路面用排水路
【課題】本願発明は、従来のように規格品の鋼管を用いる利点を生かしつつ、集水効率が高く、様々な使用態様に柔軟に対応でき、構成部品が少なく強度的にも強い路面用排水路を、安価に提供することを目的とする。
【解決手段】本願発明の路面用排水路10は、排水路に規格品の鋼管1を用いた路面用排水路であって、前記規格品の鋼管1の上面に通水孔4を設け、側面には通水孔を設ける場合と、設けない場合とがあり、路面からの排水を、前記上面の通水孔4を介して前記鋼管1内へ効率よく誘導するように構成された導水補助部材として導水板2を備えることを特徴としている。
【解決手段】本願発明の路面用排水路10は、排水路に規格品の鋼管1を用いた路面用排水路であって、前記規格品の鋼管1の上面に通水孔4を設け、側面には通水孔を設ける場合と、設けない場合とがあり、路面からの排水を、前記上面の通水孔4を介して前記鋼管1内へ効率よく誘導するように構成された導水補助部材として導水板2を備えることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、歩道、道路、駐車場等の路面に埋設される路面用排水路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路等の路面表面の水はけをよくするために、透水性アスファルト等で形成した透水性舗装が用いられている。この透水性舗装によれば、路面表面を雨水等が流れることができるとともに、路面表面に溜まった雨水等を内部に浸透させ、路面用排水路へと排水することができる。
【0003】
従来、図13の(a)に示す特許文献1の路面用排水路80が知られている。当該路面用排水路80は、管渠型側溝80aに排水路71が設けられ、その排水路71内部に、雨水を誘導する通水路72が設けられている。通水路72は、透水性舗装R内部に浸透した雨水及び、路面表面から流れてきた雨水等を集水し、排水路71内部へ誘導し排水できるようになっている。
【0004】
しかし、前記管渠型側溝80aはコンクリート製であるため、非常に重く路面に設置する場合には、重機等を利用するので作業が大変であった。また、管渠型側溝80aは排水路71をコンクリートで囲うような構成となっているので、排水路71に比べて路面排水路80自体の大きさが大きくなり、設置するには大きな溝を掘らなければならなかった。
【0005】
そこで、路面用排水路の重量が軽く、設置が容易である図13の(b)に示す特許文献2の路面用排水路90が知られている。前記路面用排水路90は、路面中に埋設され上面に開口を有する断面略倒コ字形の桶本体81と、前記桶本体81の開口に装着され前記桶本体81の側面部81aの内面に対向する壁部82aを有する蓋部材82からなる。実際に設置する際は、路面中に埋設された桶本体81に蓋部材82をはめ込んで一体とするのみでよく、取り付けが容易である。
【0006】
また、蓋部材82の上面は、格子状部材85となっているので、ゴミ等が桶本体81に入ることや、自転車等のタイヤが挟まることを防止すると共に、雨水等を通すことができる。桶本体81の側面部81aには、多数の通水孔83が設けられており、透水性舗装内部に浸透した雨水を桶本体81内部へと集水し排水することができる。
【0007】
しかし、桶本体81に蓋部材82を取り付ける構成であると、桶本体81の通水断面が蓋部材82及び格子状部材85により狭められ、排水能力が低下してしまう。ここで、通水断面とは、桶本体81の内側を排水が流れることのできる断面のことで、図13の(b)では、断面略倒コ字形をした桶本体81の内側と蓋部材82及び格子状部材85の下面とで囲まれた範囲をいう。
【0008】
そこで、図13の(c)に示す特許文献3の路面用排水路100が知られている。前記路面用排水路100は、排水路となる通水部91と排水路内部に雨水等を集水する桶部92からなる。そして、通水部91は、底部91a、奥壁部91b、前壁部91c、上壁部91dからなり、桶部92は、奥壁部91bの上端と側壁92aからなる。さらに、前記桶部92には、取り外し可能な格子状の蓋部95が設けられている。このように、路面から雨水を回収し通水部91に誘導する桶部92が、通水部91の上面に設けられているため、通水部91の内側の通水断面は確保されている。
【0009】
前記各部材(通水部91、桶部92等)は、鋼材等の金属板を切断し曲げ加工等(例えば、通水部91の底部91aはコの字型に加工されている)により形成される。そして、各部材が溶接されて組み立てられることにより路面用排水路100が形成される。
【0010】
しかし、路面用排水路100は、鋼材等の金属板を板金加工した複数の部材から構成され、しかも溶接して組み立てる工程も多いため、それだけ製造コストが高くなり、また、誤差も生じやすくなる。例えば、排水路である通水部91内の排水が外部に漏れることや、桶部92に蓋部95が嵌らない事が起こりえる。
【0011】
一方、上記路面用排水路100のように板金加工を行わずに、規格品の角形鋼管を用いた図14に示す特許文献4の路面用排水路200がある。この路面用排水路200は、規格品の角形鋼管191に溝切り193を開け、この溝切り193に路面から流入した雨水等を排水するものである。このように、規格品を用いた角形鋼管191に溝切り193を開けるという簡単な構造なので、通水断面も確保できて重量も軽くなる。さらに、「JIS規格である角形鋼管を用いることで、全国統一された規格となり、安価に生産できる」という利点が記載されている。
【0012】
しかし、この路面用排水路200は規格品の角形鋼管191に溝切り193を開けた構造であり、強度的に不十分であった。つまり、路面に埋設された路面用排水路200に車両等が載った場合に、このような構造では、その重量を支えるための強度が不十分である。
【0013】
さらに、角形鋼管191に単に溝切り193を開けただけでは、溝切り193に向けて流れてきた雨水のみを受動的に角形鋼管191に通過させることしかできない。したがって、路面用排水路200周辺からの雨水を角形鋼管191内に確実に誘導することができず、集水効率が低い。
【0014】
また、規格品の鋼管191に単に溝切り193を開けた構造の路面用排水路200では、その周囲の状況に応じて路面用排水路200の構造や形状を変更しようとしても、溝切り193の大きさや数等を変更するにとどまり、あらゆる使用態様に対応した設計をすることできない。
【0015】
この点に関して従来の路面用排水路100(図13の(c)参照)では、あらゆる使用態様に対応するために、路面用排水路の構造や形状を変更しようとすると、複数ある構成部材(通水部91、桶部92等)の設計変更を余儀なくされ、コストが非常に嵩んでしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特願平10−347031号
【特許文献2】特願2003−283684号
【特許文献3】特願2003−110328号
【特許文献4】特願平10−225134号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本願発明は上記問題に鑑み、従来のように規格品の鋼管を用いる利点を生かしつつ、集水効率が高く、様々な使用態様に柔軟に対応でき、構成部品が少なく強度的にも強い路面用排水路を、安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願発明の路面用排水路は、排水路に規格品の鋼管を用いた路面用排水路であって、前記規格品の鋼管の上面に通水孔を設け、側面には通水孔を設ける場合と、設けない場合とがあり、路面からの排水を、前記上面の通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導するように構成された導水補助部材を備えることを特徴としている。
【0019】
上記特徴によれば、導水補助部材によって、路面からの雨水等を、通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導し排水することが出来る。例えば、図2に示す路面用排水路10であれば、鋼管1上面に設けられた一対の導水補助具である導水板2が導水補助部材となり、路面からの排水を通水孔4を介して鋼管内1へ効率よく誘導することができ、高い集水効率を有する。また、図6に示す路面用排水路70であれば、通水孔63を有し、表面が通水孔63に向けて傾斜している上板65が導水補助部材となり、路面からの排水を傾斜を利用して集水し、通水孔64を介して鋼管内61へ効率よく誘導することができ、高い集水効率を有する。なお、導水補助部材は、路面からの雨水等を集水し、その集水された雨水等を確実に通水孔を介して前記鋼管内へ誘導して排水できるものであればよく、任意の形状とすることができる。また、導水補助部材、導水補助具及び上板の素材は、鋼材やアクリル板など任意の素材とすることができる。
【0020】
また、本願の路面用排水路は、規格品の鋼管及び導水補助部材からなる構造であるため、従来の図14に示す路面用排水路200の構造と比較して、強度が強くなっている。例えば、図2では、規格品の鋼管1に導水補助部材として導水板2を備えることで、路面用排水路10の全体の強度が向上する。また、図6では、規格品の鋼管61に導水補助部材として上板65を備えることで、路面用排水路70の全体の強度が向上する。
【0021】
さらに、本願の路面用排水路は、規格品の鋼管の形状又は導水補助部材の形状を変更することのみで、様々な使用態様に柔軟に対応することができる。例えば、路面の表面から鋼管まで離れている場合は、図3に示すように、導水補助部材として一対の導水板(2、12)を用いて、路面からの排水を鋼管(1、11)内へ誘導することができる。反対に、路面の表面と鋼管とが近い場合は、図7に示すように導水補助部材として、通水孔63を有しその表面が通水孔63に向けて傾斜した上板65を用いて、路面からの排水を鋼管61内へ誘導することができる。また、図5の(b)に示すように路面の曲率に応じて、路面用排水路の形状を変更したければ、湾曲した規格品の鋼管51を用いて路面用排水路60を構成することもできる。
【0022】
一方、従来の路面用排水路100が、様々な使用態様に応じてその形状を変更しようとすると、コストが非常に嵩んでしまい、また、製造工程も多いためそれだけ誤差も生じやすくなり、排水路である通水部91内の排水が外部に漏れることや、桶部92に蓋部95が嵌らない事が起こりえる。
【0023】
このように、本願の路面用排水路は、規格品の鋼管の形状又は導水補助部材の形状を変更することのみで、様々な使用態様に柔軟に対応することができ、尚且つ、構成部品も規格品の鋼管及び導水補助部材と、少ないことから、製造コストが安く済むのである。
【0024】
ここで、規格品の鋼管とは、路面用排水路以外の用途にも用いられている、例えば、未加工の電縫鋼管やシームレス鋼管などの単なる鋼管であって、その断面が正方形、長方形、円形等の筒状形状のものをさす。また、通水孔とは、円状、長円状、長方形状等、任意の形状を含む。
【0025】
次に、本願発明の路面用排水路は、規格品の鋼管上面の通水孔を挟むように、鋼管に設けられた一対の導水補助具であり、さらに、該導水補助具の側面に通水孔を設けるか、又は設けないことを特徴としている。
【0026】
上記特徴によれば、一対の導水補助具が鋼管上面の通水孔を挟むように設けられており、路面からの排水を、前記通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導し排水することが出来る。また、導水補助具の側面に通水孔を設けた場合、透水性舗装路内に浸透した雨水も集水することができる。
【0027】
次に、本願発明の路面用排水路は、導水補助部材は、通水孔を有した上板であって、当該上板の表面は、該通水孔に向けて傾斜していることを特徴としている。
【0028】
上記特徴によれば、その表面が通水孔に向けて傾斜した上板を導水補助部材として備えることで、路面からの排水を、前記通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導し排水することが出来る。
【発明の効果】
【0029】
上記したように、本願発明の路面用排水路によれば、従来のように規格品の鋼管を用いる利点を生かしつつ、集水効率が高く、様々な使用態様に柔軟に対応でき、構成部品が少なく強度的にも強い路面用排水路を、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)は本願発明の路面用排水路の正面図を、(b)は平面図を、(c)は側面図を、(d)は導水板周辺を拡大した側面図である。
【図2】本願発明の路面用排水路の製造工程の一例を示すもので、(a)は規格品の鋼管を、(b)は鋼管に通水孔を設けた状態を、(c)は導水板を鋼管上面に取り付ける状態を、(d)は路面用排水路が完成した状態を示している。
【図3】(a)及び(b)は、本願発明の路面用排水路の使用態様の一例を示すものである。
【図4】(a)及び(b)は、本願発明の路面用排水路の使用態様の他例を示すものである。
【図5】本願発明の路面用排水路の他例を示すものである。
【図6】本願発明の路面用排水路の他例の製造工程を示すもので、(a)は規格品の鋼管を、(b)は鋼管に通水孔を設けた状態を、(c)は加工した滑り止め鋼板を鋼管上面に取り付ける状態を、(d)は路面用排水路が完成した状態を示している。
【図7】本願発明の路面用排水路の使用態様の他例を示すものである。
【図8】本願発明の路面用排水路の他例の製造工程を示すもので、(a)は規格品の鋼管を、(b)は上板を、(c)は鋼管の上面に上板を取り付ける状態を、(d)は路面用排水路が完成した状態を、(e)は路面用排水路の拡大断面図を示している。
【図9】本願発明の路面用排水路の他例の製造工程の一例を示すもので、(a)は規格品の鋼管を、(b)は鋼管に通水孔を設けた状態を、(c)は上板を鋼管上面に取り付ける状態を、(d)は路面用排水路が完成した状態を示している。
【図10】(a)〜(d)は、本願発明の路面用排水路の他例を示すものである。
【図11】(a)及び(b)は、本願発明の路面用排水路の他例を示すものである。
【図12】(a)及び(b)は、本願発明の路面用排水路の他例を示すものである。
【図13】(a)〜(c)は、本願発明の背景技術の一例として路面用排水路を示すものである。
【図14】本願発明の背景技術の一例として路面用排水路を示すものである。
【符号の説明】
【0031】
1 鋼管
2 導水板
3 通水孔
4 通水孔
10 路面用排水路
R 透水性舗装路
B 縁石
U 路盤
X 切断面
Y アンカー
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本願発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0033】
図1の(a)は、路面用排水路10の正面図を示している。鋼管1の上部に、一対の導水補助具として導水板2が突設されているのがわかる。また、導水板2には、通水孔3、リブ板2aが一定間隔で設けられている。前記通水孔3は、透水性舗装から浸透した雨水を集水し、鋼管1内部へと排水することができる。前記リブ板2aは、導水板2の直立性を保持するために鋼管1に溶接されている。また、鋼管1の下面には、長尺板状のアンカーYが設けられており、鋼管1を路面内部に固定するために適宜用いる。
【0034】
路面用排水路10の左端には、ソケット1b及び連結ピン2bが設けられている。前記ソケット1bには、路面用排水路10の右端(ソケット1b及び連結ピン2bが設けられていない側)が挿入され連結できるようになっている。また、連結ピン2bを挿入する連結穴2cが対応する箇所に設けられているので、路面用排水路10を連結して施工する作業を、容易にすることができる。なお、連結ピン2b及び連結穴2cは、設けなくとも連結作業は十分に行うことができ、任意に設けるものである。
【0035】
図1の(b)は、路面用排水路10の平面図を示している。鋼管1の上面には複数の通水孔3が設けられていることがわかる。また、鋼管1の上面に長手方向に伸びる通水孔4を挟むように、2枚の平行板からなる導水板2が設けられており、この導水板2の間を雨水が流れ、通水孔4を介して鋼管1内部に雨水を排水することができる。また、導水板2の平行板の間には、複数の中板2dが設けられており、左端の中板2d(1)には、連結ピン2bが、反対側の左端の中板2d(2)には、連結穴2cが設けられている。また、任意ではあるが、当該路面用排水路10を連結する場合、隣接するそれぞれの路面用排水路10のアンカーYの穴Yaと連結プレートPの長穴Paとを貫通するようにボルト等で固定すれば、隣接する路面用排水路10をより強く連結固定することもできる。
【0036】
図1の(c)は、路面用排水路10の側面図(右側側面)である。鋼管1の上部には、導水板2が突設されているのがわかる。また、鋼管1の内側には何も突起がないため、鋼管1内の排水の流れを阻害するものがなく、設計段階で想定した通水断面を確保することができる。
【0037】
図1の(d)は、導水板2周辺を拡大したものである。導水板2は、その下端が鋼管1の上面と溶接されている。さらに、導水板2の平行板2(1)には、リブ板2aが溶接されており、直立性が保持されている。そして、平行板2(2)は、中板2d(2)により平行板2(1)と結合されているので、直立性を保持することができる。また、中板2d(2)の中央には、連結穴2cが設けられており、連結ピン2bが挿入できるようになっている。
【0038】
次に、図2において、本願発明の路面用排水路の製造工程について説明する。
【0039】
図2の(a)では、本願発明の路面用排水路10の排水路部分である鋼管1を示している。鋼管1は、規格品をそのまま使用し、所望の長さに切断する以外は、別途加工等はしていない。また、この鋼管1は、1m〜6mの長さにするのが望ましい。
【0040】
図2の(b)では、前記鋼管1に通水孔3及び通水孔4を設けている。通水孔3及び通水孔4は、様々な方法により形成することが考えられるが、鋼管1内部への返りが発生すると鋼管1内の排水の流れの阻害要因となることから、例えば返りが発生しないレーザ加工等が望ましい。
【0041】
また、通水孔4の大きさは、目的に応じて任意に取ることができる。例えば、路面用排水路10が雨量の少ない場所に設置されるのであれば、通水孔4を小さくすることが考えられるし、雨量の多い場所に設置されるのであれば、通水孔4を大きくすることが考えられる。そして、設置される場所によって、通水孔4の数や鋼管1上面に設けられる通水孔3の大きさや数、及び位置も適宜変更すればよい。
【0042】
図2の(c)では、一対の導水補助具として導水板2を構成する2枚の平行板2(1)、2(2)を準備する。中板2dは2枚の平行板を溶接し、2枚の平行板の間隔を定めている。平行板2(1)側には、一定間隔で通水孔3が設けられているのがわかる。また、平行板2(2)側には、通水孔3を任意に設けることができる。そして、雨水は導水板2の内側を通り、通水孔4を介して鋼管1内へと誘導されるので、2枚の平行板の間隔は、通水孔4の幅以上とする必要がある。
【0043】
図2の(d)では、導水板2を鋼管1上面に溶接により取り付けている。導水板2の下端と鋼管1上面は溶接により強固に取り付けられ、さらにリブ板2aを溶接することで、直立性が保持されている。
【0044】
上記のように、本願の路面用排水路10を製造する工程は、規格品の鋼管を所望の長さに切断して、通水孔3及び通水孔4を設け、この通水孔4を挟むように一対の導水板2を溶接して導水補助部材とすることのみである。このように、導水補助部材を溶接して鋼管に取り付ける構造とすることで、路面用排水路10の全体の強度が、鋼管単体の強度と比較して、向上する。また、特許文献3の路面用排水路100(図13の(c)参照)のように、通水部91、桶部92、蓋部95等の複数の部材を、切断及び曲げ加工等し、各部材を溶接して組み立てる必要がなく、製造作業が格段に容易となり、製造コストを削減することができる。
【0045】
また、路面用排水路100であると、排水量(通水断面)を変更する場合は、底部91aの幅や奥壁部91bの高さを大きく、又は小さくすることが考えられるが、その場合、底部91aの幅に応じて前壁部91c、上壁部91d等の各部材の寸法を変更しなければならない。そのため、各部材を形成する型等を別途用意することや、各部材の設計変更が必要となり、コストが嵩むものであった。
【0046】
しかし、本願の路面用排水路10であれば、排水量を変更する場合、規格品の鋼管1の大きさ(内径)を変更するのみで対応することができ、他に設計変更が必要となることはないため、コストが嵩むことはないという規格品の鋼管の利点を生かすことができる。
【0047】
さらに、路面用排水路を長尺に形成したい場合、特許文献3の路面用排水路100では、長尺になればなるほど各部材の加工精度が落ち、反りやひずみが発生しやすく、各部材を組み立てる際に、寸法誤差によって、うまく組み付けることができないことが起こりえる。例えば、通水部91から排水が漏れることや、桶部92の寸法に誤差があると、蓋部95が嵌らないことが起こりえる。
【0048】
しかし、本願の路面用排水路10であれば、規格品の鋼管1を用いているので上記問題は起こらない。また、仮に導水板2の寸法誤差が生じても、鋼管1に取り付けられないことや、それによって雨水等を鋼管1内に誘導することができなくなることはない。
【0049】
よって、本願の路面用排水路10は長尺状に形成するのに適しており、長尺状の路面用排水路10を用いれば、路面に設置する際に、路面用排水路の連結作業等が減り、施工期間の短縮及び施工費用の削減を行うことができるという規格品の鋼管の利点を生かすことができる。
【0050】
図3の(a)は、本願の路面用排水路10を路面内に設置した使用態様を示している。路面用排水路10は、透水性舗装路Rの側端であって、縁石Bに沿うように、基礎砕石や基礎コンクリートの路盤Uに埋め込まれている。前記透水性舗装路Rの表面は上端口2eに向けて僅かに傾斜している。そして、導水板2の上端口2eは、表層R表面と同一平面上に位置しており、雨水は表層Rの表面を流れ、上端口2eから導水板2を通り通水孔4を介して鋼管1内部へと確実に誘導される。図2及び図3の(a)から分かるように、通水孔4を挟むように設けられた導水板2の上端口2eの開口面積は、通水孔4の開口面積よりも広いため、通水孔4のみから集水できる雨水の量よりも、より多くの雨水を効率よく集水することができる。そして、集水されたすべての雨水は、導水板2によって通水孔4へ確実に誘導され鋼管1内へ排水される。このように、路面用排水路10は、導水板2によって、路面からの雨水を通水孔4を介して鋼管1内へ効率よく誘導し排水するので、高い集水効率を有している。
【0051】
また、透水性舗装路Rは、導水板2の側面から鋼管1上面を覆うように舗装してあるため、透水性舗装路R内に浸透した雨水は、通水孔3から鋼管1内へと排水することができる。さらに、鋼管1の上面の通水孔3及び導水板2の側面の通水孔3は、いずれも鋼管1の上部に位置するため、鋼管1内を流れる排水が逆流することがない。また、導水板2の2枚の平行板の間隔は任意であるが、例えばヒールの踵や、ゴミ等が入らない数センチ程度が望ましい。
【0052】
図3の(b)は、通水板12を鋼管11の手前側寄りに突設した路面用排水路20を路面内に設置した使用態様を示している。このように、導水板12の突設位置を変更することにより、縁石Bを鋼管11の上面へ位置させることができる。そのため、図3の(a)において、縁石Bと路面用排水路10とが占める幅L1が、図3の(b)では、L2のように狭くすることができ、スペースを有効活用することができる。
【0053】
図3の(b)の導水板12の高さは、図3の(a)の導水板2よりも高く設定されている。また、図3の(b)の導水板12の2枚の平行板の間隔、つまり導水板12の幅は、図3の(a)の導水板2より狭く設定されている。このように、導水板(2、12)は、2枚の長尺状の板を平行に設けるという簡単な構成であるため、路面用排水路が設置される周囲の状況に応じて、導水板(2、12)の突設位置、高さ、幅を任意に変更することができる。また、導水板(2、12)は、長尺状の板を連続して設置しているが、短い板を断続的に設置してもよい。
【0054】
図3では、透水性舗装路Rが用いられた場合を示しているが、勿論、透水性を有しない不透水性舗装路でも本願の路面用排水路を利用することができる。その場合は、舗装路の内部には雨水は浸透しないため、導水板(2、12)の側面及び鋼管(1,11)の上面の通水孔(3,13)を設ける必要はない。そのため、不透水性舗装路表面を流れてきた雨水を上端口(2e、12e)のみから集水することになる。
【0055】
図4の(a)では、路面用排水路30を、歩道や外構部等に設置した場合を示している。歩道等では、図4の(a)に示すブロック形式の舗装材(インターロッキングブロック)I1を敷き詰める場合がある。このように、ブロック形式の舗装材I1の高さH1に合わせて、導水板22の高さを調節すれば、導水板22の上端口22eと舗装材I1とは段差がなく、同一平面に位置することができる。
【0056】
図4の(b)では、舗装材I1とは異なる規格の舗装材I2を使用しており、高さはH1より低いH2となっている。そして、路面用排水路40の導水板32の高さを舗装材I2の高さH2に合うように変更している。このように、導水板(22、32)が2枚の長尺状の板を平行に設けるという簡単な構成であるため、容易にその高さの変更が可能であることがわかる。勿論、導水板の幅及び突設位置も適宜変更が可能である。
【0057】
実際に歩道や外構部等において使用される規格品の舗装材の種類は、非常に多種多様にわたっているが、本願の路面用排水路であれば、導水板の高さを変更するのみで対応することができ、コストも嵩まず、非常に有用である。
【0058】
図4では、路面用排水路を直線状に設置していたが、交差点等で見受けられるように路面が湾曲している場合において、路面用排水路を設置することを考える。従来の特許文献3の路面用排水路100では、路面の曲率に合わせて、その都度、各部材(通水部91、桶部92、蓋部95等)を形成する型等を別途用意し、各部材を切断し曲げ加工等していた。さらに、各部材を溶接して組み立てなければならず、コストが嵩み効率的ではなかった。
【0059】
そこで、本願においては、直線状に形成した長尺の路面用排水路を予め用意しておく。そして、図5の(a)に示すように、路面用排水路50を切断面Xが斜めになるように切断し、台形形状に切断された路面用排水路50を、曲率に合うように連結プレートP1を用いて連結していくことができる。
【0060】
また、図5の(b)の路面用排水路60は、上記のように路面用排水路50を切断するのではなく、湾曲した規格品の鋼管51を使用した場合を示している。鋼管51が湾曲していても、直線状の鋼管の場合と同様に、通水孔を設けることができる。また、導水板52は2枚の板を曲率に応じて湾曲させるだけでよい。そのため、従来の特許文献3の路面用排水路100ように、各部材をそれぞれ曲げ加工し、組み立てる必要がない。また、仮に導水板52の2枚の板が高精度で曲げ加工されていなくても、鋼管51に取り付けられないことや、それによって雨水等を鋼管内に誘導することができなくなることはない。
【0061】
図6は、本願の路面用排水路の他例である路面用排水路70を製造する工程を示している。
【0062】
図6の(a)では、本願発明の路面用排水路70の排水路部分である鋼管61を示している。鋼管61は、規格品をそのまま使用し、所望の長さに切断すること以外は、別途加工等はしていない。
【0063】
図6の(b)では、前記鋼管61の側面に通水孔63、及び鋼管61の上面に長手方向に伸びる通水孔64を設けている。通水孔63及び通水孔64は、様々な方法により形成することが考えられるが、鋼管61内部への返りが発生すると鋼管61内の排水の流れの阻害要因となることから、例えば返りが発生しないレーザ加工等が望ましい。
【0064】
また、通水孔64及び鋼管61の側面に設けられた通水孔63の大きさや数は、路面用排水路70が設置される場所の排水量等に応じて、適宜変更すればよい。
【0065】
図6の(c)では、導水補助部材として、通水孔63を有した上板であって、表面がその通水孔63に向けて(図では、通水孔63の中心線αに向けて)わずかに傾斜している断面略コ字形の滑り止め鋼板65を準備する。滑り止め鋼板65は、鋼管61の上面の形状と一致する形状をしている。また前記通水孔63の位置は、滑り止め鋼板65を鋼管61の上面に設置したときに、通水孔63と通水孔64とが重なるようになっている。そのため、滑り止め鋼板65を鋼管61の上面に設置すると、わずかに傾斜している滑り止め鋼板65の表面によって、より効率的に集水された雨水を通水孔63から通水孔64を介して確実に、鋼管61内部へと排水することができる。
【0066】
図6の(d)では、滑り止め鋼板65を鋼管61の上面に設置して溶接し、路面用排水路70が完成した状態を示している。このように、断面略コ字形をしている滑り止め鋼板65を溶接して鋼管61に取り付けるため、路面用排水路70を頑強なものとすることができる。
【0067】
上記のように、本願の路面用排水路70を製造する工程は、規格品の鋼管61を所望の長さに切断して、通水孔63及び通水孔64を設け、通水孔63を設けた滑り止め鋼板65を、鋼管61の上面に取り付けるのみでよく、製造作業が非常に容易である。
【0068】
また、路面用排水路の仕様によっては、滑り止め鋼板65を鋼管61の上面に取り付けた後に、滑り止め鋼板65上面からレーザ等により、滑り止め鋼板65と鋼管61を貫通する通水孔63を設けることができる。そのため、製造工程において、鋼管61上面に通水孔64(図6の(b)参照)を、滑り止め鋼板65上面に通水孔63(図6の(c)参照)を別々に設ける必要がなく、作業が簡素化されて、製造コストをさらに削減することができる。
【0069】
図7は、本願の路面用排水路70を路面内に設置した使用態様を示している。路面用排水路70は、透水性舗装路Rの側端であって、縁石Bに沿うように、基礎砕石や基礎コンクリートの路盤Uに埋め込まれている。前記透水性舗装路Rの表面は滑り止め鋼板65に向けて僅かに傾斜している。そして、滑り止め鋼板65の上面は、表層R表面と同一平面上に位置しており、表層Rの表面を流れてきた雨水を、通水孔63に向けて(図では、通水孔63の中心線αに向けて)わずかに傾斜している滑り止め鋼板65の表面によって、より効率的に集水し導水孔63を介して鋼管61内部へと確実に誘導される。このように、路面用排水路70は、高い集水効率を有する。また、透水性舗装路Rの内部へ浸透した雨水は、鋼管61の側面に設けられた通水孔63から集水することができる。さらに、滑り止め鋼板65の上面は路面に露出しているが、上面の凹凸によりすべり止め効果があるため、歩行者等の安全を確保することができる。
【0070】
また、本願の路面用排水路の他例では、路面内部に埋設される路面用排水路の製造方法であって、埋設されるべき規格品の鋼管の上面に、長手方向に伸びる通水孔を設け、通水孔を有し表面がその通水孔に向けて傾斜した上板(滑り止め鋼板等の滑り止めの効果のあるものが望ましい)を、鋼管上面に溶接することを特徴としている。
【0071】
また、本願の路面用排水路の他例では、路面内部に埋設される路面用排水路の製造方法であって、埋設されるべき規格品の鋼管の上面に、その表面に設けられるべき通水孔に向けて、表面が傾斜した上板(滑り止め鋼板等の滑り止めの効果のあるものが望ましい)を溶接し、さらに、当該上板の上面から通水孔を設けることを特徴としている。
【0072】
上記特徴により、規格品の鋼管を用いるので製造コストを下げることができ、尚且つ鋼管上面に上板を取り付けるため、路面用排水路の強度が向上する。また、製造方法も容易であるため、製造作業が減り結果的に製造コストを下げることができる。さらに、上板にすべり止め効果のある滑り止め鋼板を用いれば、歩行者等の安全を確保することができる。
【0073】
図8は、本願の路面用排水路の他例である路面用排水路110を製造する工程を示している。
【0074】
図8の(a)では、路面用排水路110の排水路部分である鋼管101を示している。この鋼管101は、規格品をそのまま使用し、所望の長さに切断すること以外は、別途加工等はしていない。次に、図8の(b)では、その表面に設けられるべき通水孔104に向けて(図では、通水孔104の中心線αに向けて)、その表面がW字状にわずかに傾斜している断面略コ字形の鋼板105を準備する。このように、鋼板105の表面がわずかに傾斜していることにより、路面からの雨水をより効率よく集水し排水することが出来る。また、鋼板105は、鋼管101の上面の形状と一致する形状をしている。
【0075】
図8の(c)では、鋼板105を鋼管101の上面に設置して溶接した状態を示している。このように、断面略コ字形をしている鋼板105を溶接して鋼管101に取り付けるため、路面用排水路は頑強なものとなる。また、鋼板105は、溶接を行わずに、鋼管101の上面と鋼板105とをリベット打ち込み(図では、鋼板105の四隅にリベットFが打ち込まれているが、適宜、任意の位置に打ち込むことが出来る。)によって、着脱可能にすることも出来る。図8の(e)は、路面用排水路110の拡大断面図であるが、打ち込まれたリベットFによって、鋼板105は、鋼管101の上面に着脱可能に取り付けられている。なお、リベットFではなく、ボルトとナットで着脱可能に取り付けることもでき、その他の取り付け部材も適宜用いることが出来る。
【0076】
次に、図8の(d)に示すように、鋼板105と鋼管101の上面を貫通し、鋼管101内部へ通じる通水孔104を、鋼板105の上面からレーザ等により加工する(共加工という)ことで、路面用排水路110が完成する。図8に示す製造工程によれば、図6に示す製造工程のように、鋼管61上面の通水孔64と、滑り止め鋼板65上面の通水孔63(図6の(c)参照)とを別々に設ける必要がなく、製造工程が簡素化されて、製造コストをさらに削減することができる。なお、鋼板105の形状は、単なる板状のものやそれ以外の任意の形状でもよい。また、鋼板105の素材やその表面加工等は、用途に合わせて適宜変更することができ、たとえば、表面仕上げとして、滑り止め加工を施した塗装をすれば、すべり止め効果が得られ、カラー加工を施した塗装をすれば、美観性を向上させることができる。
【0077】
図9の(a)では、路面用排水路120の排水路部分である鋼管111を示している。この鋼管111は、規格品をそのまま使用し、所望の長さに切断すること以外は、別途加工等はしていない。次に、図9の(b)では、前記鋼管111に通水孔113、及び鋼管111の上面中央に長手方向に伸びる通水孔114をレーザ加工等により設けている。
【0078】
図9の(c)では、導水補助部材として、通水孔113が設けられ、表面がその通水孔113に向けて(図では、通水孔113の中心線αに向けて)傾斜している滑り止め鋼板115を準備する。この滑り止め鋼板115の表面の傾斜は、図6の滑り止め鋼板65の表面の傾斜より大きく、滑り止め鋼板115の断面が略M字形をしており、表面の最も窪んだ箇所に通水孔113が設けられている。この滑り止め鋼板115を鋼管111の上面に設置したときに、通水孔113と通水孔114とが重なるようになっている。また、滑り止め鋼板115の裏側の凹部に、任意に丸棒115aを取り付ければ、鋼管111の上面へ滑り止め鋼板115を設置することがより安定して行えるようになる。なお、滑り止め鋼板115を表面に色彩を有するもの(カラー鋼板)とすれば、美観性も向上する。
【0079】
図9の(d)では、滑り止め鋼板115を鋼管111の上面に設置して溶接し、路面用排水路120が完成した状態を示している。このように、表面が通水孔113に向けて傾斜している滑り止め鋼板115を用いることで、路面からの雨水をより効率的に集水し確実に鋼管111へ誘導することが出来る。
【0080】
次に、図10では、鋼管上面に設けられた一対の導水補助具の様々な変形例を示している。まず、図10の(a)の路面用排水路130は、断面が略L字形の一対の板材122が鋼管121上面に取り付けられている。不図示であるが鋼管121の上面に設けられた通水孔124を挟むように、板材122(1)及び板材122(2)が取り付けられている。したがって、路面からの雨水は、この板材122(1)及び板材122(2)の間を通り通水孔124まで誘導され、鋼管121内へと排水される。また、板材122は断面が略L字形なので、鋼管121の上面に板材122を配置することが容易になる。
【0081】
次に、図10の(b)の路面用排水路140は、一対の丸材132が鋼管121上面に取り付けられている。この場合でも、上記板材122と同様に、路面からの雨水は、丸材132(1)及び丸材132(2)の間を通り通水孔134まで誘導され、鋼管131内へと排水される。
【0082】
次に、図10の(c)の路面用排水路150は、鋼管141の上面に設けられた通水孔144を挟むように、表面が傾斜した一対の板材142が取り付けられている。この板材142は、路面からの排水を板材142(1)及び板材142(2)の間を通して通水孔144まで誘導することができると共に、表面が傾斜しているので、より路面からの雨水等を集水しやすくなっている。
このように、導水補助具の様々な変形例を示したが、導水補助具の形状は、通水孔よりも多くの雨水等を流入できるように、導水補助具の上端の雨水を流入できる面積が、通水孔の開口面積以上となるものであればよい。
【0083】
次に、図10の(d)の路面用排水路160は、不図示であるが鋼管151の上面に通水孔154が設けられ、鋼管151の側面に、板材152(1)及び板材152(2)が取り付けられている。そして、この板材152(1)と板材152(2)の間に、透水性のある材料Tが敷き詰められている。この材料Tは透水性があるので、材料Tから路面の雨水等を集水し、通水孔154を介して鋼管151内へと排水することができる。さらに、透水性のある自然石やセラミックス等を材料Tとして用いれば、路面用排水路160が埋設された路面の美観性を向上させることが出来る。
【0084】
図11の(a)の路面用排水路は、鋼管161上面に、通水孔164a及び当該通水孔164aを挟むように導水板162aが設けられている。同様に、不図示の通水孔164b及び当該通水孔164bを挟むように導水板162bが設けられている。
【0085】
そして、図11の(b)に示すように、境界ブロックGは、鋼管161上面の両端に設けられた導水板162aと導水板162bの間に設置され一体化される。このように境界ブロックGを一体化した路面用排水路170では、路面を境界ブロックGで隔てるとともに、隔てられた両側の路面から雨水等を導水板162aと導水板162bを通して排水することができる。
【0086】
図12の(a)の路面用排水路180は、導水板172を構成する2枚の平行板172(1)及び172(2)の間にグレーチング175がはめ込まれている。この平行板172(1)及び172(2)は、不図示であるが、鋼管171上面に設けられた通水孔174を挟むように設けられている。したがって、導水板172は、グレーチング175を固定することが出来るとともに、グレーチング175上方から集水された雨水等を通水孔174を介して、鋼管171内に誘導することができる。また、グレーチング175の格子部に、透水性のある材料Tを敷き詰めれば、美観性が向上する。
【0087】
さらに、導水板172は鋼管171の上面に溶接して設置されるので、平行板172(1)と172(2)の間の幅は任意に決めることができる。そのため、グレーチング175を追加で取り付けたい場合は、グレーチング175の幅に合わせて、平行板172(1)及び172(2)を設置し、グレーチング175をはめ込むだけでよい。このように、路面用排水路180であれば、グレーチング175等の装備品を追加で取り付けたい場合でも、追加の加工や変更が容易であり、即座に対応することができる。
【0088】
また、図12の(b)の路面用排水路190では、通水孔184(不図示)及びグレーチング185のみを設けている。図12の(a)のように平行板172(1)及び172(2)を設けなくてもグレーチング本体の一部である側板185(1)及び185(2)が、導水板の役割を果たしているので、雨水等を集水することができる。なお、グレーチング185は、鋼管181の上面に溶接して固定してもよい。
【0089】
なお、本願発明の路面用排水路は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本願発明の路面用排水路は、歩道、道路、駐車場等の路面上の雨水等を排水することが要請される産業分野に利用することができる。
【技術分野】
【0001】
本願発明は、歩道、道路、駐車場等の路面に埋設される路面用排水路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路等の路面表面の水はけをよくするために、透水性アスファルト等で形成した透水性舗装が用いられている。この透水性舗装によれば、路面表面を雨水等が流れることができるとともに、路面表面に溜まった雨水等を内部に浸透させ、路面用排水路へと排水することができる。
【0003】
従来、図13の(a)に示す特許文献1の路面用排水路80が知られている。当該路面用排水路80は、管渠型側溝80aに排水路71が設けられ、その排水路71内部に、雨水を誘導する通水路72が設けられている。通水路72は、透水性舗装R内部に浸透した雨水及び、路面表面から流れてきた雨水等を集水し、排水路71内部へ誘導し排水できるようになっている。
【0004】
しかし、前記管渠型側溝80aはコンクリート製であるため、非常に重く路面に設置する場合には、重機等を利用するので作業が大変であった。また、管渠型側溝80aは排水路71をコンクリートで囲うような構成となっているので、排水路71に比べて路面排水路80自体の大きさが大きくなり、設置するには大きな溝を掘らなければならなかった。
【0005】
そこで、路面用排水路の重量が軽く、設置が容易である図13の(b)に示す特許文献2の路面用排水路90が知られている。前記路面用排水路90は、路面中に埋設され上面に開口を有する断面略倒コ字形の桶本体81と、前記桶本体81の開口に装着され前記桶本体81の側面部81aの内面に対向する壁部82aを有する蓋部材82からなる。実際に設置する際は、路面中に埋設された桶本体81に蓋部材82をはめ込んで一体とするのみでよく、取り付けが容易である。
【0006】
また、蓋部材82の上面は、格子状部材85となっているので、ゴミ等が桶本体81に入ることや、自転車等のタイヤが挟まることを防止すると共に、雨水等を通すことができる。桶本体81の側面部81aには、多数の通水孔83が設けられており、透水性舗装内部に浸透した雨水を桶本体81内部へと集水し排水することができる。
【0007】
しかし、桶本体81に蓋部材82を取り付ける構成であると、桶本体81の通水断面が蓋部材82及び格子状部材85により狭められ、排水能力が低下してしまう。ここで、通水断面とは、桶本体81の内側を排水が流れることのできる断面のことで、図13の(b)では、断面略倒コ字形をした桶本体81の内側と蓋部材82及び格子状部材85の下面とで囲まれた範囲をいう。
【0008】
そこで、図13の(c)に示す特許文献3の路面用排水路100が知られている。前記路面用排水路100は、排水路となる通水部91と排水路内部に雨水等を集水する桶部92からなる。そして、通水部91は、底部91a、奥壁部91b、前壁部91c、上壁部91dからなり、桶部92は、奥壁部91bの上端と側壁92aからなる。さらに、前記桶部92には、取り外し可能な格子状の蓋部95が設けられている。このように、路面から雨水を回収し通水部91に誘導する桶部92が、通水部91の上面に設けられているため、通水部91の内側の通水断面は確保されている。
【0009】
前記各部材(通水部91、桶部92等)は、鋼材等の金属板を切断し曲げ加工等(例えば、通水部91の底部91aはコの字型に加工されている)により形成される。そして、各部材が溶接されて組み立てられることにより路面用排水路100が形成される。
【0010】
しかし、路面用排水路100は、鋼材等の金属板を板金加工した複数の部材から構成され、しかも溶接して組み立てる工程も多いため、それだけ製造コストが高くなり、また、誤差も生じやすくなる。例えば、排水路である通水部91内の排水が外部に漏れることや、桶部92に蓋部95が嵌らない事が起こりえる。
【0011】
一方、上記路面用排水路100のように板金加工を行わずに、規格品の角形鋼管を用いた図14に示す特許文献4の路面用排水路200がある。この路面用排水路200は、規格品の角形鋼管191に溝切り193を開け、この溝切り193に路面から流入した雨水等を排水するものである。このように、規格品を用いた角形鋼管191に溝切り193を開けるという簡単な構造なので、通水断面も確保できて重量も軽くなる。さらに、「JIS規格である角形鋼管を用いることで、全国統一された規格となり、安価に生産できる」という利点が記載されている。
【0012】
しかし、この路面用排水路200は規格品の角形鋼管191に溝切り193を開けた構造であり、強度的に不十分であった。つまり、路面に埋設された路面用排水路200に車両等が載った場合に、このような構造では、その重量を支えるための強度が不十分である。
【0013】
さらに、角形鋼管191に単に溝切り193を開けただけでは、溝切り193に向けて流れてきた雨水のみを受動的に角形鋼管191に通過させることしかできない。したがって、路面用排水路200周辺からの雨水を角形鋼管191内に確実に誘導することができず、集水効率が低い。
【0014】
また、規格品の鋼管191に単に溝切り193を開けた構造の路面用排水路200では、その周囲の状況に応じて路面用排水路200の構造や形状を変更しようとしても、溝切り193の大きさや数等を変更するにとどまり、あらゆる使用態様に対応した設計をすることできない。
【0015】
この点に関して従来の路面用排水路100(図13の(c)参照)では、あらゆる使用態様に対応するために、路面用排水路の構造や形状を変更しようとすると、複数ある構成部材(通水部91、桶部92等)の設計変更を余儀なくされ、コストが非常に嵩んでしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特願平10−347031号
【特許文献2】特願2003−283684号
【特許文献3】特願2003−110328号
【特許文献4】特願平10−225134号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本願発明は上記問題に鑑み、従来のように規格品の鋼管を用いる利点を生かしつつ、集水効率が高く、様々な使用態様に柔軟に対応でき、構成部品が少なく強度的にも強い路面用排水路を、安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願発明の路面用排水路は、排水路に規格品の鋼管を用いた路面用排水路であって、前記規格品の鋼管の上面に通水孔を設け、側面には通水孔を設ける場合と、設けない場合とがあり、路面からの排水を、前記上面の通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導するように構成された導水補助部材を備えることを特徴としている。
【0019】
上記特徴によれば、導水補助部材によって、路面からの雨水等を、通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導し排水することが出来る。例えば、図2に示す路面用排水路10であれば、鋼管1上面に設けられた一対の導水補助具である導水板2が導水補助部材となり、路面からの排水を通水孔4を介して鋼管内1へ効率よく誘導することができ、高い集水効率を有する。また、図6に示す路面用排水路70であれば、通水孔63を有し、表面が通水孔63に向けて傾斜している上板65が導水補助部材となり、路面からの排水を傾斜を利用して集水し、通水孔64を介して鋼管内61へ効率よく誘導することができ、高い集水効率を有する。なお、導水補助部材は、路面からの雨水等を集水し、その集水された雨水等を確実に通水孔を介して前記鋼管内へ誘導して排水できるものであればよく、任意の形状とすることができる。また、導水補助部材、導水補助具及び上板の素材は、鋼材やアクリル板など任意の素材とすることができる。
【0020】
また、本願の路面用排水路は、規格品の鋼管及び導水補助部材からなる構造であるため、従来の図14に示す路面用排水路200の構造と比較して、強度が強くなっている。例えば、図2では、規格品の鋼管1に導水補助部材として導水板2を備えることで、路面用排水路10の全体の強度が向上する。また、図6では、規格品の鋼管61に導水補助部材として上板65を備えることで、路面用排水路70の全体の強度が向上する。
【0021】
さらに、本願の路面用排水路は、規格品の鋼管の形状又は導水補助部材の形状を変更することのみで、様々な使用態様に柔軟に対応することができる。例えば、路面の表面から鋼管まで離れている場合は、図3に示すように、導水補助部材として一対の導水板(2、12)を用いて、路面からの排水を鋼管(1、11)内へ誘導することができる。反対に、路面の表面と鋼管とが近い場合は、図7に示すように導水補助部材として、通水孔63を有しその表面が通水孔63に向けて傾斜した上板65を用いて、路面からの排水を鋼管61内へ誘導することができる。また、図5の(b)に示すように路面の曲率に応じて、路面用排水路の形状を変更したければ、湾曲した規格品の鋼管51を用いて路面用排水路60を構成することもできる。
【0022】
一方、従来の路面用排水路100が、様々な使用態様に応じてその形状を変更しようとすると、コストが非常に嵩んでしまい、また、製造工程も多いためそれだけ誤差も生じやすくなり、排水路である通水部91内の排水が外部に漏れることや、桶部92に蓋部95が嵌らない事が起こりえる。
【0023】
このように、本願の路面用排水路は、規格品の鋼管の形状又は導水補助部材の形状を変更することのみで、様々な使用態様に柔軟に対応することができ、尚且つ、構成部品も規格品の鋼管及び導水補助部材と、少ないことから、製造コストが安く済むのである。
【0024】
ここで、規格品の鋼管とは、路面用排水路以外の用途にも用いられている、例えば、未加工の電縫鋼管やシームレス鋼管などの単なる鋼管であって、その断面が正方形、長方形、円形等の筒状形状のものをさす。また、通水孔とは、円状、長円状、長方形状等、任意の形状を含む。
【0025】
次に、本願発明の路面用排水路は、規格品の鋼管上面の通水孔を挟むように、鋼管に設けられた一対の導水補助具であり、さらに、該導水補助具の側面に通水孔を設けるか、又は設けないことを特徴としている。
【0026】
上記特徴によれば、一対の導水補助具が鋼管上面の通水孔を挟むように設けられており、路面からの排水を、前記通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導し排水することが出来る。また、導水補助具の側面に通水孔を設けた場合、透水性舗装路内に浸透した雨水も集水することができる。
【0027】
次に、本願発明の路面用排水路は、導水補助部材は、通水孔を有した上板であって、当該上板の表面は、該通水孔に向けて傾斜していることを特徴としている。
【0028】
上記特徴によれば、その表面が通水孔に向けて傾斜した上板を導水補助部材として備えることで、路面からの排水を、前記通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導し排水することが出来る。
【発明の効果】
【0029】
上記したように、本願発明の路面用排水路によれば、従来のように規格品の鋼管を用いる利点を生かしつつ、集水効率が高く、様々な使用態様に柔軟に対応でき、構成部品が少なく強度的にも強い路面用排水路を、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)は本願発明の路面用排水路の正面図を、(b)は平面図を、(c)は側面図を、(d)は導水板周辺を拡大した側面図である。
【図2】本願発明の路面用排水路の製造工程の一例を示すもので、(a)は規格品の鋼管を、(b)は鋼管に通水孔を設けた状態を、(c)は導水板を鋼管上面に取り付ける状態を、(d)は路面用排水路が完成した状態を示している。
【図3】(a)及び(b)は、本願発明の路面用排水路の使用態様の一例を示すものである。
【図4】(a)及び(b)は、本願発明の路面用排水路の使用態様の他例を示すものである。
【図5】本願発明の路面用排水路の他例を示すものである。
【図6】本願発明の路面用排水路の他例の製造工程を示すもので、(a)は規格品の鋼管を、(b)は鋼管に通水孔を設けた状態を、(c)は加工した滑り止め鋼板を鋼管上面に取り付ける状態を、(d)は路面用排水路が完成した状態を示している。
【図7】本願発明の路面用排水路の使用態様の他例を示すものである。
【図8】本願発明の路面用排水路の他例の製造工程を示すもので、(a)は規格品の鋼管を、(b)は上板を、(c)は鋼管の上面に上板を取り付ける状態を、(d)は路面用排水路が完成した状態を、(e)は路面用排水路の拡大断面図を示している。
【図9】本願発明の路面用排水路の他例の製造工程の一例を示すもので、(a)は規格品の鋼管を、(b)は鋼管に通水孔を設けた状態を、(c)は上板を鋼管上面に取り付ける状態を、(d)は路面用排水路が完成した状態を示している。
【図10】(a)〜(d)は、本願発明の路面用排水路の他例を示すものである。
【図11】(a)及び(b)は、本願発明の路面用排水路の他例を示すものである。
【図12】(a)及び(b)は、本願発明の路面用排水路の他例を示すものである。
【図13】(a)〜(c)は、本願発明の背景技術の一例として路面用排水路を示すものである。
【図14】本願発明の背景技術の一例として路面用排水路を示すものである。
【符号の説明】
【0031】
1 鋼管
2 導水板
3 通水孔
4 通水孔
10 路面用排水路
R 透水性舗装路
B 縁石
U 路盤
X 切断面
Y アンカー
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本願発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0033】
図1の(a)は、路面用排水路10の正面図を示している。鋼管1の上部に、一対の導水補助具として導水板2が突設されているのがわかる。また、導水板2には、通水孔3、リブ板2aが一定間隔で設けられている。前記通水孔3は、透水性舗装から浸透した雨水を集水し、鋼管1内部へと排水することができる。前記リブ板2aは、導水板2の直立性を保持するために鋼管1に溶接されている。また、鋼管1の下面には、長尺板状のアンカーYが設けられており、鋼管1を路面内部に固定するために適宜用いる。
【0034】
路面用排水路10の左端には、ソケット1b及び連結ピン2bが設けられている。前記ソケット1bには、路面用排水路10の右端(ソケット1b及び連結ピン2bが設けられていない側)が挿入され連結できるようになっている。また、連結ピン2bを挿入する連結穴2cが対応する箇所に設けられているので、路面用排水路10を連結して施工する作業を、容易にすることができる。なお、連結ピン2b及び連結穴2cは、設けなくとも連結作業は十分に行うことができ、任意に設けるものである。
【0035】
図1の(b)は、路面用排水路10の平面図を示している。鋼管1の上面には複数の通水孔3が設けられていることがわかる。また、鋼管1の上面に長手方向に伸びる通水孔4を挟むように、2枚の平行板からなる導水板2が設けられており、この導水板2の間を雨水が流れ、通水孔4を介して鋼管1内部に雨水を排水することができる。また、導水板2の平行板の間には、複数の中板2dが設けられており、左端の中板2d(1)には、連結ピン2bが、反対側の左端の中板2d(2)には、連結穴2cが設けられている。また、任意ではあるが、当該路面用排水路10を連結する場合、隣接するそれぞれの路面用排水路10のアンカーYの穴Yaと連結プレートPの長穴Paとを貫通するようにボルト等で固定すれば、隣接する路面用排水路10をより強く連結固定することもできる。
【0036】
図1の(c)は、路面用排水路10の側面図(右側側面)である。鋼管1の上部には、導水板2が突設されているのがわかる。また、鋼管1の内側には何も突起がないため、鋼管1内の排水の流れを阻害するものがなく、設計段階で想定した通水断面を確保することができる。
【0037】
図1の(d)は、導水板2周辺を拡大したものである。導水板2は、その下端が鋼管1の上面と溶接されている。さらに、導水板2の平行板2(1)には、リブ板2aが溶接されており、直立性が保持されている。そして、平行板2(2)は、中板2d(2)により平行板2(1)と結合されているので、直立性を保持することができる。また、中板2d(2)の中央には、連結穴2cが設けられており、連結ピン2bが挿入できるようになっている。
【0038】
次に、図2において、本願発明の路面用排水路の製造工程について説明する。
【0039】
図2の(a)では、本願発明の路面用排水路10の排水路部分である鋼管1を示している。鋼管1は、規格品をそのまま使用し、所望の長さに切断する以外は、別途加工等はしていない。また、この鋼管1は、1m〜6mの長さにするのが望ましい。
【0040】
図2の(b)では、前記鋼管1に通水孔3及び通水孔4を設けている。通水孔3及び通水孔4は、様々な方法により形成することが考えられるが、鋼管1内部への返りが発生すると鋼管1内の排水の流れの阻害要因となることから、例えば返りが発生しないレーザ加工等が望ましい。
【0041】
また、通水孔4の大きさは、目的に応じて任意に取ることができる。例えば、路面用排水路10が雨量の少ない場所に設置されるのであれば、通水孔4を小さくすることが考えられるし、雨量の多い場所に設置されるのであれば、通水孔4を大きくすることが考えられる。そして、設置される場所によって、通水孔4の数や鋼管1上面に設けられる通水孔3の大きさや数、及び位置も適宜変更すればよい。
【0042】
図2の(c)では、一対の導水補助具として導水板2を構成する2枚の平行板2(1)、2(2)を準備する。中板2dは2枚の平行板を溶接し、2枚の平行板の間隔を定めている。平行板2(1)側には、一定間隔で通水孔3が設けられているのがわかる。また、平行板2(2)側には、通水孔3を任意に設けることができる。そして、雨水は導水板2の内側を通り、通水孔4を介して鋼管1内へと誘導されるので、2枚の平行板の間隔は、通水孔4の幅以上とする必要がある。
【0043】
図2の(d)では、導水板2を鋼管1上面に溶接により取り付けている。導水板2の下端と鋼管1上面は溶接により強固に取り付けられ、さらにリブ板2aを溶接することで、直立性が保持されている。
【0044】
上記のように、本願の路面用排水路10を製造する工程は、規格品の鋼管を所望の長さに切断して、通水孔3及び通水孔4を設け、この通水孔4を挟むように一対の導水板2を溶接して導水補助部材とすることのみである。このように、導水補助部材を溶接して鋼管に取り付ける構造とすることで、路面用排水路10の全体の強度が、鋼管単体の強度と比較して、向上する。また、特許文献3の路面用排水路100(図13の(c)参照)のように、通水部91、桶部92、蓋部95等の複数の部材を、切断及び曲げ加工等し、各部材を溶接して組み立てる必要がなく、製造作業が格段に容易となり、製造コストを削減することができる。
【0045】
また、路面用排水路100であると、排水量(通水断面)を変更する場合は、底部91aの幅や奥壁部91bの高さを大きく、又は小さくすることが考えられるが、その場合、底部91aの幅に応じて前壁部91c、上壁部91d等の各部材の寸法を変更しなければならない。そのため、各部材を形成する型等を別途用意することや、各部材の設計変更が必要となり、コストが嵩むものであった。
【0046】
しかし、本願の路面用排水路10であれば、排水量を変更する場合、規格品の鋼管1の大きさ(内径)を変更するのみで対応することができ、他に設計変更が必要となることはないため、コストが嵩むことはないという規格品の鋼管の利点を生かすことができる。
【0047】
さらに、路面用排水路を長尺に形成したい場合、特許文献3の路面用排水路100では、長尺になればなるほど各部材の加工精度が落ち、反りやひずみが発生しやすく、各部材を組み立てる際に、寸法誤差によって、うまく組み付けることができないことが起こりえる。例えば、通水部91から排水が漏れることや、桶部92の寸法に誤差があると、蓋部95が嵌らないことが起こりえる。
【0048】
しかし、本願の路面用排水路10であれば、規格品の鋼管1を用いているので上記問題は起こらない。また、仮に導水板2の寸法誤差が生じても、鋼管1に取り付けられないことや、それによって雨水等を鋼管1内に誘導することができなくなることはない。
【0049】
よって、本願の路面用排水路10は長尺状に形成するのに適しており、長尺状の路面用排水路10を用いれば、路面に設置する際に、路面用排水路の連結作業等が減り、施工期間の短縮及び施工費用の削減を行うことができるという規格品の鋼管の利点を生かすことができる。
【0050】
図3の(a)は、本願の路面用排水路10を路面内に設置した使用態様を示している。路面用排水路10は、透水性舗装路Rの側端であって、縁石Bに沿うように、基礎砕石や基礎コンクリートの路盤Uに埋め込まれている。前記透水性舗装路Rの表面は上端口2eに向けて僅かに傾斜している。そして、導水板2の上端口2eは、表層R表面と同一平面上に位置しており、雨水は表層Rの表面を流れ、上端口2eから導水板2を通り通水孔4を介して鋼管1内部へと確実に誘導される。図2及び図3の(a)から分かるように、通水孔4を挟むように設けられた導水板2の上端口2eの開口面積は、通水孔4の開口面積よりも広いため、通水孔4のみから集水できる雨水の量よりも、より多くの雨水を効率よく集水することができる。そして、集水されたすべての雨水は、導水板2によって通水孔4へ確実に誘導され鋼管1内へ排水される。このように、路面用排水路10は、導水板2によって、路面からの雨水を通水孔4を介して鋼管1内へ効率よく誘導し排水するので、高い集水効率を有している。
【0051】
また、透水性舗装路Rは、導水板2の側面から鋼管1上面を覆うように舗装してあるため、透水性舗装路R内に浸透した雨水は、通水孔3から鋼管1内へと排水することができる。さらに、鋼管1の上面の通水孔3及び導水板2の側面の通水孔3は、いずれも鋼管1の上部に位置するため、鋼管1内を流れる排水が逆流することがない。また、導水板2の2枚の平行板の間隔は任意であるが、例えばヒールの踵や、ゴミ等が入らない数センチ程度が望ましい。
【0052】
図3の(b)は、通水板12を鋼管11の手前側寄りに突設した路面用排水路20を路面内に設置した使用態様を示している。このように、導水板12の突設位置を変更することにより、縁石Bを鋼管11の上面へ位置させることができる。そのため、図3の(a)において、縁石Bと路面用排水路10とが占める幅L1が、図3の(b)では、L2のように狭くすることができ、スペースを有効活用することができる。
【0053】
図3の(b)の導水板12の高さは、図3の(a)の導水板2よりも高く設定されている。また、図3の(b)の導水板12の2枚の平行板の間隔、つまり導水板12の幅は、図3の(a)の導水板2より狭く設定されている。このように、導水板(2、12)は、2枚の長尺状の板を平行に設けるという簡単な構成であるため、路面用排水路が設置される周囲の状況に応じて、導水板(2、12)の突設位置、高さ、幅を任意に変更することができる。また、導水板(2、12)は、長尺状の板を連続して設置しているが、短い板を断続的に設置してもよい。
【0054】
図3では、透水性舗装路Rが用いられた場合を示しているが、勿論、透水性を有しない不透水性舗装路でも本願の路面用排水路を利用することができる。その場合は、舗装路の内部には雨水は浸透しないため、導水板(2、12)の側面及び鋼管(1,11)の上面の通水孔(3,13)を設ける必要はない。そのため、不透水性舗装路表面を流れてきた雨水を上端口(2e、12e)のみから集水することになる。
【0055】
図4の(a)では、路面用排水路30を、歩道や外構部等に設置した場合を示している。歩道等では、図4の(a)に示すブロック形式の舗装材(インターロッキングブロック)I1を敷き詰める場合がある。このように、ブロック形式の舗装材I1の高さH1に合わせて、導水板22の高さを調節すれば、導水板22の上端口22eと舗装材I1とは段差がなく、同一平面に位置することができる。
【0056】
図4の(b)では、舗装材I1とは異なる規格の舗装材I2を使用しており、高さはH1より低いH2となっている。そして、路面用排水路40の導水板32の高さを舗装材I2の高さH2に合うように変更している。このように、導水板(22、32)が2枚の長尺状の板を平行に設けるという簡単な構成であるため、容易にその高さの変更が可能であることがわかる。勿論、導水板の幅及び突設位置も適宜変更が可能である。
【0057】
実際に歩道や外構部等において使用される規格品の舗装材の種類は、非常に多種多様にわたっているが、本願の路面用排水路であれば、導水板の高さを変更するのみで対応することができ、コストも嵩まず、非常に有用である。
【0058】
図4では、路面用排水路を直線状に設置していたが、交差点等で見受けられるように路面が湾曲している場合において、路面用排水路を設置することを考える。従来の特許文献3の路面用排水路100では、路面の曲率に合わせて、その都度、各部材(通水部91、桶部92、蓋部95等)を形成する型等を別途用意し、各部材を切断し曲げ加工等していた。さらに、各部材を溶接して組み立てなければならず、コストが嵩み効率的ではなかった。
【0059】
そこで、本願においては、直線状に形成した長尺の路面用排水路を予め用意しておく。そして、図5の(a)に示すように、路面用排水路50を切断面Xが斜めになるように切断し、台形形状に切断された路面用排水路50を、曲率に合うように連結プレートP1を用いて連結していくことができる。
【0060】
また、図5の(b)の路面用排水路60は、上記のように路面用排水路50を切断するのではなく、湾曲した規格品の鋼管51を使用した場合を示している。鋼管51が湾曲していても、直線状の鋼管の場合と同様に、通水孔を設けることができる。また、導水板52は2枚の板を曲率に応じて湾曲させるだけでよい。そのため、従来の特許文献3の路面用排水路100ように、各部材をそれぞれ曲げ加工し、組み立てる必要がない。また、仮に導水板52の2枚の板が高精度で曲げ加工されていなくても、鋼管51に取り付けられないことや、それによって雨水等を鋼管内に誘導することができなくなることはない。
【0061】
図6は、本願の路面用排水路の他例である路面用排水路70を製造する工程を示している。
【0062】
図6の(a)では、本願発明の路面用排水路70の排水路部分である鋼管61を示している。鋼管61は、規格品をそのまま使用し、所望の長さに切断すること以外は、別途加工等はしていない。
【0063】
図6の(b)では、前記鋼管61の側面に通水孔63、及び鋼管61の上面に長手方向に伸びる通水孔64を設けている。通水孔63及び通水孔64は、様々な方法により形成することが考えられるが、鋼管61内部への返りが発生すると鋼管61内の排水の流れの阻害要因となることから、例えば返りが発生しないレーザ加工等が望ましい。
【0064】
また、通水孔64及び鋼管61の側面に設けられた通水孔63の大きさや数は、路面用排水路70が設置される場所の排水量等に応じて、適宜変更すればよい。
【0065】
図6の(c)では、導水補助部材として、通水孔63を有した上板であって、表面がその通水孔63に向けて(図では、通水孔63の中心線αに向けて)わずかに傾斜している断面略コ字形の滑り止め鋼板65を準備する。滑り止め鋼板65は、鋼管61の上面の形状と一致する形状をしている。また前記通水孔63の位置は、滑り止め鋼板65を鋼管61の上面に設置したときに、通水孔63と通水孔64とが重なるようになっている。そのため、滑り止め鋼板65を鋼管61の上面に設置すると、わずかに傾斜している滑り止め鋼板65の表面によって、より効率的に集水された雨水を通水孔63から通水孔64を介して確実に、鋼管61内部へと排水することができる。
【0066】
図6の(d)では、滑り止め鋼板65を鋼管61の上面に設置して溶接し、路面用排水路70が完成した状態を示している。このように、断面略コ字形をしている滑り止め鋼板65を溶接して鋼管61に取り付けるため、路面用排水路70を頑強なものとすることができる。
【0067】
上記のように、本願の路面用排水路70を製造する工程は、規格品の鋼管61を所望の長さに切断して、通水孔63及び通水孔64を設け、通水孔63を設けた滑り止め鋼板65を、鋼管61の上面に取り付けるのみでよく、製造作業が非常に容易である。
【0068】
また、路面用排水路の仕様によっては、滑り止め鋼板65を鋼管61の上面に取り付けた後に、滑り止め鋼板65上面からレーザ等により、滑り止め鋼板65と鋼管61を貫通する通水孔63を設けることができる。そのため、製造工程において、鋼管61上面に通水孔64(図6の(b)参照)を、滑り止め鋼板65上面に通水孔63(図6の(c)参照)を別々に設ける必要がなく、作業が簡素化されて、製造コストをさらに削減することができる。
【0069】
図7は、本願の路面用排水路70を路面内に設置した使用態様を示している。路面用排水路70は、透水性舗装路Rの側端であって、縁石Bに沿うように、基礎砕石や基礎コンクリートの路盤Uに埋め込まれている。前記透水性舗装路Rの表面は滑り止め鋼板65に向けて僅かに傾斜している。そして、滑り止め鋼板65の上面は、表層R表面と同一平面上に位置しており、表層Rの表面を流れてきた雨水を、通水孔63に向けて(図では、通水孔63の中心線αに向けて)わずかに傾斜している滑り止め鋼板65の表面によって、より効率的に集水し導水孔63を介して鋼管61内部へと確実に誘導される。このように、路面用排水路70は、高い集水効率を有する。また、透水性舗装路Rの内部へ浸透した雨水は、鋼管61の側面に設けられた通水孔63から集水することができる。さらに、滑り止め鋼板65の上面は路面に露出しているが、上面の凹凸によりすべり止め効果があるため、歩行者等の安全を確保することができる。
【0070】
また、本願の路面用排水路の他例では、路面内部に埋設される路面用排水路の製造方法であって、埋設されるべき規格品の鋼管の上面に、長手方向に伸びる通水孔を設け、通水孔を有し表面がその通水孔に向けて傾斜した上板(滑り止め鋼板等の滑り止めの効果のあるものが望ましい)を、鋼管上面に溶接することを特徴としている。
【0071】
また、本願の路面用排水路の他例では、路面内部に埋設される路面用排水路の製造方法であって、埋設されるべき規格品の鋼管の上面に、その表面に設けられるべき通水孔に向けて、表面が傾斜した上板(滑り止め鋼板等の滑り止めの効果のあるものが望ましい)を溶接し、さらに、当該上板の上面から通水孔を設けることを特徴としている。
【0072】
上記特徴により、規格品の鋼管を用いるので製造コストを下げることができ、尚且つ鋼管上面に上板を取り付けるため、路面用排水路の強度が向上する。また、製造方法も容易であるため、製造作業が減り結果的に製造コストを下げることができる。さらに、上板にすべり止め効果のある滑り止め鋼板を用いれば、歩行者等の安全を確保することができる。
【0073】
図8は、本願の路面用排水路の他例である路面用排水路110を製造する工程を示している。
【0074】
図8の(a)では、路面用排水路110の排水路部分である鋼管101を示している。この鋼管101は、規格品をそのまま使用し、所望の長さに切断すること以外は、別途加工等はしていない。次に、図8の(b)では、その表面に設けられるべき通水孔104に向けて(図では、通水孔104の中心線αに向けて)、その表面がW字状にわずかに傾斜している断面略コ字形の鋼板105を準備する。このように、鋼板105の表面がわずかに傾斜していることにより、路面からの雨水をより効率よく集水し排水することが出来る。また、鋼板105は、鋼管101の上面の形状と一致する形状をしている。
【0075】
図8の(c)では、鋼板105を鋼管101の上面に設置して溶接した状態を示している。このように、断面略コ字形をしている鋼板105を溶接して鋼管101に取り付けるため、路面用排水路は頑強なものとなる。また、鋼板105は、溶接を行わずに、鋼管101の上面と鋼板105とをリベット打ち込み(図では、鋼板105の四隅にリベットFが打ち込まれているが、適宜、任意の位置に打ち込むことが出来る。)によって、着脱可能にすることも出来る。図8の(e)は、路面用排水路110の拡大断面図であるが、打ち込まれたリベットFによって、鋼板105は、鋼管101の上面に着脱可能に取り付けられている。なお、リベットFではなく、ボルトとナットで着脱可能に取り付けることもでき、その他の取り付け部材も適宜用いることが出来る。
【0076】
次に、図8の(d)に示すように、鋼板105と鋼管101の上面を貫通し、鋼管101内部へ通じる通水孔104を、鋼板105の上面からレーザ等により加工する(共加工という)ことで、路面用排水路110が完成する。図8に示す製造工程によれば、図6に示す製造工程のように、鋼管61上面の通水孔64と、滑り止め鋼板65上面の通水孔63(図6の(c)参照)とを別々に設ける必要がなく、製造工程が簡素化されて、製造コストをさらに削減することができる。なお、鋼板105の形状は、単なる板状のものやそれ以外の任意の形状でもよい。また、鋼板105の素材やその表面加工等は、用途に合わせて適宜変更することができ、たとえば、表面仕上げとして、滑り止め加工を施した塗装をすれば、すべり止め効果が得られ、カラー加工を施した塗装をすれば、美観性を向上させることができる。
【0077】
図9の(a)では、路面用排水路120の排水路部分である鋼管111を示している。この鋼管111は、規格品をそのまま使用し、所望の長さに切断すること以外は、別途加工等はしていない。次に、図9の(b)では、前記鋼管111に通水孔113、及び鋼管111の上面中央に長手方向に伸びる通水孔114をレーザ加工等により設けている。
【0078】
図9の(c)では、導水補助部材として、通水孔113が設けられ、表面がその通水孔113に向けて(図では、通水孔113の中心線αに向けて)傾斜している滑り止め鋼板115を準備する。この滑り止め鋼板115の表面の傾斜は、図6の滑り止め鋼板65の表面の傾斜より大きく、滑り止め鋼板115の断面が略M字形をしており、表面の最も窪んだ箇所に通水孔113が設けられている。この滑り止め鋼板115を鋼管111の上面に設置したときに、通水孔113と通水孔114とが重なるようになっている。また、滑り止め鋼板115の裏側の凹部に、任意に丸棒115aを取り付ければ、鋼管111の上面へ滑り止め鋼板115を設置することがより安定して行えるようになる。なお、滑り止め鋼板115を表面に色彩を有するもの(カラー鋼板)とすれば、美観性も向上する。
【0079】
図9の(d)では、滑り止め鋼板115を鋼管111の上面に設置して溶接し、路面用排水路120が完成した状態を示している。このように、表面が通水孔113に向けて傾斜している滑り止め鋼板115を用いることで、路面からの雨水をより効率的に集水し確実に鋼管111へ誘導することが出来る。
【0080】
次に、図10では、鋼管上面に設けられた一対の導水補助具の様々な変形例を示している。まず、図10の(a)の路面用排水路130は、断面が略L字形の一対の板材122が鋼管121上面に取り付けられている。不図示であるが鋼管121の上面に設けられた通水孔124を挟むように、板材122(1)及び板材122(2)が取り付けられている。したがって、路面からの雨水は、この板材122(1)及び板材122(2)の間を通り通水孔124まで誘導され、鋼管121内へと排水される。また、板材122は断面が略L字形なので、鋼管121の上面に板材122を配置することが容易になる。
【0081】
次に、図10の(b)の路面用排水路140は、一対の丸材132が鋼管121上面に取り付けられている。この場合でも、上記板材122と同様に、路面からの雨水は、丸材132(1)及び丸材132(2)の間を通り通水孔134まで誘導され、鋼管131内へと排水される。
【0082】
次に、図10の(c)の路面用排水路150は、鋼管141の上面に設けられた通水孔144を挟むように、表面が傾斜した一対の板材142が取り付けられている。この板材142は、路面からの排水を板材142(1)及び板材142(2)の間を通して通水孔144まで誘導することができると共に、表面が傾斜しているので、より路面からの雨水等を集水しやすくなっている。
このように、導水補助具の様々な変形例を示したが、導水補助具の形状は、通水孔よりも多くの雨水等を流入できるように、導水補助具の上端の雨水を流入できる面積が、通水孔の開口面積以上となるものであればよい。
【0083】
次に、図10の(d)の路面用排水路160は、不図示であるが鋼管151の上面に通水孔154が設けられ、鋼管151の側面に、板材152(1)及び板材152(2)が取り付けられている。そして、この板材152(1)と板材152(2)の間に、透水性のある材料Tが敷き詰められている。この材料Tは透水性があるので、材料Tから路面の雨水等を集水し、通水孔154を介して鋼管151内へと排水することができる。さらに、透水性のある自然石やセラミックス等を材料Tとして用いれば、路面用排水路160が埋設された路面の美観性を向上させることが出来る。
【0084】
図11の(a)の路面用排水路は、鋼管161上面に、通水孔164a及び当該通水孔164aを挟むように導水板162aが設けられている。同様に、不図示の通水孔164b及び当該通水孔164bを挟むように導水板162bが設けられている。
【0085】
そして、図11の(b)に示すように、境界ブロックGは、鋼管161上面の両端に設けられた導水板162aと導水板162bの間に設置され一体化される。このように境界ブロックGを一体化した路面用排水路170では、路面を境界ブロックGで隔てるとともに、隔てられた両側の路面から雨水等を導水板162aと導水板162bを通して排水することができる。
【0086】
図12の(a)の路面用排水路180は、導水板172を構成する2枚の平行板172(1)及び172(2)の間にグレーチング175がはめ込まれている。この平行板172(1)及び172(2)は、不図示であるが、鋼管171上面に設けられた通水孔174を挟むように設けられている。したがって、導水板172は、グレーチング175を固定することが出来るとともに、グレーチング175上方から集水された雨水等を通水孔174を介して、鋼管171内に誘導することができる。また、グレーチング175の格子部に、透水性のある材料Tを敷き詰めれば、美観性が向上する。
【0087】
さらに、導水板172は鋼管171の上面に溶接して設置されるので、平行板172(1)と172(2)の間の幅は任意に決めることができる。そのため、グレーチング175を追加で取り付けたい場合は、グレーチング175の幅に合わせて、平行板172(1)及び172(2)を設置し、グレーチング175をはめ込むだけでよい。このように、路面用排水路180であれば、グレーチング175等の装備品を追加で取り付けたい場合でも、追加の加工や変更が容易であり、即座に対応することができる。
【0088】
また、図12の(b)の路面用排水路190では、通水孔184(不図示)及びグレーチング185のみを設けている。図12の(a)のように平行板172(1)及び172(2)を設けなくてもグレーチング本体の一部である側板185(1)及び185(2)が、導水板の役割を果たしているので、雨水等を集水することができる。なお、グレーチング185は、鋼管181の上面に溶接して固定してもよい。
【0089】
なお、本願発明の路面用排水路は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本願発明の路面用排水路は、歩道、道路、駐車場等の路面上の雨水等を排水することが要請される産業分野に利用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水路に規格品の鋼管を用いた路面用排水路であって、
前記規格品の鋼管の上面に通水孔を設け、側面には通水孔を設ける場合と、設けない場合とがあり、
路面からの排水を、前記上面の通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導するように構成された導水補助部材を備えることを特徴とする路面用排水路。
【請求項2】
導水補助部材は、規格品の鋼管上面の通水孔を挟むように、鋼管に設けられた一対の導水補助具であり、
さらに、該導水補助具の側面に通水孔を設けるか、又は設けないことを特徴とする請求項1に記載の路面用排水路。
【請求項3】
導水補助部材は、通水孔を有した上板であって、当該上板の表面は、該通水孔に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の路面用排水路。
【請求項1】
排水路に規格品の鋼管を用いた路面用排水路であって、
前記規格品の鋼管の上面に通水孔を設け、側面には通水孔を設ける場合と、設けない場合とがあり、
路面からの排水を、前記上面の通水孔を介して前記鋼管内へ効率よく誘導するように構成された導水補助部材を備えることを特徴とする路面用排水路。
【請求項2】
導水補助部材は、規格品の鋼管上面の通水孔を挟むように、鋼管に設けられた一対の導水補助具であり、
さらに、該導水補助具の側面に通水孔を設けるか、又は設けないことを特徴とする請求項1に記載の路面用排水路。
【請求項3】
導水補助部材は、通水孔を有した上板であって、当該上板の表面は、該通水孔に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の路面用排水路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−241675(P2011−241675A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82766(P2011−82766)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(593159903)株式会社宝機材 (16)
【出願人】(593064940)エス・ケー・エンジニアリング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(593159903)株式会社宝機材 (16)
【出願人】(593064940)エス・ケー・エンジニアリング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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