超高純度電子級化学試薬生産方法
【課題】本発明は超高純度電子級化学試薬生産方法に係り、工業級純度の試薬を原料として、化学前処理、濾過を経て、取得する濾過液を精留する。
【解決手段】精留プロセスで、蒸気を加熱して過熱蒸気を形成し、過熱蒸気が微小孔のある膜を通して不純物固体顆粒を濾過で除去する。蒸気を冷却した後、二級膜濾過を行い、ほこり顆粒を除去する。上記の設計を通じて、本発明の超高純度電子級化学試薬生産方法はSEMI-C12標準に合う超高純度電子級イソプロパノール及びSEMI-C8標準に合う超高純度電子級塩酸の大規模の連続化生産に適する。
【解決手段】精留プロセスで、蒸気を加熱して過熱蒸気を形成し、過熱蒸気が微小孔のある膜を通して不純物固体顆粒を濾過で除去する。蒸気を冷却した後、二級膜濾過を行い、ほこり顆粒を除去する。上記の設計を通じて、本発明の超高純度電子級化学試薬生産方法はSEMI-C12標準に合う超高純度電子級イソプロパノール及びSEMI-C8標準に合う超高純度電子級塩酸の大規模の連続化生産に適する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高純度電子級化学試薬生産方法に係り、特に超高純度電子級塩酸と超高純度電子級イソプロパノールの生産方法に係る。
【背景技術】
【0002】
超高純度電子級化学試薬(Ultra-clean and High-purity Reagents)は、プロセス化学品(Process Chemicals)、又は湿った化学品(Wet Chemicals)とも称されて、超大規模集積回路製作プロセスでの重要な基礎化学材料の一つである。超高純度電子級塩酸とイソプロパノールは皆マイクロエレクトロニクス化学試薬での重要な品種であり、半導体部品の生産、超大規模集積回路アセンブリ及び加工プロセスでの洗浄と腐食に広範に応用されている。
【0003】
ここ数年来、IT工業の速い発展の為、使用する化学試薬純度の要求が日増しに高くなる。特に集積回路の寸法が微小化へ、処理が高速化方向へ発展することに連れて、電子級化学品の純度に一層厳しい要求を提出した。電子級塩酸、イソプロパノールの純度は、単個陽イオン含有量のppm級から、現在のppb級に発展した。これと相応して、電子級塩酸、イソプロパノールに対する要求もSEMI-C1とSEMI-C7標準からSEMI-C8とSEMI-C12標準に向上した。
【0004】
イソプロパノールと塩酸等の液体化学試薬にとって、現在主に亜沸点蒸留又は精留の方法で生産される。亜沸点蒸留は、熱輻射の原理を利用して、液相温度が沸点温度より低いことを保持して、蒸発、凝縮を通じて高純試薬を製作する方法である。但し、今まで、亜沸点蒸留に成熟した規模化生産方法がない。これに、近沸点蒸留又は精留の方法で製作されるイソプロパノールと塩酸に不純物含有量が高すぎた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許CN101362675A
【特許文献2】特許CN1644487A
【特許文献3】特許CN1326766C
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
《Pure and applied chemistry》(1986,(10):1412〜1418)は、高純度イソプロパノールの制作方法を公布した。酸化カルシウム又は酸化マグネシウム粉を加入して、沃素を活性剤として回流を行う。これから分留コラムで数回の精留を行い、製作されたイソプロパノール含有量が99.94%で、水含有量が600ppmである。当該方法で製作された産物の含水量が高すぎた。
【0007】
朱斌等は、《工業級イソプロパノール・電子級イソプロパノール連続生産》(《天然ガス化工》、2009,34(2):67)で公布された電子級イソプロパノール生産方法の内に、サブ沸騰精留と間歇精留と結びつき方式で、工業級イソプロパノール・電子級イソプロパノール連続生産プロセスを実現して、生産されたイソプロパノールはSEMI-C8標準に達することができる。但し、当方法の生産率が低い。
【0008】
特許CN101362675Aは、超高純度イソプロパノール制作方法を公開して、これが4級精留方式を採用して工業級イソプロパノールを純化する方法である。当該方法は多級精留で、危険性が高く、エネルギー消費が大きい。
【0009】
特許CN1644487Aは、低温蒸発によって超高純度塩酸を製作する装置を公開して、塩化水素ガスを二級の洗浄タワーと気泡塔を経て、吸収塔で伝導度水で吸收する。その後、不活性ガスのガス環境で低温蒸発を行い、最後に精密濾過を実施する。電子級塩酸を製作できるが、当該方法で使用される設備が複雑すぎた。
【0010】
特許CN1326766Cは、電子級塩酸を製作する生産プロセス方法を公開して、生産した製品の純度が超大規模集積回路(VLSI)生産用MOS級又はBV-III級標準を満足するだけで、純度に限りがある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、超高純度電子級化学試薬生産プロセスと方法を提供して、工業級(industrial grade)イソプロパノールと塩酸を原料として、精留と加熱蒸気微小孔のある膜濾過を結びつくことによって、SEMI-C8或SEMI-C12標準に合うイソプロパノール和塩酸を製作できる。それに生産高が高く、製品の品質が安定で、伝統的な製作方法での不純物含有量過大の不足点を克服した。
【0012】
本発明は、超高純度電子級化学試薬的生産方法で、手順は下記の通りである。
(1)室温の下で、工業級塩酸又はイソプロパノールに化学前処理を実施することによって、純度を向上する。濾過を実施して、濾過液を収集する。
(2)濾過液を精留する。精留のプロセスで、蒸気を更に加熱することによって、加熱蒸気を形成して、これから微小孔のある膜を通して過熱蒸気を濾過する。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、それにフラックションを微小孔のある膜を通して濾過して、濾過液の中の顆粒数をコントロールして、超高純度電子級塩酸又はイソプロパノールを得る。これから、液体タンクに貯蔵する。
【0013】
前記微小孔のある膜の穴径は不純物含有量要求によって決められる。一般に、0.1〜0.5μmを選ぶ。それに、最適化されたものは、パーフルオロ高分子材料から製作された膜と支えからなる。
【0014】
前記加熱蒸気温度が高くなくても良い。それに前記加熱蒸気温度が蒸気温度より2〜10℃高いようコントロールしては良い。
【0015】
前記精留プロセスで、精留塔内気体流を0.5〜1.5メートル/秒にコントロールすることが適切である。
【0016】
前記生産方法に基づく最適化された実施方式で、手順は下記の通り。
(1)工業級イソプロパノールにに脱水剤を加入して、脱水前処理を0.5〜1.5時間実施して、濾過して濾過液を収集する。
(2)精留塔頂上部温度が82〜83℃条件の下で、濾過液を常圧精留を行い、それにタワー内の気流速度を0.5〜1.5メートル/秒ににコントロールする。精留のプロセスで、蒸気を加熱して84〜86℃の過熱蒸気を形成して、これから、過熱蒸気を0.1μmの微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、それにフラックションを微小孔のある膜を通して濾過して、濾過液の中粒径が0.2μmより大きな顆粒数を5個/ml以下にコントロールして、超高純度電子級イソプロパノールを得る。
【0017】
この内に、前記の最適化された脱水剤が塩化カルシウムであり、前記の塩化カルシウムと工業級イソプロパノールとの最適化された重量比が3〜5:100である。
【0018】
前記生産方法に基づく他の最適化された実施方式で、手順は下記の通り。
(1)工業級塩酸に脱砒素剤を入れて、脱砒素前処理を0.5〜1.5時間行い、濾過して濾過液を収集する。
(2)精留塔頂上部温度が115〜116℃条件の下で、濾過液を常圧精留を行い、それにタワー内の気流速度を0.5〜1.5メートル/秒ににコントロールする。精留のプロセスで、蒸気を加熱して118〜120℃の過熱蒸気を形成して、これから、過熱蒸気を0.1μmの微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、二級の微小孔のある膜濾過を行う。濾過液での粒径が0.5μmより大きな顆粒数量を5個/ml以下に制御して、超高純度電子級塩酸を得る。
【0019】
この内に、前記の最適化された脱砒素剤が40%質量濃度のヒドラジン水和物である。最適化された前記のヒドラジン水和物とと工業級塩酸との重量比が5〜8:100である。
【0020】
以上生産方法のプロセスで、前記イソプロパノール又は塩酸と接触する容器又は管壁は、最適に高純度石英又は高純度パーフルオロ高分子材料から製作される。前記の液体タンクは、最適に高純度パーフルオロ高分子材料から製作される。
【0021】
本発明方法で生産された超高純度イソプロパノールの内に、その主体含有量が99.80%以上で、単一金属イオン不純物の含有量が0.1ppbより低く、0.2μmより大きいほこり顆粒が5個/mlより低いので、SEMI-C12標準に合う。
【0022】
本発明方法で生産された超高純度塩酸の内に、その主体含有量が合格で、単一金属イオン不純物の含有量が1ppbより低く、0.5μmり大きいほこり顆粒が10個/mlより低いので、SEMI-C8標準に合う。
【発明の効果】
【0023】
本発明で蒸気加熱方法を採用して、塔上部の蒸気と飛沫を料液沸点以上に加熱することによって、飛沫を除去して、ガスと微細不純物イオンが残った固体不純物顆粒だけ残って、二回の濾過膜を通じて、不純物イオンとほこり顆粒を濾過・除去できて、伝統的方法による高不純物含有の欠点をなくすことができる。これに、本発明の生産方法を採用することによって、生産量を0.5〜1倍向上し、蒸気を半分以上節約できて、大規模な連続化生産に適する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明での超高純度電子級化学試薬生産方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照して、精留塔を例として、本発明での超高純度電子級化学試薬の製作方法を具体に下記の通り説明する。
【0026】
(段取り1)常温の下で、工業級塩酸(industrial hydrochloric acid)又は工業級イソプロパノール(industrial isopropanol)を工業級原料タンクを通じて前処理器内に入れてから、脱水剤、脱砒素剤、酸化剤、還元剤等を含む前処理用試薬を前処理試薬槽を通して前処理器内に入れて、工業級原料に対して化学前処理を行い、主な不純物を除去することによって、純度を向上する。
濾過を行い、濾過液を収集する。
【0027】
(段取り2)濾過液を精留塔に転移して精留を実施する。
精留時に塔内気体流を0.5〜1.5メートル/秒にコントロールする。
精留塔内に加熱器が取り付けられて、精留のプロセスで、蒸気を更に加熱して、加熱蒸気を発生させ、精留塔上部に微小孔のある膜濾過器が取り付けられて、加熱蒸気に対して微小孔のある膜濾過を行う。
前記微小孔のある膜濾過器の主な構造は、微小孔のある膜であり、微小孔のある膜はテフロン(登録商標)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体等パーフルオロ高分子材料(即ち、炭素原子と繋がる水素原子が全部フッ素原始により代替された高分子)から製作された膜と枠からなる。パーフルオロ高分子材料は、超常的な化学安定性と広い使用温度を持ち、殆どすべての化学試薬に応用できる。微小孔のある膜の穴径を不純物含有量によって選択できるが、一般に0.1〜0.5μmを採用しては良い。
普通の精留プロセスで飛沫があり、飛沫内に一部分の不純物が混入されて、フラクション収集時にこれらの不純物がフラクションに入る可能性がある。これで、製品の純度が要求を満足しないようにする。但し、蒸気を加熱することによって、飛沫を気化できるので、蒸気での飛沫を除去できる。しかし、蒸気加熱温度が過大しなくても良く、蒸気温度より2〜10℃高くても良い。温度が高すぎると、熱エネルギーの無駄を致し、これと同時に濾過膜を損壊して、又は微小孔のある膜の使用寿命を短縮する。
【0028】
(段取り3)微小孔のある膜濾過器の加熱蒸気を冷却塔を通して冷却して、フラクションを収集する。移送ポンプを使ってフラクションを二級膜濾過器に入れて二級微小孔のある膜濾過を実施し、ほこり顆粒を除去する。これで完成品を得て、液体タンクに貯蔵する。精留プロセスで残る副製品を副製品タンクに収集する。
【0029】
上記生産プロセスで、イソプロパノール又は塩酸と接触する容器又は管壁は、全部高純度石英又は高純度パーフルオロ高分子材料から製作された。前記の液体タンクは高純度パーフルオロ高分子材料から製作された。
【0030】
生産した超高純度電子級イソプロパノールと塩酸に対して純度検査分析を行う。分析方法は下記の通り:色度はプラチナ−コバルト標準溶液を標準色として、目視比色法で分析する。イソプロパノール又は塩化水素含有量に対してガス・クロマトグラフィー分析を採用して、水含有量について、カールフィッシャー法で分析し、蒸発残留物について、重量法で分析し、陽イオンについて、プラズマ質量スペクトル(ICP-MS)分析を行い、陰イオンに対してイオン交換クロマトグラム分析を実施する。分析計器について下記表1を参照して下さい。
【0031】
【表1】
【0032】
(実施方式1)
99.0wt%工業級イソプロパノールを塩化カルシウムに加入して0.5〜1時間脱水してから濾過することで濾過液を得る。この内に、塩化カルシウム用量が100重量部工業イソプロパノール毎に3〜5重量部の塩化カルシウムを使用することである。
濾過液を精留する:精留塔頂上部温度を82〜83℃に保持して、一級常圧精留を行い、精留塔塔内気体流速が0.5メートル/秒で、精留塔的上部に一つの加熱蒸気膜濾過器が取り付けられていて、蒸気を温度84〜86℃の加熱蒸気に加熱して、加熱蒸気に対して0.1μm膜濾過器で不純物固体顆粒を濾過した後、これを冷却して液体になる。
濾過を行い、收集したフラクションに対して二級膜濾過(ほこり顆粒濾過)を行い、粒径<0.2μmとコントロールすることによって、超高純度イソプロパノールを得る。主体含有量が99.85%で、金属イオン不純物の含有量が皆0.1ppbより低く、0.2μmより大きいほこり顆粒が5個/ミリリットルより低いので、SEMI-C12標準に合う。
【0033】
(実施方式2)
99.0wt%工業級イソプロパノールに塩化カルシウムを加入して脱水を行い、これに濾過してから濾過液を得る。
濾過液を精留する:精留塔頂上部温度を82〜83℃に保持して一級常圧精留を行い、精留塔塔内気体流速が1.0メートル/秒にすることによって、生産速度を速めて、生産効率を向上する。精留塔上部に一つの加熱蒸気膜濾過器が取り付けられていて、蒸気を温度84〜86℃的加熱蒸気に加熱して、加熱蒸気に対して0.1μm膜濾過器で不純物固体顆粒を濾過してから、液体に冷却する。
濾過を行い、收集したフラクションに対して二級膜濾過(ほこり顆粒濾過)を行い、粒径<0.2μmとコントロールすることによって、超高純度イソプロパノールを得る。主体含有量が99.89%で、金属イオン不純物の含有量が皆0.1ppbより低く、0.2μmより大きいほこり顆粒が5個/ミリリットルより低いので、SEMI-C12標準に合う。
【0034】
実施方式1と2で生産した超高純度電子級イソプロパノールの純度検定結果は下記表2の通り。
【0035】
【表2】
【0036】
(実施方式3)
30.0wt%工業級塩酸に40 wt%濃度のヒドラジン水和物を加入して脱砒素処理を0.5〜1時間行い、その内にヒドラジン水和物用量が100重量部工業級塩酸毎にヒドラジン水和物5〜8重量部を使用する。これを濾過して、濾過液を得る。
濾過液を精留する:精留塔頂上部温度を115〜116℃に保持して一級常圧精留を行い、精留塔塔内気体流速が0.5メートル/秒で、精留塔の上部に一つの加熱蒸気膜濾過器が取り付けられて、蒸気を温度118℃〜120℃的加熱蒸気に加熱して、加熱蒸気に対して0.1μm膜濾過器で不純物固体顆粒を濾過した後、液体に冷却する。
濾過して、収集したフラクションに二級膜濾過(ほこり顆粒濾過)を行い、粒径<0.5μmであるのをコントロールして、超高純度の塩酸を得る。主体含有量が36.2%で、金属イオンの不純物含有量が1.0ppbで、0.5μmより大きなほこり顆粒が9個/mlであるので、SEMI-C8標準に合う。
【0037】
実施方式3生産した超高純度電子級塩酸純度の検定結果が下記表3の通り。
【0038】
【表3】
【0039】
上述内容は、本発明の具体実施例の列挙で、この内に詳細に説明されていない試薬、設備、操作と検定方法等について、本領域に既存の普通及び正常な試薬、設備、操作と検定方法等を採用して実施できるものと理解すべきである。
【0040】
以上は、本発明の具体的な実施例に対して詳細に説明したが、これが範例だけで、本発明は以上で説明された具体的な実施例に限らない。本領域の当業者に対して、本発明に対する如何なる同等な修正と切り替えも本発明の範囲内にある。従って、本発明の精神と範囲を離れない条件の下で実施する均等変換と修正は、本発明の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0041】
1 工業級原料タンク
2 前処理試薬タンク
3 前処理器
4 濾過器
5 精留塔
6 加熱器
7 微小孔のある膜濾過器
8 副製品タンク
9 冷却塔
10 移送ポンプ
11 二級微小孔のある膜濾過器
12 液体タンク
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高純度電子級化学試薬生産方法に係り、特に超高純度電子級塩酸と超高純度電子級イソプロパノールの生産方法に係る。
【背景技術】
【0002】
超高純度電子級化学試薬(Ultra-clean and High-purity Reagents)は、プロセス化学品(Process Chemicals)、又は湿った化学品(Wet Chemicals)とも称されて、超大規模集積回路製作プロセスでの重要な基礎化学材料の一つである。超高純度電子級塩酸とイソプロパノールは皆マイクロエレクトロニクス化学試薬での重要な品種であり、半導体部品の生産、超大規模集積回路アセンブリ及び加工プロセスでの洗浄と腐食に広範に応用されている。
【0003】
ここ数年来、IT工業の速い発展の為、使用する化学試薬純度の要求が日増しに高くなる。特に集積回路の寸法が微小化へ、処理が高速化方向へ発展することに連れて、電子級化学品の純度に一層厳しい要求を提出した。電子級塩酸、イソプロパノールの純度は、単個陽イオン含有量のppm級から、現在のppb級に発展した。これと相応して、電子級塩酸、イソプロパノールに対する要求もSEMI-C1とSEMI-C7標準からSEMI-C8とSEMI-C12標準に向上した。
【0004】
イソプロパノールと塩酸等の液体化学試薬にとって、現在主に亜沸点蒸留又は精留の方法で生産される。亜沸点蒸留は、熱輻射の原理を利用して、液相温度が沸点温度より低いことを保持して、蒸発、凝縮を通じて高純試薬を製作する方法である。但し、今まで、亜沸点蒸留に成熟した規模化生産方法がない。これに、近沸点蒸留又は精留の方法で製作されるイソプロパノールと塩酸に不純物含有量が高すぎた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許CN101362675A
【特許文献2】特許CN1644487A
【特許文献3】特許CN1326766C
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
《Pure and applied chemistry》(1986,(10):1412〜1418)は、高純度イソプロパノールの制作方法を公布した。酸化カルシウム又は酸化マグネシウム粉を加入して、沃素を活性剤として回流を行う。これから分留コラムで数回の精留を行い、製作されたイソプロパノール含有量が99.94%で、水含有量が600ppmである。当該方法で製作された産物の含水量が高すぎた。
【0007】
朱斌等は、《工業級イソプロパノール・電子級イソプロパノール連続生産》(《天然ガス化工》、2009,34(2):67)で公布された電子級イソプロパノール生産方法の内に、サブ沸騰精留と間歇精留と結びつき方式で、工業級イソプロパノール・電子級イソプロパノール連続生産プロセスを実現して、生産されたイソプロパノールはSEMI-C8標準に達することができる。但し、当方法の生産率が低い。
【0008】
特許CN101362675Aは、超高純度イソプロパノール制作方法を公開して、これが4級精留方式を採用して工業級イソプロパノールを純化する方法である。当該方法は多級精留で、危険性が高く、エネルギー消費が大きい。
【0009】
特許CN1644487Aは、低温蒸発によって超高純度塩酸を製作する装置を公開して、塩化水素ガスを二級の洗浄タワーと気泡塔を経て、吸収塔で伝導度水で吸收する。その後、不活性ガスのガス環境で低温蒸発を行い、最後に精密濾過を実施する。電子級塩酸を製作できるが、当該方法で使用される設備が複雑すぎた。
【0010】
特許CN1326766Cは、電子級塩酸を製作する生産プロセス方法を公開して、生産した製品の純度が超大規模集積回路(VLSI)生産用MOS級又はBV-III級標準を満足するだけで、純度に限りがある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、超高純度電子級化学試薬生産プロセスと方法を提供して、工業級(industrial grade)イソプロパノールと塩酸を原料として、精留と加熱蒸気微小孔のある膜濾過を結びつくことによって、SEMI-C8或SEMI-C12標準に合うイソプロパノール和塩酸を製作できる。それに生産高が高く、製品の品質が安定で、伝統的な製作方法での不純物含有量過大の不足点を克服した。
【0012】
本発明は、超高純度電子級化学試薬的生産方法で、手順は下記の通りである。
(1)室温の下で、工業級塩酸又はイソプロパノールに化学前処理を実施することによって、純度を向上する。濾過を実施して、濾過液を収集する。
(2)濾過液を精留する。精留のプロセスで、蒸気を更に加熱することによって、加熱蒸気を形成して、これから微小孔のある膜を通して過熱蒸気を濾過する。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、それにフラックションを微小孔のある膜を通して濾過して、濾過液の中の顆粒数をコントロールして、超高純度電子級塩酸又はイソプロパノールを得る。これから、液体タンクに貯蔵する。
【0013】
前記微小孔のある膜の穴径は不純物含有量要求によって決められる。一般に、0.1〜0.5μmを選ぶ。それに、最適化されたものは、パーフルオロ高分子材料から製作された膜と支えからなる。
【0014】
前記加熱蒸気温度が高くなくても良い。それに前記加熱蒸気温度が蒸気温度より2〜10℃高いようコントロールしては良い。
【0015】
前記精留プロセスで、精留塔内気体流を0.5〜1.5メートル/秒にコントロールすることが適切である。
【0016】
前記生産方法に基づく最適化された実施方式で、手順は下記の通り。
(1)工業級イソプロパノールにに脱水剤を加入して、脱水前処理を0.5〜1.5時間実施して、濾過して濾過液を収集する。
(2)精留塔頂上部温度が82〜83℃条件の下で、濾過液を常圧精留を行い、それにタワー内の気流速度を0.5〜1.5メートル/秒ににコントロールする。精留のプロセスで、蒸気を加熱して84〜86℃の過熱蒸気を形成して、これから、過熱蒸気を0.1μmの微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、それにフラックションを微小孔のある膜を通して濾過して、濾過液の中粒径が0.2μmより大きな顆粒数を5個/ml以下にコントロールして、超高純度電子級イソプロパノールを得る。
【0017】
この内に、前記の最適化された脱水剤が塩化カルシウムであり、前記の塩化カルシウムと工業級イソプロパノールとの最適化された重量比が3〜5:100である。
【0018】
前記生産方法に基づく他の最適化された実施方式で、手順は下記の通り。
(1)工業級塩酸に脱砒素剤を入れて、脱砒素前処理を0.5〜1.5時間行い、濾過して濾過液を収集する。
(2)精留塔頂上部温度が115〜116℃条件の下で、濾過液を常圧精留を行い、それにタワー内の気流速度を0.5〜1.5メートル/秒ににコントロールする。精留のプロセスで、蒸気を加熱して118〜120℃の過熱蒸気を形成して、これから、過熱蒸気を0.1μmの微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、二級の微小孔のある膜濾過を行う。濾過液での粒径が0.5μmより大きな顆粒数量を5個/ml以下に制御して、超高純度電子級塩酸を得る。
【0019】
この内に、前記の最適化された脱砒素剤が40%質量濃度のヒドラジン水和物である。最適化された前記のヒドラジン水和物とと工業級塩酸との重量比が5〜8:100である。
【0020】
以上生産方法のプロセスで、前記イソプロパノール又は塩酸と接触する容器又は管壁は、最適に高純度石英又は高純度パーフルオロ高分子材料から製作される。前記の液体タンクは、最適に高純度パーフルオロ高分子材料から製作される。
【0021】
本発明方法で生産された超高純度イソプロパノールの内に、その主体含有量が99.80%以上で、単一金属イオン不純物の含有量が0.1ppbより低く、0.2μmより大きいほこり顆粒が5個/mlより低いので、SEMI-C12標準に合う。
【0022】
本発明方法で生産された超高純度塩酸の内に、その主体含有量が合格で、単一金属イオン不純物の含有量が1ppbより低く、0.5μmり大きいほこり顆粒が10個/mlより低いので、SEMI-C8標準に合う。
【発明の効果】
【0023】
本発明で蒸気加熱方法を採用して、塔上部の蒸気と飛沫を料液沸点以上に加熱することによって、飛沫を除去して、ガスと微細不純物イオンが残った固体不純物顆粒だけ残って、二回の濾過膜を通じて、不純物イオンとほこり顆粒を濾過・除去できて、伝統的方法による高不純物含有の欠点をなくすことができる。これに、本発明の生産方法を採用することによって、生産量を0.5〜1倍向上し、蒸気を半分以上節約できて、大規模な連続化生産に適する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明での超高純度電子級化学試薬生産方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照して、精留塔を例として、本発明での超高純度電子級化学試薬の製作方法を具体に下記の通り説明する。
【0026】
(段取り1)常温の下で、工業級塩酸(industrial hydrochloric acid)又は工業級イソプロパノール(industrial isopropanol)を工業級原料タンクを通じて前処理器内に入れてから、脱水剤、脱砒素剤、酸化剤、還元剤等を含む前処理用試薬を前処理試薬槽を通して前処理器内に入れて、工業級原料に対して化学前処理を行い、主な不純物を除去することによって、純度を向上する。
濾過を行い、濾過液を収集する。
【0027】
(段取り2)濾過液を精留塔に転移して精留を実施する。
精留時に塔内気体流を0.5〜1.5メートル/秒にコントロールする。
精留塔内に加熱器が取り付けられて、精留のプロセスで、蒸気を更に加熱して、加熱蒸気を発生させ、精留塔上部に微小孔のある膜濾過器が取り付けられて、加熱蒸気に対して微小孔のある膜濾過を行う。
前記微小孔のある膜濾過器の主な構造は、微小孔のある膜であり、微小孔のある膜はテフロン(登録商標)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体等パーフルオロ高分子材料(即ち、炭素原子と繋がる水素原子が全部フッ素原始により代替された高分子)から製作された膜と枠からなる。パーフルオロ高分子材料は、超常的な化学安定性と広い使用温度を持ち、殆どすべての化学試薬に応用できる。微小孔のある膜の穴径を不純物含有量によって選択できるが、一般に0.1〜0.5μmを採用しては良い。
普通の精留プロセスで飛沫があり、飛沫内に一部分の不純物が混入されて、フラクション収集時にこれらの不純物がフラクションに入る可能性がある。これで、製品の純度が要求を満足しないようにする。但し、蒸気を加熱することによって、飛沫を気化できるので、蒸気での飛沫を除去できる。しかし、蒸気加熱温度が過大しなくても良く、蒸気温度より2〜10℃高くても良い。温度が高すぎると、熱エネルギーの無駄を致し、これと同時に濾過膜を損壊して、又は微小孔のある膜の使用寿命を短縮する。
【0028】
(段取り3)微小孔のある膜濾過器の加熱蒸気を冷却塔を通して冷却して、フラクションを収集する。移送ポンプを使ってフラクションを二級膜濾過器に入れて二級微小孔のある膜濾過を実施し、ほこり顆粒を除去する。これで完成品を得て、液体タンクに貯蔵する。精留プロセスで残る副製品を副製品タンクに収集する。
【0029】
上記生産プロセスで、イソプロパノール又は塩酸と接触する容器又は管壁は、全部高純度石英又は高純度パーフルオロ高分子材料から製作された。前記の液体タンクは高純度パーフルオロ高分子材料から製作された。
【0030】
生産した超高純度電子級イソプロパノールと塩酸に対して純度検査分析を行う。分析方法は下記の通り:色度はプラチナ−コバルト標準溶液を標準色として、目視比色法で分析する。イソプロパノール又は塩化水素含有量に対してガス・クロマトグラフィー分析を採用して、水含有量について、カールフィッシャー法で分析し、蒸発残留物について、重量法で分析し、陽イオンについて、プラズマ質量スペクトル(ICP-MS)分析を行い、陰イオンに対してイオン交換クロマトグラム分析を実施する。分析計器について下記表1を参照して下さい。
【0031】
【表1】
【0032】
(実施方式1)
99.0wt%工業級イソプロパノールを塩化カルシウムに加入して0.5〜1時間脱水してから濾過することで濾過液を得る。この内に、塩化カルシウム用量が100重量部工業イソプロパノール毎に3〜5重量部の塩化カルシウムを使用することである。
濾過液を精留する:精留塔頂上部温度を82〜83℃に保持して、一級常圧精留を行い、精留塔塔内気体流速が0.5メートル/秒で、精留塔的上部に一つの加熱蒸気膜濾過器が取り付けられていて、蒸気を温度84〜86℃の加熱蒸気に加熱して、加熱蒸気に対して0.1μm膜濾過器で不純物固体顆粒を濾過した後、これを冷却して液体になる。
濾過を行い、收集したフラクションに対して二級膜濾過(ほこり顆粒濾過)を行い、粒径<0.2μmとコントロールすることによって、超高純度イソプロパノールを得る。主体含有量が99.85%で、金属イオン不純物の含有量が皆0.1ppbより低く、0.2μmより大きいほこり顆粒が5個/ミリリットルより低いので、SEMI-C12標準に合う。
【0033】
(実施方式2)
99.0wt%工業級イソプロパノールに塩化カルシウムを加入して脱水を行い、これに濾過してから濾過液を得る。
濾過液を精留する:精留塔頂上部温度を82〜83℃に保持して一級常圧精留を行い、精留塔塔内気体流速が1.0メートル/秒にすることによって、生産速度を速めて、生産効率を向上する。精留塔上部に一つの加熱蒸気膜濾過器が取り付けられていて、蒸気を温度84〜86℃的加熱蒸気に加熱して、加熱蒸気に対して0.1μm膜濾過器で不純物固体顆粒を濾過してから、液体に冷却する。
濾過を行い、收集したフラクションに対して二級膜濾過(ほこり顆粒濾過)を行い、粒径<0.2μmとコントロールすることによって、超高純度イソプロパノールを得る。主体含有量が99.89%で、金属イオン不純物の含有量が皆0.1ppbより低く、0.2μmより大きいほこり顆粒が5個/ミリリットルより低いので、SEMI-C12標準に合う。
【0034】
実施方式1と2で生産した超高純度電子級イソプロパノールの純度検定結果は下記表2の通り。
【0035】
【表2】
【0036】
(実施方式3)
30.0wt%工業級塩酸に40 wt%濃度のヒドラジン水和物を加入して脱砒素処理を0.5〜1時間行い、その内にヒドラジン水和物用量が100重量部工業級塩酸毎にヒドラジン水和物5〜8重量部を使用する。これを濾過して、濾過液を得る。
濾過液を精留する:精留塔頂上部温度を115〜116℃に保持して一級常圧精留を行い、精留塔塔内気体流速が0.5メートル/秒で、精留塔の上部に一つの加熱蒸気膜濾過器が取り付けられて、蒸気を温度118℃〜120℃的加熱蒸気に加熱して、加熱蒸気に対して0.1μm膜濾過器で不純物固体顆粒を濾過した後、液体に冷却する。
濾過して、収集したフラクションに二級膜濾過(ほこり顆粒濾過)を行い、粒径<0.5μmであるのをコントロールして、超高純度の塩酸を得る。主体含有量が36.2%で、金属イオンの不純物含有量が1.0ppbで、0.5μmより大きなほこり顆粒が9個/mlであるので、SEMI-C8標準に合う。
【0037】
実施方式3生産した超高純度電子級塩酸純度の検定結果が下記表3の通り。
【0038】
【表3】
【0039】
上述内容は、本発明の具体実施例の列挙で、この内に詳細に説明されていない試薬、設備、操作と検定方法等について、本領域に既存の普通及び正常な試薬、設備、操作と検定方法等を採用して実施できるものと理解すべきである。
【0040】
以上は、本発明の具体的な実施例に対して詳細に説明したが、これが範例だけで、本発明は以上で説明された具体的な実施例に限らない。本領域の当業者に対して、本発明に対する如何なる同等な修正と切り替えも本発明の範囲内にある。従って、本発明の精神と範囲を離れない条件の下で実施する均等変換と修正は、本発明の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0041】
1 工業級原料タンク
2 前処理試薬タンク
3 前処理器
4 濾過器
5 精留塔
6 加熱器
7 微小孔のある膜濾過器
8 副製品タンク
9 冷却塔
10 移送ポンプ
11 二級微小孔のある膜濾過器
12 液体タンク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の手順:
(1)室温の下で、工業級塩酸又はイソプロパノールに化学前処理を実施することによって、純度を向上する。濾過を実施して、濾過液を収集する。
(2)濾過液を精留する。精留のプロセスで、蒸気を更に加熱することによって、加熱蒸気を形成して、これから微小孔のある膜を通して過熱蒸気を濾過する。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、それにフラックションを微小孔のある膜を通して濾過して、濾過液の中の顆粒数をコントロールして、超高純度電子級塩酸又はイソプロパノールを得る。
を含むことを特徴とする超高純度電子級化学試薬生産方法。
【請求項2】
穴径0.1〜0.5μmの微小孔のある膜を使用して過熱蒸気を濾過することを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項3】
蒸気加熱蒸気温度が蒸気温度より2〜10℃高くなることを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項4】
蒸気精留プロセスで、気流速度を0.5〜1.5メートル/秒にコントロールすることを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項5】
下記の手順:
(1)工業級塩酸に脱砒素剤を入れて、脱砒素前処理を0.5〜1.5時間行い、濾過して濾過液を収集する。
(2)精留塔頂上部温度が115〜116℃条件の下で、濾過液を常圧精留を行い、それにタワー内の気流速度を0.5〜1.5メートル/秒ににコントロールする。精留のプロセスで、蒸気を加熱して118〜120℃の過熱蒸気を形成して、これから、過熱蒸気を0.1μmの微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、二級の微小孔のある膜濾過を行う。
を含むことを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項6】
前記の脱砒素剤が40%質量濃度のヒドラジン水和物であることを特徴とする請求項5に記載の生産方法。
【請求項7】
前記のヒドラジン水和物と工業級塩酸との重量比が5〜8:100であることを特徴とする請求項6に記載の生産方法。
【請求項8】
下記の手順:
(1)工業級イソプロパノールにに脱水剤を加入して、脱水前処理を0.5〜1.5時間実施して、濾過して濾過液を収集する。
(2)精留塔頂上部温度82〜83℃条件の下で、常圧精留を行い、それに精留塔内の気体流速が0.5〜1.5メートル/秒になるよう制御する。精留のプロセスで、蒸気を加熱することによって、84〜86℃の加熱蒸気を形成する。これから加熱蒸気を0.1μmの微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却してフラクションを収集して、それに二級の微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
を含むことを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項9】
前記の脱水剤が塩化カルシウムであることを特徴とする請求項8に記載の生産方法。
【請求項10】
前記の塩化カルシウムと工業級イソプロパノールとの重量比が3〜5:100であることを特徴とする請求項9に記載の生産方法。
【請求項1】
下記の手順:
(1)室温の下で、工業級塩酸又はイソプロパノールに化学前処理を実施することによって、純度を向上する。濾過を実施して、濾過液を収集する。
(2)濾過液を精留する。精留のプロセスで、蒸気を更に加熱することによって、加熱蒸気を形成して、これから微小孔のある膜を通して過熱蒸気を濾過する。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、それにフラックションを微小孔のある膜を通して濾過して、濾過液の中の顆粒数をコントロールして、超高純度電子級塩酸又はイソプロパノールを得る。
を含むことを特徴とする超高純度電子級化学試薬生産方法。
【請求項2】
穴径0.1〜0.5μmの微小孔のある膜を使用して過熱蒸気を濾過することを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項3】
蒸気加熱蒸気温度が蒸気温度より2〜10℃高くなることを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項4】
蒸気精留プロセスで、気流速度を0.5〜1.5メートル/秒にコントロールすることを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項5】
下記の手順:
(1)工業級塩酸に脱砒素剤を入れて、脱砒素前処理を0.5〜1.5時間行い、濾過して濾過液を収集する。
(2)精留塔頂上部温度が115〜116℃条件の下で、濾過液を常圧精留を行い、それにタワー内の気流速度を0.5〜1.5メートル/秒ににコントロールする。精留のプロセスで、蒸気を加熱して118〜120℃の過熱蒸気を形成して、これから、過熱蒸気を0.1μmの微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却して、フラックションを収集して、二級の微小孔のある膜濾過を行う。
を含むことを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項6】
前記の脱砒素剤が40%質量濃度のヒドラジン水和物であることを特徴とする請求項5に記載の生産方法。
【請求項7】
前記のヒドラジン水和物と工業級塩酸との重量比が5〜8:100であることを特徴とする請求項6に記載の生産方法。
【請求項8】
下記の手順:
(1)工業級イソプロパノールにに脱水剤を加入して、脱水前処理を0.5〜1.5時間実施して、濾過して濾過液を収集する。
(2)精留塔頂上部温度82〜83℃条件の下で、常圧精留を行い、それに精留塔内の気体流速が0.5〜1.5メートル/秒になるよう制御する。精留のプロセスで、蒸気を加熱することによって、84〜86℃の加熱蒸気を形成する。これから加熱蒸気を0.1μmの微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
(3)膜濾過後の過熱蒸気を冷却してフラクションを収集して、それに二級の微小孔のある膜を通させて膜濾過を行う。
を含むことを特徴とする請求項1に記載の生産方法。
【請求項9】
前記の脱水剤が塩化カルシウムであることを特徴とする請求項8に記載の生産方法。
【請求項10】
前記の塩化カルシウムと工業級イソプロパノールとの重量比が3〜5:100であることを特徴とする請求項9に記載の生産方法。
【図1】
【公開番号】特開2012−62300(P2012−62300A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254973(P2010−254973)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(510302320)上海化学試剤研究所 (3)
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Chemical Reagent Research Institute
【住所又は居所原語表記】No.401 Zhenbei Road,Putuo Shanghai 200333,People’s Republic of China
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(510302320)上海化学試剤研究所 (3)
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Chemical Reagent Research Institute
【住所又は居所原語表記】No.401 Zhenbei Road,Putuo Shanghai 200333,People’s Republic of China
【Fターム(参考)】
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