説明

超音波探触子内で単結晶圧電材料を使用するための方法および装置

【課題】超音波探触子内で単結晶圧電材料を使用するための方法および装置を提供すること。
【解決手段】超音波探触子(106)用の音響積層体(370)を形成するための方法が、単結晶圧電材料を、複数の切り溝(242)によって一部分離された単結晶片(240)を形成するように一部ダイシングするステップを含む。単結晶圧電材料は、キャリア層(256)を備える。切り溝(242)が切り溝充填材料で充填されて、単結晶複合体(246)が形成され、キャリア層(256)が除去される。単結晶複合体(246)に少なくとも1層の整合層(280)が取り付けられ、切り溝(242)内でのダイシングが達成されて、単結晶複合体(246)から別々の音響積層体(370)が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、超音波探触子に関し、より詳細には、超音波探触子内の音響積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波探触子内の音響積層体を形成するために、単結晶圧電材料を使用することができる。しかし、単結晶圧電材料は、取扱いに特定の条件を要する、非常に脆くて損傷しやすい材料である。例えば、この材料は、高レベルの歪みに耐えると必ずいくつかの圧電特性を失い、また材料亀裂を生じやすく、その材料亀裂が材料構造内部に広がって、材料特性の局所的な変化が生じる恐れがある。
【0003】
材料が、標準的なダイシングソーを使用して最適化条件なしでダイシングされるときに、亀裂伝播ならびに高レベルの劣化が発生する恐れがある。最適化条件は、ブレード材料、スピンドル回転速度、送り速度など、ダイシングパラメータの微調整を含む。しかし、超音波探触子内で使用するための音響積層体を製造するには、圧電材料を、整合層を形成するために使用することができる黒鉛ベース材料もしくは大量に積んだエポキシ材料、銅トレースを埋め込んだ可撓性材料、および/または1つもしくは複数の他の非常に硬質の材料などの材料からなる他の層と共に積層し、またはその層で挟む必要がある。許容できるスループットを達成するには、さまざまな材料および合計の厚さのため、積層材料をダイシングするときのダイシングパラメータを、単結晶圧電材料が必要とする最適化条件に限定することができない。例えば、最適化条件が送り速度を大幅に低減するよう求める結果、製造コストが増大する。さらに、最適化したダイシングパラメータの下で単結晶圧電材料をダイシングするように最適化されたブレード材料は、積層材料をダイシングするのに適していないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,798,717号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、超音波探触子用の音響積層体を形成するための方法が、単結晶圧電材料を、複数の切り溝によって一部分離された単結晶片を形成するように一部ダイシングするステップを含む。単結晶圧電材料は、キャリア層を備える。切り溝が切り溝充填材料で充填されて、単結晶複合体が形成され、キャリア層が除去される。単結晶複合体に少なくとも1層の整合層が取り付けられ、切り溝内でのダイシングが達成されて、単結晶複合体から別々の音響積層体が形成される。
【0006】
別の実施形態では、超音波探触子が、第1組の切り溝によって分離された複数の単結晶片を含む素子のアレイを備える。単結晶片の片面に少なくとも1層の整合層が取り付けられ、単結晶片の他面に可撓性回路が取り付けられる。少なくとも1層の整合層および可撓性回路は、第1組の切り溝内に形成される第2組の切り溝によって各片に分離される。可撓性回路は、超音波システムから信号およびグランドを受け取るように構成されたトレースを備える。
【0007】
さらに別の実施形態では、超音波探触子用の音響積層体を形成するための方法が、単結晶圧電材料を、ある幅を有する第1組の切り溝を形成する第1のダイシング操作において一部ダイシングするステップを含む。単結晶圧電材料の片面に少なくとも1層の整合層が取り付けられる。単結晶圧電材料の他面に可撓性回路が取り付けられ、第1組の切り溝内でのダイシングが、第1組の切り溝の幅よりも狭い幅を有する第2のダイシング操作において達成されて、別々の音響積層体が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に従って形成された超音波システムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に従って形成された単結晶素子および/または単結晶複合体素子を備えることができる探触子を有する、3D対応の小型超音波システムを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に従って形成された単結晶素子および/または単結晶複合体素子を備えることができる探触子を使用することのできる、移動式超音波イメージングシステムを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って形成された単結晶素子および/または単結晶複合体素子を備えることができる探触子を有する、手持ち式またはポケットサイズの超音波イメージングシステムを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による、圧電層内に単結晶を含む音響積層体をダイシングするための方法を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に従って一部ダイシングされた後にキャリア層上に維持された、単結晶圧電材料の上面図である。
【図7】本発明の一実施形態に従って導電性材料が施与された後の単結晶複合体の複数の図である。
【図8】本発明の一実施形態に従って単結晶複合体に固定された整合層を示す図である。
【図9】音響積層体を図1のシステムと相互接続するために積層体内に挟まれ、または積層体内で層状にされる、本発明の一実施形態に従って形成された可撓性回路を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に従って図9の可撓性回路に対して位置決めし、取り付けられた積層材料を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に従って可撓性回路に取り付けられた積層材料の側面図である。
【図12】本発明の一実施形態に従って積層材料内に整合解除(dematching)層が含まれる一実施形態を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に従って可撓性回路にバッキングブロックが取り付けられる一実施形態を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に従ってダイシングされた音響積層体の上面図である。
【図15】本発明の一実施形態に従ってダイシングされた図11の構成を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に従ってダイシングされた図13の構成を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に従って形成された単結晶複合体が、音響的に最適化された少なくとも1つの追加材料を備える一実施形態を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態に従って、図17の単結晶複合体を、第2組の切り溝によって分離された複合体片を形成するようにダイシングする様子を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態に従って、図17の単結晶複合体を切り溝内ダイシングする様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
前述の概要、ならびに本発明のいくつかの実施形態に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と併せ読めばよりよく理解されるであろう。図がさまざまな実施形態の機能ブロックの図を示す場合、機能ブロックは必ずしもハードウェア回路間の分割を表すとは限らない。したがって、例えば、機能ブロック(例えばプロセッサまたはメモリ)のうち1つまたは複数を、単一のハードウェア(例えば汎用のシグナルプロセッサまたはランダムアクセスメモリ、ハードディスクなど)内に実装してよい。同様に、プログラムを、スタンドアロンプログラムとしても、オペレーティングシステムにサブルーチンとして組み込んでも、インストールしたソフトウェアパッケージ内の関数としても、その他のものとしてもよい。さまざまな実施形態は、図面中に示す構成および手段に限定されないことを理解されたい。
【0010】
本明細書では、単数形で列挙され、「a」または「an」という語が前にある要素またはステップは、前記要素またはステップの複数形を除外することが明記されていない限りは除外しないものと理解されたい。さらに、本発明の「一実施形態」という言及は、列挙された特徴をやはり組み込むさらなる実施形態の存在を除外するものと解釈されることを意図するものではない。さらに、そうでないと明記されていない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その特性を有していないそのような要素をさらに含むことができる。
【0011】
図1は、パルス状超音波信号を体内に放出させるように探触子106内の素子104(例えば圧電素子)のアレイを駆動する送信器102を含む、超音波システム100を示す。素子104は、本明細書で論じるように単結晶材料および/または単結晶複合材料を備えることができる。素子104は、例えば、1次元または2次元で配列することができる。さまざまな幾何形状を使用することができ、探触子106は、1次元、2次元、3次元、および/または4次元の画像データを取得することができる。システム100は探触子106を受け取るための探触子ポート120を有することができ、または探触子106をシステム100に直結することができる。
【0012】
超音波信号は、脂肪組織や筋組織のような体内の構造物から後方散乱されてエコーを発生させ、それが素子104に戻る。エコーは受信器108で受信される。受信されたエコーは、ビームフォーミングを実施して無線周波数(RF)信号を出力する、ビームフォーマ110を通過する。次いで、RF信号がRFプロセッサ112を通過する。あるいは、RFプロセッサ112は、エコー信号を表す同相および直角位相(IQ)データ対を形成するようにRF信号を復調する、複素復調器(図示せず)を含んでもよい。次いで、RFまたはIQ信号データを、記憶するためにメモリ114に直接送出することができる。
【0013】
超音波システム100は、取得した超音波情報(例えばRF信号データまたはIQデータ対)を処理し、またディスプレイ118上で表示する超音波情報のフレームを準備するために、プロセッサモジュール116も含む。プロセッサモジュール116は、取得した超音波情報に対して、選択可能な複数の超音波モダリティに従って1つまたは複数の処理動作を実施するように適合される。取得した超音波情報は、エコー信号が受信される走査セッション中にリアルタイムで処理し、表示することができる。それに加えてまたはその代わりに、走査セッション中に超音波情報をメモリ114またはメモリ122内に一時的に記憶し、次いでオフライン動作において処理し、表示することもできる。
【0014】
システム100にデータを入力し、設定を調整し、プロセッサモジュール116の動作を制御するために、ユーザインターフェース124を使用することができる。ユーザインターフェース124は、キーボード、トラックボールおよび/またはマウス、ならびにいくつかのつまみ、スイッチ、または他のタッチスクリーンなどの入力デバイスを有することができる。ディスプレイ118は、診断超音波画像を含む患者の情報を診断および分析のためにユーザに提示する、1つまたは複数のモニタを含む。メモリ114およびメモリ122の一方または両方が、超音波データの2次元(2D)および/または3次元(3D)データセットを記憶することができ、この場合、そうしたデータセットは、2Dおよび/または3D画像を提示するためにアクセスされる。3Dまたは4次元(4D)のリアルタイム表示を行うなどのために、複数の連続した3Dデータセットを取得して経時的に記憶することもできる。画像は修正することができ、ディスプレイ118の表示設定も、ユーザインターフェース124を使用して手動で調整することができる。
【0015】
図2は、本明細書で論じるように単結晶材料および/または単結晶複合材料を有する素子104を備えることのできる探触子132を有した、3D対応の小型超音波システム130を示す。探触子132は、3D超音波データを取得するように構成することができる。例えば、探触子132は、トランスデューサ素子104の2Dアレイを有することができる。ユーザインターフェース134(一体型ディスプレイ136を含むこともできる)が、オペレータからコマンドを受け取るために設けられる。
【0016】
本明細書では、「小型の」とは、超音波システム130がハンドヘルドもしくは手持ち式のデバイスであり、または人の手、ポケット、ブリーフケースサイズのケース、もしくはバックパックで携行するように構成されていることを意味する。例えば、超音波システム130は、例えば奥行き約2.5インチ、幅約14インチ、および高さ約12インチという寸法を有する典型的なラップトップコンピュータのサイズを有した、手持ち式デバイスとすることができる。超音波システム130は、約10ポンドの重量とすることができ、したがって、オペレータが容易に持ち運び可能である。一体型ディスプレイ136(例えば内部ディスプレイ)も設けられ、一体型ディスプレイ136は、医用画像を表示するように構成される。
【0017】
超音波データを、有線または無線ネットワーク140(あるいは、例えばシリアルもしくはパラレルケーブル、またはUSBポートを介した直接接続)を介して、外部デバイス138に送信することができる。いくつかの実施形態では、外部デバイス138を、ディスプレイを有するコンピュータまたはワークステーションとすることができる。あるいは、外部デバイス138を、手持ち式超音波システム130から画像データを受け取って、一体型ディスプレイ136よりも大きな解像度を有することができる画像を表示または印刷することのできる、分離した外部ディスプレイまたはプリンタとすることもできる。異なる寸法、重量、および消費電力を有する小型超音波システムに関して、さまざまな実施形態を実施できることに留意されたい。
【0018】
図3は、可動基部146上に設けられた移動式超音波イメージングシステム144を示す。超音波イメージングシステム144は、カートベースシステムと呼ぶこともできる。ディスプレイ142およびユーザインターフェース148が設けられており、ディスプレイ142は、ユーザインターフェース148から分離しても、分離可能でもよいことを理解されたい。システム144は、本明細書で論じるように単結晶材料および/または単結晶複合材料を備える素子104を有することのできる探触子(図示せず)を受け入れるための、少なくとも1つの探触子ポート150を有する。
【0019】
ユーザインターフェース148は、適宜タッチスクリーンとし、それによりオペレータが、表示されたグラフィックス、アイコンなどに触れることによってオプションを選択できるようにすることができる。ユーザインターフェース148は、超音波イメージングシステム144を所望のとおり、もしくは必要に応じて、かつ/または一般に定められたとおりに制御するために使用することのできる、制御ボタン152も含む。ユーザインターフェース148は、超音波データおよび表示することのできる他のデータと対話するために、また情報を入力し、走査パラメータを設定および変更するためにユーザが物理的に操作することのできる、複数のインターフェースオプションを提供する。インターフェースオプションは、特定入力、プログラム可能入力、文脈入力などに使用することができる。例えば、キーボード154およびトラックボール156を設けることができる。
【0020】
図4は、ディスプレイ172とユーザインターフェース174が単一ユニットを成す、手持ち式またはポケットサイズの超音波イメージングシステム170を示す。一例として、ポケットサイズ超音波イメージングシステム170は、幅約2インチ、長さ約4インチ、および奥行き約0.5インチとすることができ、3オンス未満の重量がある。ディスプレイ172は、例えば、320×320画素カラーLCDディスプレイ(医用画像176をその上に表示することができる)とすることができる。ボタン182からなるタイプライタ様キーボード180を、ユーザインターフェース174内に適宜含めることができる。本明細書で論じるように単結晶材料および/または単結晶複合材料を備える素子104を有する探触子178が、システム170と相互接続される。
【0021】
多機能制御ボタン184にそれぞれ、システム動作モードに従って機能を割り当てることができる。したがって、多機能制御ボタン184をそれぞれ、複数の異なる動作を行うように構成することができる。多機能制御ボタン184に関連付けられたラベル表示領域186を、ディスプレイ172上に必要に応じて含めることができる。システム170は、「静止」、「深さ制御」、「ゲイン制御」、「カラーモード」、「印刷」、および「記憶」を含むことができるがそれらに限定されない特殊目的機能用に、追加のキーおよび/または制御ボタン188を有することもできる。
【0022】
音響積層体という用語は、本明細書では、積層構成で互いに取り付けられたいくつかの層を指すために使用することができる。探触子106内の素子104(図1に示す)はそれぞれ、音響積層体を備える。一実施形態では、音響積層体が、単結晶圧電材料、または単結晶圧電材料と音響的に最適化された少なくとも1つの追加材料とを備える複合体などの圧電材料から形成される圧電層を含む。圧電層は、例えば、ラムダの約1/2または1/4、即ち、(λ/4)または(λ/2)の厚さを有する、上式で、λは、有用な帯域幅の所望の中心周波数の場合の圧電材料中の音の波長である。電極を薄い金属層で形成して、圧電材料の少なくとも上面および底面上に堆積させることができる。
【0023】
一般に、圧電層と、走査すべきヒトまたは他の対象物の音響インピーダンスに基づいてよい探触子106の外部との間で音響インピーダンスを整合させるために、1層または複数層の整合層が圧電層の上面に取り付けられる。他の実施形態では、異なる材料を備える2層または3層の整合層があっても、少なくとも1層の整合層を、傾斜インピーダンス材料から形成してもよい。圧電層の底面に整合解除層を相互接続することができ、整合解除層の底面に、または整合解除層を使用していない場合には圧電層の底面に、バッキングブロックを取り付けることができる。他の積層構成が企図される。
【0024】
先に論じたように、材料の層が組み立てられた後は、単結晶圧電材料(本明細書では、単結晶および単結晶材料とも呼ぶ)をダイシングするのに必要な最適化パラメータ(例えばブレード材料、送り速度など)を使用して音響積層体をダイシングすることがもはや可能ではなくなる。2回以上のダイシング操作を使用して素子104を形成することが、少なくとも1つの実施形態の技術的効果である。単結晶スラブが第1のダイシング操作においてダイシングされる方法および装置が記載される。次いで、材料の層が単結晶スラブと組み合わされて音響積層体が形成され、単結晶と接触しない第2のダイシングが達成されて、素子104を成す個々の音響積層体が形成される。3回以上のダイシング操作を使用して個々の素子104を形成することができることを理解されたい。各ダイシング操作では、異なるダイシングパラメータを使用することができる。
【0025】
図5は、圧電層内に単結晶圧電材料を含む音響積層体をダイシングするための方法を示す。200において、単結晶圧電材料スラブが、単結晶圧電材料用に最適化されたダイシングパラメータまたは条件を使用する第1のダイシング操作において一部ダイシングされる。一部ダイシングされる、また部分ダイシングという用語は、本明細書では、1つまたは複数の材料の1つまたは複数のスラブが個々の片ではなくスラブとして維持されるように、1つまたは複数の材料を一部貫通してダイシングすることを指す。ダイシングパラメータまたは条件は、単結晶の機械的特性および幾何形状に基づいてよい。ダイシングパラメータは、それらに限定されないが、ブレード材料、スピンドル回転速度、送り速度などを含むことができる。したがって、単結晶の品質が維持されるとともに、音響積層体全体をダイシングする際に必要なダイシング条件を使用するときに受ける亀裂および劣化が回避される。別の実施形態では、レーザ切断、イオンミリング、化学エッチング、ワイヤダイシング、プラズマ、および/または他のプロセスもしくは方法を使用することができ、それを、単結晶材料に基づいて最適化することができる。
【0026】
単結晶材料スラブには、キャリア層と呼ぶことができる単結晶の層を含めるために、音響的にターゲットとする厚さよりも大きな厚さを設けることができる。一実施形態では、単結晶材料スラブを単一の材料とすることができ、別の実施形態では、単結晶材料スラブを2つ以上の単結晶材料スラブの積層体とすることができる。200での部分ダイシングは、キャリア層を貫通して延びない。図6は、一部ダイシングされた後の単結晶材料の上面図を示す。キャリア層256が単結晶材料の底面に沿って広がる。複数の単結晶片240が示されており、それらは、キャリア層256によって互いに関連して維持される。単結晶片240はそれぞれ、探触子106内の単一の素子104に対応する。単結晶材料スラブの上面からキャリア層256まで延びる切り溝242が、各単結晶片240の間に、切断ブレード、または先に論じた他の切断プロセスもしくは方法によって、第1のダイシング操作中に形成される。したがって、一実施形態では、単結晶片240相互間に少量の単結晶を残すことにより、切り溝242をトラフとすることができる。別の実施形態では、切り溝242を分離部とすることができ、すなわち、切り溝242が単結晶片240を完全に分離することができる。切り溝242は、第1のダイシングの幅に対応する幅244を有する。
【0027】
図5に戻ると、202において、切り溝242が切り溝充填材料で充填される。切り溝充填材料は、有機ポリマー、エポキシベース材料、または切り溝242の充填と音響積層体をダイシングする後続のダイシング操作のどちらにも適した他の材料とすることができる。一般に、切り溝充填材料は、後続のダイシング操作において実質的に除去され、したがって、切り溝充填材料の機械的特性を考慮することはできるが、切り溝充填材料の音響特性は重要ではない。単結晶はキャリア層256によって引き続き保持されているので、単結晶片240および切り溝242内の切り溝充填材料は定位置に固定され、それにより、互いに対する所望の関係が維持される。単結晶片240および切り溝充填材料で充填された切り溝242から形成されるスラブは、単結晶複合体246と呼ぶことができる。複合体という用語が使用されるものの、この例において単結晶複合体246から形成される素子104は、1つまたは2つの縁部に沿ってごく少量の切り溝充填材料を有することができる単結晶材料を備えることに留意されたい。
【0028】
図6を参照すると、単結晶複合体246の寸法は較正または事前決定される。例えば、単結晶複合体246の外縁部250から第1の切り溝242の中央までの距離248が事前決定され、ある切り溝242の中央から隣接する切り溝242の中央までの距離252も同様である。一実施形態では、以下に論じるアライメントマークと整合させるために、単結晶複合体246の外縁部250および254を所定の寸法にトリムすることができる。
【0029】
図5に戻ると、204において、キャリア層256を除去することができる。単結晶片240は、切り溝充填材料によって定位置に保持され、それにより、単結晶複合体246がスラブとして維持される。
【0030】
206において、単結晶複合体246を全ての面もしくは表面、または少なくとも上面および底面上で、金、ニッケル、導電性材料の組合せなどの導電性材料の層で被覆することができる。図7は、導電性材料274が施与された後の単結晶複合体246の上面図270および端面図272を示す。信号領域264ならびにグランド領域266および268を画定するために、分離スクライビング部260および262を単結晶複合体246の片面上に形成することができる。電極を形成し、かつ/または信号領域およびグランド領域を画定するために、他の方法を使用することができることを理解されたい。
【0031】
図5の方法の208において、単結晶複合体246に少なくとも1つの材料スラブが取り付けられる。例えば、少なくとも1層の整合層を、接着剤、グルー、または他の材料を使用するなどによって、単結晶複合体246の分離スクライビング部260および262がない面に固定することができる。図8は、単結晶複合体246に固定された整合層280の一例を示す。単結晶複合体246を示すために、整合層280の一部が除去してある。しかし、音響積層体を形成するとき、整合層280は、単結晶複合体246の全ての縁部と等しくなるように広がる。この場合もやはり、積層材料を所望の寸法にトリムすることができる。
【0032】
図9は、音響積層体をシステム100(図1に示す)と相互接続するために、積層体内に挟まれ、または積層体内で層状にされる、可撓性回路290の一例を示す。可撓性回路290は可撓性絶縁層292を有し、可撓性絶縁層292は、ポリイミドフィルムであるKapton(登録商標)などの材料から形成することができる。他の材料を使用してもよい。上部トレース294が、可撓性絶縁層292の片面上に形成され、下部トレース296が、可撓性絶縁層292の他面上に形成される。一実施形態では、上部トレース294および下部トレース296を、銅または別の金属材料または材料の組合せとすることができ、当技術分野で既知の印刷方法を使用して、可撓性絶縁層292上に印刷することができる。下部トレース296の一部を示すために、可撓性絶縁層292の一部が除去してある。
【0033】
上部トレース294は、3つの分離領域、すなわち中央領域308、ならびに外側領域310および312内に形成される。図示していないが、下部トレース296は、3つの対応する分離領域内に形成される。上部トレース294および下部トレース296の中央領域308内にある部分が、単結晶複合体246の信号領域264(図7に示す)に対応し、上部トレース294および下部トレース296の外側領域310および312内にある部分が、グランド領域266および268に対応する。システム100と素子104との間で信号を伝達するように構成された信号線330(全てが図示されているわけではない)が、中央領域308内で下部トレース296を通じて接続される。ビア298が、可撓性絶縁層292を貫通して延びて、上部トレース294と下部トレース296を中央領域308内で互いに対して接続するように形成される。システム100からグランド電位をもたらすように構成されたグランド線332および334(全てが図示されているわけではない)が、外側領域310および312内で上部トレース294を通じて接続される。信号およびグランドを伝達するための他の構成を使用することができることを理解されたい。
【0034】
少なくとも1つの縁部アライメントマーク300、302、304および306が、可撓性絶縁層292の上部トレース294と同じ面上に形成される。1つまたは複数の縁部アライメントマーク300〜306は、積層材料、この例では単結晶複合体246および1層または複数層の整合層280を、以下に論じるように可撓性回路290に対して位置合わせするために使用される。さらに、少なくとも1つのダイシングアライメントマーク314、316、318および320が、可撓性絶縁層292の上部トレース294と同じ面上に形成される。1つまたは複数のダイシングアライメントマーク314〜320は、ダイシング操作で切り溝充填材料を貫通して切断し、かつ単結晶片240に接触しないように、積層体をダイシングする正しい位置を特定するために使用される。アライメントマーク300〜306および314〜320は、金属材料から形成することもできる。
【0035】
縁部アライメントマーク300〜306およびダイシングアライメントマーク314〜320の形状およびサイズはさまざまでよく、図示の形状、サイズ、および位置に限定されないことを理解されたい。図示のように、ダイシングアライメントマーク314〜320はそれぞれ、2つの外側部分324と326の間に延びる中央部分322を有する。中央部分322はダイシングするための位置を示し、換言すれば、ダイシングブレード(または該当する場合には他のダイシング手段)は、中央部分322を直接通って切断するように位置合わせされる。図示のように、縁部アライメントマーク300〜306は、実質的に「L」字形である。積層材料は、各コーナが「L」字形に対して配置されるように位置決めすることができる。一実施形態では、縁部アライメントマーク300〜306が、コーナに対して配置されるのではなく、1つまたは複数の縁部に沿ってなど、積層材料に対して他の位置にあってよい。別の実施形態では、ダイシングアライメントマーク314〜320のうち1つまたは複数を、切り溝242のいずれかと位置合わせするように配置することができる。
【0036】
図5に戻ると、210において、積層材料が可撓性回路290に、単結晶複合体246のスクライブした面が可撓性回路290に面した状態で、グルーまたは他の接着剤を使用するなどによって取り付けられる。積層材料は可撓性回路290に対して、1つまたは複数の縁部アライメントマーク300〜306を使用して位置決めされる。例えば、整合層280の1つまたは複数のコーナ、面、または外縁部を、縁部アライメントマーク300〜306と位置合わせすることができる。一実施形態では、1組のスタッドバンプまたは金属ポスト(図示せず)を可撓性回路290の上面上に形成することができ、積層材料を、スタッドバンプに対して位置合わせし、例えば導電性グルーを使用してスタッドバンプに固定することができる。必要に応じて、可撓性回路290と積層材料との間に、追加の充填材を使用することができる。別の実施形態では、単結晶複合体246が可撓性回路290に取り付けられた後に、1層または複数層の整合層280を単結晶複合体246に固定することができる。
【0037】
図10は、可撓性回路290に対して位置決めし、取り付けられた積層材料を示す。積層材料を位置決めするために、1つまたは複数の縁部アライメントマーク300〜306が使用された。ダイシングアライメントマーク320の中央部分322が、切り溝242の中央を通って延びるように配置されていることが分かる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ダイシングアライメントマーク314〜320を設けることができず、ダイシングブレード、レーザ、または他の切断手段の位置決めを、縁部アライメントマーク302から測定される距離328など、縁部アライメントマーク300〜306からの所定の距離を測定することによって達成することができる。場合によっては、積層材料を可撓性回路290に固定するために使用されるグルーまたは他の接着剤が、スラブを越えて広がり、縁部アライメントマーク300〜306のうち1つまたは複数を見えにくくする恐れがある。したがって、他の実施形態では、ダイシングブレードの正しい位置決めを確実にするように少なくとも1つのダイシングアライメントマーク314〜320を設けることが、望ましい場合がある。残りの切り溝242のダイシングは、少なくとも1つのダイシングアライメントマーク314〜320、および/または縁部アライメントマーク300〜306の少なくとも1つに対して測定することができる。
【0039】
図11は、可撓性回路290に取り付けられた積層材料の側面図を示す。ビア298が、図では、可撓性絶縁層292を貫通して延びて、上部トレース294と下部トレース296を互いに対して接続している。単結晶複合体246の単結晶片240が、可撓性回路290上に上部トレース294を覆って位置決めされる。一実施形態では、整合層280が第1の整合層であり、第2の整合層282が、整合層280の上面に固定される。
【0040】
図12は、積層材料内に裏面整合解除層340が含まれる一代替実施形態を示す。まず、単結晶複合体246に整合解除層340を取り付けることができる。次いで、積層材料を、先に論じたように可撓性回路290と位置合わせして、それに取り付けることができる。別の実施形態では、単結晶複合体246が可撓性回路290に取り付けられた後に、積層材料を取り付けることができる。
【0041】
図13は、可撓性回路290の下部トレース296がある面にバッキングブロック350が取り付けられる一実施形態を示す。図示していないが、バッキングブロック350は可撓性回路290に、積層材料内に整合解除層340が含まれる図12の構成において取り付けることもできることを理解されたい。
【0042】
いくつかの実施形態では、追加の整合層または整合解除層、単結晶複合体246と連通した電極など、他の層を積層体内に含めることができる。したがって、本明細書に記載する方法および装置は、図示の積層体構成に限定されない。
【0043】
図5に戻ると、212において、少なくとも単結晶複合体246、少なくとも1層の整合層280および282、ならびに可撓性回路290を含む積層材料が、第2のダイシング操作においてダイシングされる。第2のダイシング用のダイシングパラメータは、金属、黒鉛、および他の非常に硬質の材料、すなわち第1のダイシング操作においてダイシングされた単結晶材料よりも硬質の材料を含むことのできる材料の違いのため、第1のダイシング用とは大いに異なってよい。さらに、積層体の厚さのため、より長く切断ブレードにさらされる。ブレード材料や送り速度などのダイシングパラメータは、整合層280および282ならびに可撓性絶縁層292などの材料スラブに基づいて選択し、または最適化することができ、単結晶材料の要件を考慮に入れる必要がない。換言すれば、この例では、第2のダイシング操作のダイシングパラメータが、整合層280および282ならびに可撓性絶縁層292の機械的特性に基づいてよい。
【0044】
図14は、ダイシングされた積層体の上面図を示す。ダイシングブレードが、切り溝242内の切り溝充填材料を貫通してスライスすることによって、積層材料を個々の積層体にダイシングした。単結晶複合体246を示すために、整合層280の一部が切取図として示してある。第2のダイシングは、第1のダイシングの幅244未満の幅352を有し、したがって、切り溝360は切り溝242よりも細い。第2のダイシング操作によって形成された切り溝360は、整合層280および単結晶複合体246の切り溝充填材料を貫通して延びる。したがって、ダイシングブレードは、ダイシングして切り溝242に入り、切り溝充填材料を一部除去するが、単結晶片240には接触しない。いくつかの実施形態では、少量の切り溝充填材料が単結晶片240の縁部上に残り、第2のダイシング中に単結晶材料を保護することができる。
【0045】
別の実施形態では、第2のダイシング操作をダイシングソーを使用して達成するのではなく、レーザ切断技法を使用することができる。一実施形態では、紫外(UV)レーザを使用することができるが、他のタイプのレーザを使用することもできる。レーザ切断の際、部品および/またはレーザの移動はコンピュータで制御することができる。レーザは、切り溝242の中央に対して位置合わせされたダイシングアライメントマーク314〜320などのアライメントマーク上に向けられる(directed and aimed)。切り溝充填材料は、レーザのエネルギーを吸収するものを選択することができ、したがって、切断操作を、(1秒未満などの)比較的短い時間内で、切り溝242の縁部上の単結晶片240を過熱することなく実施することができる。厚い層の場合または特別な場合などのいくつかの実施形態では、複数回掃引する中でアブレーションを実現するように、掃引時間および掃引速度を調整することができる。換言すれば、熱が1つのスポット内に局所化しないように、レーザを切り溝242の一端から切り溝242の他端まで2回以上すばやく移動させることができる。
【0046】
図15は、図11の構成に基づくダイシング操作の一例を示す。ダイシングソー(またはレーザ)が、積層材料および可撓性絶縁層292の厚さ372の一部を貫通してスライスし、素子104(図1に示す)に対応する音響積層体370を個々に分離した。個々の素子104(すなわち音響積層体370)を互いに保持するために、可撓性絶縁層292の一部が元の状態のまま維持される。
【0047】
図16に示す別の実施形態では、図13の構成に基づくダイシング操作の一例が示されている。ダイシングソーまたはレーザが、可撓性絶縁層292を含む積層材料、およびバッキングブロック350の厚さ374の一部を貫通してスライスし、別々の音響積層体370を形成した。個々の素子104(すなわち音響積層体370)を互いに保持するために、バッキングブロック350の一部が元の状態のまま維持される。
【0048】
1列の素子104が示してあるが、(図15に示すように)可撓性絶縁層292または(図16に示すように)バッキングブロック350で互いに保持される素子104の2Dアレイを形成するために、より大きな積層材料スラブから複数列の素子104を形成することができることを理解されたい。別の実施形態では、別々の列の素子104を互いに配置し、他の構造を使用して互いに保持することができる。
【0049】
図17は、音響的に最適化された少なくとも1つの追加材料を備える単結晶複合体404が形成される一実施形態を示す。したがって、音響的に最適化された材料は、材料の機械的特性ではなく材料の音響特性に基づいて選択される。単結晶材料スラブを、第1組の切り溝400によって分離された単結晶ストリップ402を形成するようにダイシングすることができる。次いで、第1組の切り溝400を、最終複合材料の所望の音響特性に基づいて選択された材料で充填することができる。さらに、切り溝と単結晶材料との比を、単結晶複合体404の所望の音響特性に基づいて決定することができる。一実施形態では、単結晶複合体404を、およそ半分が単結晶材料であり、半分が別の音響的に最適化された材料とすることができる。別の実施形態では、少なくとももう1つの音響的に最適化された材料を使用して、第1組の切り溝400の一部を充填することができる。図示していないが、追加の切り溝を形成することができ、かつ/またはセラミックに基づく圧電複合スラブにおいて目にすることがあるように、音響的に最適化された1つもしくは複数の追加材料を使用することができる。
【0050】
図18は、単結晶複合体404を、第2組の切り溝412によって分離された複合体片410を形成するようにダイシングする様子を示す。このダイシングは幅414を有する。第2のダイシング方向は、それに限定されないが、第1のダイシング方向に垂直でよい。第2組の切り溝412は、図6で使用したのと同じ切り溝充填材料、すなわち、ダイシング用に積層体パラメータに基づいて機械的に最適化された材料で充填することができる。第2組の切り溝412を充填するために使用される材料の音響パラメータは、材料が後続のダイシング操作中に実質的に除去されるので、必ずしも重要とは限らない。第1組の切り溝400および第2組の切り溝412を充填するために使用される材料の厚さは、必要に応じてこの時点で調整することができる。
【0051】
図19は、単結晶複合体404を切り溝内ダイシングする様子を示す。図を簡単にするために、1層または複数層の整合層、可撓性回路、可撓性回路に対するアライメント、整合解除層、バッキングブロックなど、積層体の他の層は示していない。図19は、単結晶複合体404を第2組の切り溝412内で、単結晶材料に接触せずにどのようにダイシングすることができるかを示す。切り溝内ダイシングは、幅414未満の幅416を有する。この例では、第1組の切り溝400を充填するために使用される材料も、ダイシングブレード(またはレーザ)に接触しない。したがって、ダイシング操作を、単結晶材料または第1組の切り溝400を充填する材料に基づくことができるどんな特別なダイシングパラメータも考慮する必要なく、積層体の他の層に基づいて最適化することができる。
【0052】
上記の説明は、限定するものではなく例示のためのものであることを理解されたい。例えば、上述の実施形態(および/またはその態様)を互いに組み合わせて使用することができる。さらに、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、本発明の範囲から逸脱することなく多くの修正を行うことができる。本明細書で記載した材料の寸法およびタイプは、本発明のパラメータを定義するものであるが、それらは決して限定するものではなく、例示的な実施形態である。当業者には、上記の説明を精査すればすぐに、他の多くの実施形態が明らかとなるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、およびそのような特許請求の範囲に資格が与えられている等価物の全範囲に即して定義されるべきである。添付の特許請求の範囲では、用語「including」および「in which」は、それぞれに対応する用語「comprising」および「wherein」の平易な英語に相当する語として使用される。さらに、添付の特許請求の範囲では、用語「第1の」、「第2の」、および「第3の」などは、その対象に数の要件を課すものではなく、単にラベルとして使用される。さらに、添付の特許請求の範囲の限定は、手段プラス機能の形式で記載されておらず、そのようなクレーム限定が、「〜するための手段」という句と、それに続き、さらなる構造のない機能の記載を明示的に使用しない限り、かつ明示的に使用するまで、米国特許法(35 U.S.C.)第112条第6パラグラフに基づいて解釈されるものではない。
【0053】
本記載では、最良の形態を含めて本発明を開示するための、また任意のデバイスまたはシステムの製作および使用、ならびに組み込まれた任意の方法の実施を含めて、当業者が本発明を実施できるようにするための例を使用している。本発明の特許性のある範囲が、特許請求の範囲によって定義され、その範囲には、当業者に想到される他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲に記載の字義通りの文言とは異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲に記載の字義通りの文言とはわずかに異なる等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲に記載の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0054】
100 超音波システム
102 送信器
104 素子
106 探触子
108 受信器
110 ビームフォーマ
112 RFプロセッサ
114 メモリ
116 プロセッサモジュール
118 ディスプレイ
120 探触子ポート
122 メモリ
124 ユーザインターフェース
130 小型超音波システム
132 探触子
134 ユーザインターフェース
136 一体型ディスプレイ
138 外部デバイス
140 ネットワーク
142 ディスプレイ
144 移動式超音波イメージングシステム
146 可動基部
148 ユーザインターフェース
150 探触子ポート
152 制御ボタン
154 キーボード
156 トラックボール
170 ポケットサイズ超音波イメージングシステム
172 ディスプレイ
174 ユーザインターフェース
176 医用画像
178 探触子
180 キーボード
182 ボタン
184 多機能制御ボタン
186 ラベル表示領域
188 制御ボタン
200 単結晶材料用に最適化された条件で第1のダイシングをする
202 切り溝を切り溝充填材料で充填する
204 キャリア層を除去する
206 単結晶複合体を金属化し、スクライブする
208 単結晶複合体に1層または複数層の整合層を取り付ける
210 積層材料を可撓性回路に取り付ける
212 積層材料に基づく条件で第2のダイシングをする
240 単結晶片
242 切り溝
244 幅
246 単結晶複合体
248 距離
250 外縁部
252 距離
254 外縁部
256 キャリア層
260 分離スクライビング部
262 分離スクライビング部
264 信号領域
266 グランド領域
268 グランド領域
270 上面図
272 端面図
274 導電性材料
280 整合層
282 第2の整合層
290 可撓性回路
292 可撓性絶縁層
294 上部トレース
296 下部トレース
298 ビア
300 縁部アライメントマーク
302 縁部アライメントマーク
304 縁部アライメントマーク
306 縁部アライメントマーク
308 中央領域
310 外側領域
312 外側領域
314 ダイシングアライメントマーク
316 ダイシングアライメントマーク
318 ダイシングアライメントマーク
320 ダイシングアライメントマーク
322 中央部分
324 外側部分
326 外側部分
328 距離
330 信号線
332 グランド線
334 グランド線
340 整合解除層
350 バッキングブロック
352 幅
360 切り溝
370 音響積層体
372 厚さ
374 厚さ
400 第1組の切り溝
402 単結晶ストリップ
404 単結晶複合体
410 複合体片
412 第2組の切り溝
414 幅
416 幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波探触子(106)用の音響積層体(370)を形成する音響積層体形成方法であって、
キャリア層(256)を有する単結晶圧電材料の一部を、複数の切り溝(242)によって部分的に分離された単結晶片(240)を形成するように、ダイシングするステップ(200)と、
前記切り溝(242)を切り溝充填材料で充填して、単結晶複合体(246)を形成するステップ(202)と、
前記キャリア層(256)を除去するステップ(204)と、
前記単結晶複合体(246)に少なくとも1層の整合層(280)を取り付けるステップ(208)と、
前記切り溝(242)内でダイシングして、前記単結晶複合体(246)から別々の音響積層体(370)を形成するステップ(212)と
を含む音響積層体形成方法方法。
【請求項2】
少なくとも1つの縁部アライメントマーク(300)を備える可撓性回路(290)を準備するステップと、
前記少なくとも1層の整合層(280)の少なくとも1つの縁部を、前記少なくとも1つの縁部アライメントマーク(300)と位置合わせするステップであって、前記切り溝(242)を貫通してダイシングする前記ステップが、前記少なくとも1つの縁部アライメントマーク(300)からの所定の距離(328)に基づく、位置合わせするステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の音響積層体形成方法。
【請求項3】
少なくとも1つのダイシングアライメントマーク(314)を備える可撓性回路(290)を準備するステップと、
前記切り溝(242)の少なくとも1つを、前記少なくとも1つのダイシングアライメントマーク(314)と位置合わせするステップであって、前記切り溝(242)を貫通してダイシングする前記ステップが、前記少なくとも1つのダイシングアライメントマーク(314)に基づく、位置合わせするステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1
【請求項4】
前記切り溝充填材料が、前記少なくとも1層の整合層(280)のダイシングに関連する機械的特性に基づいて選択される有機材料であることを特徴とする請求項1記載の音響積層体形成方法。
【請求項5】
前記単結晶片(240)を形成する前に、前記単結晶圧電材料を、少なくとも1つの切り溝(400)によって分離された単結晶ストリップ(402)を形成するように一部ダイシングするステップと、
前記少なくとも1つの切り溝(400)を、音響的に最適化された材料で充填するステップであって、前記単結晶片(240)が、前記単結晶圧電材料および前記音響的に最適化された材料を備えるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の音響積層体形成方法。
【請求項6】
トランスデューサ素子(104)のアレイを有する超音波探触子(106)であって、
前記トランスデューサ素子(104)のアレイが、
第1組の切り溝(242)によって分離された複数の単結晶片(240)と、
前記単結晶片(240)の片面に取り付けられた少なくとも1層の整合層(280)と、
前記単結晶片(240)の他面に取り付けられた可撓性回路(290)であって、前記少なくとも1層の整合層(280)および前記可撓性回路(290)が、前記第1組の切り溝(242)内に形成される第2組の切り溝(360)によって各片に分離され、前記可撓性回路(290)が、超音波システム(100)から信号およびグランドを受け取るように構成されたトレース(294、296)を備える、可撓性回路(290)と、
を具備したことを特徴とする超音波探触子(106)。
【請求項7】
前記可撓性回路(290)が、前記第2組の切り溝(360)によって一部分離される厚さを有する可撓性絶縁層(292)をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の探触子(106)。
【請求項8】
前記第2組の切り溝(360)によって各片に分離される整合解除層(340)をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の探触子。
【請求項9】
前記可撓性回路(290)の前記単結晶片(240)とは反対側に取り付けられたバッキングブロック(350)であって、前記第2組の切り溝(360)によって一部分離される厚さ(374)を有するバッキングブロック(350)をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の探触子(106)。
【請求項10】
前記複数の単結晶片(240)が、音響的に最適化された少なくとも1つの追加材料を備え、前記音響的に最適化された少なくとも1つの追加材料が、前記単結晶片(240)内の第3組の切り溝(400)内に形成されることを特徴とする請求項6記載の探触子(106)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−214118(P2010−214118A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60067(P2010−60067)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】