説明

超音波式液体送達装置

超音波液体送達装置は、内部チャンバを備える細長いハウジング、該ハウジングの内部チャンバと流体的に連通する入口、及び該ハウジングの内部チャンバと流体的に連通する出口を有する。細長い超音波導波管は、少なくとも一部がハウジングの内部チャンバ内に配置され、液体が出口を通ってハウジングから排出される前に内部チャンバ内の液体に超音波的にエネルギーを与える。超音波導波管は、入口と出口との中間でハウジングのチャンバ内の超音波導波管から外向きに延びる攪拌部材を有する。攪拌部材及び超音波導波管は、超音波導波管が超音波振動するとき該攪拌部材が超音波導波管に対して動的運動するように構成され、配列される。励起装置が、超音波導波管及び攪拌部材を超音波的に励起するように作動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、液体の霧化スプレーを送り出すための液体送達装置に関し、詳細には、液体が装置を出る前に、装置により液体に超音波エネルギーが与えられるようにした超音波式液体送達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波式液体送達装置は、液体にエネルギーを与えて液体を霧化し、液体を細かい霧又はスプレーにするために種々の分野で用いられる。例えば、このような装置は、ネブライザ及び他の薬物送達装置、鋳造機器、加湿器、エンジンのための燃料噴射システム、塗料スプレーシステム、インク送達システム、混合システム、均質化システム等として用いられる。このような送達装置は、典型的には、流路を有するハウジングを備えており、液体は、該流路を通して、該ハウジングに設けた少なくとも1つの、時には複数の排気ポート又はオリフィスまで加圧状態で流れる。加圧液体は、ハウジングの排気ポートから出るように強制される。いくつかの構造では、装置は、該装置からの液体の流れを制御するためのバルブ部材を含む場合がある。
【0003】
従来の超音波液体送達装置のいくつかでは、超音波励起部材が、典型的には装置に組み込まれ、更に具体的には、上記した排気ポートを定めるハウジングの一部を形成する。励起部材は、液体がポートを出るところで超音波的に振動し、流出する液体に励起超音波エネルギーを付与する。超音波エネルギーは、液滴のスプレーが排気ポートから送り出されるときに液体を霧化するように働く。例として、米国特許第5,330,100号(Malinowski)は、燃料が噴射器の出口オリフィスを通って流出するところで、燃料噴射器のノズル(例えば、ハウジングの部品)自体が超音波的に振動し、超音波エネルギーが燃料に付与されるように構成された燃料噴射システムを開示している。このような構成では、ノズル自体を振動させることにより、ノズルが出口オリフィスでキャビテーション侵食されることになる(例えば、出口オリフィス内における燃料のキャビテーションにより)恐れがある。
【0004】
他の超音波液体送達装置では、超音波励起部材は、排気ポートより上流におけるハウジング内の液体が流れる流路に配置することができる。このような装置の例は、関連する米国特許第5,803,106号(Cohenら)、第5,868,153号(Cohenら)、第6,053,424号(Gipsonら)及び第6,380,264号(Jamesonら)に開示されており、その各々の開示事項は、引用により本明細書に組み入れられる。これらの参照文献は、一般に、超音波エネルギーを加圧液体に与えることによりオリフィスを通る加圧液体の流量を増大するための装置を開示する。詳細には、加圧液体は、一又はそれ以上の出口オリフィスを含むダイチップを有するハウジングのチャンバに送達され、該出口オリフィスを通って加圧液体がチャンバを出る。
【0005】
超音波ホーンは、一部がチャンバ内に位置し、一部がチャンバの外に位置するように縦方向に延び、その直径は、出口オリフィスに隣接して配置される先端に向かって減少し、ホーンの超音波振動をその先端で増幅する。ホーンの外側端部にトランスデューサが取り付けられ、超音波的にホーンを振動させる。このような装置にあり得る不利な点は、種々の構成要素が高圧環境に曝されることで、構成要素に大きな応力が付与されることである。詳細には、超音波ホーンの一部がチャンバに浸漬され、別の一部が浸漬されないため、ホーンの異なるセグメントに大きな差圧が生じ、ホーンに付加的な応力がかかることになる。更に、このような装置は、いくつかの超音波液体送達装置では装置からの液体の送達を制御するために一般的である作動バルブ部材を容易には収容することができない。
【0006】
更に別の液体送達装置においては、特に、装置からの液体の流れを制御するために作動バルブ部材を含むものにおいては、液体が装置を出るときに超音波的にバルブ部材を励起することが知られている。例えば、米国特許第6,543,700号(Jamesonら)は、噴射器のバルブニードルの少なくとも一部が、超音波周波数で変化する磁場に応答する磁歪材料で形成された燃料噴射器を開示しており、その開示事項は引用により本明細書に組み入れられる。燃料がバルブ本体(即ちハウジング)から排出されるのを許容するようにバルブニードルが配置されている場合には、超音波周波数で変化する磁場がバルブニードルの磁歪部分に印加される。従って、バルブニードルは、超音波的に励起され、燃料が出口オリフィスを介して噴射器を出るときに超音波エネルギーを燃料に付与する。
【0007】
上に述べたように、超音波液体送達装置は、種々の液体にエネルギーを与えるために種々の分野で用いられる。これらの液体のいくつかは多相又は多成分液体(例えば水溶液)であり、これらは、望ましくないほどに分離することがある。例の1つでは、燃料オイルは、燃焼チャンバに送達される前に分離することがあり、これは、チャンバの効率に有意な減少を生じさせる可能性がある。従って、燃焼チャンバに送達する直前に燃料オイルを混合することが有利であるということになる。燃料オイルの送達以外の用途もこの同じ欠点を有する。更に、用途のいくつかでは、出口オリフィスを適切な位置に配置するために、予め決定した距離にわたる超音波液体送達装置が必要である。その結果、比較的長い範囲に適応することができる超音波導波管が望まれることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,330,100号公報
【特許文献2】米国特許第5,803,106号公報
【特許文献3】米国特許第5,868,153号公報
【特許文献4】米国特許第6,053,424号公報
【特許文献5】米国特許第6,380,264号公報
【特許文献6】米国特許第6,543,700号公報
【特許文献7】米国特許第6,688,579号公報
【特許文献8】米国特許第6,827,332号公報
【特許文献9】米国特許第6,874,706号公報
【特許文献10】米国特許第6,676,003号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の1つでは、概略的に言うと、超音波液体送達装置は内部チャンバを有する細長いハウジングを備えており、ハウジングの内部チャンバと流体的に連絡する入口により液体がチャンバ内部に入り、ハウジングの内部チャンバと流体的に連絡する出口によりチャンバ内の液体がハウジングを出るように構成される。少なくとも一部がハウジングの内部チャンバ内に位置するように、細長い超音波導波管が配置され、液体が出口を通ってハウジングから排出される前に内部チャンバ内の液体に超音波的にエネルギーを与える。超音波導波管は、入口と出口との中間でハウジングの内部チャンバ内の超音波導波管から外向きに延びる攪拌部材を有する。この攪拌部材及び超音波導波管は、超音波導波管に超音波振動を生じたとき、該超音波導波管に対して攪拌部材が動的に運動するように構成され、配列される。励起装置は、超音波導波管及び攪拌部材を超音波的に励起させるように作動可能な装置である。
【0010】
別の実施形態では、概略的に言うと、超音波液体送達装置はハウジングを備えており、該ハウジングは、液体をハウジング内に受け取るための入口と、液体がハウジングを出るときに通過する出口と、入口と出口とに流体的に連通し、入口から出口までハウジング内の液体の流れを導く内部流路と、を有する。超音波導波管は、ハウジングとは別体であり、細長くて、少なくとも一部が流路内に配置されており、液体が出口を通ってハウジングを出る前に流路内の液体に超音波的にエネルギーを与える。攪拌部材は、全体的に、超音波導波管から外向きに延びる。励起装置は、超音波導波管及び攪拌部材を超音波的に励起するように作動可能である。
【0011】
更に別の実施形態では、概略的に言うと、超音波液体送達装置は細長いハウジングを備えており、該ハウジングは、液体をハウジング内に受け取るための入口と、液体がハウジングから排出されるときに通過する出口と、入口及び出口と流体的に連通して、液体がハウジング内で入口から出口まで流れるように導くハウジング内の流路と、を有する。細長い超音波導波管は、液体が出口を通ってハウジングを出る前に流路内の液体に超音波的にエネルギーを与えるように、少なくとも一部が流路内に配置される。超音波導波管は、少なくとも2つの波長のセグメントを有する。複数の攪拌部材が、超音波導波管から横方向外向きに延びる。攪拌部材及び超音波導波管は、超音波導波管に超音波振動を生じたとき、攪拌部材が超音波導波管に対して動的に運動するように構成され、配列される。励起装置は、超音波導波管及び攪拌部材を超音波的に励起するように作動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】内燃エンジンに燃料を送達するための燃料噴射器の形で示された本発明による超音波液体送達装置の一実施形態の縦方向断面図である。
【図2】図1の断面をとった角度位置と異なる角度位置でとった図1の燃料噴射器の縦方向断面図である。
【図3】図1の断面の第1の部分の拡大図である。
【図4】図1の断面の第2の部分の拡大図である。
【図5】図2の断面の第3の部分の拡大図である。
【図6】図1の断面の第4の部分の拡大図である。
【図6a】図1の断面の中心部分の拡大図である。
【図7】図1の断面の第5の部分の拡大図である。
【図8】図1の断面の分解拡大図である。
【図9】導波管組立体及び図1の燃料噴射器の他の内部部品の斜視図である。
【図10】ハウジングの構成を明らかにするために燃料噴射器の内部構成要素が省略された図1の燃料噴射器の燃料噴射器ハウジングの一部の分解断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による超音波液体送達装置の縦方向断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態による超音波液体送達装置の縦方向断面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態による超音波液体送達装置の縦方向断面図である。
【図14】本発明の第5の実施形態による超音波液体送達装置の縦方向断面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
対応する参照記号は、図面を通して対応する部品を示す。
ここで、図面、詳細には図1を参照すると、本発明の実施形態の1つによる超音波液体送達装置が、内燃エンジン(図示せず)とともに用いるための超音波燃料噴射器の形で示されており、全体的に21で表示される。しかし、燃料噴射器21に関して本明細書に開示した概念は、他の超音波液体送達装置にも適用可能であり、これら他の超音波液体送達装置には、限定する意味ではないが、ネブライザ及び他の薬物送達装置、鋳造機器、加湿器、塗料スプレーシステム、インク送達システム、混合システム、均質化システム等が含まれることが分かる。
【0014】
液体という用語は、本明細書で用いる場合、気体と固体との間にある物質の非晶質(非結晶)の形をいい、このとき、分子は、気体より遥かに高濃度であるが、固体より遥かに低濃度である。液体は、単一の成分を含むこともでき、複数の成分を含むこともできる。例えば、液体の特徴は、力が加えられたとき流れることができる性質である。力を加えると直ぐに流れ、その流量が加えた力に正比例する液体は、一般に、ニュートン液体と呼ばれる。液体として適切な他の物質は、力が加えられるとき異常流の応答を示し、非ニュートン流の特徴を示す。
【0015】
例として、本発明の超音波液体送達装置は、限定する意味ではないが、溶融ビチューメン、粘性塗料、ホットメルト接着剤、熱に暴露されると流動可能な形に軟化し、冷却されると比較的固化又は硬化状態に戻る熱可塑材料(例えば、生ゴム、ワックス、ポリオレフィン等)、シロップ、重油、インク、燃料、液体薬剤、乳剤、スラリー、懸濁液及びその組み合わせのような液体を送達するのに用いることができる。
【0016】
図1に示す燃料噴射器21は、陸上、空中及び海上の乗物、発電機、及び燃料作動エンジンを用いる他の装置に用いることができる。詳細には、燃料噴射器21は、ディーゼル燃料を用いるエンジンに用いるのに適する。しかし、燃料噴射器は、他の種類の燃料を用いるエンジンにも有用であると考えられる。従って、燃料という用語は、本明細書で用いる場合、エンジンを作動するのに用いられるあらゆる可燃性燃料を意味することを意図しており、ディーゼル燃料に限定されるものではない。
【0017】
燃料噴射器21は、燃料の供給源(図示せず)から加圧燃料を受け取り、燃料液滴の霧化スプレーをエンジンに、例えば、エンジンの燃焼チャンバに送達するための全体に23で示されるハウジングを含む。図示する実施形態では、ハウジング23は、細長い主要本体25と、ノズル27(時にバルブ本体とも呼ばれる)と、これら主要本体、ノズル及びナットを互いに組み立てて保持する保持部材29(例えばナット)と、を含む。詳細には、主要本体25の下側端部31は、ノズル27の上側端部33に着座している。保持部材29は、主要本体25の外側表面に適切に固定(例えばねじ固定)し、主要本体及びノズル27の対面する端部31、33を互いの方向に押し付ける。
【0018】
「上側」及び「下側」という用語は、本明細書では、種々の図面に示す燃料噴射器21の垂直方向の向きに一致して用いられており、使用中の燃料噴射器の必然的な向きを示すことを意図するものではない。即ち、燃料噴射器21は、図面に示す垂直方向の向き以外の向きにすることもでき、それでも本発明の範囲に含まれると考えている。軸線方向及び縦方向という用語は、本明細書では、方向的に燃料噴射器の長さ方向(例えば、図示する実施形態では垂直方向)をいう。横方向、側方向及び半径方向という用語は、本明細書では、軸線方向(例えば縦方向)に垂直な方向をいう。また、内側及び外側という用語も、燃料噴射器の軸線方向を横切る方向に関して用いられ、内側という用語は、燃料噴射器の内部に向かう方向をいい、外側という用語は、噴射器の外部に向かう方向をいう。
【0019】
主要本体25は、長さに沿って縦方向に延びる軸孔35を有する。横方向すなわち軸孔35の断面方向寸法(例えば、図1に示す円形軸孔の直径)は、後に明らかになる目的のために、軸孔の個々の縦方向セグメントごとに変化する。詳細には、図3を参照すると、主要本体25の上側端部37では、軸孔35の断面寸法は段状になっており、従来のソレノイドバルブ(図示せず)を、該ソレノイドバルブの一部が主要本体の中心軸孔内に下向きに延びるように主要本体に設置するための台座39を形成する。燃料噴射器21及びソレノイドバルブは、適切なコネクタ(図示せず)により互いに組み立てられて保持される。適切なソレノイドバルブの構成及び動作は、当業者には公知であり、従って、本明細書では、必要な範囲を除き、これ以上は説明しない。適切なソレノイドバルブの例は、「内燃エンジンの燃料噴射器を制御するためのソレノイドバルブ」と題される米国特許第6,688,579号、「ソレノイドバルブ」と題される米国特許第6,827,332号及び「差し込み式/回転式接続部を含むソレノイドバルブ」と題される米国特許第6,874,706号に開示されている。また、他の適切なソレノイドバルブを用いることもできる。
【0020】
中心軸孔35の断面寸法は、ソレノイドバルブ台座の下に延びるにつれて更に内向きに段を有し、中心軸孔内に縦方向に(及び図示する実施形態では同軸方向に)延びるピンホルダ47をはめ込む肩45を形成する。図4に示すように、主要本体25の軸孔35は、ピンホルダ47が延びるセグメントより下方に縦方向に延びた位置で断面が更に小さくなり、噴射器21の低圧チャンバ49の少なくとも一部を形成する。
【0021】
低圧チャンバ49の縦方向下方では、主要本体25の中心軸孔35は更に細くなり、後述するように、噴射器21のバルブニードル53(広い意味でバルブ部材)を軸孔内に少なくとも部分的に適切に配置するための軸孔のガイドチャネル(及び高圧密封)セグメント51(図4及び図5)を形成する。図8を参照すると、軸孔35の断面寸法は、次に、軸孔が、ガイドチャネルセグメント51の縦方向下方に主要本体25の開放下側端部31まで延びる位置で増大し、部分的に(例えば、記載するようにノズル27とともに)噴射器ハウジング23の高圧チャンバ55(広い意味では内部燃料チャンバ、更に広い意味では内部液体チャンバ)を形成する。
【0022】
燃料入口57(図1及び図4)が、主要本体25の上側端部と下側端部37、31との中間の側部に形成され、これは、主要本体内に延びる分岐上側及び下側分配チャネル59、61と連絡する。詳細には、上側分配チャネル59は、燃料入口57から主要本体25内を上向きに延び、概略的には軸孔内に固定されるピンホルダ47に隣接して、更に詳細には、ピンホルダがはめ込まれる肩45の真下で軸孔35に開口する。下側分配チャネル61は、燃料入口57から主要本体25内を下に延び、大凡高圧チャンバ55の位置で中心軸孔35に開口する。送達管63は、主要本体25の燃料入口57を通って内向きに延び、適切なスリーブ65及びねじ継手67により主要本体とともに組み立てられ、保持される。燃料入口57は、本発明の範囲から逸脱することなく、図1及び図4に示す場所以外に配置することができると考えられる。また、燃料は、ハウジング23の高圧チャンバ55のみに送達することもでき、これも依然として本発明の範囲に含まれると考えている。
【0023】
主要本体25は、その側部に形成された出口69(図1及び図4)を更に有し、低圧燃料が該出口を通って噴射器21から排出され、適切な燃料戻しシステム(図示せず)に送られる。第1の戻りチャネル71が、主要本体25に形成され、主要本体の中心軸孔35の出口69と低圧チャンバ49の間を流体的に連絡する。第2の戻りチャネル73が、主要本体25に形成され、主要本体の出口69と開放上側端部37との間を流体的に連絡する。しかし、戻りチャネル71、73の一方又は両方は、本発明の範囲から逸脱することなく燃料噴射器21から除外することができることが分かる。
【0024】
図6〜図8を特に参照すると、図示するノズル27は、全体として細長く、燃料噴射器ハウジング23の主要本体25と同軸に位置合わせされる。詳細には、ノズル27は、主要本体25の軸線方向軸孔35と、特に主要本体の下側端部31で同軸に位置合わせされた軸孔75を有し、これにより、主要本体とノズルとが合わさって燃料噴射器ハウジング23の高圧チャンバ55を定める。ノズル軸孔75の断面寸法は、ノズル27の上側端部33で外向きに段が付けられ、燃料噴射器ハウジング23内に装着部材79を収めるための肩77を定める。ノズル27の下側端部(先端81ともいわれる)は、ほぼ円錐形である。
【0025】
ノズル軸孔75の断面寸法(例えば図示する実施形態では直径)は、その先端81と上側端部33の中間では、図8に示すように、ノズルの長さに沿ってほぼ均一である。1つ又はそれ以上の排気ポート83(図7の断面には2つが見え、図10の断面には付加的なポートが見える)が、ノズル27に、例えば図示した実施形態ではノズルの先端81に形成され、これを通ってハウジング23から高圧燃料が排出され、エンジンに送られる。例として、適切な実施形態の1つでは、ノズル27は、各排気ポートの直径が約0.006インチ(0.15mm)である8つの排気ポート83を有するものとすることができる。しかし、排気ポートの数及びその直径は、本発明の範囲から逸脱することなく種々変えることができることが分かる。下側分配チャネル61及び高圧チャンバ55はともに、本明細書では、広い意味で、ハウジング23内にそれに沿って燃料入口57からノズル27の排気ポート83まで高圧燃料が流れる流路を定める。
【0026】
ここで図1及び図3を参照すると、ピンホルダ47は、細長い管状本体85と、該管状本体の上側端部に一体的に形成されたヘッド87とを含み、該ヘッドは、中心軸孔35内の主要本体25の肩45にピンホルダを配置するために横方向断面が管状本体より大きい大きさにされている。図示する実施形態では、ピンホルダ47は、主要本体25の軸線方向軸孔35と同軸に位置合わせされ、ピンホルダの管状本体85が、主要本体の軸線方向軸孔内で主要本体と一般に密封的に係合する大きさにされる。ピンホルダ47の管状本体85は、ピンホルダ内に細長いピン93を滑動可能に受け取るためにピンホルダに縦方向に延びる内部チャネル91を定める。
【0027】
ピンホルダ47のヘッド87は、その上側表面の中心に形成された全体として凹形又は皿状の凹部95と、この凹部の中心からピンホルダの内部チャネル91まで縦方向に延びる軸孔97とを有する。図3に示すように、環状隙間99が、主要本体の軸孔35の上側部分でピンホルダ47の側壁と主要本体25の内側表面との間に形成される。供給チャネル101は、全体としてチャネルの上側端部でピンホルダ47の管状本体85の側壁を通って内部チャネル91まで横方向に延び、横方向外側端部で環状隙間99に開口する。供給チャネル101は、該供給チャネル内に高圧燃料を受け取るために環状隙間99を介して主要本体25の上側分配チャネル59に流体的に連通しており、ピン93の上の管状本体85の内部チャネルと、ピンホルダ47のヘッド87内を縦方向に延びる軸孔97に流体的に連通している。
【0028】
ピン93は、細長く、適切には、ピンホルダチャネル91及び主要本体25の軸線方向軸孔35内を同軸に延びる。ピン93の上側セグメントは、密接した間隔をもつ関係に配置されたピンホルダ47の内部チャネル91内に滑動可能に受け取られ、ピンの残りは、ピンホルダから主要本体25の軸孔35の低圧チャンバ49内に入るように縦方向外向きに延びる。図3に示すように、ピン93の上側端部103(例えばピンホルダ47の内部チャネル101の上部)は、高圧燃料が、ピンの上側端部より上方にあるピンホルダの内部チャネルに受け取られるように、先細である。
【0029】
また、主要本体軸孔35の低圧チャンバ49内には、ピンホルダ47の真下において(例えば、ピンホルダの底部上に当接する)ピン93を囲み、ばね座を定める管状スリーブ107(図4)と、ピンと同軸の関係でピンの下側端部に隣接し、対向するばね座を定める上側端部を有するハンマ109と、ピンが縦方向に通される状態でハンマとばねスリーブとの間に維持されるコイルばね111とが配置される。
【0030】
バルブニードル53(広い意味ではバルブ部材)は、細長く、ハンマ109の底部に隣接するバルブニードルの上側端部113(図2)から、主要本体軸孔のガイドチャネルセグメント51(図8)を下向きに通り、更に高圧チャンバ55を下向きに通り、高圧チャンバ内においてノズル27の先端81に近接して配置されたバルブニードルの末端端部115まで、主要本体25の軸孔35内を同軸に延びる。図4及び図8に最もよく示されるように、バルブニードル53の横方向断面は、ノズル27に対するバルブニードルの適切な位置を維持するために、軸線方向軸孔35のガイドチャネルセグメント51内で主要本体25と密接した間隔をもつ関係にする大きさにされる。
【0031】
特に図7を参照すると、図示したバルブニードル53の末端端部115は、ノズル27の先端81の円錐形状に対応してほぼ円錐形であり、バルブニードルの閉鎖位置(図示せず)でノズル先端の内側表面に対して全体的に密封するようにされた閉鎖表面117を定める。詳細には、バルブニードル53の閉鎖位置では、バルブニードルの閉鎖表面117は、排気ポート83を覆ってノズル先端81の内側表面を密封し、排気ポートを介してノズルから排出される燃料に対してノズル(更に広い意味では燃料噴射器ハウジング23)を密封する。バルブニードルの開放位置では(図7に示す)、バルブニードル53の閉鎖表面117は、ノズル先端81の内側表面から間隔を置いて配置され、高圧チャンバ55内の燃料が、燃料噴射器21から排出されるように、バルブニードル53とノズル先端81との間を排気ポート83まで流れることができる。
【0032】
一般に、バルブニードル末端端部115の閉鎖表面117と対向するノズル先端81の表面との間の間隔は、バルブニードルの開放位置では、約0.002インチ(0.051mm)〜約0.025インチ(0.64mm)の範囲が適切である。しかし、この間隔は、本発明の範囲から逸脱することなく、上に特定した範囲より大きくすることも小さくすることもできる。
【0033】
ノズル27、更に詳細には先端81は、代替的には、バルブニードルの閉鎖位置でバルブニードル53の閉鎖表面117が着座するノズル内側表面以外に排気ポート83が配置されるように構成することもできることが意図されている。例えば、排気ポート83は、バルブニードル53の閉鎖表面117が着座するノズル表面より下流(燃料が排気ポートに向かって流れる方向)に配置することができ、これも依然として本発明の範囲に含むことができる。このようなバルブニードル、ノズル先端及び排気ポート配列の適切な例の1つは、米国特許第6,543,700号に記載されており、その開示事項は、矛盾しない範囲で引用により本明細書に組み入れられる。
【0034】
ピン93、ハンマ109及びバルブニードル53は、このように、バルブニードルの閉鎖位置と開放位置との間で燃料噴射器ハウジング23内の共通軸上を一体的に縦方向に移動可能であることが分かるであろう。スリーブ107とハンマ109との間に配置されたばね111は、ハンマを、従ってバルブニードル53をバルブニードルの閉鎖位置に向かって適切に付勢する。本発明の範囲から逸脱することなく、エンジンに送達するために噴射器からの燃料の流れを制御する他の適切なバルブ構成も可能であることが分かる。例えば、ノズル27(広い意味ではハウジング23)に開口部を設け、該開口部を通ってバルブニードル53がノズルの外向きに延び、該開口部を通って燃料がノズルを出てエンジンに送られるようにすることができる。このような実施形態では、バルブニードル53の末端端部115は、バルブニードルの閉鎖位置ではその外部でノズル27を密封することになる。また、バルブニードル53の動作は、ソレノイドバルブによることなく制御することができ、これも依然として本発明の範囲に含まれる。更に、バルブニードル53又は他のバルブ配列は、本発明の範囲から逸脱することなく燃料噴射器21から完全に除外することができる。
【0035】
ここで図8及び図9を特に参照すると、超音波導波管121は、バルブニードル53及び燃料噴射器ハウジング23とは別個に形成され、ハウジングの高圧チャンバ55内を縦方向に延び、導波管の末端端部123はノズル27の先端81の真上に配置されて、燃料がノズルに形成された排気ポート83を介して噴射器21を出る直前に燃料チャンバ内の燃料に超音波エネルギーを与える。図示した導波管121は、細長くて管状であることが適切であり、導波管の縦方向に対向する上側端部と下側端部との間に(上側端部は129で示される)その長さに沿って延びる内部通路127を定める側壁125を有する。導波管121の下側端部は、導波管の末端端部123を定める。図示した導波管121は、ほぼ環状(即ち円形)の断面を有する。しかし、導波管121は、本発明の範囲から逸脱することなく、断面が環状以外の形状とすることができることが分かる。また、導波管121は、その全長より短い範囲にわたって管状とすることができ、更に、その長さに沿って全体的に中実とすることもできると考えている。別の実施形態では、バルブニードルは、ほぼ管状とすることができ、導波管を少なくとも部分的にバルブニードルの内部に配置することができると考えている。
【0036】
一般に、導波管は、適切な音響的及び機械的特性を有する金属で構成することができる。導波管を構成するのに適切な金属の例には、限定する意味ではないが、アルミニウム、モネル、チタン、及びいくつかの合金鋼が含まれる。また、導波管の全て又は一部を別の金属でコーティングすることができるとも考えている。超音波導波管121は、装着部材79により、燃料噴射器ハウジング23内に、更に適切には、図示した実施形態のように高圧チャンバ55内に固定される。導波管121の端部123、129の間に縦方向に配置された装着部材79は、一般に、装着部材79から導波管の上側端部129まで縦方向上方に延びる(図示した実施形態では)導波管の上側セグメント131と、装着部材から導波管の末端端部123まで縦方向下方に延びる下側セグメント133と、を定める。
【0037】
図示した実施形態では、導波管121(即ち、上側及び下側セグメントの両方)は、ハウジングの高圧チャンバ55内に完全に配置されるが、本発明の範囲から逸脱することなく導波管の一部のみを高圧チャンバ内に配置することもできることが意図されている。例えば、導波管の上側セグメント131を高圧チャンバの外部に配置し、末端端部123を含む導波管121の下側セグメント133のみを高圧チャンバ55内に配置することができ、噴射器ハウジング23内の高圧燃料に暴露するようにすることもでき、暴露しないようにすることもできる。
【0038】
導波管121の内側断面寸法(例えば、図示した実施形態の内径)(例えば、内部通路127の断面寸法)は、全体として、導波管の長さに沿って均一であり、導波管の内部通路内で導波管の全長に沿って(図示した実施形態では導波管の上方でハンマ109に当接するまで)同軸方向に延びるバルブニードル53を収容する大きさにされることが適切である。しかし、バルブニードル53は、本発明の範囲から逸脱することなく、導波管121の内部通路127の一部のみに沿って延びるようにすることもできる。また、導波管121の内側断面寸法は、導波管の長さに沿って均一でなくてもよいことも理解される。図示した実施形態では、バルブニードル53の末端端部115、更に適切にはバルブニードルの閉鎖表面117は、バルブニードルの開放及び閉鎖位置の両方で導波管121の末端端部123の外向きに縦方向に配置される。しかし、バルブニードル53の末端端部115の閉鎖表面117は、バルブニードルの閉鎖位置では導波管121の末端端部123より外方にあればよく、バルブニードルの開放位置では導波管の内部通路127内に完全に又は部分的に位置するように配置することができる。
【0039】
図7に最もよく示されるように、導波管121の内部通路127内に延びるバルブニードル53の一部の断面寸法(例えば、図示した実施形態では直径)は、導波管の内部通路の断面寸法よりわずかに小さい大きさにし、ハウジング内の高圧燃料のための流路の一部を構成し、更に適切には、バルブニードルの長さに沿って導波管側壁125の内側表面とバルブニードルとの間に延びる流路の一部を構成するようにする。例えば、実施形態の1つでは、バルブニードル53は、導波管の内部通路127内で導波管側壁125の内側表面から約0.0005インチ(0.013mm)〜約0.0025インチ(0.064mm)の範囲だけ横方向に間隔を置いて(例えば図示した実施形態では半径方向に間隔を置いて)配置される。
【0040】
バルブニードル53の縦方向に間隔を置いて配置された1対のセグメント、すなわち、導波管121の末端端部123に隣接するセグメント(例えば、1つのセグメント137(図7)と、通路127内において装着部材79に隣接し、該装着部材の真上に位置するバルブニードル53の他のセグメント139(図6a)に沿って、バルブニードル53の断面寸法が増大しており、これによって、バルブニードルは、通路内で導波管との間隔が更に密になるか、或いは滑動的に接触する関係となり、通路内で適切に位置合わせするのが容易になり、通路内でバルブニードルが横方向移動するのを阻止する。バルブニードル53のこれらのセグメントの外側表面には、1つ又はそれ以上の平坦部(図示せず)が形成され、導波管121の内部通路127内に延びる流路部分の一部を定める。或いは、バルブニードル53の外側表面は、これらのセグメントでは縦方向に溝付きとし、燃料がこのセグメントを過ぎて導波管121の内部通路127内を流れることができるようにすることができる。
【0041】
図7を特に参照すると、導波管側壁125の外側表面は、主要本体25及びノズル27から横方向に間隔を置いて配置され、高圧燃料が燃料入口57から排気ポート83まで流れる流路を更に定め、更に適切には、導波管121の外部又は外向きの流路の一部を形成する。一般に、導波管側壁125の外側断面寸法(例えば、図示した実施形態では外径)は、縦方向に配置された導波管の拡大部分195と導波管の上側端部129に縦方向に隣接して配置された別の拡大部分153との中間及び/又は導波管121の末端端部123に隣接する長さに沿って均一である。例として、導波管側壁125と導波管の末端端部123の上流(例えば、燃料がノズルの上側端部33から排気ポート83まで流れる方向に対して)のノズル27との間の横方向(例えば、図示した実施形態では半径方向)間隔は、約0.001インチ(0.025mm)〜約0.021インチ(0.533mm)の範囲であることが適切である。しかし、この間隔は、本発明の範囲から逸脱することなく、これより大きくすることも小さくすることもできる。
【0042】
導波管121の下側セグメント133における部分195の外側断面寸法は、導波管の末端端部123に隣接するか、更に適切にはそこで横方向に外向きに、適切には増大し、更に適切には先細又はフレア型にされる。例えば、導波管121の下側セグメント133のこの拡大部分195の断面寸法は、その中心軸孔75内でノズル27と近接するか又はそれと滑動的に接触する関係の大きさにされ、高圧チャンバ55内で導波管(従ってバルブニードル53)の適切な軸線方向位置を維持する。
【0043】
その結果、導波管121とノズル27との間の流路の部分は、導波管の末端端部123に近接する位置で、またはその末端部分に位置で、導波管の末端端部のすぐ上流の流路に比較して全体として細くなり、導波管の末端端部を過ぎて排気ポート83まで燃料が流れないように一般に制限する。また、導波管121の下側セグメント133の拡大部分195により、導波管の末端端部123を過ぎて流れる燃料に曝される超音波的に励起される表面積も増大する。下側セグメント133の拡大部分195の外側表面には、1つ又はそれ以上の平坦部197(図9)を形成し、燃料が導波管121の末端端部123を過ぎて流路に沿って容易に流れ、ノズル27の排気ポート83まで流れるようにする。導波管側壁115の拡大部分195は、先細又はフレア型にする代わりに外向きに段をつけることができることが分かる。また、拡大部分195の上側及び下側表面は、1直線の代わりに輪郭を付けることができ、これも依然として本発明の範囲に含まれることも意図されている。
【0044】
例の1つでは、例えば導波管の末端端部123の及び/又はそれに隣接する導波管下側セグメント133の拡大部分195の最大外側断面寸法(例えば、図示した実施形態では外直径)は約0.2105インチ(5.35mm)であり、この拡大部分の直ぐ上流の導波管の最大外側断面寸法は、約0.16インチ(4.06mm)から約0.2105インチ(5.35mm)より僅かに小さい範囲とすることができる。
【0045】
導波管121の末端端部123とノズル27との間の横方向間隔は、それを通り、流路に沿って導波管の末端端部を過ぎて燃料が流れる開放領域を定める。1つ又はそれ以上の排気ポート83は、それを通って燃料がハウジング23を出る開放領域を定める。例えば、1つの排気ポートが設けられる場合には、それを通って燃料がハウジング23を出る開放領域は、排気ポートの断面領域として定められ(例えば、燃料が排気ポートに入る場合)、複数の排気ポート83が存在する場合には、それを通って燃料がハウジングを出る開放領域は、各排気ポートの断面領域の合計として定められる。実施形態の1つでは、導波管121の末端端部123及びノズル27の開放領域と、それを通って燃料がハウジング23を出る(例えば排気ポート83)開放領域との比は、約4:1〜約20:1であることが適切である。
【0046】
他の適切な実施形態では、導波管121の下側セグメント133は、本発明の範囲から逸脱することなく、(例えば拡大部分195が形成されないように)その全長に沿ってほぼ均一な外側断面寸法を有するものとすることができ、外側断面寸法が減少する(例えばその末端端部123に向かって実質的に狭くなる)ようにすることもできることが理解できる。
【0047】
再び図8及び図9を参照すると、導波管121にエネルギーを与えて超音波的に機械的に振動させるようにされた励起装置は、導波管とともに高圧チャンバ55内に完全に配置されることが適切であり、全体的に145で示される。実施形態の1つでは、励起装置145は、高周波数(例えば超音波周波数)電流に応答し、導波管を超音波的に振動させるものとすることが適切である。例として、励起装置145は、高周波数交流電流を励起装置に作動可能に送達する適切な発電システム(図示せず)から高周波数電流を受け取ることができるものであることが適切である。「超音波」という用語は、本明細書で用いる場合、約15kHz〜約100kHzの範囲の周波数を有するものを意味するのに用いられる。例として、実施形態の1つでは、発電システムは、適切には約15kHz〜約100kHzの範囲、更に適切には約15kHz〜約60kHzの範囲、更に適切には約20kHz〜約40kHzの範囲の超音波周波数で、励起装置に交流電流を送達することができる。このような発電システムは、当業者には公知であり、本明細書で更に記載する必要はない。
【0048】
図示した実施形態では、励起装置145は、導波管121の上側セグメント131を囲み、装着部材79により形成された肩149にはめ込まれた圧電装置、更に適切には複数の積重ね圧電リング147(例えば、少なくとも2つであり、図示した実施形態では4つである)を含む。環状カラー151は、圧電リング147の上で導波管121の上側セグメント131を囲み、最も上側のリングを押さえつける。適切には、カラー151は、高密度材料で構成される。例えば、カラー151を構成することができる適切な材料の1つは、タングステンである。しかし、カラー151は、他の適切な材料で構成することができ、それも依然として本発明に含まれると考えている。導波管121の上側端部129に隣接する拡大部分153の外側断面寸法は増大し(例えば、図示した実施形態では外径が増大し)、このセグメントに沿ってねじ付きにされる。カラー151は、内部がねじ付きにされ、カラーを導波管121にねじ固定する。カラー151は、圧電リング147の積重ね体に対して下向きに締め付け、カラーと装着部材79の肩149との間でリングを圧縮することが適切である。
【0049】
図示した実施形態の導波管121及び励起装置145はともに、広い意味では、高圧チャンバ55内の燃料に超音波的にエネルギーを与えるための全体的に150で示される導波管組立体を定める。従って、導波管組立体150全体は、燃料噴射器21の高圧燃料チャンバ55内に完全に配置され、従って、燃料噴射器内の高圧環境に一般に均一に暴露される。例として、図示した導波管組立体は、超音波ホーン及び超音波ホーンを超音波的に振動するトランスデューサの両方として働くように特に構成される。詳細には、図8に示すような導波管121の下側セグメント133は、一般に、超音波ホーンの方式で働き、導波管の上側セグメント131、更に適切には、装着部材79から、カラー151が励起装置(例えば圧電リング)とともに導波管の上側セグメントに固定される位置まで一般に延びる上側セグメントの部分は、トランスデューサとして働く。
【0050】
電流(例えば、超音波周波数で送られる交流電流)が図示した実施形態の圧電リング147に送達されると、圧電リングは、リングに電流が送達される超音波周波数で(特に燃料噴射器21の縦方向に)拡張及び収縮する。リング147は、カラー151(導波管21の上側セグメント131に固定される)と装着部材79との間で圧縮されるため、リングの拡張及び収縮により、導波管の上側セグメントが、トランスデューサのように超音波的に(例えば、一般に、圧電リングが拡張及び収縮する周波数で)伸長及び収縮する。導波管121の上側セグメント131がこのように伸長及び収縮すると、導波管の共鳴周波数が詳細には導波管の下側セグメント133に沿って励起され、導波管が下側セグメントに沿って、例えば超音波ホーンの方式で超音波振動されることになる。
【0051】
例として、実施形態の1つでは、超音波励起されることによる導波管121の下側セグメント133の変位は、圧電リング及び導波管の上側セグメントの変位の約6倍までとすることができる。しかし、下側セグメント133の変位は、6倍を超えて増幅することもでき、全く増幅しないようにすることもでき、それも依然として本発明の範囲に含まれるものである。
【0052】
導波管121の部分(例えば、導波管の上側セグメント131の部分)は、或いは、超音波周波数で変化する磁場に応答する磁歪材料で構成することも意図されている。このような実施形態(図示せず)では、励起装置は、全体的又は部分的にハウジング23内に配置され、電流を受けることに応答して、超音波周波数で変化する(例えば、オンからオフに、1つの大きさから別の大きさに、及び/又は方向が変化する)磁場を磁歪材料に与えるように作動可能な磁場発生装置を含むことができる。
【0053】
例えば、適切な発生装置は、超音波周波数でコイルに電流を供給する発電システムに接続された電気コイルを含むものとすることができる。従って、このような実施形態の導波管の磁歪部分及び磁場発生装置はともに、トランスデューサとして働き、導波管121の下側セグメント133は、一方、超音波ホーンとして働く。適切な磁歪材料及び磁場発生装置の例の1つは、米国特許第6,543,700号に開示されており、この開示事項は、本明細書と矛盾しない範囲で引用により本明細書に組み入れられる。
【0054】
導波管組立体150全体は、燃料噴射器ハウジング23の高圧チャンバ55内に配置されるように示されているが、導波管組立体の1つ又はそれ以上の構成要素は、本発明の範囲から逸脱することなく、全体的又は部分的に高圧チャンバの外部に配置することができ、ハウジングの外部に配置することもできることが分かる。例えば、磁歪材料を用いる場合には、磁場発生装置(広い意味では、励起装置)は、主要本体25内又は燃料噴射器ハウジング23の他の構成要素内に配置することができ、これは、高圧チャンバ55に部分的にのみ露出するようにすることもでき、完全に封じ込めることもできる。別の実施形態では、導波管121の上側セグメント131及び圧電リング147(及びカラー151)はともに、導波管の末端端部123が高圧チャンバ内に配置される限り、本発明の範囲から逸脱することなく、高圧チャンバ55の外部に配置することができる。
【0055】
圧電リング147及びカラー151を導波管121の上側セグメント131のまわりに配置することにより、導波管組立体150全体は、もはや導波管そのものである必要がなくなる(例えば、トランスデューサ及び超音波ホーンが従来の端部突合せ型、又は「積み重ね」配列に配列される組立体の長さと対照的である)。例の1つとして、導波管組立体150全体の長さは、適切には、導波管の共鳴波長の約1/2(別の言い方では、通常1/2波長といわれる)に等しくすることができる。詳細には、導波管組立体150は、適切には約15kHz〜約100kHzの範囲、更に適切には約15kHz〜約60kHzの範囲、更に適切には約20kHz〜約40kHzの範囲の超音波周波数で共鳴するように構成される。このような周波数で作動する1/2波長導波管組立体150のそれぞれの全長(1/2波長に対応する)は、約133mm〜約20mmの範囲、更に適切には約133mm〜約37.5mmの範囲、更に適切には約100mm〜約50mmの範囲である。更に詳細な例として、図8及び図9に示す導波管組立体150は、周波数約40kHzで作動するように構成され、全長が約50mmである。しかし、ハウジング23は、導波管組立体が全波長を配置することができる十分な大きさにすることができることは理解される。また、このような配列では、導波管組立体は、積み重ねた構成の超音波ホーン及びトランスデューサを含むことができることも理解される。
【0056】
電気的に非伝導性のスリーブ155(図示した実施形態では円筒形であるが、別の形状とすることもできる)が、カラー151の上側端部にはめ込まれ、カラーから高圧チャンバ55の上側端部まで延びる。また、スリーブ155は、一般に可橈性材料で構成することが適切である。例として、スリーブ155を構成することができる適切な材料の1つは、米国のGeneral Electric Companyから商品名ULTEMで入手可能な非晶質熱可塑性ポリエーテルイミド材料である。しかし、セラミック材料のような他の適切な電気的非伝導性材料を用いて、スリーブ155を構成することができ、これも依然として本発明の範囲に含まれる。スリーブ155の上側端部は、そこから半径方向外向きに延びる一体的に形成された環状フランジ157と、スリーブの上側端部に4つの全体として可橈性のあるタブ161を定める4つの縦方向に延びるスロット159と、を有する。第2の環状フランジ163は、スリーブ155と一体的に形成され、スリーブから、縦方向に延びるスロット159の真下まで半径方向外向きに延び、即ち、スリーブの上側端部に配置された環状フランジ157と縦方向に間隔を置いて配置される関係である。
【0057】
電気的伝導性材料で構成される接触リング165は、スリーブの縦方向に間隔を置いて配置された環状フランジ157、163の中間でスリーブ155に外接する。実施形態の1つでは、接触リング165は、適切には、黄銅で構成される。しかし、接触リング165は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の適切な電気的伝導性材料で構成することもできる。また、本発明の範囲から逸脱することなく、一点接触装置、可橈性及び/又はばね荷重タブ又は他の適切な電気的伝導性装置のようなリング以外の接触装置を用いることができることも理解される。図示した実施形態では、接触リング165の内側断面寸法(例えば直径)は、環状フランジ157、163の間に延びるスリーブ155の縦方向セグメントの外側断面寸法より僅かに小さい大きさにされる。
【0058】
接触リング165は、スリーブの上側端部を覆って接触リングを入れ子式に押し下げることによりスリーブ155に挿入される。スリーブ155の上側端部の環状フランジ157に作用するリング165の力は、タブ161を半径方向内向きに屈曲する(例えば曲げる)ように押し、リングがスリーブの上側端部に形成された環状フランジを過ぎて滑り落ち、該リングが第2の環状フランジ163に着座するようにすることができる。タブ161は、最初の位置に弾性的に戻り、接触リング165とスリーブ155との間を摩擦的に係合し、スリーブの環状フランジ157、163の間に接触リングを維持する。
【0059】
電気的に非伝導性材料で構成されたガイドリング167は、接触リング165に外接して害リングを絶縁する。例として、ガイドリング167は、(必ずしもそうでなくてもよいが)スリーブ163と同じ材料で構成することができる。実施形態の1つでは、ガイドリング167は、クランプすることによるか、接触リング上にガイドリングを摩擦嵌めすることにより、適切にはスリーブ上に、更に適切には接触リング165上に維持される。例えば、ガイドリング167は、図9に示すようにスロットに沿って破断された不連続リングとすることができる。従って、ガイドリング167は、接触リング165を覆ってガイドリングに適合するようにスロットにおいて円周方向に拡張可能であり、次に緩めると、接触リングの周りに弾性的に確りと閉じる。
【0060】
特に適切な実施形態では、環状位置決めナブ169が、ガイドリング167から半径方向内向きに延び、ガイドリングを接触リングに適切に位置決めするように接触リング165に形成された環状溝171に受けられる。しかし、接触リング165及びガイドリング167は、本発明の範囲から逸脱することなく、図8及び図9に示す以外の様式でスリーブ155に装着することができることが分かる。ガイドリング167を半径方向に通って少なくとも1つ、更に適切には複数の先細又は載頭円錐形開口部173が形成され、電流を接触リングに供給するために接触リング165に接触することができるようになる。
【0061】
図5に最もよく見られるように、適切な電気的非伝導性材料で構成される絶縁スリーブ175は、主要本体25の側部の開口部を通って延び、ガイドリング167の開口部173の1つ内に着座するように構成されたほぼ円錐形の末端端部177を有する。絶縁スリーブ175は、開口部173内の主要本体25にねじ固定し、それを通って絶縁スリーブが延びる中心開口部を有する適切な取り付け具179により定位置に保持される。適切な電気配線181が絶縁スリーブ175を通って延び、電線の一方の端部で接触リング165と電気的に接触し、その対向する端部(図示せず)で電流の供給源(図示せず)と電気的に連絡する。
【0062】
付加的な電気配線183が、接触リング165から高圧チャンバ55内のスリーブ155の外側に沿って下向きに延び、最も上の圧電リング147と次のそれより下側の圧電リングとの間に配置された電極(図示せず)と電気的に導通する。別個のワイヤ184が、この電極を最も下の圧電リング147とその直ぐ上のリングとの間に配置された別の電極(図示せず)に電気的に接続する。装着部材79及び/又は導波管121は、圧電リング147に送達される電流のための接地部を構成する。詳細には、接地線185が装着部材79に接続され、中間の2つの圧電リング147の間まで延び、その間に配置された電極(図示せず)と接触する。任意的に、第2の接地線(図示せず)を中間の2つの圧電リング147の間に延ばし、最も上の圧電リングとカラー151との間の別の電極(図示せず)と接触させることができる。
【0063】
ここで図6、図6a、図8及び図9を特に参照すると、装着部材79は、導波管の端部123、129の中間で導波管121に接続されることが適切である。更に適切には、装着部材79は、導波管の節領域で導波管121に接続される。本明細書で用いる場合、導波管121の「節領域」は、導波管が超音波振動する間にそれに沿って殆ど(又は全く)縦方向変位が起こらず、横方向(例えば、図示した実施形態では半径方向)変位が一般に最大になる導波管の縦方向領域又はセグメントをいう。導波管121の横方向変位は、適切には、導波管の横方向拡張を含むが、導波管の横方向移動(例えば、曲げ)を含むこともある。
【0064】
図示した実施形態では、導波管121の構成は、節平面(即ち、横方向変位が一般に最大である間に縦方向変位が起こらない導波管を横切る平面)が存在しないようなものである。むしろ、図示した導波管121の節領域は、ほぼドーム形状であるため、導波管の主な変位は横方向変位であるが、節領域内のあらゆる所定の縦方向位置で、何らかの縦方向変位が依然として存在することができる。
【0065】
しかし、導波管121は、適切には、節平面(又は節点(時にそう呼ばれる))を有するように構成することができ、このような導波管の節平面は、本明細書で定義される節領域の意味に含まれると考えられる。また、装着部材79は、本発明の範囲から逸脱することなく、導波管121の節領域の上又は下に縦方向に配置することができることも想定されている。
【0066】
装着部材79は、適切に構成されて燃料噴射器21内に配列され、燃料噴射器ハウジング23から導波管121を振動的に隔離する。即ち、装着部材25は、高圧チャンバ55内の導波管の望ましい横方向位置を維持し、燃料噴射器ハウジング内の導波管の縦方向変位を可能にしながら、導波管121の縦方向及び横方向(例えば半径方向)機械的振動が燃料噴射器ハウジング23に移行するのを阻止する。例の1つとして、図示した実施形態の装着部材79は、一般に、導波管121から横方向外向きに(例えば、図示した実施形態では半径方向に)延びる環状内側セグメント187と、該内側セグメントとは横方向に間隔をもった関係で導波管に対し横方向に延びる環状外側セグメント189と、該内側及び外側セグメントの間に横方向に延びてそれらを相互に接続する環状相互接続ウェブ191と、を含む。内側及び外側セグメント187、189及び相互接続ウェブ191は、導波管121の円周の周りを連続的に延びるが、これらの要素の1つ又はそれ以上は、本発明の範囲から逸脱することなく、車輪スポークのような様式で導波管の周りに不連続とすることも可能であることが理解できる。
【0067】
図6aに示す実施形態では、装着部材79の内側セグメント187は、ほぼ平坦な上側表面を有し、この表面が、励起装置145例えば圧電リング147を着座させる肩149を定める。内側セグメント187の下面表面193は、適切には、隣接する導波管121から相互接続ウェブ191との接続部まで延びる形状にされており、更に適切には、周囲と調和した半径の外形を有する。詳細には、ウェブ191と装着部材79の内側セグメント187との接合点の下面表面193の外形は、適切には、半径が小さい(例えば、鋭いか、あまり先細でないか或いは又は更にかど様の)外形を有し、導波管121を振動する間のウェブの歪曲を容易にする。装着部材79の内側セグメント187と導波管121との接合点での下面表面193の外形は、適切には、半径が比較的大きい(例えば、更に先細又は滑らかな)外形であり、導波管を振動する間に相互接続ウェブ191が歪曲するときの装着部材の内側セグメントの応力を減少させる。
【0068】
装着部材79の外側セグメント189は、ノズルの上側端部33にほぼ隣接する位置で、ノズル27により形成される肩に着座するように構成される。図6に最もよく見られるように、ノズル27の内側断面寸法(例えば内径)は、ノズルの上側端部33に隣接する位置で、例えば装着部材79の縦方向下方において、内向きに段が付けられており、ノズルが、内側セグメント187の外形をつけた下面表面193及び装着部材の相互接続ウェブ191から縦方向に間隔を置いて配置され、導波管121が超音波振動する間に装着部材が変位することができるようにする。装着部材79の横方向断面は、外側セグメント189の少なくとも外側縁マージンが、ノズル27の肩と燃料噴射器ハウジング23の主要本体25の下側端部31(即ち、ノズルの上側端部33にはめ込まれる主要本体の表面)との間に縦方向に配置される大きさにされることが適切である。燃料噴射器21の保持部材29は、ノズル27及び主要本体25を互いの方向に付勢し、装着部材外側セグメント189の縁部分をその間に固定する。
【0069】
相互接続ウェブ191は、装着部材79の内側及び外側セグメント187、189より比較的薄く構成され、導波管121の超音波振動に応答してウェブに屈曲及び/又は曲げが容易に起こるようにする。例として、実施形態の1つでは、装着部材79の相互接続ウェブ191の厚さは、約0.2mm〜約1mmの範囲、更に適切には約0.4mmにすることができる。装着部材79の相互接続ウェブ191は、適切には、少なくとも1つの軸線方向構成要素192及び少なくとも1つの横方向(例えば、図示した実施形態では半径方向)構成要素194を含む。図示した実施形態では、相互接続ウェブ191は、ウェブの断面がほぼU形になるように横方向構成要素194により接続された1対の横方向に間隔を置いて配置された軸線方向構成要素192を有する。
【0070】
しかし、本発明の範囲から逸脱することなくL形、H形、I形、逆U形、逆L形等のような少なくとも1つの軸線方向構成要素192及び少なくとも1つの横方向構成要素194を有する他の構成が適切であることが理解される。適切な相互接続ウェブ191構成の付加的な例は、米国特許第6,676,003号に示されて記載されており、この開示事項は、本明細書と矛盾しない範囲で引用により本明細書に組み入れられる。
【0071】
ウェブ191の軸線方向構成要素192は、装着部材のそれぞれ内側及び外側セグメント187、189から下向きに延び、全体として、横方向構成要素194に対し片持ち接続される。従って、軸線方向構成要素192は、装着部材の内側セグメント187の横方向振動変位に応答して装着部材の外側セグメント189に対して動的に曲げ及び/又は屈曲を生じることができ、それによって、導波管の横方向変位からハウジング23を隔離する。ウェブ191の横方向構成要素194は、軸線方向構成要素192に対し片持ち接続され、横方向構成要素が、内側セグメント187の軸線方向振動変位に応答して軸線方向構成要素に対して(従って装着部材の外側セグメント189に対して)動的曲げ及び屈曲が生じることができ、従って、導波管の軸線方向変位からハウジング23を隔離する。
【0072】
図示した実施形態では、導波管121は、超音波励起されたとき半径方向に拡張するほか、節領域(例えば、装着部材79が導波管に接続されているところ)で僅かに軸線方向に変位する。それに応じて、U形相互接続部材191(例えば、その軸線方向及び横方向構成要素192、194)には、全体として曲げ及び屈曲が生じ、更に詳細には、例えば、プランジャハンドルが軸線方向に変位すると便器用プランジャヘッドが回転する方式と同様に、装着部材79の固定外側セグメント189に対して回転する。従って、相互接続ウェブ79は、導波管121の超音波振動から燃料噴射器ハウジング23を隔離し、図示した実施形態では、更に詳細には、内側セグメント187の振動的変位から装着部材の外側セグメント189を隔離する。また、このような装着部材79構成は、普通に作動する間に起こる可能性がある節領域変位を補正するのに十分な帯域幅を生じる。詳細には、装着部材79は、超音波エネルギーが導波管121を通って実際に移動する間に生じる節領域の実時間位置の変化を補正することができる。このような変化又はシフトは、例えば、高圧チャンバ55内の温度及び/又は他の環境条件の変化により起こる可能性がある。
【0073】
図示した実施形態では、装着部材79の内側及び外側セグメント187、189は、一般に、導波管に対して同じ縦方向位置に配置されるが、内側及び外側セグメントは、本発明の範囲から逸脱することなく互いに縦方向にオフセットすることができることが分かる。また、相互接続ウェブ191は、1つ又はそれ以上の軸線方向構成要素192のみを含むことができ(例えば、横方向構成要素194を除外することができ)、それが依然として本発明の範囲に含まれることも想定されている。例えば、導波管121が節平面及を有し、装着部材79が節平面に配置される場合には、装着部材は、導波管の横方向変位を隔離するように構成するだけでよい。別の実施形態(図示せず)では、装着部材は、導波管の対向する端部123、129の1つのような導波管の腹領域又はそれに隣接して配置することができることを考えている。このような実施形態では、相互接続ウェブ191は、導波管の軸線方向変位を隔離するために1つ又はそれ以上の横方向構成要素194のみを含むものとすることができる(即ち、腹領域では横方向変位がほとんど又は全く起こらない)。
【0074】
特に適切な実施形態の1つでは、装着部材79は単一部片構成である。更に適切には、装着部材79は、図6に示すように、導波管121と一体的に形成することができる。しかし、装着部材79は、導波管121と別個に構成することができ、それも依然として本発明の範囲に含まれる。また、装着部材79の1つ又はそれ以上の構成要素は、別個に構成して適切に接続するか他の方法でともに組み立てることができることも理解できる。
【0075】
適切な実施形態の1つでは、装着部材79は、更に、一般に硬質(例えば、荷重下の静的変位に対する抵抗性)で、導波管121(従ってバルブニードル53)を高圧チャンバ55内で適切に位置決めして保持するように構成される。例えば、硬質装着部材は、実施形態の1つでは、非エラストマー材料、更に適切には金属、更に適切には導波管が構成されるのと同じ金属で構成することができる。しかし、硬質という用語は、装着部材が、導波管の超音波振動に応答して動的に屈曲及び/又は曲げを生じることができないことを意味するものではない。他の実施形態では、硬質装着部材は、荷重下での静的変位に十分に抵抗性であるが、その他の点では、導波管の超音波振動に応答して動的に屈曲及び/又は曲げを生じることができるエラストマー材料で構成することができる。図6に示す装着部材79は、金属で構成され、更に適切には導波管121と同じ材料で構成されるが、装着部材は、本発明の範囲から逸脱することなく他の適切な一般に硬質材料で構成することができるものである。
【0076】
図6及び図8に戻ると、燃料噴射器ハウジング23の高圧チャンバ55内において、燃料が流れる流路は、部分的には、ノズル27の内側表面と導波管121の下側セグメント133の外側表面との間(例えば装着部材79の下)、及び主要本体25の内側表面と励起装置145、カラー151及びスリーブ155の外側表面との間(例えば装着部材の上)の横方向間隔により形成される。燃料流路は、噴射器ハウジング23の主要本体25の燃料入口57とほぼスリーブ155において流体的に連通し、燃料入口から流路に入る高圧燃料は、(図示した実施形態では)該流路に沿ってノズル先端81まで流れて、ノズル27から排出ポート83を介して排出される。先に記載したように、付加的な高圧燃料が、導波管とバルブニードル53との間で導波管121の内部通路127内を流れる。
【0077】
装着部材79が高圧チャンバ55内において導波管121に対し横方向に延びるため、主要本体25の下側端部31及びノズル27の上側端部33は、燃料が高圧チャンバ内を流れるときに、燃料流路がほぼ装着部材の周りに分岐することができるように適切に構成される。例えば、図10に最もよく示されるように、適当なチャネル199が、装着部材79の上流で流路と流体的に連通するように主要本体25の下側端部31に形成され、装着部材の下流で流路と流体的に連通するようにノズル27の上側端部33に形成されたチャネル201のそれぞれと位置合わせされる。従って、装着部材79の上流で(例えば、主要本体25とスリーブ155/カラー151/圧電リング147との間で)燃料入口57から流路に沿って流れる高圧燃料は、装着部材の周りで主要本体のチャネル199を通り、ノズル27のチャネル201を通って装着部材の下流の流路(例えば、ノズルと導波管121との間)までの経路をとる。
【0078】
実施形態の1つでは、燃料噴射器は、適透な制御システム(図示せず)により作動させられ、ソレノイドバルブの作動及び励起装置145の作動を制御する。このような制御システムは、当業者には公知であり、本明細書では必要な範囲以外は更に記載する必要はない。噴射作動が起こっていなければ、バルブニードル53は、主要本体25の軸孔35内のばね111によりその閉鎖位置まで付勢され、バルブニードルの末端端部115が、ノズル先端81と密封接触して排出ポート83を閉鎖する。ソレノイドバルブは、ピンホルダ47のヘッド87に形成された凹部部95に閉鎖部を設け、ピンホルダを通って縦方向に延びる軸孔97を閉鎖する。バルブニードル53の閉鎖位置では、制御システムは、導波管組立体まで電流を供給しない。
【0079】
高圧燃料は、燃料(図示せず)の供給源から燃料噴射器21のハウジング23の燃料入口57に流れる。燃料供給源から燃料噴射器21まで加圧燃料を送るための適切な燃料送達システムは、当技術分野では公知であり、本明細書では更に記載する必要はない。実施形態の1つでは、高圧燃料は、約8,000psi(550バール)〜約30,000psi(2070バール)の範囲の圧力で燃料噴射器21に供給することができる。高圧燃料は、主要本体25の上側分配チャネル59を通って該主要本体とピンホルダ47との間の環状隙間99に、ピンホルダの供給チャネル101を通ってピン93の上のピンホルダの内部チャネル91に、さらに、ピンホルダの軸孔97を上向きに通って流れる。また、高圧燃料は、高圧流路を通って、即ち、主要本体25の下側分配チャネル61を通って高圧チャンバ55まで流れ、導波管121の外向き及び導波管の内部通路127内の両方で高圧チャンバを満たす。この状態では、ピン93の上方の高圧燃料は、ばね111の付勢力と相俟って、高圧チャンバ55内の高圧燃料がバルブニードル53を開放位置に付勢するのを阻止する。
【0080】
噴射器制御システムが、燃料を燃焼エンジンに噴射することが必要であると判断すると、ソレノイドバルブが、制御システムによりエネルギーを与えられてピンホルダ軸孔97を開放し、高圧燃料が、低圧燃料としてピンホルダから主要本体25の上側端部37の燃料戻りチャネル71まで流れるようにし、これにより、ピンホルダ内のピン93の背部(例えば上)の燃料圧力を減少させる。従って、高圧チャンバ55の高圧燃料は、このとき、バルブニードル53がばね111の付勢力に逆らってバルブニードルの開放位置になるように押すことができるようになる。バルブニードル53の開放位置では、バルブニードルの末端端部115は、排出ポート83でノズル先端81から十分に間隔を置いて配置され、高圧チャンバ55内の燃料を排出ポートを通って排出することができるようにする。
【0081】
ソレノイドバルブにエネルギーを与えてバルブニードル53を例えばほぼ同時に開放位置に移動させると、制御システムは、高周波数電流発電機に、接触リング165と該接触リングを圧電リングに電気的に接続する適切な配線183とを介して、励起装置145、即ち、図示した実施形態では圧電リング147に電流を送るようにも指示する。先に記載したように、圧電リング147には、一般に、電流が励起装置145に送られる超音波周波数で拡張及び収縮(詳細には燃料噴射器21の縦方向)が引き起こされる。
【0082】
リング147が拡張及び収縮すると、導波管121の上側セグメント131が超音波的に(例えば、一般に、圧電リングが拡張及び収集するのと同じ周波数で)伸長及び収縮するようになる。導波管121の上側セグメント131がこのように伸長及び収縮すると、導波管を、(例えば、適切には導波管の共鳴周波数で)詳細には導波管の下側セグメント133に沿って励起し、該導波管が、下側セグメントに沿って、詳細には、下側セグメントの拡張部分195の末端端部123で超音波振動することになる。
【0083】
バルブニードル53が開放位置であれば、高圧チャンバ55内の高圧燃料は、流路に沿って流れ、詳細には導波管121の超音波的に振動する末端端部123を過ぎて、ノズル先端81の排出ポート83まで流れる。超音波エネルギーが、導波管121の末端端部123により(流路に沿って)排出ポート83の直ぐ上流で高圧燃料に与えられ、概略的に言えば、燃料を霧化する(例えば、液滴の大きさを減少させて噴射器21を出る燃料の液滴の大きさの分配を小さくする)。燃料が排出ポート83を出る前に超音波エネルギーを与えると、燃料噴射器21により供給される燃焼チャンバに送達される霧化液体燃料の脈動性のほぼ円錐形スプレーが生成される。
【0084】
図1〜図10に図示し、本明細書で先に記載した実施形態では、ピン93、従ってバルブニードル53の動作は、ソレノイドバルブ(図示せず)により制御される。しかし、限定する意味ではないが、流体増幅管を備えるか備えないカム動作装置、圧電又は磁歪運転装置、油圧運転装置又は他の適切な機械的装置のような他の装置を用いて、本発明の範囲から逸脱することなくバルブニードルの作動を制御することができることが理解される。
【0085】
図11は、全体的に421で示される本発明による超音波液体送達装置の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態の装置421は、本明細書では、液体の加圧スプレーが、超音波エネルギーを液体に加えた後に装置から排出されるあらゆる超音波駆動装置を参照して大まかに記載されており、このような装置は、限定する意味ではないが、ネブライザ及び他の薬物送達装置、鋳造機器、加湿器、エンジンのための燃料噴射装置、塗料スプレーシステム、インク送達システム、混合システム、均質化システム、スプレー乾燥システム、冷却システム及び液体の超音波生成スプレーを用いる他の用途のような器具に応用することができることを想定している。
【0086】
図示した装置421は、液体をハウジング内に受け取るための入口457を有する全体的に423で表示されるハウジングを含む。液体は、適切には、0.0psi(0.0バール)を僅かに超える圧力から約50,000psi(3,450バール)までの範囲に加圧される。図示した実施形態では、ハウジング423は、少なくとも部分的に上側(図11に示した装置421の垂直方向に関して)ハウジング部材425及び下側ハウジング部材から成る。上側ハウジング部材425の下側端部431は、下側ハウジング部材427の上側端部433に乗っており、ハウジング部材は、適切なねじ付きコネクタ429により互いに固定される。上側及び下側ハウジング部材425、427は、合わさって入口457と流体的に連絡する内部チャンバ455を定める。下側ハウジング部材427は、挿入部482をねじにより受け取るために底部に形成された軸線方向に延びるねじ付き軸孔480を有し、挿入部が装置421のハウジング423を更に定めるようにする。排出ポート483は、挿入部482を通って軸線方向に延び、液体がハウジングから排出されるハウジング423の排出ポートを大まかに定める。
【0087】
図11に示す挿入部482は、単一の排出ポート483を有するが、挿入部は、2つ以上の排出ポートを含むことができることも考えられている。また、挿入部482を完全に除外し、下側ハウジング部材427の底部が、それに形成された1つ又はそれ以上の排出ポートで全体的に閉鎖することができることも想定されている。図示した実施形態のハウジング423は、ほぼ円筒形であるが、あらゆる適当な形状とすることができ、少なくとも部分的に、送達される前にハウジング内に配置される液体の望ましい量、排出ポートの数及び大きさ、及び装置が作動する作動周波数に応じて大きさを定めることができる。また、下側ハウジング部材427は、ノズルの先端81に形成された1つ又はそれ以上の排出ポート83を備える図1〜図10の実施形態のノズル27と同様に構成することができるとも考えられている。
【0088】
液体入口457は、下側ハウジング部材427の側壁552を通って横方向に延び、ハウジング423の内部チャンバ455と流体的に連絡する。しかし、液体入口457は、下側ハウジング部材427の側部に沿って、又は上側ハウジング部材425の側部に沿って実質的に何れの部位に配置することもでき、更に、上側ハウジング部材の上部を軸線方向に通って延びることもでき、これも依然として本発明に含まれる。従って、図11に示される内部チャンバ455は、液体をハウジングから排出するために液体がハウジング423内で排出ポート483まで流れる液体流路を大まかに定める。
【0089】
図11に示す装置423は、バルブ部材(例えば、図1〜図10の実施形態のバルブニードル53と同様のバルブ部材)又は液体の排出ポート483までの流れを制御するためにハウジング内に配置された他の構成要素が欠如している。それどころか、この第2の実施形態では、液体は、内部チャンバ455内を排出ポート483まで連続的に流れることができる。しかし、ハウジング423の外部の適切な制御システム(図示せず)は、本発明の範囲から逸脱することなく、液体のハウジング入口457までの流れを制御し、それによって液体の排出ポート483への供給を制御することができる。
【0090】
全体的に550で示される細長い超音波導波管組立体は、ハウジング423の軸線方向に(例えば、図11に示されるハウジングの縦方向又は垂直方向に)延び、ハウジングの内部チャンバ455内に全体が配置される。詳細には、導波管組立体550は、適切には図1〜図10の実施形態における燃料噴射器21の導波管組立体150と実質的に同じように構成することができる。組立体550の導波管521の末端端部523は、適切には排出ポート483に近接して配置される。「近接する」という用語は、本明細書では、液体が排出ポート483に入る直前に、超音波エネルギーが、導波管521の末端端部523により内部チャンバ455の液体に付与されることのみを意味する定性的な意味で用いられ、排出ポートと導波管の末端端部との間の特定の間隔をいうことを意味しない。
【0091】
図11に示すように、下側ハウジング部材427の側壁552の内側断面寸法は、下側ハウジング部材の下側端部481に向かって減少する。導波管521の末端端部523における、及び/又は、それに隣接する拡大部分695は、従って、下側ハウジング部材427の下側端部481に向かって、例えば、排出ポートの(加圧液体が内部チャンバ455内で排出ポート483まで流れる方向に対して)直ぐ上流の側壁552に対し密接した間隔をもつ関係にあるか、場合によっては滑動的に接触する関係にあり、ハウジング内の液体の流路が、導波管の末端端部において、及び/又は近接する位置で狭くなるようにする。
【0092】
しかし、本発明の範囲に留まるためには、導波管521の末端端部523(又は他のセグメント)は、下側ハウジング部材427の側壁552に対し密接した間隔をもつ関係に配置する必要はないことを理解すべきである。例えば、導波管521の外側断面寸法は、拡大部分695を有する代わりに、その長さに沿って実質的に均一とすることもでき、導波管の末端端部523に向かって狭くするようにすることもできる。その代わりに、又は付加的に、下側ハウジング部材427の側壁552の内側断面寸法は、下側ハウジング部材の下側端部481に向かって減少するようにすることができる。
【0093】
導波管521は、適切には、図1〜図10の実施形態の装着部材79と実質的に同様に構成された横方向に延びる装着部材479により、内部チャンバ455内のハウジング423に相互接続される。従って、装着部材479は、導波管521の機械的振動からハウジング423を振動的に隔離する。装着部材479の外側セグメント689は、上側ハウジング部材425の下側端部431と下側ハウジング部材427の上側端部433との間に固定される。装着部材479の外側セグメント689をその間に固定する上側及び下側ハウジング部材425、427に適切なポート(図示しないが、図1〜図10の実施形態に示されるポート199、201と同様である)を形成し、液体が内部チャンバで装着部材を過ぎて縦方向に流れるようにすることができる。
【0094】
また、導波管組立体550は、励起装置545(例えば、図示した実施形態では圧電リング547)を含み、該励起装置は、導波管521の上側セグメント531にねじ固定したカラー551により装着部材479に押し付けられる。ハウジング423の側部を通って延び、内部チャンバ455内の接触リング683に電気的に接続される適切な配線により(図示しないが、〆図1〜図10の実施形態の配線181、183と同様である)励起装置545に電流が供給される。
【0095】
作動時には、ハウジング423の液体入口457に液体が送られ、例えば、内部チャンバ455内の流路に沿って排出ポート483まで流れるようにする。加圧液体が導波管521の末端端部523を過ぎて排出ポート483まで流れると、導波管組立体450は、図1〜図10の燃料噴射器21の導波管組立体150と実質的に同じように作動し、超音波ホーンのような方式で導波管の末端端部を超音波的に振動する。したがって、液体が排出ポート483に入り一般に液体を霧化する(例えば、液滴の大きさを減少して装置421を出る液体の液滴の大きさの分布を狭くする)直前に、導波管521の末端端部523により超音波エネルギーが液体に付与される。液体が排出ポート483を出る前に超音波エネルギーによる励起を行うと、全体として、霧化液体の脈動するほぼコーン形のスプレーを生じ、これが装置421から送り出される。
【0096】
図12は、本発明の第3の実施形態による全体的に821で示される超音波液体送達装置を示す。この第3の実施形態の装置821は、この第3の実施形態の導波管組立体950がハウジング823の内部チャンバ855内に部分的にしか配置されないように示されていることを除いて、第2の実施形態の装置と同様である。この第3の実施形態のハウジング823は、内部チャンバ855を定めるハウジング部材825と、閉鎖部826(例えば、図示した実施形態では環状閉鎖部)とを含み、該閉鎖部826は、該ハウジング部材の開放上側端部837上にねじ固定されて更にハウジングを定めるように機能し、装着部材879の外側セグメント1089を閉鎖部とハウジング部材との間に固定し、それによって装着部材(従って導波管組立体850)を定位置に固定する。従って、装着部材879は、第1及び第2の実施形態に関連して先に記載したように導波管921の機械的な振動からハウジング823を振動的に隔離する。この第3の実施形態の挿入部882は、複数の排出ポート883を有するように示される。
【0097】
図12に示す実施形態では、導波管921の下側セグメント933は、全体が内部チャンバ855内に延び、導波管の上側セグメント931は、装着部材879からハウジング823の軸線方向外向きに上方向に延びる。励起装置945、例えば圧電リング947は、該リングを装着部材879の上側表面に押し付けるカラー951とともに、ハウジング823の外部に対応して配置される。電流は、図1〜図10に示す燃料噴射器21に付随するスリーブ155、接触リング165及びガイドリング167を必要とすることなく適切な配線(図示せず)により励起装置945に供給することができる。しかし、このようなスリーブ、接触リング及びガイドリングは、本発明の範囲から逸脱することなく、図12に示される装置821に組み入れることができることが分かる。
【0098】
図13は、全体的に1021で示される超音波液体送達装置の第4の実施形態を示す。この第4の実施形態の装置1021は、本明細書では、超音波エネルギーを液体に与えた後に液体の加圧スプレーが装置から排出されるあらゆる超音波駆動装置に関して全体的に記載されるが、このような装置は、限定する意味ではないが、ネブライザ及び他の薬物送達装置、鋳造機器、加湿器、エンジンに対する燃料噴射装置、塗料スプレーシステム、インク送達システム、混合システム、均質化システム、スプレー乾燥システム、冷却システムのような装置及び超音波的に生成した液体のスプレーが用いられる他の用途に用途がある可能性があると想定している。
【0099】
図示した装置1021は、全体的に1023で示され、上側ハウジング部材1025(図13に示される装置の垂直方向に対して)、中間ハウジング部材1026、及び下側ハウジング部材1027を有する細長いハウジングを含む。上側ハウジング部材1025は、閉鎖上側端部1025A及び開放下側端部1025Bを含む。中間ハウジング部材1026は、その縦方向端部1026A、1026Bが開いている。下側ハウジング部材1027は、開放上側端部1027A及び下側端部1027Bを含む。上側ハウジング部材1025の下側端部1025Bは、中間ハウジング部材1026の上側端部1026Aにはめ込まれ、ハウジング部材は、適切なねじ式コネクタ1029によりともに固定される。中間ハウジング部材1026の下側端部1026Bは、下側ハウジング部材1027の上側端部1027Aに接続する(例えば、ねじ式接続、スナップ式、又は他の適切な接続)。その結果、上側、中間、及び下側ハウジング部材1025、1026、1027はともに、ハウジング1023の内部チャンバ1055を定める。或いは、ハウジングは、本発明の範囲から逸脱することなく、3つ未満の部片で構成することもでき、3つを超える部片で構成することもできることが意図される。
【0100】
図13に示す装置1021の実施形態では、中間ハウジング部材1026の長さは、上側及び下側ハウジング部材1025、1027の長さより有意に長い。しかし、これらのハウジング部材の各々における相対的な長さは、種々変えることができる。例えば、上側、中間、及び下側ハウジング部材1025、1026、1027の長さを等しくすることもでき、上側部材の長さを中間及び下側ハウジング部材より大きくすることもでき、下側ハウジング部材の長さを上側及び中間ハウジング部材より大きくすることもできる。
【0101】
その上側端部1026Aに隣接する中間ハウジング部材1026の側壁1152の開口部1057は、液体をハウジング1023の内部チャンバ1055内に受け取るための入口1057を定める。しかし、入口1057は、下側ハウジング部材1027の側部に沿って、中間ハウジング部材1026の側部に沿って、又は上側ハウジング部材1025の側部に沿って、実質的に何れに配置することもでき、又は、上側ハウジング部材の閉鎖端部1025Aを通って延びることもでき、それも依然として本発明に含まれることが意図されている。
【0102】
下側ハウジング部材1027の下側端部1027Bは、挿入部1082をねじにより受け、この挿入部が、装置1021のハウジング1023を更に定めるようにした軸線方向に延びるねじ付き軸孔080を有する。排出ポート1083は、挿入部1082を通って軸線方向に延び、液体がハウジングから排出されるハウジング1023の排出ポート(又は出口)を大まかに定める。図13に示す挿入部1082は、単一の排出ポート1083を有するが、挿入部は、2つ以上の排出ポートを含むことができることを意図する。また、挿入部1082を完全に省略し、下側ハウジング部材1027の下側端部1027Bが1つ又はそれ以上の排出ポートを備えるように形成することもできると考えている。
【0103】
ハウジング1023の内部チャンバ1055は、ハウジングの内部チャンバから液体を排出するために、それに沿って液体がハウジング1023で入口1057から排出ポート1083まで流れることができる液体流路を大まかに定める。図13に示される装置1021は、単一の入口1057及び単一の排出ポート1083を有するが、装置は、2つ以上の入口及び/又は2つ以上の排出ポートを含むことができると考えられている。図示する実施形態のハウジング1023は、ほぼ円筒形であるが、適切にはあらゆる形状とすることができ、少なくとも部分的には、送達される前にハウジング内に配置される液体の望ましい量、入口及び排出ポートの数及び大きさ、及び装置が作動する作動周波数に応じて大きさを定めることができる。
【0104】
全体的に1150で示される細長い超音波導波管組立体は、ハウジング1123の軸線方向(例えば、図13に示すハウジングの縦方向又は横方向)に延びる。超音波導波管組立体は、図1〜図10の実施形態に関して先に記載したように組立体に保持される超音波導波管1121及び励起装置1145を含む。図13に示すように、導波管1121の少なくとも一部は、ハウジング1023の内部チャンバ1055内に、更に詳細には、入口から排出ポートまでの液体流路内に配置され、入口1057から排出ポート1083まで流れる液体が導波管と直接流体的に接触するようにする。
【0105】
適切な実施形態の1つでは、超音波導波管組立体1150の全体が、ハウジング1023の内部チャンバ1055内に配置される。配列の1つでは、図13に示すように、励起装置1145は内部チャンバ1055内に配置されるが、液体流路から隔離される。その結果、ハウジング1023の内部チャンバ1055を通過する液体は、励起装置1145と接触しない。しかし、例えば、入口1057が上側ハウジング部材1025の上側端部1025Aに位置する場合には、励起装置1145は、液体流路内に存在することができると理解される。
【0106】
この実施形態の超音波導波管1121は、外側表面1122を有する細長くほぼ円筒形の本体を含む。超音波導波管1121は、適切には、該導波管が1つ又はそれ以上の節領域及び2つ又はそれ以上の腹領域を有するように軸線方向に位置決めした複数の1/2波長セグメントを含む。例えば、図示した導波管1121は、5つの節領域及び6つの腹領域を定める5つの1/2波長セグメントを有する。しかし、超音波導波管1121は、単一の1/2波長セグメントを含む意味で、5つより多いか少ない1/2波長セグメントを有するものとすることができると考えられる。単一の1/2波長セグメントは、1つの節領域及び2つの腹領域を有することになる。実施形態の1つでは、1/2波長セグメントは、互いに分離して形成され、端部突合せ型で接続して(例えば、ねじ接続又は他の適切な接続による)導波管を形成する。しかし、導波管は、本発明の範囲から逸脱することなく単一部片構成とすることができることを理解すべきである。
【0107】
本明細書で用いる場合、超音波導波管1121の「反節領域(腹領域)」は、超音波導波管が超音波振動される間に横方向変位が殆ど(又は全く)起こらず、超音波導波管の縦方向(例えば、図示した実施形態では軸線方向)変位が一般に最大になる超音波導波管の縦方向領域又はセグメントをいう。図示する実施形態では、腹領域が、詳細には腹平面(即ち、横方向変位が起こらないが縦方向変位が一般に最大になる超音波導波管を横切る平面)により定められるような超音波導波管1121が存在する。また、この平面は、時に、腹点と呼ばれる。
【0108】
励起装置1145(例えば、図示した実施形態では圧電リング1147)は、超音波導波管1121の上側セグメント1031と直接接触する。電流は、ハウジング1023の側部を通って延び、内部チャンバ1055内の接触リング(図1〜図10の実施形態の接触リング165と同様である)に電気的に接続される適切な配線(図示しないが、図1〜図10の実施形態の配線181、183と同様である)により励起装置1145に供給される。
【0109】
図13に示すように、少なくとも1つの攪拌部材1124は、超音波導波管1121の外側表面1122から少なくとも部分的に横方向外向きに延びる。図示した実施形態では、複数の攪拌部材1124は、連続的に超音波導波管1121の周囲を互いに縦方向に間隔を置いた関係で、超音波導波管の外側表面1122から横方向(例えば、図示した実施形態では半径方向)外向きに延びる4つのワッシャ形リングの形で示される。したがって、各リングの超音波導波管1121に対する振動的変位は、超音波導波管の周囲の周りで比較的均一である。各攪拌部材1124は、ハウジング1023の内部チャンバ1055に、詳細には入口1057と排出ポート1083との間の液体流路内に配置される。その結果、流路を通って入口1057から排出ポート1083まで流れる液体が、各攪拌部材1124を通過する。
【0110】
しかし、攪拌部材1124の各々は、超音波導波管1122の周囲の周りに連続であることが分かる。例えば、攪拌部材1124は、その代わりに、スポーク、ブレード、ひれ又は超音波導波管1122の外側表面1122から横方向外向きに延びる他の個別の構造的部材の形とすることができる。攪拌部材1124(例えば、図示した実施形態ではリング)の数は、本発明の範囲から逸脱することなく、4つ未満又はそれを超える数とすることができることが分かる。また、攪拌部材1124の縦方向間隔は、図13に示したもの以外とすることができることも(例えば、更に近接するか更に離して間隔を置くかの何れか)理解できる。図13に示す攪拌部材1124は、互いに等しく縦方向に間隔を置いて配置されるが、3つ以上の攪拌部材が存在する場合には、本発明の範囲に依然として含まれるようにするために、縦方向に連続する攪拌部材の間の間隔を必ずしも均一にする必要はないと考えている。
【0111】
超音波導波管1121上の攪拌部材1124の位置は、少なくとも部分的に、超音波導波管が振動するときの攪拌部材の意図する振動変位の関数である。適切な実施形態の1つでは、各攪拌部材1124は、その横方向移動を最小にしながら流路に沿った攪拌部材の縦方向移動を最大にするように、超音波導波管1121のそれぞれの腹領域に位置決めされる。攪拌部材1124は、本発明の範囲から逸脱することなく、超音波導波管1121の腹領域から間隔を置いて配置することができることが理解できる。更に、2つ又はそれ以上の攪拌部材1124を含む実施形態では、攪拌部材1124は、超音波導波管の腹領域及び節領域の両方に位置決めすることができることが分かる。
【0112】
攪拌部材1124は、(例えば、材料及び/又は厚さ及び横方向長さ(攪拌部材が超音波導波管1121の外側表面1122から横方向外向きに延びる距離)のような寸法が)超音波導波管の超音波振動に応答する攪拌部材1124の動的運動、詳細には動的屈曲/曲げを容易にするのに十分なように構成される。図13に示す攪拌部材1124(例えばリング)は、比較的平坦であり、即ち、断面が比較的長方形であるが、リングの断面は、本発明の範囲から逸脱することなく、長方形以外とすることができることは理解できる。断面という用語は、この例では、超音波導波管1121の外側表面1122に対して横方向の1つ(例えば、図示した実施形態では半径方向)でとった断面をいうのに用いられる。)また、図13に示した攪拌部材1124(例えばリング)は、横方向構成要素のみを有するように構成されるが、攪拌部材の1つ又はそれ以上は、超音波導波管組立体1150の超音波振動の間に超音波導波管1121の横方向振動変位(例えば、図13に示した超音波導波管の節領域及びその近辺)を利用するために、少なくとも1つの縦方向(例えば軸線方向)構成要素を有することができると考えている。例えば、攪拌部材1124の1つ又はそれ以上は、ほぼT形断面、L形断面、プラス形断面、又は他の適切な断面で形成することができる。
【0113】
導波管組立体1150は、適切には、図1〜図10の実施形態の装着部材79に実質的に同様に構成される横方向に延びる装着部材1079A(広い意味では「第1の隔離部材」)により内部チャンバ1055内のハウジング1023に相互接続される。装着部材は、導波管1121の機械的振動からハウジング1023を振動的に隔離する。2つ以上の装着部材を設けることができる。図13に示すように、装着部材1079Aは、導波管組立体1150と1部片として形成されるが、装着部材は、別個の部片として形成することもできるとも考えられている。
【0114】
図示した実施形態では、装着部材1079Aは、超音波導波管1121の節領域の1つと位置合わせされた上側及び中間ハウジング部材1025、1026の接合部でハウジング1023に固定される。その結果、装着部材1079は、導波管組立体1150の横方向運動を抑制する。装着部材1079Aは、本発明の範囲から逸脱することなく、腹領域を含む超音波導波管1121の長さに沿って異なる位置に配置することもできることが意図されている。
【0115】
導波管組立体1150は、装着部材から縦方向に間隔を置いて配置された安定化部材1079B(広い意味では、「第2の隔離部材」)によりハウジング1023の内部チャンバ1055内で軸線方向に支持される。安定化部材1079Bは、米国特許第6,676,003号に記載されるような半径方向構成要素1088A及び軸線方向構成要素1088Bを含んでおり、この特許の開示事項は、本明細書に矛盾のない範囲で引用により組み入れられる。安定化部材1079Bは、装着部材1079Aと協働し、導波管1121の機械的振動からハウジング1023を振動的に隔離する。
【0116】
適切な実施形態の1つでは、安定化部材1079Bは、超音波導波管1121の節領域に位置決めされ、導波管組立体1150の横方向移動を抑制する。安定化部材1079Bは、本発明の範囲から逸脱することなく、腹領域を含む超音波導波管1121の長さに沿って異なる位置に配置することができる。図13に示すように、安定化部材1079Bは、入口1057と排出ポート1083との中間でハウジング1023の内部チャンバ1055内に配置され、安定化部材が流路内に配置されるようにする。その結果、安定化部材1079Bは、液体が入口1057から排出ポート1083まで流れるときに安定化部材が通過できるようにするための開口部(図示せず)を含む。
【0117】
安定化部材1079Bは、ハウジングに摩擦嵌めされるように、該ハウジング1023に対し相対的な大きさ及び形状にされる。更に詳細には、安定化部材1079Bの半径方向構成要素1088Aは、超音波導波管1121が動的変位する間に、半径方向構成要素1088Aがハウジングに関して静止したままとなるのに十分な摩擦抵抗で、ハウジング1023の内側表面と接触する。安定化部材1079Bの軸線方向構成要素1088Bは、超音波導波管1121が動的に変位する間に曲げ/屈曲が生じ、超音波導波管が半径方向構成要素1088Aを移動させることなく移動することができるようにする。しかし、安定化部材1079Bは、ハウジング1023に対して軸線方向(縦方向)に滑動的に移動することができ、したがって、超音波導波管はハウジング1023の内部チャンバ1055に挿入し、或いは除去することができる。2つ以上の安定化部材を設けることができることが分かる。図13に示すように、安定化部材1079Bは、導波管組立体1150とともに1部片として形成されるが、安定化部材は、別個の部片として形成することができることも考えられている。
【0118】
作動時には、液体はハウジング1023の液体入口1057に送られ、例えば内部チャンバ1055内で排出ポート1083まで流路に沿って流れる。加圧液体が、排出ポート1083に向かい、導波管1121に沿って流れると、導波管組立体1050は、図1〜図10の燃料噴射器21の導波管組立体150と実質的に同じように作動し、導波管を超音波的に振動させる。従って、液体が排出ポート1083を介して流路を出る前に超音波導波管1121により超音波エネルギーが液体に付与され、全体的に液体を霧化する(例えば、液滴の大きさを減少させ、装置1021を出る液体の液滴の大きさの分布を狭める)。排出ポート1083を出る前に液体が超音波エネルギー化されると、一般に、装置1021から送り出される状態では、霧化液体の脈動するほぼ円錐形スプレーが生成される。更に、攪拌部材1124は、流路を通って流れるときに液体を混合する。特定の液体(例えば溶液)は、望ましくない程度に種々の相に分離する可能性がある。攪拌部材1124は、超音波導波管1121が作動する間、液体が攪拌部材を通過するときに液体を攪拌し、それによって液体を混合状態に維持する。更に詳細には、攪拌部材1124は、超音波導波管1121の腹領域内に配置されるため、液体流路内でハウジング1023に対して縦方向に動的に変位する。
【0119】
図14は、本発明の第5の実施形態による全体的に1221で示される超音波式液体送達装置を示す。この第5の実施形態の装置1221は、この第5の実施形態の導波管組立体1350が、ハウジング1223の内部チャンバ1255内に部分的にしか配置されないように示されていることを除き、第4の実施形態の装置と同様である。この第5の実施形態のハウジング1223は、内部チャンバ1255と、上側ハウジング部材1226の開放上側端部1226Aを閉鎖して内部チャンバを更に定める閉鎖部(例えば、図示した実施形態では第1の装着部材1279A)と、を含む。図14に示す実施形態では、超音波導波管1321の下側セグメントは、完全に内部チャンバ1255内に延びるが、超音波導波管の上側セグメントは、第1の装着部材1279Aからハウジング1223の軸線方向外向きに延びる。励起装置1345は、それに対応してハウジング1223の外部に配置される。電流は、図1〜図10に示す燃料噴射器21に付随するスリーブ、接触リング及びガイドリングを必要とすることなく、適切な配線(図示せず)により励起装置1345に送達することができる。しかし、このようなスリーブ、接触リング及びガイドリングは、本発明の範囲から逸脱することなく、図14に示された装置1221に組み入れることができることを理解すべきである。図14に示す実施形態は、液体が励起装置1345にとっては熱すぎる用途によく適合する。この実施形態は、ハウジング1223の内部チャンバ1255を通過する液体から励起装置1345を隔離するだけでなく、励起装置を許容可能な範囲に維持するために冷却空気が励起装置に供給されるようにすることができる。
【0120】
本発明又はその好ましい実施形態の要素について述べるときには、不定冠詞、定冠詞、及び「前記」は、1つ又はそれ以上の要素が存在することを意味するものとする。「含む」、「含有する」、及び「有する」という用語は、包括的であり、列記した要素以外に付加的な要素が存在する可能性があることを意味するものとする。
【0121】
上の構成及び方法には、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことができるため、上の記載に含まれ、添付の図面に示される全ての事柄は、実例であり、限定的な意味で解釈されるものではないことを意図している。
【符号の説明】
【0122】
1025A 閉鎖上側端部
1145 励起装置
1031 上側セグメント
1025B 開放下側端部
1079A 装着部材
1057 入口
1152 側壁
1124 攪拌部材
1023 ハウジング
1121 超音波導波管
1124 攪拌部材
1079B 安定化部材
1027A 開放上側端部
1027 下側ハウジング部材
1027B 下側端部
1021 装置
1025 上側ハウジング部材
1147 圧電リング
1026A 縦方向端部
1029 ねじ付きコネクタ
1124 攪拌部材
1150 超音波導波管組立体
1055 内部チャンバ
1026 中間ハウジング部材
1124 攪拌部材
1122 外側表面
1088B 軸線方向構成要素
1088A 半径方向構成要素
1026B 縦方向端部
1082 挿入部
1083 排出ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部チャンバ、液体が前記内部チャンバ内に入るように前記内部チャンバと流体的に連通する入口、及び、前記チャンバ内の液体が前記ハウジングから出るようにするために前記内部チャンバと流体的に連通する出口を有する細長いハウジングと、
少なくとも一部が前記ハウジングの前記内部チャンバ内に配置され、前記液体が前記出口を通って前記ハウジングから排出される前に、前記内部チャンバ内の液体に超音波エネルギーを与えされる細長い超音波導波管と、
を備え、
前記超音波導波管は、前記入口と前記出口との中間で前記ハウジングの前記内部チャンバ内において前記超音波導波管から外向きに延びる攪拌部材を有し、前記攪拌部材と前記超音波導波管とは、前記超音波導波管が超音波振動されたとき、前記超音波導波管に対して前記攪拌部材が動的運動するように構成及び配列されており
前記超音波導波管及び前記攪拌部材を超音波的に励起するように作動可能な励起装置が備えられた、
ことを特徴とする超音波液体送達装置。
【請求項2】
複数の攪拌部材が、前記ハウジングの前記内部チャンバ内で互いに縦方向に間隔を置いて配置された関係で、前記超音波導波管から外向きに延びることを特徴とする請求項1に記載の液体送達装置。
【請求項3】
前記攪拌部材及び前記超音波導波管が、前記超音波導波管が超音波振動するときの前記超音波導波管の変位に対して、前記攪拌部材の変位を増幅するように構成及び配列されていることを特徴とする請求項1に記載の液体送達装置。
【請求項4】
前記超音波導波管が、節領域及び腹領域を有し、前記攪拌部材が、前記腹領域で前記超音波導波管から横方向外向き延びることを特徴とする請求項3に記載の液体送達装置。
【請求項5】
前記攪拌部材が、前記超音波導波管の周囲に延びるリングを含むことを特徴とする請求項4に記載の液体送達装置。
【請求項6】
前記超音波導波管が、節領域及び腹領域を有し、前記攪拌部材が、前記節領域において前記超音波導波管から横方向外向きに延びることを特徴とする請求項3に記載の液体送達装置。
【請求項7】
前記攪拌部材が、ほぼT形断面を有することを特徴とする請求項6に記載の液体送達装置。
【請求項8】
前記超音波導波管の長さが、少なくとも1/2の波長セグメントを定めることを特徴とする請求項1に記載の液体送達装置。
【請求項9】
前記超音波導波管の長さが、少なくとも3/2の波長セグメントを定め、少なくとも1つの攪拌部材が、前記1/2波長セグメントの少なくとも2つから外向きに延びることを特徴とする請求項8に記載の液体送達装置。
【請求項10】
前記超音波導波管及び前記攪拌部材が、単一部片として形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液体送達装置。
【請求項11】
前記超音波導波管全体が、前記ハウジングの前記内部チャンバ内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体送達装置。
【請求項12】
前記励起装置の少なくとも一部が、前記ハウジングの前記内部チャンバ内に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の液体送達装置。
【請求項13】
前記超音波導波管を前記ハウジングの前記内部チャンバ内に装着するための少なくとも1つの隔離部材を更に含み、前記少なくとも1つの装着部材が、前記超音波導波管から前記ハウジングを実質的に振動的に隔離するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の液体送達装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの隔離部材が、装着部材を含むことを特徴とする請求項13に記載の液体送達装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの隔離部材が、安定化部材を含むことを特徴とする請求項13に記載の液体送達装置。
【請求項16】
液体を受け取るための入口、液体が出るときに通る出口、及び、前記入口及び前記出口と流体的に連通して液体の流れを前記入口から前記出口まで導く内部流路を有するハウジングと、
前記ハウジングとは別に形成され、細長く、少なくとも一部が前記流路内に配置され、前記液体が前記出口を通って前記ハウジングを出る前に前記流路内の液体に超音波的にエネルギーを与える超音波導波管と、
前記超音波導波管から全体として外向きに延びる攪拌部材と、
前記超音波導波管及び前記攪拌部材を超音波的に励起するように作動可能な励起装置と、
を含むことを特徴とする超音波液体送達装置。
【請求項17】
前記超音波導波管が、節領域及び腹領域を有し、前記攪拌部材が、前記超音波導波管の前記腹領域で前記超音波導波管からほぼ外向きに延びることを特徴とする請求項16に記載の液体送達装置。
【請求項18】
前記超音波導波管が、複数の節領域及び複数の腹領域を有することを特徴とする請求項17に記載の液体送達装置。
【請求項19】
複数の攪拌部材が、前記超音波導波管の前記複数の腹領域で前記超音波導波管からほぼ外向きに延びることを特徴とする請求項18に記載の液体送達装置。
【請求項20】
前記超音波導波管の腹領域の数が、攪拌部材の数より多いことを特徴とする請求項19に記載の液体送達装置。
【請求項21】
超音波導波管の腹領域が、攪拌部材より2つ多いことを特徴とする請求項20に記載の液体送達装置。
【請求項22】
前記励起装置が、前記超音波導波管とともに組立体に保持され、前記複数の腹領域の1つにおいて前記超音波導波管とほぼ直接に接触することを特徴とする請求項18に記載の液体送達装置。
【請求項23】
前記超音波導波管から前記ハウジングを実質的に振動的に隔離するための隔離部材を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の液体送達装置。
【請求項24】
前記隔離部材が、一般に前記超音波導波管の前記節領域において前記超音波導波管に作動可能に接続されることを特徴とする請求項23に記載の液体送達装置。
【請求項25】
液体を内部に受け取るための入口、液体が排出されるときに通る出口、及び、前記液体が内部で前記入口から前記出口まで流れるように導くために前記入口及び前記出口と流体的に連通する内部の流路を有する細長いハウジングと、
少なくとも一部が前記流路内に配置され、前記液体が前記出口を通って前記ハウジングを出る前に前記流路内の液体に超音波的にエネルギーを与えるための、少なくとも2つの波長セグメントを有する細長い超音波導波管と、
前記超音波導波管から横方向外向きに延びる複数の攪拌部材と、
を備え、前記攪拌部材と前記超音波導波管とは、前記超音波導波管が超音波振動されたとき前記攪拌部材が前記超音波導波管に対して動的運動するように構成及び配列されと、
前記超音波導波管及び前記攪拌部材を超音波的に励起するように作動可能な励起装置が設けられた、
ことを特徴とする超音波液体送達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−502428(P2010−502428A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527274(P2009−527274)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053621
【国際公開番号】WO2008/059389
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】