説明

超音波電動ステージ

【課題】操作性及びデザイン性を向上させると共に、超音波モータ駆動時に発生する磨耗粉による変位センサの誤作動を防止する。
【解決手段】超音波電動ステージは、ベース部1と、Yテーブル2と、Xテーブル3と、Yテーブル2を駆動するリニア式超音波モータ6と、Yテーブル2の移動量を検出する光学式リニアセンサ7と、Xテーブル3を駆動するリニア式超音波モータ4と、Xテーブル3の移動量を検出する光学式リニアセンサ5とを備える。ここで、リニア式超音波モータ6、光学式リニアセンサ7、リニア式超音波モータ4、及び光学式リニアセンサ5は、Xテーブル3の上面よりも上方に迫り出すことなく、当該超音波電動ステージの前面以外の位置であって、且つ、リニア式超音波モータ6及び又は4の駆動時に発生する磨耗粉が光学式リニアセンサ7及び5に悪影響を及ぼさない位置に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニア式超音波モータを用いた超音波電動ステージに関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡用ステージにおいては、手動ステージに代わって電動ステージが普及してきており、ステージ駆動部においては、ステッピングモータを使った電動化が多く見られる。例えば、特許文献1に記載の電動ステージ移動機構では、ステージ前面及び側面の2方向にステージ駆動部を取り付け、平面方向へのステージ移動を可能にしている。顕微鏡分野においては、ステージに微小駆動が求められることも多く、変位センサを兼備し、フィードバック制御を用いる電動ステージも多い。
【0003】
一方、超音波モータは小型であり、高い応答性を持ち、微小駆動が可能などの特徴があることから、ステージ駆動部のアクチュエータとして用いられるようになっている。超音波モータは、移動対象側に取り付けられた摺動板を蹴って動作するものである。現状では、変位センサ無しでの移動量制御ができないことから、ほとんどの超音波モータは変位センサと共に使用されている。変位センサとしては、測定対象側に取り付けられたスケールを光学的に読み取るものが利用されている。これら、超音波モータ、摺動板、変位センサ、及びスケールがステージ駆動部として用いられ、例えば、特許文献2に記載のステージのように摺動板とスケールを一体化することで変位検出精度の向上を図るなど、開発が進んでいる。
【特許文献1】特開2003−114291号公報
【特許文献2】特開平11−352265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の電動ステージ移動機構等のような電動ステージにおいては、ステージ駆動部を前面及び側面に配置することで平面方向のステージ動作を可能にしているが、ステージ駆動部が大型ということもあり、ステージ前面や上面へのステージ駆動部の迫り出しによって、顕微鏡のデザイン性と操作性、及び、ステージ上での作業性が悪化している。ステージは、その性質上、顕微鏡の手前に置かれ、顕微鏡の操作性やデザイン上にも大きなウエイトを占めている。また、ステージ上での人手による作業も多く、ステージ前面や上面への迫り出しが邪魔になるのに加え、大きな観察対象をステージに載せる場合には、上面に迫り出したステージ駆動部によってステージ上での観察が阻害される虞もある。また、変位センサを備える電動ステージの場合には、その変位センサの分だけステージ駆動部が大型になりやすく、上記と同様の問題が生じ得る。
【0005】
特許文献2に記載のステージ等のような小型である超音波モータを用いた電動ステージにおいても、上記と同様にステージ前面や上面への迫り出しは避けられるべきであり、ステージはその性能を保ったまま、ステージ駆動部を小型化し、ステージ全体をコンパクトにすることが求められている。また、超音波モータを用いた電動ステージにおいては、超音波モータ駆動時に、これと摺動板との間で発生した磨耗粉がスケールに付着する等してしまうと、変位センサが誤作動する虞があるので、そのような変位センサの誤作動を防止するようなステージ駆動部の配置及び構成が求められている。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑み、ステージ前面及び上面へのステージ駆動部の迫り出しを無くして操作性及びデザイン性を向上させると共に、超音波モータ駆動時に発生する磨耗粉による変位センサの誤作動を防止する、超音波モータを用いた超音波電動ステージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る超音波電動ステージは、ベース部と、前記ベース部に対して平行移動可能に支持される第1のテーブルと、前記第1のテーブルを駆動する第1のリニア式超音波モータと、前記第1のテーブルの移動量を検出する第1の光学式リニアセンサと、前記第1のテーブルに対して、前記第1のテーブルの移動方向に対して直角方向に、平行移動可能に支持される第2のテーブルと、前記第2のテーブルを駆動する第2のリニア式超音波モータと、前記第2のテーブルの移動量を検出する第2の光学式リニアセンサと、を備える超音波電動ステージであって、前記第1のリニア式超音波モータ、前記第1の光学式リニアセンサ、前記第2のリニア式超音波モータ、及び前記第2の光学式リニアセンサは、前記第2のテーブルの上面よりも上方に迫り出すことなく、当該超音波電動ステージの前面以外の位置であって、且つ、前記第1のリニア式超音波モータ及び又は前記第2のリニア式超音波モータの駆動時に発生する磨耗粉が前記第1の光学式リニアセンサ及び前記第2の光学式リニアセンサに悪影響を及ぼさない位置に配置される、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係る超音波電動ステージは、上記第1の態様において、前記第1のリニア式超音波モータと前記第1の光学式リニアセンサは、前記第1のテーブルの駆動軸を挟む当該超音波電動ステージの2つの側面に分かれて配置される、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第3の態様に係る超音波電動ステージは、上記第1の態様において、前記第1のリニア式超音波モータと前記第1の光学式リニアセンサは、前記第1のテーブルの駆動軸を挟む当該超音波電動ステージの2つの側面のうちの一方に、積み重なるように配置される、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第4の態様に係る超音波電動ステージは、上記第3の態様において、前記第1のリニア式超音波モータは、前記第1の光学式リニアセンサの上方に配置される、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第5の態様に係る超音波電動ステージは、上記第3の態様において、前記第1のリニア式超音波モータは、前記第1の光学式リニアセンサの下方に配置され、前記第1のリニア式超音波モータと前記第1の光学式リニアセンサとの間に、前記第1のリニア式超音波モータの駆動時に発生する磨耗粉を受け止める第1の磨耗粉受け部が設けられる、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第6の態様に係る超音波電動ステージは、上記第1の態様において、前記第1のリニア式超音波モータと前記第1の光学式リニアセンサは、前記第1のテーブルの駆動軸を挟む当該超音波電動ステージの2つの側面のうちの一方に、横並びになるように配置される、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第7の態様に係る超音波電動ステージは、上記第1乃至6の何れか一つの態様において、前記第2のリニア式超音波モータと前記第2の光学式リニアセンサは、当該超音波電動ステージの背面に、高さ方向に積み重なるように配置される、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第8の態様に係る超音波電動ステージは、上記第7の態様において、前記第2のリニア式超音波モータは、前記第2の光学式リニアセンサの上方に配置される、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第9の態様に係る超音波電動ステージは、上記第7の態様において、前記第2のリニア式超音波モータは、前記第2の光学式リニアセンサの下方に配置され、前記第2のリニア式超音波モータと前記第2の光学式リニアセンサとの間に、前記第2のリニア式超音波モータの駆動時に発生する磨耗粉を受け止める第2の磨耗粉受け部が設けられる、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第10の態様に係る超音波電動ステージは、上記第1乃至6の何れか一つの態様において、前記第2のリニア式超音波モータと前記第2の光学式リニアセンサは、当該超音波電動ステージの背面に、横並びになるように配置される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ステージ前面及び上面へのステージ駆動部の迫り出しを無くすことにより操作性及びデザイン性を向上させることができると共に、超音波モータ駆動時に発生する磨耗粉による変位センサの誤作動を防止することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超音波電動ステージの構成例を模式的に示す図である。図2は、図1に示した超音波電動ステージのX−X´断面を詳細に示す図である。図3は、図1に示した超音波電動ステージのY−Y´断面を詳細に示す図である。
【0019】
本実施形態に係る超音波電動ステージは、顕微鏡用ステージとして使用されるものである。まず、図1を用いて、その概略構成を説明する。
同図に示したように、本実施形態に係る超音波電動ステージは、顕微鏡取り付け部となるベース部1と、ベース部1上に設けられ、ベース部1に対してY方向に平行移動可能に支持されるYテーブル2と、Yテーブル2上に設けられ、Yテーブル2に対してX方向に平行移動可能に支持されるXテーブル3とを有する。
【0020】
超音波電動ステージの背面には、Yテーブル2に対してXテーブル3をX方向に駆動するためのリニア式超音波モータ4と、Xテーブル3の移動量を検出するための変位センサである光学式リニアセンサ5とが設けられている。また、超音波電動ステージの一方の側面には、ベース部1に対してYテーブル2をY方向に駆動するためのリニア式超音波モータ6が設けられ、超音波電動ステージの他方の側面には、Yテーブル2の移動量を検出するための変位センサである光学式リニアセンサ7が設けられている。
【0021】
なお、同図では、説明の便宜のため、リニア式超音波モータ4、光学式リニアセンサ5、リニア式超音波モータ6、及び光学式リニアセンサ7を、模式的に示している。
また、同図に示したように、本実施形態に係る超音波電動ステージでは、リニア式超音波モータ4、光学式リニアセンサ5、リニア式超音波モータ6、及び光学式リニアセンサ7が、Xテーブル3の上面よりも上方に迫り出すことなく、超音波電動ステージの前面以外の位置であって、且つ、詳しくは後述するが、リニア式超音波モータ4及び又は6の駆動時に発生する磨耗粉が光学式リニアセンサ5及び7に悪影響を及ぼさないような位置に配置されるようになっている。
【0022】
続いて、図2及び図3を用いて、本実施形態に係る超音波電動ステージの詳細構成を説明する。
本実施形態に係る超音波電動ステージでは、図3に示したように、ベース部1とYテーブル2との間にYリニアガイド8a、8bが配置され、それぞれにおいて、一方の部分がベース部1に固定され、他方の部分がYテーブル2に固定されている。これによって、ベース部1に対してYテーブル2がY方向に平行移動できるようになっている。また、図2に示したように、Yテーブル2とXテーブル3との間にはXリニアガイド9a、9bが配置され、それぞれにおいて、一方の部分がYテーブル2に固定され、他方の部分がXテーブル3に固定されている。これによって、Yテーブル2に対してXテーブル3がX方向に平行移動できるようになっている。
【0023】
図3に示したように、ベース部1の一方の側面にはY摺動板10が設けられ、これに対向する位置に、Yテーブル2に固定されたリニア式超音波モータ6がY摺動板10に接するように設けられている。これにより、リニア式超音波モータ6が駆動する(リニア式超音波モータ6がY摺動板10を蹴る)ことによってYテーブル2をベース部1に対してY方向に平行移動させることができるようになっている。また、ベース部1の他方の側面にはYリニアスケール11が設けられ、これに対向する位置に、Yテーブル2に固定された光学式リニアセンサ7が所定の間隔を空けて設けられている。これにより、Yテーブル2の移動量を検出することができるようになっている。
【0024】
図2に示したように、Xテーブル3における超音波電動ステージの背面側となる面の下部にはX摺動板12が設けられ、これに対向する位置に、Yテーブル2に固定されたリニア式超音波モータ4がX摺動板12に接するように設けられている。これにより、リニア式超音波モータ4が駆動する(リニア式超音波モータ4がX摺動板12を蹴る)ことによってXテーブル3をYテーブル2に対してX方向に平行移動させることができるようになっている。また、Xテーブル3の同面の上部にはXリニアスケール13が設けられ、これに対向する位置に、Yテーブル2にセンサ固定部材14を介して固定された光学式リニアセンサ5が所定の間隔を空けて設けられている。これにより、Xテーブル3の移動量を検出することができるようになっている。
【0025】
以上のように、本実施形態に係る超音波電動ステージでは、リニア式超音波モータ6と光学式リニアセンサ7が、Yテーブル2の駆動軸を挟む当該超音波電動ステージの両側面に分けて配置され、リニア式超音波モータ4と光学式リニアセンサ5が、当該超音波電動ステージの背面に上下に積み重なるように配置される。
【0026】
以上の構成によれば、超音波電動ステージの背面において、リニア式超音波モータ4と光学式リニアセンサ5が上下の位置に積み重なるようにまとめて配置され、それに対応してX摺動板12とXリニアスケール13が効率よく配置されるので、テーブルのX方向長さを変えずに、X方向の可動域を広く確保することができる。
【0027】
また、リニア式超音波モータ4を光学式リニアセンサ5の上方に配置することで、リニア式超音波モータ4の駆動時に、これとX摺動板12との間に発生する磨耗粉が光学式リニアセンサ5に悪影響を及ぼすことを防止することができる。よって、その磨耗粉による光学式リニアセンサ5の誤作動を防止することができる。なお、リニア式超音波モータ4と光学式リニアセンサ7との位置は離れており、リニア式超音波モータ6と光学式リニアセンサ5及び7との位置も離れていることから、リニア式超音波モータ4の駆動時に発生する磨耗粉が光学式リニアセンサ7に悪影響を及ぼすことはなく、また、リニア式超音波モータ6の駆動時に発生する磨耗粉が光学式リニアセンサ5及び7に悪影響を及ぼすこともない。
【0028】
また、リニア式超音波モータ6と光学式リニアセンサ7が、超音波電動ステージの側面に分かれて配置されることで、Y方向の可動域を広く確保しつつ、当該超音波電動ステージ高さを低くすることができる。
【0029】
また、リニア式超音波モータ4、光学式リニアセンサ5、X摺動板12、Xリニアスケール13、リニア式超音波モータ6、光学式リニアセンサ7、Y摺動板10、及びYリニアスケール11が、当該超音波電動ステージ前面及び上面に迫り出すことはないので、顕微鏡のデザイン性と操作性、及び、ステージ上での作業性が保たれ、手動ステージ以上のデザイン性と機能性を実現することができる。
【0030】
なお、本実施形態に係る超音波電動ステージにおいては各種の変形が可能である。
例えば、リニア式超音波モータ6及びY摺動板10の配置位置と、光学式リニアセンサ7及びYリニアスケール11の配置位置とを入れ替えることも可能である。すなわち、リニア式超音波モータ6及びY摺動板10が配置されていた側の側面に、光学式リニアセンサ7及びYリニアスケール11を配置し、光学式リニアセンサ7及びYリニアスケール11が配置されていた側の側面に、リニア式超音波モータ6及びY摺動板10を配置することも可能である。
【0031】
また、例えば、リニア式超音波モータ4とX摺動板12の固定先を入れ替えることも可能である。すなわち、リニア式超音波モータ4をXテーブル3に固定し、X摺動板12をYテーブル2に固定することも可能である。同様に、光学式リニアセンサ5とXリニアスケール13の固定先、リニア式超音波モータ6とY摺動板10の固定先、及び、光学式リニアセンサ7とYリニアスケール11の固定先も、それぞれ入れ替えることが可能である。
【0032】
また、例えば、超音波電動ステージの背面において、リニア式超音波モータ4及びX摺動板12の配置位置と、光学式リニアセンサ5及びXリニアスケール13の配置位置とを、図4に示すように、上下逆にすることも可能である。但し、この場合には、リニア式超音波モータ4の駆動時に、これとX摺動板12との間に発生する磨耗粉が光学式リニアセンサ5に悪影響を及ぼさないように、同図に示したように、リニア式超音波モータ4と光学式リニアセンサ5との間に、センサ固定部材14を介してYテーブル2に固定される磨耗粉受け部15が配置される。なお、この場合には、リニア式超音波モータ4もセンサ固定部材14を介してYテーブル2に固定される。
【0033】
このような構成により、光学式リニアセンサ5が、その固定台となるYテーブル2の近くに配置されるようになるので安定し、センサ精度を向上させることができる。また、磨耗粉受け部15の配置により、リニア式超音波モータ4とX摺動板12との間に発生する磨耗粉が磨耗粉受け部15に受け止められるようになるので、磨耗粉対策を講じることができる。
【0034】
また、例えば、超音波電動ステージの背面において、リニア式超音波モータ4及びX摺動板12の配置位置と、光学式リニアセンサ5及びXリニアスケール13の配置位置とを、図5に示すように、横並びの配置とすることも可能である。なお、同図は、図3に対応する図であるが、Yテーブル2以下の部分を断面図として示し、Yテーブル2よりも上の部分を背面図として示している。このような構成により、超音波電動ステージの高さを抑えることができる。また、同図に示した構成において、Yテーブル2に対するXテーブル3の可動域を、より広く確保したい場合には、X摺動板12とXリニアスケール13とが重ならないように、X摺動板12又はXリニアスケール13を高さ方向にずらして配置させることも可能である。なお、この場合には、それに伴って、対応する位置にリニア式超音波モータ4及び光学式リニアセンサ5が配置されることは勿論のことである。
【0035】
また、例えば、これまでに説明してきた超音波電動ステージ背面における、リニア式超音波モータ4、X摺動板12、光学式リニアセンサ5、及びXリニアスケール13に係る配置構成を、リニア式超音波モータ6、Y摺動板10、光学式リニアセンサ7、及びYリニアスケール11に係る配置構成に適用することも可能である。リニア式超音波モータ6、Y摺動板10、光学式リニアセンサ7、及びYリニアスケール11を、片側の側面にまとめて配置する場合には、超音波電動ステージの左右どちらに配置しても構わないことはもちろんのことである。この場合には、超音波電動ステージの横方向を、よりコンパクトに構成できる。また、この場合には、図2及び図4に示したものと同様に、リニア式超音波モータ6と光学式リニアセンサ7を上下に積み重ねるように配置することも可能であるし、図5に示したものと同様に、リニア式超音波モータ6と光学式リニアセンサ7を横並びに配置することも可能である。もちろん、リニア式超音波モータ6を光学式リニアセンサ7の上方に配置する場合には、図4に示したものと同様に、リニア式超音波モータ6と光学式リニアセンサ7との間に磨耗粉受け部が配置される。
【0036】
また、例えば、これまでに説明してきた、リニア式超音波モータ4とX摺動板12の固定先、光学式リニアセンサ5とXリニアスケール13の固定先、リニア式超音波モータ6とY摺動板10の固定先、及び、光学式リニアセンサ7とYリニアスケール11の固定先も、それぞれ入れ替えることが可能である。
【0037】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び変更を行っても良いのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】一実施の形態に係る超音波電動ステージの構成例を模式的に示す図である。
【図2】図1に示した超音波電動ステージのX−X´断面を詳細に示す図である。
【図3】図1に示した超音波電動ステージのY−Y´断面を詳細に示す図である。
【図4】一実施の形態の変形例に係る超音波電動ステージのX−X´断面を詳細に示す図である。
【図5】一実施の形態の変形例に係る超音波電動ステージのY−Y´断面を詳細に示すものであって、一部に背面図を含む図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ベース部
2 Yテーブル
3 Xテーブル
4 リニア式超音波モータ
5 光学式リニアセンサ
6 リニア式超音波モータ
7 光学式リニアセンサ
8 Yリニアガイド
9 Xリニアガイド
10 Y摺動板
11 Yリニアスケール
12 X摺動板
13 Xリニアスケール
14 センサ固定部材
15 磨耗粉受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、
前記ベース部に対して平行移動可能に支持される第1のテーブルと、
前記第1のテーブルを駆動する第1のリニア式超音波モータと、
前記第1のテーブルの移動量を検出する第1の光学式リニアセンサと、
前記第1のテーブルに対して、前記第1のテーブルの移動方向に対して直角方向に、平行移動可能に支持される第2のテーブルと、
前記第2のテーブルを駆動する第2のリニア式超音波モータと、
前記第2のテーブルの移動量を検出する第2の光学式リニアセンサと、
を備える超音波電動ステージであって、
前記第1のリニア式超音波モータ、前記第1の光学式リニアセンサ、前記第2のリニア式超音波モータ、及び前記第2の光学式リニアセンサは、前記第2のテーブルの上面よりも上方に迫り出すことなく、当該超音波電動ステージの前面以外の位置であって、且つ、前記第1のリニア式超音波モータ及び又は前記第2のリニア式超音波モータの駆動時に発生する磨耗粉が前記第1の光学式リニアセンサ及び前記第2の光学式リニアセンサに悪影響を及ぼさない位置に配置される、
ことを特徴とする超音波電動ステージ。
【請求項2】
前記第1のリニア式超音波モータと前記第1の光学式リニアセンサは、前記第1のテーブルの駆動軸を挟む当該超音波電動ステージの2つの側面に分かれて配置される、
ことを特徴とする請求項1記載の超音波電動ステージ。
【請求項3】
前記第1のリニア式超音波モータと前記第1の光学式リニアセンサは、前記第1のテーブルの駆動軸を挟む当該超音波電動ステージの2つの側面のうちの一方に、積み重なるように配置される、
ことを特徴とする請求項1記載の超音波電動ステージ。
【請求項4】
前記第1のリニア式超音波モータは、前記第1の光学式リニアセンサの上方に配置される、
ことを特徴とする請求項3記載の超音波電動ステージ。
【請求項5】
前記第1のリニア式超音波モータは、前記第1の光学式リニアセンサの下方に配置され、
前記第1のリニア式超音波モータと前記第1の光学式リニアセンサとの間に、前記第1のリニア式超音波モータの駆動時に発生する磨耗粉を受け止める第1の磨耗粉受け部が設けられる、
ことを特徴とする請求項3記載の超音波電動ステージ。
【請求項6】
前記第1のリニア式超音波モータと前記第1の光学式リニアセンサは、前記第1のテーブルの駆動軸を挟む当該超音波電動ステージの2つの側面のうちの一方に、横並びになるように配置される、
ことを特徴とする請求項1記載の超音波電動ステージ。
【請求項7】
前記第2のリニア式超音波モータと前記第2の光学式リニアセンサは、当該超音波電動ステージの背面に、高さ方向に積み重なるように配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の超音波電動ステージ。
【請求項8】
前記第2のリニア式超音波モータは、前記第2の光学式リニアセンサの上方に配置される、
ことを特徴とする請求項7記載の超音波電動ステージ。
【請求項9】
前記第2のリニア式超音波モータは、前記第2の光学式リニアセンサの下方に配置され、
前記第2のリニア式超音波モータと前記第2の光学式リニアセンサとの間に、前記第2のリニア式超音波モータの駆動時に発生する磨耗粉を受け止める第2の磨耗粉受け部が設けられる、
ことを特徴とする請求項7記載の超音波電動ステージ。
【請求項10】
前記第2のリニア式超音波モータと前記第2の光学式リニアセンサは、当該超音波電動ステージの背面に、横並びになるように配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の超音波電動ステージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−60789(P2010−60789A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225726(P2008−225726)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】