説明

車両のフェンダブラケット構造

【課題】手つき等の一定値未満の荷重入力に対しては、フェンダパネル部材の変形が抑制されると共に、一定値以上の衝撃荷重が入力した際には、所望の変形により、衝撃荷重を吸収して緩和することが出来る車両のフェンダブラケット構造を提供する。
【解決手段】フロントフェンダブラケット部材16は、折曲部16aの下面側との間に、空間17を形成しながら、フェンダパネル部材12を下方から支持する。また、このフロントフェンダブラケット部材16は、車幅方向内側に所定の角度で傾斜する縦側壁部16aと直交する前後壁部16bとを有して、略L字状を呈している。このうち、前後壁部16bには、フェンダパネル部材12からの荷重入力が、一定値以上となった場合に、座屈変形を誘発する不整部16cが、前後壁部16bの内側辺16fを、内側に凹状の湾曲形状とすることにより形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフェンダパネル部材を支持する車両のフェンダブラケット構造に関し、特に、車体側エプロン部材と、フェンダパネル部材との間に空間を形成して支持することにより、衝撃吸収性を持たせてなる車両のフェンダブラケット構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両のフェンダブラケット構造としては、例えば、図6乃至図8に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このようなものでは、車両1の前部に設けられたエンジンルーム5を覆うフードパネル部材2の下方には、車体側パネル部材としてのフロントエプロンアッパメンバ部材3が、このエンジンルーム5の両側縁に沿って、左右一対、設けられている。
【0004】
このうち、前記車体側面部を覆うフェンダパネル部材4の内側縁には、水平に屈曲された折曲部4aが、一体に連設されて形成されている。
【0005】
そして、前記フロントエプロンアッパメンバ部材3の上面部3aには、このフロントエプロンアッパメンバ部材3の長手方向に沿って、複数のフロントフェンダブラケット部材6…が、一定間隔を置いて、固着されている。
【0006】
このフロントフェンダブラケット部材6…は、各々側面視略ハット状を呈して、前記折曲部6との間に介在することにより、このフロントエプロンアッパメンバ部材3の上面部3aと、この折曲部6の下面側との間に、空間7を形成しながら、結合するように構成されている。
【0007】
このフロントフェンダブラケット部材6は、図7に示すように、上面部6aに、ボルト部材8を挿通して、この上面部6a裏面側に設けられたナット部材9と螺合させるボルト挿通孔6bが、開口形成されている。
【0008】
また、このフロントフェンダブラケット部材6は、この上面部6aの左,右両側から、一対の脚部6c,6cが延設されている。
【0009】
この脚部6c,6cの下端部には、略直角に折曲延設された各下面部6d,6dが、一体に設けられていて、これらの各下面部6d,6dが、前記フロントエプロンアッパメンバ部材3の上面部3aに、溶接等により固着されている。
【0010】
そして、これらの脚部6c,6cには、上方等からの荷重入力に対して、屈曲することにより衝撃を吸収する折曲部6e,6eが、上下方向略中央部に各々形成されている。
【0011】
次に、この従来の車両のフェンダブラケット構造の作用効果について説明する。
【0012】
このように構成された従来の車両のフェンダブラケット構造では、車両組み立て時、前記フェンダパネル部材4の折曲部4aに形成された挿通孔4bには、前記ボルト部材8が、挿通されて、前記フロントエプロンアッパメンバ部材3の上面部3aに固着された各フロントフェンダブラケット部材6…の上面部6aに形成されたボルト挿通孔6bを介して、裏面側に設けられたナット部材9に螺着される。
【0013】
このため、前記フロントエプロンアッパメンバ部材3の上面部3aと、フェンダパネル部材4の折曲部4aとの間に一定の空間7が形成されて、このフェンダパネル部材4が、前記各フロントフェンダブラケット部材6…によって、下方から支持される。
【0014】
そして、図8中矢印に示すように、前記フードパネル部材2若しくは、フェンダパネル部材4のフロントフェンダブラケット部材6上方から、衝撃荷重Aが、作用すると、前記フロントフェンダブラケット部材6の脚部6c,6cに形成された折曲部6e,6eから、屈曲が開始されて、この衝撃荷重Aが、吸収されることにより、衝撃力が緩和される。
【特許文献1】特許公開2002−178953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来の車両のフェンダブラケット構造においては、フェンダパネル部材4の上端部若しくは側面部等に、手つき等の荷重入力B若しくはCが作用すると、前記折曲部6e,6eの屈曲が、容易に開始されて、前記フェンダパネル部材4が、変形してしまう虞があった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、手つき等の一定値未満の荷重入力に対しては、フェンダパネル部材の変形が抑制されると共に、一定値以上の衝撃荷重が入力した際には、所望の変形により、衝撃荷重を吸収して緩和することが出来る車両のフェンダブラケット構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載されたものは、車両のフードパネル部材の下方に位置する車体側パネル部材と、車体側面部を覆うフェンダパネル部材のうち、水平に屈曲された折曲部との間に介在して、該車体側パネル部材の上面部と、該折曲部の下面側との間に空間を形成しながら結合するフェンダブラケット部材とを有する車両のフェンダブラケット構造であって、前記フェンダブラケット部材は、車両前後方向に沿って面延設方向を有する縦側壁部と、該縦側壁部と直交して車幅方向に沿って面延設方向を有して、一体に設けられることにより、該フェンダブラケット部材の水平断面視略L字状を呈する前後壁部とを有し、該前後壁部には、前記フェンダパネル部材からの荷重入力が、一定値以上となった場合に、座屈変形を誘発する不整部が設けられている車両のフェンダブラケット構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に記載されたものによれば、前記フェンダパネル部材からの荷重入力が、一定値未満である場合、前記フェンダブラケット部材に形成された水平断面視略L字状を呈する前後壁部が、所望の剛性を発揮して、形状を保持しようとする為、前記フェンダパネル部材を変形させることがない。
【0019】
また、該前後壁部に形成された前記不整部によって、前記フェンダパネル部材からの荷重入力が、一定値以上となった場合に、座屈変形が誘発される。
【0020】
前記前後壁部の該不整部では、座屈変形によって、荷重入力が吸収される。
【0021】
このため、手つき等の一定値未満の荷重入力に対しては、フェンダパネル部材の変形が抑制されると共に、障害物等の車両前部への乗り上げ等、一定値以上の衝撃荷重が入力した際には、所望の変形により、衝撃荷重を吸収して緩和することが出来、障害物の保護機能を発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の最良の実施の形態の車両のフェンダブラケット構造を、図面に基づいて説明する。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0023】
図1乃至図5は、この発明の実施の形態の車両11のフェンダブラケット構造を示すものである。
【0024】
この実施の形態の車両11のフェンダブラケット構造では、車両11の前部に設けられたエンジンルーム5を覆うフードパネル部材2の下方には、車体側パネル部材としてのフロントエプロンメンバ部材13が、このエンジンルーム5の両側縁に沿って、左右一対、設けられている。
【0025】
このフロントエプロンメンバ部材13は、主に、図1に示すように、外側稜線14cによって、略直角に折曲されて、断面略L字状を呈するフロントエプロンアッパメンバ部材14と、このフロントエプロンアッパメンバ部材14の下側に位置して、同じく略L字状状に折曲されたフロントエプロンロアメンバ部材15とを有して構成されている。
【0026】
そして、このフロントエプロンロアメンバ部材15の上フランジ部15a及び下フランジ部15bが、前記フロントエプロンアッパメンバ部材14の内側面に、接合されることにより、断面略ロ字状を呈するように構成されている。
【0027】
このうち、前記フロントエプロンロアメンバ部材15では、稜線の折曲により形成される上フランジ部15aが、前記フロントエプロンアッパメンバ部材14の上面部14aに接合されている。
【0028】
この上面部14aには、この接合により、前記フロントエプロンロアメンバ部材15の稜線に沿って、他の部分よりも高剛性を有する内側稜線14bが、車両前後方向に延設されて、内側縁近傍に位置するように構成されている。
【0029】
このフロントエプロンアッパメンバ部材14の上面部14aには、このフロントエプロンアッパメンバ部材14の長手方向に沿って、複数のフェンダブラケット部材としてのフロントフェンダブラケット部材16…が、一定間隔を置いて、固着されている。
【0030】
このフロントフェンダブラケット部材16は、前記フェンダパネル部材12の内側端部に、二段となるように水平に屈曲された折曲部12aの水平取付フランジ部12bと、前記上面部14aとの間に介在されることにより、このフロントエプロンアッパメンバ部材14の上面部14aと、この折曲部16aの下面側との間に、空間17を形成しながら、フェンダパネル部材12を下方から支持するように、前記上面部14aに接合されている。
【0031】
また、このフロントフェンダブラケット部材16は、車両前後方向に沿って面延設方向を有すると共に、車幅方向内側に所定の角度で傾斜する縦側壁部16aと、該縦側壁部16aと直交して車幅方向に沿って面延設方向を有する前後壁部16bとを有して、一体に設けられている。
【0032】
これらの縦側壁部16a及び前後壁部16bにより、該フロントフェンダブラケット部材16の水平断面形状が、略L字状を呈するように構成されている。
【0033】
このうち、前記前後壁部16bには、前記フェンダパネル部材12からの荷重入力が、一定値以上となった場合に、座屈変形を誘発する不整部16cが設けられている。
【0034】
前記不整部16cは、前記前後壁部16bの内側辺16fを、内側に凹状の湾曲形状とすることにより、主に構成されている。
【0035】
また、これらの縦側壁部16a及び前後壁部16bの各上端縁には、前記上面視略正方形形状を呈して、水平取付フランジ部12bの下面側に当接される上面部16dが、一体に形成されている。
【0036】
この上面部16dには、略中央部に、ボルト挿通孔16eが開口形成されていて、前記水平取付フランジ部12bに開口形成されたボルト挿通孔12cと対向するように構成されている。
【0037】
また、このボルト挿通孔16eの裏面側には、前記ボルト部材8の雄ネジ部が、螺合されるナット部材9が、設けられている。
【0038】
そして、前記縦側壁部16aには、車幅方向外側に向けて凸状のビード部16jが、形成されている。
【0039】
更に、縦側壁部16a及び前後壁部16bの下端縁には、前記フロントエプロンアッパメンバ部材14の上面部14aに溶接されて固着される接合フランジ部16gが、一体に形成されている。
【0040】
そして、図2中w1,w2に示すように、この接合フランジ部16gの溶接ポイントである結合部16h,16iは、各々前記外側稜線14c及び、内側稜線14bに近接されて形成されている。
【0041】
また、この実施の形態では、図1中に示すように、前記縦側壁部16aが、車幅方向内側に所定の角度で傾斜して、前記接合フランジ部16gの結合部16h,16iよりも、前記上面部16dの車幅方向位置が、車両内側に位置するように構成されている。
【0042】
次に、この実施の形態の車両のフェンダブラケット構造の作用効果について説明する。
【0043】
まず、フェンダパネル部材12の建付けから説明すると、前記フロントエプロンアッパメンバ部材14の上面部14aに、一定間隔を置いて、複数固着された前記フロントフェンダブラケット部材16…の上面部16d…には、前記フェンダパネル部材12の水平取付フランジ部12bが載置される。
【0044】
そして、前記ボルト部材8…が、この水平取付フランジ部12bに開口形成されたボルト挿通孔12c…及び前記上面部16d…のボルト挿通孔16e…を介して、上方から挿通されて、前記雄ネジ部が、前記ボルト挿通孔16e…の裏面側に設けられたナット部材9…に各々螺合される。
【0045】
この際、この実施の形態では、図1に示すように、前記縦側壁部16aが、車幅方向内側に所定の角度で傾斜して、前記接合フランジ部16gの結合部16h,16iよりも、前記上面部16dの車幅方向位置が、車両内側に位置するので、エンジンルーム5内上部で作業スペースが確保されて、前記ボルト部材8をナット部材9に螺合させる作業性が、良好である。
【0046】
また、前記接合フランジ部16gの溶接ポイントである結合部16h,16iが、各々前記外側稜線14c及び、内側稜線14bに近接されて設けられている。
【0047】
このため、このフェンダパネル部材12の建付の際に、フェンダパネル部材12から、前記フロントエプロンアッパメンバ部材14の上面部14aにかかる荷重入力は、前記結合部16h,16iから、外側稜線14c及び、内側稜線14bに分散されて、変形する虞が少ない。
【0048】
建付後、この実施の形態では、前記フェンダパネル部材12からの荷重入力が、一定値未満である場合、前記フロント部材16に形成された水平断面視略L字状を呈する前後壁部16bが、所望の剛性を発揮して、形状を保持しようとする為、前記フェンダパネル部材12を変形させることがない。
【0049】
このため、図1及び図4に示すように、前記フロントフェンダブラケット部材16及びフェンダパネル部材12の形状が、手つき等による荷重入力によっては、変形することが無い。
【0050】
また、前記前後壁部16bに形成された前記不整部16cによって、前記フェンダパネル部材12からの荷重入力Aが、一定値以上となった場合に、座屈変形が誘発される。
【0051】
すなわち、一定値以上の荷重入力Aが加わると、図5に示すように、前記前後壁部16bの不整部16cによって、座屈変形が開始されて、この座屈変形に伴って、前記フェンダパネル部材12の変形ストロークを容易に確保することが出来、これらの荷重入力Aが吸収される。
【0052】
このため、手つき等の一定値未満の荷重入力に対しては、フェンダパネル部材12の変形が抑制されると共に、障害物等の車両前部への乗り上げ等、一定値以上の衝撃荷重が入力した際には、フェンダパネル部材12を充分な変形ストロークで、変形させることにより、この衝撃荷重を吸収させて緩和することが出来、障害物への反力を低減させて、障害物への保護機能を発揮させることができる。
【0053】
更に、この実施の形態の前記不整部16cは、前記前後壁部16bの内側辺16fを内側に凹状の湾曲形状とすることにより、構成されている。
【0054】
このため、容易に、手つき等の一定値未満の荷重入力に対しては、変形すること無く、前記フェンダパネル部材12からの荷重入力Aが、一定値以上となった場合に、座屈変形が誘発される不整部16cを構成することができる。
【0055】
また、前記縦側壁部16aには、図2に示すようなビード部16jが形成されている。
【0056】
このため、更に、前記フロントフェンダブラケット部材16の剛性を向上させて、手つき等の一定値未満の荷重入力に対しての変形を抑制することができる。
【0057】
更に、この実施の形態では、前記接合フランジ部16gの溶接ポイントである結合部16h,16iが、各々前記外側稜線14c及び、内側稜線14bに近接されて設けられている。
【0058】
このため、前記フロントエプロンアッパメンバ部材14の上面部14aに加わる荷重入力は、前記比較的、高剛性を有する外側稜線14c及び、内側稜線14bに分散されて、この上面部14aを変形させる虞が少ない。
【0059】
従って、前記フェンダブラケット部材16及びフェンダパネル部材12によって、荷重入力に対する反力の大きさを、容易にコントロールすることができる。
【0060】
また、この実施の形態では、前記縦側壁部16bが、車幅方向内側に所定の角度で傾斜されている。
【0061】
このため、図5に示す前記不整部16cを中心とした座屈変形を、上方向からの衝撃荷重A及び斜め上方向からの衝撃荷重Bの入力に対して、誘発させることができる。
【0062】
従って、更に、衝撃荷重を吸収して緩和する障害物の保護機能を向上させることができる。
【0063】
また、車両11の造形上、フェンダパネル部材12とフードパネル部材2との見切り線位置が、車幅方向内側に位置する場合でも、対応出来、車体造形の自由度を向上させることが出来る。
【0064】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0065】
即ち、前記実施の形態では、前記前後壁部16bの位置が、図1乃至図3では、車両前後方向前側に、また、図4及び図5では、車両前後方向後側に形成されたものを示して、説明してきたが、前側若しくは後側のうち、少なくとも何れか一方に形成されていればよい。
【0066】
また、前記実施の形態では、前記縦側壁部16aに、車幅方向外側に向けて凸状のビード部16jが、形成されているが、特にこれに限らず、例えば、前記縦壁部16aにビード部を形成しないものや、或いは、車両前後方向に並設された一対のビード部等、どのような形状、数量であってもよい。
【0067】
更に、前記フロントフェンダブラケット部材16の縦側壁部16aは、車両前後方向に沿って面延設方向を有すると共に、車幅方向内側に所定の角度で傾斜しているが、特にこれに限らず、傾斜しない縦側壁部16aや或いは更に、大きな傾斜角度で傾斜する縦壁部16a等、どのような縦側壁16aであっても、前記前後壁部16bと共に、水平断面視略L字状を呈するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態の車両のフェンダブラケット構造で、全体の構成を説明する車両の前部右側のフェンダ部分近傍の拡大断面図である。
【図2】実施の形態の車両のフェンダブラケット構造で、フロントエプロンメンバ部材に、フェンダブラケット部材が固着されている様子を説明する斜視図である。
【図3】実施の形態の車両のフェンダブラケット構造で、フェンダブラケット部材の斜視図である。
【図4】実施の形態の車両のフェンダブラケット構造で、フェンダブラケット部材の上面部に、フェンダパネル部材を取り付ける様子を示す分解斜視図である。
【図5】実施の形態の車両のフェンダブラケット構造で、荷重入力によって、フェンダパネル部材が、座屈変形する様子を説明する斜視図である。
【図6】従来例の車両のフェンダブラケット構造で、全体の構成を説明する斜視図である。
【図7】従来例の車両のフェンダブラケット構造で、フェンダブラケット部材の斜視図である。
【図8】従来例の車両のフェンダブラケット構造で、フェンダ部分の車幅方向に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0069】
11 車両
12 フェンダパネル部材
14 フロントエプロンアッパメンバ部材
14a 上面部
14b 内側稜線
14c 外側稜線
16 フロントフェンダブラケット部材(フェンダブラケット部材)
16a 縦側壁部
16b 前後壁部
16c 不整部
16g 接合フランジ部
16h,16i 結合点
16j ビード部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフードパネル部材の下方に位置する車体側パネル部材と、車体側面部を覆うフェンダパネル部材のうち、水平に屈曲された折曲部との間に介在して、該車体側パネル部材の上面部と、該折曲部の下面側との間に空間を形成しながら結合するフェンダブラケット部材とを有する車両のフェンダブラケット構造であって、
前記フェンダブラケット部材は、車両前後方向に沿って面延設方向を有する縦側壁部と、該縦側壁部と直交して車幅方向に沿って面延設方向を有して、一体に設けられることにより、該フェンダブラケット部材の水平断面視略L字状を呈する前後壁部とを有し、該前後壁部には、前記フェンダパネル部材からの荷重入力が、一定値以上となった場合に、座屈変形を誘発する不整部が設けられていることを特徴とする車両のフェンダブラケット構造。
【請求項2】
前記不整部は、前記前後壁部の内側辺を内側に凹状の湾曲形状とすることにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両のフェンダブラケット構造。
【請求項3】
前記縦側壁部には、ビード部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両のフェンダブラケット構造。
【請求項4】
前記フェンダブラケット部材の下部に一体に形成される接合フランジ部と、前記車体側パネル部材を構成するエプロンアッパメンバ部材の上面部との接合点は、該エプロンアッパメンバ部材若しくは、該エプロンアッパメンバ部材と接合されるエプロンロアメンバ部材の稜線の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の車両のフェンダブラケット構造。
【請求項5】
前記縦側壁部を、車幅方向内側に所定の角度で傾斜させていることを特徴とする請求項1乃至4のうち、何れか一項記載の車両のフェンダブラケット構造。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−254515(P2008−254515A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−97227(P2007−97227)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】