説明

車両のダクト構造およびブロー成形方法

【課題】 簡易な構成で空調ダクトをブロー成形することができ、さらに、クロスメンバ内に空調ダクトを容易に組み込むことができる車両のダクト構造およびブロー成形方法を提供する。
【解決手段】 車両のインストルメントパネルの裏面側に車幅方向に沿って設けられる中空状のクロスメンバ2内に、ブロー成形によってクロスメンバ2と一体的に形成された筒状の空調ダクト1を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のダクト構造およびブロー成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車室前面に設けられるインストルメントパネルの裏面側には、車幅方向に沿って車体補強部材およびステアリングシャフト等の支持部材としての中空状のクロスメンバが配置されている。また、インストルメントパネルの裏面側には、車幅方向に沿って空調エア排出用の中空状の空調ダクトが配置され、この空調ダクトには、車室側に空調エアを吹き出すための開口突出部が設けられている。
【0003】
前記中空状の空調ダクトを形成する場合、従来よりブロー成形方法が一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、近年、インストルメントパネル裏面のスペースの利用効率を高めるために、空調ダクトを内部に挿入した構成の中空状のクロスメンバが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−2104号公報(段落番号[0019]、[0024]、図3)
【特許文献2】特開2001−246922号公報(段落番号[0019]、図3、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1のように車両の空調ダクトを従来のブロー成形方法で形成する場合は、パリソンを一対の合わせ金型で挟む工程や、このパリソンの冷却・固化後にこの金型を開く工程等が必要となるので、装置構成が複雑になる。
【0006】
また、前記特許文献2では、作業者が手作業で中空状のクロスメンバ内に空調ダクトを挿入して内包することにより、空調ダクトのクロスメンバ内への内包作業が面倒であった。
【0007】
そこで、本発明は、空調ダクトを専用の金型を用いることなく容易にブロー成形することができる車両のダクト構造およびブロー成形方法を提供することを目的とする。さらに、クロスメンバ内に空調ダクトを容易に内包することができる車両のダクト構造およびブロー成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために請求項1に記載の車両のダクト構造は、車両のインストルメントパネルの裏面側に車幅方向に沿って設けられる中空状のクロスメンバ内に、ブロー成形によって前記クロスメンバと一体的に形成された筒状の空調ダクトを設けたことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、ブロー成形によって筒状の空調ダクトを中空状のクロスメンバ内に一体的に形成することにより、作業者の手を煩わせることなくクロスメンバ内に空調ダクトを容易に内包することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記クロスメンバの内周面側に設けた複数の凸部を前記空調ダクトの外周面に当接させて、前記空調ダクトを前記クロスメンバ内に固定保持したことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、クロスメンバ内に内包された空調ダクトを、クロスメンバの内周面側に設けた複数の凸部によって容易に固定保持することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、前記クロスメンバに開口を設け、前記空調ダクトのブロー成形と一体に前記開口から突出するようにして前記空調ダクトに開口突出部を形成したことを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、クロスメンバに設けた開口から空調ダクトに設けた開口突出部を容易に突出させることができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、前記開口突出部の周縁部が前記クロスメンバの開口の周縁部に当接されることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、クロスメンバ内に内包された空調ダクトを、クロスメンバの開口の周縁部に当接させた開口突出部によって容易に固定保持することができる。
【0016】
また、請求項5に記載のブロー成形方法は、中空状のパイプ部材内に、ブロー成形によって筒状部材を前記パイプ部材と一体的に形成することを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、ブロー成形のための専用の金型が不要となるので、空調ダクトなどの筒状部材を容易にブロー成形することができ、さらに、パイプ部材内に筒状部材を容易に内包することができる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、ブロー成形によって前記筒状部材を前記パイプ部材内に形成した後に、プレス加工によって前記パイプ部材の内周面側に突出させた複数の凸部を前記筒状部材の外周面に当接させることを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、プレス加工によってパイプ部材の内周面から突出させた複数の凸部により、パイプ部材内にブロー成形によって形成された筒状部材を容易に固定保持することができる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、前記パイプ部材に開口を形成し、前記開口に合わせて凹形金型を配置させ、前記パイプ部材内にブロー成形によって形成される前記筒状部材に、前記開口から突出するようにして開口突出部を一体に形成することを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、ブロー成形によってパイプ部材内に筒状部材を形成する際に、筒状部材の開口から突出する開口突出部を一体に形成することができる。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、前記凹形金型の金型開口を、この凹形金型が当接する前記パイプ部材の開口よりも大きく形成して、ブロー成形によって一体に形成される前記開口突出部の周縁部を前記パイプ部材の開口の周縁部に当接させることを特徴としている。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、ブロー成形によって一体に形成される開口突出部の周縁部をパイプ部材の開口の周縁部に当接させることにより、パイプ部材内にブロー成形によって形成された筒状部材を容易に固定保持することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る車両のダクト構造によれば、ブロー成形によって筒状の空調ダクトを中空状のクロスメンバ内に一体的に形成することにより、作業者の手を煩わせることなくクロスメンバ内に空調ダクトを容易に内包することができる。また、本発明に係るブロー成形方法によれば、ブロー成形のための専用の金型が不要となるので、空調ダクトなどの筒状部材を容易にブロー成形することができ、さらに、パイプ部材内に筒状部材を容易に内包することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1に係る車両のダクト構造を示す一部破断した概略斜視図、図2は、図1のA−A線断面図であり、本実施形態では、車両のインストルメントパネルの裏面側に配置される車幅方向に延びる筒状の空調ダクトに適用した例である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態に係る樹脂製で円筒状の空調ダクト1は、金属製で中空状のクロスメンバ2内にブロー成形によってこのクロスメンバ2と一体的に形成された構造となっている(本発明の特徴である空調ダクト1のブロー成形方法については後記する)。空調ダクト1は、クロスメンバ2の内周面の所定位置にプレス加工によって形成した複数の凸部2aによってクロスメンバ2と同心上に位置するようにして固定保持されている(図2参照)。
【0027】
図3に示すように、インストルメントパネル3の裏面側に配置された空調ダクト1の両側端側(図1では、左側端側は不図示)と中央部には、それぞれエアを吹き出す側部吹出口1a,1b)と中央吹出口1cが突出するようにして一体に形成されている。また、空調ダクト1の中央吹出口1c近傍の下面には、空調ユニット(不図示)側と連結される空調エア導入口1d(図1参照)が一体に形成されている。空調ダクト1の側部吹出口1a,1bと中央吹出口1c、および空調エア導入口1dは、クロスメンバ2に形成した各開口2b,2c,2d(図3では、空調エア導入口1dの開口は不図示)から突出している。なお、図1では、空調ダクト1の側部吹出口1aが突出しているクロスメンバ2の開口2b側を示している。
【0028】
クロスメンバ2は、図3に示すように、車両の車室前面に設けられるインストルメントパネル3の裏面側に車幅方向に沿って配置されており、車体補強部材およびステアリングシャフト(不図示)等の支持部材としての役目を有している。空調ダクト1の側部吹出口1a,1bは、インストルメントパネル3の前面両側にそれぞれ設けた側部エア吹出口3a,3bに連結部材(不図示)を介して連結されており、空調ダクト1の中央吹出口1cは、インストルメントパネル3の前面中央に設けた中央部エア吹出口3cに連結部材(不図示)を介して連結されている。
【0029】
空調ダクト1に形成した空調エア導入口1dには連結部材を介して空調ユニット(不図示)が連結されており、この空調ユニット(不図示)から吹き出される空調されたエアは空調ダクト1に供給され、側部吹出口1a,1bおよび中央吹出口1cを通して側部エア吹出口3a,3bおよび中央部エア吹出口3cから車室内に吹き出される。
【0030】
次に、図4(a)、(b)、(c)、(d)を参照して、クロスメンバ2と一体的に形成される空調ダクト1のブロー成形方法について説明する。
【0031】
まず、図4(a)に示すように、鉛直方向に配置した金属製で中空状の前記クロスメンバ2の開口両端側を、各チャック4a,4b,4c,4dによって保持し、このクロスメンバ2の両端側および中央に形成している各開口2b,2c,2dを覆うようにして、内側に各開口2b,2c,2dに対応した四角形状の金型凹部を有する各凹形金型5a,5b,5cを配置する。クロスメンバ2の各開口2b,2c,2dは、空調ダクト1の側部吹出口1a,1bと中央吹出口1cの位置に対応している。なお、図4(a)、(b)、(c)では不図示であるが、空調ダクト1の空調エア導入口1d(図1参照)の位置に対応してクロスメンバ2に形成している開口(不図示)にも同様に、凹形金型(不図示)を配置している。
【0032】
そして、クロスメンバ2の上方に配置した押出機6から、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレンなど)を円筒状のパリソン7としてクロスメンバ2内に押し出す。
【0033】
そして、図4(b)に示すように、各チャック4a,4b,4c,4dを内側に移動させてパリソン7を挟み込み、パリソン7の上方からエアノズル(不図示)を介してパリソン7内にエアCを吹き込む。これにより、パリソン7が膨らんで伸ばされ、クロスメンバ2の内周面および各凹形金型5a,5b,5cの内周面にパリソン7がほぼ均一な肉厚で密着する。
【0034】
そして、図4(c)に示すように、図4(b)の状態からこのパリソン7が冷却・固化されると若干収縮した形状(図1に示した空調ダクト1の形状にほぼ対応した中空樹脂成形体7a)となり、クロスメンバ2の内周面および各凹形金型5a,5b,5cの内周面と中空樹脂成形体7a(図4(b)のパリソン7が冷却・固化したもの)との間に隙間が生じた状態となる。
【0035】
そして、図4(c)の状態から、各チャック4a,4b,4c,4dと各凹形金型5a,5b,5c(空調エア導入口1d(図1参照)用の凹形金型(不図示)も含む)を取り外し、クロスメンバ2の外周面側からプレス加工してクロスメンバ2の内周側に突出させた複数の凸部2a(図2、図4(d)参照)で中空樹脂成形体7a(空調ダクト1に相当)をクロスメンバ2内に固定保持して、中空樹脂成形体7aの両端側の不要な部分を切断するとともに、各凹形金型5a,5b,5c(空調エア導入口1d(図1参照)用の凹形金型(不図示)も含む)によって形成されたクロスメンバ2の各開口2b,2c,2d(空調エア導入口1d(図1参照)の位置に対応している開口(不図示)も含む)から突出するようにして一体に形成された各開口突出部(図3に示す側部吹出口1a,1bと中央吹出口1c、および空調エア導入口1dに相当)7b,7c,7dの閉じた先端面を切断して開口する。
【0036】
これにより、図4(d)に示すように、中空状のクロスメンバ2内にブロー成形によってクロスメンバ2と一体的に形成され、複数の凸部2aで固定保持された構造の空調ダクト(中空樹脂成形体7a)1が得られる。この空調ダクト1には、側部吹出口1a,1b、中央吹出口1c、および空調エア導入口1d(不図示)が、クロスメンバ2の各開口2b,2c,2d(空調エア導入口1dに対応した開口は不図示)から突出するようにして一体に形成されている。
【0037】
このように、ブロー成形によって円筒状の空調ダクト1を中空状のクロスメンバ2内にこのクロスメンバ2と一体的に形成することにより、作業者の手を煩わせることなくクロスメンバ2内に空調ダクトを容易に内包することができる。また、空調ダクト1をブロー成形のための専用の金型が不要となり、簡易な構成で空調ダクト1を容易にブロー成形することができる。
【0038】
また、プレス加工によってクロスメンバ2の内周面から突出させた複数の凸部2aにより、クロスメンバ2内にブロー成形によって形成された空調ダクト1を容易に固定保持することができる。さらに、ブロー成形によってクロスメンバ2内に空調ダクト1を形成する際に、クロスメンバ2の各開口2b,2c,2d(空調エア導入口1d(図1参照)の位置に対応している開口(不図示)も含む)から突出する側部吹出口1a,1b、中央吹出口1c、および空調エア導入口1dも同時に一体に形成することができる。
【0039】
また、空調ダクト1を、中空状のクロスメンバ2内にブロー成形によってこのクロスメンバ2と一体的に形成することにより、インストルメントパネル3裏面のスペースの利用効率を高めることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、ブロー成形によって空調ダクト1と一体に側部吹出口1a,1b、中央吹出口1c、および空調エア導入口1dを形成するために凹形金型5a,5b,5c(空調エア導入口1d用の凹形金型は不図示)を用いたが、ブロー成形時に受ける圧力や熱に耐え得るものであれば、例えば凹部を形成した樹脂成形体等でもよい。
【0041】
〈実施形態2〉
前記実施形態1では、クロスメンバ2内にブロー成形によってこのクロスメンバ2と一体的に空調ダクト1を形成した後に、クロスメンバ2の周面をプレス加工して形成した複数の凸部2aによって空調ダクト1をクロスメンバ2内に固定保持する構成であったが、本実施形態では、クロスメンバ2内にブロー成形によって空調ダクト1を形成するときに、このブロー成形を利用して空調ダクト1をクロスメンバ2内に固定するようにした。
【0042】
以下、図5(a)、(b)、(c)、(d)を参照して、本実施形態における空調ダクト1のクロスメンバ2内への固定方法について説明する。なお、本実施形態のブロー成形による空調ダクト1の固定は、前記実施形態1の図4(a)、(b)、(c)に示した空調ダクト1のブロー成形時に同時に行うものであり、本実施形態では、空調ダクト1のブロー成形方法については省略し、このブロー成形による空調ダクト1のクロスメンバ2内への固定方法についてのみ説明する。
【0043】
図5(a)に示すように、クロスメンバ2に形成した前記各開口2b,2c,2d(図4(a)参照)とは別に、クロスメンバ2の周面の所定位置に複数の小さな開口2eを形成し、各開口2eをそれぞれ覆うようにして内側に金型凹部を有する凹形金型8を配置する。この凹形金型8の金型開口8aは、クロスメンバ2に形成した開口2eよりも少し大きく形成されており、凹形金型8の開口縁部8bがクロスメンバ2の開口2eの周縁部2fより少し外側に当接している。図5(a)において、符号7は、クロスメンバ2内に押し出された円筒状のパリソン7である。なお、図5(a)では、2つの開口2eを示しているが、この開口2eはクロスメンバ2の周面全域にわたって所定間隔で複数形成されている。
【0044】
そして、図5(b)に示すように、クロスメンバ2の上方に配置した押出機(不図示)から押し出されたパリソン7内にエアを吹き込んで膨らまして伸ばし(図4(b)に示した工程時)、クロスメンバ2の内周面および各凹形金型8の内周面にパリソン7をほぼ均一な肉厚で密着させる。
【0045】
そして、図5(c)に示すように、図5(b)の状態からこのパリソン7が冷却・固化されると若干収縮した形状(空調ダクト1の形状にほぼ対応した中空樹脂成形体7a)となり(図4(c)に示した工程時)、クロスメンバ2の内周面および各凹形金型8の内周面と中空樹脂成形体7a(図5(b)のパリソン7が冷却・固化したもの)との間に隙間が生じた状態となる。これにより、クロスメンバ2の各開口2eから突出するようにして各開口突出部7eが一体に形成されて、各開口突出部7eの周縁部7fがクロスメンバ2の各開口2eの周縁部2fに当接された状態となる。
【0046】
そして、図5(d)に示すように、各凹形金型8を取り外し、空調ダクト1がクロスメンバ2内にブロー成形によってクロスメンバ2と一体的に形成されたときに、クロスメンバ2の各開口2eの周縁部2fに当接された各開口突出部(図5(c)の各開口突出部7eに相当)1eの周縁部(図5(c)の周縁部7fに相当)1fによって、空調ダクト1がクロスメンバ2内に固定保持される。このように、本実施形態における空調ダクト1の固定方法によれば、ブロー成形によって空調ダクトをクロスメンバ2内にこのクロスメンバ2と一体的に形成する際に、同時に空調ダクトをクロスメンバ2内に固定することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、ブロー成形によって空調ダクト1と一体に開口突出部(図5(c)の各開口突出部7eに相当)1eを形成するために凹形金型8を用いたが、ブロー成形時に受ける圧力や熱に耐え得るものであれば、例えば凹部を形成した樹脂成形体等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両のダクト構造を示す一部破断した概略斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本発明の実施形態1に係る空調ダクトを内包したクロスメンバを裏面側に備えたインストルメントパネルを示す概略斜視図。
【図4】本発明の実施形態1に係る空調ダクトのブロー成形方法を示す図。
【図5】本発明の実施形態2に係る空調ダクトの固定方法を示す図。
【符号の説明】
【0049】
1 空調ダクト(筒状部材)
1a,1b 側部吹出口(開口突出部)
1c 中央吹出口(開口突出部)
1d 空調エア導入口(開口突出部)
1e、7e 開口突出部
2 クロスメンバ(パイプ部材)
3 インストルメントパネル
4a,4b,4c,4d チャック
5a,5b,5c、8 凹形金型
6 押出機
7 パリソン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインストルメントパネルの裏面側に車幅方向に沿って設けられる中空状のクロスメンバ内に、ブロー成形によって前記クロスメンバと一体的に形成された筒状の空調ダクトを設けた、
ことを特徴とする車両のダクト構造。
【請求項2】
前記クロスメンバの内周面側に設けた複数の凸部を前記空調ダクトの外周面に当接させて、前記空調ダクトを前記クロスメンバ内に固定保持した、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のダクト構造。
【請求項3】
前記クロスメンバに開口を設け、前記空調ダクトのブロー成形と一体に前記開口から突出するようにして前記空調ダクトに開口突出部を形成した、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のダクト構造。
【請求項4】
前記開口突出部は、その周縁部が前記クロスメンバの開口の周縁部に当接される、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両のダクト構造。
【請求項5】
中空状のパイプ部材内に、ブロー成形によって筒状部材を前記パイプ部材と一体的に形成する、
ことを特徴とするブロー成形方法。
【請求項6】
ブロー成形によって前記筒状部材を前記パイプ部材内に形成した後に、プレス加工によって前記パイプ部材の内周面側に突出させた複数の凸部を前記筒状部材の外周面に当接させる、
ことを特徴とする請求項5に記載のブロー成形方法。
【請求項7】
前記パイプ部材に開口を形成し、前記開口に合わせて凹形金型を配置させ、前記パイプ部材内にブロー成形によって形成される前記筒状部材に、前記開口から突出するようにして開口突出部を一体に形成する、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のブロー成形方法。
【請求項8】
前記凹形金型の金型開口を、この凹形金型が当接する前記パイプ部材の開口よりも大きく形成して、ブロー成形によって一体に形成される前記開口突出部の周縁部を前記パイプ部材の開口の周縁部に当接させる、
ことを特徴とする請求項7に記載のブロー成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−256379(P2006−256379A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73495(P2005−73495)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】