車両と対象物との間の衝突を検知する方法及び装置
本発明は、車両と対象物との間、及び、特に、歩行者と車両のフロントバンパ(12)との間の衝突を検知する装置並びに方法に関する。光ファイバアレイ(14)はバンパ(12)に沿って延びており、前記アレイ(14)は、前記バンパ(12)に沿って離間されているセンサを有する。センサは、ファイバ上に周辺方向及び軸心方向で離間される光損失領域を有する。衝突がセンサを変形させ、そして、変調している光が1つ又は複数のファイバに沿って伝達される。信号が生成され、それは信号プロセッサにより加工され、そして、出力信号が生じる。前記出力信号を使用して、安全装置の起動、例えば、車両ボンネットをもち上げてボンネットとエンジンとの間での空間を増やし、そして被害の深刻性を減少させる。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、対象物と車両との間の衝突の検知に関し、特に、歩行者が車両のフロントバンパに衝突したか否かを認識するための衝突の分類に関する。本発明はまた、衝突により生じ得る負傷の深刻さを軽減するための安全装置を起動するために検知方法を使用する方法にも関する。
【発明の背景】
【0002】
車両との衝突による歩行者の負傷の程度を軽減することは、早急に必要とされる。歩行者が車両のバンパの衝突を受ける特定のイベントは、頭部をボンネットに打つことにより深刻な頭部損傷をもたらす可能性がある。ボンネットの一定の変形が生じることがあるが、変形の程度は、下方にあるエンジンの頑丈な金属により制限される。これまでに提案されたひとつの可能性は、ボンネットが“跳ね上がって”開き、ボンネットとエンジンとの間の間隙をある程度増大させることで、ボンネットの大きな変形を許容することである。また、歩行者の衝突を検知する場合、衝突が歩行者との接触によるものか又はたとえば支柱などの歩行者以外の何かとの接触によるものかを区別することも望ましい。両者を区別することは、適切な安全システムを展開する上で望ましい。歩行者が衝突した場合には、自動車のボンネットを使用することに加え、又は、それに代えて、エアバッグなどの他の安全装置も起動されることができる。
【先行技術の議論】
【0003】
フロントバンパ上に衝突検知デバイスを配置し、衝突の発生時にはある形態の安全装置を起動することが提案されている。しかしながら、衝突に対する明確で十分な表示を得るためには問題がある。1つの前記提案は米国特許第6329910号に記載されており、前記米国特許においてバンパの下側空気遮断領域には、磁気検知センサ応力伝達メンバを含む細長い金属バーが配置される。前記方法の欠点としては、部品の柔軟性が限られていること、衝突の後では作動状態に戻りにくいこと、及び、電界及びインパルスからの干渉を受けることが挙げられる。また先行技術としては、屈曲されたときに電流を発生するポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)などの圧電フィルムも挙げられる。しかしPVDFセンサでは、応答の可変性と、屈曲されたときの電気接続の一体性の不十分さと、湿潤環境における結果的な信頼性の低下に繋がる高インピーダンスの要件とが問題である。また、応力を受けあるいは屈曲されたときにインピーダンスが変化する導電ゴムセンサにより衝突を検知することも可能である。欠点には、低温での柔軟性が低いこと、機械柔軟性及び電導性を調節しなければならない材料性質、及び異なる温度で曲げる場合の検知力の変化が含まれる。
【0004】
車体の種々のメンバに対してセンサを取付け、そして、車両及び他の車両又は静止的対象物との間の衝突を検出し、且つ一定の場合には、前記衝突を分類することも提案されている。前記システムにおける重要な特徴のひとつは、車両の乗員に対して安全性を提供することである。衝突を分類することにより、安全装置、例えばエアバッグを展開すべきか否かに関する判断が可能になる。
【本発明の要約】
【0005】
本発明は、それほど強くはなく、多くの場合で乗員に大きな危険を生じない衝突を検出し、そして分類することに関する。本発明の目的は、歩行者と車両との間の衝突を検出し、そして、歩行者に起こる可能性のある負傷を軽減する安全装置を起動し、支柱、柵及び塀などの他の対象物との衝突が検出されたときには、前記起動を回避することにある。
【0006】
従って、本発明によると、車両と対象物との間の衝突を検知する装置は、車両上に配置されている光ファイバセンサを含み、前記センサは一端における光源ともう一方の端における光検出器とを有する光ファイバ少なくとも1つを含む。前記ファイバは、予想された衝突の方向を向くファイバの片側にファイバ周縁部上に配置された光損失領域と、予想される衝突の方向から離間する方向を向く別の光損失領域とを有する検知区画少なくとも1つを有する。
【0007】
本発明の或る観点において、光ファイバのアレイを広げ、そして、車両のバンパに取り付けることができる。前記アレイはファイバ少なくとも1つを含むことができる。前記アレイの各ファイバ上には1つ又はそれ以上の検知区画を備えているので、衝突の位置及び種類を特定することができる。これは、前記区画の位置が知られており、前記区画が分類において使用される重要な特性を見逃さずに広範囲な衝突の形状及び種類を検知するように設計されるからである。
【0008】
前記のセンサ(1つ又は複数)の形態及び配置を大幅に変えることができる。Danisch,L.A.,『光導体の部分上に形成される光反射面を含む光ファイバベンディング及び位置センサ』,米国特許第5321257号,1994年6月14日;Danisch,L.A.,『選択された湾曲光反射面をともなう光ファイバベンディング及び位置センサ』,米国特許第5633494号,1997年5月27日;Danisch,L.A.,『光ファイバベンディング及び位置センサ』,欧州特許番号EP0702780号,1997年10月2日;Danisch,L.A.,位相的及び動作測定ツール,米国特許第6127672号,2000年10月3日;Danisch,L.A.,Danisch,J.F.,及びLutes,J.P.,位相的及び動作測定ツール(II),米国特許第6563107号;並びに、Danisch,L.A.,接触及び形状の測定及び分類用の横連結した光ファイバ,1999年5月11日に出願されたカナダ国特許出願に記載の先行技術に従って形成される。
【0009】
前記先行技術において、左右非対称の損失及び双極の応答を仮定して、片側の損失を伴ってセンサを設計するので、検知区画は、一方の極性の屈曲に対しては増大した光通過量(throuput)で応答し、そして、他方の極性の屈曲に対しては減少した通過量を有する。ファイバ上の検知区画は双極性応答を有し、そして、前記区画内の各々の部分も双極性応答を有する。結果として前記区画の全体的応答は、区画長さの曲率の積分である。前記区画の始まりから終わりまでの正味角度を意味する積分である。これは区画内における曲率詳細を有するセンサに対して角度的精度を維持する上では便利であるが、前記区画内における変動屈曲(正及び負の成分を含む屈曲)の合計がゼロになるという好ましくない結果を有する。
【0010】
通常、車両のフロント又は側部での衝突は、単純な屈曲ではなく「嵌入」をもたらす。この差異は、嵌入は通常正及び負の屈曲を含むので、それらを「変動」と称することができる。支柱もしくは脚部のような小さい対象物からの嵌入は、バンパの長さ(1〜2m)と比較すると、たいていの場合には範囲(1〜6cm)が狭い。
【0011】
従って、衝突されない場合には有意な光通過量を維持するが、個々の検知区画内における変動屈曲に対して強い応答(非双極性応答)を有するアレイ内に、検知区画を含むことが望ましい。Danischの米国特許第5321257号及び米国特許第5633494号は、その円周部で通過量の損失が多く、そして、前記の非双極応答を有するファイバの記載を含む。しかしながら、円周部処理は、同じファイバ上の長いセンサの長さと、多くの短い連続のセンサの長さとで通過量が維持されるバンパの検知に必要な要件を満たさない。従って、本発明の更なる目的は、曲がりからの変調が高い非双極応答を有し、そして、最大限の通過量をも有するセンサを提供することである。
【0012】
米国特許第5633494号は、円周又は軸心方向に配置されている損失表面を有するセンサを記載している。衝突したバンパの形状は、主に水平の平面中であるため、平面中の光損失を提供することにより衝突の最大限の変調を生成し、そして、ファイバの軸へ交差しているその他の平面中での光損失を最小限にすることが望ましい。光損失表面を左右対称(すなわち、一方は衝突の方向へ面し、もう一方はそれ以外の方向へ面している)に作ることによって、衝突に対する完全な非双極応答を得ることができる。表面が最小限の円周範囲を有する場合にも、光通過量が維持される。
【0013】
ファイバの軸心と交差する平面1つ以上に対する応答を必要とする適用において、より細い光損失ストリップをファイバの円周部の回りに加えることができる。あるいは、光損失ストリップを螺旋状の形状でファイバの周りに巻くことができる。通常、衝突した形状も、衝突の屈曲と同様の位置に生じる衝突圧力フィールドを含む。センサの取り付けを設計することによって、(例えば、センサの一つの側に自由空気を伴って、バンパ中のスロット内にセンサを取り付けることによって)圧力効果を排除するが形状に対してだけ応答するセンサの取付具を設計することで圧力を無視するか、あるいは、組み合わされた曲がりの測定を伴うか又は伴わずに、形状を分類し、そして、嵌入の時間進行及び質量を測定する手段として圧力を使用することができる。この場合において、変動表面プロフィルを有するフィルムを衝突の時点において既知箇所におけるファイバ内へと衝突の圧力を用いて押圧することで、光損失領域を作ることができる。適切なフィルムとしては、織成網体、紙やすり、及び、波状(sinuated)又は格子縞パターン(waffle−patterned)のプラスチックが挙げられる。押圧フィルムは、ファイバにおける微小屈曲を形成するので、コアからクラッド内へ又はクラッドの外側への光が損失される結果となる。微小屈曲とは、意図されたセンサ位置に沿う一連の小さい屈曲又は波状部(sinuation)である。押圧フィルムは、衝突から離れた方向及び衝突に対向する方向のファイバの両方の側面部上、又は、一方の側面上のみに配置することができる。両方の側面に配置する場合には、圧力による光損失の効果及び光を損失する間の屈曲の効果が相乗的であり、そして、曲率の両方向に対して対称的であることから、押圧フィルムは両方の側面に配備することが好適である。前記押圧フィルムを一方の側面のみに配置する場合、圧力及び曲がりに対する前記効果は相乗的ではあるが、屈曲の両方向に対する対称性が少ない。この方法により損失表面を生成することは、センサが衝突されない場合にほとんど光損失が無いので衝突時の変化が非常に大きいという利点を有する。
【0014】
微小屈曲をファイバの両方の側面から適用するか、又は、一方の側面から適用するかに関わらず、前記方法は、2つの平坦な格子縞状プラテンの間にファイバが圧縮されるという古典的な微小屈曲検知方法とは区別される。本発明方法においてプラテンは柔軟であり、ファイバは圧力及び微小屈曲を受容するが自由に曲げることができるので、微小屈曲により誘起された損失表面に対する光の大きな相互作用より更に光損失が引き起こされる。前記センサの典型的な構成は、圧力場を伝達するが撓曲を許容するという撓曲可能な2層の発泡体もしくはゲルの間に挟まれる。この理由のために本発明を通して、光損失表面を製造する手段として微小屈曲誘起用パターン化フィルム(microbend−inducing patterned films)が包含される。複数のセンサアレイの場合、押圧フィルムはアレイ全体をカバーする単一のフィルムを含み、前記フィルム上のパターン化領域は所望のセンサ箇所に載置される(図30参照)。
【0015】
前記目的を満たすセンサは、一方の端には光源が接続されており、そして、他方の端には光検出器が接続された単一ファイバを有する、前記ファイバの長さに沿って対向して延びている2つの損失表面を有する単一ファイバを含むことができる。衝突を表示する上で効果的ではあるが、前記センサはバンパに沿う衝突の位置に関するデータを提供することができない。その他の同様の配置構成は、同一の端部に光源及び光検出器を位置決めするためにループ状に延びている単一ファイバである。前記ループの両方の脚部は単一又は複数のセンサ、あるいは、単一の長さのみを有することができる。
【0016】
衝突に関する更に詳細な情報のために、ファイバに沿い複数のセンサを配置することができる。あるいは、複数のファイバを備えることができ、前記ファイバは並んで、そして各々のファイバがセンサを有しており、複数の前記センサはバンパに沿って離間されている。更に、あるいは、各々のファイバに沿って離間されている複数のセンサを有する、隣り合って延びている複数のファイバであることができる。更なる配置においては、センサは、変化するパターン配置を有する複数の光損失表面を含むことができる。典型的な配置は、相互に対して軸心方向に離間されているかもしくは周辺方向に離間されているか、又は、その両方を組み合わせた表面である。前記表面は、軸心方向に、周辺方向に、又は、それらの組み合わせ(例えば、螺旋状の態様)で延びていることができる。
【0017】
バンパを横切って各センサを適切に配置することにより、衝突の位置を識別することが可能である。光損失表面のサイズ及び配置によって、衝突に関するデータが提供される。
【0018】
ファイバのアレイは、双極性及び非双極性のセンサを含むことができるので、(たとえば窪みなどの)変動形状及び(たとえば一方の極性の浅い湾曲などの)非変動形状を区別することができる。
【0019】
前記ファイバのアレイはまた、直線状であるときに一方の側面もしくは両方の側面上での光損失の量が変化する双極性及び非双極性のセンサも含み、それによって、前記ファイバのアレイは、センサが屈曲当たりの出力において所定の変化(勾配;slope)を有するという作用領域と、センサが異なる勾配を有するという領域とを与えることができる。正及び負の屈曲での異なる絶対値の屈曲で、特定のセンサに対する勾配の変化が生じることができる。従って、これらのセンサは、それらの応答が線形であるという屈曲の絶対値の領域と、それらの応答が非線形であるという他の2つの範囲とを有する。
【0020】
通常、本発明のセンサ又はセンサシステムは、電子制御システムと共に利用される;前記制御システムは当業界において(例えば、シートベルト、エアバッグ、警報、エンジン制御などの)種々の用途に対して公知である。一般的には、前記電子制御システムは、いずれの単一又は複数のセンサが衝突により最も影響されるかを選択するアルゴリズムを採用し;一般的に、前記制御システムは、規定された期間にわたって獲得されたデータを処理するために、最も影響された単一もしくは複数のセンサからの信号の(たとえば数百個などの)規定数のサンプルも記憶し、そして、「計算枠(calculation window)」も得る。後者の期間は、展開の決定を行うために必要な時間と比べると比較的短いものである。
【0021】
更に、前記アルゴリズムは一般的に、アーリーデータのいくつかのサンプルとレートデータデータのいくつかのサンプルとを平均し(avg1、avg2)、そしてavg2対avg1の勾配の計算を行い(avg2からavg1を減算した差を、それらの間の時間で割る)、間隙により分離された2群のデータに対して計算された“速度”を得る。前記アルゴリズムを介する電子制御システムは、最も早期のデータサンプル及び最もレートデータデータのサンプルのavg1及びavg2サンプルの全ての群に対する勾配も計算枠内において演算可能であり、前記配置においてavg1及びavg2を等しい量の時間で割る(従って「移動間隙速度;moving gap rate」を提供する)。(たとえばABSシステムなどの)他のセンサから決定された車両の測定速度に従い、勾配を正規化する。前記システムから提供された情報は、歩行者の衝突又は(支柱などの)他の一定の種類の衝突が生じたか否かを表す所定の大きさの勾配を作り出す。勾配が減少し始める時点は衝突信号のピーク時点を顕著に表し、分類の指標を形成する。従って、いったん対象物の種類が決定されると、前記勾配の大きさはたとえばABSシステムなどからの速度情報と共に使用されることによって、前記対象物の質量とバンパ内への嵌入の速度とが決定される。このことは、較正係数を決定する既知質量の試験的対象物と種々の衝突速度とにより前記システムを特徴付ける記憶情報を利用することで達成することができる。
【0022】
前記アルゴリズムは、双極性センサ又は非双極性センサにより測定された衝突を分類することができる。例えば、前記双極性センサは、変動カーブ(inflected curve)の形状の部分を分析するために十分な多数であることができる。あるいは、分類が(例えば、対象物の種類、質量、及び、嵌入速度などの)衝突の種類に対する時間に関する信号の推移を較正することで達成されるのに対して、一連のセンサから得られた部分的情報のみに基づいて双極性又は非双極性の各センサを使用することができる。分類アルゴリズムを開発する上では、与えられた任意の種類のセンサから最も多くの情報と最適な分類とを獲得するために、車両のフロントエンド、バンパ、バンパにおける基材上の光学的アレイ、光ファイバ、接着システム及び信号処理の機械的、光学的及び電子的な各モデルを、前記モデルを有効化するための衝突試験による膨大な特性解析と組み合わせて使用することが有用であることができる。
【0023】
更に、検知区画内における複数の極性の屈曲を減少するためにフロントエンド構造を変更することができる。例えば、単一センサが正及び負の屈曲の両方を受ける場合に変動屈曲が生じるのを阻止するために、剛性を高めることができる。あるいは、強靱なフロントバンパとセンサリーファイバとの間に、発泡体のような弾性材料の層を置くことができる。これは、対象物とバンパとの間の接触領域がセンサ長さと比較して短い場合に、衝突の最も早期の部分からの変動屈曲を吸収し、その後に(短い遅延後に)全ての非変動屈曲を伝達するという効果を有する。
【0024】
センサの任意の種類又は構成及びフロントエンド構造に対し、分類精度を、アルゴリズム、試験及びモデル化の手法の組み合わせを用いることで最適化することができる。本発明は、信号内容の位置及び時間推移的な見地を最適化すること、そして、分類を行うために必要なセンサの個数を最小化することを目的とする。
【0025】
本発明は、車両に対する衝突を検出し、そして、必要な場合には、衝突を分類する方法、並びに、前記検出及び分類のための装置に関する。本発明による装置は、全体としてバンパへの取付けのために、センサ1つ又はそれ以上をもつファイバ1つ又はそれ以上を有する光ファイバレイを含む。光源及び検出器は、通常、車両内に配置される制御ユニットに対する装着及び接続の準備のために、前記装置に対して予め取り付けることができる。あるいは、前記ファイバレイがバンパに適用された後に、光源及び検出器は、前記ファイバレイに対して接続され得る。
【0026】
本発明による方法は、光ファイバレイが前記アレイに沿って延びているセンサ1つ又はそれ以上を有し、各々のセンサは相互に対向する光損失表面を有している光ファイバであって、車両のバンパに前記の光ファイバレイを適用すること、
ファイバレイにおける光信号であって、バンパに対する衝突及びバンパの変形を表す前記光信号における変化量を検出すること、
光信号における前記変化量に関する出力信号を生成すること、
出力を使用して安全装置の起動を制御することを含む。
【0027】
本発明による他の場合において、センサの長さ以内である光損失表面を、問題となる適用の各平面を対称的に含むように配置する。“対称的に含む”とは、衝突の方向を向いている周縁部分及び衝突から離れている方向を向く部分上でのファイバの前記周縁に、光損失表面が生じることを意味する。更に、光損失表面の幅は、未屈曲ファイバの通過量を最大化するために十分であるように狭められ、そして、曲がりにより、容認することができる大きな光レベルの変調を製造するために十分な広幅であるか、あるいは、所定の幅及び長さ以内で十分な損失領域を含むように調節される。
【0028】
光損失区画は好適には、光吸収と組み合わされた、摩耗、切除又は衝突により生成することができる。目的は、経時的には不変であるが曲がりにより変化する所定量の損失を有する損失区画を作ることである。損失区画を形成するための処理は、散乱光の完全な損失を確実にするために、完全に吸収的な層が装着されるという前記当表面の低深度の摩耗から、それほどの付加的な吸収層を必要とせずに屈曲により完全な変調を得るという高深度のノッチまで多様とされ得る。但し前記光吸収層は、前記ファイバの外部における他の発生源からの光の影響を減少するために常に望ましく、且つ、接着特性及びシール特性を有し得る。摩耗の例は、紙やすり又はサンドブラストによる粗面化である。切除の例は、低温における紫外レーザーによる材料の除去である。衝突処理の例は、鋭角的ブレードをファイバに対し押圧してノッチを生成することである。
【0029】
前記の本発明の種々の実施例の記述及び以下の詳細な説明において、“光センサ”又は“光ファイバセンサ”又は“光ファイバレイ”という語句は、任意の断面形状及びサイズのファイバ又は光導体を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を具現する車両のフロント部分の斜視図である;
【図2a】センサ変形を示す図である;
【図2b】センサ変形を示す図である;
【図3】センサのさまざまな特性カーブを示す図である;
【図4】センサのさまざまな特性カーブを示す図である;
【図5】センサのさまざまな特性カーブを示す図である;
【図6】非分布式の検知区画の端面図である;
【図7】非分布式の検知区画の側面図である。;
【図8】軸心方向及び周辺方向に分布された損失領域を有する検知区画における同様の端面図である;
【図9】軸心方向及び周辺方向に分布された損失領域を有する検知区画における同様の側面図である;
【図10】損失領域の更なる配置の側面図である;
【図11】損失領域の更なる配置の側面図である;
【図12】周辺方向に分布された2つの軸心方向損失領域を有するセンサの端面図である;
【図13】周辺方向に分布された2つの軸心方向損失領域を有するセンサの側面図である;
【図14】周辺方向に分布された2つの軸心方向損失領域を有するセンサの斜視図である;
【図15】損失領域における表面処理の異なる形態を示す側面図である;
【図16】損失領域における表面処理の異なる形態を示す側面図である;
【図17】センサ上における損失領域の他の配置構成を示す図9と同様の側面図である;
【図18】センサ上における損失領域の他の配置構成を示す図9と同様の側面図である;
【図19】センサ上における損失領域の他の配置構成を示す図9と同様の側面図である;
【図20】損失領域の代替的な形態もしくは形状を示す図17、図18及び図19と同様の側面図である。;
【図21】周辺方向に分布する軸心方向に延びている4つの光損失領域を有するセンサを有するファイバの端面図である;
【図22】周辺方向に分布する軸心方向に延びている4つの光損失領域を有するセンサを有するファイバの側面図である;
【図23】周辺方向に分布する軸心方向に延びている4つの光損失領域を有するセンサを有するファイバの斜視図である;
【図24】アレイの異なる形態を示す図である;
【図25】アレイの異なる形態を示す図である;
【図26】アレイの異なる形態を示す図である;
【図27】アレイの更に異なる形態を示す図である;
【図28】アレイの更に異なる形態を示す図である;
【図29】アレイの更に異なる形態を示す図である;
【図30】ファイバ上における押圧フィルムを取入れた検知区画の側面図である;
【図31】は、アレイを適用している通常のバンパの断面図である;並びに、
【図32】は、図30における円A内の部分を更に大きな縮尺とした図である。
【発明の詳細な説明】
【0031】
図1は、フロントに沿って延びているバンパ12を有する車両のフロントエンド10を示す。バンパ12には、光ファイバセンサアレイ14が取り付けられている。特定の配置に示されるように、発光源16及び光検出器18は、各々の端部で、アレイ14中のファイバか、又は、複数のファイバへ接続されている。後述されるように、発光源16及び光検出器18の両方を、同じ端部とすることができる。光源及び光検出器は、車両中の制御システム(図示せず)に接続されている。制御システムからの信号を受理する場合に、ボンネット22を「跳ね上げる」ため、又は、持ち上げるために、デバイス20が提供されている。
【0032】
本発明は、動屈曲及び非変動屈曲、及び、それらの時間的経過を検出、分類、及び、測定し、対象物の形状、質量、早さを計算し、そして、形状、弾性、振動、及び緩衝によって前記対象物を同定する、様々な形態のセンサ並びに様々な形態の光ファイバを提供する。前記決定の全てを同時に得る必要はなく、実際の決定は、方法及び装置の特定の必須要件に合うように選択される。
【0033】
図2(a)は、一方の側に光損失領域34を有するファイバ32を含み、そして、一般的に、30で表されているセンサ区域及び領域を示す。変形36が示されている。これは、一方の側に損失領域を伴う双極性の場合であり、そして、屈曲38及び40にゼロ又は見かけの値を加えることができる。これは、その後に変調信号の絶対値を取ることによって補償することができない。双極性であるが非線形である応答(屈曲の一方の極性は他方より高い変調であるが、双極性である)を作るために単一の損失領域を配置する場合に、変動形状を検知する能力を改良することができる。この場合において、同等の正及び負の成分を持つ変動屈曲は、通過量において非ゼロの変化を製造するが、非同等の成分をもつ屈曲は無応答又は誤った応答(例えば、2つの異なる「窪み」が同じ応答を製造することがある)を製造することがある。
【0034】
図2(b)は、光損失領域34及び42をファイバの正反対の側にもつファイバ32を有する非双極性の配置を示す。ファイバを通じた光信号の変調は、屈曲の絶対値の合計であるので、常に非ゼロの結果である。正反対である側上の損失領域で、凹面の外側及び他方の側での減少した通過量のために、ある一方の屈曲が増加された通過量を導き、そして、変調の取り消しが生じることも考えられる。しかしながら、ファイバ中の光の多くが凹面の外側へ向いて損失領域に影響を衝当し、そして、もう一方他の側は光の最小限の相互作用を有しているので、この場合には変調の取り消しが生じることがない。
【0035】
分類及び測定を容易にするために、センサの様々な特性カーブをアレイ内で組み合わせることができる。
【0036】
図3、図4、及び図5は、得ることができる異なるカーブを示している。図3は、双極及び左右対称の線型特性をもち、両方の側面に光損失領域を有するファイバである。図4では、一方に光損失領域をもち、両方の側に小さな損失又は非同等の損失領域を有しているファイバである。これは、双極及び左右非対称線型(非線型)特性を表している。図5では、線型に最適化されている一方の側に光損失領域がある。これは、双極及び左右対称な線型特性を表している。
【0037】
正反対の側に2つの非同等の損失領域を有する図4の構成は、図4に示される特性カーブをとることがある。前記の場合では、正極及び負極の屈曲に対して応答が双極性及び線型であるが、各々の側のユニット屈曲当たりの損失量によって、負極の屈曲よりも正極の屈曲の異なる絶対値での応答が弱まる。図4に示されるように、小さな屈曲に対しては、応答が線形である。より大きな屈曲の絶対値に対しては、センサに対する非線形特性を与え、そして、正極及び負極の屈曲に対して勾配の異なるブレイクポイント(大きな勾配から小さな勾配への変化)を有する応答カーブの傾きが、図4に示されるように弱体化する。異なる損失の値をとるために、損失区画の表面領域当たりの損失部位の幅、深さ、又は数において損失領域を調節することができる。前記パラメータを変えることによって、応答が示されている特性カーブをもつように調整することができるか、あるいは、一方の側で損失が少しあるか、又はほとんどない場合に、実際に使用される全ての強度を含む屈曲強度の範囲内の特性カーブを、一方の側にだけ損失区画を有するファイバのものと同じとすることができる。図3、図4、及び図5に表される事例は、両方の側面での同等の損失から片側での非損失までに変化する双方の損失(両方の側面での損失)の様々な事例により製造することができる応答の連続体を明示している。幾何学は、最大の応答の平面に特有であり、そして、それによって、屈曲に応答の量に当たる通過量が最大化するので、前記事例のすべてが、環状的に左右対称な損失(完全に外周に囲まれる損失領域)に対して好ましい。
【0038】
特定の特性カーブのセンサの設計は、変調のパーセンテージと通過量とのトレードオフに関係する。図6及び図7において、ファイバ32は、軸心方向に延びている全周的な損失領域34を有している。どの平面での屈曲も検出するために、これは、大きな1つの損失領域として作用するが、特定の変調パーセンテージに対しては低い通過量を有する。
【0039】
図8及び図9において、センシング区域又は領域は、どの平面も検出し、そして、周辺方向及び軸心方向に分布している複数の損失領域34を有している。これは、光損失領域を含む平面中で衝突が一直線に並ぶ場合に、変調パーセンテージをほとんど伴わずに通過量を増加させることができる。これは、改良された通過量を有する。
【0040】
図10では、1つの平面つまり、図面の平面における屈曲を検出するために最適化されて、そして、軸心方向及び周辺方向に分布された光損失領域が存在する。
【0041】
図11は、図10と同様であるが、通過量に最適化されたものである。ファイバの一方の側上で損失領域を他方の側に対して軸心方向に置換(displace)させることにより、通過量を増進することができる。なぜなら、直線状ファイバの一方の側上で損失されたモード(損失されない場合には反射される)は、ファイバの他方の側上での下流の損失領域に衝当する相当数のモードを形成しているからである。衝突の間でファイバが屈曲される場合に、この状況は変化するので、変調は、一方の側上における損失領域の軸心方向置換を伴うことなく達成される変調と同様である。通常、軸心方向置換は、損失領域の1つの長さのおおよそ半分に制限され、そして、任意の場合に、ファイバの一方の側上の損失領域が他方の側上の損失領域よりも相当に異なる形状に露出されるほどに、前記軸心方向置換は大きくなるべきではない。
【0042】
数ミリmから数センチまでをカバーするセンサに対し、損失領域はファイバに沿い連続的であることができ、そして、前記損失領域は損失領域内における大きな損失を引き起こす大きな特定性質を有するが、周辺方向範囲を最大感度の平面(すなわち、衝突の方向に対向している及び衝突から離れた方向に対向している狭幅で連続的な損失領域)に制限することにより通過量を維持する。ファイバ表面の処理は、押圧、レーザー切除、摩耗及びその他の手段により実施することができる。図12、図13及び図14は、周辺方向に離間されて軸心方向に延びている2つの損失領域を有するファイバ32を示す。これらは、損失領域を含む平面内で最大的に感応する、検知区画又は領域を形成する。図15及び図16は表面処理の2つの代替的な形態を示しており、図15は鋸歯状(serrated)であり、そして、図16は矩形歯状(crenellated)である。前記鋸歯及び矩形歯は、クラッドを貫通することができ、そして、コアも貫通することができる。
【0043】
一般的に、検知区画又は領域は、周辺方向及び軸心方向に離間されることができる連続的な又は分布された光損失領域を含む。好ましくは、衝突の平面(すなわち、両方の側面を処理する)での最大感度を伴う特性カーブ(例えば、非双極性及び線形)を達成するために必要であるように周辺方向の分布又は離間を限定し、そして、通過量及び変調パーセンテージのトレードオフに軸心方向の分布又は離間を最適化するべきである。前記図7及び図8は、光損失領域の一形態であり、そして、図17、図18、図19及び図20は、光損失領域34のスペーシングの更なる様々な形態を示す。図17において、軸心方向に延びている領域34は螺旋状パターンである。図18において、領域34は螺旋状の態様であって、前記長い領域34は螺旋状ラインに沿って延びている。図19において、領域34は正反対の側にあり、軸心方向において交互的に並置されている。図20は、異なる形状(例では、円形である)の領域34を示す。例において領域は、ファイバ32に沿って螺旋的に軸心方向に離間されている。
【0044】
図21、図22及び図23は、2つの平面内において感応的である高通過量のファイバの例を示している。ファイバ32の検知区画30は、周辺方向に離間されて軸心方向に延びている4つの光損失領域34を有する。これにより、2つの平面内において最大限感応する検知区画が形成される。
【0045】
センサアレイのシステム設計は変更することができる。図24、図25及び図26は、3つのアレイを示している。図24においては、一方の端での光源16及び他方の端での光検出器18を有する単一光導体又はファイバ32が存在する。最大感度の平面内に対称的に収めるために、軸心方向に延びて周辺方向に離間された1つまたはそれ以上の光損失領域を有する検知区画又は領域30が存在する。図25においては、一方の端での光源16及び他方の端での光検出器18を有する、3つの例での、複数の光導体又はファイバ32が存在する。検知区画又は領域30は軸心方向に離間されて、そして各々は、独自に軸心方向に位置している。図26においては、光源16と、光検出器18と、各々のファイバに沿って軸心方向に離間された一連の検知区画又は領域30とを各々有する複数本の光導体あるいはファイバ32が存在する。ファイバ中の検知区画は軸心方向に離間されているので、それらは各々のファイバ中の検知区画と比較して軸心方向に分布される。この配置においては、対象物が広幅となるほど、より多くのセンサが起動される。あるいは、信号の時間的推移から質量及び速度(及び種類)が推測されるが、衝突の箇所については知られない。
【0046】
周辺方向で正反対の光損失バンド又は領域ものペアを形成する場合、ペアのバンド又は領域を、周辺方向に直線状に並べることが好ましい。しかしながら、ペアの1つのバンド又は領域を、バンドの軸心中心上におけるバンド長さの半分より少ないその他のものに対して、軸心方向に置換することができる。
【0047】
光ファイバセンサアレイ(図1における14)を、所定長さに切断された連続的なストリップにより作ることができる。前記光ファイバセンサアレイは、両端又は一端での光源及び光検出器を有することができる。
【0048】
図27、図28及び図29は、光源及び光検出器を同一端部に備えている光ファイバであって、アレイ中の前記光ファイバが折り重なっている配置を示す。図27において、ファイバ32は折り重なり、そして、センサ30は軸心方向に離間された位置を提供するように配置されている。図28において、光源、光検出器、及び、制御システムのエレクトロニクスは、シングルロケーション40に配置される。光ファイバのリボンケーブルは、形成されている検知区画と共に、連続的なバンドとして製造され、そして、前記リボンを所定長さに切断し、折り返すことができる。前記リボンの両方の半体が衝突に面している場合に、各センサは前記リボンのいずれかの半体内とされ得る。
【0049】
図29において、ファイバリボンは種々の高さで伸ばすために折り返されるので、衝突に関する軸心方向及び横方向の両方の場所と、形状とを検出するアレイが形成される。各センサは必要に応じて配置される。
【0050】
図24、図25及び図26並びに図27、図28及び図29において、衝突の方向は図面の平面内へと向っている。
【0051】
図30は、両方の側面上に押圧フィルムを有する、ファイバ32上の検知区画30を示す。前記フィルムは、圧力が存在する場合に、ファイバに微小屈曲を押圧するためのテクスチャードパターン42を有する。微小屈曲により生成された光損失領域の存在下で、光損失が圧力及び曲がりにより生じる(相乗効果)。これは前記に述べられている。
【0052】
光ファイバレイ14がバンパ12、たとえば図30及び図31に示されるフロント外側表面に取付けられる。図31は、更に大きな縮尺前記アレイを示し、そして、例として、3つの光ファイバ32が示している。あるいは、図31における破線14(a)内に示されるように、アレイ14をバンパの内表面上に取付けることができる。
【0053】
前記アレイは、バンパの完成段階、例えば、又は、完全な製造後に付与することができる。前記アレイは、車両の最終組立て後に付与することが可能である。組立て後の取付けは、例えば、既存の車両に対する遡及的アップデートとして行われる。こうした場合において、アレイをパッケージ化され、そして、既存の車両に対して取付けられるアイテムとして販売することができる。車両中の好都合な場所に配置される制御システムなどに対して、適切な電子的接続部が形成される。
【0054】
作動時において、通常、バンパ上の単一もしくは複数のセンサは光信号をデジタル信号へと変換し、それは、前記のようなアルゴリズムを有する電子制御システムに対して供給される(当業者であれば理解されるその他のアルゴリズムを使用することができる)。電子制御システムにより信号が受信されると、必要に応じて、前記システムは安全展開システムへトリガを送信する(上昇されるボンネットの起動など)。
【0055】
前記アレイの設置は、必要とされる所望情報に応じて、複雑に変化させることができる。従って、それは単に、衝突が発生したことを検出し、そして、表示することができる。全く逆に、バンパ及びアレイの歪曲又は曲がりの速度、激しさ、可能であれば形状、並びに、位置も、生成された適切な信号により検出することができる。前記信号を、種々の安全装置の起動を引き起こすために使用することができる。ボンネットの跳ね上げ開放に加え又はその代わりに、エアバッグの起動を行うことができる。更なる可能性は、衝突時に動物を上方又は側方に偏向させる偏向板として作用し得るボンネットを開くなどの様に安全装置を起動し、又は、動物の衝当が検出されたときに乗員を保護するエアバッグを起動することである。すなわち、車両が馬、鹿又は他の同様の動物などに衝突した場合、動物はフロントガラスを突き抜けることが多く、車両の乗員に対する深刻な負傷が引き起こされるのである。
【0056】
設置する上でのいくつかの課題は以下の通りである:
(a)経済的な理由により、たとえば16個以下の少ないセンサ“総数”;
(b)位置に関する厳密な情報よりも更に重要であることができる(バンパ長さのおよそ1/4まで特定することが確実な目標である)、衝突の種類による分類、及び、質量及び速度の測定;
(c)センサからの応答は、質量及び速度の情報を抽出して処理することができる情報を含むべきであり、オン/オフにとどまらない情報であるべきこと;及び、
(d)応答は、ファイバの所定感応長さ(センサ長さ)に沿って、どこでも同一であるべきこと。
【0057】
多くの場合において、最も有用な形式のセンサは線形で双極性のセンサであるが、経済性の理由から更に少ないセンサの使用が必然である場合に適切に設計し、そして、設置されるならば、非線形で非双極性のセンサも使用することができる。
【0058】
広範囲には、ファイバ上の検知区画は種々の形態の光損失領域を有するセンサを提供する。前記領域は、ファイバの回りで周辺方向に完全に延びている範囲から、ファイバに沿う薄ストリップまで変化させることができる。周辺方向に延びている損失領域の場合、2個以上が軸心方向に離間されることで、センサに対する軸心方向寸法が与えられる。薄ストリップに関しては通常、周辺方向に離間されると共に軸心方向に延びている少なくとも2片が配備されることで軸心方向寸法が与えられる。周辺方向に離間されると共に軸心方向に延びている複数の光損失領域を1つのセンサが有するという要件のみを前提とする場合、螺旋状などの他の形態及び他の構成することができ、そして、光損失領域の実際の形状を変化させることができる。
【発明の分野】
【0001】
本発明は、対象物と車両との間の衝突の検知に関し、特に、歩行者が車両のフロントバンパに衝突したか否かを認識するための衝突の分類に関する。本発明はまた、衝突により生じ得る負傷の深刻さを軽減するための安全装置を起動するために検知方法を使用する方法にも関する。
【発明の背景】
【0002】
車両との衝突による歩行者の負傷の程度を軽減することは、早急に必要とされる。歩行者が車両のバンパの衝突を受ける特定のイベントは、頭部をボンネットに打つことにより深刻な頭部損傷をもたらす可能性がある。ボンネットの一定の変形が生じることがあるが、変形の程度は、下方にあるエンジンの頑丈な金属により制限される。これまでに提案されたひとつの可能性は、ボンネットが“跳ね上がって”開き、ボンネットとエンジンとの間の間隙をある程度増大させることで、ボンネットの大きな変形を許容することである。また、歩行者の衝突を検知する場合、衝突が歩行者との接触によるものか又はたとえば支柱などの歩行者以外の何かとの接触によるものかを区別することも望ましい。両者を区別することは、適切な安全システムを展開する上で望ましい。歩行者が衝突した場合には、自動車のボンネットを使用することに加え、又は、それに代えて、エアバッグなどの他の安全装置も起動されることができる。
【先行技術の議論】
【0003】
フロントバンパ上に衝突検知デバイスを配置し、衝突の発生時にはある形態の安全装置を起動することが提案されている。しかしながら、衝突に対する明確で十分な表示を得るためには問題がある。1つの前記提案は米国特許第6329910号に記載されており、前記米国特許においてバンパの下側空気遮断領域には、磁気検知センサ応力伝達メンバを含む細長い金属バーが配置される。前記方法の欠点としては、部品の柔軟性が限られていること、衝突の後では作動状態に戻りにくいこと、及び、電界及びインパルスからの干渉を受けることが挙げられる。また先行技術としては、屈曲されたときに電流を発生するポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)などの圧電フィルムも挙げられる。しかしPVDFセンサでは、応答の可変性と、屈曲されたときの電気接続の一体性の不十分さと、湿潤環境における結果的な信頼性の低下に繋がる高インピーダンスの要件とが問題である。また、応力を受けあるいは屈曲されたときにインピーダンスが変化する導電ゴムセンサにより衝突を検知することも可能である。欠点には、低温での柔軟性が低いこと、機械柔軟性及び電導性を調節しなければならない材料性質、及び異なる温度で曲げる場合の検知力の変化が含まれる。
【0004】
車体の種々のメンバに対してセンサを取付け、そして、車両及び他の車両又は静止的対象物との間の衝突を検出し、且つ一定の場合には、前記衝突を分類することも提案されている。前記システムにおける重要な特徴のひとつは、車両の乗員に対して安全性を提供することである。衝突を分類することにより、安全装置、例えばエアバッグを展開すべきか否かに関する判断が可能になる。
【本発明の要約】
【0005】
本発明は、それほど強くはなく、多くの場合で乗員に大きな危険を生じない衝突を検出し、そして分類することに関する。本発明の目的は、歩行者と車両との間の衝突を検出し、そして、歩行者に起こる可能性のある負傷を軽減する安全装置を起動し、支柱、柵及び塀などの他の対象物との衝突が検出されたときには、前記起動を回避することにある。
【0006】
従って、本発明によると、車両と対象物との間の衝突を検知する装置は、車両上に配置されている光ファイバセンサを含み、前記センサは一端における光源ともう一方の端における光検出器とを有する光ファイバ少なくとも1つを含む。前記ファイバは、予想された衝突の方向を向くファイバの片側にファイバ周縁部上に配置された光損失領域と、予想される衝突の方向から離間する方向を向く別の光損失領域とを有する検知区画少なくとも1つを有する。
【0007】
本発明の或る観点において、光ファイバのアレイを広げ、そして、車両のバンパに取り付けることができる。前記アレイはファイバ少なくとも1つを含むことができる。前記アレイの各ファイバ上には1つ又はそれ以上の検知区画を備えているので、衝突の位置及び種類を特定することができる。これは、前記区画の位置が知られており、前記区画が分類において使用される重要な特性を見逃さずに広範囲な衝突の形状及び種類を検知するように設計されるからである。
【0008】
前記のセンサ(1つ又は複数)の形態及び配置を大幅に変えることができる。Danisch,L.A.,『光導体の部分上に形成される光反射面を含む光ファイバベンディング及び位置センサ』,米国特許第5321257号,1994年6月14日;Danisch,L.A.,『選択された湾曲光反射面をともなう光ファイバベンディング及び位置センサ』,米国特許第5633494号,1997年5月27日;Danisch,L.A.,『光ファイバベンディング及び位置センサ』,欧州特許番号EP0702780号,1997年10月2日;Danisch,L.A.,位相的及び動作測定ツール,米国特許第6127672号,2000年10月3日;Danisch,L.A.,Danisch,J.F.,及びLutes,J.P.,位相的及び動作測定ツール(II),米国特許第6563107号;並びに、Danisch,L.A.,接触及び形状の測定及び分類用の横連結した光ファイバ,1999年5月11日に出願されたカナダ国特許出願に記載の先行技術に従って形成される。
【0009】
前記先行技術において、左右非対称の損失及び双極の応答を仮定して、片側の損失を伴ってセンサを設計するので、検知区画は、一方の極性の屈曲に対しては増大した光通過量(throuput)で応答し、そして、他方の極性の屈曲に対しては減少した通過量を有する。ファイバ上の検知区画は双極性応答を有し、そして、前記区画内の各々の部分も双極性応答を有する。結果として前記区画の全体的応答は、区画長さの曲率の積分である。前記区画の始まりから終わりまでの正味角度を意味する積分である。これは区画内における曲率詳細を有するセンサに対して角度的精度を維持する上では便利であるが、前記区画内における変動屈曲(正及び負の成分を含む屈曲)の合計がゼロになるという好ましくない結果を有する。
【0010】
通常、車両のフロント又は側部での衝突は、単純な屈曲ではなく「嵌入」をもたらす。この差異は、嵌入は通常正及び負の屈曲を含むので、それらを「変動」と称することができる。支柱もしくは脚部のような小さい対象物からの嵌入は、バンパの長さ(1〜2m)と比較すると、たいていの場合には範囲(1〜6cm)が狭い。
【0011】
従って、衝突されない場合には有意な光通過量を維持するが、個々の検知区画内における変動屈曲に対して強い応答(非双極性応答)を有するアレイ内に、検知区画を含むことが望ましい。Danischの米国特許第5321257号及び米国特許第5633494号は、その円周部で通過量の損失が多く、そして、前記の非双極応答を有するファイバの記載を含む。しかしながら、円周部処理は、同じファイバ上の長いセンサの長さと、多くの短い連続のセンサの長さとで通過量が維持されるバンパの検知に必要な要件を満たさない。従って、本発明の更なる目的は、曲がりからの変調が高い非双極応答を有し、そして、最大限の通過量をも有するセンサを提供することである。
【0012】
米国特許第5633494号は、円周又は軸心方向に配置されている損失表面を有するセンサを記載している。衝突したバンパの形状は、主に水平の平面中であるため、平面中の光損失を提供することにより衝突の最大限の変調を生成し、そして、ファイバの軸へ交差しているその他の平面中での光損失を最小限にすることが望ましい。光損失表面を左右対称(すなわち、一方は衝突の方向へ面し、もう一方はそれ以外の方向へ面している)に作ることによって、衝突に対する完全な非双極応答を得ることができる。表面が最小限の円周範囲を有する場合にも、光通過量が維持される。
【0013】
ファイバの軸心と交差する平面1つ以上に対する応答を必要とする適用において、より細い光損失ストリップをファイバの円周部の回りに加えることができる。あるいは、光損失ストリップを螺旋状の形状でファイバの周りに巻くことができる。通常、衝突した形状も、衝突の屈曲と同様の位置に生じる衝突圧力フィールドを含む。センサの取り付けを設計することによって、(例えば、センサの一つの側に自由空気を伴って、バンパ中のスロット内にセンサを取り付けることによって)圧力効果を排除するが形状に対してだけ応答するセンサの取付具を設計することで圧力を無視するか、あるいは、組み合わされた曲がりの測定を伴うか又は伴わずに、形状を分類し、そして、嵌入の時間進行及び質量を測定する手段として圧力を使用することができる。この場合において、変動表面プロフィルを有するフィルムを衝突の時点において既知箇所におけるファイバ内へと衝突の圧力を用いて押圧することで、光損失領域を作ることができる。適切なフィルムとしては、織成網体、紙やすり、及び、波状(sinuated)又は格子縞パターン(waffle−patterned)のプラスチックが挙げられる。押圧フィルムは、ファイバにおける微小屈曲を形成するので、コアからクラッド内へ又はクラッドの外側への光が損失される結果となる。微小屈曲とは、意図されたセンサ位置に沿う一連の小さい屈曲又は波状部(sinuation)である。押圧フィルムは、衝突から離れた方向及び衝突に対向する方向のファイバの両方の側面部上、又は、一方の側面上のみに配置することができる。両方の側面に配置する場合には、圧力による光損失の効果及び光を損失する間の屈曲の効果が相乗的であり、そして、曲率の両方向に対して対称的であることから、押圧フィルムは両方の側面に配備することが好適である。前記押圧フィルムを一方の側面のみに配置する場合、圧力及び曲がりに対する前記効果は相乗的ではあるが、屈曲の両方向に対する対称性が少ない。この方法により損失表面を生成することは、センサが衝突されない場合にほとんど光損失が無いので衝突時の変化が非常に大きいという利点を有する。
【0014】
微小屈曲をファイバの両方の側面から適用するか、又は、一方の側面から適用するかに関わらず、前記方法は、2つの平坦な格子縞状プラテンの間にファイバが圧縮されるという古典的な微小屈曲検知方法とは区別される。本発明方法においてプラテンは柔軟であり、ファイバは圧力及び微小屈曲を受容するが自由に曲げることができるので、微小屈曲により誘起された損失表面に対する光の大きな相互作用より更に光損失が引き起こされる。前記センサの典型的な構成は、圧力場を伝達するが撓曲を許容するという撓曲可能な2層の発泡体もしくはゲルの間に挟まれる。この理由のために本発明を通して、光損失表面を製造する手段として微小屈曲誘起用パターン化フィルム(microbend−inducing patterned films)が包含される。複数のセンサアレイの場合、押圧フィルムはアレイ全体をカバーする単一のフィルムを含み、前記フィルム上のパターン化領域は所望のセンサ箇所に載置される(図30参照)。
【0015】
前記目的を満たすセンサは、一方の端には光源が接続されており、そして、他方の端には光検出器が接続された単一ファイバを有する、前記ファイバの長さに沿って対向して延びている2つの損失表面を有する単一ファイバを含むことができる。衝突を表示する上で効果的ではあるが、前記センサはバンパに沿う衝突の位置に関するデータを提供することができない。その他の同様の配置構成は、同一の端部に光源及び光検出器を位置決めするためにループ状に延びている単一ファイバである。前記ループの両方の脚部は単一又は複数のセンサ、あるいは、単一の長さのみを有することができる。
【0016】
衝突に関する更に詳細な情報のために、ファイバに沿い複数のセンサを配置することができる。あるいは、複数のファイバを備えることができ、前記ファイバは並んで、そして各々のファイバがセンサを有しており、複数の前記センサはバンパに沿って離間されている。更に、あるいは、各々のファイバに沿って離間されている複数のセンサを有する、隣り合って延びている複数のファイバであることができる。更なる配置においては、センサは、変化するパターン配置を有する複数の光損失表面を含むことができる。典型的な配置は、相互に対して軸心方向に離間されているかもしくは周辺方向に離間されているか、又は、その両方を組み合わせた表面である。前記表面は、軸心方向に、周辺方向に、又は、それらの組み合わせ(例えば、螺旋状の態様)で延びていることができる。
【0017】
バンパを横切って各センサを適切に配置することにより、衝突の位置を識別することが可能である。光損失表面のサイズ及び配置によって、衝突に関するデータが提供される。
【0018】
ファイバのアレイは、双極性及び非双極性のセンサを含むことができるので、(たとえば窪みなどの)変動形状及び(たとえば一方の極性の浅い湾曲などの)非変動形状を区別することができる。
【0019】
前記ファイバのアレイはまた、直線状であるときに一方の側面もしくは両方の側面上での光損失の量が変化する双極性及び非双極性のセンサも含み、それによって、前記ファイバのアレイは、センサが屈曲当たりの出力において所定の変化(勾配;slope)を有するという作用領域と、センサが異なる勾配を有するという領域とを与えることができる。正及び負の屈曲での異なる絶対値の屈曲で、特定のセンサに対する勾配の変化が生じることができる。従って、これらのセンサは、それらの応答が線形であるという屈曲の絶対値の領域と、それらの応答が非線形であるという他の2つの範囲とを有する。
【0020】
通常、本発明のセンサ又はセンサシステムは、電子制御システムと共に利用される;前記制御システムは当業界において(例えば、シートベルト、エアバッグ、警報、エンジン制御などの)種々の用途に対して公知である。一般的には、前記電子制御システムは、いずれの単一又は複数のセンサが衝突により最も影響されるかを選択するアルゴリズムを採用し;一般的に、前記制御システムは、規定された期間にわたって獲得されたデータを処理するために、最も影響された単一もしくは複数のセンサからの信号の(たとえば数百個などの)規定数のサンプルも記憶し、そして、「計算枠(calculation window)」も得る。後者の期間は、展開の決定を行うために必要な時間と比べると比較的短いものである。
【0021】
更に、前記アルゴリズムは一般的に、アーリーデータのいくつかのサンプルとレートデータデータのいくつかのサンプルとを平均し(avg1、avg2)、そしてavg2対avg1の勾配の計算を行い(avg2からavg1を減算した差を、それらの間の時間で割る)、間隙により分離された2群のデータに対して計算された“速度”を得る。前記アルゴリズムを介する電子制御システムは、最も早期のデータサンプル及び最もレートデータデータのサンプルのavg1及びavg2サンプルの全ての群に対する勾配も計算枠内において演算可能であり、前記配置においてavg1及びavg2を等しい量の時間で割る(従って「移動間隙速度;moving gap rate」を提供する)。(たとえばABSシステムなどの)他のセンサから決定された車両の測定速度に従い、勾配を正規化する。前記システムから提供された情報は、歩行者の衝突又は(支柱などの)他の一定の種類の衝突が生じたか否かを表す所定の大きさの勾配を作り出す。勾配が減少し始める時点は衝突信号のピーク時点を顕著に表し、分類の指標を形成する。従って、いったん対象物の種類が決定されると、前記勾配の大きさはたとえばABSシステムなどからの速度情報と共に使用されることによって、前記対象物の質量とバンパ内への嵌入の速度とが決定される。このことは、較正係数を決定する既知質量の試験的対象物と種々の衝突速度とにより前記システムを特徴付ける記憶情報を利用することで達成することができる。
【0022】
前記アルゴリズムは、双極性センサ又は非双極性センサにより測定された衝突を分類することができる。例えば、前記双極性センサは、変動カーブ(inflected curve)の形状の部分を分析するために十分な多数であることができる。あるいは、分類が(例えば、対象物の種類、質量、及び、嵌入速度などの)衝突の種類に対する時間に関する信号の推移を較正することで達成されるのに対して、一連のセンサから得られた部分的情報のみに基づいて双極性又は非双極性の各センサを使用することができる。分類アルゴリズムを開発する上では、与えられた任意の種類のセンサから最も多くの情報と最適な分類とを獲得するために、車両のフロントエンド、バンパ、バンパにおける基材上の光学的アレイ、光ファイバ、接着システム及び信号処理の機械的、光学的及び電子的な各モデルを、前記モデルを有効化するための衝突試験による膨大な特性解析と組み合わせて使用することが有用であることができる。
【0023】
更に、検知区画内における複数の極性の屈曲を減少するためにフロントエンド構造を変更することができる。例えば、単一センサが正及び負の屈曲の両方を受ける場合に変動屈曲が生じるのを阻止するために、剛性を高めることができる。あるいは、強靱なフロントバンパとセンサリーファイバとの間に、発泡体のような弾性材料の層を置くことができる。これは、対象物とバンパとの間の接触領域がセンサ長さと比較して短い場合に、衝突の最も早期の部分からの変動屈曲を吸収し、その後に(短い遅延後に)全ての非変動屈曲を伝達するという効果を有する。
【0024】
センサの任意の種類又は構成及びフロントエンド構造に対し、分類精度を、アルゴリズム、試験及びモデル化の手法の組み合わせを用いることで最適化することができる。本発明は、信号内容の位置及び時間推移的な見地を最適化すること、そして、分類を行うために必要なセンサの個数を最小化することを目的とする。
【0025】
本発明は、車両に対する衝突を検出し、そして、必要な場合には、衝突を分類する方法、並びに、前記検出及び分類のための装置に関する。本発明による装置は、全体としてバンパへの取付けのために、センサ1つ又はそれ以上をもつファイバ1つ又はそれ以上を有する光ファイバレイを含む。光源及び検出器は、通常、車両内に配置される制御ユニットに対する装着及び接続の準備のために、前記装置に対して予め取り付けることができる。あるいは、前記ファイバレイがバンパに適用された後に、光源及び検出器は、前記ファイバレイに対して接続され得る。
【0026】
本発明による方法は、光ファイバレイが前記アレイに沿って延びているセンサ1つ又はそれ以上を有し、各々のセンサは相互に対向する光損失表面を有している光ファイバであって、車両のバンパに前記の光ファイバレイを適用すること、
ファイバレイにおける光信号であって、バンパに対する衝突及びバンパの変形を表す前記光信号における変化量を検出すること、
光信号における前記変化量に関する出力信号を生成すること、
出力を使用して安全装置の起動を制御することを含む。
【0027】
本発明による他の場合において、センサの長さ以内である光損失表面を、問題となる適用の各平面を対称的に含むように配置する。“対称的に含む”とは、衝突の方向を向いている周縁部分及び衝突から離れている方向を向く部分上でのファイバの前記周縁に、光損失表面が生じることを意味する。更に、光損失表面の幅は、未屈曲ファイバの通過量を最大化するために十分であるように狭められ、そして、曲がりにより、容認することができる大きな光レベルの変調を製造するために十分な広幅であるか、あるいは、所定の幅及び長さ以内で十分な損失領域を含むように調節される。
【0028】
光損失区画は好適には、光吸収と組み合わされた、摩耗、切除又は衝突により生成することができる。目的は、経時的には不変であるが曲がりにより変化する所定量の損失を有する損失区画を作ることである。損失区画を形成するための処理は、散乱光の完全な損失を確実にするために、完全に吸収的な層が装着されるという前記当表面の低深度の摩耗から、それほどの付加的な吸収層を必要とせずに屈曲により完全な変調を得るという高深度のノッチまで多様とされ得る。但し前記光吸収層は、前記ファイバの外部における他の発生源からの光の影響を減少するために常に望ましく、且つ、接着特性及びシール特性を有し得る。摩耗の例は、紙やすり又はサンドブラストによる粗面化である。切除の例は、低温における紫外レーザーによる材料の除去である。衝突処理の例は、鋭角的ブレードをファイバに対し押圧してノッチを生成することである。
【0029】
前記の本発明の種々の実施例の記述及び以下の詳細な説明において、“光センサ”又は“光ファイバセンサ”又は“光ファイバレイ”という語句は、任意の断面形状及びサイズのファイバ又は光導体を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を具現する車両のフロント部分の斜視図である;
【図2a】センサ変形を示す図である;
【図2b】センサ変形を示す図である;
【図3】センサのさまざまな特性カーブを示す図である;
【図4】センサのさまざまな特性カーブを示す図である;
【図5】センサのさまざまな特性カーブを示す図である;
【図6】非分布式の検知区画の端面図である;
【図7】非分布式の検知区画の側面図である。;
【図8】軸心方向及び周辺方向に分布された損失領域を有する検知区画における同様の端面図である;
【図9】軸心方向及び周辺方向に分布された損失領域を有する検知区画における同様の側面図である;
【図10】損失領域の更なる配置の側面図である;
【図11】損失領域の更なる配置の側面図である;
【図12】周辺方向に分布された2つの軸心方向損失領域を有するセンサの端面図である;
【図13】周辺方向に分布された2つの軸心方向損失領域を有するセンサの側面図である;
【図14】周辺方向に分布された2つの軸心方向損失領域を有するセンサの斜視図である;
【図15】損失領域における表面処理の異なる形態を示す側面図である;
【図16】損失領域における表面処理の異なる形態を示す側面図である;
【図17】センサ上における損失領域の他の配置構成を示す図9と同様の側面図である;
【図18】センサ上における損失領域の他の配置構成を示す図9と同様の側面図である;
【図19】センサ上における損失領域の他の配置構成を示す図9と同様の側面図である;
【図20】損失領域の代替的な形態もしくは形状を示す図17、図18及び図19と同様の側面図である。;
【図21】周辺方向に分布する軸心方向に延びている4つの光損失領域を有するセンサを有するファイバの端面図である;
【図22】周辺方向に分布する軸心方向に延びている4つの光損失領域を有するセンサを有するファイバの側面図である;
【図23】周辺方向に分布する軸心方向に延びている4つの光損失領域を有するセンサを有するファイバの斜視図である;
【図24】アレイの異なる形態を示す図である;
【図25】アレイの異なる形態を示す図である;
【図26】アレイの異なる形態を示す図である;
【図27】アレイの更に異なる形態を示す図である;
【図28】アレイの更に異なる形態を示す図である;
【図29】アレイの更に異なる形態を示す図である;
【図30】ファイバ上における押圧フィルムを取入れた検知区画の側面図である;
【図31】は、アレイを適用している通常のバンパの断面図である;並びに、
【図32】は、図30における円A内の部分を更に大きな縮尺とした図である。
【発明の詳細な説明】
【0031】
図1は、フロントに沿って延びているバンパ12を有する車両のフロントエンド10を示す。バンパ12には、光ファイバセンサアレイ14が取り付けられている。特定の配置に示されるように、発光源16及び光検出器18は、各々の端部で、アレイ14中のファイバか、又は、複数のファイバへ接続されている。後述されるように、発光源16及び光検出器18の両方を、同じ端部とすることができる。光源及び光検出器は、車両中の制御システム(図示せず)に接続されている。制御システムからの信号を受理する場合に、ボンネット22を「跳ね上げる」ため、又は、持ち上げるために、デバイス20が提供されている。
【0032】
本発明は、動屈曲及び非変動屈曲、及び、それらの時間的経過を検出、分類、及び、測定し、対象物の形状、質量、早さを計算し、そして、形状、弾性、振動、及び緩衝によって前記対象物を同定する、様々な形態のセンサ並びに様々な形態の光ファイバを提供する。前記決定の全てを同時に得る必要はなく、実際の決定は、方法及び装置の特定の必須要件に合うように選択される。
【0033】
図2(a)は、一方の側に光損失領域34を有するファイバ32を含み、そして、一般的に、30で表されているセンサ区域及び領域を示す。変形36が示されている。これは、一方の側に損失領域を伴う双極性の場合であり、そして、屈曲38及び40にゼロ又は見かけの値を加えることができる。これは、その後に変調信号の絶対値を取ることによって補償することができない。双極性であるが非線形である応答(屈曲の一方の極性は他方より高い変調であるが、双極性である)を作るために単一の損失領域を配置する場合に、変動形状を検知する能力を改良することができる。この場合において、同等の正及び負の成分を持つ変動屈曲は、通過量において非ゼロの変化を製造するが、非同等の成分をもつ屈曲は無応答又は誤った応答(例えば、2つの異なる「窪み」が同じ応答を製造することがある)を製造することがある。
【0034】
図2(b)は、光損失領域34及び42をファイバの正反対の側にもつファイバ32を有する非双極性の配置を示す。ファイバを通じた光信号の変調は、屈曲の絶対値の合計であるので、常に非ゼロの結果である。正反対である側上の損失領域で、凹面の外側及び他方の側での減少した通過量のために、ある一方の屈曲が増加された通過量を導き、そして、変調の取り消しが生じることも考えられる。しかしながら、ファイバ中の光の多くが凹面の外側へ向いて損失領域に影響を衝当し、そして、もう一方他の側は光の最小限の相互作用を有しているので、この場合には変調の取り消しが生じることがない。
【0035】
分類及び測定を容易にするために、センサの様々な特性カーブをアレイ内で組み合わせることができる。
【0036】
図3、図4、及び図5は、得ることができる異なるカーブを示している。図3は、双極及び左右対称の線型特性をもち、両方の側面に光損失領域を有するファイバである。図4では、一方に光損失領域をもち、両方の側に小さな損失又は非同等の損失領域を有しているファイバである。これは、双極及び左右非対称線型(非線型)特性を表している。図5では、線型に最適化されている一方の側に光損失領域がある。これは、双極及び左右対称な線型特性を表している。
【0037】
正反対の側に2つの非同等の損失領域を有する図4の構成は、図4に示される特性カーブをとることがある。前記の場合では、正極及び負極の屈曲に対して応答が双極性及び線型であるが、各々の側のユニット屈曲当たりの損失量によって、負極の屈曲よりも正極の屈曲の異なる絶対値での応答が弱まる。図4に示されるように、小さな屈曲に対しては、応答が線形である。より大きな屈曲の絶対値に対しては、センサに対する非線形特性を与え、そして、正極及び負極の屈曲に対して勾配の異なるブレイクポイント(大きな勾配から小さな勾配への変化)を有する応答カーブの傾きが、図4に示されるように弱体化する。異なる損失の値をとるために、損失区画の表面領域当たりの損失部位の幅、深さ、又は数において損失領域を調節することができる。前記パラメータを変えることによって、応答が示されている特性カーブをもつように調整することができるか、あるいは、一方の側で損失が少しあるか、又はほとんどない場合に、実際に使用される全ての強度を含む屈曲強度の範囲内の特性カーブを、一方の側にだけ損失区画を有するファイバのものと同じとすることができる。図3、図4、及び図5に表される事例は、両方の側面での同等の損失から片側での非損失までに変化する双方の損失(両方の側面での損失)の様々な事例により製造することができる応答の連続体を明示している。幾何学は、最大の応答の平面に特有であり、そして、それによって、屈曲に応答の量に当たる通過量が最大化するので、前記事例のすべてが、環状的に左右対称な損失(完全に外周に囲まれる損失領域)に対して好ましい。
【0038】
特定の特性カーブのセンサの設計は、変調のパーセンテージと通過量とのトレードオフに関係する。図6及び図7において、ファイバ32は、軸心方向に延びている全周的な損失領域34を有している。どの平面での屈曲も検出するために、これは、大きな1つの損失領域として作用するが、特定の変調パーセンテージに対しては低い通過量を有する。
【0039】
図8及び図9において、センシング区域又は領域は、どの平面も検出し、そして、周辺方向及び軸心方向に分布している複数の損失領域34を有している。これは、光損失領域を含む平面中で衝突が一直線に並ぶ場合に、変調パーセンテージをほとんど伴わずに通過量を増加させることができる。これは、改良された通過量を有する。
【0040】
図10では、1つの平面つまり、図面の平面における屈曲を検出するために最適化されて、そして、軸心方向及び周辺方向に分布された光損失領域が存在する。
【0041】
図11は、図10と同様であるが、通過量に最適化されたものである。ファイバの一方の側上で損失領域を他方の側に対して軸心方向に置換(displace)させることにより、通過量を増進することができる。なぜなら、直線状ファイバの一方の側上で損失されたモード(損失されない場合には反射される)は、ファイバの他方の側上での下流の損失領域に衝当する相当数のモードを形成しているからである。衝突の間でファイバが屈曲される場合に、この状況は変化するので、変調は、一方の側上における損失領域の軸心方向置換を伴うことなく達成される変調と同様である。通常、軸心方向置換は、損失領域の1つの長さのおおよそ半分に制限され、そして、任意の場合に、ファイバの一方の側上の損失領域が他方の側上の損失領域よりも相当に異なる形状に露出されるほどに、前記軸心方向置換は大きくなるべきではない。
【0042】
数ミリmから数センチまでをカバーするセンサに対し、損失領域はファイバに沿い連続的であることができ、そして、前記損失領域は損失領域内における大きな損失を引き起こす大きな特定性質を有するが、周辺方向範囲を最大感度の平面(すなわち、衝突の方向に対向している及び衝突から離れた方向に対向している狭幅で連続的な損失領域)に制限することにより通過量を維持する。ファイバ表面の処理は、押圧、レーザー切除、摩耗及びその他の手段により実施することができる。図12、図13及び図14は、周辺方向に離間されて軸心方向に延びている2つの損失領域を有するファイバ32を示す。これらは、損失領域を含む平面内で最大的に感応する、検知区画又は領域を形成する。図15及び図16は表面処理の2つの代替的な形態を示しており、図15は鋸歯状(serrated)であり、そして、図16は矩形歯状(crenellated)である。前記鋸歯及び矩形歯は、クラッドを貫通することができ、そして、コアも貫通することができる。
【0043】
一般的に、検知区画又は領域は、周辺方向及び軸心方向に離間されることができる連続的な又は分布された光損失領域を含む。好ましくは、衝突の平面(すなわち、両方の側面を処理する)での最大感度を伴う特性カーブ(例えば、非双極性及び線形)を達成するために必要であるように周辺方向の分布又は離間を限定し、そして、通過量及び変調パーセンテージのトレードオフに軸心方向の分布又は離間を最適化するべきである。前記図7及び図8は、光損失領域の一形態であり、そして、図17、図18、図19及び図20は、光損失領域34のスペーシングの更なる様々な形態を示す。図17において、軸心方向に延びている領域34は螺旋状パターンである。図18において、領域34は螺旋状の態様であって、前記長い領域34は螺旋状ラインに沿って延びている。図19において、領域34は正反対の側にあり、軸心方向において交互的に並置されている。図20は、異なる形状(例では、円形である)の領域34を示す。例において領域は、ファイバ32に沿って螺旋的に軸心方向に離間されている。
【0044】
図21、図22及び図23は、2つの平面内において感応的である高通過量のファイバの例を示している。ファイバ32の検知区画30は、周辺方向に離間されて軸心方向に延びている4つの光損失領域34を有する。これにより、2つの平面内において最大限感応する検知区画が形成される。
【0045】
センサアレイのシステム設計は変更することができる。図24、図25及び図26は、3つのアレイを示している。図24においては、一方の端での光源16及び他方の端での光検出器18を有する単一光導体又はファイバ32が存在する。最大感度の平面内に対称的に収めるために、軸心方向に延びて周辺方向に離間された1つまたはそれ以上の光損失領域を有する検知区画又は領域30が存在する。図25においては、一方の端での光源16及び他方の端での光検出器18を有する、3つの例での、複数の光導体又はファイバ32が存在する。検知区画又は領域30は軸心方向に離間されて、そして各々は、独自に軸心方向に位置している。図26においては、光源16と、光検出器18と、各々のファイバに沿って軸心方向に離間された一連の検知区画又は領域30とを各々有する複数本の光導体あるいはファイバ32が存在する。ファイバ中の検知区画は軸心方向に離間されているので、それらは各々のファイバ中の検知区画と比較して軸心方向に分布される。この配置においては、対象物が広幅となるほど、より多くのセンサが起動される。あるいは、信号の時間的推移から質量及び速度(及び種類)が推測されるが、衝突の箇所については知られない。
【0046】
周辺方向で正反対の光損失バンド又は領域ものペアを形成する場合、ペアのバンド又は領域を、周辺方向に直線状に並べることが好ましい。しかしながら、ペアの1つのバンド又は領域を、バンドの軸心中心上におけるバンド長さの半分より少ないその他のものに対して、軸心方向に置換することができる。
【0047】
光ファイバセンサアレイ(図1における14)を、所定長さに切断された連続的なストリップにより作ることができる。前記光ファイバセンサアレイは、両端又は一端での光源及び光検出器を有することができる。
【0048】
図27、図28及び図29は、光源及び光検出器を同一端部に備えている光ファイバであって、アレイ中の前記光ファイバが折り重なっている配置を示す。図27において、ファイバ32は折り重なり、そして、センサ30は軸心方向に離間された位置を提供するように配置されている。図28において、光源、光検出器、及び、制御システムのエレクトロニクスは、シングルロケーション40に配置される。光ファイバのリボンケーブルは、形成されている検知区画と共に、連続的なバンドとして製造され、そして、前記リボンを所定長さに切断し、折り返すことができる。前記リボンの両方の半体が衝突に面している場合に、各センサは前記リボンのいずれかの半体内とされ得る。
【0049】
図29において、ファイバリボンは種々の高さで伸ばすために折り返されるので、衝突に関する軸心方向及び横方向の両方の場所と、形状とを検出するアレイが形成される。各センサは必要に応じて配置される。
【0050】
図24、図25及び図26並びに図27、図28及び図29において、衝突の方向は図面の平面内へと向っている。
【0051】
図30は、両方の側面上に押圧フィルムを有する、ファイバ32上の検知区画30を示す。前記フィルムは、圧力が存在する場合に、ファイバに微小屈曲を押圧するためのテクスチャードパターン42を有する。微小屈曲により生成された光損失領域の存在下で、光損失が圧力及び曲がりにより生じる(相乗効果)。これは前記に述べられている。
【0052】
光ファイバレイ14がバンパ12、たとえば図30及び図31に示されるフロント外側表面に取付けられる。図31は、更に大きな縮尺前記アレイを示し、そして、例として、3つの光ファイバ32が示している。あるいは、図31における破線14(a)内に示されるように、アレイ14をバンパの内表面上に取付けることができる。
【0053】
前記アレイは、バンパの完成段階、例えば、又は、完全な製造後に付与することができる。前記アレイは、車両の最終組立て後に付与することが可能である。組立て後の取付けは、例えば、既存の車両に対する遡及的アップデートとして行われる。こうした場合において、アレイをパッケージ化され、そして、既存の車両に対して取付けられるアイテムとして販売することができる。車両中の好都合な場所に配置される制御システムなどに対して、適切な電子的接続部が形成される。
【0054】
作動時において、通常、バンパ上の単一もしくは複数のセンサは光信号をデジタル信号へと変換し、それは、前記のようなアルゴリズムを有する電子制御システムに対して供給される(当業者であれば理解されるその他のアルゴリズムを使用することができる)。電子制御システムにより信号が受信されると、必要に応じて、前記システムは安全展開システムへトリガを送信する(上昇されるボンネットの起動など)。
【0055】
前記アレイの設置は、必要とされる所望情報に応じて、複雑に変化させることができる。従って、それは単に、衝突が発生したことを検出し、そして、表示することができる。全く逆に、バンパ及びアレイの歪曲又は曲がりの速度、激しさ、可能であれば形状、並びに、位置も、生成された適切な信号により検出することができる。前記信号を、種々の安全装置の起動を引き起こすために使用することができる。ボンネットの跳ね上げ開放に加え又はその代わりに、エアバッグの起動を行うことができる。更なる可能性は、衝突時に動物を上方又は側方に偏向させる偏向板として作用し得るボンネットを開くなどの様に安全装置を起動し、又は、動物の衝当が検出されたときに乗員を保護するエアバッグを起動することである。すなわち、車両が馬、鹿又は他の同様の動物などに衝突した場合、動物はフロントガラスを突き抜けることが多く、車両の乗員に対する深刻な負傷が引き起こされるのである。
【0056】
設置する上でのいくつかの課題は以下の通りである:
(a)経済的な理由により、たとえば16個以下の少ないセンサ“総数”;
(b)位置に関する厳密な情報よりも更に重要であることができる(バンパ長さのおよそ1/4まで特定することが確実な目標である)、衝突の種類による分類、及び、質量及び速度の測定;
(c)センサからの応答は、質量及び速度の情報を抽出して処理することができる情報を含むべきであり、オン/オフにとどまらない情報であるべきこと;及び、
(d)応答は、ファイバの所定感応長さ(センサ長さ)に沿って、どこでも同一であるべきこと。
【0057】
多くの場合において、最も有用な形式のセンサは線形で双極性のセンサであるが、経済性の理由から更に少ないセンサの使用が必然である場合に適切に設計し、そして、設置されるならば、非線形で非双極性のセンサも使用することができる。
【0058】
広範囲には、ファイバ上の検知区画は種々の形態の光損失領域を有するセンサを提供する。前記領域は、ファイバの回りで周辺方向に完全に延びている範囲から、ファイバに沿う薄ストリップまで変化させることができる。周辺方向に延びている損失領域の場合、2個以上が軸心方向に離間されることで、センサに対する軸心方向寸法が与えられる。薄ストリップに関しては通常、周辺方向に離間されると共に軸心方向に延びている少なくとも2片が配備されることで軸心方向寸法が与えられる。周辺方向に離間されると共に軸心方向に延びている複数の光損失領域を1つのセンサが有するという要件のみを前提とする場合、螺旋状などの他の形態及び他の構成することができ、そして、光損失領域の実際の形状を変化させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両上に配置するための光ファイバセンサを含み、車両と対象物との間の衝突を検知する装置であって、
前記光ファイバセンサが、光ファイバ少なくとも1つと、前記光ファイバの一方の端部の光源と、前記光ファイバの他方の端部の光検出器と、前記ファイバ上の検知区画少なくとも1つを含み、前記の各検知区画が、ファイバ周辺部上、予想される衝突の方向に面するファイバの側面上、及び予想される衝突の方向から離れるファイバの側面上に配置される光損失領域を含む、前記装置。
【請求項2】
前記光ファイバセンサが、車両のフロントバンパ上に配置するための光ファイバレイを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検知区画が、光損失領域の単一のラセン状バンドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記検知区画が、予想される衝突の方向に面している光損失領域の一方のバンドと、予想される衝突の方向から離れる面の光損失領域の他方のバンドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記検知区画が、光損失領域バンドの複数のペアを含み、そして、各々のペアが、衝突の予想方向に面している一方のバンドと、衝突の予想方向から離れて面する他方のバンドとを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つのバンドが、摩耗及び光吸収コーティングによって処理される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのバンドが、レーザー切除及び光吸収コーティングによって処理される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つのバンドが、衝突摩耗及び光吸収コーティングによって処理される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つのバンドが、鋭利なツールとの衝突及び光吸収コーティングによって処理される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項10】
前記検知区画の長さ内に複数の極性を有する屈曲の形成を防止する機械的構造物内に配置されるように、前記光ファイバを適応させる、請求項4〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記機械的構造物が、バンパであり、そして、前記バンパが、バンパのフロントフェイスと前記光ファイバとの間に散乱されている弾性発泡体を含む、請求項4〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ペアの前記バンドの軸心が、軸心方向に整列している、請求項5に記載の装置。
【請求項13】
1つのペアの前記バンドの一方の軸心が、そのペアの他方のバンドの軸心から、前記ペアの中心間での軸距離スペースの半分まで軸方向に移動している、請求項5に記載の装置。
【請求項14】
狭い横方向バンド中へ延びている複数の前記光ファイバを含み、同時に衝突に対して露出するために、前記検知区画が各々のファイバ上の異なる軸心方向の位置に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記の軸方向位置が、衝突の位置を示す情報、並びに嵌入の深さ、形状、及び時間経過に関する個々のファイバに関して、区別されており、しかも繰り返し的ではない、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
各々のファイバ上の前記軸心方向の位置が、各々のファイバに沿って規則的な間隔で繰り返され、各々のファイバ上の前記軸心方向の位置が、他のファイバ上の前記軸心方向の位置とは異なり、全体の軸範囲が、衝突に敏感であるが、衝突の軸心方向の位置について非表示的である、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
湾曲嵌入と非湾曲嵌入とを区別するために、非双極応答を有するファイバ少なくとも1つと、双極応答を有するファイバ少なくとも1つを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項18】
ファイバ上で複数の前記検知区画を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記検知区画が、軸心方向に離間され、周辺方向に延びている光損失領域を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記検知区画が、側面に延びている光損失領域の複数のバンドを含み、前記バンドが周辺方向に離間されている請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記検知区画が、軸心方向に離間される複数のストリップを含み、前記ストリップの縦軸が軸心方向に延びており、前記ストリップが螺旋状に延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記検知区画が、軸心方向に離間される複数のストリップを含み、ストリップが螺旋状に延びており、ストリップの縦軸が前記ラセン状に延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記光損失領域での前記ファイバの表面処理を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記検知区画で、ファイバの各々の側面上に印象フィルムを含み、各々のフィルムがテクスチャードリリーフパターンを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記光損失領域が非長方形である、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前期ファイバが、隣接する前記末端とループを形成するように成形されている、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記ファイバが、一連のループに延びるように成形されている、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記ファイバが、リボンケーブルを含み、前記端部が、光源、光検出器、及び関連した電子回路を含む単一デバイスに接続されている、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
請求項1に記載の衝突検知置を含む車両用のバンパ。
【請求項30】
バンパのフロント表面に取り付けられる光ファイバのアレイを含む、車両フロントバンパと対象物との間の衝突を検知する装置であって、各々のファイバは、フロントバンパの衝突の方向に面している及び衝突から離れる方向に面している狭い軸心方向の光損失ストリップを含む複数の検知区画を有しており、各々のファイバの信号応答は、極性とは独立して、光損失ストリップの屈曲の合計である、前記検知装置。
【請求項31】
車両上に配置するための光ファイバセンサを含み、車両と対象物との間の衝突を検知する装置であって、
前記光ファイバセンサが、光ファイバ少なくとも1つと、前記光ファイバの一方の端部の光源と、前記光ファイバの他方の端部の光検出器と、前記ファイバ上の検知区画少なくとも1つを含み、前記の各検知区画が、ファイバ周辺部上、予想される衝突の方向に面するファイバの第1の側面上、及び予想される衝突の方向から離れるファイバの第2の側面上に配置される光損失領域を含み、前記第1側面上での光損失量を、前記第2側面上での光損失量に関連させて調整し、前記検知区画内での極性少なくとも1つの屈曲に対する所望の応答を得る、前記装置。
【請求項32】
前記第1側面上での光損失を調整して双極応答を生成し、その応答において、前記検知区画内の曲率の極性を光変調の極性により示し、アレイの長さ当たりのセンサの数を最小限にする必要がなく、そして、衝突の時間経過からのデータが対象物の種類及び質量に関して衝突を分類することが不十分である、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記損失領域の1つが最小限又はゼロの損失を有している、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記第1側面上での光損失を調整して非双極応答を生成し、その応答において、前記検知区画内の曲率の極性が光変調の極性によって示されず、アレイの長さ当たりのセンサの数が最小限にされ、そして、衝突の時間経過からのデータが対象物の種類及び質量に関して衝突を分類することが十分である、請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記第1側面上での光損失を調整して、第1の所望の正屈曲値より上の屈曲に対する減衰応答、及び、第2の所望の負屈曲値より下の屈曲に対する減衰応答を生成する、請求項31〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記検知区画が、摩耗及び光吸収コーティングによって処理されるバンド少なくとも1つを更に含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記検知区画が、レーザー切除及び光吸収コーティングによって処理されるバンド少なくとも1つを更に含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記検知区画が、衝突摩耗及び光吸収コーティングによって処理されるバンド少なくとも1つを更に含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記検知区画が、鋭利なツールを有する衝突及び光吸収コーティングによって処理されるバンド少なくとも1つを更に含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記光ファイバが、前記検知区画の長さ内での複数の極性を有する屈曲の形成を防止する機械的構造物内に配置されるように適応される、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置
【請求項41】
前記機械的構造物が、前記バンパのフロントフェイスと前記光ファイバとの間に散在されている弾性発泡体を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
歩行者の衝突検出システムを有する車両において、
前記車両が、前記車両のフロントエリアに載置され、歩行者と車両のフロントエリアとの衝突を検出するように適応された複数のセンサと、格納データを有するデータ加工制御ユニットとを含み、
前記センサは、それぞれ、ファイバ上に複数の光損失領域を含み、軸方向に離間されており、
前記データ加工中央制御ユニットは、前記センサの少なくとも1つからの信号受領の際に、出来事と格納データとを比較するように適応され、そして前記格納データによって決められている閾値の証拠に伴って出力信号を生成するように適応されており、前記出力信号は、安全装置を作動させるように適応されている、前記車両。
【請求項43】
車両と対象物との衝突を検出する方法であって、
前記車両に複数のセンサを有するフロント構造物を提供し、ここで、各センサは、ファイバ上に複数の光損失領域を含み、軸方向に離間されており、各センサは、衝突に際して信号をデータ加工制御ユニットに供給する信号出力手段を有しており;
前記センサからの信号出力に基づく衝突形状、質量、及び速度を測定及び分類する格納アルゴリズムを有するデータ加工制御ユニットを提供し、ここで前記制御ユニットは、各前記センサの前記信号出力手段と操作的に関連しており;
前記データ加工制御ユニットは、少なくとも1つのセンサからの信号受領に際して前記制御ユニット内の格納データと出来事とを比較するように適応されており;そして
前記制御ユニットは、前記格納データによって決められている閾値の証拠に伴って出力信号を生成するように適応されており、前記出力信号は、安全装置を作動させるように適応されている、前記の方法。
【請求項44】
車両のフロントバンパ上に光りファイバアレイを配置し、前記光ファイバアレイは、複数の前記センサを有する光ファイバ少なくとも1つを含み、各センサは、予想される衝突の方向に面する側面上のファイバの周辺、及び予想される衝突の方向から離れて面するファイバのもう一方の側面上に配置される光損失領域を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
車両と対象物との衝突を検出する方法であって、
車両に光ファイバセンサを配置し、前記センサは、一方の端部の光源と、もう一方の端部の光検出部と、ファイバ上の検出区画少なくとも1つとを有する光ファイバ少なくとも1つを含み、各検知区画は、予想される衝突の方向に面する側面上のファイバの周辺に配置される光損失領域、及び予想される衝突の方向から離れて面するファイバの側面上のファイバの周辺に配置されるもう1つの光損失領域を含み、
前記衝突によって得られる光信号の変調を検知し、そして安全装置の起動信号を生成する、前記の方法。
【請求項1】
車両上に配置するための光ファイバセンサを含み、車両と対象物との間の衝突を検知する装置であって、
前記光ファイバセンサが、光ファイバ少なくとも1つと、前記光ファイバの一方の端部の光源と、前記光ファイバの他方の端部の光検出器と、前記ファイバ上の検知区画少なくとも1つを含み、前記の各検知区画が、ファイバ周辺部上、予想される衝突の方向に面するファイバの側面上、及び予想される衝突の方向から離れるファイバの側面上に配置される光損失領域を含む、前記装置。
【請求項2】
前記光ファイバセンサが、車両のフロントバンパ上に配置するための光ファイバレイを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検知区画が、光損失領域の単一のラセン状バンドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記検知区画が、予想される衝突の方向に面している光損失領域の一方のバンドと、予想される衝突の方向から離れる面の光損失領域の他方のバンドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記検知区画が、光損失領域バンドの複数のペアを含み、そして、各々のペアが、衝突の予想方向に面している一方のバンドと、衝突の予想方向から離れて面する他方のバンドとを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つのバンドが、摩耗及び光吸収コーティングによって処理される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのバンドが、レーザー切除及び光吸収コーティングによって処理される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つのバンドが、衝突摩耗及び光吸収コーティングによって処理される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つのバンドが、鋭利なツールとの衝突及び光吸収コーティングによって処理される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項10】
前記検知区画の長さ内に複数の極性を有する屈曲の形成を防止する機械的構造物内に配置されるように、前記光ファイバを適応させる、請求項4〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記機械的構造物が、バンパであり、そして、前記バンパが、バンパのフロントフェイスと前記光ファイバとの間に散乱されている弾性発泡体を含む、請求項4〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ペアの前記バンドの軸心が、軸心方向に整列している、請求項5に記載の装置。
【請求項13】
1つのペアの前記バンドの一方の軸心が、そのペアの他方のバンドの軸心から、前記ペアの中心間での軸距離スペースの半分まで軸方向に移動している、請求項5に記載の装置。
【請求項14】
狭い横方向バンド中へ延びている複数の前記光ファイバを含み、同時に衝突に対して露出するために、前記検知区画が各々のファイバ上の異なる軸心方向の位置に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記の軸方向位置が、衝突の位置を示す情報、並びに嵌入の深さ、形状、及び時間経過に関する個々のファイバに関して、区別されており、しかも繰り返し的ではない、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
各々のファイバ上の前記軸心方向の位置が、各々のファイバに沿って規則的な間隔で繰り返され、各々のファイバ上の前記軸心方向の位置が、他のファイバ上の前記軸心方向の位置とは異なり、全体の軸範囲が、衝突に敏感であるが、衝突の軸心方向の位置について非表示的である、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
湾曲嵌入と非湾曲嵌入とを区別するために、非双極応答を有するファイバ少なくとも1つと、双極応答を有するファイバ少なくとも1つを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項18】
ファイバ上で複数の前記検知区画を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記検知区画が、軸心方向に離間され、周辺方向に延びている光損失領域を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記検知区画が、側面に延びている光損失領域の複数のバンドを含み、前記バンドが周辺方向に離間されている請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記検知区画が、軸心方向に離間される複数のストリップを含み、前記ストリップの縦軸が軸心方向に延びており、前記ストリップが螺旋状に延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記検知区画が、軸心方向に離間される複数のストリップを含み、ストリップが螺旋状に延びており、ストリップの縦軸が前記ラセン状に延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記光損失領域での前記ファイバの表面処理を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記検知区画で、ファイバの各々の側面上に印象フィルムを含み、各々のフィルムがテクスチャードリリーフパターンを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記光損失領域が非長方形である、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前期ファイバが、隣接する前記末端とループを形成するように成形されている、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記ファイバが、一連のループに延びるように成形されている、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記ファイバが、リボンケーブルを含み、前記端部が、光源、光検出器、及び関連した電子回路を含む単一デバイスに接続されている、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
請求項1に記載の衝突検知置を含む車両用のバンパ。
【請求項30】
バンパのフロント表面に取り付けられる光ファイバのアレイを含む、車両フロントバンパと対象物との間の衝突を検知する装置であって、各々のファイバは、フロントバンパの衝突の方向に面している及び衝突から離れる方向に面している狭い軸心方向の光損失ストリップを含む複数の検知区画を有しており、各々のファイバの信号応答は、極性とは独立して、光損失ストリップの屈曲の合計である、前記検知装置。
【請求項31】
車両上に配置するための光ファイバセンサを含み、車両と対象物との間の衝突を検知する装置であって、
前記光ファイバセンサが、光ファイバ少なくとも1つと、前記光ファイバの一方の端部の光源と、前記光ファイバの他方の端部の光検出器と、前記ファイバ上の検知区画少なくとも1つを含み、前記の各検知区画が、ファイバ周辺部上、予想される衝突の方向に面するファイバの第1の側面上、及び予想される衝突の方向から離れるファイバの第2の側面上に配置される光損失領域を含み、前記第1側面上での光損失量を、前記第2側面上での光損失量に関連させて調整し、前記検知区画内での極性少なくとも1つの屈曲に対する所望の応答を得る、前記装置。
【請求項32】
前記第1側面上での光損失を調整して双極応答を生成し、その応答において、前記検知区画内の曲率の極性を光変調の極性により示し、アレイの長さ当たりのセンサの数を最小限にする必要がなく、そして、衝突の時間経過からのデータが対象物の種類及び質量に関して衝突を分類することが不十分である、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記損失領域の1つが最小限又はゼロの損失を有している、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記第1側面上での光損失を調整して非双極応答を生成し、その応答において、前記検知区画内の曲率の極性が光変調の極性によって示されず、アレイの長さ当たりのセンサの数が最小限にされ、そして、衝突の時間経過からのデータが対象物の種類及び質量に関して衝突を分類することが十分である、請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記第1側面上での光損失を調整して、第1の所望の正屈曲値より上の屈曲に対する減衰応答、及び、第2の所望の負屈曲値より下の屈曲に対する減衰応答を生成する、請求項31〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記検知区画が、摩耗及び光吸収コーティングによって処理されるバンド少なくとも1つを更に含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記検知区画が、レーザー切除及び光吸収コーティングによって処理されるバンド少なくとも1つを更に含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記検知区画が、衝突摩耗及び光吸収コーティングによって処理されるバンド少なくとも1つを更に含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記検知区画が、鋭利なツールを有する衝突及び光吸収コーティングによって処理されるバンド少なくとも1つを更に含む、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記光ファイバが、前記検知区画の長さ内での複数の極性を有する屈曲の形成を防止する機械的構造物内に配置されるように適応される、請求項31〜35のいずれか一項に記載の装置
【請求項41】
前記機械的構造物が、前記バンパのフロントフェイスと前記光ファイバとの間に散在されている弾性発泡体を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
歩行者の衝突検出システムを有する車両において、
前記車両が、前記車両のフロントエリアに載置され、歩行者と車両のフロントエリアとの衝突を検出するように適応された複数のセンサと、格納データを有するデータ加工制御ユニットとを含み、
前記センサは、それぞれ、ファイバ上に複数の光損失領域を含み、軸方向に離間されており、
前記データ加工中央制御ユニットは、前記センサの少なくとも1つからの信号受領の際に、出来事と格納データとを比較するように適応され、そして前記格納データによって決められている閾値の証拠に伴って出力信号を生成するように適応されており、前記出力信号は、安全装置を作動させるように適応されている、前記車両。
【請求項43】
車両と対象物との衝突を検出する方法であって、
前記車両に複数のセンサを有するフロント構造物を提供し、ここで、各センサは、ファイバ上に複数の光損失領域を含み、軸方向に離間されており、各センサは、衝突に際して信号をデータ加工制御ユニットに供給する信号出力手段を有しており;
前記センサからの信号出力に基づく衝突形状、質量、及び速度を測定及び分類する格納アルゴリズムを有するデータ加工制御ユニットを提供し、ここで前記制御ユニットは、各前記センサの前記信号出力手段と操作的に関連しており;
前記データ加工制御ユニットは、少なくとも1つのセンサからの信号受領に際して前記制御ユニット内の格納データと出来事とを比較するように適応されており;そして
前記制御ユニットは、前記格納データによって決められている閾値の証拠に伴って出力信号を生成するように適応されており、前記出力信号は、安全装置を作動させるように適応されている、前記の方法。
【請求項44】
車両のフロントバンパ上に光りファイバアレイを配置し、前記光ファイバアレイは、複数の前記センサを有する光ファイバ少なくとも1つを含み、各センサは、予想される衝突の方向に面する側面上のファイバの周辺、及び予想される衝突の方向から離れて面するファイバのもう一方の側面上に配置される光損失領域を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
車両と対象物との衝突を検出する方法であって、
車両に光ファイバセンサを配置し、前記センサは、一方の端部の光源と、もう一方の端部の光検出部と、ファイバ上の検出区画少なくとも1つとを有する光ファイバ少なくとも1つを含み、各検知区画は、予想される衝突の方向に面する側面上のファイバの周辺に配置される光損失領域、及び予想される衝突の方向から離れて面するファイバの側面上のファイバの周辺に配置されるもう1つの光損失領域を含み、
前記衝突によって得られる光信号の変調を検知し、そして安全装置の起動信号を生成する、前記の方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公表番号】特表2006−524799(P2006−524799A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504098(P2006−504098)
【出願日】平成16年4月6日(2004.4.6)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000518
【国際公開番号】WO2004/089699
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(506024869)059312 エヌ. ビー. インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】059312 N. B. INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月6日(2004.4.6)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000518
【国際公開番号】WO2004/089699
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(506024869)059312 エヌ. ビー. インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】059312 N. B. INC.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]