超音波溶着装置
【課題】簡単な構造でありながら、被加工シート材に形成したい溶着部が直線状、弯曲状のいずれの場合であっても、一定の幅寸法の溶着部が端辺に形成されるように溶着できる超音波溶着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】超音波振動するホーン具2の被加工シート受け面3に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材1を備える。そして、間欠的に送られるシート送り方向から見て、押圧部材1は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面14を有する三角刃形状として最先端に切断エッジ13を有している。
【解決手段】超音波振動するホーン具2の被加工シート受け面3に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材1を備える。そして、間欠的に送られるシート送り方向から見て、押圧部材1は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面14を有する三角刃形状として最先端に切断エッジ13を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波溶着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波溶着装置として、工具ホーンユニット上に置いた二枚重ねの被加工シートを、押圧ローラで押圧して溶着し、シートをローラで搬送するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このローラは、被加工シートの溶断する機能も兼ね備えたものである。
【特許文献1】特開2002−273792公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のこの超音波溶着装置は、押圧ローラによって行う溶断作業と溶着作業は、別途に行われる作業であるため、2枚重ねたシートに溶着部を端辺とするように加工したい場合、押圧ローラでシートに溶着部を形成した後で、溶着部に沿って切断する必要がある。そのため、溶着部が弯曲状の場合には、溶着部の幅を一定に保ったままで溶着部に沿って切断するのは非常に難しく、幅にムラができ易い。
また、重ねたシート材の厚さ寸法の大小に関係なく、溶着部の幅寸法は一定の大きさになるため、薄いシート材の溶着部の幅を大きくして強固に溶着することができない。
【0004】
そこで、本発明は、簡単な構造でありながら、被加工シート材に形成したい溶着部が直線状、弯曲状のいずれの場合であっても、一定の幅寸法の溶着部が端辺に形成されるように溶着できる超音波溶着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波溶着装置は、超音波振動するホーン具の被加工シート受け面に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材を備え、間欠的に送られるシート送り方向から見て、該押圧部材は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面を有する三角刃形状として最先端に切断エッジを有しているものである。
【0006】
また、シート送り方向から見て上記切断エッジの先端のエッジ角度が相違する複数の押圧部材を備え、かつ、該複数の押圧部材から選択した一の押圧部材が交換自在に取付けられ該押圧部材を往復動自在に保持する取付本体を備えたものである。
【0007】
また、上記エッジ角度が相違する複数の押圧部材のうち、厚さ寸法が小さい被加工シート材に対しては、該エッジ角度が大きい押圧部材が選択され、かつ、厚さ寸法が大きい上記シート材に対しては、該エッジ角度が小さい押圧部材が選択される。
また、上記取付本体に、シート送り方向における上記押圧部材の後方に設けられ、上記押圧部材による溶着・溶断の際に上記シート材を押さえ付ける弾性押さえ部材を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る超音波溶着装置は、超音波振動するホーン具の被加工シート受け面に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材を備え、間欠的に送られるシート送り方向から見て、押圧部材は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面を有する三角刃形状として最先端に切断エッジを有していることから、押圧部材により、溶断部と溶着部を、同時に並列状に加工できるので、直線状はもちろんのこと、小さな曲率半径の弯曲状にも形成することができる。しかも、溶断部を、溶着部に確実に沿わせて形成できるので、高精度な形状の製品を容易に製造することができると共に、溶着部の幅が一定になり溶着力の強弱のムラが発生することがない。また、溶断部の最も近い部位が最も強く溶着されて、端縁から剥離せず、端縁が美しい形状となる。
しかも、溶着・溶断作業の際にシート材に皺がよるのを防止でき、製品の仕上がりが一層良いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
図1は本発明の超音波溶着装置の実施の一形態を示し、この装置は、超音波振動するホーン具2の被加工シート受け面3に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材1を、備える。この押圧部材(アンビル)1は、往復動発生装置9の上下動ロッド10の下端に固着された取付本体11に交換自在に取付けられる。そして、押圧部材1によって溶着される被加工シート材4は、布材、不織布、合成樹脂シート材等であり、二枚重ねられて加工される。
【0010】
図1〜図5に示したように、押圧部材1は、矩形板形状(縦長帯板形状)を有し、その先端(下端)12に、後述するシート送り方向20から見て、傾斜状溶着用押圧端面14を有する三角刃形状として最先端に切断エッジ13を有している。言い換えると、切断エッジ13は、押圧部材1の左右の縦面の一面18と、一面18から鋭角のエッジ角度θをもって下方へ傾斜した押圧端面14とから形成される。また、押圧部材1の上寄りには、取付本体11に取付けるためのボルト等の固定具16を通す孔部15が左右方向に形成されている。押圧部材1は、シート送り方向20の幅寸法D1 が8〜12mmに、(左右方向の)厚さ寸法T1 が2〜3mmに設定される。なお、シート送り方向20に対して水平方向に直交する方向を左右方向とする。
【0011】
また、取付本体11は板形状を有し、2面が左右方向に向くように上下動ロッド10に取付けられる。そして、取付本体11の一面(図例では左側の面)の下辺部には、押圧部材1の上半分部が嵌込状に固着される矩形浅溝状の保持部26が、下方開放状に形成され、かつ、保持部26に、固定具16が螺着される雌ネジ孔19が形成されている。また、取付本体11の上部には、上下動ロッド10が嵌込状に固着される浅溝状の保持部27が形成されている。また、取付本体11は、押圧部材1用の保持部26を有する下部からロッド用保持部27を有する上部にかけて、シート送り方向20に曲げ状に形成されている。
【0012】
また、本発明の超音波溶着装置は、切断エッジ13の鋭角のエッジ角度θが相違する複数の押圧部材1…を備え、2枚の被加工シート材4,4の重ね合わせ状の厚さ寸法T4 の大きさに応じて選択された一の押圧部材1が、取付本体11の保持部26に固定具16にて固着される。具体的には、厚さ寸法T4 が小さいシート材4,4に対しては、エッジ角度θが大きい押圧部材1Aが選択され(図10参照)、かつ、厚さ寸法T4 が大きいシート材4,4に対しては、エッジ角度θが小さい押圧部材1Bが選択される(図7,図8参照)。そして、被加工シート材4,4の厚さ寸法T4 が大きくなるのに反比例して小さなエッジ角度θの押圧部材1を選択し、厚さ寸法T4 が小さくなるのに反比例して大きなエッジ角度θの押圧部材1を選択する。エッジ角度θは50°〜80°に形成される。50°未満であると、後述する溶着部41の幅寸法Pが非常に小さくなり分離し易くなってしまい、80°超過であると、切断エッジ13が切れ味鋭くシート材4,4に切り込めず、溶断されない部位が残ってしまったり、きれいな溶断部40が形成できなくなる。
【0013】
また、本発明の超音波溶着装置は、取付本体11に、シート送り方向20における押圧部材1の後方に設けられ、押圧部材1による溶着の際にシート材4,4を押さえ付ける弾性押さえ部材6を備える。押さえ部材6は、円柱形状を有し、ゴムやプラスチック等の弾性材から成る。取付本体11の下端面には、押圧部材1用保持部26のシート送り方向20の後方に所定間隔をおいて保持凹部28が形成され、この保持凹部28に、押さえ部材6が下方突出状に挿入されて保持されており、押さえ部材6は、シート材4,4のうち押圧部材1が押圧(溶着)する部位の後方近傍を押えて溶着中のシート材4,4の左右方向や前後方向へのズレを防ぐ。押さえ部材6は、その下端押さえ面30が押圧部材1の切断エッジ13と略同一高さ乃至僅かに高い位置になるように設けられて、シート材4,4のズレを防止できる程度の適度な大きさの押圧力で、押えつけることができる。かつ、押さえ部材6は、シート送り方向20から見て、下端押さえ面30の中心近傍に切断エッジ13が位置するように、設けられており、切断エッジ13によって、シート材4,4に働く左右へのズレ発生力に対し、その後方位置で阻止でき、確実にズレ防止を行える。
【0014】
7は、被加工シート材4,4が載置されて送られるテーブルであり、テーブル7の下方に設けられた超音波発生装置8の上部に連結されて超音波が伝達されるホーン具2が、テーブル7に形成された開口17を介して上方へ露出状に設けられている。ホーン具2は、押圧部材1に(シート材4,4を間に挟んで)直交方向(上方向)から押圧される被加工シート受け面3を上面に有し、テーブル7の上面と略同一平坦面となるように設けられる。受け面3は、例えば矩形状に形成される。
【0015】
また、5は、テーブル7上で被加工シート材4,4を直線又は曲線の軌道で送るための送り手段であり、従来の縫製用ミシンに設けられた生地送り構造と同じである。具体的には、送り手段5は、テーブル7の上方に設けられて上方からシート材4,4を押え付ける押さえ歯部材21と、テーブル7に形成した開口部から露出状に設けられてシート材4,4を下方から受ける受け歯部材22と、を有し、押さえ歯部材21と受け歯部材22は、図示省略の作動装置に設けられて、図6に示したように、矢印a、d、e、fの順に作動して、夫々の下面・上面に形成された歯部23,24でシート材4,4を挟んで送る。
【0016】
次に、本発明の超音波溶着装置の使用方法及び作用について説明する。
図1,図6及び図7において、先ず、二枚重ねた被加工シート材4,4を、テーブル7上に、押圧部材1とホーン具2の間で載置し、矢印a,aのように押さえ歯部材21・受け歯部材22を夫々下降・上昇させて各歯部23,24でシート材4,4を挟む。そして、超音波発生装置8を起動してホーン具2を超音波振動させると共に、往復動発生装置9を起動して、矢印bのように、押圧部材1をシート材4,4上に下降させて、切断エッジ13を食い込ませていくと、ホーン具2の超音波振動により、切断エッジ13がシート材4,4を溶断しながら、押圧端面14が、シート材4,4の溶断されている部位に沿って傾斜状に溶着していく。そして、図8に示したように、切断エッジ13がホーン具2の受け面3に達し、シート材4,4は溶断部40により完全に切断(溶断)されると共に、押圧端面14によって、溶断部40に沿って溶着部41が形成される。
また、押圧部材1による押圧と同時に、弾性押さえ部材6がシート材4,4の溶着部41、溶断部40の後方近傍を上方から押さえるため(図1,図11参照)、溶着・溶断の際にシート材4,4が左右や前後方向へずれるのが防がれる。これにより、連続して加工していくうちにシート4,4が歪んで送られることがなく、送りたい方向へと確実に送ることができる。
【0017】
溶着・溶断されたシート材4,4について説明すると、図8,図9に示したように、シート材4,4は、溶断部40側へと厚さ寸法T4 が小さく(テーパ状に)なるように押圧されている。そして、シート材4,4の合わせ面25には、溶断部40から所定幅寸法Pの溶着部41が形成される。このように、厚さ寸法T4 が大きなシート材4,4の場合、溶断部40近傍を丸み形状として形成できる。この幅寸法Pは、被加工シート材4,4の厚さ寸法T4 によって増減するが、1〜2mm程度となるのがよく、図9の分布図に示したように、溶着部41の溶着力は、最大値となる溶断部40から左方向(内方向)へかけて緩やかに減少する。即ち、最外端縁部が溶断部40であって、溶着強度が最大となり、剥離しにくい点、及び、最外端縁部が美しく仕上がる点で、極めて好ましいといえる。
【0018】
次いで、図8の状態から、矢印c(矢印a〜fについては図6参照)のように押圧部材1を(取付本体11と一体に)上昇させ、次いで、押さえ歯部材21・受け歯部材22を矢印d,dのように、押圧部材1の幅寸法D1 と同じ寸法だけ前方へ移動させて、シート材4,4を送る。次いで、両歯部材21,22を矢印e,eのように上昇・下降させてシート材4,4の挟持を外し、次いで、矢印f,fのように幅寸法D1 と同じ寸法だけ後方へ移動させ、次いで、矢印a,aのように夫々下降・上昇させてシート材4,4を挟む。この移動により、シート材4,4に形成された溶断部40・溶着部41の後側端部に、押圧部材1の(シート送り方向20の)先頭端部が対応する(真上に位置する)ようになる。
そして、押圧部材1を矢印bのように押圧して、上述した溶着・溶断を繰り返すことで、シート材4,4の間欠送り毎に、一回の溶着・溶断が行われる。
【0019】
図11のように、シート送り方向20を真っ直ぐとして、直線状の溶断部40・溶着部41を形成したり、あるいは、シート送り方向20をカーブさせることで、図12のような、弯曲状の溶断部40・溶着部41を形成することもできる。押圧部材1によって溶断部40・溶着部41を同時かつ並列状に形成するので、カーブさせる場合、小さな曲率半径Rでもって溶断部40・溶着部41を形成することが可能であると共に、溶着部41の幅寸法Pは一定に形成される。
【0020】
そして、図13に示したように、例えば、ナイロン製のシート材4,4に溶断部40・溶着部41を弯曲状に形成すれば、そのままの形態で(ひっくり返さずに)、雨具(合羽)の帽子として用いることができる。
また、図14に示したように、布製のシート材4,4に溶断部40・溶着部41を加工した後で、両シート材4,4を開いて、肌着を作製することもできる。この場合、突出辺状となる溶断部40が内側(肌側)となるように作製されるが、溶着部41の幅寸法Pが小さいので、肌側への突出寸法が小さく、肌は痛みなどの違和感をほとんど感じることはない。
【0021】
また、本発明の超音波溶着装置は、従来より使用されている縫製用ミシンから、針や針駆動装置等を取外して、ホーン具2、超音波発生装置8、押圧部材1、往復動発生装置9を設けた構成であるため、シート材4,4を直線や曲線軌道状に間欠送りする要領(手順)は、被縫製生地を送る場合と同じである。よって、縫製用ミシンの熟練者であれば、本発明の溶着装置を容易に使いこなすことが可能である。さらに、使用による摩耗の著しい押圧部材1を、交換自在としたので、実用的で、かつ、技術上合理的である。
【0022】
以上のように、本発明に係る超音波溶着装置は、超音波振動するホーン具2の被加工シート受け面3に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材1を備え、間欠的に送られるシート送り方向から見て、押圧部材1は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面14を有する三角刃形状として最先端に切断エッジ13を有していることから、押圧部材1により、溶断部40と溶着部41を、同時に並列状に加工できるので、直線状はもちろんのこと、小さな曲率半径の弯曲状にも形成することができる。しかも、溶断部40を、溶着部41に沿って形成できるので、高精度な形状の製品を容易に製造することができる。そして、溶着部41の幅を確実に一定にすることができる。また、溶断部の最も近い部位が最も強く溶着されて、端縁から剥離せず、端縁が美しい形状となる。
しかも、溶着・溶断作業の際にシート材に皺がよるのを防止でき、製品の仕上がりが一層良いものとなる。
【0023】
また、シート送り方向から見て切断エッジ13の先端のエッジ角度θが相違する複数の押圧部材1を備え、かつ、複数の押圧部材1から選択した一の押圧部材1が交換自在に取付けられ押圧部材1を往復動自在に保持する取付本体11を備えているので、押圧部材1を選択して用いることで、シート材4,4の厚さ寸法T4 に対応した最適な幅寸法Pの溶着部41を加工することができる。よって、様々な厚さ寸法T4 のシート材4,4から、多種の製品を製造することができる。
【0024】
また、エッジ角度θが相違する複数の押圧部材1のうち、厚さ寸法T4 が小さい被加工シート材4,4に対しては、エッジ角度θが大きい押圧部材1が選択され、かつ、厚さ寸法T4 が大きいシート材4,4に対しては、エッジ角度θが小さい押圧部材1が選択されるので、厚さ寸法Tが大きいシート材4,4には、切断エッジ13を強く鋭く食い込ませることができ、鮮やかな切れ味の溶断部40を形成することができる。また、厚さ寸法T4 が小さいシート材4,4には、幅寸法Pが大きめの溶着部41を形成できるので、溶着部41の溶着力が強く、2枚のシート材4,4が容易に分離するのを防ぐことができる。
【0025】
また、取付本体11に、シート送り方向における押圧部材1の後方に設けられ、押圧部材1による溶着・溶断の際にシート材4,4を押さえ付ける弾性押さえ部材6を備えているので、押圧部材1による溶着・溶断時にシート材4,4が左右や前後方向へずれるのを防ぐことができ、シート材4,4を所望の送り方向へ正確に(歪むことなく)送ることができる。よって、所望の形状の製品を正確に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の超音波溶着装置の実施の一形態を示す側面図である。
【図2】取付本体と押圧部材を示す正面図である。
【図3】底面図である。
【図4】押圧部材を示す側面図である。
【図5】正面図である。
【図6】説明用側面図である。
【図7】要部拡大正面断面図である。
【図8】要部拡大正面断面図である。
【図9】溶着後のシート材を示す説明用断面図である。
【図10】要部拡大正面断面図である。
【図11】図1のイ−イ断面図である。
【図12】溶着後のシート材を示す平面図である。
【図13】溶着後のシート材を示す斜視図である。
【図14】溶着後のシート材を開いた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 押圧部材
2 ホーン具
3 被加工シート受け面
4 シート材
6 弾性押さえ部材
11 取付本体
13 切断エッジ
14 押圧端面
θ エッジ角度
T4 厚さ寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波溶着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波溶着装置として、工具ホーンユニット上に置いた二枚重ねの被加工シートを、押圧ローラで押圧して溶着し、シートをローラで搬送するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このローラは、被加工シートの溶断する機能も兼ね備えたものである。
【特許文献1】特開2002−273792公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のこの超音波溶着装置は、押圧ローラによって行う溶断作業と溶着作業は、別途に行われる作業であるため、2枚重ねたシートに溶着部を端辺とするように加工したい場合、押圧ローラでシートに溶着部を形成した後で、溶着部に沿って切断する必要がある。そのため、溶着部が弯曲状の場合には、溶着部の幅を一定に保ったままで溶着部に沿って切断するのは非常に難しく、幅にムラができ易い。
また、重ねたシート材の厚さ寸法の大小に関係なく、溶着部の幅寸法は一定の大きさになるため、薄いシート材の溶着部の幅を大きくして強固に溶着することができない。
【0004】
そこで、本発明は、簡単な構造でありながら、被加工シート材に形成したい溶着部が直線状、弯曲状のいずれの場合であっても、一定の幅寸法の溶着部が端辺に形成されるように溶着できる超音波溶着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波溶着装置は、超音波振動するホーン具の被加工シート受け面に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材を備え、間欠的に送られるシート送り方向から見て、該押圧部材は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面を有する三角刃形状として最先端に切断エッジを有しているものである。
【0006】
また、シート送り方向から見て上記切断エッジの先端のエッジ角度が相違する複数の押圧部材を備え、かつ、該複数の押圧部材から選択した一の押圧部材が交換自在に取付けられ該押圧部材を往復動自在に保持する取付本体を備えたものである。
【0007】
また、上記エッジ角度が相違する複数の押圧部材のうち、厚さ寸法が小さい被加工シート材に対しては、該エッジ角度が大きい押圧部材が選択され、かつ、厚さ寸法が大きい上記シート材に対しては、該エッジ角度が小さい押圧部材が選択される。
また、上記取付本体に、シート送り方向における上記押圧部材の後方に設けられ、上記押圧部材による溶着・溶断の際に上記シート材を押さえ付ける弾性押さえ部材を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る超音波溶着装置は、超音波振動するホーン具の被加工シート受け面に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材を備え、間欠的に送られるシート送り方向から見て、押圧部材は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面を有する三角刃形状として最先端に切断エッジを有していることから、押圧部材により、溶断部と溶着部を、同時に並列状に加工できるので、直線状はもちろんのこと、小さな曲率半径の弯曲状にも形成することができる。しかも、溶断部を、溶着部に確実に沿わせて形成できるので、高精度な形状の製品を容易に製造することができると共に、溶着部の幅が一定になり溶着力の強弱のムラが発生することがない。また、溶断部の最も近い部位が最も強く溶着されて、端縁から剥離せず、端縁が美しい形状となる。
しかも、溶着・溶断作業の際にシート材に皺がよるのを防止でき、製品の仕上がりが一層良いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
図1は本発明の超音波溶着装置の実施の一形態を示し、この装置は、超音波振動するホーン具2の被加工シート受け面3に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材1を、備える。この押圧部材(アンビル)1は、往復動発生装置9の上下動ロッド10の下端に固着された取付本体11に交換自在に取付けられる。そして、押圧部材1によって溶着される被加工シート材4は、布材、不織布、合成樹脂シート材等であり、二枚重ねられて加工される。
【0010】
図1〜図5に示したように、押圧部材1は、矩形板形状(縦長帯板形状)を有し、その先端(下端)12に、後述するシート送り方向20から見て、傾斜状溶着用押圧端面14を有する三角刃形状として最先端に切断エッジ13を有している。言い換えると、切断エッジ13は、押圧部材1の左右の縦面の一面18と、一面18から鋭角のエッジ角度θをもって下方へ傾斜した押圧端面14とから形成される。また、押圧部材1の上寄りには、取付本体11に取付けるためのボルト等の固定具16を通す孔部15が左右方向に形成されている。押圧部材1は、シート送り方向20の幅寸法D1 が8〜12mmに、(左右方向の)厚さ寸法T1 が2〜3mmに設定される。なお、シート送り方向20に対して水平方向に直交する方向を左右方向とする。
【0011】
また、取付本体11は板形状を有し、2面が左右方向に向くように上下動ロッド10に取付けられる。そして、取付本体11の一面(図例では左側の面)の下辺部には、押圧部材1の上半分部が嵌込状に固着される矩形浅溝状の保持部26が、下方開放状に形成され、かつ、保持部26に、固定具16が螺着される雌ネジ孔19が形成されている。また、取付本体11の上部には、上下動ロッド10が嵌込状に固着される浅溝状の保持部27が形成されている。また、取付本体11は、押圧部材1用の保持部26を有する下部からロッド用保持部27を有する上部にかけて、シート送り方向20に曲げ状に形成されている。
【0012】
また、本発明の超音波溶着装置は、切断エッジ13の鋭角のエッジ角度θが相違する複数の押圧部材1…を備え、2枚の被加工シート材4,4の重ね合わせ状の厚さ寸法T4 の大きさに応じて選択された一の押圧部材1が、取付本体11の保持部26に固定具16にて固着される。具体的には、厚さ寸法T4 が小さいシート材4,4に対しては、エッジ角度θが大きい押圧部材1Aが選択され(図10参照)、かつ、厚さ寸法T4 が大きいシート材4,4に対しては、エッジ角度θが小さい押圧部材1Bが選択される(図7,図8参照)。そして、被加工シート材4,4の厚さ寸法T4 が大きくなるのに反比例して小さなエッジ角度θの押圧部材1を選択し、厚さ寸法T4 が小さくなるのに反比例して大きなエッジ角度θの押圧部材1を選択する。エッジ角度θは50°〜80°に形成される。50°未満であると、後述する溶着部41の幅寸法Pが非常に小さくなり分離し易くなってしまい、80°超過であると、切断エッジ13が切れ味鋭くシート材4,4に切り込めず、溶断されない部位が残ってしまったり、きれいな溶断部40が形成できなくなる。
【0013】
また、本発明の超音波溶着装置は、取付本体11に、シート送り方向20における押圧部材1の後方に設けられ、押圧部材1による溶着の際にシート材4,4を押さえ付ける弾性押さえ部材6を備える。押さえ部材6は、円柱形状を有し、ゴムやプラスチック等の弾性材から成る。取付本体11の下端面には、押圧部材1用保持部26のシート送り方向20の後方に所定間隔をおいて保持凹部28が形成され、この保持凹部28に、押さえ部材6が下方突出状に挿入されて保持されており、押さえ部材6は、シート材4,4のうち押圧部材1が押圧(溶着)する部位の後方近傍を押えて溶着中のシート材4,4の左右方向や前後方向へのズレを防ぐ。押さえ部材6は、その下端押さえ面30が押圧部材1の切断エッジ13と略同一高さ乃至僅かに高い位置になるように設けられて、シート材4,4のズレを防止できる程度の適度な大きさの押圧力で、押えつけることができる。かつ、押さえ部材6は、シート送り方向20から見て、下端押さえ面30の中心近傍に切断エッジ13が位置するように、設けられており、切断エッジ13によって、シート材4,4に働く左右へのズレ発生力に対し、その後方位置で阻止でき、確実にズレ防止を行える。
【0014】
7は、被加工シート材4,4が載置されて送られるテーブルであり、テーブル7の下方に設けられた超音波発生装置8の上部に連結されて超音波が伝達されるホーン具2が、テーブル7に形成された開口17を介して上方へ露出状に設けられている。ホーン具2は、押圧部材1に(シート材4,4を間に挟んで)直交方向(上方向)から押圧される被加工シート受け面3を上面に有し、テーブル7の上面と略同一平坦面となるように設けられる。受け面3は、例えば矩形状に形成される。
【0015】
また、5は、テーブル7上で被加工シート材4,4を直線又は曲線の軌道で送るための送り手段であり、従来の縫製用ミシンに設けられた生地送り構造と同じである。具体的には、送り手段5は、テーブル7の上方に設けられて上方からシート材4,4を押え付ける押さえ歯部材21と、テーブル7に形成した開口部から露出状に設けられてシート材4,4を下方から受ける受け歯部材22と、を有し、押さえ歯部材21と受け歯部材22は、図示省略の作動装置に設けられて、図6に示したように、矢印a、d、e、fの順に作動して、夫々の下面・上面に形成された歯部23,24でシート材4,4を挟んで送る。
【0016】
次に、本発明の超音波溶着装置の使用方法及び作用について説明する。
図1,図6及び図7において、先ず、二枚重ねた被加工シート材4,4を、テーブル7上に、押圧部材1とホーン具2の間で載置し、矢印a,aのように押さえ歯部材21・受け歯部材22を夫々下降・上昇させて各歯部23,24でシート材4,4を挟む。そして、超音波発生装置8を起動してホーン具2を超音波振動させると共に、往復動発生装置9を起動して、矢印bのように、押圧部材1をシート材4,4上に下降させて、切断エッジ13を食い込ませていくと、ホーン具2の超音波振動により、切断エッジ13がシート材4,4を溶断しながら、押圧端面14が、シート材4,4の溶断されている部位に沿って傾斜状に溶着していく。そして、図8に示したように、切断エッジ13がホーン具2の受け面3に達し、シート材4,4は溶断部40により完全に切断(溶断)されると共に、押圧端面14によって、溶断部40に沿って溶着部41が形成される。
また、押圧部材1による押圧と同時に、弾性押さえ部材6がシート材4,4の溶着部41、溶断部40の後方近傍を上方から押さえるため(図1,図11参照)、溶着・溶断の際にシート材4,4が左右や前後方向へずれるのが防がれる。これにより、連続して加工していくうちにシート4,4が歪んで送られることがなく、送りたい方向へと確実に送ることができる。
【0017】
溶着・溶断されたシート材4,4について説明すると、図8,図9に示したように、シート材4,4は、溶断部40側へと厚さ寸法T4 が小さく(テーパ状に)なるように押圧されている。そして、シート材4,4の合わせ面25には、溶断部40から所定幅寸法Pの溶着部41が形成される。このように、厚さ寸法T4 が大きなシート材4,4の場合、溶断部40近傍を丸み形状として形成できる。この幅寸法Pは、被加工シート材4,4の厚さ寸法T4 によって増減するが、1〜2mm程度となるのがよく、図9の分布図に示したように、溶着部41の溶着力は、最大値となる溶断部40から左方向(内方向)へかけて緩やかに減少する。即ち、最外端縁部が溶断部40であって、溶着強度が最大となり、剥離しにくい点、及び、最外端縁部が美しく仕上がる点で、極めて好ましいといえる。
【0018】
次いで、図8の状態から、矢印c(矢印a〜fについては図6参照)のように押圧部材1を(取付本体11と一体に)上昇させ、次いで、押さえ歯部材21・受け歯部材22を矢印d,dのように、押圧部材1の幅寸法D1 と同じ寸法だけ前方へ移動させて、シート材4,4を送る。次いで、両歯部材21,22を矢印e,eのように上昇・下降させてシート材4,4の挟持を外し、次いで、矢印f,fのように幅寸法D1 と同じ寸法だけ後方へ移動させ、次いで、矢印a,aのように夫々下降・上昇させてシート材4,4を挟む。この移動により、シート材4,4に形成された溶断部40・溶着部41の後側端部に、押圧部材1の(シート送り方向20の)先頭端部が対応する(真上に位置する)ようになる。
そして、押圧部材1を矢印bのように押圧して、上述した溶着・溶断を繰り返すことで、シート材4,4の間欠送り毎に、一回の溶着・溶断が行われる。
【0019】
図11のように、シート送り方向20を真っ直ぐとして、直線状の溶断部40・溶着部41を形成したり、あるいは、シート送り方向20をカーブさせることで、図12のような、弯曲状の溶断部40・溶着部41を形成することもできる。押圧部材1によって溶断部40・溶着部41を同時かつ並列状に形成するので、カーブさせる場合、小さな曲率半径Rでもって溶断部40・溶着部41を形成することが可能であると共に、溶着部41の幅寸法Pは一定に形成される。
【0020】
そして、図13に示したように、例えば、ナイロン製のシート材4,4に溶断部40・溶着部41を弯曲状に形成すれば、そのままの形態で(ひっくり返さずに)、雨具(合羽)の帽子として用いることができる。
また、図14に示したように、布製のシート材4,4に溶断部40・溶着部41を加工した後で、両シート材4,4を開いて、肌着を作製することもできる。この場合、突出辺状となる溶断部40が内側(肌側)となるように作製されるが、溶着部41の幅寸法Pが小さいので、肌側への突出寸法が小さく、肌は痛みなどの違和感をほとんど感じることはない。
【0021】
また、本発明の超音波溶着装置は、従来より使用されている縫製用ミシンから、針や針駆動装置等を取外して、ホーン具2、超音波発生装置8、押圧部材1、往復動発生装置9を設けた構成であるため、シート材4,4を直線や曲線軌道状に間欠送りする要領(手順)は、被縫製生地を送る場合と同じである。よって、縫製用ミシンの熟練者であれば、本発明の溶着装置を容易に使いこなすことが可能である。さらに、使用による摩耗の著しい押圧部材1を、交換自在としたので、実用的で、かつ、技術上合理的である。
【0022】
以上のように、本発明に係る超音波溶着装置は、超音波振動するホーン具2の被加工シート受け面3に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材1を備え、間欠的に送られるシート送り方向から見て、押圧部材1は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面14を有する三角刃形状として最先端に切断エッジ13を有していることから、押圧部材1により、溶断部40と溶着部41を、同時に並列状に加工できるので、直線状はもちろんのこと、小さな曲率半径の弯曲状にも形成することができる。しかも、溶断部40を、溶着部41に沿って形成できるので、高精度な形状の製品を容易に製造することができる。そして、溶着部41の幅を確実に一定にすることができる。また、溶断部の最も近い部位が最も強く溶着されて、端縁から剥離せず、端縁が美しい形状となる。
しかも、溶着・溶断作業の際にシート材に皺がよるのを防止でき、製品の仕上がりが一層良いものとなる。
【0023】
また、シート送り方向から見て切断エッジ13の先端のエッジ角度θが相違する複数の押圧部材1を備え、かつ、複数の押圧部材1から選択した一の押圧部材1が交換自在に取付けられ押圧部材1を往復動自在に保持する取付本体11を備えているので、押圧部材1を選択して用いることで、シート材4,4の厚さ寸法T4 に対応した最適な幅寸法Pの溶着部41を加工することができる。よって、様々な厚さ寸法T4 のシート材4,4から、多種の製品を製造することができる。
【0024】
また、エッジ角度θが相違する複数の押圧部材1のうち、厚さ寸法T4 が小さい被加工シート材4,4に対しては、エッジ角度θが大きい押圧部材1が選択され、かつ、厚さ寸法T4 が大きいシート材4,4に対しては、エッジ角度θが小さい押圧部材1が選択されるので、厚さ寸法Tが大きいシート材4,4には、切断エッジ13を強く鋭く食い込ませることができ、鮮やかな切れ味の溶断部40を形成することができる。また、厚さ寸法T4 が小さいシート材4,4には、幅寸法Pが大きめの溶着部41を形成できるので、溶着部41の溶着力が強く、2枚のシート材4,4が容易に分離するのを防ぐことができる。
【0025】
また、取付本体11に、シート送り方向における押圧部材1の後方に設けられ、押圧部材1による溶着・溶断の際にシート材4,4を押さえ付ける弾性押さえ部材6を備えているので、押圧部材1による溶着・溶断時にシート材4,4が左右や前後方向へずれるのを防ぐことができ、シート材4,4を所望の送り方向へ正確に(歪むことなく)送ることができる。よって、所望の形状の製品を正確に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の超音波溶着装置の実施の一形態を示す側面図である。
【図2】取付本体と押圧部材を示す正面図である。
【図3】底面図である。
【図4】押圧部材を示す側面図である。
【図5】正面図である。
【図6】説明用側面図である。
【図7】要部拡大正面断面図である。
【図8】要部拡大正面断面図である。
【図9】溶着後のシート材を示す説明用断面図である。
【図10】要部拡大正面断面図である。
【図11】図1のイ−イ断面図である。
【図12】溶着後のシート材を示す平面図である。
【図13】溶着後のシート材を示す斜視図である。
【図14】溶着後のシート材を開いた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 押圧部材
2 ホーン具
3 被加工シート受け面
4 シート材
6 弾性押さえ部材
11 取付本体
13 切断エッジ
14 押圧端面
θ エッジ角度
T4 厚さ寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動するホーン具(2)の被加工シート受け面(3)に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材(1)を備え、間欠的に送られるシート送り方向から見て、該押圧部材(1)は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面(14)を有する三角刃形状として最先端に切断エッジ(13)を有していることを特徴とする超音波溶着装置。
【請求項2】
シート送り方向から見て上記切断エッジ(13)の先端のエッジ角度(θ)が相違する複数の押圧部材(1)を備え、
かつ、該複数の押圧部材(1)から選択した一の押圧部材(1)が交換自在に取付けられ該押圧部材(1)を往復動自在に保持する取付本体(11)を備えた請求項1記載の超音波溶着装置。
【請求項3】
上記エッジ角度(θ)が相違する複数の押圧部材(1)のうち、厚さ寸法(T4 )が小さい被加工シート材(4)(4)に対しては、該エッジ角度(θ)が大きい押圧部材(1)が選択され、かつ、厚さ寸法(T4 )が大きい上記シート材(4)(4)に対しては、該エッジ角度(θ)が小さい押圧部材(1)が選択される請求項2記載の超音波溶着装置。
【請求項4】
上記取付本体(11)に、シート送り方向における上記押圧部材(1)の後方に設けられ、上記押圧部材(1)による溶着・溶断の際に上記シート材(4)(4)を押さえ付ける弾性押さえ部材(6)を備えた請求項2又は3記載の超音波溶着装置。
【請求項1】
超音波振動するホーン具(2)の被加工シート受け面(3)に対して直交方向から往復動自在に押圧される押圧部材(1)を備え、間欠的に送られるシート送り方向から見て、該押圧部材(1)は、その先端に、傾斜状溶着用押圧端面(14)を有する三角刃形状として最先端に切断エッジ(13)を有していることを特徴とする超音波溶着装置。
【請求項2】
シート送り方向から見て上記切断エッジ(13)の先端のエッジ角度(θ)が相違する複数の押圧部材(1)を備え、
かつ、該複数の押圧部材(1)から選択した一の押圧部材(1)が交換自在に取付けられ該押圧部材(1)を往復動自在に保持する取付本体(11)を備えた請求項1記載の超音波溶着装置。
【請求項3】
上記エッジ角度(θ)が相違する複数の押圧部材(1)のうち、厚さ寸法(T4 )が小さい被加工シート材(4)(4)に対しては、該エッジ角度(θ)が大きい押圧部材(1)が選択され、かつ、厚さ寸法(T4 )が大きい上記シート材(4)(4)に対しては、該エッジ角度(θ)が小さい押圧部材(1)が選択される請求項2記載の超音波溶着装置。
【請求項4】
上記取付本体(11)に、シート送り方向における上記押圧部材(1)の後方に設けられ、上記押圧部材(1)による溶着・溶断の際に上記シート材(4)(4)を押さえ付ける弾性押さえ部材(6)を備えた請求項2又は3記載の超音波溶着装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−119837(P2008−119837A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302775(P2006−302775)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(506374661)有限会社紀和金属 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(506374661)有限会社紀和金属 (1)
【Fターム(参考)】
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