブスカイト型構造又は蛍石型構造を有する適宜の化合物を用いることができる。
これらの中でも、中間層23の材料としては、MgO、YSZ、あるいは、GdZrを用いることが好ましい。特に、MgOやGdZrは、IBAD法における配向度を表す指標であるΔΦ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、中間層23の材料として特に適している。
【0024】
中間層23の膜厚は、1〜1000nm(1.0μm)の範囲、例えば数nm程度とすることができるが、これらの範囲や値に制限されるものではない。
中間層23の膜厚が1.0μmを超える場合、中間層23の成膜方法として用いるIBAD法の蒸着速度が比較的低速であることから、中間層23の成膜時間が長くなり経済的に不利となる。
一方、中間層23の膜厚が1nm未満の場合、中間層23自身の結晶配向性を制御することが難しくなり、この上に形成されるキャップ層24の配向度制御が難しくなり、さらにキャップ層24の上に形成される酸化物超電導層の配向度制御も難しくなる。その結果、酸化物超電導導体Aは臨界電流が不十分となる可能性がある。
【0025】
キャップ層24は、その上に設けられる酸化物超電導層37の配向性を制御する機能を有するとともに、中間層23を構成する元素の酸化物超電導層37への拡散を抑制する機能などを有する。
キャップ層24としては、特に、中間層23の表面に対してエピタキシャル成長するととともに、横方向(面方向)に粒成長(オーバーグロース)して、結晶粒が面内方向に選択成長するという過程を経て成膜される自己配向化する膜であることが好ましい。このように選択成長しているキャップ層24は、中間層23よりも更に高い面内配向度が得られる。
【0026】
キャップ層24を構成する材料としては、このような機能を発現し得るものであれば特に限定されないが、例えば、CeO、LaMnO、SrTiO、Y等を用いるのが好ましい。
キャップ層24の構成材料としてCeOを用いる場合、キャップ層24は、全体がCeOによって構成されている必要はなく、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいてもよい。
【0027】
キャップ層24の適正な膜厚は、その構成材料によって異なり、例えばCeOによってキャップ層24を構成する場合には、50〜5000nmの範囲、より好ましくは100〜5000nmの範囲などを例示することができる。キャップ層24の膜厚がこれらの範囲から外れると、十分な配向度が得られない場合がある。
キャップ層24を成膜するには、パルスレーザー蒸着法(PLD法)、スパッタリング法などを用いて形成することができるが、大きな成膜速度を得られる点でPLD法を用いることが望ましい。
なお、キャップ層24を有しない構成とすることも可能である。
【0028】
本実施形態においては、キャップ層24の上に、酸化物超電導層37と保護層38を形成してなる基本構造とされている。
酸化物超電導層37の材料としては、RE−123系酸化物超電導体(REBaCu7−n:REはY、La、Nd、Sm、Eu、Gd等の希土類元素)を用いることができる。
RE−123系酸化物超電導体の中でも好ましくは、Y123(YBaCu7−n)又はGd123(GdBaCu7−n)等を用いることができる。また、その他の酸化物超電導体、例えば、(Bi、Pb)CaSrCuなる組成等に代表される臨界温度の高い他の酸化物超電導体からなるものを用いても良い。 酸化物超電導層37の厚さは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚さであることが好ましい。酸化物超電導層37は、PLD法、スパッタ法、TFA−MOD法(トリフルオロ酢酸塩を用いた有機金属堆積法、塗布熱分解法)等の成膜法で成膜することができる。また、酸化物超電導層37の膜質は均一であることが好ましく、酸化物超電導層37の結晶のc軸とa軸とb軸もキャップ層24の結晶に整合するようにエピタキシャル成長して結晶化しており、結晶配向性が優れたものとなっている。
【0029】
保護層38は、酸化物超電導層37の超電導特性の安定化などの目的で形成されたもので、AgやAg合金、Cuなどの良電導性金属材料からなる。なお、本実施形態では保護層38を有する例示をしたが、本発明はこれに限定されず、保護層38を有しない構成とすることも可能である。
【0030】
図3(b)に示されるように、この実施形態において、製造された酸化物超電導導体Aを超電導線材や超電導コイルとして好適に用いるためには、中間層と酸化物超電導層を形成したテープ状金属基材21の側面21d’側の部分を除いて、テープ状金属基材21を、その幅を減じるように加工することが好ましい。
図4は、図2のロール体を用いて製造された酸化物超電導導体Aにおいて、図3(b)と同様にテープ状金属基材21の幅を減じるように加工して得られた超電導コイル3の概略斜視図である。超電導コイル3は、そのままコイルとして用いてもよく、展伸して、超電導線材として用いられてもよい。
このようなテープ状金属基材21の幅を減じる加工方法としては、CMPなどの研磨による加工方法、切断による方法、予めテープ状金属基材21に入れておいたミシン目を用い、ミシン目の上のコイルを治具などで拘束した状態でミシン目の下の部分の基材21をはぎ取るようにしてカットする方法等が挙げられる。
【0031】
第一の実施形態で製造された超電導コイルにおいては、図6(a)に示されるように、テープ状金属基材21同士が隣接しあっているため、保護層38を形成する際に、保護層38が一体として形成され、酸化物超電導導体A間での絶縁に問題点が生じる可能性がある。この場合以下の2点の方法を用いることにより上記問題点を解消することができる。
【0032】
図5に示されるようにテープ状金属基材21をロール状に巻いてロール体を形成する際に、テープ状金属基材21に重ねるようにテープ状のスペーサー50を同時に巻き込み、これによって形成した複合ロール体4の側端面4aに中間層と酸化物超電導層を成膜し、複合ロール体4の側端面側にスペーサー50により区分けされた状態で中間層上に結晶配向させた酸化物超電導層のコイル体を形成することが好ましい。スペーサー50の端面の高さは、テープ状金属基材21の端面より低くしておくことがより好ましい。これにより、保護層が一体として形成されてしまうおそれが少ない。
なお、図6(a)に示す構造においてIBAD法により形成した結晶配向性に優れた中間層23上に形成したキャップ層24は、5°程度の優れた配向性を示し、キャップ層24上に形成した酸化物超電導層37も優れた配向性を示す。しかし、ロール状に巻回したテープ状金属基材21の重ね合わせた境界部分については良好な結晶配向状態とはならず、境界部分には酸化物超電導層37を構成する元素の酸化物絶縁層が生成するので、酸化物超電導層37は、ロール状に個々に絶縁状態でコイルとして構成される。この点において、図5に示す如くスペーサー50を共にコイル巻きした場合は、スペーサー50の側面上に酸化物超電導層37の構成元素の絶縁層か、ギャップを形成できるので絶縁性を向上できる。
【0033】
また、図6(b)に示されるようにフォトリソグラフィ技術を用いてエッチングなどの手法により保護層に溝を形成してもよい。図6を用いて一例を挙げると、保護層38の表面を覆うようにネガ型の感光性樹脂層40を形成する。この感光性樹脂層40は、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法などの塗布方法により、保護層38に感光性樹脂を塗布した後、温風乾燥機あるいは遠赤外線照射装置などを用い、プリベーク処理などの乾燥工程を行ない、乾燥させることで得ることができる。
ここで用いるネガ型の感光性樹脂40として、日本ペイント(株)、商品名OPTO−ER、Nシリーズ(OPTOは登録商標)、関西ペイント(株)、商品名ゾンネLDIシリーズ等を用いることができる。
【0034】
次に、感光性樹脂層40の上から、超高圧水銀灯あるいはメタルハライド水銀灯などを光源とする露光装置を用いて露光する。この露光の際、フォトマスクを用い、感光性樹脂層40において、テープ状金属基材の端面同士が隣接しあう境界部分が露光されないようにする。
【0035】
この状態から炭酸ソーダなどの現像液を用いて25℃〜35℃程度の液温度にて30秒〜120秒現像し、次いでリンス液をスプレー塗布して現像完了とする。この現像工程により、感光性樹脂層40において露光されなかった領域のみが除去され、感光性樹脂層40に溝部40aが形成される(図6(b)参照)。この溝部40aを形成し、感光性樹脂層40の表面をリンスして清浄化した後、エッチング処理を行う。
清浄化の後、感光性樹脂層40をマスクとして保護層38の湿式エッチングによる分割を行う。ここで用いるエッチング液として、硝酸、またはアンモニア水+過酸化水素水を用いることができる。
【0036】
このエッチング工程により保護層38を分離溝38aにより分割し、酸化物超電導導体Aの端面間を絶縁分離することができる。エッチング工程の終了後、水酸化ナトリウム水溶液(3〜5%、液温40〜55℃)に60〜90秒程度浸漬し、感光性樹脂層40を保護層38から剥離する(図6(c)参照)。
【0037】
(2) 第二の実施形態
図7は、本発明の超電導線材の製造方法の一態様で用いられるレーザー蒸着装置の要部を例示する概略斜視図である。一般的に用いられるレーザー蒸着装置は、テープ状金属基材21の表面21aに成膜するための構成からなるものであったが、本発明の方法に用いられるレーザー蒸着装置は、テープ状金属基材21の側面21d’に成膜するための構成とされている。
【0038】
ここに示すレーザー蒸着装置10は、テープ状金属基材21を囲んで保温する開口部付きのヒーターボックス13と、該ヒーターボックス13の開口部14に隣接するバッキングプレート16と、該バッキングプレート16に保持されるターゲット15に、レーザー光を照射するレーザー光照射手段17とを備え、さらにレーザー光照射手段17以外の装置各部を収容する処理容器(図示略)を備える。
【0039】
レーザー光照射手段17は、さらに、エネルギー密度が異なる二種のレーザー光のうち、第一のレーザー光18aを照射する第一のレーザー光照射手段17aと、第二のレーザー光18bを照射する第二のレーザー光照射手段17bとを備えて、概略構成されている。 レーザー蒸着装置10を使用し、第一のレーザー光18a及び第二のレーザー光18bをターゲット15の表面に照射することで、ターゲット15から叩き出され若しくは蒸発した蒸着粒子群(プルーム)19を、ヒーターボックス13内のテープ状金属基材21の側面に堆積させることができる。
【0040】
レーザー蒸着装置10は、さらに、テープ状金属基材21が巻回された送出リール20aと、酸化物超電導層の成膜を終えた超電導導体Aを収納する巻取リール20bとを備える。送出リール20aと巻取リール20bとの間に設けられたヒーターボックス13内には、テープ状金属基材1を巻回する巻回部材を複数個配列してなる巻回部材群51a、51bが離間して対向配置され、これら一対の巻回部材群51a、51bに巻回されたテープ状金属基材21が、これらの巻回部材群51a、51bを周回することにより、プルームの堆積領域内において複数列のレーンを構成するように配置されている。
【0041】
巻回部材群51a、51bを収容しているヒーターボックス13は、内壁面に複数個のヒータ(図示略)を備え、これらヒータに通電することで、テープ状金属基材21を均一に加熱して保温できるようになっている。また、ヒーターボックス13の底面部中央には、ターゲット15の表面で生じたプルーム19をヒーターボックス13内に導入するための開口部14が穿設されている。
【0042】
開口部14の近傍(下方)には、ターゲット15を固定したバッキングプレート16が、前記開口部14に対して平行な面に沿って、図中の矢印方向に往復移動可能に設けられている。なお、バッキングプレート16には水冷のための水路やその他の配管等が付設されてターゲットホルダとして構成されているが、図7ではこれらの図示を省略し、バッキングプレート16のみを描いている。
【0043】
第一のレーザー光18a及び第二のレーザー光18bは、処理容器の適当な位置に設けられている透明窓(図示略)から該容器内に入射され、ターゲット15の表面に照射される。レーザー光照射手段17と前記透明窓との間には、必要に応じて反射ミラーや集光レンズ等の光学系(図示略)が設けられる。
第一のレーザー光18a及び第二のレーザー光18bの照射出力は、レーザー光照射手段17に電力を供給する増幅装置(図示略)の出力によって調整できる。また、周波数は、レーザー光照射手段17に電力を一定の周波数をもって間欠的に供給するか、第一のレーザー光18a及び第二のレーザー光18bが通過する経路のどこかに、回転セクタ等の機械的シャッタを設け、この機械的シャッタを一定の周波数をもって作動させることにより調整できる。
【0044】
レーザー蒸着装置10を使用して、テープ状金属基材21上に酸化物超電導層を形成するためには、送出リール20aに巻回されているテープ状金属基材21を引き出しながら、ヒーターボックス13内に導入し、その内部に収容されている一対の巻回部材群51a、51bに順次巻回させ、次いで、先端側をヒーターボックス13から導出し、巻取リール20bに巻き取り可能に取り付ける。これによって、一対の巻回部材群51a、51bに巻回されたテープ状金属基材21がこれらの巻回部材群51a、51bを周回し、開口部14に望む位置において複数列並んで移動するようになる。
次いで、開口部14に隣接したバッキングプレート16上にターゲット15を設置する。その後、処理容器内を減圧し、必要に応じて酸素ガスを導入して容器内を酸素雰囲気としても良い。
【0045】
テープ状金属基材21を上記のようにセットした後は、成膜操作開始前の段階で、ヒーターボックス13の内壁に設けられたヒータに通電してヒーターボックス13内の一対の巻回部材群51a、51bを全体的に加熱し、一定温度に保温しておくことが好ましい。ヒーターボックス13内のテープ状金属基材21の温度制御は、ヒーターボックス13内の適所に複数の温度センサを設置しておき、テープ状金属基材21の温度が均一になるように複数のヒータを個別にON/OFF制御することなどによって行うことが好ましい。
【0046】
次いで、送出リール20aからテープ状金属基材21を送り出しつつ、レーザー光照射手段17から透明窓を通じて、第一のレーザー光18a及び第二のレーザー光18bをターゲット15に照射する。
この時、レーン状に複数配列したテープ状金属基材21の個々に可能な限り均一の酸化物超伝導膜をテープ状金属基材21の全長にわたり成膜するために、第一のレーザー光18a及び第二のレーザー光18bをターゲット15の幅方向に全幅に渡り順次走査し、ターゲット15の全幅の複数の部分から順次プルーム19を発生させて成膜し、テープ状金属基材21の全長に対応できるように長時間の成膜を行う。また、ターゲット15をバッキングプレート16と共に図7中の矢印方向に往復移動させることにより、ターゲット15の幅方向に対して垂直な方向の全域にも、第一のレーザー光18a及び第二のレーザー光18bを照射することで、結果的にターゲット15の表面全域から順次プルーム19を発生させることができる。
【0047】
プルーム19は、その放射方向の断面積が拡大し、開口部14からヒーターボックス13内に導入される。この開口部14近傍には、テープ状金属基材21が複数列並んで移動しているので、その表面に必要な厚さで酸化物超伝導膜を形成できる。酸化物超伝導膜を形成して得られた酸化物超電導導体Aは、ヒーターボックス13から導出され、巻取リール20bに巻き取られる。
【0048】
このようにして得られた超電導導体Aを図2のようにロール状に巻いて、超電導コイルを形成することもできる。また、第一の実施形態で述べられたように、テープ状金属基材21の幅を減じる加工をする場合には、図4に示されるように一度ロール体を形成した後に、加工する方が、作業効率の観点から好ましい。
更に、このように加工された超電導導体Aをソレノイド状に巻いて超電導コイルを形成してもよい。
【0049】
以上、説明した方法により、幅広のテープ状の基材の表面に形成した超電導層を細分化する工程を行うことなく、細径の交流損失の少ない超電導線材及び前記超電導線材からなる超電導コイル3を得ることができる。
【実施例】
【0050】
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
幅10mm、厚さ1mmのテープ状のハステロイC276(商品名、ヘインズ社製)の基材を幅8mm、厚さ0.1mmのJIS規格のSUSテープを重ねて、その表裏面を重ねるようにロール状に巻くことにより、内径15cm、外径30cmのロール体を形成した。基材の側面から形成されるロール体の側端面に、スパッタ法によりAlの拡散防止層を成膜した。Al層の成膜温度を室温、膜厚を100nmとした。
次に、このAlの拡散防止層上に、イオンビームスパッタ法によりYのベッド層を膜厚20nmとなるように成膜した。
続いてIBAD法によりMgOのターゲットを用いてアシストイオンビームを入射角45゜で照射しながらMgOのターゲットにイオンビームを照射してターゲット粒子を叩き出し、ベッド層上にIBAD−MgOの中間層を成膜した(膜厚5nm)。
次に、IBAD−MgOの中間層上に、パルスレーザー蒸着法(PLD法)により800℃で厚さ500nmのCeOのキャップ層を形成した。
更に、PLD法(パルスレーザー蒸着法)によりキャップ層上にGd123(GdBaCu7−n)なる組成の酸化物超電導層を形成した(膜厚1μm)。
続いて酸化物超電導層上に、イオンビームスパッタ法により厚さ5μmのAgの保護層を形成した。
このようにして形成した図6(c)に示す構造のコイルを液体窒素で冷却し、通電したところ20Aの電流を流すことができ、超電導コイルとして機能することを確認できた。
【符号の説明】
【0051】
A、A 超電導導体
12 拡散防止層
21 金属基材
22 ベッド層
23 中間層
24 キャップ層
37 酸化物超電導層
38 保護層
40 感光性樹脂層
10 レーザー蒸着装置
13 ヒーターボックス
14 開口部
15 ターゲット
16 バッキングプレート
17 レーザー光照射手段
17a 第一のレーザー光照射手段
17b 第二のレーザー光照射手段
18a 第一のレーザー光
18b 第二のレーザー光
19 プルーム
50 スペーサー
51a、51b 巻回部材群
21a 表面
21b 裏面
21c 端面
21d、21d’ 側面
4a、21e 側端面
20a 送出しリール
20b 巻取りリール
2 ロール体
3 超電導コイル
4 複合ロール体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状金属基材の表面および裏面に隣接する側面に、結晶配向させた中間層と、酸化物超電導層とを備えてなることを特徴とする超電導線材。
【請求項2】
前記側面に、中間層と、酸化物超電導層と、保護層と、を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材。
【請求項3】
中間層と酸化物超電導層を形成したテープ状金属基材の側面側の部分を除いて、テープ状金属基材が、その幅を減じるように加工されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の超電導線材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導線材をロール状に巻くことにより形成されてなる超電導コイルであって、中間層と酸化物超電導層を形成したテープ状金属基材の側面側の部分を側端面とすることを特徴とする超電導コイル。
【請求項5】
テープ状金属基材の表面および裏面に隣接する側面に、結晶配向させた中間層と、酸化物超電導層とを成膜することを特徴とする超電導線材の製造方法。
【請求項6】
テープ状金属基材をその表裏面を重ねるようにロール状に巻くことによりロール体を形成し、前記金属基材の側面から形成される前記ロール体の側端面に、中間層と、酸化物超電導層とを成膜した後、前記ロール体から金属基材を展伸して、テープ状の超電導線材を得ることを特徴とする請求項5に記載の超電導線材の製造方法。
【請求項7】
前記テープ状金属基材をロール状に巻いてロール体を形成する際、前記テープ状金属基材に重ねるようにテープ状のスペーサーを同時に巻き込み、これによって形成した複合ロール体の側端面に中間層と酸化物超電導層を成膜し、複合ロール体の側端面側にスペーサーにより区分けされた状態で中間層上に結晶配向させた酸化物超電導層のコイル体を形成した後、前記ロール体から前記金属基材を展伸して、テープ状の超電導線材を得ることを特徴とする請求項6に記載の超電導線材の製造方法。
【請求項8】
前記側端面に、中間層と、酸化物超電導層と、保護層と、を形成することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の超電導線材の製造方法。
【請求項9】
中間層と酸化物超電導層を形成したテープ状金属基材の側面側の部分を除いて、テープ状金属基材を、その幅を減じるように加工することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の超電導線材の製造方法。
【請求項10】
テープ状金属基材をその表裏面を重ねるようにロール状に巻くことによりロール体を形成し、前記金属基材の側面から形成される前記ロール体の側端面に、結晶配向させた中間層と、中間層上に結晶配向させた酸化物超電導層とを成膜することを特徴とする超電導コイルの製造方法。
【請求項11】
前記テープ状金属基材をロール状に巻いてロール体を形成する際、前記テープ状金属基材に重ねるようにテープ状のスペーサーを同時に巻き込み、これによって形成した複合ロール体の側端面に中間層と酸化物超電導層を成膜し、複合ロール体の側端面側にスペーサーにより区分けされた状態で中間層上に結晶配向させた酸化物超電導層のコイル体を形成することを特徴とする請求項10に記載の超電導コイルの製造方法。
【請求項12】
前記側面に、中間層と、酸化物超電導層と、保護層と、を形成することを特徴とする請求項10または11に記載の超電導コイルの製造方法。
【請求項13】
中間層と酸化物超電導層を形成したテープ状金属基材の側面側の部分を除いて、テープ状金属基材を、その幅を減じるように加工することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の超電導コイルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−14913(P2012−14913A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149160(P2010−149160)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】