説明

足先用マッサージユニット

【課題】足首を凹状受部内に保持又は押圧するエアバッグを具備することによって、被施療者の足先をしっかりと凹状受部に保持することができ、また、足首自体をマッサージすることのできる足先用マッサージユニットを提供する。
【解決手段】被施療者の足先を収容する凹状受部13を有し、該凹状受部の底面及び/又は左右側面に足先をマッサージするためのマッサージ手段を具えたもので、凹状受部は、後端側に凹状受部の側面どうしを繋ぐ立ち壁15が形成され、凹状受部の一方の側面から立ち壁を経由し、他方の側面まで略U字状に配置されて、被施療者の足首を保持又は押圧する足首用エアバッグ30を具え、足首用エアバッグの左右両端部は、下部よりも上部30aが前方へ迫り出した形状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の足先や足首を効果的にマッサージすることのできる足先用マッサージユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
被施療者の足先(くるぶしよりも下側)をマッサージ手段によってマッサージすることのできる足先用マッサージユニットとして、足先を挿入することのできる凹状受部を有し、凹状受部の側面にエアバッグ、凹状受部の底面に指圧棒をマッサージ手段として配置したものが提案されている(例えば特許文献1参照)。エアバッグの膨張、収縮を繰り返したり、また、指圧棒を足裏に向けて往復作動させることによって、被施療者の足先と足裏にマッサージが施される。
【0003】
指圧棒で被施療者の足裏を押圧マッサージする際に、指圧棒の押圧力によって足裏が上に押し上げられて、足先が浮いてしまい、指圧棒の押圧力を足裏に十分に加えることができない問題があった。そこで、側面のエアバッグを膨張させ、該エアバッグによって足先を凹状受部にしっかりと保持した状態で、指圧棒を作動できるようにしている。
【特許文献1】特開2004−129896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、側面エアバッグは、被施療者の足先、特に足の甲の部分を保持する構成であるため、足のかかと側に指圧棒の押圧力をかけたときに、依然としてかかと側が浮き上がってしまう問題を解消できなかった。また、足先への保持力を強くするために、側面エアバッグの空気圧を高くすることも考えられるが、足先が側面エアバッグから強い圧迫力を受けると、皮膚感度が低下してしまい、マッサージ効果が低下してしまうことがあった。
【0005】
また、足首には、アキレス腱があるため、足裏等と同様に、足や身体の凝り、疲れをほぐすための重要な施療部位である。しかしながら、上記足先用マッサージユニットでは、被施療者の足首自体をマッサージすることはできなかった。
【0006】
本発明の目的は、足首を凹状受部内に保持又は押圧するエアバッグを具備することによって、被施療者の足先をしっかりと凹状受部に保持することができ、また、足首自体をマッサージすることのできる足先用マッサージユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の足先用マッサージユニットは、
被施療者の足先を収容する凹状受部を有し、該凹状受部の底面及び/又は左右側面に足先をマッサージするためのマッサージ手段を具えた足先用マッサージユニットにおいて、
凹状受部は、後端側に凹状受部の側面どうしを繋ぐ立ち壁が形成されており、凹状受部の一方の側面から立ち壁を経由し、他方の側面まで略U字状に配置されて、被施療者の足首を保持又は押圧する足首用エアバッグを具え、該足首用エアバッグの左右両端部は、下部よりも上部が前方へ迫り出した形状としたものである。
【0008】
ここで足首用エアバッグの凹状受部の側面と立ち壁の境界部分に相当する位置に、膨張しない非膨張部を形成することが好ましい。
【0009】
また足先を収容する凹状受部と一体にふくらはぎを収容するふくらはぎ用凹状受部を形成し、ふくらはぎ用凹状受部にもふくらはぎにマッサージを施すマッサージ手段を設けることもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の足先用マッサージユニットは、足首用エアバッグを具え、該足首用エアバッグを膨張させることによって被施療者の足首を包み込み、凹状受部内で足先を保持する。この際、足首用エアバッグの左右両端部は、下部よりも上部が前方へ迫り出した形状としているので、足首用エアバッグの上部が足首の前側へ回り込んで包み込むことができ、足首をしっかりと保持することができる。
【0011】
従って、足先が凹状受部から浮き上がったり、足先の位置が凹状受部内で前後に動いてしまうこともない。また、指圧棒等のマッサージ手段で足裏等にマッサージを施したときに、足裏への押圧力が弱まってしまうこともない。
【0012】
また足首用エアバッグの膨張、収縮を繰り返すことによって、被施療者の足首を押圧マッサージすることができる。足首自体を足首用エアバッグによってマッサージすることによって、アキレス腱をほぐすことができ、足や身体の凝り、疲れに対してすぐれた施療効果を発揮できる。
【0013】
また足首用エアバッグの、凹状受部の側面と立ち壁の境界部分に相当する位置に、膨張しない非膨張部を形成すれば、足首用エアバッグの膨張時に、凹状受部の両側面と立ち壁に沿って足首用エアバッグが曲がり易くなり、好ましい。
【0014】
また足先を収容する凹状受部と一体にふくらはぎを収容するふくらはぎ用凹状受部を形成して、ふくらはぎ用凹状受部にもふくらはぎにマッサージを施すマッサージ手段を設ければ、足首用エアバッグにより足首をしっかりと保持することにより、ふくらはぎの動きを阻止して、的確にふくらはぎにマッサージを施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を被施療者の足先とふくらはぎをマッサージすることのできる足用マッサージ機(70)に適用した実施例について説明する。なお、本発明の足先用マッサージユニット(10)は、単体で実施することもできるし、勿論、後述するように、公知の椅子型マッサージ機の座部に取り付けて実施することもできる。
【0016】
図1は、本発明の足用マッサージ機(70)の斜視図、図2は正面図を示している。 足用マッサージ機(70)は、被施療者の足先、具体的には、足首のくるぶしよりも下の足先をマッサージする足先用マッサージユニット(10)と、足先用マッサージユニット(10)の後端に傾動可能且つ上下にスライド可能に連繋され、被施療者のふくらはぎ(82)をマッサージするふくらはぎ用マッサージユニット(50)とを具えている。
【0017】
<足先用マッサージユニット>
足先用マッサージユニット(10)は、図1に示すように、樹脂製のカバー(12)に、被施療者の足先(くるぶしよりも下の部分)を挿入する断面コ字状の左右一対の凹状受部(13)(13)が形成されている。凹状受部(13)(13)間には、図1及び図2に示すように中央壁(14)が突設されており、両凹状受部(13)(13)を仕切っている。凹状受部(13)には、後述するように、指圧棒(40)(40)、側面エアバッグ(20)(20)、及び、足首用エアバッグ(30)等が配置されているが、これらが直接外部に露出しないように、凹状受部(13)の内部は、布カバー(16)で被覆されている。
【0018】
図3は、足先用マッサージユニット(10)の布カバー(16)を取り外した状態を示す平面図、図4は、図3の線IV−IVに沿う矢視断面図である。なお、図4について、足先用マッサージユニット(10)の内部構造は省略している。
【0019】
凹状受部(13)は、図4に示すように、底面は、前方が高く、後方が低くなるように傾斜して構成されている。これは、被施療者が足先を入れたときに、足先の安定性を高めるためである。また、凹状受部(13)の後端には、足先が凹状受部(13)から後方に脱落しないように、凹状受部(13)の側面どうしを繋ぐ立ち壁(15)が上向きに突設して形成されている。立ち壁(15)は、かかとが合致するように後方に向けて凹んだ形状をしている。立ち壁(15)は、約50mmの高さである。
【0020】
凹状受部(13)の側面には、マッサージ手段として、側面エアバッグ(20)(20)が取り付けられている。側面エアバッグ(20)(20)は、連結ホース(図示せず)によって、電磁弁を介してエアポンプ(図示せず)に接続されている。図示の側面エアバッグ(20)は、ブロー成型により作ることができ、押圧時の膨張度合いを調整するためにひだ状の膨張部(21)が形成されている。
【0021】
なお、本実施例では、凹状受部(13)の両側面に夫々マッサージ手段として側面エアバッグ(20)(20)を配備しているが、一方をスポンジ、ウレタン等の弾力性を有する弾性部材としてもよい。また、凹状受部(13)の側面にはエアバッグ(20)(20)を配備せずに、凹状受部(13)の底面のみにマッサージ手段を配備する構成としてもよい。
【0022】
凹状受部(13)(13)の後端側には、図3及び図4に示すように、被施療者の足首(80)を凹状受部(13)内で保持し、また、足首(80)を押圧マッサージする足首用エアバッグ(30)(30)が配備されている。足首用エアバッグ(30)は、凹状受部(13)の内面の一方の側面から立ち壁(15)を経由し、他方の側面まで略U字状に配置されている。足首用エアバッグ(30)は、図5に示すように、横長に作製することができ、膨張時に被施療者の足首(80)をうまく保持することができるように、実施例では、柔らかい材料、例えば、2枚のナイロン製の布地等の周囲を溶着(35)することにより形成されている。ナイロン製布地の内面には、ウレタンフィルムがコーティングしてあり、周囲の溶着(35)は、ウレタンフィルムのコーティングを溶かすことによりなされる。
【0023】
足首用エアバッグ(30)には、図5及び図6に示すように、圧縮空気を送給しても膨張しない非膨張部(31)(31)が形成されている。非膨張部(31)は、2枚のナイロン製の布地を溶着することにより形成することができる。この溶着も周囲の溶着(35)と同様に、布地の内面のウレタンフィルムのコーティングをそのまま利用して行なっている。
【0024】
非膨張部(31)(31)は、凹状受部(13)の左右の側面と立ち壁(15)の境界部分(コーナー部)に相当する位置に形成されている。非膨張部(31)を設けたことにより、足首用エアバッグ(30)を膨張させたときに、図6に示すように、凹状受部(13)の左右の側面と立ち壁(15)のコーナー部に沿って足首用エアバッグ(30)をスムーズに屈曲させることができる。
【0025】
また足首用エアバッグ(30)は、図4や図5に示すように、その左右両端部は、下部よりも上部(30a)が前方へ迫り出した形状となっている。このような形状にすることで、足首用エアバッグ(30)を膨張させたときに、足首に足首用エアバッグ(30)の上部(30a)が巻きつくように包み込み、足首をしっかりと保持することができるようにしている。
【0026】
また、足首用エアバッグ(30)は、凹状受部(13)の立ち壁(15)と対向する部分の上部に凹み(32)を形成することが望ましい。該凹み(32)は、後述するふくらはぎ用マッサージユニット(50)と足首用エアバッグ(30)が干渉しないようにするためであり、また、足首(80)の保持感を高めるために形成されている。
【0027】
足首用エアバッグ(30)には、空気供給口(33)が設けられており、該空気供給口(33)にL型接続菅(37)を介して連結ホース(36)(図5参照)が接続される。(38)は、L型接続菅(37)を一体に有する円板で、一方のナイロン製布地に溶着されている。連結ホース(36)は、電磁バルブを介してエアポンプ(図示せず)に接続され、エアポンプからの圧縮空気の送給によって、足首用エアバッグ(30)が膨張する。空気供給口(33)は、足首用エアバッグ(30)が膨張したときに、被施療者の足首(80)に当たり難い位置に設けることが望ましい。具体的には、例えば、被施療者のかかと側、つまり、図5に示すように、足首用エアバッグ(30)の左右方向中心に設けることが望ましい。
【0028】
足首用エアバッグ(30)は、膨張したときに、被施療者の足首(80)に絡みついて、足首(80)をうまく保持できるように、凹状受部(13)(13)の側面に直接貼り付けるのではなく、伸縮性材料、例えばゴムバンドなどによって取り付けることが望ましい。
【0029】
凹状受部(13)の底面には、図3及び図4に示すように、被施療者の足裏(81)をマッサージするマッサージ手段として、指圧棒(40)が配備されている。凹状受部(13)の底面には、被施療者の足裏(81)に沿う方向に一対の長孔(17)(17)が開設されており、該長孔(17)(17)から夫々指圧棒(40)(40)が出没可能となっている。
【0030】
指圧棒(40)(40)の下端は、指圧棒用エアバッグ(41)に取り付けられており、指圧棒(40)及び指圧棒用エアバッグ(41)は、上面が開口したケーシング(42)に収容されている。指圧棒用エアバッグ(41)を膨張、収縮させることによって、指圧棒(40)は、長孔(17)から図4の矢印B方向に出没する。
【0031】
ケーシング(42)は、図示しない移動機構によって、凹状受部(13)の底面に沿って前後方向(図4の矢印A方向)に往復移動可能となっており、被施療者の所望の位置で指圧棒(40)を上下に作動させることによって、足裏(81)に指圧マッサージが施される。また、指圧棒(40)を長孔(17)から突出させた状態で、ケーシング(42)を移動させることによって、足裏(81)にローリングマッサージが施される。
【0032】
なお、マッサージ手段は、指圧棒に限定されるものではなく、また、指圧棒の動作機構も上記実施例に限定されるものではない。さらに。凹状受部(13)の底面には、マッサージ手段を配備せずに、凹状受部(13)の側面等にマッサージ手段を配備する構成としてもよい。
【0033】
<ふくらはぎ用マッサージユニット>
上記構成の足先用マッサージユニット(10)には、図1及び図2に示すように、被施療者のふくらはぎ(82)をマッサージするふくらはぎ用マッサージユニット(50)が取り付けられて、足用マッサージ機(70)を構成する。
【0034】
ふくらはぎ用マッサージユニット(50)は、図1に示すように、足先用マッサージユニット(10)の後端に連結機構(72)を介して連結されており、連結機構(72)によって足先用マッサージユニット(10)に対して前後に傾動可能且つ上下に位置調節可能となっている。連結機構(72)は、ふくらはぎ用マッサージユニット(50)を、足先用マッサージユニット(10)に対して所定角度で維持するようにバネ等によりふくらはぎに当たる方向、即ち前方向に付勢しておくことが望ましい。
【0035】
ふくらはぎ用マッサージユニット(50)は、図1、図2及び図7に示すように、樹脂製カバー(52)に、被施療者のふくらはぎ(82)を挿入する断面コ字状の左右一対の脚受部(53)(53)が形成されている。脚受部(53)(53)間は中央壁(54)で仕切られており、後述する側面エアバッグ(60)(60)や底面エアバッグ(61)、指圧突起(62)等が直接外部に露出しないように、脚受部(53)の内面は、布カバー(55)で被覆されている。
【0036】
図7は、ふくらはぎ用マッサージユニット(50)の平面図であって、布カバー(55)を取り外した状態を示している。図7に示すように、脚受部(53)の両側面には側面エアバッグ(60)(60)が取り付けられている。側面エアバッグ(60)(60)は、夫々連結ホース(図示せず)によって電磁バルブを介してエアポンプ(図示せず)に接続されている。なお、脚受部(53)の両側面に夫々側面エアバッグ(60)(60)を設けているが、一方又は両方をスポンジ、ウレタン等の弾力性を有する弾性部材としてもよい。
【0037】
図7に示すように、ふくらはぎ用マッサージユニット(50)は、脚受部(53)の底面にもエアバッグ(61)が配備されている。底面エアバッグ(61)も連結ホース(図示せず)によって、上記と同様電磁バルブ、エアポンプ(図示せず)に接続されている。図示の底面エアバッグ(61)には、被施療者のふくらはぎ(82)に当たる部分に指圧突起(62)を形成している。指圧突起(62)は、底面エアバッグ(61)と一体に形成したり、底面エアバッグ(61)に接着等により取り付けることができる。
【0038】
被施療者が椅子に腰掛けた状態で足用マッサージ機(70)に足を挿入すると、足先用マッサージユニット(10)に対してふくらはぎ用マッサージユニット(50)がほぼ垂直な状態で、ふくらはぎ(82)がふくらはぎ用マッサージユニット(50)の脚受部(53)の底面に当たって、マッサージを受けることができる。また、被施療者が寝転んで膝を立てた状態で足用マッサージ機(70)に足を挿入すると、ふくらはぎ(82)がふくらはぎ用マッサージユニット(50)を後方に押し込むため、足先用マッサージユニット(10)に対してふくらはぎ用マッサージユニット(50)が後方に傾動した状態でマッサージを受けることができる。
【0039】
被施療者は、足用マッサージ機(70)に足を挿入したときに、ふくらはぎ(82)の位置に合わせてふくらはぎ用マッサージユニット(50)を上下に移動させることができる。また、ふくらはぎ用マッサージユニット(50)を上下に移動させて、広い範囲にマッサージを施すことができる。
【0040】
<マッサージ動作>
上記構成の足用マッサージ機(70)について、被施療者は足先を凹状受部(13)に、ふくらはぎ(82)を脚受部(53)に挿入する。被施療者が足先を凹状受部(13)に挿入し、立ち壁(15)側にかかとを押しつける。立ち壁(15)によって、被施療者の足先は、凹状受部(13)内でしっかりと保持され、前後に動くことはない。また、ふくらはぎ用マッサージユニット(50)は、被施療者のふくらはぎに当たる方向に付勢されているから、被施療者のふくらはぎは、脚受部(53)にしっかりと当たる。 この状態で、操作パネル(図示せず)を操作することにより、種々のマッサージを受けることができる。以下、マッサージの一例について説明する。
【0041】
<足先用マッサージユニットによるマッサージ>
足先のマッサージは、指圧棒(40)による指圧マッサージ、足の先端からくるぶしに亘る足先の側面を側面エアバッグ(20)で押圧する押圧マッサージ、足首用エアバッグ(30)による足首(80)のマッサージ、さらに、これらを組み合わせたマッサージを例示できる。
【0042】
指圧マッサージは、指圧棒用エアバッグ(41)を膨張、収縮し、指圧棒(40)を凹状受部(13)の底面から出没させることにより行なうことができる。また、指圧棒(40)の出没と共に、指圧棒(40)を所望の位置に移動させたり、前後に往復移動させることにより(ローリングマッサージを施すことにより)、足裏(81)、特に土踏まずや足指の付け根に効果の高い指圧マッサージを行なうことができる。
【0043】
指圧マッサージは、足裏(81)を指圧棒(40)で押し上げるマッサージであるため、被施療者の足が凹状受部(13)から浮き上がってしまう。このとき、足首用エアバッグ(30)を膨張させると、図6に示すように、被施療者の足首(80)が足首用エアバッグ(30)に包み込まれてしっかりと保持され、凹状受部(13)内で固定される。これにより、被施療者の足先は凹状受部(13)から浮き上がってしまうことがない。
【0044】
なお、この状態で、側面エアバッグ(20)を膨張させると(図6中矢印Cで示す)、足首(80)よりも先の部分を側面エアバッグ(20)(20)によって、図6の破線の如く、挟み込むことができ、しっかりと足先を保持できる。
【0045】
押圧マッサージは、側面エアバッグ(20)を膨張、収縮させることにより(図6中矢印Cで示す)、足の先端からくるぶしに亘る足先の側面を側面エアバッグ(20)(20)によって挟み込み、押圧するマッサージである。これにより、足の甲からつま先にかかる部分の血行改善効果や足先のむくみの改善を図ることができる。
【0046】
足首マッサージは、足首用エアバッグ(30)を膨張、収縮させることにより、足首(80)を足首用エアバッグ(30)で圧迫したり、押圧するものである。具体的には、図3に示すように、足首用エアバッグ(30)が収縮した状態から、足首用エアバッグ(30)を膨張させて、図6に示すように、足首(80)を圧迫、押圧する。このマッサージによって、足首、特に、アキレス腱伸ばしやアキレス腱ほぐしが効果的に行なわれ、足首への施療効果だけでなく、足や身体の凝り、疲れに対してすぐれた施療効果を発揮できる。なお、図3、図6では、足先の輪郭を符号Fで表わしている。
【0047】
指圧マッサージ、押圧マッサージ、足首マッサージの2種又は3種を組み合わせたマッサージも勿論可能であり、その場合、上記動作を同時に行なえばよい。 また、上記マッサージを順に行なったり、組み合わせて行なうようにプログラムしたマッサージも施療効果の高いマッサージを提供できる。
【0048】
<ふくらはぎ用マッサージユニットによるマッサージ>
ふくらはぎ(82)には、底面エアバッグ(61)の指圧突起(62)による指圧マッサージと、側面エアバッグ(60)(60)による押圧マッサージを行なうことができる。
【0049】
指圧マッサージは、底面エアバッグ(61)を膨張、収縮し、指圧突起(62)をふくらはぎ(82)に押し当てることにより行なうことができる。このとき、側面エアバッグ(60)(60)を膨張させておくと(図7中矢印Dで示す)、被施療者のふくらはぎ(82)が脚受部(53)から押し出されることはないので(図7の破線状態)、効果の高い指圧マッサージを施すことができる。
【0050】
押圧マッサージは、側面エアバッグ(60)(60)を膨張、収縮させることにより(図7中矢印Dで示す)、ふくらはぎ(82)を側面エアバッグ(60)(60)によって挟み込み、押圧するマッサージである。ふくらはぎ(82)を押圧マッサージすることによって、血行促進効果を得ることができる。
【0051】
なお、ふくらはぎ(82)をマッサージする際に、足先用マッサージユニット(10)の足首用エアバッグ(30)を膨張させて、足首用エアバッグ(30)によって、被施療者の足首(80)を固定することにより、ふくらはぎ(82)が、ふくらはぎ用マッサージユニット(50)の脚受部(53)から浮き上がることを防止でき、ふくらはぎ用マッサージユニット(50)による施療効果を高めることができる。
【0052】
勿論、指圧マッサージと押圧マッサージを組み合わせたマッサージを行なうこともできる。さらに、足先用マッサージユニット(10)とふくらはぎ用マッサージユニット(50)を同時に作動させて、上記に記載したすべてのマッサージを組み合わせて行なうこともできる。
【0053】
以上の実施例では、足先用マッサージユニット(10)とふくらはぎ用マッサージユニット(50)が、別個に存在する足用マッサージ機について説明したが、図8のように、足先用マッサージユニット(10)とふくらはぎ用マッサージユニット(50)を、一体的に形成することもできる。
【0054】
図8において、足先を収容する凹状受部(13)と一体に連続してふくらはぎを収容するふくらはぎ用凹状受部(53)を形成する。即ち、足先を収容する凹状受部(13)の後端の立ち壁(15)が上方へ伸びて、ふくらはぎ用凹状受部(53)の底面を構成している。
【0055】
この足先用マッサージユニット(10)とふくらはぎ用マッサージユニット(50)が一体になった足用マッサージ機(70)は、椅子の座部(91)の前端に回動自在に連結されている。椅子の座部(91)や背もたれ部(92)には、公知のマッサージ手段が内蔵されて、所謂椅子式マッサージ機(90)を構成している。足用マッサージ機(70)は、図8のように座部(91)に対してほぼ垂直な状態から、座部(91)と略同じ高さまで持ち上げられた状態までの任意な角度に保つことができる。
【0056】
図8においては、足首用エアバッグ(30)のみ示しているが、他のマッサージ手段については、図1乃至図7の実施例と同様である。
【0057】
この実施例においても、足首用エアバッグ(30)により足首をしっかりと保持することにより、足先のみならずふくらはぎの動きを阻止して、的確に足先やふくらはぎにマッサージを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の足先用マッサージユニットを具備した足用マッサージ機の斜視図である。
【図2】同足用マッサージ機の正面図である。
【図3】本発明の足先用マッサージユニットの平面図である。
【図4】図3の線IV−IVに沿う矢視断面図である。
【図5】足首用エアバッグの展開図で、外側から見た図である。
【図6】足首用エアバッグが膨張した状態を示す足先用マッサージユニットの平面図である。
【図7】ふくらはぎ用マッサージユニットの平面図である。
【図8】本発明の他の実施例の足先用マッサージユニットを具備した足用マッサージ機が椅子に取り付けられた椅子式マッサージ機の斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
(10) 足先用マッサージユニット
(13) 凹状受部
(15) 立ち壁
(20) 側面エアバッグ(マッサージ手段)
(30) 足首用エアバッグ
(31) 非膨張部
(40) 指圧棒(マッサージ手段)
(50) ふくらはぎ用マッサージユニット
(70) 足用マッサージ機
(80) 足首

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の足先を収容する凹状受部を有し、該凹状受部の底面及び/又は左右側面に足先をマッサージするためのマッサージ手段を具えた足先用マッサージユニットにおいて、
凹状受部は、後端側に凹状受部の側面どうしを繋ぐ立ち壁が形成されており、凹状受部の一方の側面から立ち壁を経由し、他方の側面まで略U字状に配置されて、被施療者の足首を保持又は押圧する足首用エアバッグを具え、該足首用エアバッグの左右両端部は、下部よりも上部が前方へ迫り出した形状であることを特徴とする足先用マッサージユニット。
【請求項2】
足首用エアバッグの前記凹状受部の側面と立ち壁の境界部分に相当する位置に、膨張しない非膨張部を形成してなる請求項1に記載の足先用マッサージユニット。
【請求項3】
足先を収容する凹状受部と一体にふくらはぎを収容するふくらはぎ用凹状受部を形成し、ふくらはぎ用凹状受部にもふくらはぎにマッサージを施すマッサージ手段を設けてなる請求項1又は請求項2に記載の足先用マッサージユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−67897(P2008−67897A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249012(P2006−249012)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】