説明

路線経路案内装置および携帯通信端末

【課題】 案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知することのできる路線経路案内装置等を提供する。
【解決手段】 携帯通信端末1は、スケジュール情報に基づいて、現在位置情報及び行き先情報(施設Drの位置等)を路線案内サービスサーバ3に送信する。路線案内サービスサーバ3は、現在位置情報から乗車駅(XYZ駅)を決定し、また、行き先情報から下車駅(EFG駅)を決定すると、この間の最適な路線経路を検索する。そして、検索した路線経路とその料金の情報を携帯通信端末1に送信する。携帯通信端末1は、案内する路線経路を表示すると共に、自己が保持する電子マネー残高と料金とを比較し、残高不足が生じる場合に、残高部不足を報知するメッセージを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子マネー(価値情報)を記憶する通信端末を用いて路線案内を行う路線経路案内装置等に関し、特に、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知することのできる路線経路案内装置および携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パソコン(パーソナルコンピュータ)等を利用して、鉄道等の路線案内を行う技術が知られている。例えば、キーボード等を介して利用者により乗車駅及び下車駅(降車駅)が入力されると、パソコンは、これらの駅を結ぶ路線経路(乗車経路)案内の要求とともに入力された乗車駅及び下車駅の情報を路線経路案内サイトに送り、インターネットを介して行い、路線経路案内サイトは送られてきた乗車駅及び下車駅情報に基づいて適宜検索して、その検査結果を要求元のパソコンに送信し、そしてパソコンのディスプレイに表示する。
【0003】
近年では、このように路線経路を検索して表示するだけでなく、路線経路を案内中に現在位置を逐次取得することにより、乗換駅や目的地(下車駅)に到着したことを利用者に報知する目的地案内確認装置の技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−44754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の目的地案内確認装置では、乗換駅や下車駅への到着が自動的に報知されるため、利用者の降り忘れ等を防止することができる。
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、依然として乗車駅及び下車駅を利用者が入力する必要があり、極めて煩雑であった。
【0005】
一方、近年では、ICカードに電子マネーを記憶させ、このICカードにより自動改札機にて料金を支払うシステムも実用化されている。更に最近では、携帯電話機等にICカード機能を内蔵させる試みもなされてきている。
このようなICカード等では、電子マネーの残高確認が容易に行えないため、自動改札機を通過する際に、残高不足が生じてゲートが閉じてしまい、人の流れを阻害してしまうという問題があった。
【0006】
そのため、自動改札機を通る前に、残高不足を報知することのできる技術が求められていた。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、利用者の操作を軽減しつつ路線経路の案内を行うと共に、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知することのできる路線経路案内装置および携帯通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る路線経路案内装置は、
通信ネットワークを介して、登録されたスケジュール情報及び支払い可能な電子マネーの残高を記憶する携帯通信端末と接続され、前記通信ネットワークを介して、路線経路案内情報を提供する路線経路案内装置であって、
少なくとも路線それぞれの各駅の所在地を含む地図データ、路線それぞれに対応した時刻表データ、各路線同士の接続情報を含む路線データ、及び路線それぞれに対応した料金表を含む料金表データを記憶するデータ記憶手段と、
前記携帯通信端末に記憶されているスケジュール情報に含まれる時間情報に基づいて、該携帯通信端末から送出される該端末の現在位置情報及びスケジュール情報に含まれる行き先情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段が受信した現在位置情報及び行き先情報に基づいて、前記データ記憶手段に記憶される地図データからそれぞれ最寄りの乗車駅及び下車駅を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した乗車駅及び下車駅を結ぶ路線経路を前記データ記憶手段に記憶される路線データから検索し、その検索した路線経路の料金を前記データ記憶手段に記憶される料金表データから算定する算定手段と、
前記算定手段が検索して算定した路線経路及び料金の情報を、路線案内及び残高比較のために要求元の携帯通信端末に、通信ネットワークを介して、送信する情報送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、データ記憶手段は、少なくとも路線それぞれの各駅の所在地を含む地図データ、路線それぞれに対応した時刻表データ、各路線同士の接続情報を含む路線データ、及び路線それぞれに対応した料金表を含む料金表データを記憶する。情報受信手段は、携帯通信端末に記憶されているスケジュール情報に含まれる時間情報に基づいて、該携帯通信端末から送出される該端末の現在位置情報及びスケジュール情報に含まれる行き先情報を受信する。決定手段は、情報受信手段が受信した現在位置情報及び行き先情報に基づいて、データ記憶手段に記憶される地図データからそれぞれ最寄りの乗車駅及び下車駅を決定する。算定手段は、決定手段が決定した乗車駅及び下車駅を結ぶ路線経路をデータ記憶手段に記憶される路線データから検索し、その検索した路線経路の料金をデータ記憶手段に記憶される料金表データから算定する。情報送信手段は、算定手段が検索して算定した路線経路及び料金の情報を、路線案内及び残高比較のために要求元の携帯通信端末に、通信ネットワークを介して、送信する。
このように、路線経路案内装置が、携帯通信端末から送られた情報に応答して路線経路及び料金の情報を送信するため、携帯通信端末では、登録されたスケジュール情報に基づいて、目的地までの路線経路を利用者に案内可能であり、また、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知可能である。
この結果、利用者の操作を軽減しつつ路線経路の案内を行うと共に、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知することができる。
【0010】
前記算定手段は、前記決定手段によって決定された乗車駅と下車駅とを結ぶ路線経路が複数存在する際には、各路線経路に対応する料金が最も低料金の路線経路を最適経路路線として選定する路線経路選定手段を、更に備えてもよい。
【0011】
前記算定手段は、前記携帯通信端末が記憶し、該端末から送出されて受信した電子マネー残高の範囲以内となる料金に対応する路線経路の検索を行ってもよい。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る携帯通信端末は、
通信ネットワークを介して、経路検索を行う路線経路案内装置と接続され、前記通信ネットワークを介して、前記路線経路案内装置から路線案内サービスを享受可能な携帯通信端末であって、
少なくとも予定時刻及び行き先情報が含まれるスケジュール情報を記憶するスケジュール記憶手段と、
現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
スケジュール記憶手段に記憶されたスケジュール情報に含まれる時間情報の予定時刻の所定時間前に、前記位置情報取得手段が取得した現在位置情報及びスケジュール情報に含まれる行き先情報を、前記通信ネットワークを介して、前記路線経路案内装置に送信する送信手段と、
前記送信手段が送信した情報に応答して、前記路線経路案内装置において算出された乗車駅と下車駅とを結ぶ路線経路及び当該路線経路の料金の情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した路線経路の情報を表示する表示手段と、
支払い可能な電子マネーごとにその残高を記憶する残高記憶手段と、
前記残高記憶手段が記憶する電子マネー残高よりも前記受信手段が受信した路線経路の料金が大きいかを判別する判別手段と、
前記判別手段によって電子マネー残高が路線経路の料金より少ないと判別されたときは、残高不足を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、スケジュール記憶手段は、少なくとも予定時刻及び行き先情報が含まれるスケジュール情報を記憶する。位置情報取得手段は、現在位置情報を取得する。送信手段は、スケジュール記憶手段に記憶されたスケジュール情報に含まれる時間情報の予定時刻の所定時間前に、位置情報取得手段が取得した現在位置情報及びスケジュール情報に含まれる行き先情報を、通信ネットワークを介して、路線経路案内装置に送信する。受信手段は、送信手段が送信した情報に応答して、路線経路案内装置において算出された乗車駅と下車駅とを結ぶ路線経路及び当該路線経路の料金の情報を受信する。表示手段は、受信手段が受信した路線経路の情報を表示する。残高記憶手段は、支払い可能な電子マネーごとにその残高を記憶する。判別手段は、残高記憶手段が記憶する電子マネー残高よりも受信手段が受信した路線経路の料金が大きいかを判別する。そして、報知手段は、判別手段によって電子マネー残高が路線経路の料金より少ないと判別されたときは、残高不足を報知する。
このように、携帯通信端末に登録されたスケジュール情報等に基づいて、目的地までの路線経路を利用者に案内可能であり、また、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知可能である。
この結果、利用者の操作を軽減しつつ路線経路の案内を行うと共に、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知することができる。
【0014】
上記の携帯通信端末は、前記送信手段が送信した情報と前記受信手段が受信した情報とを対応付け、履歴情報として蓄積する履歴情報蓄積手段と、
前記送信手段が新たな送信を行う際に、送信しようとする情報と前記履歴情報蓄積手段に蓄積された履歴情報とを比較して、過去に検索済みかどうかを判定する履歴判定手段と、
前記履歴判定手段によって検索済みと判定されたときは、前記送信手段の送信を停止させると共に、対象の履歴情報に基づいて、前記表示手段に路線経路の情報を表示させ、前記判別手段に電子マネー残高を判別させる制御手段と、
を更に備えてもよい。
【0015】
上記の携帯通信端末は、予め登録された基準位置と、予め指定された特定位置との間を移動する際の路線経路及びその料金を含む特定経路情報を予め記憶する特定経路記憶手段と、
前記送信手段が新たな送信を行う際に、スケジュール情報に従って、予定される内容が基準位置から特定位置への移動に該当するか否かを判定するスケジュール判定手段と、
前記スケジュール判定手段によって該当すると判定されたときは、前記送信手段の送信を停止させると共に、特定経路情報に基づいて、前記表示手段と、
を更に備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者の操作を軽減しつつ路線経路の案内を行うと共に、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態にかかる路線案内検索システムについて、以下図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、この発明の実施形態に適用される路線案内検索システムの構成の一例を示すブロック図である。図示するように、路線案内検索システムは、携帯通信端末1と、基地局2と、路線案内サービスサーバ3とを含んで構成される。
なお、基地局2は、携帯通信端末1と無線通信を行うために所定位置に複数配置されており、通信網Neを介して路線案内サービスサーバ3と通信可能に接続されている。
また、携帯通信端末1は、GPS(Global Positioning System)衛星Saからの衛星電波(GPS信号)を受信可能となっている。
【0019】
図2は、携帯通信端末1の構成の一例を示すブロック図である。図示するように、携帯通信端末1は、無線部11と、音声入出力部12と、入力部13と、表示部14と、ブラウザ15と、制御部16と、GPS電波受信部17、現在位置管理部18と、非接触無線インタフェース19と、電子マネー管理部20と、残高メモリ21とを備えて構成される。
【0020】
無線部11は、通信用のアンテナTaが接続されており、近傍の基地局2との間で無線通信を行う。
つまり、無線部11は、アンテナTaを介して受信した信号を復調・復号化して音声信号を生成し、音声入出力部12に供給する。なお、受信信号の内、音声以外のデータについては、ブラウザ15や制御部16に供給する。
また、無線部11は、音声入出力部12から供給された音声信号を変調し、アンテナTaを介して送信する。なお、ブラウザ15等から供給される送信用のデータについても同様に送信する。
【0021】
音声入出力部12は、スピーカSp及びマイクMiが接続されており、無線部11から供給された符合化信号を音声信号に変換し、変換した音声信号をスピーカSpから出力し、また、マイクMiから入力された音声を符号化等して無線部11に供給する。
【0022】
入力部13は、複数のキー等からなり、利用者のキー操作に応じた入力を受け付け、受け付けた入力内容を制御部16に供給する。
例えば、利用者がスケジュール登録を行う際に、入力部13は、予定日時や行き先情報等を含むスケジュール情報を入力し、制御部16に供給する。
【0023】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、携帯通信端末1の動作状況を示す画像等を表示する。
例えば、路線案内をする際に、表示部14は、ブラウザ15が生成(路線案内サービスサーバ3から閲覧)した、乗車駅から下車駅までの路線経路、各駅の出発時刻や到着時刻、所要時間、及び、料金等が含まれる路線案内画面(ウェブページ)を表示する。
【0024】
ブラウザ15は、制御部16に制御され、無線部11を介して所定のプロトコルに従ったデータの送受信を行うと共に、受信した所定形式のデータに基づいてウェブページ等を生成する。
例えば、携帯通信端末1が基地局2及び通信網Neを介して路線案内サービスサーバ3とデータ通信を行う場合に、ブラウザ15は、路線案内サービスサーバ3にアクセスして経路案内を要求し、検索された路線経路等の情報が含まれるデータを受信する。そして、受信したデータからウェブページを生成し、表示部14に表示する。
【0025】
制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、計時用タイマ、及び、不揮発性メモリ等を備えており、携帯通信端末1全体を制御する。すなわち、CPUがROMに記憶されている所定のプログラムを実行することにより、携帯通信端末1の各部の動作を制御する。なお、RAMは、CPUがプログラムを実行する際に、ワークメモリとして用いられる。
また、計時用タイマは、現在時刻等を適宜計時する。更に、不揮発性メモリは、入力部13から入力されて登録されたスケジュール情報等を適宜記憶する。
【0026】
具体的に制御部16は、音声入出力部12、ブラウザ15、現在位置管理部18、非接触無線インタフェース19及び、電子マネー管理部20等と連携して各種処理を行う。
例えば、制御部16は、上述したブラウザ15等を制御して、路線案内サービスサーバ3に経路案内を要求し、その案内結果(路線経路及び料金等)を取得する。その際、路線経路の料金情報を取得すると、電子マネー管理部20を介して残高メモリ21の残高情報(電子マネー残高)を参照し、残高不足等をチェックする。
【0027】
GPS電波受信部17は、受信用のアンテナJaが接続されており、複数のGPS衛星Saから送信されるGPS信号を受信して所定の測位演算を行うことにより、携帯通信端末1の現在位置を取得する。
つまり、GPS電波受信部17は、緯度及び経度等が含まれる現在位置情報を生成し、現在位置管理部18に供給する。
【0028】
現在位置管理部18は、GPS電波受信部17から供給された現在位置情報を記憶し、適宜管理する。
【0029】
非接触無線インタフェース19は、所定の微弱電波にて通信を行うインタフェースであり、例えば、駅の自動改札機等に備え付けられている専用のリーダライタとの間で無線通信を行う。
【0030】
電子マネー管理部20は、残高メモリ21にて記憶される電子マネー(価値情報)を管理する。
例えば、電子マネー管理部20は、非接触無線インタフェース19を介したリーダライタとの無線通信に基づいて、電子マネーの残高を減算する(電子マネーを消費する)。また、電子マネー管理部20は、制御部16からの残高照会に応答して、残高メモリ21の残高情報(電子マネー残高)を読み出し、制御部16に供給する。
【0031】
残高メモリ21は、チャージされた(プリペイドにより入金された)金額に相当する電子マネーの情報を記憶する。そして、電子マネー管理部20の管理に基づいて、支払金額(料金)分を減算する。なお、再度チャージされた場合には、その分が加算される。
【0032】
次に、図3を参照して路線案内サービスサーバ3について説明する。図3は、路線案内サービスサーバ3の構成の一例を示すブロック図である。図示するように、路線案内サービスサーバ3は、通信網接続制御部31と、受信部32と、乗車駅/下車駅決定部33と、地図データベース34と、時刻表データベース35と、路線データベース36と、料金表データベース37と、路線経路算出部38と、送信部39とを備えて構成される。
【0033】
通信網接続制御部31は、通信制御装置等からなり、信号の変換や誤り制御等を行いながら、通信網Neを介したデータ通信を制御する。
【0034】
受信部32は、通信網接続制御部31を通じて、通信網Neを介して送られたデータを受信する。
例えば、受信部32は、携帯通信端末1から送られた路線案内のための要求データを受信する。なお、要求データには、一例として、携帯通信端末1の現在位置情報及び行き先情報等が含まれている。
そして、受信部32は、このような要求データ等を乗車駅/下車駅決定部33に供給する。
【0035】
乗車駅/下車駅決定部33は、受信部32から供給された要求データ等に基づいて、地図データベース34を検索し、路線案内の出発地となる乗車駅及び、目的地となる下車駅を決定する。
例えば、乗車駅/下車駅決定部33は、現在位置情報から携帯通信端末1の現在位置を特定し、そこからの最寄り駅(例えば、直線距離が最も近い駅)を乗車駅として地図データベース34から取得する。同様に、行き先情報から目的地を特定し、そこからの最寄り駅を下車駅として地図データベース34から取得する。
乗車駅/下車駅決定部33は、決定した乗車駅及び下車駅の情報を路線経路算出部38に供給する。
【0036】
地図データベース34は、各駅の所在地(位置情報)を含む地図データを検索自在に記憶する。
時刻表データベース35は、各路線に対応した時刻表を含む時刻表データを検索自在に記憶する。
路線データベース36は、各路線における各駅間の所要時間や、各路線同士の接続(乗換)情報を含む路線データを検索自在に記憶する。
料金表データベース37は、各路線に対応した料金表を含む料金表データを検索自在に記憶する。
【0037】
路線経路算出部38は、乗車駅/下車駅決定部33が決定した乗車駅及び下車駅等の情報に基づいて、時刻表データベース35及び路線データベース36を検索し、最適な路線経路を算出する。
例えば、路線経路算出部38は、乗車駅と下車駅とを結ぶ複数の路線経路(路線候補)を探索し、それぞれの所要時間を求める。そして、その中から最も所要時間が少なくて済む経路を、最適な路線経路として決定する。
路線経路算出部38は、決定した路線経路(最適な路線経路)に基づいて、料金表データベース37を検索し、料金(その路線経路を実際に乗車した場合の運賃)を算出する。
【0038】
送信部39は、路線経路算出部38が算出した路線経路、所要時間及び、料金を含む路線案内情報を生成し、通信網接続制御部31を通じて送信する。
つまり、送信部39は、路線経路案内を要求した携帯通信端末1に向けて、路線案内情報を返信する。
【0039】
上述した構成の路線案内検索システムの動作について、以下、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、上述した携帯通信端末1が実行する案内処理の処理内容を示すフローチャートである。また、図5は、上述した路線案内サービスサーバ3が実行する経路検索処理の処理内容を示すフローチャートである。
なお、図4に示す案内処理は、例えば、利用者により携帯通信端末1に所定のスケジュール情報が登録された状態で開始され、また、図5に示す経路検索処理は、携帯通信端末1から路線案内サービスサーバ3へのアクセスに応答して開始される。
【0040】
最初に図4の案内処理の処理内容について説明する。なお、携帯通信端末1には、予定日時や行き先情報等を含むスケジュール情報が利用者により登録されているものとする。
【0041】
まず、携帯通信端末1は、登録されたスケジュールを常に監視し、予定前(スケジュール時刻前)の所定時刻になったか否かを判別する(ステップS101)。つまり、制御部16は、RAM等に記憶したスケジュール情報の予定時刻から任意に設定された所定時間前(例えば、10分前)の時刻が経過したか否かを判別する。
【0042】
携帯通信端末1は、予定前の所定時刻になったと判別すると、登録されたスケジュール情報から行き先情報を取得する(ステップS102)。
携帯通信端末1は、行き先情報を構成する項目の全項目からデータを取得したか否かを判別する(ステップS103)。そして、項目にデータが入力されていない未取得の入力項目が残っている場合に、携帯通信端末1は、未取得項目入力画面を表示部14に表示し(ステップS104)、未取得項目情報の入力を待機する(ステップS105)。利用者により入力部13に配設されているキーが操作され、未取得項目情報が入力されると、上述のステップS103の処理に戻す。
【0043】
一方、ステップS103にて、行き先情報を構成する全ての項目からデータを取得したと判別すると、携帯通信端末1は、GPS電波受信部17が取得し、現在位置管理部18にて記憶される現在位置情報を取得する(ステップS106)。
【0044】
上述したステップS106の取得処理によって現在位置情報が取得されると、ブラウザ15から無線部11を介して(より詳細には、基地局2及び通信網Neを介して)、路線案内サービスサーバ3にアクセスして、経路案内サービスを路線案内サービスサーバ3の要求を行う(ステップS107)。
そして、携帯通信端末1は、路線案内サービスサーバ3とのセッションが確立されるまで待機する(ステップS108)。セッションが確立されると、後述するステップS115に処理を進める。
【0045】
一方、上述したステップS101における判別処理の判別結果がスケジュール設定時刻予定前の所定時刻になっていなければ、ステップS109の処理に進む。
そしてステップS109では、利用者により入力部13が適宜操作され、路線案内サービスサーバ3へのアクセスが要求されたか否かの判別を行う。他方、路線サービス要求がなければ(ステップS109:No)、上述のステップS101の処理に戻る。
【0046】
ステップS109の判別処理においてサービス要求が有ったと判別した場合に、路線案内サービスサーバ3にアクセスしてセッションが確立されるまで待機し(ステップS110)、続いて、路線案内サービスサーバ3から送られる路線案内条件入力画面の受信を待機する(ステップS111)。
路線案内条件入力画面を受信すると、その路線案内条件入力画面を表示部14に表示し(ステップS112)、入力項目の全てが入力済みとなるまで待機する(ステップS113)。
全てが入力済みとなると、現在位置情報を取得する(ステップS114)。そして、ステップS115に処理を進める。
【0047】
ステップS115では、現在位置情報及び行き先情報を路線案内サービスサーバ3に送信する。
そして、路線案内サービスサーバ3に送信した現在位置情報及び行き先情報に応じた下車駅までの路線情報(乗車駅から下車駅までの路線経路情報)及び、料金情報等が、路線案内サービスサーバ3にて、乗車駅及び下車駅が決定され、その間の最適な路線経路が検索されて、その料金等が求められ、それらの情報を路線案内サービスサーバ3から受信するまで待機する(ステップS116)。
【0048】
上述したステップS116の受信処理によって路線経路情報及び料金情報等を受信すると、電子マネー残高の取得を行う(ステップS117)。つまり、電子マネー管理部20を介して、残高メモリ21に記憶される残高を照会する。
【0049】
そして、S117の処理により取得した電子マネー残高とS116の処理によって路線案内サービスサーバ3から受信した料金とを比較して、提示された案内路線経路に従って、利用者が交通機関に乗車した場合に、自動改札機にて残高不足とならないかどうかの検算を行う(ステップS118)。
【0050】
残高不足とならないと判別すると、路線案内サービスサーバ3によって検索され、そして提供された路線経路及び料金情報等を表示部14に表示する(ステップS119)。
一方、残高不足となると判別した場合に、路線経路及び料金情報等を表示すると共に、残高不足の警告メッセージを表示する(ステップS120)。つまり、残高メモリ21における残高では、自動改札機にて退場時若しくは入場時に料金を払えないため、事前に入金(チャージ)を促すメッセージを表示部14に表示を行う。
【0051】
以上までの処理が携帯通信端末1において行われる案内処理における処理内容である。
次に、路線案内サービスサーバ3にて行われる経路検索処理の手順について説明する。図5は路線案内サービスサーバ3にて行われる経路検索処理の処理内容を示すフローチャートである。
なお、携帯通信端末1では、上述した案内処理が行われているものとする。
【0052】
まず、携帯通信端末1からのアクセスを受け付け、図4に示した案内処理におけるステップS107の処理における携帯通信端末1から路線案内サービスが要求されたものであるかを判別する(ステップS201)。
【0053】
ここで携帯通信端末1から路線案内サービスが要求されていれば、携帯通信端末1とのセッションを確立する(ステップS202)。そして、後述するステップS206に処理を進める。
【0054】
一方、携帯通信端末1から路線案内サービスが要求されていなければ、図4に示した案内処理におけるステップS109の処理において、携帯通信端末1から路線サービスが要求されたかを判別する(ステップS203)。
なお、サービスメニューの要求でなければ、上述したステップS201の処理に戻し、携帯通信端末1からの各種サービス要求を待つ。
【0055】
そして、サービスメニューの要求であれば、携帯通信端末1とのセッションを確立し(ステップS204)、要求に応じた路線案内条件の入力画面ページを携帯通信端末1に送る(ステップS205)。つまり、路線案内のための条件を入力させる入力画面ページを携帯通信端末1に送信する。そして、送信終了後にステップS206の処理に進む。
【0056】
ステップS206では、携帯通信端末1から送られる現在位置情報及び行き先情報を受信するまで待機する。
そして、携帯通信端末1から現在位置情報及び行き先情報を受信すると、乗車駅/下車駅決定部33は、現在位置情報から携帯通信端末1の現在位置を特定し、そこからの最寄り駅を乗車駅として地図データベース34から取得する(ステップS207)。同様に、行き先情報から目的地を特定し、そこからの最寄り駅を下車駅として地図データベース34から取得を行う(ステップS208)。
【0057】
路線経路算出部38は、決定した乗車駅及び下車駅と出発/到着時刻等に基づいて路線経路(路線候補)の検索(抽出)を行う(ステップS209)。そして、下車駅までの料金を算出し、また、下車駅までの所要時間を算出する(ステップS210)。
【0058】
また、路線経路算出部38は、複数の路線候補が検索されているか否かを判別し(ステップS211)、複数の路線候補が検索されている場合に、その中で最も所要時間の短い路線経路を最適経路として選定する(ステップS212)。
なお、1つの路線経路(路線候補)だけが検索されている場合に、路線経路算出部38は、その路線経路を最適経路として決定を行う。
【0059】
上述したステップS210の処理で抽出された料金/所要時間あるいはステップ212の処理によって選定された最適な路線経路情報を送信部39に出力し、送信部39においてそれら情報をHTML形式に変換を行った後、要求元の携帯通信端末1に向けて送出する(ステップS213)。
【0060】
このように、携帯通信端末1が行う案内処理及び、路線案内サービスサーバ3が行う経路検索処理によって、スケジュール情報等に基づいて、目的地までの路線経路を利用者に適宜案内することができ、また、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知することができる。
つまり、携帯通信端末1からのサービス要求に応答して、路線案内サービスサーバ3は、利用者が携帯通信端末1に登録したスケジュールの行き先内容と携帯通信端末1の現在位置を受け取り、それら情報に基づいて乗車駅と下車駅とを選定し、その間の路線経路及びその経路を利用したときの運賃料金を自動的に算定して携帯通信端末1に送信する。そして、携帯通信端末1は、利用者に案内するための路線経路等を表示すると共に、支払うべき料金よりも電子マネー残高が少ない場合に、残高不足を事前に報知することで、利用者に再チャージを促すことができる。
【0061】
以下、路線案内検索システムの動作について、図6等を参照してより具体的に説明する。
図6は、路線案内検索システムの具体的な動作を説明するための模式図である。なお、図示するように、携帯通信端末1は、XYZ駅の近傍に位置しており、また、携帯通信端末1には、施設Drへの移動予定がスケジュール情報として登録されているものとする。つまり、行き先情報には、施設Drの位置情報等が含まれている。
【0062】
登録されたスケジュールの予定前時刻(予定時刻から所定時間前)になると、携帯通信端末1は、行き先情報をスケジュール情報から取得し(ステップS102)、また、現在位置情報を取得する(ステップS106)。そして、携帯通信端末1は、路線案内サービスサーバ3に路線案内サービスを要求する(ステップS107)。
【0063】
一方、路線案内サービスサーバ3は、携帯通信端末1から送られた現在位置情報に基づいて、最も近傍のXYZ駅を乗車駅として取得し(ステップS207)、また、行き先情報(施設Drの位置情報等)に基づいて、EFG駅を下車駅として取得する(ステップS208)。
続いて、路線案内サービスサーバ3は、XYZ駅からEFG駅を結ぶ路線経路を抽出すると共に(ステップS209)、EFG駅までの料金等を算出する(ステップS210)。そして、路線案内サービスサーバ3は、最も所要時間の短いXYZ駅−BBB駅−EFG駅の経路を最適な路線経路とし、この路線経路及びその料金(例えば、450円)を、携帯通信端末1に送出する(ステップS213)。
【0064】
これら路線経路及びその料金を受信すると、携帯通信端末1は、電子マネー残高と料金とを比較する(ステップS118)。そして、残高不足が生じない場合に、図7(a)に示すような経路案内画面を表示する(ステップS119)。一方、残高不足が生じると判別した場合に、携帯通信端末1は、図7(b)に示すような残高不足を報知するメッセージMを含む経路案内画面を表示する(ステップS120)。
【0065】
つまり、スケジュール情報等に基づいて、現在地から目的地(施設Dr)までの路線経路(XYZ駅−BBB駅−EFG駅)を利用者に適宜案内することができ、また、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知することができる。
【0066】
上記の実施形態では、路線案内サービスサーバ3において、最も所要時間が少なくて済む経路を最適な路線経路として決定する場合について説明したが、他に、最も料金が安くて済む経路を最適な路線経路として決定してもよい。
【0067】
また、上記の実施形態では、路線案内サービスサーバ3にて路線経路が決定された後に、携帯通信端末1にてその路線経路の料金と電子マネー残高とを比較して残高不足を判別する場合について説明したが、携帯通信端末1の電子マネー残高も路線案内サービスサーバ3に送信し、電子マネー残高の範囲内となる料金の路線経路の検索を路線案内サービスサーバ3が試みる様にしてもよい。
つまり、電子マネー残高の範囲内で収まる料金の路線経路があれば、路線案内サービスサーバ3は、所要時間等よりも優先して、その経路を最適な路線経路として決定し、携帯通信端末1に送信するようにしてもよい。
【0068】
上記の実施形態では、路線案内サービスサーバ3に対して携帯通信端末1から無条件にアクセスし、経路案内を要求する場合について説明したが、携帯通信端末1側で履歴情報を蓄積するようにして、経路案内が不要な場合には路線案内サービスサーバ3に対するアクセスを行わないようにしてもよい。
以下、履歴情報を利用した本発明の他の実施形態について図8を参照して説明する。
【0069】
図8は、履歴情報を利用する携帯通信端末1が実行する他の案内処理の処理内容を示すフローチャートである。
なお、携帯通信端末1は、路線案内サービスサーバ3に経路案内を要求する毎に、制御部16の不揮発性メモリに、送受信した情報を現在位置情報及び行き先情報と、受信した路線経路情報及び料金情報とを対応付けて履歴情報として蓄積する。
【0070】
まず、携帯通信端末1には、登録されたスケジュールを常に監視し、予定前の所定時刻になるまで待機する(ステップS301)。
そして、予定前の所定時刻になると、スケジュール情報から行き先情報を取得し(ステップS302)、また、現在位置管理部18から現在位置情報を取得する(ステップS303)。
【0071】
携帯通信端末1は、履歴情報を参照し、検索済みであるか否かを判別する(ステップS304)。つまり、路線案内サービスサーバ3に送信しようとする現在位置情報及び行き先情報と履歴情報とを比較して、過去に経路案内を要求済みかどうかを判定する。
【0072】
検索済みでないと判別すると、現在位置情報及び行き先情報を路線案内サービスサーバ3に送信し(ステップS305)、下車駅までの路線情報及び料金情報等を受信するまで待機する(ステップS306)。
そして、路線情報及び料金情報等を受信すると、送信した現在位置情報及び行き先情報と、受信した路線経路情報及び料金情報とを対応付けて履歴情報に蓄積する(ステップS307)。
【0073】
一方、ステップS304にて、検索済みであると判別すると、履歴情報から対応する路線情報及び料金情報を取得する(ステップS308)。
【0074】
上述のステップS306にて、路線案内サービスサーバ3から路線経路情報及び料金情報を受信するか、若しくは、上述のステップS308にて、履歴情報から路線経路情報及び料金情報を取得すると、残高メモリ21に記憶される電子マネー残高の取得を行う(ステップS309)。
そして、電子マネー残高と、路線案内サービスサーバ3から受信、若しくは、履歴情報から取得した料金とを比較して、提示された案内路線経路に従って、利用者が交通機関に乗車した場合に、自動改札機にて残高不足とならないかどうかの検算を行う(ステップ310)。
【0075】
残高不足とならないと判別すると、路線案内サービスサーバ3から受信、若しくは、履歴情報から取得した路線経路及び料金等を表示部14に表示する(ステップS311)。
一方、残高不足となると判別した場合に、路線経路及び料金等を表示すると共に、残高メモリ21における残高では自動改札機にて退場時若しくは入場時に料金を払えないため、事前に入金(チャージ)を促す警告メッセージを表示部14に表示を行う(ステップS312)。
【0076】
このような図8に示す案内処理により、実際に、経路案内を要求する毎に、路線案内サービスサーバ3との間で送受信した情報が履歴情報として蓄積される。そして、新たに経路案内を要求する際に、この履歴情報が参照され、過去に経路案内を要求済みかどうかが判定される。ここで、要求済みの場合には、この履歴情報から路線経路情報及び料金情報を取得するため、路線案内サービスサーバ3に対する不要なアクセスを省くことができる。
【0077】
上述した図8の案内処理では、履歴情報を利用して、路線案内サービスサーバ3への不要なアクセスを省く場合について説明したが、利用者の自社等の位置(基準位置)と、頻繁に訪問する取引会社等の位置(特定位置)とを登録可能とし、予定されるスケジュールの内容がその取引会社への出張等である場合には、予め定められた路線経路及び料金を示す特定経路情報を含む特定経路情報を利用して、路線案内サービスサーバ3への不要なアクセスを省いてもよい。
以下、特定経路情報を利用した本発明の他の実施形態について図9を参照して説明する。
【0078】
図9は、特定経路情報を利用する携帯通信端末1が実行する他の案内処理の処理内容を示すフローチャートである。
なお、携帯通信端末1には、基準位置として自社の情報が、また、特定位置として指定された取引会社の情報が登録されているものとし、その間(より詳細には、基準位置に対応する乗車駅と特定位置に対応する下車駅との間)を結ぶ路線経路及び料金が特定経路情報として予め記憶されているものとする。
【0079】
まず、携帯通信端末1は、予定前の所定時刻を常に監視し(ステップS401)、予定前の所定時刻になると、スケジュール情報から行き先情報とその予定内容を取得する(ステップS402)。
そして、予定内容が出張等の固有種別であるか否かを判別する(ステップS403)。
【0080】
予定内容が出張等の固有種別であると判別すると、行き先情報に従って、利用者の行き先が登録された取引会社等(特定位置)であるか否かを判別する(ステップS404)。
【0081】
上述のステップS403にて、予定内容が出張等でないと判別された場合、若しくは、上述のステップS404にて、行き先が特定位置でないと判別された場合に、現在位置管理部18から現在位置情報を取得する(ステップS405)。
そして、現在位置情報及び行き先情報を路線案内サービスサーバ3に送信し(ステップS406)、下車駅までの路線情報及び料金情報等を受信するまで待機する(ステップS407)。
【0082】
一方、上述のステップS403にて予定内容が出張等であると判別され、そして、上述のステップS404にて行き先が特定位置であると判別された場合に、特定経路情報から対応する路線情報及び料金情報を取得する(ステップS408)。
【0083】
携帯通信端末1は、上述のステップS407にて、路線案内サービスサーバ3から路線経路情報及び料金情報を受信するか、若しくは、上述のステップS408にて、特定経路情報から路線経路情報及び料金情報を取得すると、残高メモリ21に記憶される電子マネー残高の取得を行う(ステップS409)。
そして、電子マネー残高と、路線案内サービスサーバ3から受信、若しくは、特定経路情報から取得した料金とを比較して、提示された案内路線経路に従って、利用者が交通機関に乗車した場合に、自動改札機にて残高不足とならないかどうかの検算を行う(ステップ410)。
【0084】
残高不足とならないと判別すると、路線案内サービスサーバ3から受信、若しくは、特定経路情報から取得した路線経路及び料金等を表示部14に表示する(ステップS411)。
一方、残高不足となると判別した場合に、路線経路及び料金等を表示すると共に、残高メモリ21における残高では自動改札機にて退場時若しくは入場時に料金を払えない残高不足ため、事前に入金(チャージ)を促すメッセージを表示部14に表示を行う(ステップS412)。
【0085】
このような図9に示す案内処理によっても、経路案内を要求する際に、スケジュールの予定内容に従って特定経路情報が参照され、登録された基準位置から特定位置への移動であるかどうかが判定される。つまり、特定経路の移動である場合には、この特定経路情報から路線経路情報及び料金情報を取得するため、路線案内サービスサーバ3に対する不要なアクセスを省くことができる。
【0086】
上記の実施形態では、携帯通信端末1がGPS電波受信部17にて受信したGPS信号に基づいて、現在位置情報を取得する場合について説明したが、他に基地局2から得られる情報に基づいて、現在位置情報を取得するようにしてもよい。
例えば、通信可能な1つの基地局2又は、複数の基地局2から得られる情報に基づいて、携帯通信端末1の現在位置情報を取得するようにしてもよい。
【0087】
上記の実施形態では、利用者が使用する端末として、携帯通信端末1を一例として説明したが、本発明の端末は、日常的に携帯可能に形成され、ウエブページに相当する情報を路線案内サービスサーバ3との間で送受信可能な種々の端末装置(通信機)により実施することができ、携帯通信端末1に限られるものではなく、他の機器にも適用可能である。
【0088】
また、携帯型のパソコン(パーソナルコンピュータ)等にも適宜適用することができる。
つまり、無線通信を行う通信カード等を備えたパソコンに、上述した案内処理等を行うプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これをコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは上述のステップを実行させてもよい。
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば搬送波に重畳させてコンピュータにダウンロードする等してもよい。
【0089】
以上説明したように、本発明によれば、利用者の操作を軽減しつつ路線経路の案内を行うと共に、案内する路線経路に応じて生じ得る残高不足を事前に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態に係る路線案内検索システムの構成の一例を示す模式図である。
【図2】携帯通信端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】路線案内サービスサーバの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る案内処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る経路検索処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の路線案内検索システムの具体的な動作を説明するための模式図である。
【図7】(a)が携帯通信端末に表示される経路案内画面の一例を示す模式図であり、(b)が残高不足を警告するメッセージの表示された経路案内画面の一例を示す模式図である。
【図8】履歴情報を利用した本発明の他の実施形態に係る案内処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】特定経路情報を利用した本発明の他の実施形態に係る案内処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1・・・携帯通信端末、2・・・基地局、3・・・路線案内サービスサーバ、11・・・無線部、12・・・音声入出力部、13・・・入力部、14・・・表示部、15・・・ブラウザ、16・・・制御部、17・・・GPS電波受信部、18・・・現在位置管理部、19・・・非接触無線インタフェース、20・・・電子マネー管理部、21・・・残高メモリ、31・・・通信網接続制御部、32・・・受信部、33・・・乗車駅/下車駅決定部、34・・・地図データベース、35・・・時刻表データベース、36・・・路線データベース、37・・・料金表データベース、38・・・路線経路算出部、39・・・送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して、登録されたスケジュール情報及び支払い可能な電子マネーの残高を記憶する携帯通信端末と接続され、前記通信ネットワークを介して、路線経路案内情報を提供する路線経路案内装置であって、
少なくとも路線それぞれの各駅の所在地を含む地図データ、路線それぞれに対応した時刻表データ、各路線同士の接続情報を含む路線データ、及び路線それぞれに対応した料金表を含む料金表データを記憶するデータ記憶手段と、
前記携帯通信端末に記憶されているスケジュール情報に含まれる時間情報に基づいて、該携帯通信端末から送出される該端末の現在位置情報及びスケジュール情報に含まれる行き先情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段が受信した現在位置情報及び行き先情報に基づいて、前記データ記憶手段に記憶される地図データからそれぞれ最寄りの乗車駅及び下車駅を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した乗車駅及び下車駅を結ぶ路線経路を前記データ記憶手段に記憶される路線データから検索し、その検索した路線経路の料金を前記データ記憶手段に記憶される料金表データから算定する算定手段と、
前記算定手段が検索して算定した路線経路及び料金の情報を、路線案内及び残高比較のために要求元の携帯通信端末に、通信ネットワークを介して、送信する情報送信手段と、
を備えることを特徴とする路線経路案内装置。
【請求項2】
前記算定手段は、前記決定手段によって決定された乗車駅と下車駅とを結ぶ路線経路が複数存在する際には、各路線経路に対応する料金が最も低料金の路線経路を最適経路路線として選定する路線経路選定手段を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の路線経路案内装置。
【請求項3】
前記算定手段は、前記携帯通信端末が記憶し、該端末から送出されて受信した電子マネー残高の範囲以内となる料金に対応する路線経路の検索を行うことを特徴とする請求項1に記載の路線経路案内装置。
【請求項4】
通信ネットワークを介して、経路検索を行う路線経路案内装置と接続され、前記通信ネットワークを介して、前記路線経路案内装置から路線案内サービスを享受可能な携帯通信端末であって、
少なくとも予定時刻及び行き先情報が含まれるスケジュール情報を記憶するスケジュール記憶手段と、
現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
スケジュール記憶手段に記憶されたスケジュール情報に含まれる時間情報の予定時刻の所定時間前に、前記位置情報取得手段が取得した現在位置情報及びスケジュール情報に含まれる行き先情報を、前記通信ネットワークを介して、前記路線経路案内装置に送信する送信手段と、
前記送信手段が送信した情報に応答して、前記路線経路案内装置において算出された乗車駅と下車駅とを結ぶ路線経路及び当該路線経路の料金の情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した路線経路の情報を表示する表示手段と、
支払い可能な電子マネーごとにその残高を記憶する残高記憶手段と、
前記残高記憶手段が記憶する電子マネー残高よりも前記受信手段が受信した路線経路の料金が大きいかを判別する判別手段と、
前記判別手段によって電子マネー残高が路線経路の料金より少ないと判別されたときは、残高不足を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする携帯通信端末。
【請求項5】
前記送信手段が送信した情報と前記受信手段が受信した情報とを対応付け、履歴情報として蓄積する履歴情報蓄積手段と、
前記送信手段が新たな送信を行う際に、送信しようとする情報と前記履歴情報蓄積手段に蓄積された履歴情報とを比較して、過去に検索済みかどうかを判定する履歴判定手段と、
前記履歴判定手段によって検索済みと判定されたときは、前記送信手段の送信を停止させると共に、対象の履歴情報に基づいて、前記表示手段に路線経路の情報を表示させ、前記判別手段に電子マネー残高を判別させる制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
予め登録された基準位置と、予め指定された特定位置との間を移動する際の路線経路及びその料金を含む特定経路情報を予め記憶する特定経路記憶手段と、
前記送信手段が新たな送信を行う際に、スケジュール情報に従って、予定される内容が基準位置から特定位置への移動に該当するか否かを判定するスケジュール判定手段と、
前記スケジュール判定手段によって該当すると判定されたときは、前記送信手段の送信を停止させると共に、特定経路情報に基づいて、前記表示手段に路線経路の情報を表示させ、前記判別手段に電子マネー残高を判別させる制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の携帯通信端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−252169(P2006−252169A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67585(P2005−67585)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】