車両のデフレクタ装置
【課題】部品点数が少なく、5年、10年という長期に亘って揺動可能状態を維持することができるデフレクタ装置を提供する。
【解決手段】デフレクタ装置は、ホイールハウスの前方に反車体側(路面側になるように)に取り付けられる固定部5と、走行風9を受けるデフレクタ本体部6と、固定部5とデフレクタ本体部6とを連結すると共に、回動自在な連結部とデフレクタ本体部6を所定位置に規制する規制部7とから構成され、車両走行時には、デフレクタ本体部6に走行風9を受けると規制部7によりデフレクタ本体部6の位置を規制する車両のデフレクタ装置。
【解決手段】デフレクタ装置は、ホイールハウスの前方に反車体側(路面側になるように)に取り付けられる固定部5と、走行風9を受けるデフレクタ本体部6と、固定部5とデフレクタ本体部6とを連結すると共に、回動自在な連結部とデフレクタ本体部6を所定位置に規制する規制部7とから構成され、車両走行時には、デフレクタ本体部6に走行風9を受けると規制部7によりデフレクタ本体部6の位置を規制する車両のデフレクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車の走行時にタイヤが収容されているホイールハウス内への走行風の流入を規制する車両のデフレクタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の空力性能を向上させるために、タイヤの収容されたホイールハウス内への走行風の流入を規制して、タイヤへの空気抵抗を減らすことが有効な手段であることは従来から知られている。
従来技術としては、タイヤが収納されたホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタ板を備えた車両のデフレクタ装置において、上記デフレクタ板を車両前後方向に揺動可能に軸支する軸支手段と、該デフレクタ板を略鉛直下向きに指向するように付勢する付勢手段を備えると共に、上記デフレクタ板が車両後方向に揺動した際にその下端部が上記タイヤと干渉しないように配設されていることを特徴とする車両のデフレクタ装置(例えば、特許文献1参照)や、車両の駆動源が収容される駆動源搭載ルームの底部に配置されるアンダーカバーであって、前記駆動源搭載ルーム内の空気を前記車体の下方へ排出する排出口が形成されたカバー本体と、該カバー本体に前記排出口の車両前方側で車幅方向に沿って配置された枢軸を介して前記カバー本体に揺動可能に枢着されて下方へ伸び、前記駆動源搭載ルーム内から前記排出口を経て排出される空気を車両の前進時に車両の後方側へ案内する案内部材とを備え、該案内部材には、その下端に路面から突き上げ力が作用したときに前記案内部材を前記枢軸の周りに回転させるモーメントを生じさせるべく前記案内部材の伸長方向に対してオフセットした形状の変形部が形成されていることを特徴とするアンダーカバー(例えば、特許文献2参照)が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−248604号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄、及び図1〜図15を参照)
【特許文献2】特開2006−240455号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄、及び図1〜図6を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術である特許文献1は、車両の空気抵抗を低減させるのにホイールハウス内へ流入しようとする走行風を規制するのに有効な車両前方からの走行風が流入するのを防ぐデフレクタ板をホイールハウスの前方に配置している。デフレクタ装置を車体下面に取り付ける車体取付ブラケットと、車両前後方向に揺動可能なデフレクタ板と、デフレクタ板を支持するデフレクタ板支持用ブラケットと、デフレクタ板支持用ブラケットを車体取付ブラケットに軸支するよう車体取付ブラケットの両端から下方に向けて延在する支持面と、デフレクタ板が略鉛直下向きを指向するように付勢する付勢手段とを備えているものである。このデフレクタ装置によって、ホイールハウスへ流入しようとする走行風を効果的に規制し、路面上の障害物と接触した場合でも、その力を受け流すものである。
しかしながら前記従来技術では、デフレクタ装置が複雑な構造であるため、部品点数が増えると共に、組み付け作業が増加し、結果として製造コストが上昇してしまう。また、デフレクタは外装部品であるため、風雨等に晒され、5年、10年という長期に亘って揺動可能状態を維持することができるか懸念される。
次に、特許文献2は、車両エンジンルームの底部にアンダーカバーを取り付け、エンジンから発生する熱によって熱せられた空気を車外に逃がすための排気口が形成されている。この排気口を経て排出される空気を走行時に後方側へ案内するための案内部材、いわゆるデフレクタを車体のほぼ幅方向に沿って配置された枢軸を介してアンダーカバーから下方へ伸びるようにアンダーカバーに揺動可能に取り付けられているので、路面上の障害物と接触した場合でもその力を受け流すものである。
しかしながら、前記従来技術では、デフレクタを揺動可能とするために、枢軸や付勢手段であるコイルバネが必要で、部品点数が増えるとともに、組み付け作業が増加し、結果として製造コストが上昇してしまう。また、デフレクタは外装部品であるため、風雨等に晒され、5年、10年という長期に亘って揺動可能状態を維持することができるか懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決することができる本発明の第1発明は、請求項1に記載された通りの車両のデフレクタ装置であり、次のようなものである。
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、デフレクタ本体部が走行風を受けると、車両下部から出没し、デフレクタはデフレクタ本体部の位置を規制する規制部を有している構成である。
【0006】
上記の課題を解決することができる本発明の第2発明は、請求項2に記載された通りの車両のデフレクタ装置であり、次のようなものである。
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、前記デフレクタは、前記ホイールハウスの前方に反車体側(路面側になるように)に取り付けられる取付部と、前記走行風を受けるデフレクタ本体部と、該取付部と該デフレクタ本体部とを連結すると共に、回動自在な連結部と該デフレクタ本体部を所定位置に規制する規制部とから構成され、車両走行時には、前記デフレクタ本体に走行風を受けると前記規制部により前記デフレクタ本体部の位置を規制する構成である。
【0007】
上記の課題を解決することができる本発明の第3発明は、請求項3に記載された通りの車両のデフレクタ装置であり、次のようなものである。
請求項2に記載の発明に加えて、前記連結部には、ヒンジ部(薄肉部)を含んでいる構成である。
【0008】
上記の課題を解決することができる本発明の第4発明は、請求項4に記載された通りの車両のデフレクタ装置であり、次のようなものである。
請求項2、または請求項3に記載の発明に加えて、前記規制部は、前記デフレクタ本体部と前記連結部との結合部から延設され、該規制部の受け部を前記車体に凹部としている構成である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る車両のデフレクタ装置は、上記説明のような構成を有するので、以下に記載する効果を奏する。
(1)車両走行時に、デフレクタ本体に風を受けると、デフレクタ本体が車両から垂下し、規制部によってデフレクタ本体部の位置を規制することになり、ホイールハウス内へ車両前方からの走行風が流入するのを効率的に防ぐことができる。
(2)デフレクタ本体に受ける風が小さい場合(停車時、低速走行時)には、デフレクタ本体が反対側への垂下する寸法がゼロか、もしくは小さく設定されているので、縁石や路面上の障害物と接触し難い。
(3)デフレクタ装置が簡単な構成であるので、長期に亘って安定した回動が実現でき、組み付け作業が簡単で製造コストの低減も図ることができる。
(4)連結部にヒンジ部(薄肉部)を含んでいるので、デフレクタ本体部で受ける風圧によって確実に変形回動し、デフレクタ本体を車両下部に垂下させることができる。
(5)規制部は、デフレクタ本体部と連結部との結合部から延設され、該規制部の受け部を車体に凹部としているので、デフレクタ本体部の回動規制をさらに簡単な構成とすることができる。
(6)車両停止時や低速走行時にはデフレクタ本体部が車両下部に設けた収納部に収納され、車両下部から突出しているのは、規制部だけのため、デフレクタ本体が縁石や路面上の障害物との接触して破損することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のデフレクタ装置を取り付けたフェンダープロテクターの概略斜視図である。
【図2】本発明のデフレクタ装置の低速走行時の状態を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のデフレクタ装置の高速走行時の状態を示す概略斜視図である。
【図4】本発明のデフレクタ装置の低速走行時のデフレクタ装置を示す図1のA−A線概略断面図である。
【図5】本発明のデフレクタ装置の高速走行時のデフレクタ装置の形状変形を示す概略断面図である。
【図6】本発明のデフレクタ装置の他の実施例の低速走行時のデフレクタ装置の形状変形を示す概略断面図である。
【図7】本発明のデフレクタ装置の他の実施例の高速走行時のデフレクタ装置の形状変形を示す概略断面図である。
【図8】図3のB−B線断面図であり、デフレクタ本体部に設けられた整流面の第一実施例を示すものである。
【図9】本発明のデフレクタ本体部に設けられた整流面の第二実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明のデフレクタ本体部に設けられた整流面の第三実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明のデフレクタ装置の他の実施例において、低速走行時と高速走行時のデフレクタ装置の形状変化を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、前記デフレクタは、前記ホイールハウスの前方に反車体側(路面側になるように)に取り付けられる取付部と、前記走行風を受けるデフレクタ本体部と、該取付部と該デフレクタ本体部とを連結すると共に、回動自在な連結部と該デフレクタ本体部を所定位置に規制する規制部とから構成され、車両走行時には、前記デフレクタ本体に風を受けると前記規制部により前記デフレクタ本体部の位置を規制する車両のデフレクタ装置である。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の一実施例を添付図面で詳細に説明する。
本実施例のデフレクタ装置2は、図1からも理解できるように、車両のホイールハウス11を形成するフェンダープロテクター1の前方側に取り付けられるものであり、デフレクタ装置は、フェンダープロテクター1にリベット4等で取り付けられ、さらに、フェンダープロテクター1には、高速走行時にデフレクタ装置2の規制部7を収納する凹部3を設けている(図5参照)。
【0013】
ここで、本実施例のデフレクタ装置2を形状と共に、高速走行時と低速走行時(停止時や後退時も含む)のデフレクタ装置の形状変化について図面に基づいて説明する。
デフレクタ装置2は、フェンダープロテクター1との取付面としての固定部5、整流面となっているデフレクタ本体部6、規制部7の3面から構成されている。
デフレクタ装置2は、車両の停止時や後退時、低速前進走行時の場合、図2または図4のように、デフレクタ本体部6が車両前方側に略ユ字形状であり、車両が高速前進走行(高速走行)している場合、図3、または図5のようにデフレクタ本体部6が下方に向き、車両下部側に向くY字形状に形状が変化している。そして、車両が高速走行から低速走行している場合には、図2または図4のようにデフレクタ本体部6が車両前方側に略ユ字形状に戻るようになっている。
つまり、図5からも理解できるように、車両が高速で走行している場合、整流面としてのデフレクタ本体部6に走行風9を受けると、固定部5の後端側に設けた薄肉部8を軸にデフレクタ本体部6及び規制部7がフェンダープロテクター1に設けられた凹部3と規制部7が合わさるまで回転する。その時、整流面であるデフレクタ本体部6は地面と略垂直になり、前方投影面積が最大となり、走行風9を整流して、ホイールハウス11へ流入する走行風9を最小限に減少させ、車両の空力性能を格段に向上させることができる。
また、低速走行時には、図4からも理解できるように、デフレクタ本体部6に受ける走行風9が弱いため、高速走行時には弾性変形していたデフレクタ装置2は元の位置に戻り、車両前方側への略ユ字形状となる。この状態になると、車両下部に突出する部位は、非常に小さくなるため、縁石や車止め10にデフレクタ装置2が当たることもなく、デフレクタ装置2の破損の心配もない。
【0014】
次に、本発明のデフレクタ装置2の他の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例では、図6、図7からも理解できるように、フェンダープロテクター1の下部に低速走行時に整流面であるデフレクタ本体部6を収納する収納部12と高速走行時には、規制部7を収納する収納部13を設けたものであり、低速走行時には、図6のように、デフレクタ本体部6は収納部12に収納され、車両下部には突出されない。そのため、縁石や車止め10にデフレクタ本体部6が当たることもなく、デフレクタ装置2の破損の心配もない。
また、フェンダープロテクター1とデフレクタ装置2を接続する固定部位も車両下部に飛び出していないため、風雨等による腐食等の進行も遅くでき、長期間の使用にも耐えられるものである。
なお、低速走行時、高速走行時のデフレクタ装置2の形状変化は、前記実施例と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0015】
次に、本発明のデフレクタ装置2に設けられた整流面であるデフレクタ本体部6の形状について図8〜図10に基づいて説明する。
図8のように、デフレクタ本体部6の表面は、車両後方側に凸の湾曲面に構成してある。
このことによって走行風9を効率よく受け止めやすくなり、デフレクタ本体部6がよりスムーズに回転することができるものである。
さらに、湾曲面とすることで、平板より高い形状剛性が得られ、デフレクタ本体部6の板厚を薄くでき、走行風9によるデフレクタ本体部6の回転をよりスムーズにすることができる。
また、図9、図10は、整流面の第二、第三実施例であり、整流面の湾曲面の数を増やしたり(図9参照)、整流面に1つの大きな湾曲の中に小さい湾曲を設けたり(図10参照)することで、より走行風9を整流し、ホイールハウス11への走行風9の流入を防ぐことができるものである。
【0016】
本発明のデフレクタ装置2は、合成樹脂製のものや、ラバー状のもの等、弾性変形するものであれば、種々選択できる。また、前記実施例で、薄肉部8とした部位にヒンジやバネを採用しても良い。
【0017】
次に、本発明の他の実施例を図面に基づいて説明する。
前記実施例は、いずれもデフレクタ装置2をホイールハウス1の前方に反車体側(路面側になるよう)に取り付け、車体下面と路面との間に生じる走行風を利用するものであるが、本実施例のデフレクタ装置22は、車体下面と路面との間に生じる走行風9を利用するのではなく、車両フード下、例えばラジエータを冷却するために車両前方に配置されたラジエータグリルの開口を介して流れる走行風9´(冷却風)を利用するものである。
本実施例のデフレクタ装置22は、車両のホイールハウスを形成するフェンダープロテクター21の前方側に取り付けられるものであり、走行風9´を受けるデフレクタ本体部26と、ホイールハウス内に車両前方からの走行風9が流入するのを規制するデフレクタ23と、前記デフレクタ本体部26と前記デフレクタ23とを連結する連結部28と、前記デフレクタ本体部26を所定位置に規制する規制部27と、前記デフレクタ本体部26と前記連結部28との接続部に筒状部25が形成されている。
本実施例では、デフレクタ装置22の筒状部25に軸ピン30を挿通し、この軸ピン30を挿通支持する台座21Aを筒状部25の両端に、フェンダープロテクター21の前方に一体に形成され、デフレクタ23が挿通する開口29が形成されている。
【0018】
ここで、本実施例のデフレクタ装置22の低速走行時と高速走行時のデフレクタ装置22の動きについて、図面に基づいて説明する。
車両の停止時や後退時、低速前進走行時の場合では、図11の破線に示されるようにデフレクタ本体部26は、例えばねじりコイルばね等の付勢手段(図示せず)を用いて、垂直状態よりも前傾状態となるように付勢されている。また、デフレクタ23の下端がフェンダープロテクター21の前方に設けた開口29に臨んだ状態に配置されている。
低速走行時では、車両フード下を流れる走行風9´(冷却風)の圧力が小さいため、デフレクタ本体部26は、図11の破線の状態に維持されている。
高速走行時の場合では、図11の実線のように、車両フード下を流れる走行風9´(冷却風)の圧力が付勢手段の付勢力よりも大きくなると、デフレクタ本体部26が後方側へ回動することで、連結部28が下方側へ回動し、デフレクタ23が開口29を通って車両下部から路面側に突出する。デフレクタ23の突出は、規制部27が開口29の周縁と当接することで最大となり、この位置で維持される。
このとき、デフレクタ23は、車両下面(車両下部)と路面との間に生じる走行風9を整流して、ホイールハウス内へ流入する走行風9を最小限に減少させ、車両の空力性能を格段に向上させることができる。
【0019】
また、高速走行から低速走行になると、デフレクタ本体部26に受ける走行風9´(冷却風)の圧力が付勢手段の付勢力よりも小さくなると、デフレクタ本体部26が元の位置に復帰するため、デフレクタ23の位置も元に戻る(図11の破線の状態)。この状態になると、車両下部に突出する部位が非常に小さくなるため、縁石や車止めにデフレクタ装置22が当たることがない。
デフレクタ装置22は、デフレクタ本体部26とデフレクタ23とを連結する連結部28を一体に成形し、筒状部25とともに形成しているが、デフレクタ本体部26と連結部28とを別体とし、それぞれを歯車等の噛み合わせ構造としても良い。また、デフレクタ装置22は、合成樹脂でもよく、金属製でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0020】
全ての車両のデフレクタ装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1・・・・フェンダープロテクター
2・・・・デフレクタ装置
3・・・・凹部
4・・・・リベット
5・・・・固定部
6・・・・デフレクタ本体部
7・・・・規制部
8・・・・薄肉部
9・・・・走行風
9´・・・・走行風
10・・・・縁石、車止め
11・・・・ホイールハウス
12・・・・収納部
13・・・・収納部
21・・・・フェンダープロテクター
21A・・・・台座
22・・・・デフレクタ装置
23・・・・デフレクタ
25・・・・筒状部
26・・・・デフレクタ本体部
27・・・・規制部
28・・・・連結部
29・・・・開口
30・・・・軸ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車の走行時にタイヤが収容されているホイールハウス内への走行風の流入を規制する車両のデフレクタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の空力性能を向上させるために、タイヤの収容されたホイールハウス内への走行風の流入を規制して、タイヤへの空気抵抗を減らすことが有効な手段であることは従来から知られている。
従来技術としては、タイヤが収納されたホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタ板を備えた車両のデフレクタ装置において、上記デフレクタ板を車両前後方向に揺動可能に軸支する軸支手段と、該デフレクタ板を略鉛直下向きに指向するように付勢する付勢手段を備えると共に、上記デフレクタ板が車両後方向に揺動した際にその下端部が上記タイヤと干渉しないように配設されていることを特徴とする車両のデフレクタ装置(例えば、特許文献1参照)や、車両の駆動源が収容される駆動源搭載ルームの底部に配置されるアンダーカバーであって、前記駆動源搭載ルーム内の空気を前記車体の下方へ排出する排出口が形成されたカバー本体と、該カバー本体に前記排出口の車両前方側で車幅方向に沿って配置された枢軸を介して前記カバー本体に揺動可能に枢着されて下方へ伸び、前記駆動源搭載ルーム内から前記排出口を経て排出される空気を車両の前進時に車両の後方側へ案内する案内部材とを備え、該案内部材には、その下端に路面から突き上げ力が作用したときに前記案内部材を前記枢軸の周りに回転させるモーメントを生じさせるべく前記案内部材の伸長方向に対してオフセットした形状の変形部が形成されていることを特徴とするアンダーカバー(例えば、特許文献2参照)が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−248604号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄、及び図1〜図15を参照)
【特許文献2】特開2006−240455号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄、及び図1〜図6を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術である特許文献1は、車両の空気抵抗を低減させるのにホイールハウス内へ流入しようとする走行風を規制するのに有効な車両前方からの走行風が流入するのを防ぐデフレクタ板をホイールハウスの前方に配置している。デフレクタ装置を車体下面に取り付ける車体取付ブラケットと、車両前後方向に揺動可能なデフレクタ板と、デフレクタ板を支持するデフレクタ板支持用ブラケットと、デフレクタ板支持用ブラケットを車体取付ブラケットに軸支するよう車体取付ブラケットの両端から下方に向けて延在する支持面と、デフレクタ板が略鉛直下向きを指向するように付勢する付勢手段とを備えているものである。このデフレクタ装置によって、ホイールハウスへ流入しようとする走行風を効果的に規制し、路面上の障害物と接触した場合でも、その力を受け流すものである。
しかしながら前記従来技術では、デフレクタ装置が複雑な構造であるため、部品点数が増えると共に、組み付け作業が増加し、結果として製造コストが上昇してしまう。また、デフレクタは外装部品であるため、風雨等に晒され、5年、10年という長期に亘って揺動可能状態を維持することができるか懸念される。
次に、特許文献2は、車両エンジンルームの底部にアンダーカバーを取り付け、エンジンから発生する熱によって熱せられた空気を車外に逃がすための排気口が形成されている。この排気口を経て排出される空気を走行時に後方側へ案内するための案内部材、いわゆるデフレクタを車体のほぼ幅方向に沿って配置された枢軸を介してアンダーカバーから下方へ伸びるようにアンダーカバーに揺動可能に取り付けられているので、路面上の障害物と接触した場合でもその力を受け流すものである。
しかしながら、前記従来技術では、デフレクタを揺動可能とするために、枢軸や付勢手段であるコイルバネが必要で、部品点数が増えるとともに、組み付け作業が増加し、結果として製造コストが上昇してしまう。また、デフレクタは外装部品であるため、風雨等に晒され、5年、10年という長期に亘って揺動可能状態を維持することができるか懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決することができる本発明の第1発明は、請求項1に記載された通りの車両のデフレクタ装置であり、次のようなものである。
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、デフレクタ本体部が走行風を受けると、車両下部から出没し、デフレクタはデフレクタ本体部の位置を規制する規制部を有している構成である。
【0006】
上記の課題を解決することができる本発明の第2発明は、請求項2に記載された通りの車両のデフレクタ装置であり、次のようなものである。
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、前記デフレクタは、前記ホイールハウスの前方に反車体側(路面側になるように)に取り付けられる取付部と、前記走行風を受けるデフレクタ本体部と、該取付部と該デフレクタ本体部とを連結すると共に、回動自在な連結部と該デフレクタ本体部を所定位置に規制する規制部とから構成され、車両走行時には、前記デフレクタ本体に走行風を受けると前記規制部により前記デフレクタ本体部の位置を規制する構成である。
【0007】
上記の課題を解決することができる本発明の第3発明は、請求項3に記載された通りの車両のデフレクタ装置であり、次のようなものである。
請求項2に記載の発明に加えて、前記連結部には、ヒンジ部(薄肉部)を含んでいる構成である。
【0008】
上記の課題を解決することができる本発明の第4発明は、請求項4に記載された通りの車両のデフレクタ装置であり、次のようなものである。
請求項2、または請求項3に記載の発明に加えて、前記規制部は、前記デフレクタ本体部と前記連結部との結合部から延設され、該規制部の受け部を前記車体に凹部としている構成である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る車両のデフレクタ装置は、上記説明のような構成を有するので、以下に記載する効果を奏する。
(1)車両走行時に、デフレクタ本体に風を受けると、デフレクタ本体が車両から垂下し、規制部によってデフレクタ本体部の位置を規制することになり、ホイールハウス内へ車両前方からの走行風が流入するのを効率的に防ぐことができる。
(2)デフレクタ本体に受ける風が小さい場合(停車時、低速走行時)には、デフレクタ本体が反対側への垂下する寸法がゼロか、もしくは小さく設定されているので、縁石や路面上の障害物と接触し難い。
(3)デフレクタ装置が簡単な構成であるので、長期に亘って安定した回動が実現でき、組み付け作業が簡単で製造コストの低減も図ることができる。
(4)連結部にヒンジ部(薄肉部)を含んでいるので、デフレクタ本体部で受ける風圧によって確実に変形回動し、デフレクタ本体を車両下部に垂下させることができる。
(5)規制部は、デフレクタ本体部と連結部との結合部から延設され、該規制部の受け部を車体に凹部としているので、デフレクタ本体部の回動規制をさらに簡単な構成とすることができる。
(6)車両停止時や低速走行時にはデフレクタ本体部が車両下部に設けた収納部に収納され、車両下部から突出しているのは、規制部だけのため、デフレクタ本体が縁石や路面上の障害物との接触して破損することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のデフレクタ装置を取り付けたフェンダープロテクターの概略斜視図である。
【図2】本発明のデフレクタ装置の低速走行時の状態を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のデフレクタ装置の高速走行時の状態を示す概略斜視図である。
【図4】本発明のデフレクタ装置の低速走行時のデフレクタ装置を示す図1のA−A線概略断面図である。
【図5】本発明のデフレクタ装置の高速走行時のデフレクタ装置の形状変形を示す概略断面図である。
【図6】本発明のデフレクタ装置の他の実施例の低速走行時のデフレクタ装置の形状変形を示す概略断面図である。
【図7】本発明のデフレクタ装置の他の実施例の高速走行時のデフレクタ装置の形状変形を示す概略断面図である。
【図8】図3のB−B線断面図であり、デフレクタ本体部に設けられた整流面の第一実施例を示すものである。
【図9】本発明のデフレクタ本体部に設けられた整流面の第二実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明のデフレクタ本体部に設けられた整流面の第三実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明のデフレクタ装置の他の実施例において、低速走行時と高速走行時のデフレクタ装置の形状変化を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、前記デフレクタは、前記ホイールハウスの前方に反車体側(路面側になるように)に取り付けられる取付部と、前記走行風を受けるデフレクタ本体部と、該取付部と該デフレクタ本体部とを連結すると共に、回動自在な連結部と該デフレクタ本体部を所定位置に規制する規制部とから構成され、車両走行時には、前記デフレクタ本体に風を受けると前記規制部により前記デフレクタ本体部の位置を規制する車両のデフレクタ装置である。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の一実施例を添付図面で詳細に説明する。
本実施例のデフレクタ装置2は、図1からも理解できるように、車両のホイールハウス11を形成するフェンダープロテクター1の前方側に取り付けられるものであり、デフレクタ装置は、フェンダープロテクター1にリベット4等で取り付けられ、さらに、フェンダープロテクター1には、高速走行時にデフレクタ装置2の規制部7を収納する凹部3を設けている(図5参照)。
【0013】
ここで、本実施例のデフレクタ装置2を形状と共に、高速走行時と低速走行時(停止時や後退時も含む)のデフレクタ装置の形状変化について図面に基づいて説明する。
デフレクタ装置2は、フェンダープロテクター1との取付面としての固定部5、整流面となっているデフレクタ本体部6、規制部7の3面から構成されている。
デフレクタ装置2は、車両の停止時や後退時、低速前進走行時の場合、図2または図4のように、デフレクタ本体部6が車両前方側に略ユ字形状であり、車両が高速前進走行(高速走行)している場合、図3、または図5のようにデフレクタ本体部6が下方に向き、車両下部側に向くY字形状に形状が変化している。そして、車両が高速走行から低速走行している場合には、図2または図4のようにデフレクタ本体部6が車両前方側に略ユ字形状に戻るようになっている。
つまり、図5からも理解できるように、車両が高速で走行している場合、整流面としてのデフレクタ本体部6に走行風9を受けると、固定部5の後端側に設けた薄肉部8を軸にデフレクタ本体部6及び規制部7がフェンダープロテクター1に設けられた凹部3と規制部7が合わさるまで回転する。その時、整流面であるデフレクタ本体部6は地面と略垂直になり、前方投影面積が最大となり、走行風9を整流して、ホイールハウス11へ流入する走行風9を最小限に減少させ、車両の空力性能を格段に向上させることができる。
また、低速走行時には、図4からも理解できるように、デフレクタ本体部6に受ける走行風9が弱いため、高速走行時には弾性変形していたデフレクタ装置2は元の位置に戻り、車両前方側への略ユ字形状となる。この状態になると、車両下部に突出する部位は、非常に小さくなるため、縁石や車止め10にデフレクタ装置2が当たることもなく、デフレクタ装置2の破損の心配もない。
【0014】
次に、本発明のデフレクタ装置2の他の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例では、図6、図7からも理解できるように、フェンダープロテクター1の下部に低速走行時に整流面であるデフレクタ本体部6を収納する収納部12と高速走行時には、規制部7を収納する収納部13を設けたものであり、低速走行時には、図6のように、デフレクタ本体部6は収納部12に収納され、車両下部には突出されない。そのため、縁石や車止め10にデフレクタ本体部6が当たることもなく、デフレクタ装置2の破損の心配もない。
また、フェンダープロテクター1とデフレクタ装置2を接続する固定部位も車両下部に飛び出していないため、風雨等による腐食等の進行も遅くでき、長期間の使用にも耐えられるものである。
なお、低速走行時、高速走行時のデフレクタ装置2の形状変化は、前記実施例と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0015】
次に、本発明のデフレクタ装置2に設けられた整流面であるデフレクタ本体部6の形状について図8〜図10に基づいて説明する。
図8のように、デフレクタ本体部6の表面は、車両後方側に凸の湾曲面に構成してある。
このことによって走行風9を効率よく受け止めやすくなり、デフレクタ本体部6がよりスムーズに回転することができるものである。
さらに、湾曲面とすることで、平板より高い形状剛性が得られ、デフレクタ本体部6の板厚を薄くでき、走行風9によるデフレクタ本体部6の回転をよりスムーズにすることができる。
また、図9、図10は、整流面の第二、第三実施例であり、整流面の湾曲面の数を増やしたり(図9参照)、整流面に1つの大きな湾曲の中に小さい湾曲を設けたり(図10参照)することで、より走行風9を整流し、ホイールハウス11への走行風9の流入を防ぐことができるものである。
【0016】
本発明のデフレクタ装置2は、合成樹脂製のものや、ラバー状のもの等、弾性変形するものであれば、種々選択できる。また、前記実施例で、薄肉部8とした部位にヒンジやバネを採用しても良い。
【0017】
次に、本発明の他の実施例を図面に基づいて説明する。
前記実施例は、いずれもデフレクタ装置2をホイールハウス1の前方に反車体側(路面側になるよう)に取り付け、車体下面と路面との間に生じる走行風を利用するものであるが、本実施例のデフレクタ装置22は、車体下面と路面との間に生じる走行風9を利用するのではなく、車両フード下、例えばラジエータを冷却するために車両前方に配置されたラジエータグリルの開口を介して流れる走行風9´(冷却風)を利用するものである。
本実施例のデフレクタ装置22は、車両のホイールハウスを形成するフェンダープロテクター21の前方側に取り付けられるものであり、走行風9´を受けるデフレクタ本体部26と、ホイールハウス内に車両前方からの走行風9が流入するのを規制するデフレクタ23と、前記デフレクタ本体部26と前記デフレクタ23とを連結する連結部28と、前記デフレクタ本体部26を所定位置に規制する規制部27と、前記デフレクタ本体部26と前記連結部28との接続部に筒状部25が形成されている。
本実施例では、デフレクタ装置22の筒状部25に軸ピン30を挿通し、この軸ピン30を挿通支持する台座21Aを筒状部25の両端に、フェンダープロテクター21の前方に一体に形成され、デフレクタ23が挿通する開口29が形成されている。
【0018】
ここで、本実施例のデフレクタ装置22の低速走行時と高速走行時のデフレクタ装置22の動きについて、図面に基づいて説明する。
車両の停止時や後退時、低速前進走行時の場合では、図11の破線に示されるようにデフレクタ本体部26は、例えばねじりコイルばね等の付勢手段(図示せず)を用いて、垂直状態よりも前傾状態となるように付勢されている。また、デフレクタ23の下端がフェンダープロテクター21の前方に設けた開口29に臨んだ状態に配置されている。
低速走行時では、車両フード下を流れる走行風9´(冷却風)の圧力が小さいため、デフレクタ本体部26は、図11の破線の状態に維持されている。
高速走行時の場合では、図11の実線のように、車両フード下を流れる走行風9´(冷却風)の圧力が付勢手段の付勢力よりも大きくなると、デフレクタ本体部26が後方側へ回動することで、連結部28が下方側へ回動し、デフレクタ23が開口29を通って車両下部から路面側に突出する。デフレクタ23の突出は、規制部27が開口29の周縁と当接することで最大となり、この位置で維持される。
このとき、デフレクタ23は、車両下面(車両下部)と路面との間に生じる走行風9を整流して、ホイールハウス内へ流入する走行風9を最小限に減少させ、車両の空力性能を格段に向上させることができる。
【0019】
また、高速走行から低速走行になると、デフレクタ本体部26に受ける走行風9´(冷却風)の圧力が付勢手段の付勢力よりも小さくなると、デフレクタ本体部26が元の位置に復帰するため、デフレクタ23の位置も元に戻る(図11の破線の状態)。この状態になると、車両下部に突出する部位が非常に小さくなるため、縁石や車止めにデフレクタ装置22が当たることがない。
デフレクタ装置22は、デフレクタ本体部26とデフレクタ23とを連結する連結部28を一体に成形し、筒状部25とともに形成しているが、デフレクタ本体部26と連結部28とを別体とし、それぞれを歯車等の噛み合わせ構造としても良い。また、デフレクタ装置22は、合成樹脂でもよく、金属製でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0020】
全ての車両のデフレクタ装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1・・・・フェンダープロテクター
2・・・・デフレクタ装置
3・・・・凹部
4・・・・リベット
5・・・・固定部
6・・・・デフレクタ本体部
7・・・・規制部
8・・・・薄肉部
9・・・・走行風
9´・・・・走行風
10・・・・縁石、車止め
11・・・・ホイールハウス
12・・・・収納部
13・・・・収納部
21・・・・フェンダープロテクター
21A・・・・台座
22・・・・デフレクタ装置
23・・・・デフレクタ
25・・・・筒状部
26・・・・デフレクタ本体部
27・・・・規制部
28・・・・連結部
29・・・・開口
30・・・・軸ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、デフレクタ本体部が走行風を受けると、車両下部から出没し、デフレクタはデフレクタ本体部の位置を規制する規制部を有していることを特徴とする車両のデフレクタ装置。
【請求項2】
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、前記デフレクタは、前記ホイールハウスの前方に反車体側(路面側になるように)に取り付けられる取付部と、前記走行風を受けるデフレクタ本体部と、該取付部と該デフレクタ本体部とを連結すると共に、回動自在な連結部と該デフレクタ本体部を所定位置に規制する規制部とから構成され、車両走行時には、前記デフレクタ本体に走行風を受けると前記規制部により前記デフレクタ本体部の位置を規制することを特徴とする車両のデフレクタ装置。
【請求項3】
前記連結部には、ヒンジ部(薄肉部)を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の車両のデフレクタ装置。
【請求項4】
前記規制部は、前記デフレクタ本体部と前記連結部との結合部から延設され、該規制部の受け部を前記車体に凹部としていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両のデフレクタ装置。
【請求項1】
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、デフレクタ本体部が走行風を受けると、車両下部から出没し、デフレクタはデフレクタ本体部の位置を規制する規制部を有していることを特徴とする車両のデフレクタ装置。
【請求項2】
車両のホイールハウスの前方に設けられ、該ホイールハウス内に車両前方からの走行風が流入するのを規制するデフレクタを備えた車両のデフレクタ装置であって、前記デフレクタは、前記ホイールハウスの前方に反車体側(路面側になるように)に取り付けられる取付部と、前記走行風を受けるデフレクタ本体部と、該取付部と該デフレクタ本体部とを連結すると共に、回動自在な連結部と該デフレクタ本体部を所定位置に規制する規制部とから構成され、車両走行時には、前記デフレクタ本体に走行風を受けると前記規制部により前記デフレクタ本体部の位置を規制することを特徴とする車両のデフレクタ装置。
【請求項3】
前記連結部には、ヒンジ部(薄肉部)を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の車両のデフレクタ装置。
【請求項4】
前記規制部は、前記デフレクタ本体部と前記連結部との結合部から延設され、該規制部の受け部を前記車体に凹部としていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両のデフレクタ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−131679(P2011−131679A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291881(P2009−291881)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
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