説明

超音波探触子

【課題】 被疲労度測定部材を伝播する超音波の伝播速度を正確に測定できると共に、振動子の形状の自由度を大きくできる超音波探触子を提供すること。
【解決手段】 バッキング部材1の球面状の凹部5の大円上に湾曲した板状の振動子2を取り付ける。更に、バッキング部材1に、マスキング部材4を振動子2に対して位置決めするためのガイド部材3を取り付ける。振動子2と被疲労測定部材との距離を測定するときには、マスキング部材4を外した状態で測定を行う一方、漏洩レイリー波の伝播時間を測定するときには、マスキング部材4をガイド部材3に取り付けた状態で測定を行うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波探触子としては、特開2000−131297号公報(特許文献1)に記載されている表面波測定用探触子がある。
【0003】
この表面波測定用探触子は、基台と、基台の断面円弧状凹部上に略等間隔に貼り付けられた三つの板状の振動子とを備える。
【0004】
この表面波測定用探触子は、上記三つの振動子のうちの一の振動子の超音波送受信面から被疲労度測定部材に向けて超音波を発振して、その発振された超音波を上記被疲労度測定部材の表層部(表面を含む)を伝播させた後、上記一の振動子以外の振動子で受信することにより、上記超音波が上記被疲労度測定部材を伝播するときの伝播速度を測定するようになっている。そして、この伝播速度に基づいて上記被疲労度測定部材の金属疲労の程度を測定するようになっている。
【0005】
しかしながら、上記従来の表面波測定用探触子では、上記表層部を伝播した後上記一の振動子以外の振動子の方に向かう超音波が、上記一の振動子の縁(エッジ)から発振されて上記被疲労度測定部材の表面で反射した反射波と干渉して、上記超音波が上記被疲労度測定部材を伝播するときの伝播速度を正確に測定できないという問題がある。また、上記従来の超音波探触子は、所定の形状を有する複数の振動子を必要とし、振動子の形状および数が限定されるという問題がある。
【特許文献1】特開2000−131297号公報(第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、被疲労度測定部材を伝播する超音波の伝播速度を正確に測定できると共に、振動子の形状の自由度を大きくできる超音波探触子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この発明の超音波探触子は、
振動子と、
上記振動子からの音波を遮断する本体部に、上記振動子からの音波が通過する少なくとも一つの穴を設けてなるマスキング部材と
を備えることを特徴としている。
【0008】
尚、本発明は、一つの振動子のみを有していても良く、互いに独立な複数の振動子を有していても良い。また、本発明は、一つのマスキング部材のみを有していても良く、異なる複数のマスキング部材を有していても良い。
【0009】
本発明によれば、上記本体部に上記振動子からの音波が通過する少なくとも一つの穴を設けてなるマスキング部材を備えるので、上記マスキング部材に、形状および大きさが適切に設定された上記穴を形成することにより、振動子の数や形状をどのように設定しても、被疲労度測定部材を伝播する超音波の伝播速度を測定できる。すなわち、振動子の形状の自由度を大きくすることができる。
【0010】
また、本発明によれば、上記振動子から発振された超音波のうちで必要な部分だけを上記穴を通過させることによって容易に取り出すことができると共に、上記マスキング部材における上記穴が形成されていない部分で、上記振動子から発振された超音波のうちで不必要でノイズとなる部分を容易に遮断することができる。したがって、被疲労度測定部材を伝播する超音波の伝播速度を正確に測定できる。
【0011】
また、一実施形態の超音波探触子は、上記穴の縁の少なくとも一部に、波目が形成されている。
【0012】
上記実施形態によれば、上記穴の縁の少なくとも一部に、波目が形成されているので、上記穴の縁の少なくとも一部を通過する複数の超音波が互いに重なることにより弱めあって、上記穴の縁の少なくとも一部から回折波(ノイズ超音波)が発生することがない。したがって、上記被疲労度測定部材を伝播する超音波の伝播速度を更に正確に測定できる。
【0013】
また、一実施形態の超音波探触子は、上記波目は、のこぎり波状の波目である。
【0014】
上記実施形態によれば、上記波目がのこぎり波状の波目であるので、上記穴の縁の少なくとも一部の波目形状を簡単安価に形成できて、超音波探触子の製造コストを小さくすることができる。
【0015】
また、一実施形態の超音波探触子は、上記本体部に、上記穴を二つ設け、少なくとも、一方の上記穴の他方の上記穴側の縁に波目が形成されている。
【0016】
上記実施形態によれば、上記本体部に上記穴を二つ設け、少なくとも、一方の上記穴の他方の上記穴側の縁に波目が形成されているので、上記振動子から発振されて上記一方の穴を通過した後、被疲労度測定部材を伝播して、さらに、上記他方の穴を通過して上記振動子に到達した超音波に基づいて、超音波の被疲労度測定部材の伝播速度を測定できる。また、一方の上記穴の他方の上記穴側の縁に波目が形成されているので、一方の上記穴の他方の上記穴側の縁で発生する回折波(ノイズ超音波)を抑制できて、超音波の被疲労度測定部材の伝播速度を精密に測定できる。
【0017】
また、一実施形態の超音波探触子は、上記振動子が、超音波の送信機能と超音波の受信機能の両方を有する一つの超音波受信面を有している。
【0018】
上記実施形態によれば、振動子を容易に製造できる。
【0019】
また、一実施形態の超音波探触子は、上記マスキング部材が、略矩形の表面形状を有する板部材であり、上記マスキング部材の互いに対向する一対の縁部を収容するスリットを有すると共に、上記マスキング部材を上記振動子に対して位置決めする位置決め部材を備えている。
【0020】
上記実施形態によれば、上記マスキング部材を上記振動子に対して位置決めする位置決め部材を備えるので、上記振動子が超音波を発振している最中に上記振動子に対する上記マスキング部材の相対位置が変化することがない。したがって、上記被疲労度測定部材を伝播する超音波の伝播速度を更に正確に測定できる。また、上記位置決め部材は、上記マスキング部材を上記振動子に対して位置決めするのに、スリットを用いているので、上記マスキング部材を上記振動子に対して簡単安価に位置決めできる。
【0021】
また、一実施形態の超音波探触子は、上記マスキング部材を上記振動子に対して移動させる移動装置を備えている。
【0022】
上記実施形態によれば、上記マスキング部材を上記振動子に対して移動させる移動装置を備えているので、上記マスキング部材を上記振動子に近づけるように移動させることができると共に、上記マスキング部材を上記振動子から遠ざけるように移動させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の超音波探触子によれば、本体部に振動子からの音波が通過する少なくとも一つの穴を設けてなるマスキング部材を備えるので、マスキング部材に、形状および大きさが適切に設定された穴を形成することにより、振動子の数や形状をどのように設定しても、被疲労度測定部材を伝播する超音波の伝播速度を測定できる。すなわち、振動子の形状の自由度を大きくすることができる。
【0024】
また、本発明によれば、上記振動子から発振された超音波のうちで必要な部分だけを上記穴を通過させることによって容易に取り出すことができると共に、上記マスキング部材における上記穴が形成されていない部分で、上記振動子から発振された超音波のうちで不必要でノイズとなる部分を容易に遮断することができる。したがって、被疲労度測定部材を伝播する超音波の伝播速度を正確に測定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0026】
図1〜図3は、マスキング部材4を取り付ける前の第1実施形態の超音波探触子を示す図である。具体的には、図1は、第1実施形態の超音波探触子の下面図であり、図2は、第1実施形態の超音波探触子の側面図であり、図3は、図1のα−α線断面図である。尚、図1において、振動子2およびガイド部材3は、断面ではないが、部材の違いをはっきりさせるためにハッシングを施している。
【0027】
図1および図3に示すように、この超音波探触子は、バッキング部材1と、振動子2と、位置決め部材の一例としてのガイド部材3と、板状のマスキング部材4とを備える。
【0028】
上記バッキング部材1は、樹脂から成り、球面形状の凹面5を有している。上記振動子2は、一体の超音波送受信面8を有している。上記振動子2は、湾曲した長板形状を有している。上記振動子2は、振動子2が球面形状の凹面5の大円上を延在するように、バッキング部材1の凹面5に固定されている。上記超音波送受信面8は、超音波の送信機能と超音波の受信機能の両方を有している。上記超音波送受信面8は、仮想球面の大円上を延在している。
【0029】
図1に示すように、上記ガイド部材3は、振動子2を挟むように上記大円上に対向配置される第1側方部10および第2側方部11と、第1側方部10と第2側方部11とを連結するストッパ部13とを有する。図2に示すように、上記第1側方部10(第2側方部11も同様)は、バッキング部材1の厚さ方向に延在している。上記第1側方部10(第2側方部11も同様)は、バッキング部材1の側面に当接している。上記第1側方部10および第2側方部11のバッキング部材1に対する当接面は、バッキング部材1に接着されている。
【0030】
また、図2に示すように、上記第1側方部10(第2側方部11も同様)におけるバッキング部材から突出している部分には、マスキング部材4の長手方向の端部を収容するためのスリット15が形成されている。
【0031】
第1側方部10のスリット15の底17(図1参照)と、第2側方部11のスリットの底18との間の寸法は、マスキング部材4の長手方向の寸法と略等しくなっている。すなわち、マスキング部材4を、手動で図1に矢印aに示す方向に移動させて、第1および第2側方部10,11をスリット15に挿入したとき、マスキング部材4は、ガイド部材3および振動子2に対する相対位置がマスキング部材4の長手方向に移動不可になっている。
【0032】
また、上記ストッパ部13は、図1に示す底面図において、上記大円と略平行に延在している。上記ストッパ部13は、バッキング部材1の凹面5に当接している。上記ストッパ部13は、マスキング部材4を、第1および第2側方部10,11のスリット15に挿入したとき、マスキング部材4の長手方向の一方の縁と接触することによって、マスキング部材4のガイド部材3および振動子2に対する相対位置を、マスキング部材4の幅方向に移動不可にしている。
【0033】
上記マスキング部材4の長手方向の一方の縁を、ストッパ部13と当接させることにより、マスキング部材4を固定位置に配置するようになっている。すなわち、上記マスキング部材4の長手方向の一方の縁が、ストッパ部13と当接する位置は、マスキング部材4の固定位置になっている。上記ガイド部材3は、マスキング部材4の振動子2に対する相対位置が変化しないように、マスキング部材4を振動子2に対して位置決めするようになっている。
【0034】
上記マスキング部材4は、図1に示すように、長方形の表面を有している。また、上記マスキング部材4は、マスキング部材4の表面およびマスキング部材4の長手方向の縁に垂直で、かつ、マスキング部材4の中心を通る平面に対して、面対称な二つの同一の略長方形形状の長穴20,21を有している。上記マスキング部材4の長穴20,21以外の部分は、超音波の通過を遮断する本体部になっている。上記長穴20,21の長手方向の縁22,23,24,25は、マスキング部材4の幅方向の縁と略平行になっている。図1に示すように、上記長穴20の長穴21側の縁23、長穴20の長穴21側と反対側の縁22、長穴21の長穴20側の縁24、および、長穴21の長穴20側と反対側の縁25には、マスキング部材4の幅方向に山と谷とが交互に形成されたのこぎり波状の波目が形成されている。詳しくは、上記山はマスキング部材4の長手方向に延びている。
【0035】
以下に、この超音波探触子を用いる被疲労測定部材の一例としての玉軸受の内輪の軌道溝の軌道底の疲労度の測定方法を簡単に説明する。
【0036】
先ず、図4および図5に示すマスキング部材4が取り付けられていない超音波探触子に対して、バッキング部材1の凹面5の上記大円に内輪の軌道溝の軌道底が対向するように内輪を配置する。
【0037】
次に、超音波探触子と上記内輪との間に水を充填する。これは、超音波探触子と内輪とを収容している透明の水槽に水を充填する等の方法によって実現される。
【0038】
次に、振動子2から超音波を発振して、振動子2から発振されて上記軌道底で反射して振動子2に到達した超音波を振動子2で検出し、振動子2が超音波を発振した時刻から超音波が最初に振動子2に到着した時刻までの時間を測定する。そして、この時間に基づいて振動子2と上記軌道溝との距離を測定し、振動子2と上記軌道溝との距離を、振動子2と凹部5の大円の中心P(図4参照)との距離よりも短い所定距離に設定する。
【0039】
次に、マスキング部材4を手動でガイド部材3に挿入し、マスキング部材4を固定位置に固定する。そして、振動子2から超音波を発振して、振動子2から発振されてマスキング部材4の一方の穴20を通過して、上記軌道底を周方向にそって所定距離伝播し、その後、マスキング部材4の他方の穴21を通過して振動子2に到達する超音波を検出する。
【0040】
最後に、この超音波の検出に基づいて、上記超音波の上記軌道底の伝播速度を算出し、上記超音波の上記軌道底の伝播速度に基づいて、上記超音波の伝播速度と対応関係がある上記軌道底の疲労の度合を測定する。
【0041】
上記第1実施形態の超音波探触子によれば、穴20,21を有するマスキング部材4を有し、このマスキング部材4で超音波の通過を制限することができる。したがって、穴の大きさ、形状および数を適切に設定することにより、どのような形状の振動子においても被疲労測定部材の疲労度の測定を行うことができる。したがって、振動子の形状の自由度を格段に大きくすることができる。
【0042】
また、上記第1実施形態の超音波探触子によれば、マスキング部材4を有し、かつ、そのマスキング部材4が振動子2から発振された超音波の一部が通過する穴20,21を有するので、マスキング部材4で振動子2から発振された超音波のうちで必要な部分だけを容易に取り出すことができると共に、振動子2から発振された超音波のうちの不必要でノイズとなる部分を容易に遮断することができる。したがって、被疲労度測定部材を伝播する超音波の伝播速度を正確に測定できる。
【0043】
また、上記第1実施形態の超音波探触子によれば、マスキング部材4の穴20,21の縁の一部22,23,24,25に、波目が形成されているので、穴20,21の縁の一部22,23,24,25を通過する複数の超音波が互いに重なることにより弱め合って、穴22,23の縁の一部22,23,24,25から発生する回折波(ノイズ超音波)を格段に抑制できる。したがって、上記軌道底を伝播する超音波の伝播速度を更に正確に測定できる。
【0044】
また、上記第1実施形態の超音波探触子によれば、マスキング部材4の穴20,21の縁の一部22,23,24,25に形成されている波目が、のこぎり波状の波目であるので、穴20,21の縁の一部22,23,24,25の波目形状を簡単安価に形成できて、超音波探触子の製造コストを小さくできる。
【0045】
また、上記第1実施形態の超音波探触子によれば、マスキング部材4が、超音波が同時に通過できる二つの穴20,21を有しているので、超音波送受信面8から発振されて一方の穴20または21を通過した後、上記軌道底を伝播して、さらに、他方の穴21または20を通過して超音波送受信面8で受信された超音波に基づいて、超音波の軌道底に対する伝播速度を測定できる。また、一方の穴20または21の他方の穴21または20側の縁23,24に波目が形成されているので、一方の穴20または21の他方の穴21または20側の縁で発生する回折波(ノイズ超音波)を格段に抑制できて、超音波の軌道底に対する伝播速度を精密に測定することができる。
【0046】
尚、上記第1実施形態の超音波探触子では、上記ストッパ部13は、バッキング部材1の側面に当接していない構造であるが、この発明では、図6および図7に示すように、ストッパ部33は、バッキング部材30の側面に当接している構造であっても良く、この場合、ガイド部材31をバッキング部材30に確実に固定することができる。
【0047】
また、上記第1実施形態の超音波探触子では、マスキング部材4の長穴20,21に、のこぎり波状の波目を形成した。しかしながら、この発明では、マスキング部材の穴に例えば正弦波状の波目等のこぎり波状の波目以外の波目を形成しても良い。
【0048】
また、上記第1実施形態の超音波探触子では、図1に示すように、マスキング部材4の長穴20,21の長手方向の縁22,23,24,25に、のこぎり波状の波目を形成した。
【0049】
しかしながら、この発明では、マスキング部材4の代わりに、図8に示すように、マスキング部材4と比較して、長穴40の長手方向の長穴41側と反対側の縁の波目を省略すると共に、長穴41の長手方向の長穴40側と反対側の縁の波目を省略したマスキング部材45を採用しても良い。
【0050】
また、マスキング部材4の代わりに、図9に示すマスキング部材64を採用しても良い。このマスキング部材64は、丸穴60,61を有し、この丸穴60,61の縁の全てには、マスキング部材64の長手方向に略延びる山と谷とが、マスキング部材4の幅方向に交互に形成されたのこぎり波状の波目が形成されている。
【0051】
また、マスキング部材4の代わりに、図10に示すマスキング部材75を採用しても良い。このマスキング部材75は、D字状の穴70,71を有し、穴70および穴71の円弧部分は対向配置されている。また、D字状の穴70,71の縁の全てには、マスキング部材75の長手方向に略延びる山と谷とが、マスキング部材75の幅方向に交互に形成されたのこぎり波状の波目が形成されている。
【0052】
また、上記第1実施形態の超音波探触子では、バッキング部材1とガイド部材3が別体であったが、バッキング部材とガイド部材は一体であっても良い。
【0053】
また、上記第1実施形態の超音波探触子では、穴20,21の縁に形成されたのこぎり波の波目の寸法には制限を設けなかった。しかしながら、のこぎり波の波目の互いに隣接する山の間の幅wを、山の高さhよりも小さくし、山の間の幅wを、振動子2から発振される超音波の水中での波長の1/2よりも小さく設定すると、波目が形成された縁からの回折波(ノイズ波)の発生を確実に防止できる。例えば、振動子2から発振される超音波の周波数を、5×106[Hz]とすると、水温が26.3[℃]のときの音波の水中の音速が1500[m/s]であるので、水温が26.3[℃]の場合では、振動子2から発振される超音波の水中での波長は、略3×10-4[m]となる。したがって、wを、(3×10-4)/2=1.5×10-4[m]よりも小さく設定すると、波目が形成された縁からの回折波(ノイズ波)の発生を確実に防止できる。尚、水温の変動による水中の音速の変動は非常に小さいので、水中の音速として、1500[m/s]を用いることができる。
【0054】
また、図1において、マスキング部材4をガイド部材3に挿入した状態で、マスキング部材4の縁23の中心に山がきたと仮定すると共に、縁24の中心に山がきたと仮定した場合における、縁23の中心の山から発振されて軌道底で反射して縁24の中心の山に到達した超音波の経路長をy1[m]とし、マスキング部材4をガイド部材3に挿入した状態で、マスキング部材4の縁23の中心に谷がきたと仮定すると共に、縁24の中心に谷がきたと仮定した場合における、縁23の中心の谷から発振されて軌道底で反射して縁24の中心の谷に到達した超音波の経路長をy2[m]とし、更に、上記超音波が水中を伝播するときの波長をλ[m]としたとき、|y2−y1|が、|y2−y1|=(n+1/2)λ(ここでnは0以上の整数)の関係を満たすようにすると、縁23および24からのノイズ波を弱め合わせることができ、測定を正確に行うことができる。
【0055】
また、上記被疲労度測定部材の疲労度の測定では、超音波探触子と被疲労度測定部材の一例としての内輪と間に溶媒としての水を充填した状態で、内輪を伝播する超音波の伝播速度を測定するようにした。しかしながら、この発明の超音波探触子と被疲労度測定部材との間に、スピンドル油(音波の伝播速度は32℃で1342[m/s])、エタノール(音波の伝播速度は20℃で1168[m/s])、または、空気(音波の伝播速度は15℃で340[m/s])等の水以外の溶媒を充填して、被疲労度測定部材の疲労度を測定しても良いことは勿論である。そして、この場合に、マスキング部材の穴の縁(エッジ)の形状を波目形状にし、かつ、隣接する山の幅を、山の高さ以下に設定すると共に振動子から発振される超音波の溶媒中の波長の1/2以下に設定すると、上記溶媒が水である場合と同様に、穴の縁からノイズ超音波が発振されることがなくて、被疲労度測定部材の疲労度の判定を正確に行うことができる。
【0056】
図11〜図14は、第2実施形態の超音波探触子を示す図である。第2実施形態の超音波探触子は、第1実施形態の超音波探触子のバッキング部材1、ガイド部材3、振動子2およびマスキング部材4に加えて、2つ目の新たな板状の第2マスキング部材84を備える点が第1実施形態の超音波探触子と異なっている。
【0057】
第2実施形態の超音波探触子では、第1実施形態の超音波探触子の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第2実施形態の超音波探触子では、第1実施形態の超音波探触子と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態の超音波探触子と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
【0058】
上記第2マスキング部材84は、図11の断面図および図12の下面図に示すように、長方形の表面形状を有している。上記第2マスキング部材84は、長手方向の略中央に幅方向に延びる略長方形状の一つの穴86を有している。上記第2マスキング部材84の穴86以外の部分は、超音波の通過を遮断する本体部になっている。上記第2マスキング部材84は、板厚等の穴の形状以外の構造がマスキング部材4と同一になっている。
【0059】
また、上記穴86の長手方向の縁は、マスキング部材84の幅方向の縁に略平行になっている。図13に示すように、上記穴86の長手方向の縁には、のこぎり波の波目が形成されている。
【0060】
この第2マスキング部材84は、振動子2と被疲労度測定部材(例えば、玉軸受の内輪の軌道底)との距離の測定を行うときに、使用されるようになっている。すなわち、第2マスキング部材84を、ガイド部材3のストッパ部13に当接するまで挿入して、第2マスキング部材84を固定位置に配置した後、振動子2から超音波を発振するようになっている。このようにして、被疲労度測定部材に到達できる超音波を、振動子2から発振された全超音波のうちで穴86を通過した部分に制限するようになっている。
【0061】
以下に、第2実施形態の超音波探触子を用いた被疲労度測定部材(例えば、玉軸受の内輪の軌道底)の疲労度の測定法を、簡単に説明する。
【0062】
先ず、図11,12に示すように、ガイド部材3のスリットに第2マスキング部材84を挿入して、第2マスキング部材84を固定位置に配置すると共に、バッキング部材1の凹面5の上記大円に内輪の軌道溝の底が対向するように内輪を配置する。
【0063】
次に、前と同様に、超音波探触子と上記内輪との間に水を充填する。
【0064】
次に、振動子2から超音波を発振して、振動子2から発振されて第2マスキング部材84の穴86を通過して上記軌道底で反射して再び穴86を通過して振動子2に到達した超音波を、振動子2で検出し、振動子2が超音波を発振した時刻から超音波が最初に振動子2に到着した時刻までの時間を測定する。そして、この時間に基づいて振動子2と上記軌道底との距離を測定し、振動子2と上記軌道底との距離を、振動子2と上記大円の中心Pとの距離よりも短い所定距離に設定して、バッキング部材1を適当な固定器具で固定する。
【0065】
次に、第2マスキング部材84を手動で取り外した後、マスキング部材4を手動でガイド部材3に挿入して、図13および図14に示すように、マスキング部材4を固定位置に固定する。そして、前と同様に、振動子2から超音波を発振して、振動子2から発振されてマスキング部材4の一方の穴20を通過して、上記軌道底を周方向にそって所定距離伝播し、その後、マスキング部材4の他方の穴21を通過して振動子2に到達する超音波を検出して、上記軌道底の疲労の度合を測定する。
【0066】
上記第2実施形態の超音波探触子によれば、振動子2と、被疲労測定部材である上記内輪の軌道底との距離の測定を、第2マスキング部材84を用いて行い、測定を行う超音波を、振動子2が発振する全超音波のうちの第2マスキング部材84の穴86を通過する部分に制限している。したがって、軌道底に対して振動子2が傾いていない状態、すなわち、穴86に対向している軌道底の部分の法線が、振動子2の超音波送受信面の中心の法線と一致している状態で、上記距離の測定をできて、上記距離の測定を精密に行うことができる。
【0067】
尚、上記第2実施形態の超音波探触子では、図12に示すように、第2マスキング部材84の長穴86の長手方向の縁に、のこぎり波の波目を形成した。
【0068】
しかしながら、この発明では、第2マスキング部材84の代わりに、図15に示す第2マスキング部材104を採用しても良い。この第2マスキング部材104は、略中心に丸穴106を有し、この丸穴106の縁の全てには、第2マスキング部材104の長手方向に略延びる山と谷とが、第2マスキング部材104の幅方向に交互に形成されたのこぎり波状の波目が形成されている。
【0069】
図16〜図18は、本発明の第3実施形態の超音波探触子を示す図である。第3実施形態の超音波探触子は、マスキング部材を手動で移動させるのではなくて、マスキング部材を移動装置で移動させる点が、第1実施形態の超音波探触子と異なる。
【0070】
第3実施形態の超音波探触子では、第1実施形態の超音波探触子と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態の超音波探触子と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
【0071】
この超音波探触子は、振動子112の超音波送受信面を示す図16に示すように、バッキング部材111と、振動子112と、ガイド部材113と、移動装置の一例としてのモータ114と、マスキング部材115とを備える。
【0072】
上記振動子112は、バッキング部材111の球面状の凹面117の大円上に延在するように、バッキング部材111に取り付けられている。また、上記ガイド部材113は、図16に示すように、大円方向において、一方の側方部118の肉厚が、他方の側方部119の肉厚よりも厚くなっている。
【0073】
上記モータ114は、本体117とギヤ120とを有する。図16に示すように、上記本体117は、上記一方の側方部118における上記大円方向と略垂直な方向の端面に、固定されている。
【0074】
また、図16に示すように、マスキング部材115は、表面長方形の板状の部材である。マスキング部材115は、第1実施形態のマスキング部材4と同一の長穴130,131を有している。また、長方形の表面形状を有する板状のマスク部材115の一方の側の長手方向の端部には、幅方向に延びるギヤ121が形成されている。
【0075】
モータ114のギヤ120は、マスキング部材115のギヤ121と噛合している。側面図である図17に示すように、モータ114のギヤ120を矢印α方向に回転させることによって、マスキング部材115をスリット133中に挿入するようになっている。また、モータ114のギヤ120を矢印β方向に回転させることによって、マスキング部材115をスリット133中から取り出すようになっている。
【0076】
第3実施形態の超音波探触子は、振動子112と、被疲労測定部材との間の距離を測定するときには、モータ114のギヤ120を矢印β方向に回転させることによって、図16に示すように、マスキング部材115をスリット133中から完全に取り出すようになっている。
【0077】
一方、超音波が被疲労測定部材を伝播するときの伝播速度を測定するときには、モータ114のギヤ120を矢印α方向に回転させることによって、図18に示すように、マスキング部材115がガイド部材113のストッパ部116に接触するまでマスキング部材115をスリット133中に移動させ、マスキング部材115を固定位置に配置するようになっている。
【0078】
上記第3実施形態の超音波探触子によれば、マスキング部材115を振動子112に対して移動させるモータ114を備えているので、マスキング部材115を固定位置に移動させることができると共に、マスキング部材115を固定位置から移動させることができる。
【0079】
図19〜図22は、第4実施形態の超音波探触子を示す図である。
【0080】
第4実施形態の超音波探触子は、ガイド部材143にストッパが存在しない点と、マスキング部材145が、第1実施形態のマスキング部材4の長手方向の縁と、第2マスキング部材84の長手方向の縁とをくっつけたような形状をしている点とが、第3実施形態の超音波探触子と異なる。また、マスキング部材145が第1固定位置および第2固定位置に配置される点、すなわち、固定位置が二つ存在する点も第3実施形態の超音波探触子と異なる。
【0081】
第4実施形態の超音波探触子では、第1〜3実施形態の超音波探触子と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1〜3実施形態の超音波探触子と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
【0082】
第4実施形態の超音波探触子は、上記のように、マスキング部材145が、第1実施形態のマスキング部材4の長手方向の縁と、第2マスキング部材84の長手方向の縁とをくっつけたような形状をしている。詳細には、マスキング部材145は、矩形の表面形状を有し、マスキング部材145の一方の表面の一つの辺の縁部には、ギヤ150が形成されている。
【0083】
また、図19に示すように、移動装置の一例としてのモータ147は、ガイド部材143のバッキング部材側と反対側の表面に固定されている。上記モータ147のギヤ148は、マスキング部材145のギヤ150と噛合している。
【0084】
振動子151と、被疲労測定部材との間の距離を測定するとき、すなわち、鏡面反射波を測定するときには、モータ147のギヤ148を、図20に示す矢印δに回転させて、図19および図20に示すように、マスキング部材145における、マスキング部材145の移動方向に垂直な方向の中央に長穴156が一つ存在する部分を、振動子151に対向させるようにする。詳しくは、長穴156の中央を、振動子151に対向させるようにして、マスキング部材145を第1固定位置に配置する。この状態において、上記一つの長穴156の長手方向の縁、すなわち、長穴156におけるマスキング部材145のギヤ150と平行な縁には、波目が形成されている。
【0085】
一方、被疲労測定部材を伝播する超音波の伝播速度を測定するとき、すなわち、漏洩レイリー波を検出するときには、モータ147のギヤ148を、図20に示す矢印γに回転させて、図21および図22に示すように、マスキング部材145の移動方向に垂直な方向の垂直2等分面に対して、面対称な二つの長穴154および155が存在するマスキング部材145の部分を、振動子151に対向させるようにする。詳しくは、長穴154および155の中央を、振動子151に対向させるようにして、マスキング部材145を第2固定位置に配置する。この状態において、上記長穴154,155の長手方向の縁、すなわち、長穴154,155におけるマスキング部材145のギヤ150と平行な縁には、波目が形成されている。上記マスキング部材145における長穴154,155,156以外の部分は、超音波の通過を遮断する本体部になっている。
【0086】
図19に示すように、上記マスキング部材145は、ガイド部材143に固定されているモータ147のギヤ148と、ガイド部材143の振動子151のモータ側と反対側の側面部157のスリット158とで支持されている。
【0087】
上記第4実施形態の超音波探触子によれば、マスキング部材145が、移動方向において、振動子151との対向配置において、被疲労測定部材との距離を測定する長穴156が一つの部分と、超音波の被疲労測定部材の伝播速度を測定する長穴154,155が二つの部分とからなる。したがって、モータ147の回転方向を変化させるだけで、振動子151との対向配置で、マスキング部材145における長穴156が一つの部分と、マスキング部材145における長穴154,155が二つの部分とを容易に移動させることができて、被疲労測定部材の疲労度の測定を容易に行うことができる。
【0088】
尚、上記第4実施形態の超音波探触子では、上記マスキング部材145を第1または第2固定位置に配置するのに、センサを用いなかったが、この発明では、例えば、長穴の長手方向の縁の中央付近に塗料を塗布して、この塗料を塗布した部分にマーカを作成し、このマーカを光センサ等で検出することにより、超音波探触子を、第1または第2固定位置に正確に配置するようにしても良い。
【0089】
図23〜図26は、本発明の第5実施形態の超音波探触子を示す図である。
【0090】
第5実施形態の超音波探触子は、振動子の超音波の発信機能(発振機能)と超音波の受信機能の両方を有する超音波送受信面が一体(一つのみ)ではなくて、振動子の超音波送受信面が三つの互いに独立な部分からなること、言い換えれば、振動子が、第1振動子161、第2振動子162および第3振動子163からなることが、第1実施形態の超音波探触子と異なっている。
【0091】
第5実施形態の超音波探触子では、第1〜4実施形態の超音波探触子と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態の超音波探触子と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
【0092】
この超音波探触子は、上記のように、第1振動子161、第2振動子162および第3振動子163を備える。図23および図24に示すように、上記第1、第2および第3振動子161,162,163は、略同一の形状を有し、バッキング部材164の球面状の凹面165の大円上に、間隔をおいて略等間隔に配置されている。図24に示すように、上記第1、第2および第3振動子161,162,163は、略正方形の超音波送受信面を有している。
【0093】
この超音波探触子は、被疲労測定部材との距離を測定するときには、図24に示すように、マスキング部材170(図25,図26参照)を取り外した状態で、第2振動子162から発振されて被疲労測定部材(図示しない)で反射して第2振動子162に到達した超音波の伝播時間と、第1振動子161から発振されて被疲労測定部材で反射して第3振動子163に到達した超音波の伝播時間とが同一であることを検出することによって、超音波探触子が被疲労測定部材に対して傾いた状態でないことを確認するようになっている。そして、この状態から、超音波探触子と被疲労測定部材との距離を所定距離短くして、超音波が伝播する被疲労測定部材の部分の距離を設定するようになっている。
【0094】
また、超音波が被疲労測定部材を伝播する伝播速度を測定するとき、すなわち、漏洩レイリー波の伝播時間を測定するときには、図25および図26に示すように、マスキング部材170をガイド部材174に取り付ける。そして、第1振動子161から発振されて、マスキング部材170の第1の穴176を通過して被疲労測定部材に到達して被疲労測定部材を所定距離伝播した後、マスキング部材170の第2の穴177を通過して第3振動子163に到達した超音波に基づいて、超音波の被疲労測定部材の伝播速度を測定する。
【0095】
上記第5実施形態の超音波探触子によれば、漏洩レイリー波の伝播時間を測定するときに、マスキング部材170を取り付けた状態で測定を行うので、第1の穴176および第2の穴177を通過した超音波を測定できて、所望の経路の超音波を測定できる。したがって、超音波の被疲労測定部材の伝播速度を精密に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】第1実施形態の超音波探触子の下面図である。
【図2】第1実施形態の超音波探触子の側面図である。
【図3】図1のα−α線断面図である。
【図4】マスキング部材が取り付けられていない超音波探触子を示す図である。
【図5】マスキング部材が取り付けられていない超音波探触子を示す図である。
【図6】第1実施形態の超音波探触子の変形例を示す図である。
【図7】第1実施形態の超音波探触子の変形例を示す図である。
【図8】第1実施形態の超音波探触子のマスキング部材の変形例を示す図である。
【図9】第1実施形態の超音波探触子のマスキング部材の変形例を示す図である。
【図10】第1実施形態の超音波探触子のマスキング部材の変形例を示す図である。
【図11】第2マスキング部材を装着した第2実施形態の超音波探触子の断面図である。
【図12】第2マスキング部材を装着した第2実施形態の超音波探触子の下面図である。
【図13】マスキング部材を装着した第2実施形態の超音波探触子の断面図である。
【図14】マスキング部材を装着した第2実施形態の超音波探触子の下面図である。
【図15】第2実施形態の超音波探触子の第2マスキング部材の変形例を示す図である。
【図16】マスキング部材を装着していない第3実施形態の超音波探触子の下面図である。
【図17】マスキング部材を装着していない第3実施形態の超音波探触子の側面図である。
【図18】マスキング部材を装着している第3実施形態の超音波探触子の下面図である。
【図19】マスキング部材を第1固定位置に配置している第4実施形態の超音波探触子の下面図である。
【図20】マスキング部材を第1固定位置に配置している第4実施形態の超音波探触子の側面図である。
【図21】マスキング部材を第2固定位置に配置している第4実施形態の超音波探触子の下面図である。
【図22】マスキング部材を第2固定位置に配置している第4実施形態の超音波探触子の側面図である。
【図23】マスキング部材を装着していない第5実施形態の超音波探触子の断面図である。
【図24】マスキング部材を装着していない第5実施形態の超音波探触子の底面図である。
【図25】マスキング部材を装着している第5実施形態の超音波探触子の断面図である。
【図26】マスキング部材を装着している第5実施形態の超音波探触子の底面図である。
【符号の説明】
【0097】
1,111,164 バッキング部材
2,112,151 振動子
3,31,113,143,175 ガイド部材
4,45,64,75,115,145,170 マスキング部材
84,104 第2マスキング部材
114,147 モータ
161 第1振動子
162 第2振動子
163 第3振動子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動子と、
上記振動子からの音波を遮断する本体部に、上記振動子からの音波が通過する少なくとも一つの穴を設けてなるマスキング部材と
を備えることを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波探触子において、
上記穴の縁の少なくとも一部に、波目が形成されていることを特徴とする超音波探触子。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波探触子において、
上記波目は、のこぎり波状の波目であることを特徴とする超音波探触子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の超音波探触子において、
上記本体部に、上記穴を二つ設け、
少なくとも、一方の上記穴の他方の上記穴側の縁に波目が形成されていることを特徴とする超音波探触子。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の超音波探触子において、
上記振動子は、超音波の送信機能と超音波の受信機能の両方を有する一つの超音波送受信面を有することを特徴とする超音波探触子。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の超音波探触子において、
上記マスキング部材は、略矩形の表面形状を有する板部材であり、
上記マスキング部材の互いに対向する一対の縁部を収容するスリットを有すると共に、上記マスキング部材を上記振動子に対して位置決めする位置決め部材を備えることを特徴とする超音波探触子。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1つに記載の超音波探触子において、
上記マスキング部材を上記振動子に対して移動させる移動装置を備えることを特徴とする超音波探触子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−324889(P2006−324889A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145604(P2005−145604)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【出願人】(599165980)
【出願人】(502073289)
【Fターム(参考)】