説明

超音波探傷方法及び超音波探傷装置

【課題】簡単な装置で、簡便に、而も検査精度が向上する超音波探傷方法及び超音波探傷装置を提供する。
【解決手段】超音波探触子7,8を保持するセンサユニット2と、該センサユニットを保持し、検査面に固定可能なユニットサポート3とを有し、前記センサユニットを前記ユニットサポートに着脱可能とした超音波探傷装置を用いた超音波探傷方法であって、前記センサユニットを外したユニットサポートを検査位置に位置決めし、次に前記センサユニットを前記ユニットサポートに実装し、超音波探傷を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板とコンクリート等、異種材料層を形成した材料、構造物の境界層での欠陥の有無を検査する超音波探傷方法及び超音波探傷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋梁或は高速道路の高架床等では、架設された鋼板にコンクリートを打設した合成床版が用いられる。合成床版では、コンクリートが圧縮強度を負担し、鋼板が引張り強度を負担する等、コンクリートと鋼板が強度を分担し、合成床版として充分な強度が発揮される様になっている。
【0003】
又、合成床版が充分な強度を発揮する為には、鋼板とコンクリートとの境界層で密着していることが要求されるが、コンクリートの打設時に未充填部分が発生し、或は長期間の使用に伴って鋼板が境界層で腐食し、境界層に隙間を生じる場合がある。境界層に隙間を生じた場合、合成床版の強度低下につながる。この為、境界層の未充填部の有無、腐食の発生、腐食の進行等、境界層の健全性を検査する必要がある。
【0004】
境界層の健全性を検査する方法として、超音波探傷法があり、特に特許文献1に示される様に、低周波の超音波(25[kHz]〜250[kHz])を用いて超音波探傷を実施すると、境界層に未充填部分、隙間での反射が得られ、境界層の健全性を検査することができる。
【0005】
特許文献1に示される金属腐食検査装置は、鋼桁間にガーダを掛渡し、該ガーダにガイドレールをセットし、該ガードレール上を走行させる大掛りな構成となっている。
【0006】
ところが、実際の超音波探傷検査では、作業者が直接超音波センサを検査箇所に押当て境界層の健全性を検査する等、簡便に行っている場合が多い。
【0007】
この場合、高所作業となると共に、超音波センサを下側から合成床版の下面に押当てる上向き姿勢の探傷検査であり、作業者に負担が掛る作業となっていた。特に、検査箇所が多数に亘ると、作業者の負担は大きなものとなっていた。更に、上向き姿勢の探傷検査である為、超音波センサの押圧状態が安定せず、検査結果にバラツキを生じる場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−163263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は斯かる実情に鑑み、簡単な装置で、簡便に、而も検査精度が向上する超音波探傷方法及び超音波探傷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、超音波探触子を保持するセンサユニットと、該センサユニットを保持し、検査面に固定可能なユニットサポートとを有し、前記センサユニットを前記ユニットサポートに着脱可能とした超音波探傷装置を用いた超音波探傷方法であって、前記センサユニットを外したユニットサポートを検査位置に位置決めし、次に前記センサユニットを前記ユニットサポートに実装し、超音波探傷を実行する超音波探傷方法に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記ユニットサポートを複数有し、該複数のユニットサポートをそれぞれ検査位置に設置し、前記センサユニットを順次、前記ユニットサポートに実装して超音波探傷を実行する超音波探傷方法に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記ユニットサポートが移動手段を具備し、順次ユニットサポートを移動させ検査箇所を変更して、超音波探傷を実行する超音波探傷方法に係るものである。
【0013】
又本発明は、超音波探触子を保持するセンサユニットと、該センサユニットを保持し、検査面に固定可能なユニットサポートとを有し、前記センサユニットを前記ユニットサポートに着脱可能とした超音波探傷装置に係るものである。
【0014】
又本発明は、前記ユニットサポートは前記センサユニットを収納する空間を有する主枠体と、該主枠体に回動自在に設けられ、該主枠体を開閉する回動枠体とを有し、前記センサユニットは検査面に垂直な方向に変位可能に前記ユニットサポートに保持されると共に上方に延出するユニット押圧スプリングを有し、前記回動枠体の閉状態では前記ユニット押圧スプリングを圧縮させ、該ユニット押圧スプリングを介して前記超音波探触子が検査面に押圧される超音波探傷装置に係るものである。
【0015】
又本発明は、前記センサユニットは、超音波を発振する第1探触子を保持する第1探触子ホルダと、反射超音波を受信する第2探触子を保持する第2探触子ホルダとを具備し、前記第1探触子ホルダと前記第2探触子ホルダとは自在カップリングにより連結された超音波探傷装置に係るものである。
【0016】
又本発明は、前記主枠体が、更に位置決め案内板を具備し、該位置決め案内板には検査位置を示す罫書き線が刻設されている超音波探傷装置に係るものである。
【0017】
又本発明は、前記主枠体が移動手段を具備し、前記検査面に取付けられるレールに沿って移動可能である超音波探傷装置に係るものである。
【0018】
又本発明は、前記レールが、2本のレールであり、該レールの少なくとも2箇所を連結ロッドにより連結し、前記2本のレールの平行を決定すると共に前記連結ロッドの途中に自在継手を設け、該連結ロッドが屈曲可能とした超音波探傷装置に係るものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、超音波探触子を保持するセンサユニットと、該センサユニットを保持し、検査面に固定可能なユニットサポートとを有し、前記センサユニットを前記ユニットサポートに着脱可能とした超音波探傷装置を用いた超音波探傷方法であって、前記センサユニットを外したユニットサポートを検査位置に位置決めし、次に前記センサユニットを前記ユニットサポートに実装し、超音波探傷を実行するので、前記センサユニットを手で保持する必要がなく、作業者の負担が軽減し、超音波センサの押圧状態が安定し、検査精度が向上する。
【0020】
又本発明によれば、超音波探触子を保持するセンサユニットと、該センサユニットを保持し、検査面に固定可能なユニットサポートとを有し、前記センサユニットを前記ユニットサポートに着脱可能としたので、前記センサユニットを検査箇所に前記ユニットサポートにより保持することができ、作業者の保持行為が省略でき、作業者の負担が軽減し、超音波センサの押圧状態が安定し、検査精度が向上するという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係る超音波探傷装置の上方からの斜視図である。
【図2】該超音波探傷装置の下方からの斜視図である。
【図3】該超音波探傷装置で回動枠体を開いた状態を示す上方からの斜視図である。
【図4】超音波探傷装置の主枠体からセンサユニットを取外した状態を示す上方からの斜視図である。
【図5】センサユニットの第1探触子ホルダ、第2探触子ホルダから第1探触子、第2探触子を取外した状態の上方からの斜視図である。
【図6】ユニットサポートからセンサユニットを取外し、回動枠体を閉じた状態の上方からの斜視図である。
【図7】前記第1探触子、第2探触子を第1探触子ホルダ、第2探触子ホルダに取付ける為の治具を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図8】前記ユニットサポートを合成床版の下面に設置した状態の下方からの斜視図である。
【図9】(A)は従来の方法での超音波探傷検査の結果を示すグラフ、(B)は本発明を実施した場合の超音波探傷検査の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0023】
図1は本発明の実施例に係る超音波探傷装置1を上方から見た斜視図であり、図2は下方から見た斜視図である。
【0024】
前記超音波探傷装置1は、主に、センサユニット2とユニットサポート3、測定装置4から構成されている。
【0025】
先ず、図4、図5を参照して、前記センサユニット2について説明する。
【0026】
該センサユニット2は第1探触子ホルダ5及び第2探触子ホルダ6を有している。該第1探触子ホルダ5には超音波を発振する超音波探触子である第1探触子7が保持され、前記第2探触子ホルダ6には反射波を受信する超音波探触子である第2探触子8が保持されている。前記第1探触子7、前記第2探触子8は前記センサユニット2の垂直中心9に対して対称な配置となっている。尚、前記第1探触子ホルダ5と前記第2探触子ホルダ6とは対称な形状を有しているので、以下は第1探触子ホルダ5について説明する。
【0027】
前記第1探触子ホルダ5には前記第1探触子7の外径より僅かに大径の探触子保持孔11が上下方向に貫通穿設されている。該探触子保持孔11は前記垂直中心9側が一部欠切された円であり、反中心側にはスリット12が穿設され、該スリット12で分割された探触子把持片13,13はヒンジ部14を中心に、弾性変形により近接離反可能となっている。
【0028】
前記スリット12を横切る様に探触子把持片13,13を貫通する探触子固定ボルト15が設けられ、該探触子固定ボルト15が貫通する孔は、前記探触子把持片13,13の一方が螺子孔、他方が遊び孔となっており、前記探触子固定ボルト15を締込むことで前記探触子把持片13,13は相互に接近し、又緩めることで相互に離反し、前記探触子保持孔11が拡縮する様になっている。
【0029】
前記探触子把持片13,13の側面にはそれぞれブロック16が固着され、該ブロック16には垂直なスプリング保持軸17が立設され、該スプリング保持軸17に合成樹脂製のスライドワッシャ18,18が上下2枚摺動自在に嵌設され、該スライドワッシャ18,18間にユニット押圧スプリング19が挾設され、該ユニット押圧スプリング19は前記スプリング保持軸17をガイドとして伸縮可能となっている。又、前記スライドワッシャ18の径は、前記ユニット押圧スプリング19の径より大きく、又前記スプリング保持軸17の上端には抜け止用のフランジが形成されており、上側のスライドワッシャ18が前記スプリング保持軸17より抜出さない様になっている。
【0030】
前記第1探触子ホルダ5の反中心側の面にはユニット支持ピン21が前記スリット12と平行に2本突設されており、前記ユニット支持ピン21の先端にはフランジ21aが形成されている。
【0031】
前記第2探触子ホルダ6も前記第1探触子ホルダ5と同一の構造であるが、前記第2探触子ホルダ6に突設されるユニット支持ピン22にはフランジが形成されていない。
【0032】
前記第1探触子ホルダ5と前記第2探触子ホルダ6のブロック16,16は、前記第1探触子ホルダ5と前記第2探触子ホルダ6の対称性から、対峙した位置になっているが、前記ブロック16,16とは自在カップリング23によって連結されている。
【0033】
該自在カップリング23は、少なくとも、2軸方向に変形可能な弾性体を有しており、前記第1探触子ホルダ5と前記第2探触子ホルダ6とは前記自在カップリング23を中心に相対的な曲げ変形、相対的なねじれ変形が可能となっている。
【0034】
前記第1探触子7及び前記第2探触子8は、それぞれ前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6の探触子保持孔11,11に嵌脱可能となっており、前記第1探触子7及び前記第2探触子8にはそれぞれC形状のストッパ24,24が設けられる。
【0035】
該ストッパ24は2分割構造であり、ボルト25で一体化され、該ボルト25を締込むことで前記第1探触子7又は前記第2探触子8に固着される様になっている。前記ストッパ24,24により、前記第1探触子7及び前記第2探触子8を自由に回転させる接触調整も可能となる。尚、前記ストッパ24,24は、例えば手の届き難い場所に設置する場合の様に十分な接触調整が困難或は特に必要としない場合は設けなくてもよい。又、前記超音波探傷装置1を上向き姿勢、例えば図2に示す様な姿勢として検査を行う場合で、接触調整の為に探触子固定ボルト15を緩めて前記第1探触子7、前記第2探触子8を回転する時、前記ストッパ24は、前記第1探触子7、前記第2探触子8の下方への変位を規制し、設定突出量を維持し、又前記第1探触子7、前記第2探触子8の落下を防止する。
【0036】
而して、前記第1探触子7、前記第2探触子8を前記探触子保持孔11にそれぞれ嵌入し、それぞれ前記探触子固定ボルト15を締込むことで、前記第1探触子7、前記第2探触子8が前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6に固定できる様になっている。
【0037】
前記第1探触子7、前記第2探触子8が前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6に固定され、一体化された状態が図4に示されている。尚、前記第1探触子7、前記第2探触子8に接続されたケーブル26,27は前記測定装置4に接続される。
【0038】
該測定装置4は、前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6からの信号に基づき、境界層に存在する隙間等境界層の異常の位置、大きさを検出する。
【0039】
次に、図3、図4、図6を参照して、前記ユニットサポート3について説明する。
【0040】
該ユニットサポート3は平面形状が矩形となっており、矩形の各頂点にはマグネットブロック31が配設されている。該マグネットブロック31は、回転可能なマグネットが内蔵され、摘み32を介して前記マグネットを回転させることで、前記マグネットブロック31が磁性体に対して吸着、離脱が可能となっている。
【0041】
前記矩形の平行な2辺に配設された縦ビーム33,33により、それぞれ1対の前記マグネットブロック31が連結され、前記矩形の他の平行な2辺、即ち前記縦ビーム33と直交する2辺の一方には第1横ビーム34、2辺の他方には第2横ビーム35が配設され、前記第1横ビーム34、前記第2横ビーム35の端部はそれぞれ対応する前記マグネットブロック31,31に連結され、前記縦ビーム33,33、前記第1横ビーム34、前記第2横ビーム35、4個の前記マグネットブロック31により矩形の主枠体36が構成される。
【0042】
前記第1横ビーム34の上面には、上方に突出する軸受部37が所定の間隔を明けて設けられ、各軸受部37には前記第1横ビーム34と平行な軸38が設けられ、レバー39は前記軸38を介し前記第1横ビーム34に回転自在に設けられている。
【0043】
該レバー39には前記縦ビーム33と平行に延在するスリット孔41が穿設され、該スリット孔41の幅は前記スプリング保持軸17の径よりも大きく、更に前記スライドワッシャ18の径よりも小さくなっている。前記レバー39の上面には取手42が取付けられている。尚、該取手42には滑止め用としてラバーグリップ43が設けられることが好ましい。
【0044】
2つの前記レバー39,39の先端部を前記第1横ビーム34と平行なロックシャフト44が貫通し、前記レバー39の先端部は前記ロックシャフト44によって連結され、前記レバー39,39及び前記ロックシャフト44によって回動枠体45が構成される。該回動枠体45は前記軸38を中心に回動し、前記主枠体36の上方を開閉する。
【0045】
前記ロックシャフト44の両端部は、それぞれ前記レバー39,39より突出し、突出する両端部はそれぞれ係合部44a,44aを形成する。
【0046】
前記縦ビーム33の先端側、即ち前記第2横ビーム35側の端部上面にはクランプ具46が設けられ、該クランプ具46は凹溝47、クランプ片48、解除レバー49とを具備し、前記凹溝47には前記係合部44aが嵌脱可能であり、前記クランプ片48は該凹溝47に進退可能となっており、前記係合部44aを前記凹溝47に圧入すると、前記クランプ片48が前記係合部44aと係合して該係合部44aが前記クランプ具46に固定され、前記解除レバー49を引上げると前記クランプ片48の係合が解除され、前記係合部44aが前記凹溝47から離脱可能となっている。
【0047】
前記第1横ビーム34には所定の間隔を明けて2箇所に長孔51が穿設され、該長孔51の長軸は垂直、即ち前記第1横ビーム34の長手方向に対して直角となっている。前記第2横ビーム35には、前記長孔51と対向する位置に切欠き孔52が穿設されており、該切欠き孔52の上端が切除され、上方に向って開口していると共に開口部の両端は面取りされている。
【0048】
前記第2横ビーム35の外側面、即ち第1横ビーム34と対向する側面の反対側には、ロックプレート53が前記第2横ビーム35の長手方向にスライド可能に設けられている。前記第2横ビーム35には前記ロックプレート53のスライド方向(図6中では左上方向)に延出する様鉤片54が形成され、該鉤片54は前記2つの切欠き孔52に対応する。
【0049】
前記ロックプレート53は、一方のストロークエンドで前記切欠き孔52から完全に後退し、該切欠き孔52の上端を完全に開口し(ロック解除状態)、他方のストロークエンドで前記切欠き孔52の上端を補充して、前記切欠き孔52の上端を閉鎖する(ロック状態)様になっている。又、前記ロックプレート53はロックボルト55を有し、前記ロックプレート53の両ストローク端で前記ロックボルト55を締込むことで、前記ロックプレート53のロック解除状態又はロック状態が保持される様になっている。尚、前記ロックボルト55が緩んだ場合でも、前記ユニット支持ピン21の先端に形成されたフランジ21aが鉤片54に引掛かる為、センサユニット2及びユニットサポート3の落下が防止され、安全性が高い。
【0050】
4個の前記マグネットブロック31に掛渡って、位置決め案内板56が取付けられている。該位置決め案内板56の外形は略矩形であり、中央部は略矩形に刳抜かれており、該位置決め案内板56の下面は、前記マグネットブロック31の下面、即ち吸着面より若干後退(図2中、gで示す)している。前記位置決め案内板56は、好ましくは透明の材料、例えば透明の合成樹脂板とする。
【0051】
前記位置決め案内板56の長辺部分の中央の表面には、長手方向と直交する横罫書き線57が刻設され、前記位置決め案内板56の短辺部分の中央の表面には、長手方向と直交する縦罫書き線58が刻設されている。
【0052】
前記横罫書き線57の延長線、前記縦罫書き線58の延長線は、前記位置決め案内板56の中心で交差する様になっている。又、前記位置決め案内板56の中心は前記垂直中心9に合致する様に設定されている。従って、前記横罫書き線57、前記縦罫書き線58は検査位置を示す検査位置表示手段として機能する。又、前記横罫書き線57、縦罫書き線58の代りに矢印形の突起等を形成してもよい。
【0053】
尚、前記ユニットサポート3の軽量化を図る為、前記縦ビーム33、前記第1横ビーム34、前記第2横ビーム35、前記レバー39等の構造材料はアルミニウム又はアルミニウム合金とし、適宜重量抜きの孔を穿設してもよい。
【0054】
図1〜図3に示される様に、前記主枠体36が囲む空間には、前記センサユニット2が装填される様になっている。
【0055】
以下、該センサユニット2の前記ユニットサポート3への装填について説明する。
【0056】
前記回動枠体45を上方に引上げ、前記主枠体36が囲む空間を開放する。又、前記ロックプレート53をスライドさせ、前記切欠き孔52の上端を開放しておく。
【0057】
前記ユニット支持ピン22を前記長孔51に斜め上方から挿入し、前記ユニット支持ピン22を中心に回転させ、前記ユニット支持ピン21を前記切欠き孔52に上方から嵌込む。次に、前記ロックプレート53をスライドさせ、前記鉤片54で前記切欠き孔52の上端を閉塞して前記ユニット支持ピン21を前記切欠き孔52にロックする。
【0058】
前記ユニット支持ピン21がロックされ、前記ユニット支持ピン22が前記長孔51に挿入された状態は、前記センサユニット2が前記主枠体36に保持された状態であり、上記した様に前記センサユニット2の垂直中心9は前記横罫書き線57と前記縦罫書き線58の交点に合致した状態にある。
【0059】
又、前記センサユニット2は前記縦ビーム33の長手方向、前記第1横ビーム34の長手方向、即ち平面2方向には拘束された状態であるが、垂直方向については、前記長孔51及び前記切欠き孔52と前記鉤片54とで形成される長孔分だけ変位可能となっている。
【0060】
前記第2探触子ホルダ6の前記主枠体36への取付けが完了すると、前記回動枠体45を閉じる方向に回動させる。該回動枠体45が閉じる過程で、前記スプリング保持軸17を前記スリット孔41に挿入し、更に前記回動枠体45を回動させることで、前記レバー39が前記スライドワッシャ18を押下げ、前記ユニット押圧スプリング19を撓ませる。
【0061】
前記回動枠体45を完全に閉じると、前記係合部44aが前記凹溝47に嵌入し、前記クランプ具46にクランプされる。
【0062】
前記係合部44aが前記クランプ具46にクランプされることで、前記回動枠体45の閉状態が維持され、更に前記センサユニット2が前記ユニット押圧スプリング19を介して前記回動枠体45に押下げられた状態が維持される。前記ユニット押圧スプリング19が撓んだ状態では、前記ユニット支持ピン22が前記長孔51の下端に突当り、前記ユニット支持ピン21が前記切欠き孔52の下端に突当る。この状態では、前記第1探触子7、前記第2探触子8の下面、即ち探触面は、前記マグネットブロック31の下面より、所定量突出している。
【0063】
前記第1探触子7、前記第2探触子8の突出量は、前記第1探触子ホルダ5に対する第1探触子7の保持状態、前記第2探触子ホルダ6に対する前記第2探触子8の保持状態で決定される。
【0064】
前記第1探触子7、前記第2探触子8と前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6との関係を、現場等、測定器或は適切な工具がない状態でも、最適な状態に設定する為、治具が用いられる。
【0065】
図7(A)、図7(B)は、前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6に前記第1探触子7、前記第2探触子8を実装する為の治具61を示している。
【0066】
該治具61は、台板62を有し、該台板62には前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6に保持された状態の前記第1探触子7と前記第2探触子8との位置関係に合致する座刳り穴63,63が穿設されている。該座刳り穴63,63の径は、前記第1探触子7、前記第2探触子8が無理なく入る径である。又、前記台板62の上面、4箇所には、ホルダ受座65が一段高く形成され、該ホルダ受座65に前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6が載置する様になっている。又、前記ホルダ受座65の上面と前記座刳り穴63,63の底面との間の寸法が、前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6からの前記第1探触子7、前記第2探触子8の突出量となる。
【0067】
又、前記台板62の4隅には、脚となるボルト66が取付けられており、作業性の利便性が講じられている。
【0068】
前記治具61を用いて、前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6に前記第1探触子7、前記第2探触子8を取付ける場合は、前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6を前記ホルダ受座65上に載置し、前記探触子保持孔11,11と前記座刳り穴63,63とを芯合せし、前記第1探触子7、前記第2探触子8を前記探触子保持孔11,11、前記座刳り穴63,63に落込む。この時前記探触子固定ボルト15は充分に緩め、前記第1探触子7、前記第2探触子8は自在に動かせ得る様にしておく。
【0069】
前記第1探触子7、前記第2探触子8が前記座刳り穴63,63の底面に当接した状態で、前記探触子固定ボルト15を締込むと、前記第1探触子7、前記第2探触子8が前記第1探触子ホルダ5、前記第2探触子ホルダ6に固定され、更に前記第1探触子7、前記第2探触子8の突出量も所定値に設定される。
【0070】
次に、上記超音波探傷装置を用いて超音波探傷試験を実施する場合を説明する。
【0071】
尚、図1に示される超音波探傷装置1では、下面即ち図2に図示される面が探傷面に当接するものである。従って、橋梁等の合成床版を検査する場合は、下側から前記超音波探傷装置1の下面を検査部位に当接させることになる。
【0072】
尚、以下は、説明を容易にする為、被検査部位に前記超音波探傷装置1を上側から設置するとして説明する。
【0073】
前記ユニットサポート3から前記センサユニット2を取外し、前記ロックシャフト44を前記クランプ具46にクランプさせ、前記回動枠体45を閉じた状態(図6に示される状態)とする。
【0074】
前記ラバーグリップ43を持ち、前記横罫書き線57、前記縦罫書き線58を利用して検査位置と前記ユニットサポート3の中心とを合わせる。
【0075】
前記ユニットサポート3の中心と検査位置とが合致した状態で、前記マグネットブロック31のそれぞれの摘み32を回して4個の前記マグネットブロック31を合成床版30(図3中では、合成床版の鋼板を示している)に吸着させ、前記ユニットサポート3を固定する。
【0076】
前記解除レバー49を引上げ、前記係合部44aのクランプ状態を解除し、前記回動枠体45を上方に回動させる。接触媒質を検査部位に塗布する。尚、接触媒質の塗布は、前記ユニットサポート3を固定した時点で行ってもよい。
【0077】
前記センサユニット2を傾斜させた状態で、前記ユニット支持ピン22を前記長孔51に挿通し、次に、前記センサユニット2を水平にして前記ユニット支持ピン21を前記切欠き孔52に嵌合させる。前記ロックプレート53をスライドさせ、前記ユニット支持ピン21を切欠き孔52から外れない様にし、前記ロックボルト55を締込み前記ロックプレート53をロックする。
【0078】
この状態では、前記第1探触子7、前記第2探触子8の下面は、合成床版30の表面に当接し、前記第1探触子7、前記第2探触子8は突出量分だけ押上げられた状態となっている。前記ユニット支持ピン22は前記長孔51の中間にあり、該長孔51の上端にも、下端にも接触していない浮いた状態となっている。前記ユニット支持ピン21も同様に、浮いた状態となっている。又、この状態で、前記第1探触子7、前記第2探触子8の接触面を前記接触媒質に馴染ませる為、前記探触子固定ボルト15を緩め、前記第1探触子7、前記第2探触子8を回転させ、馴染ませた後に更に前記探触子固定ボルト15を再締めしてもよい。
【0079】
前記回動枠体45を閉方向に回動させると、前記軸38よりの前記スプリング保持軸17が前記スリット孔41に挿入し、更に前記スライドワッシャ18が前記レバー39に当接する。更に、前記回動枠体45を回動させると、同様に、前記クランプ具46よりの前記スプリング保持軸17が前記スリット孔41に挿入し、更に前記スライドワッシャ18が前記レバー39に当接する。
【0080】
前記回動枠体45を完全に閉状態とし、前記係合部44aを前記クランプ具46にクランプさせると、前記レバー39は前記縦ビーム33と平行となり、前記ユニット押圧スプリング19を所定量撓ませた状態となる。該ユニット押圧スプリング19の撓み量によって発生する反発力が、前記第1探触子7、前記第2探触子8を合成床版30に押圧させる力となる。
【0081】
前記ユニット押圧スプリング19の撓み量の最適値を、予め実験等で求めておけば、前記センサユニット2を前記ユニットサポート3に装填することで、常に最適な押圧力が得られる。前記合成床版30の表面にうねり等が存在する場合でも、前記自在カップリング23の変形により前記第1探触子7、前記第2探触子8の相対的な変位を許容し、前記第1探触子7、前記第2探触子8は、前記合成床版30の表面に密着させることができる。
【0082】
前記センサユニット2の実装が完了すると、前記ケーブル26,27を前記測定装置4に接続し、超音波探傷を実行する。
【0083】
1つの検査位置の超音波探傷が完了すると、前記回動枠体45を開き、前記センサユニット2を取外し、前記ユニットサポート3を次の検査位置に移動し、上記した手順を繰返し、超音波探傷を継続して実行する。
【0084】
尚、前記ユニットサポート3を複数用意し、1つの検査位置の超音波探傷を実行している状態で、次の検査位置に前記ユニットサポート3を設置する様にすれば、超音波探傷と前記ユニットサポート3の設置を並行して実行でき、検査時間の短縮が図れる。
【0085】
図8は、第2の実施例を示しており、第2の実施例ではユニットサポート3に車輪ユニット71を取付け、ユニットサポート3をレールに沿って走行可能とし、前記ユニットサポート3の移動、設置をより簡単にしたものである。
【0086】
尚、図8中、ユニットサポート3は簡略化して示している。又、図8は、例えば合成床版30(図3参照)の下面を検査する場合であり、超音波探傷装置は上向き姿勢で合成床版30の下面に設置される場合を示している。又、図8中、図4中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0087】
以下、前記車輪ユニット71について説明する。該車輪ユニット71は、前輪部72及び後輪部73を有している。尚、前記前輪部72と前記後輪部73とは略同構造であるので、以下は、前記前輪部72について説明する。
【0088】
車輪ユニット71を第2横ビーム35と平行にマグネットブロック31に掛渡して車軸フレーム74を取付ける。該車軸フレーム74は、帯状の平板からなり、平板の両端部74aを進行方向に直角に折曲げ、略凹字状に形成したものである。前記両端部74aは、前記マグネットブロック31の側面より、少なくとも摘み32の高さ以上は側方に飛出している。
【0089】
前記両端部74aを水平方向に貫通する車軸75が設けられ、該車軸75は軸受ブロック76を介して前記両端部74aに回転自在に支持されている。又、前記軸受ブロック76は前記両端部74aに対して上下方向にスライド可能となっている。前記車軸75の両端には走行車輪77が軸着されており、該走行車輪77は合成床版30下面に設置されるレール78に沿って走行可能となっている。該レール78の設置は、予め超音波探傷検査用に取付けておいてもよいし、検査を実施する際に、マグネット、ボルト等の着脱可能な固定手段により一時的に取付けてもよい。
【0090】
前記車軸フレーム74にはロックボルト55の軸55aが貫通する長孔79が穿設されており、該長孔79は前記ロックプレート53をスライドさせるに充分な長さを持っている。又、前記摘み32は、操作性を考慮して前記縦ビーム33の上面(図8中では下面)より更に延出する様になっている。
【0091】
前記後輪部73は、車軸フレーム74に前記前輪部72の長孔79が設けられてなく、他は前記前輪部72と同構造であるので、以下説明を省略する。
【0092】
先ず、前記レール78,78を合成床版30の下面に設置する。尚、前記レール78を個別に設置し、平行を調整する様にしてもよいが、図8に示す様に、連結ロッド81で前記レール78,78の所要の2箇所を連結し、予め平行が得られる様にしてもよい。
【0093】
前記連結ロッド81は、中間に自在継手82を有しており、該自在継手82は軸心方向には変位しないが、屈曲自在となっている。従って、前記連結ロッド81で前記レール78,78の2箇所を連結することで、該レール78,78の平行が容易に得られ、而も、合成床版30下面にうねり等があった場合も前記自在継手82の屈曲でうねりを吸収できる。又、前記連結ロッド81、自在継手82は、前記レール78の運搬性を考慮して、該レール78に対して着脱可能としてもよい。
【0094】
前記レール78は検査箇所に沿って設置され、又検査箇所が前記レール78,78の中心線上に位置する様、レール78の位置調整を行う。尚、該レール78に対して位置合せ用の目盛を設けてもよい。
【0095】
前記レール78及び車輪ユニット71等は、超音波探傷装置1移動手段として機能する。
【0096】
次に、前記レール78に前記ユニットサポート3を軌乗させる。尚、軌乗させる場合、レール78の端から前記走行車輪77をレール78の溝に嵌めるか、或は前記走行車輪77の位置関係と合致する様、前記レール78,78の4箇所に切欠を設け、該切欠を通して前記走行車輪77をレール78の溝に嵌めてもよい。
【0097】
前記走行車輪77を前記レール78に軌乗させた状態では、前記ユニットサポート3の自重により、前記両端部74a、即ち前記車軸フレーム74が前記軸受ブロック76に対して下方にスライドしており、前記ユニットサポート3は前記軸受ブロック76のスライド分だけ下方に変位している。第2の実施例では、予めセンサユニット2を前記ユニットサポート3に実装させておく場合と、該ユニットサポート3を位置決めした後に、該ユニットサポート3に前記センサユニット2を実装する場合とがある。尚、前記ユニットサポート3に実装させた場合で、前記ユニットサポート3が自重で下方に変位した状態では、前記マグネットブロック31の吸着面は合成床版30の下面より離反している。
【0098】
又、検査箇所が前記レール78,78の中心線上となる様に、該レール78,78を設定していることで、前記ユニットサポート3を移動させた場合、該ユニットサポート3の中心線、即ち前記センサユニット2の前記垂直中心9(図5参照)は、検査箇所を順次通過する。
【0099】
先ず、前記ユニットサポート3を単体で位置決めし、次にセンサユニット2を実装する場合を説明する。
【0100】
前記ユニットサポート3を検査位置迄走行させ、検査位置と前記横罫書き線57、前記縦罫書き線58の交点とを一致させると、前記ユニットサポート3を持上げ、前記マグネットブロック31の吸着面を合成床版30の下面に当接させ、更に前記摘み32を回転させ、前記マグネットブロック31を合成床版30に吸着させる。尚、前記レール78に目盛を設ける場合は、目盛を読むことで検査位置を決定することができる。この場合、合成床版30に検査位置を印す作業を省略できる。
【0101】
次に、センサユニット2を前記ユニットサポート3に実装する。該ユニットサポート3の実装、前記第1探触子7、前記第2探触子8による超音波探傷については前述したと同様であるので以下説明を省略する。
【0102】
本実施例では、前記センサユニット2が実装された状態のユニットサポート3が、前記レール78に支持されるので、検査の度に前記センサユニット2を着脱しないで、検査が終了すると、前記センサユニット2を実装したままで、前記摘み32を回転し、前記マグネットブロック31の吸着を解除し、前記超音波探傷装置1を移動させ、次の検査位置に前記ユニットサポート3を位置決めし、前記摘み32を回転して前記マグネットブロック31を吸着させる様にしてもよい。この場合、前記ユニットサポート3に対する前記センサユニット2の着脱作業が省略されるので、更に作業性が向上する。
【0103】
第2の実施例によれば、前記ユニットサポート3の重量を作業者が負担することなく移動でき、又位置合せは進行方向のみでよく、作業の負担が軽減し、作業性が向上する。
【0104】
図9に合成床版の境界層に人工欠陥を形成し、作業者が手で探触子を保持して検査した場合と、本実施例の超音波探傷装置を用いて検査した場合の比較を示している。
【0105】
図9(A)は、作業者が手で探触子を保持して検査した場合の検査結果を示し、図9(B)は、本実施例の超音波探傷装置を用いて検査した場合の検査結果を示している。
【0106】
図示される様に、作業者が手で探触子を保持して検査した従来の方法では、検査結果が大きくばらついている。本実施例の超音波探傷装置で検査した場合では、検査結果のバラツキが極めて減少していると共に信号出力値が大きく上昇しており、本実施例の効果が示されている。
【0107】
尚、上記実施例ではユニットサポート3を検査面に固定する固定手段として、マグネットブロック31を示したが、真空チャックでもよい。又、上記実施例では2本のレール78を示したが、1本のレールで前記ユニットサポート3をレールから吊下げた状態で移動させてもよい。
【0108】
上述した様に、本発明では探触子を検査位置にハンドフリーで設置、維持することができ、更に接触圧上も最適な状態とし得るので、作業者の負担が大幅に軽減され、検査状態が安定し、検査精度が向上する。
【符号の説明】
【0109】
1 超音波探傷装置
2 センサユニット
3 ユニットサポート
4 測定装置
5 第1探触子ホルダ
6 第2探触子ホルダ
7 第1探触子
8 第2探触子
17 スプリング保持軸
18 スライドワッシャ
19 ユニット押圧スプリング
21 ユニット支持ピン
22 ユニット支持ピン
23 自在カップリング
31 マグネットブロック
36 主枠体
41 スリット孔
44 ロックシャフト
45 回動枠体
46 クランプ具
49 解除レバー
53 ロックプレート
54 鉤片
56 位置決め案内板
57 横罫書き線
58 縦罫書き線
61 治具
71 車輪ユニット
72 前輪部
73 後輪部
76 軸受ブロック
77 走行車輪
78 レール
81 連結ロッド
82 自在継手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波探触子を保持するセンサユニットと、該センサユニットを保持し、検査面に固定可能なユニットサポートとを有し、前記センサユニットを前記ユニットサポートに着脱可能とした超音波探傷装置を用いた超音波探傷方法であって、前記センサユニットを外したユニットサポートを検査位置に位置決めし、次に前記センサユニットを前記ユニットサポートに実装し、超音波探傷を実行することを特徴とする超音波探傷方法。
【請求項2】
前記ユニットサポートを複数有し、該複数のユニットサポートをそれぞれ検査位置に設置し、前記センサユニットを順次、前記ユニットサポートに実装して超音波探傷を実行する請求項1の超音波探傷方法。
【請求項3】
前記ユニットサポートが移動手段を具備し、順次ユニットサポートを移動させ検査箇所を変更して、超音波探傷を実行する請求項1の超音波探傷方法。
【請求項4】
超音波探触子を保持するセンサユニットと、該センサユニットを保持し、検査面に固定可能なユニットサポートとを有し、前記センサユニットを前記ユニットサポートに着脱可能としたことを特徴とする超音波探傷装置。
【請求項5】
前記ユニットサポートは前記センサユニットを収納する空間を有する主枠体と、該主枠体に回動自在に設けられ、該主枠体を開閉する回動枠体とを有し、前記センサユニットは検査面に垂直な方向に変位可能に前記ユニットサポートに保持されると共に上方に延出するユニット押圧スプリングを有し、前記回動枠体の閉状態では前記ユニット押圧スプリングを圧縮させ、該ユニット押圧スプリングを介して前記超音波探触子が検査面に押圧される請求項4の超音波探傷装置。
【請求項6】
前記センサユニットは、超音波を発振する第1探触子を保持する第1探触子ホルダと、反射超音波を受信する第2探触子を保持する第2探触子ホルダとを具備し、前記第1探触子ホルダと前記第2探触子ホルダとは自在カップリングにより連結された請求項4又は請求項5の超音波探傷装置。
【請求項7】
前記主枠体は、更に位置決め案内板を具備し、該位置決め案内板には検査位置を示す罫書き線が刻設されている請求項4又は請求項5又は請求項6の超音波探傷装置。
【請求項8】
前記主枠体は移動手段を具備し、前記検査面に取付けられるレールに沿って移動可能である請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7の超音波探傷装置。
【請求項9】
前記レールは、2本のレールであり、該レールの少なくとも2箇所を連結ロッドにより連結し、前記2本のレールの平行を決定すると共に前記連結ロッドの途中に自在継手を設け、該連結ロッドが屈曲可能とした請求項8の超音波探傷装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−225746(P2012−225746A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93038(P2011−93038)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(000198318)株式会社IHI検査計測 (132)
【出願人】(509338994)株式会社IHIインフラシステム (104)
【Fターム(参考)】