超音波トランスデューサ、定着液付与ヘッド、定着装置及び画像形成装置
【課題】高粘度液を噴霧する場合の均一性を向上させる超音波トランスデューサ、これを備える定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーを溶解させる軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒からなるトナー定着液8を、その先端部噴霧面からミスト状に噴霧して記録紙上の未定着トナー画像に付与し、トナーを溶解かつ定着させる超音波トランスデューサ1において、圧電素子3とホーン部材2を含み、このホーン部材2の下方に延びかつ噴霧面を形成する前記先端部5を少なくとも2つ以上の櫛歯状に複数個に分割する。
【解決手段】トナーを溶解させる軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒からなるトナー定着液8を、その先端部噴霧面からミスト状に噴霧して記録紙上の未定着トナー画像に付与し、トナーを溶解かつ定着させる超音波トランスデューサ1において、圧電素子3とホーン部材2を含み、このホーン部材2の下方に延びかつ噴霧面を形成する前記先端部5を少なくとも2つ以上の櫛歯状に複数個に分割する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像を記録紙上に定着させて画像を生成する複写機、プリンタ、ファクシミリ等に使用する、超音波トランスデューサ、これを備える定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、複写機やプリンタ、ファクシミリ等、記録紙上に画像を形成する装置は多くあり、その中でも主流なのがトナーを使用したいわゆる電子写真方式であり、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙を用いて高速に、高密度に、また、最近ではカラー画像も手軽に作成できることからオフィス等に広く普及している。
かかる電子写真方式ではほとんど熱を利用した定着方式を採用している。これはハロゲンヒータやセラミックヒータ等の発熱体でローラやフィルム等を熱し、未定着トナーが乗った記録紙を加圧ローラで挟んで加熱・加圧することでトナーを溶融かつ変形させ、記録紙の繊維中にアンカリングすることで定着させる。
この方式は均一性、安定性に優れているため広く普及しているが、一方でエネルギを使いすぎる欠点があり、このような欠点を回避するために従来から種々の技術が提案されかつ知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に示されるように、定着方式には古くから熱方式と蒸気定着方式が考えられていた。蒸気定着法式はトナーを溶かす溶媒蒸気中に未定着トナーが乗った記録紙を挿入するもので、確かにこの方式は熱方式に比べてエネルギの消費は少ない。
しかしながら、蒸気発生や換気のため大掛かりな装置が必要であったため普及しなかった。最近は特許文献3のような超音波を利用したトランスデューサが開発され、用途としては燃料噴射等に使用されているが、これを定着液のミスト噴霧装置として利用することが考えられる。この方式であれば電力は非常に小さく押さえることができる。
しかしながら、特許文献2に示されるように静電気的に作られた静電トナー像はそれ程強い付着性は示さず、溶媒中に浸漬を行えば電気的結合がくずれてトナーが流出し画像が乱れる。これは液を使用した定着方式の大きな課題である。
本出願人らは実験によって、定着液を未定着トナー上に噴霧する場合、粘度が高い定着液の方が画像の乱れが少ないことを発見した。
【特許文献1】特公昭40−10867号公報
【特許文献2】特公昭48−33184号公報
【特許文献3】特開2004−228862公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、定着液の粘度を上げると前述の超音波トランスデューサ方式では噴霧しづらくなる。すなわち、粘度の上昇とともに噴霧量は減少し、ついには噴霧しなくなる。
そこでできるだけ画像を乱さず、また、なるべく噴霧量を確保できるように両者が両立する条件の粘度範囲を使用することになる。噴霧量の減少については定着液中のトナー軟化材の濃度を上げることで対応可能であるが、噴霧量の減少とともに均一性も劣化する現象が見られる。
これは定着液がヘッド面全体から飛ばず、ヘッド面の一部分からしか噴霧しなくなることに起因する。これを第1の均一性劣化の要因とする。すなわち、粘度が高く全体的に滴化しづらい状態で、或る部分が或るきっかけで滴化し飛ぶと、他の部分の定着液は飛んだ部分に吸われ、飛ばない部分はずっと飛ばなくなってしまう。
このようにして均一性が劣化すると定着ムラが発生してしまう。また、このように前記定着ヘッドを複数個並べることによって定着装置を構成する場合、定着ヘッド間に濃度の薄い部分ができ易い。これを第2の均一性劣化の要因とする。これは1つの定着ヘッドから噴霧された滴は、飛翔中に中央部に寄ってきてしまい、端部の濃度が薄くなるためである。
この原因は液滴が空気中を進むとき液滴の後ろ側にごく小さい負圧領域が発生し、滴の飛翔領域にはこの負圧領域が無数にあるため周りからそこに向かって空気が流れ込むために気流が発生するためと考えられる。つまり、滴自身が作り出した気流で滴の流れが乱される。
そこで、本発明の目的は、このような高粘度液を噴霧する場合の均一性を向上させる超音波トランスデューサ、これを備える定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、トナーを溶解させる軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒からなるトナー定着液を、その先端部噴霧面からミスト状に噴霧して記録紙上の未定着トナー画像に付与し、トナーを溶解かつ定着させる超音波トランスデューサにおいて、圧電素子とホーン部材を含み、このホーン部材の下方に延びかつ噴霧面を形成する前記先端部を少なくとも2つ以上の櫛歯状に複数個に分割する超音波トランスデューサを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の超音波トランスデューサを使用する定着液付与ヘッドにおいて、多孔質材料で作成され、一端を前記定着液に浸漬し、毛細管効果により前記定着液を導くように他端を前記超音波トランスデューサの前記先端部に密着させる定着液供給部材を備え、この定着液供給部材の前記他端は前記超音波トランスデューサの櫛歯本数と同じ数に分かれかつこれらの櫛歯状に分かれた部分は前記超音波トランスデューサの櫛歯状部分にそれぞれ密着している定着液付与ヘッドを特徴とする。
【0006】
また、請求項3に記載の発明は、前記櫛歯状の先端部は少なくとも2カ所以上に撥水加工が施される請求項1記載の超音波トランスデューサを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、櫛歯状部分を有する前記定着液供給部材の前記他端は前記超音波トランスデューサの櫛歯状撥水処理部の非撥水部の本数と同じ数に分かれており、かつこれらの非撥水部は前記超音波トランスデューサの非撥水部にそれぞれ密着している請求項2記載の定着液付与ヘッドを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2又は4記載の定着液付与ヘッドが複数個配列されかつ所定の面積を網羅する定着装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記各々の定着液付与ヘッドの間に、それぞれ気流制御用の板を設ける請求項5記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、トナー像担持体と、このトナー像担持体上のトナーを記録紙上に転写させる転写手段と、記録紙上に転写したトナーを定着させる定着装置を含んでいる画像形成装置において、前記定着装置は請求項5記載の定着装置である画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、定着液付与ヘッドは、従来に比べて噴霧される液滴の密度の均一性を向上させることができるので、記録紙上に定着液をムラ無く塗布でき、良好な定着画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による超音波トランスデューサを示す概略図である。図2は図1のトランスデューサを使った定着液付与ヘッドを示す概略図である。図1及び図2において、超音波トランスデューサ1は圧電(ピエゾ)素子3の両端に交流電源4からの電圧を受け、微少な振動変位を生じる。
超音波トランスデューサ1の微少な振動変位はホーン部材2を介して拡大され、先端部5で最大となる。図2には図1の超音波トランスデューサ1を使った定着液付与ヘッド6を示している。
【0009】
定着液(トナーを溶解させる軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒からなるトナー定着液)8は、連泡多孔質体からなる定着液供給部材7の毛管力によって吸い上げられ、定着液供給部材7の先端面から先端部5に供給される。すると、前述の振動により定着液8が先端部5に薄い膜を張り、最終的にはミストとなって噴霧される。噴霧された定着液滴12は落下し、記録紙9上の未定着トナー10に降り注ぐ。なお、図2中、符号13は定着液容器を示している。
すると、トナー11は図示のごとく軟化かつ溶解し、記録紙9上に定着する。水頭差Hは、この水頭差Hを変えることにより定着液付与ヘッドへの定着液供給量が変わり、噴射量を変えることもできる。
本発明は、定着液8を、先端部噴霧面からミスト状に噴霧して記録紙上の未定着トナー画像に付与し、トナーを溶解かつ定着させる超音波トランスデューサにおいて、圧電素子3とホーン部材2を含み、このホーン部材2の下方に延びかつ噴霧面を形成する先端部5を少なくとも2つ以上の櫛歯状に複数個に分割した構成を一つの特徴とする。
また、定着液供給部材7の他端は超音波トランスデューサの櫛歯本数と同じ数に分かれかつこれらの櫛歯状に分かれた部分は超音波トランスデューサの櫛歯状部分にそれぞれ密着している構成も特徴的である。
【0010】
図3は一般的な超音波トランスデューサを使用する記録紙上の塗布範囲を示す概略斜視図である。図4は図3の超音波トランスデューサを使用して定着液の粘度を上げた場合の塗布ムラの状態を示す概略斜視図である。図5は本発明による超音波トランスデューサを使用してかなりの均一性の改善が見られる塗布範囲を示す概略斜視図である。
図3の符号aは記録紙9上の塗布範囲において超音波トランスデューサ1のホーン部材2から延びる先端部5から定着液12が直接降りかかる範囲を示し、符号bは記録紙9が移動することによって定着液12が塗布された範囲である。
【0011】
ところが、前述のように画像の乱れを抑えるために定着液8の粘度を上げると、図4のように噴射部が超音波トランスデューサ1の先端全面でなく、一部に偏り数本の帯のようになってしまい塗布ムラができてしまう。これは粘度が高く全体的に滴化しづらい状態で、或る部分が或るきっかけで滴化し飛ぶと、他の部分の定着液8は飛んだ部分に吸われ、飛ばない部分はずっと飛ばなくなることが原因である。
このことは、図1に示した本発明の超音波トランスデューサを使用すると、図5のように塗布範囲fにかなりの均一性の改善がみられる。これは超音波トランスデューサ1の先端面を伝って他の部分に定着液8が流れ込む現象が抑えられたためそれぞれの櫛歯状の先端部5aから噴霧するためである。
なお、図5のeは記録紙9上の塗布範囲において超音波トランスデューサ1の先端部5から定着液12が直接降りかかる範囲を示している。また、図4及び図5において、符号9は記録紙を示している。
【0012】
図6は定着液供給部材の外観を示す概略図である。図7は超音波トランスデューサ及び定着液供給部材から構成される定着液付与ヘッドを示す概略斜視図である。
図2に示した定着液供給部材7は供給用多孔質体からなり、その先端部7aも図4のように櫛歯状に加工し、図1のホーン部材2を含む超音波トランスデューサ1と組み合わせた場合に定着液付与ヘッドを構成する。この場合、多孔質体内を横に伝って他の部分に流れ込む現象も抑えられるため、さらに均一性が向上する。
【0013】
図8は定着液付与ヘッドの他の構成を示す概略斜視図である。図8のように超音波トランスデューサ1のホーン部材2から延びる先端部5に櫛歯状の撥水加工部14を施すことも考えられる。つまり、櫛歯状の突起部(非撥水部)間に撥水材料を充填して撥水加工部14を形成する。この構成でも定着液付与ヘッドを横に伝って他の部分に流れ込む現象はなくなるため、噴射される液滴密度の均一性は向上する。また同様に、図6で示した櫛歯状先端部7aを有する多孔質体7を使用すれば、多孔質体7内を横に伝って他の部分に流れ込んでしまう現象が抑えられるため、さらに均一性は向上する。
図9は定着液付与ヘッドを複数個並べて所定の面積を網羅させた定着装置の実施の形態を示す概略斜視図である。このように定着液付与ヘッド(定着液供給部材は図示せず)を主走査方向に複数個並べることにより、所定の幅の記録紙9を通常通り搬送することによって定着液を全面に塗布することができる。
図9のgは記録紙9上の塗布範囲において超音波トランスデューサ1の先端部5から定着液滴12が直接降りかかる範囲を示し、bは記録紙9が移動することによって塗布された範囲を示している。
【0014】
図10は定着液付与ヘッド間に設置した板を示す概略図である。図11は定着液付与ヘッドの中央部に集まるように噴射された液滴を示す概略図である。図10には、定着液付与ヘッド間の均一性を向上させるために隣り合う定着液付与ヘッド間に設けられる板15を示している。
通常、図11のように噴射された定着液滴12は、定着液付与ヘッドの中央部に集まるように噴霧する。これは、前述したように、定着液滴12が空気中を進む時、後ろ側にごく小さい負圧領域が発生し、噴霧領域にはこれが無数にあるため周りからそこに向かって空気が流れ込むために気流が発生するためと考えられ、このことにより塗布ムラが発生する。
この塗布ムラは、図10のように定着液付与ヘッド間に板15を設けると、かなり均一性が改善する。これは板15の近傍に動きづらい空気層があるため周囲から空気が流れ込まず定着液滴12が板15に沿って飛翔するためである。
さらに板15の先端部でエッジに沿って回り込む現象が見られた。これにより定着液滴は超音波トランスデューサ1の幅よりも広がり(図10)、隣の定着液付与ヘッドからの定着液滴12と重なることになる。以上のように本発明によりかなり均一性を上げることができ、良好な定着品質を得ることができた。
【0015】
図12は本発明の定着装置を使用した画像形成装置を示す概略図である。図12において、画像形成装置Aの画像形成部には感光体ドラム16があり、それぞれ搬送方向にブラック16Bk、マゼンタ16M、イエロー16Y、シアン16Cの順で並んでいる。それぞれの感光体ドラム16Bk、16M、16Y、16Cの下にはローラ17aと17bに掛けられた搬送ベルト18が設けられている。
記録紙9は図12の右から左方向に搬送され、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアンの順で感光体ドラム16からトナーを転写され、各色の像が重なりカラー画像を作る。4色のトナーが記録紙9上に乗ると最後に本発明による定着装置19に入る。前述の通り超音波トランスデューサ1を含む定着液付与ヘッドから定着液を付与され、記録紙9上のトナーは溶解して定着する。
【0016】
図13は感光体ドラム周りを説明する概略図である。次に図13を参照して感光体ドラム16周りを詳細に説明する。感光体ドラム16はクリーニングブラシ20、クリーニングブレード21により感光体ドラム16上の残留したトナーを掻き取る。
次に、除電ランプ22により感光体ドラム16の電荷を除去する。帯電チャージャ23で均一な帯電を与え、露光24で潜像を作る。現像スリーブ26でキャリア25上のトナー28が感光体ドラム16上に転写され、転写チャージャ27によりトナー28は記録紙9上に2次転写されて未定着画像となる。
この後、従来の複写機等では記録紙9は最後に熱を使った定着装置に入ることになるが、熱方式は非常に電力を消費する。また、複写機を使用していない時も立ち上がりに時間を掛けないためにヒータ温度をかなり高く保つ必要があり、稼働中はスタンバイ状態を含めてかなりの電力を消費している。
このような熱を使った定着装置に対し、本発明の定着液を使った定着方式は、定着部で動作時でも低電力で、しかもスタンバイ時にはほとんど電力を消費しないメリットがある。
【0017】
前述のとおり、第1の均一性の劣化は粘度が高い時、飛んだ部分に他の部分の定着液が流れ込んでしまうことから生じる。そこで定着液付与ヘッドの先端部5を櫛歯状(5a)に分割して駆動したところ、定着液付与ヘッド面を伝って他の部分に流れ込む現象が抑えられたため、定着液8(図2)はそれぞれの櫛歯の先端から噴霧することを確認した。
また、定着液を供給する多孔質材からなる定着液供給部材7の先端部も同様の櫛歯状の形状とし、それぞれ超音波トランスデューサ1の櫛歯に密着させたところ多孔質材7中を伝って他の部分に流れ込む現象も抑えられたため、さらに安定してそれぞれの櫛歯の先から噴霧し、結果的に均一性を上げることができた。
また、第2の均一性劣化の要因である噴霧滴が飛翔中に中央部に集まりムラになる現象に対しては、1つ1つの定着液付与ヘッドの間に板10(図10)を設けると解決することが判った。
これは板10の近傍に動きづらい空気層があるため周囲から空気が流れ込まず、液滴12が板10に沿って飛翔し、さらに、板10の先端部でエッジに沿って回り込む現象が見られることによる。これによって液滴は超音波トランスデューサ1の幅よりも広がり、隣の定着液付与ヘッドからの液滴と重なることにより均一性を大幅に改善することができた。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による超音波トランスデューサを示す概略図である。
【図2】図1のトランスデューサを使った定着液付与ヘッドを示す概略図である。
【図3】一般的な超音波トランスデューサを使用する記録紙上の塗布範囲を示す概略斜視図である。
【図4】図3の超音波トランスデューサを使用して定着液の粘度を上げた場合の塗布ムラの状態を示す概略斜視図である。
【図5】本発明による超音波トランスデューサを使用してかなりの均一性の改善が見られる塗布範囲を示す概略斜視図である。
【図6】定着液供給部材の外観を示す概略図である。
【図7】超音波トランスデューサ及び定着液供給部材から構成される定着液付与ヘッドを示す概略斜視図である。
【図8】定着液付与ヘッドの他の構成を示す概略斜視図である。
【図9】定着液付与ヘッドを複数個並べて所定の面積を網羅させた定着装置の実施の形態を示す概略斜視図である。
【図10】定着液付与ヘッド間に設置した板を示す概略図である。
【図11】定着液付与ヘッドの中央部に集まるように噴射された液滴を示す概略図である。
【図12】本発明の定着装置を使用した画像形成装置を示す概略図である。
【図13】感光体ドラム周りを説明する概略図である。
【符号の説明】
【0019】
A 画像形成装置
1 超音波トランスデューサ(定着液付与ヘッド)
2 ホーン部材
3 圧電(ピエゾ)素子
5 超音波トランスデューサの先端部(噴霧面)
5a 櫛歯状の先端部(噴霧面)
6 定着液付与ヘッド
7 定着液供給部材(連泡多孔質体、定着液付与ヘッド)
7a 定着液供給部材の櫛歯状の先端部
9 記録紙
11 トナー
12 定着液液滴
14 撥水加工部分
15 板
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像を記録紙上に定着させて画像を生成する複写機、プリンタ、ファクシミリ等に使用する、超音波トランスデューサ、これを備える定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、複写機やプリンタ、ファクシミリ等、記録紙上に画像を形成する装置は多くあり、その中でも主流なのがトナーを使用したいわゆる電子写真方式であり、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙を用いて高速に、高密度に、また、最近ではカラー画像も手軽に作成できることからオフィス等に広く普及している。
かかる電子写真方式ではほとんど熱を利用した定着方式を採用している。これはハロゲンヒータやセラミックヒータ等の発熱体でローラやフィルム等を熱し、未定着トナーが乗った記録紙を加圧ローラで挟んで加熱・加圧することでトナーを溶融かつ変形させ、記録紙の繊維中にアンカリングすることで定着させる。
この方式は均一性、安定性に優れているため広く普及しているが、一方でエネルギを使いすぎる欠点があり、このような欠点を回避するために従来から種々の技術が提案されかつ知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に示されるように、定着方式には古くから熱方式と蒸気定着方式が考えられていた。蒸気定着法式はトナーを溶かす溶媒蒸気中に未定着トナーが乗った記録紙を挿入するもので、確かにこの方式は熱方式に比べてエネルギの消費は少ない。
しかしながら、蒸気発生や換気のため大掛かりな装置が必要であったため普及しなかった。最近は特許文献3のような超音波を利用したトランスデューサが開発され、用途としては燃料噴射等に使用されているが、これを定着液のミスト噴霧装置として利用することが考えられる。この方式であれば電力は非常に小さく押さえることができる。
しかしながら、特許文献2に示されるように静電気的に作られた静電トナー像はそれ程強い付着性は示さず、溶媒中に浸漬を行えば電気的結合がくずれてトナーが流出し画像が乱れる。これは液を使用した定着方式の大きな課題である。
本出願人らは実験によって、定着液を未定着トナー上に噴霧する場合、粘度が高い定着液の方が画像の乱れが少ないことを発見した。
【特許文献1】特公昭40−10867号公報
【特許文献2】特公昭48−33184号公報
【特許文献3】特開2004−228862公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、定着液の粘度を上げると前述の超音波トランスデューサ方式では噴霧しづらくなる。すなわち、粘度の上昇とともに噴霧量は減少し、ついには噴霧しなくなる。
そこでできるだけ画像を乱さず、また、なるべく噴霧量を確保できるように両者が両立する条件の粘度範囲を使用することになる。噴霧量の減少については定着液中のトナー軟化材の濃度を上げることで対応可能であるが、噴霧量の減少とともに均一性も劣化する現象が見られる。
これは定着液がヘッド面全体から飛ばず、ヘッド面の一部分からしか噴霧しなくなることに起因する。これを第1の均一性劣化の要因とする。すなわち、粘度が高く全体的に滴化しづらい状態で、或る部分が或るきっかけで滴化し飛ぶと、他の部分の定着液は飛んだ部分に吸われ、飛ばない部分はずっと飛ばなくなってしまう。
このようにして均一性が劣化すると定着ムラが発生してしまう。また、このように前記定着ヘッドを複数個並べることによって定着装置を構成する場合、定着ヘッド間に濃度の薄い部分ができ易い。これを第2の均一性劣化の要因とする。これは1つの定着ヘッドから噴霧された滴は、飛翔中に中央部に寄ってきてしまい、端部の濃度が薄くなるためである。
この原因は液滴が空気中を進むとき液滴の後ろ側にごく小さい負圧領域が発生し、滴の飛翔領域にはこの負圧領域が無数にあるため周りからそこに向かって空気が流れ込むために気流が発生するためと考えられる。つまり、滴自身が作り出した気流で滴の流れが乱される。
そこで、本発明の目的は、このような高粘度液を噴霧する場合の均一性を向上させる超音波トランスデューサ、これを備える定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、トナーを溶解させる軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒からなるトナー定着液を、その先端部噴霧面からミスト状に噴霧して記録紙上の未定着トナー画像に付与し、トナーを溶解かつ定着させる超音波トランスデューサにおいて、圧電素子とホーン部材を含み、このホーン部材の下方に延びかつ噴霧面を形成する前記先端部を少なくとも2つ以上の櫛歯状に複数個に分割する超音波トランスデューサを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の超音波トランスデューサを使用する定着液付与ヘッドにおいて、多孔質材料で作成され、一端を前記定着液に浸漬し、毛細管効果により前記定着液を導くように他端を前記超音波トランスデューサの前記先端部に密着させる定着液供給部材を備え、この定着液供給部材の前記他端は前記超音波トランスデューサの櫛歯本数と同じ数に分かれかつこれらの櫛歯状に分かれた部分は前記超音波トランスデューサの櫛歯状部分にそれぞれ密着している定着液付与ヘッドを特徴とする。
【0006】
また、請求項3に記載の発明は、前記櫛歯状の先端部は少なくとも2カ所以上に撥水加工が施される請求項1記載の超音波トランスデューサを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、櫛歯状部分を有する前記定着液供給部材の前記他端は前記超音波トランスデューサの櫛歯状撥水処理部の非撥水部の本数と同じ数に分かれており、かつこれらの非撥水部は前記超音波トランスデューサの非撥水部にそれぞれ密着している請求項2記載の定着液付与ヘッドを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2又は4記載の定着液付与ヘッドが複数個配列されかつ所定の面積を網羅する定着装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記各々の定着液付与ヘッドの間に、それぞれ気流制御用の板を設ける請求項5記載の定着装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、トナー像担持体と、このトナー像担持体上のトナーを記録紙上に転写させる転写手段と、記録紙上に転写したトナーを定着させる定着装置を含んでいる画像形成装置において、前記定着装置は請求項5記載の定着装置である画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、定着液付与ヘッドは、従来に比べて噴霧される液滴の密度の均一性を向上させることができるので、記録紙上に定着液をムラ無く塗布でき、良好な定着画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による超音波トランスデューサを示す概略図である。図2は図1のトランスデューサを使った定着液付与ヘッドを示す概略図である。図1及び図2において、超音波トランスデューサ1は圧電(ピエゾ)素子3の両端に交流電源4からの電圧を受け、微少な振動変位を生じる。
超音波トランスデューサ1の微少な振動変位はホーン部材2を介して拡大され、先端部5で最大となる。図2には図1の超音波トランスデューサ1を使った定着液付与ヘッド6を示している。
【0009】
定着液(トナーを溶解させる軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒からなるトナー定着液)8は、連泡多孔質体からなる定着液供給部材7の毛管力によって吸い上げられ、定着液供給部材7の先端面から先端部5に供給される。すると、前述の振動により定着液8が先端部5に薄い膜を張り、最終的にはミストとなって噴霧される。噴霧された定着液滴12は落下し、記録紙9上の未定着トナー10に降り注ぐ。なお、図2中、符号13は定着液容器を示している。
すると、トナー11は図示のごとく軟化かつ溶解し、記録紙9上に定着する。水頭差Hは、この水頭差Hを変えることにより定着液付与ヘッドへの定着液供給量が変わり、噴射量を変えることもできる。
本発明は、定着液8を、先端部噴霧面からミスト状に噴霧して記録紙上の未定着トナー画像に付与し、トナーを溶解かつ定着させる超音波トランスデューサにおいて、圧電素子3とホーン部材2を含み、このホーン部材2の下方に延びかつ噴霧面を形成する先端部5を少なくとも2つ以上の櫛歯状に複数個に分割した構成を一つの特徴とする。
また、定着液供給部材7の他端は超音波トランスデューサの櫛歯本数と同じ数に分かれかつこれらの櫛歯状に分かれた部分は超音波トランスデューサの櫛歯状部分にそれぞれ密着している構成も特徴的である。
【0010】
図3は一般的な超音波トランスデューサを使用する記録紙上の塗布範囲を示す概略斜視図である。図4は図3の超音波トランスデューサを使用して定着液の粘度を上げた場合の塗布ムラの状態を示す概略斜視図である。図5は本発明による超音波トランスデューサを使用してかなりの均一性の改善が見られる塗布範囲を示す概略斜視図である。
図3の符号aは記録紙9上の塗布範囲において超音波トランスデューサ1のホーン部材2から延びる先端部5から定着液12が直接降りかかる範囲を示し、符号bは記録紙9が移動することによって定着液12が塗布された範囲である。
【0011】
ところが、前述のように画像の乱れを抑えるために定着液8の粘度を上げると、図4のように噴射部が超音波トランスデューサ1の先端全面でなく、一部に偏り数本の帯のようになってしまい塗布ムラができてしまう。これは粘度が高く全体的に滴化しづらい状態で、或る部分が或るきっかけで滴化し飛ぶと、他の部分の定着液8は飛んだ部分に吸われ、飛ばない部分はずっと飛ばなくなることが原因である。
このことは、図1に示した本発明の超音波トランスデューサを使用すると、図5のように塗布範囲fにかなりの均一性の改善がみられる。これは超音波トランスデューサ1の先端面を伝って他の部分に定着液8が流れ込む現象が抑えられたためそれぞれの櫛歯状の先端部5aから噴霧するためである。
なお、図5のeは記録紙9上の塗布範囲において超音波トランスデューサ1の先端部5から定着液12が直接降りかかる範囲を示している。また、図4及び図5において、符号9は記録紙を示している。
【0012】
図6は定着液供給部材の外観を示す概略図である。図7は超音波トランスデューサ及び定着液供給部材から構成される定着液付与ヘッドを示す概略斜視図である。
図2に示した定着液供給部材7は供給用多孔質体からなり、その先端部7aも図4のように櫛歯状に加工し、図1のホーン部材2を含む超音波トランスデューサ1と組み合わせた場合に定着液付与ヘッドを構成する。この場合、多孔質体内を横に伝って他の部分に流れ込む現象も抑えられるため、さらに均一性が向上する。
【0013】
図8は定着液付与ヘッドの他の構成を示す概略斜視図である。図8のように超音波トランスデューサ1のホーン部材2から延びる先端部5に櫛歯状の撥水加工部14を施すことも考えられる。つまり、櫛歯状の突起部(非撥水部)間に撥水材料を充填して撥水加工部14を形成する。この構成でも定着液付与ヘッドを横に伝って他の部分に流れ込む現象はなくなるため、噴射される液滴密度の均一性は向上する。また同様に、図6で示した櫛歯状先端部7aを有する多孔質体7を使用すれば、多孔質体7内を横に伝って他の部分に流れ込んでしまう現象が抑えられるため、さらに均一性は向上する。
図9は定着液付与ヘッドを複数個並べて所定の面積を網羅させた定着装置の実施の形態を示す概略斜視図である。このように定着液付与ヘッド(定着液供給部材は図示せず)を主走査方向に複数個並べることにより、所定の幅の記録紙9を通常通り搬送することによって定着液を全面に塗布することができる。
図9のgは記録紙9上の塗布範囲において超音波トランスデューサ1の先端部5から定着液滴12が直接降りかかる範囲を示し、bは記録紙9が移動することによって塗布された範囲を示している。
【0014】
図10は定着液付与ヘッド間に設置した板を示す概略図である。図11は定着液付与ヘッドの中央部に集まるように噴射された液滴を示す概略図である。図10には、定着液付与ヘッド間の均一性を向上させるために隣り合う定着液付与ヘッド間に設けられる板15を示している。
通常、図11のように噴射された定着液滴12は、定着液付与ヘッドの中央部に集まるように噴霧する。これは、前述したように、定着液滴12が空気中を進む時、後ろ側にごく小さい負圧領域が発生し、噴霧領域にはこれが無数にあるため周りからそこに向かって空気が流れ込むために気流が発生するためと考えられ、このことにより塗布ムラが発生する。
この塗布ムラは、図10のように定着液付与ヘッド間に板15を設けると、かなり均一性が改善する。これは板15の近傍に動きづらい空気層があるため周囲から空気が流れ込まず定着液滴12が板15に沿って飛翔するためである。
さらに板15の先端部でエッジに沿って回り込む現象が見られた。これにより定着液滴は超音波トランスデューサ1の幅よりも広がり(図10)、隣の定着液付与ヘッドからの定着液滴12と重なることになる。以上のように本発明によりかなり均一性を上げることができ、良好な定着品質を得ることができた。
【0015】
図12は本発明の定着装置を使用した画像形成装置を示す概略図である。図12において、画像形成装置Aの画像形成部には感光体ドラム16があり、それぞれ搬送方向にブラック16Bk、マゼンタ16M、イエロー16Y、シアン16Cの順で並んでいる。それぞれの感光体ドラム16Bk、16M、16Y、16Cの下にはローラ17aと17bに掛けられた搬送ベルト18が設けられている。
記録紙9は図12の右から左方向に搬送され、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアンの順で感光体ドラム16からトナーを転写され、各色の像が重なりカラー画像を作る。4色のトナーが記録紙9上に乗ると最後に本発明による定着装置19に入る。前述の通り超音波トランスデューサ1を含む定着液付与ヘッドから定着液を付与され、記録紙9上のトナーは溶解して定着する。
【0016】
図13は感光体ドラム周りを説明する概略図である。次に図13を参照して感光体ドラム16周りを詳細に説明する。感光体ドラム16はクリーニングブラシ20、クリーニングブレード21により感光体ドラム16上の残留したトナーを掻き取る。
次に、除電ランプ22により感光体ドラム16の電荷を除去する。帯電チャージャ23で均一な帯電を与え、露光24で潜像を作る。現像スリーブ26でキャリア25上のトナー28が感光体ドラム16上に転写され、転写チャージャ27によりトナー28は記録紙9上に2次転写されて未定着画像となる。
この後、従来の複写機等では記録紙9は最後に熱を使った定着装置に入ることになるが、熱方式は非常に電力を消費する。また、複写機を使用していない時も立ち上がりに時間を掛けないためにヒータ温度をかなり高く保つ必要があり、稼働中はスタンバイ状態を含めてかなりの電力を消費している。
このような熱を使った定着装置に対し、本発明の定着液を使った定着方式は、定着部で動作時でも低電力で、しかもスタンバイ時にはほとんど電力を消費しないメリットがある。
【0017】
前述のとおり、第1の均一性の劣化は粘度が高い時、飛んだ部分に他の部分の定着液が流れ込んでしまうことから生じる。そこで定着液付与ヘッドの先端部5を櫛歯状(5a)に分割して駆動したところ、定着液付与ヘッド面を伝って他の部分に流れ込む現象が抑えられたため、定着液8(図2)はそれぞれの櫛歯の先端から噴霧することを確認した。
また、定着液を供給する多孔質材からなる定着液供給部材7の先端部も同様の櫛歯状の形状とし、それぞれ超音波トランスデューサ1の櫛歯に密着させたところ多孔質材7中を伝って他の部分に流れ込む現象も抑えられたため、さらに安定してそれぞれの櫛歯の先から噴霧し、結果的に均一性を上げることができた。
また、第2の均一性劣化の要因である噴霧滴が飛翔中に中央部に集まりムラになる現象に対しては、1つ1つの定着液付与ヘッドの間に板10(図10)を設けると解決することが判った。
これは板10の近傍に動きづらい空気層があるため周囲から空気が流れ込まず、液滴12が板10に沿って飛翔し、さらに、板10の先端部でエッジに沿って回り込む現象が見られることによる。これによって液滴は超音波トランスデューサ1の幅よりも広がり、隣の定着液付与ヘッドからの液滴と重なることにより均一性を大幅に改善することができた。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による超音波トランスデューサを示す概略図である。
【図2】図1のトランスデューサを使った定着液付与ヘッドを示す概略図である。
【図3】一般的な超音波トランスデューサを使用する記録紙上の塗布範囲を示す概略斜視図である。
【図4】図3の超音波トランスデューサを使用して定着液の粘度を上げた場合の塗布ムラの状態を示す概略斜視図である。
【図5】本発明による超音波トランスデューサを使用してかなりの均一性の改善が見られる塗布範囲を示す概略斜視図である。
【図6】定着液供給部材の外観を示す概略図である。
【図7】超音波トランスデューサ及び定着液供給部材から構成される定着液付与ヘッドを示す概略斜視図である。
【図8】定着液付与ヘッドの他の構成を示す概略斜視図である。
【図9】定着液付与ヘッドを複数個並べて所定の面積を網羅させた定着装置の実施の形態を示す概略斜視図である。
【図10】定着液付与ヘッド間に設置した板を示す概略図である。
【図11】定着液付与ヘッドの中央部に集まるように噴射された液滴を示す概略図である。
【図12】本発明の定着装置を使用した画像形成装置を示す概略図である。
【図13】感光体ドラム周りを説明する概略図である。
【符号の説明】
【0019】
A 画像形成装置
1 超音波トランスデューサ(定着液付与ヘッド)
2 ホーン部材
3 圧電(ピエゾ)素子
5 超音波トランスデューサの先端部(噴霧面)
5a 櫛歯状の先端部(噴霧面)
6 定着液付与ヘッド
7 定着液供給部材(連泡多孔質体、定着液付与ヘッド)
7a 定着液供給部材の櫛歯状の先端部
9 記録紙
11 トナー
12 定着液液滴
14 撥水加工部分
15 板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを溶解させる軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒からなるトナー定着液を、先端部噴霧面からミスト状に噴霧して記録紙上の未定着トナー画像に付与し、トナーを溶解かつ定着させる超音波トランスデューサにおいて、圧電素子とホーン部材を含み、このホーン部材の下方に延びかつ噴霧面を形成する前記先端部を少なくとも2つ以上の櫛歯状に複数個に分割することを特徴とする超音波トランスデューサ。
【請求項2】
請求項1記載の超音波トランスデューサを使用する定着液付与ヘッドにおいて、多孔質材料で作成され、一端を前記定着液に浸漬し、毛細管効果により前記定着液を導くように他端を前記超音波トランスデューサの前記先端部に密着させる定着液供給部材を備え、この定着液供給部材の前記他端は前記超音波トランスデューサの櫛歯本数と同じ数に分かれかつこれらの櫛歯状に分かれた部分は前記超音波トランスデューサの櫛歯状部分にそれぞれ密着していることを特徴とする定着液付与ヘッド。
【請求項3】
前記櫛歯状の先端部は少なくとも2カ所以上に撥水加工が施されることを特徴とする請求項1記載の超音波トランスデューサ。
【請求項4】
櫛歯状部分を有する前記定着液供給部材の前記他端は前記超音波トランスデューサの櫛歯状撥水処理部の非撥水部の本数と同じ数に分かれており、かつこれらの非撥水部は前記超音波トランスデューサの非撥水部にそれぞれ密着していることを特徴とする請求項2記載の定着液付与ヘッド。
【請求項5】
請求項2又は4記載の定着液付与ヘッドが複数個配列されかつ所定の面積を網羅することを特徴とする定着装置。
【請求項6】
前記各々の定着液付与ヘッドの間に、それぞれ気流制御用の板を設けることを特徴とする請求項5記載の定着装置。
【請求項7】
トナー像担持体と、このトナー像担持体上のトナーを記録紙上に転写させる転写手段と、記録紙上に転写したトナーを定着させる定着装置を含んでいる画像形成装置において、前記定着装置は請求項5記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
トナーを溶解させる軟化材と、その軟化材を溶解または分散する溶媒からなるトナー定着液を、先端部噴霧面からミスト状に噴霧して記録紙上の未定着トナー画像に付与し、トナーを溶解かつ定着させる超音波トランスデューサにおいて、圧電素子とホーン部材を含み、このホーン部材の下方に延びかつ噴霧面を形成する前記先端部を少なくとも2つ以上の櫛歯状に複数個に分割することを特徴とする超音波トランスデューサ。
【請求項2】
請求項1記載の超音波トランスデューサを使用する定着液付与ヘッドにおいて、多孔質材料で作成され、一端を前記定着液に浸漬し、毛細管効果により前記定着液を導くように他端を前記超音波トランスデューサの前記先端部に密着させる定着液供給部材を備え、この定着液供給部材の前記他端は前記超音波トランスデューサの櫛歯本数と同じ数に分かれかつこれらの櫛歯状に分かれた部分は前記超音波トランスデューサの櫛歯状部分にそれぞれ密着していることを特徴とする定着液付与ヘッド。
【請求項3】
前記櫛歯状の先端部は少なくとも2カ所以上に撥水加工が施されることを特徴とする請求項1記載の超音波トランスデューサ。
【請求項4】
櫛歯状部分を有する前記定着液供給部材の前記他端は前記超音波トランスデューサの櫛歯状撥水処理部の非撥水部の本数と同じ数に分かれており、かつこれらの非撥水部は前記超音波トランスデューサの非撥水部にそれぞれ密着していることを特徴とする請求項2記載の定着液付与ヘッド。
【請求項5】
請求項2又は4記載の定着液付与ヘッドが複数個配列されかつ所定の面積を網羅することを特徴とする定着装置。
【請求項6】
前記各々の定着液付与ヘッドの間に、それぞれ気流制御用の板を設けることを特徴とする請求項5記載の定着装置。
【請求項7】
トナー像担持体と、このトナー像担持体上のトナーを記録紙上に転写させる転写手段と、記録紙上に転写したトナーを定着させる定着装置を含んでいる画像形成装置において、前記定着装置は請求項5記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−171679(P2007−171679A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370694(P2005−370694)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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